(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記載置台は、基板を水平に保持した状態で中心軸周りに回転自在に構成され、当該載置台の周囲には、回転する基板から振り飛ばされた前記混合液を受け止めて、外部へ排出するためのカップが設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態に係る基板処理装置であるポリ尿素膜形成モジュール8の具体的な構成を説明する前に、従来、採用されていなかった、尿素結合を有する重合体からなる重合体膜(以下、「ポリ尿素膜」ともいう)を利用して半導体装置を製造する工程について、いくつか例を挙げる。
第1の例として、
図1は、低誘電率膜20をエッチングする際の犠牲膜としてポリ尿素膜を用いる例を示している。
【0012】
図1(a)中に示す符号11は、例えば下層側の層間絶縁膜、12は層間絶縁膜11に埋め込まれた配線材料、13はエッチング時のストッパーの機能を持つエッチングストッパー膜である。エッチングストッパー膜13は、例えばSiC(炭化ケイ素)やSiCN(炭化窒化ケイ素)などにより形成されている。
【0013】
エッチングストッパー膜13の上には、層間絶縁膜である低誘電率膜20が形成されている。低誘電率膜20としては、この例ではSiOC膜が用いられ、SiOC膜は例えばDEMS(Diethoxymethylsilane)をプラズマ化してCVD(Chemical Vapor Deposition)法により成膜される。従って、低誘電率膜20は主成分として、シリコン、炭素及び酸素を含んでいる。なお下層側の層間絶縁膜11についても例えばSiOC膜が用いられる。
【0014】
本例では、基板であるウエハWの表面に形成された製造途中の半導体装置を構成する低誘電率膜20に対し、ビアホール201やトレンチ(配線埋め込み用の溝)202を形成する場合について説明する。
図1(a)には、既述の低誘電率膜20の表面に、トレンチ202に対応する部位が開口する例えばTiN(チタンナイトライド)膜からなるエッチング用のパターンマスクであるハードマスク22が形成されている。
【0015】
これらハードマスク22及び低誘電率膜20の上面側に、ビアホールをエッチングする際の犠牲膜として用いられるポリ尿素膜23が形成される。本例のポリ尿素膜23は、後述するポリ尿素膜形成モジュール8を用い、ウエハWの表面に、ポリ尿素の原料(アミン及びイソシアネート)を含む混合液を供給することにより形成される。
さらに当該ポリ尿素膜23の上面側には、ビアホールに対応する部位が開口するようにパターニングされたSiO
2(酸化シリコン)膜からなるマスク膜24が形成されている。
【0016】
上述の積層構造が形成されたウエハWに対し、マスク膜24をマスクとして用い、例えばCH
3Fガスのプラズマによるポリ尿素膜23のエッチングを行う。次いで、酸素ガスプラズマによりマスク膜24を除去した後、ポリ尿素膜23をエッチングマスクとして用い、例えばC
6F
6ガスのプラズマガスによる低誘電率膜20のエッチングにより、低誘電率膜20へビアホール201の形成を行う(
図1(b))。
【0017】
しかる後、ビアホール201の底部のエッチングストッパー膜13をプラズマ(SiC膜の場合はCF
4ガスプラズマ)によりエッチングする。
以上に説明した各処理において、この段階までに行われる処理は、ポリ尿素が解重合する温度よりも低い温度で実施されることが必要である。
【0018】
次いで、犠牲膜として用いたポリ尿素膜23を除去する(
図1(c))。後述するように、ポリ尿素膜23は加熱をするとアミンに解重合して蒸発させることができる。
【0019】
次にビアホール201を形成したプロセスと同様にして、ハードマスク22を用いて低誘電率膜20をエッチングすることにより、ビアホール201を囲む領域にトレンチ202を形成することができる(
図1(d))。
その後、硫酸、過酸化水素水及び水を混合したエッチング液を用いたウェットエッチングにより、ハードマスク22を除去し、次いでビアホール201及びトレンチ202に銅を埋め込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により余分な銅を除去することにより銅配線を形成することができる。
【0020】
次いで、
図2を参照しながら第2の例について説明する。第2の例は、多孔質の低誘電率膜20に形成されている多数の孔部21内に埋め込む物質としてポリ尿素を用いる。
