【実施例】
【0107】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
また、
1H−NMRスペクトルは、
1H−NMR(500MHz)(装置名:ECX500、日本電子株式会社製)を用いて測定した。IRスペクトルは、FT−IR(装置名:SpectrumGX、PERKIN ELMER社製)を用いて測定した。
【0108】
(実施例1a)
東京化成工業株式会社製の2−(メチルアミノ)エタノール15.02g(200mmol)を脱水ジクロロメタン200mL中に加え、トリエチルアミン46.8g(462mmol)を加えた。次に、ドライアイス−アセトン混合物中で約−60℃まで冷却した後、和光純薬工業株式会社製のアクリル酸クロリド15.39g(170mmol)を脱水ジクロロメタン8mLで希釈してゆっくりと滴下し、室温下で2時間攪拌した。再度、ドライアイス−アセトン混合物中で約−60℃に冷却し、アセチルクロリド15.7g(200mmol)を脱水ジクロロメタン8mLで希釈してゆっくりと滴下した後に、室温下で約2時間攪拌した。更に、析出物を濾過により除去した後、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。次に、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して油状物を得た。更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(a1−1)で表される硬化性化合物の淡茶色油状物6.1g(収率:約21%)を得た。
【0109】
【化46】
【0110】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ2.04−2.08(m,3H),3.04−3.15(m,3H),3.63−3.71(m,2H),4.20−4.27(m,2H),5.69−5.72(m,1H),6.32−6.37(m,1H),6.56−6.63(m,1H)
IR(NaCl):3474,2957,1740,1649,1612,1450,1418,1407,1378,1235,1137,1047,981,795,605cm
−1
【0111】
(実施例2a)
東京化成工業株式会社製の2−(メチルアミノ)エタノール6.01g(80mmol)を脱水ジクロロメタン120mL中に加え、トリエチルアミン18.7g(185mmol)を加えた。次に、氷−NaCl混合物中で約−15℃まで冷却した後、和光純薬工業株式会社製のアクリル酸クロリド6.15g(68mmol)を脱水ジクロロメタン4.5mLで希釈してゆっくりと滴下し、室温下で2.5時間攪拌した。再度、氷−NaCl混合物中で約−15℃に冷却し、イソブチルクロリド8.52g(80mmol)を脱水ジクロロメタン4.5mLで希釈してゆっくりと滴下した後に、室温下で約3.5時間攪拌した。更に、析出物を濾過により除去した後、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。次に、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して油状物を得た。更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 360gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(a1−4)で表される硬化性化合物の淡黄色油状物2.2g(収率:約16%)を得た。
【0112】
【化47】
【0113】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ1.15−1.20(m,6H),2.52−2.57(m,1H),3.05−3.15(m,3H),3.65−3.71(m,2H),4.20−4.27(m,2H),5.69−5.72(m,1H),6.31−6.38(m,1H),6.55−6.65(m,1H)
IR(NaCl):3474,2975,1734,1649,1613,1471,1417,1343,1260,1191,1156,1082,981,795,753cm
−1
【0114】
(実施例3a)
東京化成工業株式会社製の2−(t−ブチルアミノ)エタノール11.72g(100mmol)を脱水ジクロロメタン110mL中に加え、トリエチルアミン23.07g(228mmol)を加えた。次に、氷−NaCl混合物中で約−15℃まで冷却した後、和光純薬工業株式会社製のアクリル酸クロリド8.14g(90mmol)を脱水ジクロロメタン4mLで希釈してゆっくりと滴下し、室温下で3時間攪拌した。再度、氷−NaCl混合物中で約−15℃に冷却し、アセチルクロリド7.85g(100mmol)を脱水ジクロロメタン4mLで希釈してゆっくりと滴下した後に、室温下で約1.5時間攪拌した。更に、析出物を濾過により除去した後、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。次に、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して油状物を得た。更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 320gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(a6−1)で表される硬化性化合物の淡黄色油状物0.94g(収率:約4.9%)を得た。
【0115】
【化48】
