(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、多様な変換を加え、さまざまな実施例を有することができるので、特定実施例を図面に例示し、詳細な説明に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる、あらゆる変換、均等物または代替物を含むものと理解しなければならない。本発明を説明するに当って、関連した公知技術についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0031】
本明細書において、あらゆる化合物または有機基は、特別な言及がない限り、置換または非置換のものである。ここで、「置換された」とは、化合物または有機基に含まれた少なくとも1つの水素がハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、炭素数3〜30のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、カルボン酸基、アルデヒド基、エポキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、及びこれらの誘導体からなる群から選択される置換基に置き換えられたことを意味する。
【0032】
また、本明細書において、「これらの組合わせ」とは、特別な言及がない限り、2つ以上の作用基が単一結合、二重結合、三重結合、炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、メチレン基(−CH
2−)、エチレン基(−CH
2CH
2−)など)、炭素数1〜10のフルオロアルキレン基(例えば、フルオロメチレン基(−CF
2−)、パーフルオロエチレン基(−CF
2CF
2−)など)、N、O、P、S、またはSiのようなヘテロ原子またはそれを含む作用基(例えば、分子内カルボニル基(−C=O−)、エーテル基(−O−)、エステル基(−COO−)、−S−、−NH−または−N=N−などを含むヘテロアルキレン基)のような連結基によって結合されているか、または2つ以上の作用基が縮合、連結されていることを意味する。
【0033】
ポリイミドは、剛直な芳香族環とイミド結合で構成されて、優れた機械的物性と耐熱性とを示す高分子であって、このような特性に基づいて多くの産業分野で多様な形態で用いられている。しかし、既存のポリイミドは、鎖内、そして、鎖間の電子遷移のために、一部の可視光線領域を吸収して黄変を示し、これは、ディスプレイ用高耐熱透明材料としての可能性を阻害することができる。このような黄変現象は、電荷遷移複合化によって表われ、これは、剛直なポリイミド高分子鎖の重複(packing)が顕著になるほどさらに激しく発生する。本発明は、このような黄変現象を解決するために、ポリイミド主鎖に他のグループを含む繰り返し単位を導入して、ポリイミド鎖間の重複を妨害することによって、電荷転移を最小化する方法を提供することができる。前記繰り返し単位としてポリアミドがポリイミド鎖に導入され、この高分子は、ポリイミドと同様に優れた機械的物性と耐熱性とを有し、ポリイミドとの共重合時に、高分子鎖間の重複を防ぎ、電荷転移をより低めて光学的特性を改善させることができる。しかし、ポリアミド構造の場合、剛直な形態の鎖構造と鎖構造間の水素結合によって部分的な結晶構造を有して、透明性が低下し、このようなポリアミドの結晶構造とポリイミドの非晶質構造との間の非相溶性による白濁現象が発生する。
【0034】
このような従来の問題を解決するために、下記化学式1で表されるジアミン化合物を提供する。
[化学式1]
【化19】
前記化学式1において、Q
1、Q
2は、それぞれ独立してフッ素基(F)、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜30のフルオロアリール基、シアノ基(CN)から選択され、望ましくは、前記Q
1及びQ
2は、それぞれ独立して炭素数1〜5のフルオロアルキル基から選択されるものであり、例えば、トリフルオロメチル基であり、Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基であり、望ましくは、水素である。
【0035】
本発明によるジアミン構造は、ベンゼン環とアミドグループからなる剛直な構造を有することにより、重合された高分子が優れた機械的物性と耐熱性とを示すだけではなく、ベンゼン環に電気陰性度が高い特定の置換基を導入することにより、無色透明性を増大させようとした。例えば、フッ素置換体のように電気陰性度が高い原子を導入して、電荷転移を最小化し、黄色度を低めるか、フェニルグループを導入して、アミドグループ間の水素結合を防止し、同時に鎖間の距離を増大させることにより、やはり電荷転移を最小化し、結晶性を落として、同様に重合体の無色透明度を高め、特に、機械的物性及び耐熱性が高いポリアミドイミド、ポリイミドなどに適用されて、優れた透明度を示すことができる。
【0036】
前記化学式1の化合物は、例えば、下記化学式1aの化合物であり得る。
[化学式1a]
【化20】
前記式において、Q
1、Q
2は、化学式1と同一なものである。
【0037】
Q
1及びQ
2が、前記化学式1aの構造のような位置に置換されることにより、重合体の透明性及び耐熱性がより極大化されうる。
【0038】
例えば、Q
1及びQ
2置換基が、化学式1aのような位置に置換されることにより、高分子重合反応時に、置換基による立体的な影響が少なく、反応性が最も最適化されるだけではなく、分子の構造的でも電気陰性度の側面で、アミドによる分子間水素結合を抑制させることができる最適の置換基の位置であって、分子間水素結合によるパッキング密度(packing density)が高くなることをより効率的に抑制することにより、パッキング密度の増加から表われる黄変問題を著しく低下させるだけではなく、ジアミン分子のベンゼンの回転を適切に抑制することにより、面内配向を誘導させて、耐熱性も向上した構造の形成により有利である。したがって、前記のような置換基の位置は、本発明によるジアミン構造から表われる無色透明性と耐熱性とを最適化させることができる。
【0039】
前記Q
1及びQ
2が、フルオロアルキル基を含みながら、化学式1aの置換位置を有する時、前記ジアミン化合物の
1H−NMRが、9.48±1.0ppm(1H)、7.31±1.0ppm(1H)、7.02±0.2ppm(1H)、6.94±0.2ppm(1H)、6.90±0.2ppm(1H)、6.81±0.2ppm(2H)、5.86±0.3ppm(2H)、及び5.57±0.3ppm(2H)に相応するピークが表われる。
【0040】
本発明において、前記化学式1で表されるジアミン化合物は、次のような反応で製造可能である。
【0041】
下記化学式3の化合物と下記化学式4の化合物とを反応させて、化学式5の化合物を製造する段階と、化学式5の化合物を水素化して、化学式6の化合物を形成する段階と、を含む方法で製造可能である。
[化学式3]
【化21】
[化学式4]
【化22】
[化学式5]
【化23】
[化学式6]
【化24】
前記式において、Q
1、Q