図2(a)〜(d)の各図において、
図1(a)〜(d)を用いて説明したものと共通の構成要素には、
図1にて用いたものと共通の符号を付してある。
【0021】
図2(a)には、
図1(a)を用いて説明した例と同様に、層間絶縁膜11及び配線材料12の上面側に、エッチングストッパー膜13を介して低誘電率膜20が積層された状態を示している。当該低誘電率膜20内には、多数の孔部21が形成されている様子を極めて模式的に示してある。
【0022】
当該低誘電率膜20が形成されたウエハWに対し、ポリ尿素の原料(アミン及びイソシアネート)を含む混合液を供給すると、混合液が各低誘電率膜20内に浸透した後、硬化してポリ尿素が埋め込まれた状態となる(
図2(b))。低誘電率膜20内に浸透せずに、低誘電率膜20の表面で混合液が硬化して形成されたポリ尿素膜23は、加熱により解重合させて除去してもよいし、
図1を用いて説明した例と同様に犠牲膜として用いてもよい。
本例では、膜状の低誘電率膜20に形成された孔部21内にポリ尿素を埋め込む処理についても、ポリ尿素膜を形成する処理(尿素結合を有する重合体膜を形成する処理)に含まれる。
【0023】
孔部21内へのポリ尿素の埋め込みを終えたら、
図1(a)、(b)を用いて説明したハードマスク22、マスク膜24を利用して(ポリ尿素膜23を犠牲膜として用いる場合には、当該ポリ尿素膜23も利用して)、低誘電率膜20のエッチングを行い、ビアホール201やトレンチ202を形成し、トレンチ202の底部に露出しているエッチングストッパー膜13を除去する(
図2(c))。
これら低誘電率膜20やその上層側のハードマスク22、マスク膜24をエッチングにより除去する際に、各種のプラズマやエッチング液と低誘電率膜20とが接触しても、孔部21内に埋め込まれたポリ尿素により低誘電率膜20を保護することができる。
【0024】
こうして低誘電率膜20にビアホール201及びトレンチ202を形成したら、ウエハWを加熱して低誘電率膜20の孔部21に埋め込まれているポリ尿素を解重合させて除去する(
図2(d))。
ポリ尿素が除去されて多孔質膜に戻った低誘電率膜20に対して、銅配線を形成する処理については
図1(d)を用いて説明した積層構造の例と同様である。
【0025】
以上、ポリ尿素膜を新たに利用して半導体装置を製造する工程の例について
図1、2を参照しながら説明した。
この他、ポリ尿素膜は、
図1(d)に示したハードマスク22の除去時にビアホール201やトレンチ202に埋め込んで低誘電率膜20を保護するための埋め込み部を形成する目的や、フィン型のFET(Field Effect Transistor)にイオン注入を行う際に、他の領域を保護するマスクを形成する目的などで一時的に用いることもできる。
【0026】
次に
図3〜5を参照しながら、ポリ尿素膜23を形成するためのポリ尿素の例について説明しておく。
例えば
図3に示すように、ポリ尿素はイソシアネートとアミンとを用いて共重合により生成することができる。R、R’(置換基)は例えばアルキル基(直鎖状アルキル基または環状アルキル基)またはアリール基であり、nは2以上の整数である。
【0027】
イソシアネートとしては、例えば脂環式化合物、脂肪族化合物、芳香族化合物などを用いることができる。脂環式化合物としては、例えば1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)が、脂肪族化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートが夫々挙げられる。
アミンとしては、例えば脂環式化合物または脂肪族化合物を用いることができ、脂環式化合物としては、例えば1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(H6XDA)が、脂肪族化合物としては、例えば1,12−ジアミノドデカン(DAD)が夫々挙げられる。
【0028】
次に、イソシアネートとアミンとの反応のバリエーションについて説明しておく。当該反応においては、
図4(a)〜(d)に示すように、原料モノマーとして一官能性分子を用いてもよい。
更にまた
図5(a)、(b)に示すように、イソシアネートと二級アミンとを用いてもよく、この場合に生成される重合体に含まれる結合も尿素結合であり、ポリ尿素が得られる。
【0029】