【0116】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ1.48(s,9H),2.06(s,3H),3.63(t,2H),4.14(t,2H),5.62(dd,1H),6.26(dd,1H),6.63−6.69(m,1H)
IR(NaCl):2966,1743,1650,1612,1415,1368,1234,1105,1051,981,798cm
−1
【0117】
(実施例4a)
東京化成工業株式会社製のサルコシン酸メチルエステル・塩酸塩8.37g(60mmol)を脱水ジクロロメタン100mL中に加え、トリエチルアミン17.49g(172mmol)を加えた。次に、氷−NaCl混合物中で約−15℃まで冷却した後、和光純薬工業株式会社製のアクリル酸クロリド6.52g(72mmol)を脱水ジクロロメタン4mLで希釈してゆっくりと滴下し、室温下で3時間攪拌した。更に、析出物を濾過により除去した後、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。次に、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して油状物を得た。更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d1−1)で表される硬化性化合物の淡黄色油状物4.69g(収率:約50%)を得た。
【0118】
【化49】
【0119】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ3.05/3.16(s,3H),3.75/3.78(s,3H),4.13/4.20(s,2H),5.68−5.76(m,1H),6.28−6.44/6.61−6.66(m,2H)
IR(NaCl):3484,2955,1748,1650,1614,1482,1459,1437,1420,1367,1280,1212,1125,1060,1010,981,940,890,847,797,709,555cm
−1
【0120】
(実施例5a)
東京化成工業株式会社製のサルコシン酸エチルエステル・塩酸塩12.29g(80mmol)を脱水ジクロロメタン110mL中に加え、トリエチルアミン22.34g(220mmol)を加えた。次に、氷−NaCl混合物中で約−15℃まで冷却した後、和光純薬工業株式会社製のアクリル酸クロリド8.69g(96mmol)を脱水ジクロロメタン5mLで希釈してゆっくりと滴下し、室温下で3時間攪拌した。更に、析出物を濾過により除去した後、濾液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。次に、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮して油状物を得た。更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d1−2)で表される硬化性化合物の淡黄色油状物7.58g(収率:約55%)を得た。
【0121】
【化50】
【0122】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ1.26−1.31(m,3H),3.06/3.16(s,3H),4.11−4.25(m,4H),5.68−5.76(m,1H),6.28−6.44/6.61−6.66(m,2H)
IR(NaCl):3483,2984,1745,1653,1614,1477,1419,1375,1280,1201,1123,1032,980,797cm
−1
【0123】
(実施例6a)
東京化成工業株式会社製のメチルアミン7%テトラヒドロフラン(以下、「THF」とも称することがある)溶液31.05g(70mmol)、THF15mLに炭酸カリウム9.68g(70mmol)を加えて室温下で撹拌し、東京化成工業株式会社製のクロロ酢酸n−ブチル11.60g(77mmol)をTHF5mLに溶かした溶液に滴下して反応させ、反応液を得た。次に、得られた反応液を濾過して、得られた濾液に、炭酸カリウム9.68g(70mmol)を水50mLで溶かした溶液を加えて氷浴中で冷却した。アクリル酸クロリド6.96g(77mmol)をゆっくり滴下した後、室温下で2時間撹拌した。その後、酢酸エチルを用いて、抽出により各層に分離させ、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮することで無色溶液13.3gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d1−4)で表される硬化性化合物の無色液体5.5g(収率:約39%)を得た。
【0124】
【化51】
【0125】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ0.93(t,3H),1.34−1.42(m,2H),1.59−1.66(m,2H),3.06/3.16(s,3H),4.11−4.19(m,4H),5.68−5.76(m,1H),6.28−6.44/6.60−6.66(m,2H)
IR(NaCl):2961,2936,2874,1747,1655,1617,1466,1418,1378,1362,1308,1279,1198,1122,1061,1031,979,797cm
−1
【0126】
(実施例7a)
