特許第6972807号(P6972807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6972807シート幅検出装置、シート給送装置、画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972807
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】シート幅検出装置、シート給送装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 43/00 20060101AFI20211111BHJP
   B65H 3/06 20060101ALI20211111BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20211111BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   B65H43/00
   B65H3/06 350Z
   G03G15/00 401
   G03G21/00 502
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-174548(P2017-174548)
(22)【出願日】2017年9月12日
(65)【公開番号】特開2019-48709(P2019-48709A)
(43)【公開日】2019年3月28日
【審査請求日】2020年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】西井 敏兼
【審査官】 松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−068446(JP,A)
【文献】 特開昭62−088725(JP,A)
【文献】 特開平04−260540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 43/00−43/08
B65H 1/00−3/68
B65H 7/00−7/20
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載部に積載されたシートに接触させる接触子を複数有し、回転可能に設けられた回転部材と、
前記回転部材を回転させる駆動源と、
前記積載部に積載された前記シートを下流側へ搬送する搬送部材と、
前記回転部材の回転位相の変化に応じて検知状態の変化する検知機構とを有し、前記積載部に積載されたシートの幅を検出するシート幅検出装置であって、
前記回転部材は、前記積載部に積載された前記シートの幅の大小に応じてシートとの接触状態が変化して、当該接触状態の変化によって回転部材の回転位相が変化し、
前記駆動源からの駆動力の供給に伴う前記回転部材の回転により、前記検知機構の検知状態が変化し、当該検知状態の変化から前記シートの幅を検出し、
前記回転部材は、前記搬送部材と共通した駆動源であり、
前記駆動源の駆動力を前記回転部材に伝達する伝達ギアが設けられ、
前記伝達ギアの歯数を変更することにより、前記回転部材の回転速度を、前記搬送部材の回転速度よりも遅く又は速くすることを特徴とするシート幅検出装置。
【請求項2】
前記シートを下流側へ搬送する搬送部材と、
前記積載部と、
請求項1に記載のシート幅検出装置とを備えたシート給送装置。
【請求項3】
請求項2記載のシート給送装置と、シート給送装置から供給され、その表面に現像剤像が形成された前記シートに対して、前記現像剤をシートに定着させる定着装置とを備えた画像形成装置。
【請求項4】
前記積載部の画像形成装置に対する装着を検知する装着検知機構を備え、
前記シート幅検出装置が、前記積載部の装着時に前記シート幅の検出を行う請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記シート幅検出装置は、画像形成装置の画像形成動作開始時にシートの幅の検出を行う請求項3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検知機構による検知状態の変化のパターンが、前記積載部に前記シートが積載されていない時のパターンである場合に、