上述のポリ尿素は、加熱することによりアミンに解重合して蒸発し、製造中の半導体装置から除去することができる。ウエハW上に既に形成されている素子部分、特に銅配線に悪影響を与えないようにするためには、400℃未満例えば390℃以下、好適には300〜350℃で加熱することが好ましい。
【0030】
ポリ尿素の解重合を行う時間、例えば300℃〜400℃で加熱する時間は、素子への熱的ダメージを抑えるという観点から、例えば5分以下が好ましい。従って加熱レシピの好ましい例としては、350℃、5分以下を挙げることができる。加熱の手法としては、赤外線ランプを用いてもよいし、ヒーターを内蔵した載置台の上にウエハWを載せて加熱するようにしてもよい。加熱雰囲気は例えば窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気とされる。
【0031】
このようにポリ尿素は、加熱するだけで解重合し、蒸発させて除去することができるので、エッチングガスのプラズマやエッチング液に製造中の半導体装置を晒す場合と比較して容易に除去することが可能であり、半導体装置を構成する材料に損傷を与えるおそれが小さい。
【0032】
一方で、イソシアネートとアミンとは、短時間で反応することが知られており、イソシアネートやアミンを含む溶液を用いてポリ尿素膜23を形成する場合には、いかなる手法によりウエハWの表面にこれらの溶液を供給すればよいかが問題となる。
【0033】
ウエハWに対してポリ尿素の原料を供給する配管内で、イソシアネートとアミンとをそのまま混合してしまうと、配管内でポリ尿素が形成され、配管の閉塞を引き起こすおそれがある。
この点、ウエハWに対して、イソシアネートやアミンを含む溶液を交互に供給し、ウエハWの表面にてイソシアネートとアミンとを接触させる方法を考えることもできる。しかしながら後述の比較例に示すように、この方法では、ポリ尿素膜23の膜厚の制御が難しく、且つ、ウエハWの面内で均一な膜厚のポリ尿素膜23を形成することも困難であることが分かった。
【0034】
そこで本例では、イソシアネートと溶剤とを含む溶液(第1の液体)と、アミンと溶剤とを含む溶液(第2の液体)と、をノズル配管(液体流路)861内で混合し、この結果得られた混合液をウエハWに供給する。この手法により、ノズル配管861の閉塞の発生を抑えつつ、膜厚の制御性が良く、膜厚の均一なポリ尿素膜23を形成できることが分かった。
以下、
図6を参照しながら、ポリ尿素膜23の形成を行う基板処理装置であるポリ尿素膜形成モジュール8の構成例について説明する。
【0035】
図6に示す、符号81は、ウエハWを吸着保持して回転機構80により回転する載置台であるバキュームチャック、82は、カップモジュール、85は、カップモジュール82の本体を成し、回転するウエハWから飛散した液体を受け止め、底面側から外部へと排出する環状の溝を備えた外カップ、83は、下方に伸びる外周壁及び内周壁が、外カップ85の溝側へ向けて伸びるように筒状に形成されたガイド部材である。また、同図の符号84は、全周に亘って排気、排液を行うことができるように外カップ85と前記外周壁との間に形成された排出空間であり、排出空間84の下方側は気液分離を行うことができる構造になっている。
外カップ85やガイド部材83は、本例のカップに相当している。
【0036】
さらに
図6に示すように、載置台81に保持されたウエハWの回転中心の上方側には、ウエハWに対してポリ尿素膜23の原料であるイソシアネート及びアミンを含む溶液(後述の混合液)を供給するノズル部86が配置される。例えばノズル部86は、図示しない駆動機構に接続され、ウエハWの中心の上方位置と外カップ85の外側の位置との間を自在に移動することができる。
ノズル部86は、ノズル配管861の末端部に設けられている一方、ノズル配管861の上流側には、各々、開閉バルブV1、V2、及び流量調節部871、872を介してアミン溶液供給部(第2の液体供給部)87A、イソシアネート溶液供給部(第1の液体供給部)87Bが接続されている。
【0037】
イソシアネート溶液供給部87Bは、ポリ尿素の原料となる既述のイソシアネートと溶剤とを含む第1の液体であるイソシアネート溶液を貯留した貯留タンクや、窒素ガスなどの不活性ガスにより、貯留タンク内のイソシアネート溶液を圧送する圧送機構などを含んでいる。
【0038】