東京化成工業株式会社製のメチルアミン7%THF溶液31.05g(70mmol)、THF15mLに炭酸カリウム9.68g(70mmol)を加えて室温下で撹拌し、東京化成工業株式会社製のクロロ酢酸イソプロピル10.52g(77mmol)をTHF5mLに溶かした溶液を滴下して反応させ、反応液を得た。次に、得られた反応液を濾過して、得られた濾液に、炭酸カリウム9.68g(70mmol)を水50mLで溶かした溶液を加えて氷浴中で冷却した。アクリル酸クロリド6.96g(77mmol)をゆっくり滴下した後、室温下で2時間撹拌した。その後、酢酸エチルを用いて、抽出により各層に分離させ、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮することで無色溶液8.4gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d1−5)で表される硬化性化合物の無色液体3.9g(収率:約30%)を得た。
【0127】
【化52】
【0128】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ1.26(d,6H),3.05/3.15(s,3H),4.07/4.16(s,2H),5.04−5.10(m,1H),5.67−5.75(m,1H),6.28−6.44/6.61−6.66(m,2H)
IR(NaCl):2938,2982,1741,1655,1617,1467,1418,1374,1279,1211,1107,1060,980,957,900,837,797,726cm
−1
【0129】
(実施例8a)
東京化成工業株式会社製のn−プロピルアミン5.25g(88.8mmol)を酢酸エチル60mLに溶解し、炭酸カリウム12.27g(88.8mmol)を加えた。次に、東京化成工業株式会社製のクロロ酢酸エチル10.88g(88.8mmol)を酢酸エチル10mLに溶かした溶液を室温下で滴下し、4時間撹拌して反応させ、反応液を得た。次に、得られた反応液を濾過して析出した塩を除去した後、濃縮して無色溶液を12.3g得た。この溶液を室温下で放置しておき析出した無色結晶を酢酸エチルで洗って乾燥させることで、N−プロピルサルコシンエチルエステルを5.8g得た。この化合物をそのまま下記反応に用いた。
N−プロピルサルコシンエチルエステル5.8g(40mmol)に水10mLを加え、次に、炭酸カリウム6.08g(44mmol)を水20mLに溶かした溶液を加えて氷浴中で冷却した。アクリル酸クロリド3.98g(44mmol)をゆっくり滴下し、室温下で2時間撹拌した。その後、酢酸エチルを用いて、抽出により各層に分離させ、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮することで無色溶液7.0gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d3−2)で表される硬化性化合物の無色液体4.9g(収率:約62%)を得た。
【0130】
【化53】
【0131】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ0.90−0.95(m,3H),1.26−1.30(m,3H),1.56−1.71(m,2H),3.37−3.44(m,2H),4.08/4.12(s,2H)4.18−4.25(m,2H),5.67−5.74(m,1H),6.28−6.42/6.58−6.63(m,2H)
IR(NaCl):2968,2937,2877,1749,1653,1616,1442,1406,1374,1233,1198,1185,1025,979,796cm
−1
【0132】
(実施例9a)
東京化成工業株式会社製のイソプロピルアミン2.95g(50mmol)を酢酸エチル50mLに溶解し、炭酸カリウム6.91(50mmol)を加えて室温下で撹拌した。次に、東京化成工業株式会社製のクロロ酢酸メチル5.43g(50mmol)を酢酸エチル5mLに溶かした溶液を室温下で滴下して2時間撹拌して反応させ、反応液を得た。次に、得られた反応液を濾過して析出した塩を除去した後、炭酸カリウム6.91g(50mmol)を水50mLに溶かした水溶液を加えた。氷浴で冷却した後、アクリル酸クロリド4.98g(55mmol)をゆっくり滴下し、室温下で2時間攪拌した。その後、酢酸エチルを用いて、抽出により各層に分離させ、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮することで無色溶液9.8gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d4−1)で表される硬化性化合物の無色液体3.7g(収率:約40%)を得た。
【0133】
【化54】
【0134】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ1.11/1.22(d,6H),3.74/3.77(s,3H),3.99(s,2H),4.26−4.32(m,1H),5.66−5.73(m,1H),6.31−6.35/6.62−6.67(m,2H)
IR(NaCl):2974,1755,1645,1612,1542,1446,1368,1341,1205,1129,1884,1062,985,797cm
−1
【0135】
(実施例10a)
東京化成工業株式会社製のイソプロピルアミン2.95g(50mmol)、酢酸エチル50mL、炭酸カリウム6.91g(50mmol)の混合物に、東京化成工業株式会社製のイソプロピルクロロアセテート6.83(50mmol)を酢酸エチル5mLで希釈した溶液を滴下して反応させ、反応液を得た。次に、得られた反応液を濾過して、析出した塩を除去した後、炭酸カリウム6.91g(50mmol)を水50mLに溶かした水溶液を加えた。氷浴で冷却した後、アクリル酸クロリド4.98g(55mmol)をゆっくり滴下し、室温下で2時間攪拌した。その後、酢酸エチルを用いて、抽出により各層に分離させ、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮することで無色溶液8.5gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d4−5)で表される硬化性化合物の無色液体1.3g(収率:約12%)を得た。