前記積載部に前記シートが積載されていないか、あるいは、前記積載部が画像形成装置に装着されていないことを検出する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検知機構による検知状態の変化のパターンが、通常のパターンと異なる場合に、異常状態と判断してその異常を外部に報知する請求項3から6いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記異常状態は、前記積載部の所定の位置に前記シートが積載されていない状態であると判断し、当該状態を外部に報知する請求項7記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート幅検出装置、シート給送装置、および、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のサイズの記録媒体(シート)に対応した画像形成装置では、シート幅検出装置の一例として、画像を形成する記録媒体の幅を検出する装置を設けることが一般的になされている。この画像形成装置では、シートの幅を検知することにより、下流の定着装置内における定着部材の加熱範囲も変化させ、過不足のない定着部材の加熱を行うことができる。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平8−119534号公報)では、搬送する記録媒体のサイズを検知するサイズ種検知装置の発明がなされている。図13に示すように、このサイズ種検知装置110は、記録媒体の各サイズ(S1〜S3)に対応した接触子111a〜111cと、遮光プレート112と、フォトインタラプタ113等が設けられる。接触子111a〜111cと、遮光プレート112とは共通の回転軸114を有する。記録媒体が搬送ローラ対115によって下流側(図の点線矢印方向)に搬送されると、搬送される記録媒体のサイズに応じて、異なる接触子111a〜111cが記録媒体に押されて回転する。この接触子の回転により、共通の回転軸114を有する遮光プレート112が回転する。そして、いずれの接触子111a〜111cが記録媒体に押されるかによって、遮光プレート112の回転量が異なることにより、フォトインタラプタ113の信号状態が変化する。サイズ種検知装置110は、この信号状態の違いにより、通過した記録媒体のサイズ種を検出することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、記録媒体の搬送力を駆動源として遮光プレートを回転させて記録媒体のサイズを検出する構成のため、サイズ検出の機会が記録媒体の搬送時に限られていた。このため、記録媒体の搬送時の制御負荷が増大したり、自由なタイミングで記録媒体のサイズを検出できないという課題があった。
【0005】
このような課題から、本発明では、任意のタイミングでシートの幅を検出することのできるシート幅検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は、積載部に積載されたシートに接触させる接触子を複数有し、回転可能に設けられた回転部材と、前記回転部材を回転させる駆動源と、前記積載部に積載された前記シートを下流側へ搬送する搬送部材と、前記回転部材の回転位相の変化に応じて検知状態の変化する検知機構とを有し、前記積載部に積載されたシートの幅を検出するシート幅検出装置であって、前記回転部材は、前記積載部に積載された前記シートの幅の大小に応じてシートとの接触状態が変化して、当該接触状態の変化によって回転部材の回転位相が変化し、前記駆動源からの駆動力の供給に伴う前記回転部材の回転により、前記検知機構の検知状態が変化し、当該検知状態の変化から前記シートの幅を検出し、前記回転部材は、前記搬送部材と共通した駆動源であり、前記駆動源の駆動力を前記回転部材に伝達する伝達ギアが設けられ、前記伝達ギアの歯数を変更することにより、前記回転部材の回転速度を、前記搬送部材の回転速度よりも遅く又は速くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、回転部材を回転させる駆動源を設け、回転部材の回転に伴う検知機構の検知状態の変化により、シート幅を検出させる。従って、駆動源によって回転部材を任意のタイミングで回転させることができ、シートの幅の検出を任意のタイミングで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る給紙部を示す図で、(a)図が斜視図、(b)図が正面図、(c)図が側面図を示す図である。
図3】センサフィラーを示す斜視図である。
図4】小サイズの用紙束を積載した状態の給紙部を示す図で、(a)図が斜視図、(b)図が正面図、(c)図が側面図を示す図である。
図5】接触子の接触状態を示す図である。
図6】小サイズの用紙束を積載した状態の給紙部を示す図で、(a)図が斜視図、(b)図が側面図を示す図である。
図7】中サイズの用紙束を積載した状態の給紙部を示す図で、(a)図が斜視図、(b)図が側面図を示す図である。
図8】大サイズの用紙束を積載した状態の給紙部を示す図で、(a)図が斜視図、(b)図が側面図を示す図である。
図9】用紙束を積載していない状態の給紙部を示す斜視図である。
図10】検知センサの出力信号を示す図で、(a)図は用紙がセットされていない場合、(b)図は小サイズ、(c)図は中サイズ、(d)図は大サイズの用紙の場合を示す図である。
図11】用紙束が位置ズレして積載された場合の検知センサの出力信号を示す図である。
図12】異なる実施形態のセンサフィラーの駆動源を示す図である。
図13】従来の画像形成装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