イソシアネートを溶解する溶剤は、アセトンやメチルエチルケトンなど、ケトン基を含む溶剤が好適であるが、その他、ノルマルヘキサンやシクロヘキサンなどの炭化水素系の溶剤、トルエンなどの芳香族系の溶剤、エタノールやプロパノールなどのアルコール系の溶剤などであってもよい。
また、イソシアネート溶液中のイソシアネート濃度は、1〜40wt%の範囲内の濃度を例示することができる。
【0039】
一方、アミン溶液供給部87Aについても、ポリ尿素の原料となる既述のアミンと溶剤とを含む第2の液体であるアミン溶液を貯留した貯留タンクや、窒素ガスなどの不活性ガスにより、貯留タンク内のアミン溶液を圧送する圧送機構などを含んでいる。
アミンを溶解する溶剤や、アミン溶液中のアミン濃度については、イソシアネート溶液の場合と同様であるので、再度の説明を省略する。
【0040】
ここで後述の参考例に実験結果を示すように、本発明の発明者は、イソシアネートを溶剤と混合した直後(調製直後)のイソシアネート溶液と、アミンを溶剤と混合した直後(調製直後)のアミン溶液とを混合すると、イソシアネートやアミンが溶剤によって希釈されているにも係らず、混合の直後にポリ尿素が生成して固化してしまう場合があることを見出した。
これに対して調製してから60分以上経過したイソシアネート溶液、アミン溶液については、混合直後のポリ尿素の生成は確認されず、ゆっくり時間をかけてポリ尿素が生成し、白濁する現象が見られた。
【0041】
そこで本例のポリ尿素膜形成モジュール8では、イソシアネート溶液供給部87B、アミン溶液供給部87Aに各々貯留されているイソシアネート溶液、アミン溶液は、溶剤と混合してから60分以上経過したものを用いる。そして、これらのイソシアネート溶液、アミン溶液をノズル配管861に供給して、ノズル配管861内でこれらの溶液の混合液を得る。この結果、ノズル配管861の閉塞が発生してしまう程度の短時間でポリ尿素の生成が進行することを抑えることができる。
【0042】
さらに本例のノズル配管861には、既述のアミン溶液供給部87Aやイソシアネート溶液供給部87Bとの接続位置よりも上流側の位置にて、開閉バルブV3及び流量調節部881を介し、ウエハWに供給される混合液の濃度調節を行う希釈溶剤の供給を行うための溶剤供給部88が接続されている。
溶剤供給部88には、混合液中のイソシアネートやアミンの濃度を調節するための溶剤を貯留した貯留タンクや、貯留タンク内の溶剤の送液を行うポンプなどが設けられている。
【0043】
ノズル配管861内の混合液(イソシアネート溶液とアミン溶液との混合液)と互いに混ざり合うことが可能であれば、溶剤供給部88から供給される希釈溶剤は、イソシアネート溶液やアミン溶液中の溶剤と同じであってもよいし、これらの溶液中の溶剤とは異なる溶剤であってもよい。
【0044】
また本例のポリ尿素膜形成モジュール8において、上述の溶剤供給部88には既述のノズル配管861側とは異なる洗浄溶剤配管883が接続されている。洗浄溶剤配管883には、流量調節部882及び開閉バルブV4を介して、洗浄溶剤ノズル821、822が接続されている。洗浄溶剤ノズル821、822は、溶剤供給部88内の溶剤を、カップモジュール82内に付着した混合液を洗浄除去するための洗浄溶剤として供給する役割を果たす。
【0045】
図6に示すように、洗浄溶剤ノズル821は、載置台81に保持されたウエハWの外方側に位置するガイド部材83の上面へ向けて洗浄溶液を供給する。一方、洗浄溶剤ノズル822は、外カップ85の内壁面へ向けて洗浄溶液を供給する。
【0046】
洗浄溶剤ノズル821、822は、各々、カップモジュール82の周方向に沿って、互いに間隔を開けて複数個、設けられている。この構成により、洗浄溶剤ノズル821、822から供給される洗浄溶剤は、ガイド部材83の上面及び外カップ85の内壁面に万遍なく供給されてこれらの領域の洗浄を行うことができる。
【0047】
以上に説明した構成を備えるポリ尿素膜形成モジュール8には制御部800が設けられている。この制御部800は、プログラムを格納した記憶媒体及びCPUからなるコンピュータとして構成されている。プログラムには制御部800からポリ尿素膜形成モジュール8の各部に制御信号を送り、ウエハWの表面にポリ尿素膜23を形成する処理を実行するための命令(ステップ群)が組まれている。
より具体的には、制御部800は、ウエハWの単位時間当たりの回転数や、各ノズル部86の水平、昇降移動、ノズル部86や洗浄溶剤ノズル821、822へのイソシアネート溶液、アミン溶液、溶剤(希釈溶剤、洗浄溶剤)の給断、流量調節などの各種制御に必要な動作を実行する。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスクまたはメモリーカードなどの記憶媒体に格納される。