【0136】
【化55】
【0137】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ1.11/1.21(d,6H),1.25(d,6H),3.95(s,2H),4.28/4.93(m,1H),5.05(m,1H),5.65−5.71(m,1H),6.29−6.34/6.61−6.67(m,2H)
IR(NaCl):2981,2939,2879,1746,1650,1614,1465,1443,1373,1340,1286,1256,1202,1146,1108,1084,1060,1010,977,958,900,836,796,757,718cm
−1
【0138】
(実施例11a)
東京化成工業株式会社製のn−ヘキシルアミン8.10g(80mmol)、酢酸エチル55mL、炭酸カリウム11.3g(81.8mmol)の混合物に、東京化成工業株式会社製のクロロ酢酸メチル9.55g(88mmol)を滴下して反応させ、反応液を得た。次に、得られた反応液を濾過して、析出した塩を除去した後、炭酸カリウム11.05g(80mmol)を水80mLに溶かした水溶液を加えた。氷浴で冷却した後、アクリル酸クロリド8.0g(88mmol)をゆっくり滴下し、室温下で2時間攪拌した。その後、酢酸エチルを用いて、抽出により各層に分離させ、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮することで無色溶液16.1gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d6−1)で表される硬化性化合物の無色液体3.5g(収率:約19%)を得た。
【0139】
【化56】
【0140】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ0.89(t,3H),1.26−1.33(m,6H),1.58−1.61(m,2H),3.40/3.44(t,2H),3.74/3.77(s,3H),4.10/4.13(s,2H),5.67−5.75(m,1H),6.29−6.42/6.57−6.62(m,2H)
IR(NaCl):2955,2931,2858,1753,1653,1616,1439,1406,1373,1250,1206,1178,1138,1063,979,796cm
−1
【0141】
(実施例12a)
東京化成工業株式会社製のn−ヘキシルアミン5.06g(50mmol)、酢酸エチル50mL、炭酸カリウム6.91g(50mmol)の混合物に、東京化成工業株式会社製のn−ブチルクロロアセテート7.53g(50mmol)を酢酸エチル5mLで希釈した溶液を滴下して反応させ、反応液を得た。次に、得られた反応液を濾過して、析出した塩を除去した後、炭酸カリウム6.91g(50mmol)を水50mLに溶かした水溶液を加えた。氷浴で冷却した後、アクリル酸クロリド4.98g(55mmol)をゆっくり滴下し、室温下で2時間攪拌した。その後、酢酸エチルを用いて、抽出により各層に分離させ、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮することで無色溶液13.4gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(d6−4)で表される硬化性化合物の無色液体5.8g(収率:約43%)を得た。
【0142】
【化57】
【0143】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ0.88−1.62(m,18H),3.40/3.44(t,2H),4.05/4.08(s,2H),4.14(t,2H),5.66−5.74(m,1H),6.29−6.41/6.56−6.62(m,2H)
IR(NaCl):2958,2931,2882,2860,1748,1652,1614,1539,1456,1377,1196,1137,1064,1022,977,795,725cm
−1
【0144】
(実施例13a)
Combi−Blocks社製のN−メチル−DL−アラニン6.19g(60mmol)をメタノール40mLと混合して得られたスラリーを氷浴中で冷却した後、塩化チオニル14.28g(120mmol)をゆっくり滴下して反応させ、反応液を得た。滴下途中で反応液は透明な溶液となり、そのまま室温下で一晩攪拌した。次に、得られた反応液を濃縮し、N−メチル−DL−アラニンのメチルエステル塩酸塩を無色粘調性液体8.3gとして得た。得られたN−メチル−DL−アラニンのメチルエステル塩酸塩はそのまま次の反応に用いた。
N−メチル−DL−アラニンのメチルエステル塩酸塩8.3g(54mmol)を水20mLに溶解し、炭酸カリウム11.94g(86.5mmol)を水20mLに溶かした水溶液を加え、室温下で1時間攪拌した。氷浴中で冷却した後、アクリル酸クロリド5.38g(59.4mmol)をゆっくり滴下し、室温下で2時間攪拌した。その後、酢酸エチルを用いて、抽出により各層に分離させ、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し、濃縮して淡黄色液体6.0gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(g1−1)で表される硬化性化合物の無色液体4.1g(収率:約44%)を得た。