図1に、本発明の画像形成装置の一例として、複数の像担持体2が並行に配設されたタンデム型のカラーレーザープリンタ100の一例を示す。プリンタの内部には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための画像形成部(作像装置)として、4つのプロセスユニット1C、1M、1Y、1Kが配設されている。4つのプロセスユニット1(C、M、Y、K)は、トナーの色が異なる点以外はいずれもほぼ同じ構成である。
【0011】
各プロセスユニット1はそれぞれドラム状の像担持体2を備え、4個の像担持体2は、画像形成部内の図中左右方向に等間隔で離間させて並列に配設されている。各像担持体2はプリンタの動作時に駆動源から駆動が伝達されることにより、時計回り方向に回転する。
【0012】
各像担持体2には、プロセスユニット1内部にてレーザ光を用いた作像プロセスによりトナー像(現像剤像)が形成される。
【0013】
像担持体2の下部には転写装置3が配設されている。この転写装置3は、無端状の中間転写ベルト11を有し、中間転写ベルト11の一端が従動ローラ12に巻き掛けられ、他端は駆動ローラ13に巻き掛けられている。
【0014】
駆動源によって駆動されることにより、駆動ローラ13が回転して中間転写ベルト11が矢印方向に周回走行し、各像担持体2の表面が、中間転写ベルト11の上面に接触するようになっている。
【0015】
中間転写ベルト11の内周部には各像担持体2に対向させて4つの一次転写ローラ14(Y、C、M、K)が設けられている。
【0016】
中間転写ベルト11の右端部付近の外周部には、ベルトクリーニング装置15が設けられ。このベルトクリーニング装置15は中間転写ベルト11の表面に残留する不要なトナーや、紙粉などの異物を拭い去るためのものである。
【0017】
中間転写ベルト11の外周で、駆動ローラ13と中間転写ベルト11を挟んで対向する位置に、二次転写ローラ16が設けてある。二次転写ローラ16は駆動ローラ13と対向する位置で中間転写ベルト11に当接し、二次転写ニップを形成している。
【0018】
画像形成装置100の下方には、給紙装置としての給紙部4が設けられる。給紙部4には、用紙(シート)Pの束を積載するトレイ30や用紙Pを搬送路5へ搬送する給紙ローラ31等が設けられる。給紙ローラ31はトレイ46上に載置された用紙束の最上部の用紙Pに当接した状態で回転駆動し、この最上部の用紙Pを下流側へ搬送することができる。
【0019】
給紙ローラ31の用紙搬送方向下流には、用紙Pの先端を検知可能なレジストセンサ17、さらに下流には用紙Pを所定のタイミングで搬送するレジストローラ対18が配設されている。
【0020】
二次転写ローラ16と駆動ローラ13のニップ部の上方には、定着装置6が設けてある。定着装置6は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ19と、この定着ローラ19に対して所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ20を備えている。なお、定着装置としては無端状の回転ベルトを採用したものやIH加熱方式など他の構成も可能である。
【0021】
また、画像形成装置100の上部には、オペレーションパネル60を備える。オペレーションパネル60には、表示部としてのモニター61が設けられる。オペレーションパネル60は、制御部としてのコントローラ62に接続される。コントローラ62は、給紙部4に設けられた検知センサ51(詳しくは後述)に接続される。
【0022】
次に、この画像形成装置の基本動作について説明する。
まず、画像形成動作が開始されると、各像担持体2に作像された可視像が、プラスに帯電された一次転写ローラ14による転写作用を受けて周回走行する中間転写ベルト11の表面に対して一次転写される。このような潜像形成、現像、一次転写の各動作は、すべてのプロセスユニット1(C、M、Y、K)で画像データと対応してタイミングをとって順次行われ、中間転写ベルト11の表面上に、シアンC、マゼンタM、イエローY、及びブラックKの各色トナー画像が順次重なり合った4色トナー画像Iが形成され、この4色トナー画像が矢印の方向に表面移動する中間転写ベルト11と共に搬送され、二次転写ニップに送られる。
【0023】
一方、給紙部4では、画像形成動作が開始されると、画像形成装置100の制御部からの搬送信号によって給紙ローラ31が回転する。これにより、トレイ30上に積載された用紙Pの最上部の用紙Pが用紙束から分離されて搬送路5へ送り出される。
【0024】
そして、レジストセンサ17が用紙Pの先端の通過を検知すると、そのタイミングをトリガとしてレジストローラ対18のニップ部で所定の弛みを形成させるまで用紙Pを搬送させ、用紙Pの先端スキューを補正する。
【0025】