【0048】
特に本例の制御部800は、例えば下記表1に示すように、ポリ尿素膜23の膜厚と、イソシアネート溶液、アミン溶液、及び希釈溶剤の各供給流量との対応関係を記憶媒体内に記憶している。後述の実施例に実験結果を示すように、ウエハWに付着する混合液の重量に応じて、ウエハWの表面に形成されるポリ尿素膜23の膜厚を変化させることが可能であることが分かった。
【0049】
即ち、ウエハWの回転数を一定に維持した状態においては、ノズル部86からウエハWに供給される混合液(希釈溶剤で希釈されている場合を含む)の流量や、混合液中のイソシアネートやアミンの濃度がポリ尿素膜23の膜厚を決定するパラメータとなる。
【0050】
本例のポリ尿素膜形成モジュール8では、タッチパネルなどのインターフェイスを介して、オペレータがウエハWに形成すべきポリ尿素膜23の目標膜厚を選択すると、表1の対応関係に基づき、ポリ尿素膜形成モジュール8の動作条件が設定されたレシピに各溶液、希釈溶剤の流量が読み込まれ、このレシピに基づいて流量調節部872、871、881の流量設定が行われる。
この観点において、制御部800は、本例の流量設定部の機能を備えている。
(表1)
【0051】
以下、
図7、8を参照しながら、上述の構成を備えたポリ尿素膜形成モジュール8の作用について説明する。
まず、ポリ尿素膜形成モジュール8が配置された筐体内に、外部のウエハ搬送機構を用いて処理対象のウエハWが搬入され、載置台81へと受け渡される。しかる後、ウエハWの中心の上方側にノズル部86を移動させると共に、ウエハWを回転させる。
【0052】
ウエハWが予め設定された回転数に到達したら、予めレシピに読み込まれた流量でイソシアネート溶液供給部87B、アミン溶液供給部87Aからイソシアネート溶液、アミン溶液を供給する。この結果、これらの溶液がノズル配管861内で混合されて混合液となり、ノズル部86を介してウエハWの表面に向けて吐出される。また、溶剤供給部88から希釈溶剤が供給される設定が成されている場合は、さらに希釈溶剤を用いて濃度調節された混合液がウエハWに向けて吐出される(
図7)。
【0053】
このとき、イソシアネート溶液供給部87B、アミン溶液供給部87Aから供給されるイソシアネート溶液、アミン溶液は、各々、調製を行ってから60分以上経過したものを用いていることが好ましい。これにより、急速なポリ尿素の形成を抑え、ノズル配管861を閉塞させずに混合液の状態でウエハWの表面にポリ尿素膜23の原料を供給することができる。
但し、イソシアネートやアミンが十分に希薄であるなどの理由により、ポリ尿素の形成が遅い場合には、調製後60分未満の各溶液の使用を禁止するものではない。
【0054】
ノズル部86からウエハWの中心部に供給された混合液は、ウエハWの回転に伴う遠心力を受けてその全面に展伸される。ウエハWの全面を覆う混合液内ではイソシアネートとアミンとの反応が進行し、ポリ尿素膜23が形成されていく。このとき、混合液中の溶剤が揮発してイソシアネート及びアミンの濃度が上昇することにより、ウエハW表面における前記反応の速度を向上させることができる。所定時間、混合液の供給を行ったら、混合液の供給を停止する。
なお混合液の供給停止後は、ウエハWの回転により混合液の全量がウエハWから振り切られてしまわないように、ウエハWの回転数を低下させたり、ウエハWの回転を停止したりしてもよい。
【0055】
一方、回転するウエハWに供給された混合液の一部は、周囲に振り飛ばされ、外方側のガイド部材83の表面や外カップ85の内面に付着する。そこで、
図8に示すように、洗浄溶剤ノズル821、822からこれらの面に洗浄溶剤を供給し、これらの面で膜状に固化したポリ尿素となる前の混合液を洗浄溶剤に再溶解し、外部へと排出する(
図8)。
【0056】
既述のように調製して60分以上経過したイソシアネート溶液、アミン溶液を用いると、混合後、溶剤が揮発した状態においても10分程度かけてゆっくりとポリ尿素の形成が進行していく。そこで、本例のポリ尿素膜形成モジュール8では、ノズル配管861内でイソシアネート溶液とアミン溶液との混合し混合液を得てから10分が経過する前に、ガイド部材83や外カップ85に付着した混合液を十分な量の洗浄溶剤を用いて洗い流す。
【0057】