【0145】
【化58】
【0146】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ1.43/1.49(d,3H),2.91/3.03(s,3H),3.72/3.75(s,3H),4.68/5.29(q,1H),5.68−5.76(m,1H),6.22−6.39(m,1H),6.49−6.63(m,1H)
IR(NaCl):2989,2952,1742,1651,1614,1446,1416,1332,1281,1211,1096,981,845,796cm
−1
【0147】
(実施例14a)
Combi−Blocks社製のN−メチル−DL−アラニン6.19g(60mmol)をエタノール40mLと混合して得られたスラリーを氷浴中で冷却した後、塩化チオニル14.28g(120mmol)をゆっくり滴下して反応させ、反応液を得た。滴下途中で反応液は透明な溶液となり、その後白色固体が析出してスラリー状態となった。そのまま室温下で一晩攪拌すると白色固体が溶解して透明になった。得られた反応液を濃縮し、N−メチル−DL−アラニンのエチルエステル塩酸塩の無色固体物10.3gを得た。得られたN−メチル−DL−アラニンのエチルエステル塩酸塩はそのまま次の反応に用いた。
次に、N−メチル−DL−アラニンのエチルエステル塩酸塩10.3g(61.4mmol)を水12mLに溶解し、炭酸カリウム15.28g(110.6mmol)を水25mLに溶かした水溶液を加え、室温下で1時間攪拌した。氷浴中で冷却した後、アクリル酸クロリド6.11g(67.5mmol)をゆっくり滴下し、室温下で2時間撹拌した。その後、酢酸エチルを用いて、抽出により各層に分離させ、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し、濃縮して淡黄色液体11.5gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(g1−2)で表される硬化性化合物の無色液体8.1g(収率:約71%)を得た。
【0148】
【化59】
【0149】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ1.27(t,3H),1.43/1.48(d,3H),2.91/3.03(s,3H),4.14−4.22(m,2H),4.66/5.29(q,1H),5.67−5.75(m,1H),6.22−6.38(m,1H),6.50−6.63(m,1H)
IR(NaCl):2984,2941,1738,1651,1613,1447,1416,1378,1329,1281,1203,1094,1023,981,859,796cm
−1
【0150】
(実施例15a)
Combi−Blocks社製のN−メチル−DL−アラニン6.19g(60mmol)をイソプロピルアルコール40mLと混合して得られたスラリーを氷浴中で冷却した後、塩化チオニル14.28g(120mmol)をゆっくり滴下して反応させ、反応液を得た。滴下途中で反応液は透明な溶液となり、その後白色固体が析出してスラリー状態となった。そのまま室温下で一晩攪拌したが、白色固体は溶解せず、スラリー状態のままであった。得られた反応液を濃縮し、N−メチル−DL−アラニンのイソプロピルエステル塩酸塩の無色固体物10.0gを得た。得られたN−メチル−DL−アラニンのイソプロピルエステル塩酸塩はそのまま次の反応に用いた。
次に、N−メチル−DL−アラニンのイソプロピルエステル塩酸塩10.0g(55mmol)を水12mLに溶解し、炭酸カリウム13.69g(99.1mmol)を水25mLに溶かした水溶液を加え、室温下で1時間攪拌した。氷浴中で冷却した後、アクリル酸クロリド5.48g(60.6mmol)をゆっくり滴下し、室温下で2時間撹拌した。その後、酢酸エチルを用いて、抽出により各層に分離させ、酢酸エチル層を分取した。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し、濃縮して淡茶色液体5.5gを得た。
更に、和光純薬工業株式会社製のシリカゲルC−300 300gを充填し、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製して、下記構造式(g1−5)で表される硬化性化合物の淡茶色液体1.9g(収率:約17%)を得た。
【0151】
【化60】
【0152】
同定データは次に示すとおりである。
1H−NMR(CDCl
3):δ1.25(d,6H),1.41/1.46(d,3H),2.90/3.02(s,3H),4.99−5.07(m,1H),4.62/5.27(q,1H),5.67−5.75(m,1H),6.22−6.38(m,1H),6.50−6.63(m,1H)
IR(NaCl):2982,2940,1735,1652,1614,1466,1453,1415,1375,1325,1281,1207,1109,1018,981,910,865,828,796cm
−1
【0153】
(比較例1a)
市販の下記構造式(1)で表されるN,N−ジエチルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社製)を比較例1aの化合物とした。
【0154】
【化61】
【0155】
(比較例2a)
特開2015−13980号公報に記載の実施例1と同様の方法により、下記構造式(2)で表されるアクリルアミドを合成し、比較例2aの化合物とした。
【0156】
【化62】
【0157】
(比較例3a)
特開2015−13980号公報に記載の実施例5と同様の方法により、下記構造式(3)で表されるアクリルアミドを合成し、比較例3aの化合物とした。