このレジストローラ対18は、中間転写ベルト11の直近上流側に位置し、中間転写ベルト11上のトナー像と、用紙先端位置とを精度良く合わせるために、用紙を一旦停止させて当該用紙Pを一時的に弛ませる。そして中間転写ベルト11上に形成されたトナー像が、二次転写ニップ部に到達するタイミングに合わせて、用紙Pを二次転写ニップに送り出す。
【0026】
二次転写ニップでは、中間転写ベルト11と二次転写ローラ16の間に用紙Pを通過させながら、バイアスを印加することで中間転写ベルト11が担持するトナー画像が用紙Pに静電的に転写される。
【0027】
中間転写ベルト11の表面の残留トナーや異物は次の作像・転写工程のためにベルトクリーニング装置15によって除去される。
【0028】
トナー画像を転写された用紙Pは定着装置6へと搬送される。用紙Pは、定着ローラ19と加圧ローラ20によって形成される定着ニップに送り込まれ、その未定着トナー像が加熱・加圧されて用紙Pに定着される。
【0029】
定着動作を終了した用紙Pは、さらに下流側へ搬送され、画像形成装置100の外側に設けられた排紙部へと搬送される。
【0030】
なお、レジストローラ対18と給紙ローラ31の駆動開始は必ずしも同時である必要はない。また、レジストローラ対18、給紙ローラ31の他に用紙Pを搬送する搬送ローラがあってもよい。
【0031】
以上の説明は、用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット9Y,9C,9M,9Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニット9を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0032】
次に、給紙部4のより詳細な構成について、図2(a)〜(c)を用いて説明する。なお、(a)図は給紙部4の斜視図、(b)図は正面図、(c)図は側面図である。
【0033】
図2(a)に示すように、給紙部4は、積載部としてのトレイ30と、搬送部材としての給紙ローラ31と、ローラ軸32と、給紙クラッチ33と、シート幅検出装置としての用紙幅検出装置50等を主に備えている。なお、以下の説明では、図2(a)の両矢印B方向を用紙の幅方向、あるいは、単に幅方向と呼び、両矢印C方向を用紙搬送方向、あるいは単に搬送方向と呼ぶ。
【0034】
トレイ30は、給紙ローラ31と反対側に設けられる支軸を中心に回転可能に設けられる。この回転により、給紙ローラ31の側が揺動し、トレイ30に積載された用紙束の最上部の用紙を給紙ローラ31に対して接離させることができる。
【0035】
給紙ローラ31は、ローラ軸32を中心に回転可能に設けられる。この回転により、給紙ローラ31の下方に当接する用紙束から、その最上部の用紙を分離し、下流側へ搬送することができる。
【0036】
給紙クラッチ33は、ローラ軸32に接続される。図2(c)に示すように、駆動源としての駆動モータ34は、複数の中継ギア35を介して、給紙クラッチ33に接続されている。給紙クラッチ33は、駆動モータ34から給紙ローラ31への駆動力の伝達および遮断を切り換えることができる。
【0037】
用紙幅検出装置50は、検知機構としての検知センサ51と、回転部材としてのセンサフィラー52と、ワンウェイクラッチ53等を備える。
【0038】
センサフィラー52は、回転軸52aを中心に回転可能に設けられており、駆動モータ34の駆動力によって矢印A1の方向へ回転可能に設けられる。以下、この矢印A1の方向(図2cの方向視において、時計回りの回転方向)を時計回りの方向と呼び、それとは反対の方向を反時計回りの方向と呼ぶ。センサフィラー52は、付勢機構により、反時計回りの方向へ付勢されることで、図2の位置に配置されている(以下、このセンサフィラー52の回転位相を初期位相と呼ぶ)。
【0039】
図2(a)に示すように、ワンウェイクラッチ53にはセンサフィラー52の回転軸52aが挿入されている。ワンウェイクラッチ53は、時計回り方向には固定され、反時計回り方向にフリーの状態となっており、駆動モータ34からの反時計回り方向の回転力のみを回転軸52aに伝達する。
【0040】
本実施形態では、給紙ローラ31とセンサフィラー52とが共通の駆動モータ34によって駆動される。つまり、図2(c)に示すように、駆動モータ34の駆動力は、複数の中継ギア35、および給紙クラッチ33を介して給紙ローラ31に伝達されると共に、伝達ギアとしてのアイドラギア36、および、ワンウェイクラッチ53を介してセンサフィラー52に伝達される。なお、図2(a)、(b)および以下の図では、便宜上、これらの駆動モータ34や中継ギア35、および、アイドラギア36の記載を省略している。
【0041】
図3に示すように、センサフィラー52は、回転軸52aと、複数の接触子52b、52c、52d、および、遮光部52e、52f、52g等を有する。
【0042】
各接触子52b、52c、52dは、回転軸52aからその径方向に延在する線状部である。各接触子52b、52c、52dは、回転軸52aを中心にした位相において、異なる位相の方向へ延在する。各接触子52b、52c、52dは、その先端部で、用紙束に接触する側(図3の時計回り方向下流側)の端部の形状がR形状をなしている。これにより、用紙束との接触時の負荷を軽減することができる。