2は、それぞれ独立してフルオロ基(F)、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜30のフルオロアリール基、シアノ基(CN)から選択され、Wは、ヒドロキシ基(−OH)、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)、アルコキシ基(−OR')から選択されるものであり、前記R'は、炭素数1〜3のアルキル基であり、Gは、−NO
2または−NH(PG)から選択されるものであり、前記PGは、Cbz、Moz、BOC、FMOC、Ac、Bz、Bn、Carbamate、PMB、DMPM、PMP、Ts、及びNsからなる群から選択される保護基である。望ましくは、Moz、Bocから選択されるものである。
【0042】
例えば、前記ジアミンは、下記反応式1〜反応式2の反応を含む方法で製造されるものである。
【0043】
下記反応式1の化学式Aで表される化合物を加水分解して製造された化学式Bの化合物を製造する段階と、下記反応式2の化学式Bで表される化合物と化学式Cで表される化合物とを反応させて、化学式Dで表されるジニトロ化合物を製造する段階と、下記反応式2の化学式Dで表されるジニトロ化合物を水素化反応して、化学式1aで表されるジアミン化合物を製造する段階と、を含む方法で製造可能である。
[反応式1]
【化25】
[反応式2]
【化26】
【0044】
また、前記ジアミンは、下記反応式3〜反応式4の反応を含む方法でも製造可能である。
【0045】
下記反応式3の化学式Eで表される化合物のカルボン酸を塩素に置換して、化学式Fの化合物を製造する段階と、下記反応式4の化学式Fで表される化合物と化学式Gで表される化合物とを反応させて、化学式Hで表される化合物を製造する段階と、下記反応式4の化学式Hで表される化合物を水素化反応して、化学式1aで表されるジアミン化合物を製造することができる。
[反応式3]
【化27】
[反応式4]
【化28】
【0046】
すなわち、アミド基を形成する方法でカルボン酸とアミン基とを反応させてアミド基を形成する方法とカルボン酸をアミンと反応性が高いカルボン酸塩化物で塩素化させた後、アミン基と反応させる方法とに分けられ、アミン基を形成する方法としては、ニトリル基を水素化する方法とアミン保護グループに置換されたアミン基を水素化してアミン基を形成する2種の方法が使われる。
【0047】
本発明は、前記化学式1で表されるジアミン化合物を単量体として使用して重合反応を通じて得られる高分子重合体を提供する。
【0048】
本発明は、前記化学式1のジアミン化合物と下記化学式10のテトラカルボン酸二無水物、化学式12のジカルボン酸または化学式13のジカルボン酸ジクロリドから選択される1つ以上と反応させる段階を含む高分子重合体の製造方法を提供する。
[化学式10]
【化29】
前記化学式10において、X
1は、炭素数6〜30の芳香族環または炭素数4〜30の脂肪族環を含む4価の有機基であり、
[化学式12]
【化30】
前記化学式12において、X
2は、炭素数6〜30の芳香族環または炭素数4〜30の脂肪族環を含む2価の有機基であり、
[化学式13]
【化31】
前記化学式13において、X
3は、炭素数6〜30の芳香族環または炭素数4〜30の脂肪族環を含む2価の有機基である。
【0049】
一実施例によれば、前記化学式10の4価の有機基X
1は、分子内芳香族、脂環族、または脂肪族の4価の有機基、またはこれらの組合わせ基であって、脂肪族、脂環族または芳香族の4価の有機基が架橋構造を通じて互いに連結された4価の有機基を含むテトラカルボン酸二無水物であり得る。望ましくは、単環式または多環式芳香族、単環式または多環式脂環族、またはこれらのうち、2つ以上が単一結合で連結された構造を有する酸二無水物であり得る。
【0050】
前記化学式10において、4価の有機基X
1は、炭素数6〜24の芳香族の4価の有機基;炭素数3〜12のシクロアルカンの構造を含む脂環族の4価の有機基、またはこれらのうち、2つ以上が単一結合で連結された構造からなる群から選択される2価の有機基であり、例えば、下記化学式10a〜化学式10eの構造を含む4価の有機基から選択される1つ以上であり得る。
[化学式10a]
【化32】
[化学式10b]
【化33】
[化学式10c]
【化34】
[化学式10d]
【化35】
[化学式10e]
【化36】
前記化学式10a〜化学式10eにおいて、前記R
11〜R
17は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のフルオロアルキル基であり、前記a
1は、0または2の整数、a
2は、0〜4の整数、a
3は、0〜8の整数、a
4及びa
5は、それぞれ独立して0〜3の整数、a
6及びa
9は、それぞれ独立して0〜3の整数、そして、a
7及びa
8は、それぞれ独立して0〜9の整数であり、そして、前記A
11及びA
12は、それぞれ独立して単一結合、−O−、−CR
18R
19−、−C(=O)−、−C(=O)NH−、−S−、−SO
2−、フェニレン基、及びこれらの組合わせからなる群から選択されるものであり、この際、前記R
18及びR
19は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、及び炭素数1〜10のフルオロアルキル基からなる群から選択されるものである。
【0051】
より具体的に、前記X
1は、下記化学式11a〜化学式11iからなる群から選択される4価の有機基であり得る。
【化37】
前記化学式11a〜化学式11iの4価の有機基内の1以上の水素原子は、−F、−Cl、−Br及び−Iからなる群から選択されるハロゲン原子、ヒドロキシル基(−OH)、チオール基(−SH)、ニトロ基(−NO
2)、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲノアルコキシ、炭素数1〜10のハロゲノアルキル、炭素数6〜30または炭素数6〜20のアリール基から選択される置換体に置換される。例えば、前記ハロゲン原子は、フルオロ(−F)であり、ハロゲノアルキル基は、フルオロ原子を含む炭素数1〜10のフルオロアルキル基であって、フルオロメチル基、パーフルオロエチル基、トリフルオロメチル基などから選択されるものであり、前記アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基から選択されるものであり、前記アリール基は、フェニル基、ナフタレニル基から選択されるものであり、より望ましくは、フルオロ原子及びフルオロアルキル基などのフルオロ原子を含む置換基であり得る。
【0052】
一実施例によれば、前記化学式12及び化学式13において、X
2及びX
3は、脂肪族、脂環族または芳香族の2価の有機基であるか、またはこれらの組合わせ基であって、脂肪族、脂環族または芳香族の2価の有機基が直接連結されるか、または架橋構造を通じて互いに連結された2価の有機基であり得る。
【0053】
前記X
2及びX
3は、具体的に、炭素数6〜24の単環式または多環式芳香族の2価の有機基、炭素数6〜18の単環式または多環式脂環族の2価の有機基、またはこれらのうち、2つ以上が単一結合で連結された構造からなる群から選択される2価の有機基であり、例えば、下記化学式14a〜化学式14eの構造を含む2価の有機基から選択される1つ以上であり得る。
[化学式14a]
【化38】
[化学式14b]
【化39】
[化学式14c]
【化40】
[化学式14d]
【化41】
[化学式14e]
【化42】
前記化学式14a〜化学式14eにおいて、R
21〜R