この洗浄により、カップモジュール82を構成する部材83、85の表面におけるポリ尿素の付着を抑え、カップモジュール82内の流路の閉塞の発生を抑えることができる。なお、十分量の溶剤で希釈された混合液は、ポリ尿素が形成されても流動性を保つことができるので、排液流路に排出した後、排液処理が行われる処理槽までの排液の移送に支障はない。
【0058】
図8には、ポリ尿素膜23が形成された後(あるいはポリ尿素膜23を形成している途中)のウエハWを、回転を停止した載置台81に保持した状態で、洗浄溶剤ノズル821、822から洗浄溶液を供給している状態を示してある。
この例とは異なり、載置台81の回転を停止したら、ウエハWをポリ尿素膜形成モジュール8から外部へ搬出し、既述の10分が経過する前に洗浄溶剤ノズル821、822より洗浄溶液を供給してカップモジュール82の洗浄を行ってもよい。
【0059】
混合液の供給に用いたノズル部86は、例えば待機位置まで移動させた後、溶剤供給部88からノズル配管861へ溶剤のみを流してノズル配管861内に残存する混合液の排出、洗浄を行う。この洗浄も、ノズル配管861内で混合液を得てから10分以内に行うことが好ましい。
【0060】
こうしてポリ尿素膜23が形成されたウエハWに対して、必要に応じて加熱処理を行いポリ尿素膜23の膜厚調整を行う(既述の
図2(b)の説明参照)。しかる後、ポリ尿素膜23の形成後に実施する各種の処理(プラズマやエッチング液を用いたエッチング処理、イオン注入処理など)を行う。
【0061】
ポリ尿素膜23を利用した処理を終えたウエハWは、不図示の熱処理装置内にて、既述の300℃〜400℃の範囲内の温度で加熱してポリ尿素膜23を解重合させ、蒸発したアミンを排気する。
ポリ尿素膜23の解重合を行う処理は、加熱部を備えた載置台上にウエハWを載置して加熱を行う枚葉式の熱処理装置を用いてもよい。また、多数枚のウエハWを保持したウエハボートを石英管内に挿入し、石英管の周囲に配置された加熱部を用いて輻射熱によりウエハWを加熱する、公知の縦型熱処理装置を用いてもよい。
【0062】
本実施の形態に係るポリ尿素膜形成モジュール8によれば、以下の効果がある。各々、溶剤で希釈されたイソシアネート、及びアミンの溶液をノズル配管861内で混合してからウエハWに供給するので、ポリ尿素が形成されるまでの時間を調整しつつウエハWの表面でポリ尿素膜23を形成することができる。
【0063】
ここで、
図9〜11に示すように、ポリ尿素膜形成モジュール8には加熱部を設けてもよい。これらの図には、加熱部として、載置台81に保持されたウエハWの下方側に、赤外線を照射してウエハWの加熱を行う加熱用LED(発光ダイオード)89を設けた例を示してある。
加熱部を用いる場合には、ウエハWの表面に混合液を供給してから、ポリ尿素膜23が形成されるまでの時間を短縮することができる。
【0064】
そこで、
図6などを用いて説明した洗浄溶剤ノズル821、822の設置を省略することもできる。
この場合には、ノズル部86から回転するウエハWに混合液を供給し(
図9)、次いで混合液の供給を停止してから加熱用LED89を用いてウエハWを加熱することにより、短時間でポリ尿素膜23を形成する。このとき、ウエハWの回転数を下げたり、回転を停止したりしてもよい。赤外線の指向性の高い加熱用LED89を用いることにより、カップモジュール82側に振り飛ばされた混合液については、ポリ尿素の形成の進行が遅い状態を維持することができる。
【0065】
しかる後、ポリ尿素膜23が形成されたウエハWを回転させ、当該ウエハWの表面に、ノズル部86を介して溶剤を単独で供給する(
図11中の洗浄溶剤250)。ウエハW上のポリ尿素膜23は溶剤に溶けないので、回転するウエハWの表面に供給された溶剤は、そのまま周囲に振り飛ばされる。一方、既述の10分以内の時点であれば、混合液は溶剤に溶けるので、回転するウエハWから振り飛ばされた溶剤を用いてカップモジュール82に付着した混合液を洗浄して除去することができる(
図11)。
【0066】
また、ウエハWに混合液230を供給するノズル部86の構成は、
図6などに示した例に限定されるものでもない。
例えば
図12に示すように、ウエハWの直径と同程度の長さを有する棒状のスキャンノズル部86aの底面に、スキャンノズル部86aの長さ方向に沿って伸びるスリット状の吐出口を設けたり、小孔からなる複数の吐出口をスキャンノズル部86aの長さ方向に沿って並べて設けたりしてもよい。
【0067】
そして例えば