【0043】
センサフィラー52の軸方向一方側には、回転軸52aを中心に、その径方向に広がる扇形の基部52hと、この基部52hから枝分かれして延在する3つの遮光部52e、52f、52gとが設けられる。遮光部52eと遮光部52fとの間に隙間52jが、遮光部52fと遮光部52gとの間に隙間52kがそれぞれ設けられる。基部52hの背面側には、軸方向他方側から基部52hを支持する、略三角形状の支持部が設けられている。
【0044】
各遮光部52e、52f、52gは、基部52hから枝分かれして延在する第一部分と、この第一部分から垂直方向(センサフィラー52の軸方向)に延在する第二部分とからなる略L字状をなしている。各遮光部52e、52f、52gは、回転軸52aを中心にした位相において、異なる位相の方向へ延在する。遮光部52gは、その幅が他の遮光部52e、52fよりも大きく設けられている。
【0045】
検知センサ51(図2a参照)は、発光部と受光部をその内部に有し、受光部の受光の有無により異なる検知信号を出力する透過型の光学センサである。上記の遮光部52e、52f、52gが検知センサ51に重なる位置まで移動すると、各遮光部の上記第二部分が検知センサ51の発光部と受光部との間に配置される。これにより、第二部分が発光部から受光部への光線を遮り、検知センサ51の出力信号をオンからオフに切り換えることができる。
【0046】
図2(b)に示すように、センサフィラー52の軸方向他方側で、給紙部4の幅方向中央側から順に、接触子52b、52c、52dが設けられる。
【0047】
次に、上記の給紙部4において、給紙部4にセットされた用紙Pの幅を検出する方法について説明する。本実施形態では、小、中、大の3つのサイズの用紙が給紙部4にセットされる構成とする。小、中、大のそれぞれのサイズの用紙の具体例としては、例えば、A6サイズ、A5サイズ、A4サイズの用紙が挙げられる。ただし、これに限るものではなく、適宜、必要な用紙をセットしてその用紙幅を検出する構成とすることができる。
【0048】
図4(a)〜(c)は、小サイズの用紙P1の束である用紙束P1Aがトレイ30に積載された状態を示す図である。図4(a)に示すように、用紙束P1Aは、各用紙の先端で、用紙束P1Aの幅方向中央部が給紙ローラ31に対向するように、トレイ30に積載される。図4(c)に示すように、用紙束を積載時には、センサフィラー52は初期位相に配置され、各接触子52b、52c、52dが用紙束P1Aから退避して、用紙束P1Aに対して非接触の状態になっている。
【0049】
図4(b)に、幅方向における各用紙と各接触子52b、52c、52dとの関係を示す。
図4(b)に示すように、幅方向において、センサフィラー52の各接触子のうち、給紙部4の最も中央側に配置される接触子52bのみが用紙束P1Aの範囲H1内に設けられ、接触子52c、52dは用紙束P1Aよりも幅方向の外側に配置される。また、図4(b)に点線部で示す用紙束P2A、P3Aは、それぞれ、用紙束P1Aよりも大きなサイズの用紙である、中サイズの用紙束P2Aと、大サイズの用紙束P3Aを示している。幅方向において、センサフィラー52の各接触子のうち、接触子52b、52cが用紙束P2Aの範囲H2内に、全ての接触子52b、52c、52dが用紙束P3Aの範囲H3内にそれぞれ設けられる。
【0050】
給紙部4にトレイ30が装着されたことを検知すると、給紙部4は、トレイ30に積載された用紙Pのサイズを検知する検知動作を行う。具体的には、まず、給紙クラッチ33をオフにした状態(給紙ローラ31への駆動力の伝達を遮断した状態)で駆動モータ34(図2c参照)を駆動させる。これにより、センサフィラー52が、付勢機構からの付勢力に抗して時計回りに回転する。
【0051】
図5に示すように、センサフィラー52は時計回りの方向へ回転し、接触子が用紙束の前面Zに当接する位置でその回転を停止する。この際、用紙束PAのサイズによって、用紙Pの幅の範囲内に設けられる接触子52b、52c、52dの種類が上記のように異なる(接触子との接触状態が異なる)ため、セットされた用紙束PAによって、センサフィラー52の回転の停止位置が変化する。
【0052】
具体的には、小サイズの用紙束P1Aがセットされた場合、接触子52bのみが用紙束P1Aの範囲内に設けられ、接触子52c、52dは用紙束P1Aの範囲外に設けられる。従って、センサフィラー52が時計回りに回転すると、まず、接触子52d、次に接触子52cが前面Zに対向する位置まで移動するが、これらの接触子は用紙束P1Aに接触せず、センサフィラー52は回転し続ける。そして、接触子52bが前面Zに当接することで、センサフィラー52の回転が停止する。すなわち、センサフィラー52は、角度α1だけ回転した位置で停止する。
【0053】