27は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基など)、ハロゲン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、tert−ブトキシ基など)及び炭素数1〜10のフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基など)からなる群から選択され、望ましくは、それぞれ独立してメチル基であり、また、A
21及びA
22は、それぞれ独立して単一結合、−O−、−CR'R''−(この際、R'及びR''は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基など)及び炭素数1〜10のハロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基など)からなる群から選択されるものである)、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−S−、−SO−、−SO
2−、−O[CH
2CH
2O]y−(yは、1〜44の整数である)、−NH(C=O)NH−、−NH(C=O)O−、炭素数6〜18の単環式または多環式のシクロアルキレン基(例えば、シクロヘキシレン基など)、炭素数6〜18の単環式または多環式のアリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフタレン基、フルオレニレン基など)、及びこれらの組合わせからなる群から選択され、b
1、b
4及びb
5は、それぞれ独立して0〜4の整数であり、b
2は、0〜6の整数であり、b
3は、0〜3の整数であり、b
6は、0または1の整数である。
【0054】
より具体的に、前記X
2及びX
3は、それぞれ独立して、下記化学式15a〜化学式15iからなる群から選択される2価の有機基であり得る。
【化43】
前記化学式15a〜化学式15iの2価の有機基内の1以上の水素原子は、−F、−Cl、−Br及び−Iからなる群から選択されるハロゲン原子、ヒドロキシル基(−OH)、チオール基(−SH)、ニトロ基(−NO
2)、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲノアルコキシ、炭素数1〜10のハロゲノアルキル、炭素数6〜30または炭素数6〜20のアリール基から選択される置換体に置換される。例えば、前記ハロゲン原子は、フルオロ(−F)であり、ハロゲノアルキル基は、フルオロ原子を含む炭素数1〜10のフルオロアルキル基であって、フルオロメチル基、パーフルオロエチル基、トリフルオロメチル基などから選択されるものであり、前記アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基から選択されるものであり、前記アリール基は、フェニル基、ナフタレニル基から選択されるものであり、より望ましくは、フルオロ原子またはフルオロアルキル基などのフルオロ原子を含む置換基であり得る。
【0055】
一実施例によれば、前記化学式12または化学式13の化合物を含む高分子重合体は、下記化学式12aまたは化学式13aで表される化合物を必ず含むものである。
[化学式12a]
【化44】
[化学式13a]
【化45】
【0056】
一実施例によれば、前記高分子重合体の製造方法からポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミドまたはポリアミドイミドを製造することができる。
【0057】
一実施例によれば、前記化学式1のジアミンを撹拌する段階と、前記ジアミン溶液に化学式10のテトラカルボン酸二無水物を添加して反応させて、下記化学式16の反復構造を含むポリアミック酸を重合する段階と、前記ポリアミック酸を脱水閉環してイミド化させることにより、下記化学式17の反復構造を含むポリイミドを製造する段階と、を含むポリイミドの製造方法を提供することができる。
[化学式16]
【化46】
[化学式17]
【化47】
前記式において、X
1、R、Q
1及びQ
2は、前記説明と同一である。
【0058】
一実施例によれば、前記化学式1のジアミンを撹拌する段階と、前記ジアミン溶液に化学式10のテトラカルボン酸二無水物を添加して撹拌する段階と、前記ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とが含まれた溶液に、化学式12のジカルボン酸または化学式13のジカルボン酸クロリドを添加して反応させて、前記化学式16の反復構造と化学式18または化学式19の反復構造とを共に含むポリアミドイミド前駆体を製造する段階と、前記ポリアミドイミド前駆体をイミド化させる段階と、を含むポリアミドイミドの製造方法を提供する。
[化学式18]
【化48】
[化学式19]
【化49】
前記式において、X
2及びX
3は、既に定義したようである。
【0059】
一実施例によれば、前記ポリアミドイミド構造において、前記化学式10のテトラカルボン酸二無水物と化学式12または化学式13の化合物は、1:5〜2:1のmol比で添加され、望ましくは、前記化学式12または化学式13の化合物が、化学式10に比べて、さらに多い含量で添加され、例えば、前記化学式10と化学式12または化学式13の化合物が、1:5〜1:2のmol比で添加されうる。すなわち、前記化学式17のポリイミド反復構造と化学式18または化学式19のポリアミド反復構造が、1:5〜2:1のmol比の含量で含まれ、望ましくは、1:5〜1:2のmol比で含まれる。前記化学式18または化学式19のポリアミド反復構造が、化学式17のポリイミド反復構造に比べて、さらに多量で含まれたポリアミドイミド前駆体を製造し、前記含量比を通じてより機械的特性及び耐熱性が保持されながら、優れた透明な特性を有するポリアミドイミドフィルムを製造することができる。
【0060】
本発明は、また、前記化学式1のジアミンを撹拌する段階と、前記ジアミン溶液に化学式12のジカルボン酸または化学式13のジカルボン酸クロリドを添加して反応させる段階と、を含むことにより、化学式18または化学式19の反復構造を含むポリアミドの製造方法を提供する。
【0061】
前記テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸及び/またはジカルボン酸クロリドをジアミンと反応させる方法は、溶液重合など通常のポリアミック酸、ポリアミドイミド、ポリアミド前駆体の重合製造方法によって実施することができる。この際、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸、及び/またはジカルボン酸クロリドの総量とジアミンの含量は、1:1.1〜1.1:1のmol比、または1:1.05〜1.05:1で混合することで、望ましい分子量、機械的物性及び粘度が得られる。
【0062】
前記重合反応は、不活性ガスまたは窒素気流下に実施され、無水条件で実行可能である。
【0063】
また、前記重合反応時に、温度は、−20〜60℃、望ましくは、0〜30℃で実施される。
【0064】