【0158】
【化63】
【0159】
得られた硬化性化合物について、粘度、臭気のなさ、及び安全性を、以下のようにして評価した。結果を下記表1に示す。
【0160】
<粘度の測定>
得られた硬化性化合物の粘度を、コーンプレート型回転粘度計(装置名:VISCOMETER TVE−22L、東機産業株式会社製)により、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を25℃にて測定した。
【0161】
<臭気の評価>
得られた硬化性化合物の臭気を、次の(1)〜(3)の手順により確認し、下記評価基準に基づいて、「臭気のなさ」を評価した。
(1)50mLのサンプル瓶(ガラス瓶)に、約100mg(0.1g)の各化合物を秤り取り、フタをした。
(2)室温条件下で、約30分間放置した。
(3)サンプル瓶(ガラス瓶)に鼻を近づけて、フタを開けた時の臭気を嗅いだ。
〔評価基準〕
○:臭いを感じない又は感じても不快ではない
△:特有の臭気により不快感が生じる
×:特有の臭気により強い不快感が生じる
【0162】
<安全性の評価>
実施例1a、実施例4a、比較例1a、及び比較例2aの硬化性化合物について、毒性等級法による急性経口毒性試験(OECD TG423)に準拠した限度試験を以下のようにして行い、安全性を評価した。
【0163】
[急性経口毒性試験に準拠した限度試験]
<<使用動物>>
被験物質である本発明の硬化性化合物について、使用動物として5週齢のSlc:Wistar/ST系のラットの雌24匹を日本エスエルシー株式会社より取り寄せた。使用動物に対し、1週間の馴化を行った。馴化期間中、全ての動物に異常は認められなかった。
投与開始2日前に測定した体重を用いて、体重層別無作為抽出法で、個体の体重が全体の平均体重±20%以内となるように4群(6匹/群)に群分けした。群分けにより外れた動物は試験から除外した。
使用した動物は、試験期間を通して尾部への油性インク塗布により識別し、併せてケージはラベルをつけて識別した。
【0164】
<<飼育環境>>
使用動物は、検疫、馴化期間中を含む全飼育期間を通して、温度19℃〜25℃、相対湿度40%〜70%、換気回数10回〜15回/時間、明暗サイクル12時間間隔(7時点灯〜19時消灯)に設定したバリアーシステムの飼育室で飼育した。
飼育ケージはポリカーボネート製ケージを使用した。使用動物は6匹/ケージで飼育した。
飼料は、マウス、ラット用固型試料(商品名:ラボMRストック、日本農産工業株式会社製)を使用し、使用動物に自由摂取させた。
ケージ及び床敷は、群分け時、及び飼育室からの搬出時に交換し、給水びん及びラックは、群分け時に交換した。
【0165】
[試験方法]
<<群構成>>
限定試験で使用した群構成を以下に示す。
・第1群 実施例1a:被験物質 構造式(a1−1)で表される硬化性化合物、投与量:2,000mg/kg体重、使用動物数:6匹
・第2群 実施例4a:被験物質 構造式(d1−1)で表される硬化性化合物、投与量:2,000mg/kg体重、使用動物数:6匹
・第3群 比較例1a:被験物質 構造式(1)で表されるN,N−ジエチルアクリルアミド、投与量:2,000mg/kg体重、使用動物数:6匹
・第4群 比較例2a:被験物質 構造式(2)で表されるアクリルアミド、投与量:2,000mg/kg体重、使用動物数:6匹
【0166】
<<被験物質の調製>>
被験物質100mgをメスフラスコに秤量し、溶媒として水を加えて1mLに定量し、調整濃度100mg/mLの調製液とした。被験物質調製液は、投与日に調製した。
【0167】
<<投与>>
投与前に約17時間、使用動物に飼料を与えず、水のみ与え、絶食させた。絶食後に体重を測定し、胃ゾンデを用いて被験物質を単回強制経口投与した。投与後、更に3時間〜4時間飼料を与えなかった。
投与は2,000mg/kg体重の1用量で行い、1被験物質につき、6匹の使用動物を用いた。
【0168】
<<観察>>
試験に使用した全動物について、投与開始日から14日間、1日1回以上観察した。なお、観察日の起算法は、投与開始日を1日目とした。
試験期間に死亡した動物の数を求めた。
【0169】
【表1】
【0170】
前記表1の結果から、実施例1aから15aの硬化性化合物は粘度が低く、また臭気が少なく取扱いやすく、更に安全性が高いことがわかる。
【0171】
(実施例1b〜15b、及び比較例1b〜3b)
−硬化型組成物の作製−
実施例1a〜15a、及び比較例1a〜3aの各硬化性化合物950mgと、重合開始剤(商品名:IRGACURE 907、成分名:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、BASFジャパン株式会社製)50mgを、マグネティックスターラーを用いて混合し、実施例1b〜15b及び比較例1b〜3bの硬化型組成物を作製した。
【0172】
上記実施例1b〜15b及び比較例1b〜3bの各硬化型組成物の重合性と硬化性を、下記のようにして評価した。結果を下記表2に示す。
【0173】
<重合性の評価>
示差走査熱量計(装置名:DSC−7020、セイコーインスツル株式会社製)と、スポット光源(装置名:LA−410UV、林時計工業株式会社製)を組み合わせた測定装置を用いて、各硬化型組成物の「重合性」を評価した。
具体的には、硬化性化合物の重合が終了するのに十分な時間、波長365nmの紫外線を200mW/cm
2で照射した場合の発熱量を、一つの試料に対して二度測定した。