そして、中サイズの用紙束P2Aがセットされた場合、接触子52b、52cが用紙束P2Aの幅の範囲内に設けられる。このため、接触子52cが前面Zに当接する位置でセンサフィラー52の回転が停止し、センサフィラー52は角度α2だけ回転することになる。同様に、大サイズの用紙束P3Aをセットした場合、接触子52dが前面Zに当接する位置でセンサフィラー52が回転を停止し、センサフィラー52は角度α3だけ回転することになる。なお、用紙束がセットされていない場合には、センサフィラー52は、角度α1よりも大きな所定の角度だけ回転した位置(図9参照)で停止する。以上のように、トレイ30に積載される用紙のサイズに応じて、初期位相からのセンサフィラー52の回転量が変化する。すなわち、回転後のセンサフィラー52の位相が変化することになる。
【0054】
図6(a)、(b)、図7(a)、(b)、図8(a)、(b)に、各サイズ(小サイズ、中サイズ、大サイズ)の用紙束がセットされ、センサフィラー52が各接触子に当接する位置まで回転した後の状態を示す。なお、(a)図は給紙部4の斜視図、(b)図は側面図である。
【0055】
図6(b)、図7(b)、図8(b)に示すように、給紙部4にセットされる用紙束のサイズに応じてセンサフィラー52の回転位相が変化することがわかる。具体的には、用紙束P1Aの場合には接触子52bが用紙束P1Aに(図6b)、用紙束P2Aの場合には接触子52cが用紙束P2Aに(図7b)、用紙束P3Aの場合には接触子52dが用紙束P3Aに(図8b)それぞれ当接し、センサフィラー52の回転位相がそれぞれ異なる。また、図9に示すように、給紙部4に用紙束がセットされていない状態では、センサフィラー52は、用紙束P1Aがセットされた状態よりも、さらに時計回りの方向まで回転する。
【0056】
これらのセンサフィラー52の回転位相は、各用紙がセットされた場合(あるいは、セットされていない場合)において、センサフィラー52が検知動作を終了する回転位相であり、以下、これらの位相を検知終了位相と呼ぶ。つまり、本実施形態の用紙幅検知動作では、センサフィラー52が図2(c)の初期位相から各検知終了位相(図6b、図7b、図8b、図9のそれぞれの位相)まで回転する。そして、この回転時の検知センサ51の出力信号の変化パターンの違いにより、用紙幅の検出を行う。上記の4つの場合では、検知を開始する位相は同じであるが、検知終了位相がそれぞれ異なる。この検知終了位相の違いにより、検知センサ51の出力信号のパターンが異なるため、用紙幅を判別することができる。以下、具体的な検知センサ51の検知信号のパターンについて説明する。
【0057】
図10(a)〜(d)は、各状態における検知センサ51の出力信号の変化を示すもので、(a)図は用紙がセットされていない場合、(b)、(c)、(d)図は、それぞれ、小サイズの用紙束P1A、中サイズの用紙束P2A、大サイズの用紙束P3Aがセットされた場合を示す。なお、各図の左端で、センサフィラー52が初期位相にあり、右側へ向かうに従って、センサフィラー52が時計回りに回転し、検知終了位相に近づく。
【0058】
検知センサ51は、センサフィラー52の各遮光部52e、52f、52gと重なった状態ではその信号がオフになり、各遮光部と重ならない位置ではその信号がオンになる。従って、センサフィラー52の回転により、検知センサ51のオンオフが切り換えられることになる(検知センサ51の検知状態が変化することになる)。例えば、図2(c)に示す初期位相では、検知センサ51はいずれの遮光部にも遮蔽されていないため、その出力信号はオンになる。従って、図10(a)〜(d)に示すように、初期状態では、いずれの場合も信号がオンになる。
【0059】
まず、用紙束がセットされていない状態での出力信号について説明する。用紙幅の検出動作が開始されると、センサフィラー52が、図2(c)の初期位相の状態から時計回りの方向へ回転して、図9の検知終了位相まで回転する。図2(c)および図10(a)に示すように、初期位相では、検知センサ51がいずれの遮光部とも重ならないため、その信号はオンになる。そして、センサフィラー52が回転し、各遮光部52g、52f、52eと検知センサ51が重なるタイミングでセンサ信号がオフになり、それらの間の区間、つまり、隙間52k、52jと検知センサ51が重なるタイミングでセンサ信号がオンになる。また最後に、遮光部52eが検知センサ51を通過すると、センサ信号はオンになる。従って、用紙がセットされていない状態では、検知動作により、検知センサ51の出力信号が4回オン、3回オフになり、最後の信号はオンになる。
【0060】
次に、用紙束P1Aがセットされた場合について説明する。図6(b)に示すように、用紙束P1Aがセットされた場合には、遮光部52eと検知センサ51が重なった位置が検知終了位相である。すなわち、上記の用紙がセットされていない場合と比較すると、初期位相から遮光部52eと検知センサ51が重なる位相までは同じ動作であるが、最後に遮光部52eが検知センサ51を通過しない点が異なる。従って、図10(b)に示すように、検知センサ51の出力信号が3回オン、3回オフになり、最後の信号はオフになる。すなわち、最後のオン信号が出力されない点が図10(a)の場合と異なる。