また、前記重合反応に使われる有機溶媒としては、具体的に、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類(セロソルブ);酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、カルビトール、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホルムアミド(DEF)、N−メチルピロリドン(NMP)、N−エチルピロリドン(NEP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチルウレア、N−メチルカプロラクタム、テトラヒドロフラン、m−ジオキサン、P−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)]エーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが使われる。
【0065】
望ましくは、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチルピロリドン(NEP)、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。より望ましくは、25℃での分配係数(LogP値)が正数であり、沸点が180℃以下であるものである。より具体的に、分配係数LogP値は、0.01〜3、または0.01〜2、または0.01〜1であり得る。前記分配係数は、ACD/Labs社のACD/Percepta platformのACD/LogP moduleを使用して計算され、ACD/LogP moduleは、分子の2D構造を用いてQSPR(Quantitative Structure−Property Relationship)方法論基盤のアルゴリズムを利用する。
【0066】
前記分配係数LogPが正数である溶媒としては、例えば、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−エチルピロリドン(NEP)などから選択される1つ以上であり、これらを単独または混合物として利用することができる。しかし、これに限定されるものではなく、キシレン、トルエンのような芳香族炭化水素をさらに使用することもでき、また、ポリマーの溶解を促進させるために、前記溶媒に前記溶媒総量に対して約50重量%以下のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩をさらに添加することもできる。
【0067】
前記製造方法によって製造された高分子重合体組成物、または高分子重合体の前駆体組成物は、フィルム形成工程時の塗布性などの工程性を考慮して、前記組成物が適切な粘度を有させる量で固形分を含むことが望ましい。一実施例によれば、全体固形分の含量が5〜25重量%になるように組成物の含量を調節し、望ましくは、5〜20重量%、より望ましくは、5〜20重量%、または5〜15重量%以下に調節することができる。
【0068】
または、前記高分子重合体組成物または高分子重合体前駆体組成物が、500cP以上、あるいは1,000cP以上、望ましくは、3,000cP以上の粘度を有するように調節するものであり、前記組成物の粘度は、30,000cP以下、あるいは20,000cP以下、望ましくは、18,000cP以下、または15,000cP以下の粘度を有するように調節することが望ましい。組成物の粘度が、500cP未満であるか、30,000cPを超過する場合、フィルム加工時に、気泡発生及び表面粗度が良くなくて、光学的特性が低下する。
【0069】
また、本発明による高分子重合体、例えば、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドの分子量は、10,000〜200,000g/mol、あるいは20,000〜100,000g/mol、あるいは30,000〜100,000g/molの重量平均分子量を有するものである。
【0070】
また、本発明による高分子重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.1〜2.5であることが望ましい。重量平均分子量または分子量分布が、前記範囲を外れる場合、フィルム形成が困難であるか、または透過度、耐熱性及び機械的特性などポリアミドイミド系フィルムの特性が低下する恐れがある。
【0071】
前記高分子重合体組成物は、有機溶媒中に溶解された溶液の形態であり、このような形態を有する場合、例えば、ポリアミドイミド前駆体またはポリアミック酸を有機溶媒中で合成した場合、溶液は、得られる反応溶液それ自体でも良く、また、この反応溶液を他の溶媒に希釈したものでも良い。また、ポリアミドイミド前駆体またはポリアミック酸を粉末として得た場合には、それを有機溶媒に溶解させて溶液にしたものでも良い。
【0072】
また、ポリマー成分の粉末を有機溶媒に溶解して、溶液を製造する時に加熱しても良い。加熱温度は、20〜150℃が望ましく、20〜80℃が特に望ましい。
【0073】
本発明によるジアミン化合物で製造された高分子重合体は、例えば、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミドイミドまたはポリアミドであり、1cmの溶液測定厚さで308mの波長に対する吸光度が、0.1以上0.9以下であり得る。
【0074】
本発明のジアミンは、ベンゼン環2つがアミド基で連結された構造であって、非常に剛直な分子構造を有し、これより優れた耐熱性を示すだけではなく、ベンゼン環に電気陰性度が高い、例えば、フルオロアルキルのような、置換基を置換することにより、ベンゼン環の回転を抑制させることにより、剛直な構造を保持させて、耐熱性を効果的に保持することができる物性的な特徴だけではなく、置換基によって分子間の電荷移動によるCT−complexを低めることにより、400nm〜500nmの光に対する透過度が高くなって、低い黄色度の特性を示す高分子重合体を提供することができる。
【0075】
また、ベンゼン環の間に形成されたアミド結合は、水素結合による分子間結合によってパッキング密度を増加させて耐熱性を向上させうる。しかし、分子間の高い水素結合によってパッキング密度が高くなって、結局、透明性が低下する。本発明によるジアミン構造は、ベンゼン環に電気陰性度が高い置換基を形成させることにより、パッキング密度が過度に高くなることを抑制し、これよりアミド基及びベンゼン構造による剛直な構造から形成される優れた耐熱性を保持しながら、無色透明な特性を共に示す高分子重合体を形成しうる。
【0076】
本発明によるジアミン構造は、構造内に形成されたアミド結合によって308nmでの吸収度が高くて、ディスプレイパネル工程が完了した後、laser release工程時に、エネルギー密度(energy density)が180mJ/cm
2に低いエネルギーのみで効率的なreleaseができる。
【0077】
本発明によるジアミン構造は、透明性の向上に有利であり、光によって分解されるアミド結合を有しており、光によって分解されて配向性を示す光配向用モノマーに使われる。
【0078】
一実施例によれば、前記高分子重合体で製造されたフィルムの厚さは、5〜50μmであり、ヘイズ(Haziness)が2以下であり、望ましくは、1以下または0.9以下であり、より望ましくは、0.7以下であり得る。黄色度(YI)が約20以下、望ましくは、約18以下、より望ましくは、約15以下の値を有する無色透明高分子フィルムであり得る。前記のように、優れた光透過度及び黄色度を有することにより、著しく改善された透明度及び光学特性を示すことができる。
【0079】