一回目の測定で得られる発熱量は、硬化性化合物の重合に伴う発熱量に加えて、紫外線照射に伴う発熱量も含んでいる。そこで、一回目の測定で重合が終了している試料に対して、同じ条件で再度紫外線を照射して硬化性化合物の重合に伴う発熱量以外の発熱量を測定した。そして、一回目と二回目の発熱量の差から、硬化性化合物の重合に伴う発熱量を算出した。このとき、紫外線照射の開始から最大発熱量に到達するまでの時間をT
1[秒]として、重合の速さを比較する指標とした。
【0174】
<硬化性の評価>
粘弾性測定装置(装置名:MCR302、Anton−Parr社製)とオプションのUV硬化測定セル、LED光源(商品名:LIGHTNINGCURE LC−L1、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、各硬化型組成物の硬化性を評価した。
具体的には、直径20mmのコーンプレートを用いて10μmのギャップに試料を挟んだ後、波長365nmの紫外線を50mW/cm
2で照射し、弾性率が飽和するまで粘弾性の変化を測定した。測定結果から飽和貯蔵弾性率の最大値を求め、硬化レベルの指標とした。
また、貯蔵弾性率が飽和するまでに照射された紫外線のエネルギー、即ち、硬化エネルギーは、紫外線の強度(50mW/cm
2)と、紫外線を照射した時間[秒]との積から算出した。
【0175】
【表2】
【0176】
前記表2の結果から、実施例1a〜15aの硬化性化合物を用いた実施例1b〜15bの硬化型組成物は、重合性と硬化性のバランスに優れていることがわかる。これは、環構造を有しない3級アクリルアミド構造により低粘度が実現されるとともに、分子内に導入されているエステル構造により揮発性が抑えられ、臭気の低減と低粘度とを両立していると考えられる。また、このエステル構造により、反応性及び硬化性にも優れ、臭気低減、安全性、低粘度とあわせて非常にバランスのよい硬化型組成物が提供される。
【0177】
(実施例1c〜15c)
−ブラックインクの作製−
実施例1a〜15aの硬化性化合物100質量部、重合開始剤(商品名:IRGACURE 907、BASFジャパン株式会社製)10質量部、及びカーボンブラック(商品名:MICROLITH Black C−K、BASFジャパン株式会社製)3質量部を混合して、実施例1c〜15cのブラックインクを得た。
【0178】
(実施例1d〜15d)
−青色インクの作製−
実施例1a〜15aの硬化性化合物100質量部、重合開始剤(商品名:IRGACURE 907、BASFジャパン株式会社製)10質量部、及び青色顔料(商品名:MICROLITH Blue 4G−K、BASFジャパン株式会社製)3質量部を混合し、実施例1d〜15dの青色インクを得た。
【0179】
<インクの硬化性評価1>
スライドガラス上に、実施例1c〜15c、及び実施例1d〜15dの各インクをインクジェット記録装置(株式会社リコー製、ヘッド:リコープリンティングシステムズ株式会社製GEN4)を用いて、インクジェット吐出した後、UV照射機(装置名:LH6、フュージョン・システムズ・ジャパン株式会社製)を用いて、波長が365nmの紫外線を200mW/cm
2で照射し硬化させた。
その結果、各インクは、問題なくインクジェット吐出することが可能であり、インク画像が十分に硬化していた。
また、各インクは、実質的に実施例1b〜15bの各硬化型組成物を用いたものに相当するが、念のため各硬化型組成物の場合と同様にして重合性と硬化性を測定したところ、いずれも実施例1b〜15bの硬化型組成物と同様に優れていることが確認された。
【0180】
<インクの硬化性評価2>
つけペンのペン先を実施例1c〜15c、及び実施例1d〜15dの各インクに浸し、PETフィルム及び普通紙に文字を書いた後、UV照射機(装置名:LH6、フュージョン・システムズ・ジャパン株式会社製)を用いて、波長365nmの紫外線を200mW/cm
2で照射し硬化させた。
その結果、インク画像は十分に硬化していた。
【0181】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物を含有することを特徴とする硬化型組成物である。
【化64】
ただし、前記一般式(1)中、R
1は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)又は下記一般式(3)を表す。
【化65】
ただし、前記一般式(2)中、R
2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【化66】
ただし、前記一般式(3)中、R
2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
<2> 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、下記一般式(4)で表される化合物である前記<1>に記載の硬化型組成物である。
【化67】
ただし、前記一般式(4)中、R
1は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R
2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
<3> 前記一般式(4)中のR
1が炭素数1〜3のアルキル基、及びR
2が炭素数1〜3のアルキル基である前記<2>に記載の硬化型組成物である。
<4> 前記一般式(4)中のXがメチレン基、及びメチルメチレン基のいずれかである前記<2>から<3>のいずれかに記載の硬化型組成物である。
<5> 前記一般式(4)で表されるアクリルアミド化合物が、下記構造式(d1−1)、下記構造式(d1−2)、下記構造式(g1−1)、下記構造式(g1−2)、及び下記構造式(g1−5)で表される化合物の少なくともいずれかである前記<2>から<4>のいずれかに記載の硬化型組成物である。
【化68】