【0061】
また、用紙束P2Aがセットされた場合には、図7(b)に示すように、遮光部52fと検知センサ51が重なった位置が検知終了位相である。従って、図2(c)および図10(c)に示すように、初期位相では信号はオンになる。そして、センサフィラー52が回転し、各遮光部52g、52fと検知センサ51が重なるタイミングでセンサ信号がオフ、検知センサ51と隙間52kが重なるタイミングでセンサ信号はオンになる。従って、図10(c)に示すように、検知センサ51の出力信号が2回オン、2回オフになり、最後の信号はオフになる。
【0062】
さらに、用紙束P3Aがセットされた場合には、図8(b)に示すように、遮光部52gと検知センサ51が重なった位置が検知終了位相である。従って、図2(c)および図10(d)に示すように、初期位相で信号がオン、遮光部52gと検知センサ51が重なるタイミングでセンサ信号はオフになる。すなわち、図10(d)に示すように、検知センサ51の出力信号が1回オン、1回オフになり、最後の信号はオフになる。
【0063】
以上のように、本実施形態では、給紙部4に用紙がセットされていない場合、および、各サイズの用紙がセットされた場合のそれぞれについて、検知センサ51の出力信号のパターンがそれぞれ異なる。本実施形態では、コントローラ62(図1参照)がこの信号のパターンの違いを認識することにより、トレイ30への用紙束の積載の有無、および、積載された用紙のサイズを検出することができる。
【0064】
なお、本実施形態では一例として、遮光部52g(図3参照)の幅をその他の遮光部52e、52fよりも大きく設けた。このため、図10の各信号パターンにおいて、遮光部52gと検知センサ51が重なる最初のオフ信号はその他のオフ信号よりもその長さが長くなっている。このように、それぞれの遮光部の長さを変更することにより、いずれの遮光部が検知センサ51と重なったことによるオフ信号であるかを、後の出力信号から判別することができる。このため、上記実施形態の構成に限らず、例えば、全ての遮光部の長さを異なるようにすることもできる。
【0065】
また、本実施形態では、駆動モータを駆動することにより、センサフィラー52を初期位相から検知終了位相まで回転させることができ、任意のタイミングで用紙幅の検出が可能である。なお、検知動作終了後、駆動モータから駆動力が伝達されなくなったセンサフィラー52は、付勢機構の付勢力によって反時計回りに回転し、再び初期位相の位置で停止する。
【0066】
図11(a)〜(c)は、図10(a)〜(d)とは異なるパターンの検知センサ51の出力信号を示している。図11(a)〜(c)に示す状態では、いずれも検知終了位相の出力信号がオンになっており、かつ、図10(a)の用紙束がセットされていない状態とは異なるパターンを示している。
【0067】
このような場合には、センサフィラー52の回転動作の異常を除いて、トレイ30に積載された用紙束の位置ズレが生じている。つまり、用紙束の位置ズレにより、接触子と用紙束との接触位置にズレが生じた結果、センサフィラー52の検知終了位相が変化し、図10(a)〜(d)のいずれの通常のパターンの信号とも異なるパターンの信号が検知センサ51から出力されている。従って、このような出力信号の違いをコントローラが認識することにより、異常状態と判断し、用紙束のトレイ30に対する積載位置のズレを検出することができる。
【0068】
このような用紙束の位置ズレを生じた場合、用紙束の最上位の用紙先端が位置ズレした状態で、給紙ローラ31(図2a参照)によって分離搬送されようとした結果、給紙ローラ31から画像形成装置への給紙が行われずにジャムを起こしてしまうことがある。そこで、コントローラ62(図1参照)が上記の異常状態を検出することにより、外部に異常状態を報知することで、ジャムの発生を防止することができる。具体的には、モニター61に用紙のセット状態が正しくないことを表示することにより、用紙束の再セットを促してトレイ30における用紙束の位置を修正し、ジャムの発生を防止することができる。
【0069】
本実施形態の構成では、トレイ30が給紙部4に装着されたことを検知する装着検知機構を設けた。これにより、トレイ30が給紙部4に装着されたタイミングで用紙幅の検知が行えるようになり、印刷動作(画像形成動作)開始前の予備時間等に用紙サイズの検出が可能になる。
【0070】
また、上記構成とは異なり、トレイ30が給紙部4に装着されたことを検知する装着検知機構を設けない構成であってもよい。この場合、例えば、画像形成装置が印刷動作を開始する際に、用紙幅を検出する設定とすることができる。これにより、印刷動作を行う際には必ず用紙幅の検出を行うことができる。
【0071】