また、前記高分子フィルムは、面内位相差値(R
in)が約0〜100nmであり、厚さ方向の位相差値(R
th)が約200nm以上であるか、あるいは面内位相差値(R
in)が約0〜70nmであり、厚さ方向の位相差値(R
th)が約300nm以上である異方性フィルムであり得る。
【0080】
また、前記高分子フィルムは、100〜300℃の温度範囲で加熱及び冷却工程をn+1回(nは、0以上の整数)経た後の熱膨張係数(CTE)が0〜20ppm/℃以下の値を有し、望ましくは、0〜15ppm/℃以下の値、より望ましくは、0〜10ppm/℃以下の値を有するものである。
【0081】
また、前記高分子フィルムは、50〜200℃の温度範囲で加熱及び冷却工程を2m+1回(ここで、mは、1〜3の整数)繰り返して測定した後の熱膨張係数の平均値を求めた時、下記式1によって計算されたE(%)は、−20≦E≦0であり、式2によって計算されたK(%)は、0≦K≦20であり得る。
[式1]
(最小CTE値−平均CTE値)/平均CTE値x100=E
[式2]
(最大CTE値−平均CTE値)/平均CTE値x100=K
【0082】
一実施例によれば、前記高分子フィルムの50〜200℃の温度範囲での熱膨張係数は、0ppm/℃以上50ppm/℃以下、望ましくは、0ppm/℃以上20ppm/℃以下であり得る。
【0083】
本発明では、前記式1によって計算されたE(%)及び前記式2によって計算されたK(%)の範囲、すなわち、E〜Kの範囲を熱膨張係数の履歴現象(CTE Hysteresis)範囲と定義することができる。
【0084】
前記熱膨張係数の履歴現象範囲が±20%を超過する場合、すなわち、Eが−20%未満である場合、またはKが20%超過する場合、薄膜トランジスタ(TFT)をあげるなどの後続工程時(TFT ARRAY)に、工程温度の変化によるポリイミド基板の寸法変化量が非常に大きくなり、また、その変化程度が変動し続けるので、当該工程で基板の寸法変化を予測してアライメント(Alignment)を実施しにくくなる。
【0085】
したがって、本発明のさらに他の一具現例では、前記高分子重合体を含む成形品(article)を提供する。
【0086】
前記成形品は、フィルム、纎維(fiber)、コーティング材、接着材などであり得るが、これに限定されるものではない。前記成形品は、前記共重合体と無機粒子の複合体組成物を使用して乾湿式法、乾式法、湿式法などで形成しうるが、これに限定されるものではない。具体的に、前述したように、前記成形品は、光学フィルムであり、この場合、前記高分子重合体を含む組成物は、基板上にスピンコーティングなどの方法で適用された後、それを乾燥及び硬化することにより、容易に製造可能である。
【0087】
本発明によるジアミンを単量体として重合された高分子重合体は、例えば、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミドイミドは、剛直な構造による耐熱性、機械的強度などの特性をそのまま保持しながら、同時に優れた無色透明な特性を示して、素子用基板、ディスプレイ用カバー基板、光学フィルム(optical film)、ICパッケージ、粘着フィルム、多層FPC、テープ、タッチパネル、光ディスク用保護フィルムのような多様な分野に使われ、特に、ディスプレイ用カバー基板に適する。
【0088】
本発明のさらに他の一具現例によれば、前記成形品を含むディスプレイ装置を提供する。具体的には、前記ディスプレイ装置は、液晶表示装置(liquid crystal display device、LCD)、有機発光ダイオード(organic light emittingdiode、OLED)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0089】
以下、当業者が容易に実施できるように、本発明の実施例について詳しく説明する。しかし、本発明は、さまざまな異なる形態として具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されるものではない。
【0090】
実施例1.新規なジアミンの製造(1)
新規な構造のジアミンを下記のような方法で製造した。
【0091】
<4−Nitro−2−(trifluoromethyl)benzoic acid(B)の製造>
DMF(90ml)が入れられている250ml 3口の反応口に2−bromo−5−nitrobenzo trifluoride(20g、0.111mol)、CuCN(12g、0.134mol)をそれぞれ溶解させる。そして、溶液を窒素気流下で、18時間160℃で還流(reflux)させて、2−cyano−5−nitrobenzotrifluoride(A)を合成した。
【0092】
以後、反応物を室温(room temperature)で冷却し、あらかじめ作っておいたworkup solution(FeCl
3 50g、conc.HCl 30ml、DI water 500ml)と均一に混ぜた。混合物を酢酸エチルで抽出して、10%(v/v)HCl水溶液で分別洗浄を進行した後、ロータリー蒸発器(rotary evaporator)で酢酸エチルを蒸発させた。最終的に、暗い褐色の液体が得られるが、前記褐色の液体を80℃の真空オーブンで液体に残留する溶媒を蒸発及び除去することにより、合成された2−Cyano−5−nitrobenzotrifluorideを収得した。
【0093】
3口の反応口にNaOH(5.88g、0.147mol)を400mlのエタノール/DI water(1:1)に先に溶かした後、前記から合成された2−Cyano−5−nitrobenzotrifluoride(9.34g、0.0368mol)を添加して、一晩(overnight)、80℃の状態で還流させて、4−Nitro−2−(trifluoromethyl)benzoic acid(B)を合成した。反応後、再び常温で冷却し、エタノールを蒸発させた後、1N HCl水溶液で中和させて沈澱された固体をフィルターペーパー(Filter paper)で濾す。この固体を少量のDI waterで洗うことにより、4−Nitro−2−(trifluoromethyl)benzoic acidを収得した。
【0094】
段階1:4−Nitro−2−(trifluoromethyl)phenyl 4−Nitro−2−(trifluoromethyl)benzanilide(D)の製造
250mlのクロロホルム(Chloroform)が入れられている3口の反応口に、前記から製造された4−Nitro−2−(trifluoromethyl)benzoic acid(23.51g、0.1mol)(B)と塩化チオニル(Thionyl chloride)(17.85g、0.15mol)とを入れ、2時間60℃で加熱した。以後、常温で冷却し、ロータリー蒸発器でクロロホルムと塩化チオニルとを蒸発させた後、DMAc 300ml及び2−Amino−5−nitrobenzotrifluoride(20.61g、0.1mol)(C)を添加した後、一晩反応させて、4−Nitro−2−(trifluoromethyl)phenyl 4−Nitro−2−(trifluoromethyl)benzanilide(D)を合成した。反応終了後、1LのDI waterに沈澱させて濾過した後、それを再び1LのEA(酢酸エチル)に溶解させて、DI waterと共に抽出(extraction)させた。以後、有機層をMgSO