【化69】
【化70】
【化71】
【化72】
<6> 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、下記構造式(a1−1)で表される化合物である前記<1>に記載の硬化型組成物である。
【化73】
<7> 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、下記構造式(a1−4)で表される化合物である前記<1>に記載の硬化型組成物である。
【化74】
<8> 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、下記構造式(a6−1)で表される化合物である前記<1>に記載の硬化型組成物である。
【化75】
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の硬化型組成物を含有することを特徴とする硬化型インクである。
<10> インクジェット用である前記<9>に記載に記載の硬化型インクである。
<11> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の硬化型組成物、及び前記<9>から<10>のいずれかに記載の硬化型インクの少なくともいずれかを収容してなることを特徴とする収容容器である。
<12> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の硬化型組成物、及び前記<9>から<10>のいずれかに記載の硬化型インクの少なくともいずれかを収容する収容部と、エネルギーを付与するための付与手段と、を有することを特徴とする2次元又は3次元の像形成装置である。
<13> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の硬化型組成物、及び前記<9>から<10>のいずれかに記載の硬化型インクの少なくともいずれかにエネルギーを付与して2次元又は3次元の像を形成することを特徴とする2次元又は3次元の像形成方法である。
<14> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の硬化型組成物、及び前記<9>から<10>のいずれかに記載の硬化型インクの少なくともいずれかを用いて形成されることを特徴とする硬化物である。
<15> 基材上に前記<14>に記載の硬化物からなる表面加飾が施されてなることを特徴とする加飾体である。
<16> 下記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物であることを特徴とする硬化性化合物である。
【化76】
ただし、前記一般式(1)中、R
1は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Yは下記一般式(2)又は下記一般式(3)を表す。
【化77】
ただし、前記一般式(2)中、R
2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
【化78】
ただし、前記一般式(3)中、R
2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、*は前記Xとの結合部位を表す。
<17> 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、下記一般式(4)で表される化合物である前記<16>に記載の硬化性化合物である。
【化79】
ただし、前記一般式(4)中、R
1は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R
2は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
<18> 前記一般式(4)中のR
1が炭素数1〜3のアルキル基、及びR
2が炭素数1〜3のアルキル基である前記<17>に記載の硬化性化合物である。
<19> 前記一般式(4)中のXがメチレン基、及びメチルメチレン基のいずれかである前記<17>から<18>のいずれかに記載の硬化性化合物である。
<20> 前記一般式(4)で表されるアクリルアミド化合物が、下記構造式(d1−1)、下記構造式(d1−2)、下記構造式(g1−1)、下記構造式(g1−2)、及び下記構造式(g1−5)で表される化合物の少なくともいずれかである前記<19>に記載の硬化性化合物である。
【化80】
【化81】
【化82】
【化83】
【化84】
<21> 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、下記構造式(a1−1)で表される化合物である前記<16>に記載の硬化性化合物である。
【化85】
<22> 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、下記構造式(a1−4)で表される化合物である前記<16>に記載の硬化性化合物である。
【化86】
<23> 前記一般式(1)で表されるアクリルアミド化合物が、下記構造式(a6−1)で表される化合物である前記<16>に記載の硬化性化合物である。
【化87】
【0182】
前記<1>から<8>のいずれかに記載の硬化型組成物、前記<9>から<10>のいずれかに記載の硬化型インク、前記<11>に記載の収容容器、前記<12>に記載の2次元又は3次元の像形成装置、前記<13>に記載の2次元又は3次元の像形成方法、前記<14>に記載の硬化物、前記<15>に記載の加飾体、及び前記<16>から<23>のいずれかに記載の硬化性化合物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。