図12に示すように、載置台81に保持されたウエハWの一端側から、他端側へ向けて、混合液230を吐出するスキャンノズル部86aをスキャンさせるようにウエハWに対して相対的に移動させることにより、ウエハWの全面に混合液230を塗布してもよい。
または、ウエハWの直径に沿って前記スキャンノズル部86aを配置し、スキャンノズル部86aから混合液230を吐出させながら、中心軸周りにウエハWとスキャンノズル部86aとを相対的に回転させて混合液230の塗布を行ってもよい(不図示)。
【0068】
次に、既述の共重合以外の反応を利用してポリ尿素膜23を形成する手法について説明する。
図13は、イソシアネートの自己重合によりポリ尿素を生成する反応を示している。イソシアネートに水分を加えると、加水分解によりアミンが生成し、これらイソシアネートとアミンとの反応によりポリ尿素を得ることができる。
【0069】
図14は、上述の自己重合を利用してウエハWにポリ尿素膜23を形成するポリ尿素膜形成モジュール8aの構成例を示している。
図14において、
図6、9などを用いて説明したポリ尿素膜形成モジュール8と共通の構成には、これらの図で用いたものと共通の符号を付してある。
本例のポリ尿素膜形成モジュール8aにおいて、イソシアネート溶液供給部(第1の液体供給部)87Bからは、既述のポリ尿素膜形成モジュール8と同様に、イソシアネートと溶剤とを含むイソシアネート溶液(第1の液体)が供給される。例えばイソシアネート濃度は1〜40wt%に調整される。
【0070】
一方、本例のポリ尿素膜形成モジュール8aには、既述のアミン溶液供給部87Aに替えて、水分供給部(第2の液体供給部)87Cが設けられている。水分供給部87Cからは、イソシアネートに対して自己重合を進行させるための水分を含んだ液体(第2の液体)として、水とアセトンとを混合して得られたアセトン水溶液が供給される。アセトン水溶液中の水分の濃度は、0.1〜10wt%に調整する場合を例示することができる。この水分濃度は、イソシアネートの加水分解によるアミンの生成と共に、自己重合に必要なイソシアネートが残存するように調整される。
水分供給部87Cがアセトン水溶液を貯留した貯留タンクや、窒素ガスなどの不活性ガスにより、貯留タンク内のアミン溶液を圧送する圧送機構などを備えている点は、イソシアネート溶液供給部87Bと同様である。
【0071】
イソシアネート溶液とアミン溶液との混合に伴う共重合反応と比較して、イソシアネート溶液と水分(アセトン水溶液)との混合に伴う自己重合反応は、反応速度が遅い。
そこでポリ尿素膜形成モジュール8aには、自己重合反応の進行を促進することを目的として、ノズル配管861内を流れる混合液を加熱する配管ヒーター891や、載置台81に保持されたウエハWの加熱を行う加熱用LED89が設けられている。
【0072】
例えば配管ヒーター891は、抵抗発熱体を含むテープ―ヒーターにより構成され、イソシアネート溶液と水分との混合位置よりも下流側の配管の外面に巻き付けられている。配管ヒーター891は、給電部892に接続され、ノズル配管861に設けられた不図示の温度検出部にて検出された温度に基づき、当該検出温度が予め設定された目標温度に近づくように配管ヒーター891への供給電力が調節される。
【0073】
ノズル配管861の目標温度は、内部を流れる混合液の温度が60〜100℃の範囲内の温度となるように設定される。
なお、ノズル部86側、イソシアネート溶液と水分との混合位置よりも上流側のノズル配管861や、イソシアネート溶液供給部87B、水分供給部87Cに貯留されている各液体の加熱を行ってもよい。また、混合液を所望の温度に加熱することが可能であれば、ノズル部86側のみを加熱してもよい。
【0074】
なお後述の参考例に示すように、既述の60〜100℃程度に加熱された温度条件下でイソシアネートとアルコールとを混合すると、アルコールがポリ尿素の末端と反応し、自己重合が停止してしまうおそれがある。この観点から、自己重合に用いる水と混合する溶剤、イソシアネートの溶剤や濃度調節用に溶剤供給部88から供給される希釈溶剤は、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン基を含む溶剤を用いることが好ましい。
【0075】
以上に説明した構成を備えるポリ尿素膜形成モジュール8aを用い、ノズル配管861で混合し、当該混合液を加熱してから回転するウエハWの表面に供給すると、ウエハWの表面にて自己重合が進行する。さらに、加熱用LED89を用いてウエハWの温度を例えば250℃に加熱することにより自己重合の進行を促進することもできる。