4で乾燥し、EAを蒸発させた後、エタノールで再結晶して純粋な形態の固相を有する4−Nitro−2−(trifluoromethyl)phenyl 4−Nitro−2−(trifluoromethyl)benzanilideを収得した。
【0095】
段階2:ジアミンの製造
3口の反応口に400mlの無水エタノール(Absolute Ethanol)と共に前記段階1から製造された4−Nitro−2−(trifluoromethyl)phenyl 4−Nitro−2−(trifluoromethyl)benzanilide(42.32g、0.1mol)(D)とTin(II)chloride(189.6g、1mol)、HCl 5mlを添加して、80℃で1時間還流させた。反応終了後、500ml DI waterで希釈した後、あらかじめ製造されたK
2CO
3飽和水溶液を少しずつ投入しながら撹拌させて、4−Nitro−2−(trifluoromethyl)phenyl 4−Nitro−2−(trifluoromethyl)benzanilide(D)を水素化させて、下記化学式1a−1のジアミンを合成した。pH7〜8到達時に、投入を止め、それを多量のEA(酢酸エチル)とDI waterとで抽出して、有機層を通じて合成されたジアミンを分離する。以後、やはりMgSO
4で乾燥し、EAを蒸発させた後、エタノール(Ethanol)で再結晶すれば、結晶形態の固相を有するジアミンを最終的に収得した。
【0096】
前記反応段階を下記反応式Iに示した。
[反応式I]
【化50】
【0097】
前記合成された化合物の
1H NMR及び
1H−
13C NMRの測定結果を
図1及び
図2に示し、前記
1H NMR及び
1H−
13C NMRの結果は、合成された化合物が化学式1a−1のジアミン化合物の構造を有していることを示す。
【0098】
実施例2:新規なジアミンの製造(2)
【0099】
<2−Trifluoromethyl−4−(tert−butoxycarbonylamino)benzoyl chloride(F)の製造>
下記反応式Aの方法で2−Trifluoromethyl−4−(tert−butoxycarbonylamino)benzoyl chloride(F)を合成した。
[反応式A]
【化51】
【0100】
具体的に、4−Amino−2−(trifluoromethyl)benzoic Acid 862g(4.20mol)を無水エタノール 1Lに添加して、窒素気流下に溶解させた後、Di−tert−butyl Dicarbonate 935g(4.29mol)を入れて、還流条件下で一晩撹拌させた。撹拌が終了すれば、ロータリー蒸発器でメタノール(Methanol)を一部蒸発させ、残りの固体をそのまま濾過(Filtration)した後、再びHot Absolute Ethanolに再結晶することにより、1160gの純粋な固相の2−Trifluoromethyl−4−(tert−butoxycarbonylamino)benzoic Acid(E)を収得した(収得率:90.4%)。
【0101】
前記から合成された2−Trifluoromethyl−4−(tert−butoxycarbonylamino)benzoic Acid(E)1160g(3.80mol)を窒素気流下でメチレンクロリド(Methylene chloride)1Lに均一に分散させた後、N,N−dimethyl formamide 2 dropsを添加した。引き続き、この溶液にオキサリルクロリド(Oxalyl chloride)579g(4.56mol)をdropwiseで添加しながら6時間にわたって常温で反応させた。反応終了後、これ以上気泡が発生せず、透明な溶液状態を保持するまで待機した後、ロータリー蒸発器でオキサリルクロリドとメチレンクロリドとを蒸発させた。以後、真空オーブン(Vacuum oven)で残留するオキサリルクロリドとメチレンクロリドとをいずれも蒸発させることにより、1100gの2−Trifluoromethyl−4−(tert−butoxycarbonylamino)benzoyl chloride(F)を固相に収得した(収得率:89.4%)。
【0102】
<N4−(tert−Butoxycarbonyl)−2−trifluoromethyl−1,4−phenylenediamine(G)の製造>
下記反応式Bのような方法でN4−(tert−Butoxycarbonyl)−2−trifluoromethyl−1,4−phenylenediamine(G)を製造した。
[反応式B]
【化52】
【0103】
具体的に、2−amino−5−nitrobenzotrifluoride 800g(3.88mol)を無水エタノール 1Lに添加して、窒素気流下に溶解させた後、パラジウム(Palladium)触媒(10% on carbon)60gを均一に分散させた後、溶液内部にH
2ガスをノズルを通じて40psiの圧力で7時間吹き入れた。反応終了後、ノズルを除去し、引き続き、Di−tert−butyl Dicarbonate 864g(3.96mol)を入れて、還流条件下で一晩撹拌させた。撹拌が終了した後、ロータリー蒸発器でメタノールを蒸発させ、ヘキサン(Hexane)で再結晶して、782gの純粋な固相のN4−(tert−Butoxycarbonyl)−2−trifluoromethyl−1,4−phenylenediamine(G)を収得した(収得率:72.9%)。
【0104】
段階1:4−tert−butoxycarbonylamino−2−trifluoromethylphenyl 4−tert−butoxycarbonylamino−2−trifluoromethylbenzanilide(H)
前記合成されたN4−(tert−Butoxycarbonyl)−2−trifluoromethyl−1,4−phenylenediamine(G)938g(3.40mol)をテトラヒドロフラン(Tetrahydrofuran)1Lに溶解させた後、ピリジン(Pyridine)269g(3.40mol)を添加した。引き続き、反応温度を0℃に保持した状態で2−Trifluoromethyl−4−(tertbutoxycarbonylamino)benzoyl chloride(F)1100g(3.40mol)を3回に分けて投入させた。投入完了後、反応温度を徐々に常温で合わせた後、2時間撹拌させた。反応終了後、溶液を酢酸エチル(Ethyl acetate)/DI waterで抽出して、有機層を別途に分離した後、それをMgSO
4で乾燥(Dry)させ、ロータリー蒸発器で酢酸エチルを蒸発させる。残りの固体をHot Absolute Ethanolで再結晶すれば、純粋な固相の4−tert−butoxycarbonylamino−2−trifluoromethylphenyl 4−tert−butoxycarbonylamino−2−trifluoromethylbenzanilide(H)1116gを収得した(収得率:58.2%)。
【0105】
段階2:ジアミンの製造