そして、このような構成の場合、トレイ30が給紙部4に装着されたか否かを、装置に直接判別させることはできない。しかし、用紙幅の検出動作により、図10(a)の用紙がセットされていない状態の出力信号を検出することにより、用紙がトレイ30に積載されていない状態か、あるいは、トレイ30がセットされていない状態のいずれかの状態であることを検出することができる。従って、トレイ30が給紙部4に装着されたことを検知する装着検知機構を画像形成装置に設けることなく、トレイの装着の有無を検出する機能を持たせることができる。
【0072】
上記の検知センサ51の各オンオフの出力信号の長さは、センサフィラー52の回転速度に依存してその大小が変化する。すなわち、センサフィラー52の回転速度を遅くすることにより、オンオフの出力信号の長さがそれぞれ長くなって各信号の判別がしやすくなり、用紙サイズの検出精度を向上させることができる。このようなセンサフィラー52の回転速度としては、例えば、給紙ローラ31(図2a参照)よりも遅い速度で回転させることが好ましい。
【0073】
また、これとは逆に、センサフィラー52の回転速度を速くすることにより、用紙サイズの検出にかかる時間を短縮することができる。このようなセンサフィラー52の回転速度としては、例えば、給紙ローラ31(図2a参照)よりも速い速度で回転させることが好ましい。
【0074】
本実施形態では、図2(c)に示すように、駆動モータ34の駆動力が、中継ギア35、給紙クラッチ33、およびアイドラギア36を介して伝達される。センサフィラー52の回転速度を調整する方法、特に上記のように、給紙ローラ31に対して早くしたり遅くしたりする場合には、アイドラギア36の歯数を変更することにより調整可能である。
【0075】
上記の実施形態では、センサフィラー52の駆動機構として、給紙ローラ31と共通の駆動モータ34を用いた。しかし、これに限らず、専用の駆動モータをセンサフィラー52に設けてもよい。例えば図12に示すように、給紙ローラ31の駆動モータ34とは別に、センサフィラー52の駆動モータ34を設け、この駆動モータ34が、アイドラギア36を介して、その駆動力をセンサフィラー52の回転軸に伝達する構成であってもよい。このように、センサフィラー52に専用の駆動源を設けることにより、給紙ローラ31とは独立して動作させることができる。従って、例えば、印刷動作中でも用紙サイズの検出動作を行うことができる。
【0076】
以上の説明では、検知センサ51による検知動作は、駆動モータの駆動によりセンサフィラー52が初期位相から検知終了位相まで回転する間に行うものとした。しかし、これとは逆に、付勢機構の付勢力によって初期位相まで戻る間に検知動作を行うこともできる。ただし、モータの駆動力による回転の方が、センサフィラー52の回転速度を制御しやすいため、好ましい。また、センサフィラー52の時計回り、および、反時計回り方向の回転の両方を駆動モータによる駆動回転としてもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0078】
本発明に係る画像形成装置は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
【0079】
以上の説明における「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像をシートに対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像をシートに付与することをも意味する。
【0080】
以上の実施形態では、画像形成装置内に設けられ、画像を形成するシート(用紙)の幅を検出するシート幅検出装置について説明した。しかし、本発明はこれに限らない。例えば、シート状の搬送物を搬送する搬送装置内において、そのシートの幅を検出する装置であってもよいし、その他、シートを使用する様々な装置に適用可能である。
【0081】
シートとしては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、金属シート、プラスチックフィルム、プリプレグ、布や、その他、糸、繊維、皮革、ガラス、木材、セラミックス等が含まれる。
【0082】
給紙ローラ31は用紙Pを前側に搬送する機能があればよく、必ずしもローラの形態である必要はない。搬送部材として、給紙ローラ31に代えて、例えば2つのローラ間に掛け渡した無端状の回転ベルトを使用してもよい。
【符号の説明】
【0083】
4 給紙部(シート給送装置)
6 定着装置
30 トレイ(積載部)
31 給紙ローラ(搬送部材)
34 駆動モータ(駆動源)
35 中継モータ
36 アイドラギア(伝達ギア)
50 用紙幅検出装置(シート幅検出装置)
51 検知センサ(検知機構)
52 センサフィラー(回転部材)
52a 回転軸
52b、52c、52d 接触子
52e、52f、52g 遮光部
100 画像形成装置
P 用紙(シート)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】
【特許文献1】特開平8−119534号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13