再結晶された4−tert−butoxycarbonylamino−2−trifluoromethylphenyl 4−tert−butoxycarbonylamino−2−trifluoromethylbenzanilide(H)1116g(1.98mol)をメチレンクロリド 1Lに均一に分散させた後、トリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic acid)5mlを添加して、3時間撹拌させた。その後、それをそのまま濾過して、Hot Absolute Ethanolに再結晶すれば、化学式1a−1のジアミンを純粋な結晶形態の固相の形態を有する化学式1a−1のジアミン500gが得られる(収得率:69.7%)。
【0106】
前記反応段階を下記反応式IIに示した。
[反応式II]
【化53】
【0107】
前記合成された化合物の
1H NMRの測定結果を
図3に示し、前記
1H NMRの結果は、合成された化合物が化学式1a−1のジアミン化合物の構造を有していることを示す。
【0108】
<実験例1>HPLCの測定
前記実施例1及び実施例2から製造されたジアミンを1.5mg/mlの濃度でTHFに希釈して、0.4mL/minの流速で255nmの波長で測定した。この際の溶離剤(Eluent)は、MeOH:H
2Oを100(v/v%):100(v/v%)を使用した。この結果を
図4(実施例1)及び
図5(実施例2)に示した。
【0109】
下記表1に実施例1から製造されたジアミンのHPLCの測定結果を示した。
【表1】
【0110】
下記表2に実施例2から製造されたジアミンのHPLCの測定結果を示した。
【表2】
【0111】
前記表1及び表2のHPLCの測定結果は、実施例1及び実施例2から合成されたジアミンは99.8%以上の純度で合成されたということが分かる。
【0112】
実施例3
実施例1から製造された化学式1a−1(4−amino−N―[4−amino−2[trifluoromethyl]phenyl−2−[trifluoromethyl]benzamide]、BTFMADABA)のジアミン14gを窒素雰囲気下で無水DEAc(Diethylacetamide)50gに20分間にわたって溶解させた。結果として収得されたBTFMADABA/DEAc溶液に4,4'−Biphthalic dianhydride BPDA 9.26gを無水DEAc 40gに溶解させて製造したBTFMADABA/DEAc溶液を添加し、25℃で2時間反応させた後、温度を45℃に増加させて、24時間反応させた。結果として収得された反応溶液にDEAcを添加して、反応溶液の粘度が10,000cPになるように固形分の重量%を調節した後、24時間均一に混合して、ポリイミド前駆体溶液を製造した。
【0113】
製造されたポリイミド前駆体溶液を20μmの厚さでガラス基板にスピンコーティングした。ポリイミド前駆体溶液が塗布されたガラス基板をオーブンに入れ、2℃/minの速度で加熱し、80℃で15分、150℃で30分、220℃で30分、380℃で1時間を保持して、硬化工程を進行した。硬化工程完了後に、ガラス基板を水に浸してガラス基板上に形成されたフィルムを取り外してオーブンで100℃で乾燥して、下記化学式20の構造を含むポリイミドのフィルムを製造した。
[化学式20]
【化54】
【0114】
比較例1
4,4'−Biphthalic dianhydride BPDA 12gを窒素雰囲気下で無水DEAc 40gに20分間にわたって溶解させた。結果として収得されたBPDA/DEAc溶液にジアミン系化合物として4−アミノ−N−(4−アミノフェニル)ベンズアミド(4−amino−N−(4−aminophenyl)benzamide、DABA)9.26gを無水DEAc 40gに溶解させて製造したDABA/DEAc溶液を添加し、25℃で2時間反応させた後、温度を45℃に増加させて、24時間反応させた。結果として収得された反応溶液にDEAcを添加して、反応溶液の粘度が10,000cPになるように固形分重量%を調節した後、24時間均一に混合して、ポリイミド前駆体溶液を製造した。
【0115】
製造されたポリイミド前駆体溶液を20μmの厚さでガラス基板にスピンコーティングした。
【0116】
ポリイミド前駆体溶液が塗布されたガラス基板をオーブンに入れ、2℃/minの速度で加熱し、80℃で15分、150℃で30分、220℃で30分、380℃で1時間保持して、硬化工程を進行した。硬化工程完了後に、ガラス基板を水に浸してガラス基板上に形成されたフィルムを取り外してオーブンで100℃で乾燥した。
【0117】
その結果、下記化学式21の構造を含むポリイミドのフィルムを製造した。
[化学式21]
【化55】
【0118】
<実験例2>
実施例3及び比較例1で製造したそれぞれのポリイミドフィルムに対して、下記のような方法で透過度、黄色度及び熱膨張係数などのフィルムの光学特性を測定した。前記測定結果を表2に示した。
【0119】
透過度は、JIS K 7105に基づいて透過率計(モデル名:HR−100、Murakami Color Research Laboratory製造)で450nmの波長に対する透過率を測定した。
【0120】
黄色度(Yellowness Index、YI)は、色差計(Color Eye 7000A)を用いて測定した。
【0121】
Haze Meter HM−150を使用してASTM D1003による方法でヘイズを測定した。
【0122】
TMA(TA社のQ400)を用いてTg及び熱膨張係数(CTE)を測定した。具体的に、前記フィルムを5x20mmのサイズに準備した後、アクセサリーを用いて試料をローディングする。実際測定されるフィルムの長さは、16mmに同様にした。フィルムを引っ張る力を0.02Nに設定し、100〜300℃の温度範囲で4℃/minの昇温速度で1次昇温工程を進行した後、300〜100℃の温度範囲で4℃/minの冷却速度で冷却(cooling)される時の熱膨張変化態様を測定した。
【0123】
フィルムを引っ張る力を0.02Nに設定し、50〜200℃の温度範囲で4℃/minの昇温速度で昇温工程を進行した後、200〜50℃の温度範囲で4℃/minの冷却速度で冷却される工程を3回繰り返し、この際の熱膨張変化態様を測定した。前記CTE測定結果値に対して測定されたCTE値の平均値を求め、下記式1及び式2によるE値及びK値を計算した。
[式1]
(最小CTE値−平均CTE値)/平均CTE値x100=E
[式2]
(最大CTE値−平均CTE値)/平均CTE値x100=K
【表3】
【0124】
前記表2に示すように、本発明によるジアミンを含むフィルムは、黄色度及び透過度の特性が比較例1のポリイミドフィルムよりも著しく優れているだけではなく、熱膨張特性も優れているように表われることが分かる。
【0125】
以上、本発明の内容の特定の部分を詳しく記述したところ、当業者において、このような具体的な記述は、単に望ましい実施態様であり、これにより、本発明の範囲が制限されるものではないという点は明白である。したがって、本発明の実質的な範囲は、下記の特許請求の範囲とそれらの等価物とによって定義される。
ここで、本実施形態に係る発明の例を項目として記載する。
[項目1]
下記化学式1で表されるジアミン化合物:
[化学式1]
【化1】
前記化学式1において、
Q
1及びQ
2は、それぞれ独立してフルオロ(F)原子、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜30のフルオロアリール基、シアノ基(CN)から選択され、
Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基である。
[項目2]
前記Q
1及びQ
2が、それぞれ独立して炭素数1〜5のフルオロアルキル基から選択される項目1に記載のジアミン化合物。
[項目3]
前記化学式1のジアミン化合物が、下記化学式1aの構造を含む項目1または項目2に記載ジアミン化合物:
[化学式1a]
【化2】
前記化学式1aにおいて、
Q
1、Q
2は、化学式1で定義されたものと同一である。
[項目4]
前記ジアミン化合物の
1H−NMRが、9.48±1.0ppm(1H)、7.31±1ppm(1H)、7.02±0.2ppm(1H)、6.94±0.2ppm(1H)、6.90±0.2ppm(1H)、6.81±0.2ppm(2H)、5.86±0.2ppm(2H)、及び5.57±0.2ppm(2H)に相応する位置にピークが形成される項目1から項目3のうち何れか一項に記載のジアミン化合物。
[項目5]
下記化学式3の化合物と下記化学式4の化合物とを反応させて、化学式5の化合物を製造する段階と、
前記化学式5の化合物を水素化して、化学式6の化合物を形成する段階と、
を含むジアミンの製造方法:
[化学式3]
【化3】
[化学式4]
【化4】
[化学式5]
【化5】
[化学式6]
【化6】
前記化学式において、
Q
1及びQ
2は、それぞれ独立してフルオロ(F)原子、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜30のフルオロアリール基、シアノ基(CN)から選択され、
Wは、ヒドロキシ基(−OH)、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)、アルコキシ基(−OR')から選択されるものであり、前記R'は、炭素数1〜3のアルキル基であり、
Gは、−NO
2または−NH(PG)から選択されるものであり、前記PGは、Cbz、Moz、BOC、FMOC、Ac、Bz、Bn、Carbamate、PMB、DMPM、PMP、Ts、及びNsからなる群から選択される保護基である。
[項目6]
下記反応式1の化学式Aで表される化合物を加水分解して製造された化学式Bの化合物を製造する段階と、
下記反応式2の化学式Bで表される化合物と化学式Cで表される化合物とを反応させて、化学式Dで表されるジニトロ化合物を製造する段階と、
下記反応式2の化学式Dで表されるジニトロ化合物を水素化反応して、化学式1aで表されるジアミン化合物を製造する段階と、
を含む項目5に記載のジアミン化合物の製造方法:
[反応式1]
【化7】
[反応式2]
【化8】
[化学式1a]
【化9】
前記式において、
Q
1、Q
2は、炭素数1〜5のフルオロアルキル基である。
[項目7]
下記反応式3の化学式Eで表される化合物のカルボン酸を塩素に置換して、化学式Fの化合物を製造する段階と、
下記反応式4の化学式Fで表される化合物と化学式Gで表される化合物とを反応させて、化学式Hで表される化合物を製造する段階と、
下記反応式4の化学式Hで表される化合物を水素化反応して、化学式1aで表されるジアミン化合物を製造する段階と、
を含む項目5に記載のジアミン化合物の製造方法:
[反応式3]
【化10】
[反応式4]
【化11】
[化学式1a]
【化12】
前記式において、
Q
1、Q
2は、それぞれ独立して炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。
[項目8]
項目1から項目4のうち何れか一項に記載のジアミン化合物を単量体として重合反応を通じて得られた高分子重合体組成物。
[項目9]
前記高分子重合体組成物が、1cmの厚さで308nmの光に対する吸光度が0.1以上0.9以下である項目8に記載の高分子重合体組成物。
[項目10]
項目1に記載のジアミン化合物と下記化学式10のテトラカルボン酸二無水物、化学式12のジカルボン酸または化学式13のジカルボン酸ジクロリドから選択される1つ以上と反応させる段階を含む高分子重合体の製造方法:
[化学式10]
【化13】
前記化学式10において、
X
1は、炭素数6〜30の芳香族環または炭素数4〜30の脂肪族環を含む4価の有機基であり、
[化学式12]
【化14】
前記化学式12において、
X
2は、炭素数6〜30の芳香族環または炭素数4〜30の脂肪族環を含む2価の有機基であり、
[化学式13]
【化15】
前記化学式13において、
X
3は、炭素数6〜30の芳香族環または炭素数4〜30の脂肪族環を含む2価の有機基である。
[項目11]
前記化学式10のテトラカルボン酸二無水物が、下記化学式11a〜化学式11iから選択される1つ以上である項目10に記載の高分子重合体の製造方法:
【化16】
。
[項目12]
前記化学式12と化学式13は、下記化学式12a及び化学式13aで表される化合物である項目10または項目11に記載の高分子重合体の製造方法:
[化学式12a]
【化17】
[化学式13a]
【化18】
。
[項目13]
項目10に記載の製造方法で製造された高分子重合体。
[項目14]
高分子重合体が、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミドまたはポリアミドイミドである項目13に記載の高分子重合体。
[項目15]
項目13に記載の高分子重合体を含む透明フィルム。
[項目16]
前記透明フィルムのヘイズが、2以下であり、黄色度が、20以下である項目15に記載の透明フィルム。
[項目17]
項目1に記載のジアミン化合物と下記化学式10のテトラカルボン酸二無水物、化学式12のジカルボン酸または化学式13のジカルボン酸ジクロリドから選択される1つ以上と反応させて製造された高分子重合体を含むフィルムにおいて、
前記フィルムは、50〜200℃の温度範囲で熱膨張係数(CTE)が0ppm/℃以上50ppm/℃以下であり、前記温度範囲で2m+1回(前記mは、1〜3の整数)繰り返して測定した時、下記式1によって計算されたE(%)は、−20≦E≦0であり、式2によって計算されたK(%)は、0≦K≦20である透明フィルム:
[式1]
(最小CTE値−平均CTE値)/平均CTE値x100=E
[式2]
(最大CTE値−平均CTE値)/平均CTE値x100=K
[化学式10]
【化19】
前記化学式10において、
X
1は、炭素数6〜30の芳香族環または炭素数4〜30の脂肪族環を含む4価の有機基であり、
[化学式12]
【化20】
前記化学式12において、
X
2は、炭素数6〜30の芳香族環または炭素数4〜30の脂肪族環を含む2価の有機基であり、
[化学式13]
【化21】
前記化学式13において、
X
3は、炭素数6〜30の芳香族環または炭素数4〜30の脂肪族環を含む2価の有機基である。
[項目18]
ポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミドまたはポリアミドイミドで製造されるフィルムにおいて、ヘイズが、2以下であり、50〜200℃の温度範囲で熱膨張係数(CTE)が、0ppm/℃以上50ppm/℃以下であり、前記温度範囲で昇温及び冷却工程を2m+1回(mは、1〜3の整数)繰り返して測定した時、下記式1によって計算されたE(%)は、−20≦E≦0であり、式2によって計算されたK(%)は、0≦K≦20である透明フィルム:
[式1]
(最小CTE値−平均CTE値)/平均CTE値x100=E
[式2]
(最大CTE値−平均CTE値)/平均CTE値x100=K。
[項目19]
項目16から項目18のうち何れか一項に記載の透明フィルムを含むディスプレイ装置。