この結果、ウエハWの表面に、ポリ尿素膜23が形成される。自己重合を利用してポリ尿素膜23を形成する場合においても、ウエハWを加熱する期間中、ウエハWの回転数を下げたり、回転を停止したりしてもよい。
【実施例】
【0076】
(実験1)
イソシアネート溶液、アミン溶液を調製してからの経過時間と、これらの溶液の混合後のポリ尿素の生成との関係について確認した。
A.実験条件
(参考例1−1)H6XDIとアセトンとを混合して濃度10wt%のイソシアネート溶液を調製した。また、H6XDAとアセトンとを混合して濃度10wt%のアミン溶液を調製した。各々の溶液を調製してから60分経過後にイソシアネート溶液とアミン溶液とを混合し、混合直後の混合液の様子を観察した。
(参考例1−2)イソシアネート溶液、及びアミン溶液を混合した直後にこれらの溶液を混合した点を除き、参考例1−1と同様の実験を行った。
【0077】
B.実験結果
参考例1−1、1−2に係る混合液の外観写真を、各々、
図15(a)、(b)に示す。
図15(a)に示す参考例1−1の結果によれば、イソシアネート溶液、アミン溶液を調製して60分経過した後にこれらの溶液を混合して得られた混合液においては、急速なポリ尿素の形成は観察されず、液体の状態を維持することができた(
図15(b))。
【0078】
一方、参考例1−2の結果によれば、イソシアネート溶液、アミン溶液を調製した直後にこれらの溶液を混合して得られた混合液では、混合直後から急速なポリ尿素の形成が観察され、瞬時でほぼ固化した状態となった。
【0079】
これら参考例1−1、1−2の実験結果から、イソシアネート、アミンを各々、溶剤と混合してからの経過時間が60分を経過した溶液は、混合しても直ちにポリ尿素の形成は進行せず、ポリ尿素膜形成モジュール8内で用いてもノズル配管861の閉塞を引き起こすおそれが少ないことが分かった。
【0080】
(実験2)
参考例1−1にて得られた混合液について、時間の経過に伴うポリ尿素の形成の様子を観察した。
A.実験条件
(参考例2−1、2−2、2−3)混合後10分、20分、30分の各混合液について外観観察を行った。
【0081】
B.実験結果
参考例2−1〜2−3に係る混合液の外観写真を、各々、
図16(a)〜(c)に示す。
混合後10分が経過した参考例2−1では、混合液は透明な液体の状態を維持し、目視可能なポリ尿素の形成は確認されなかった(
図16(a))。次いで、混合後20分が経過した参考例2−2では、混合液がやや濁りはじめ、目視可能な程度にポリ尿素の形成が進行し始めたことが確認できた(
図16(b))。さらに混合後30分が経過した参考例2−3では、混合液の白濁がかなり進行したが、依然として混合液は液体の状態を維持していた(
図16(c))。
【0082】
以上の参考例2−1〜2−3に示す結果を踏まえると、調製を行ってから60分以上が経過したイソシアネート溶液、アミン溶液を用いて混合液を得る場合、これらの混合液を混合してから10分以内にカップモジュール82に付着した混合液の洗浄を行ってポリ尿素膜形成モジュール8から排出すれば、カップモジュール82内における流路の閉塞の発生を抑えることが可能であるといえる。
【0083】
(実験3)
基板に対するポリ尿素原料の塗布方法の違いがポリ尿素膜23の膜厚制御性などに及ぼす影響を調べた。
A.実験条件
(実施例3−1)参考例1−1と同様に調製した濃度1.0wt%のイソシアネート溶液と、濃度1.0wt%のアミン溶液とを混合して得られた混合液を用い、1500rpmで回転する実験用のシリコン基板の表面に500μmlの混合液を塗布してポリ尿素膜23を形成した。しかる後、ポリ尿素膜23の膜厚及びシリコン基板へのポリ尿素付着量を測定した。
(実施例3−2)イソシアネート溶液及びアミン溶液の濃度を2.0wt%とした点以外は、実施例3−1と同様の実験を行った。
(実施例3−3)イソシアネート溶液及びアミン溶液の濃度を2.5wt%とした点以外は、実施例3−1と同様の実験を行った。
(実施例3−4)イソシアネート溶液及びアミン溶液の濃度を5.0wt%とした点以外は、実施例3−1と同様の実験を行った。
(実施例3−5)イソシアネート溶液及びアミン溶液の濃度を20wt%とした点以外は、実施例3−1と同様の実験を行った。
【0084】
(比較例3−1)参考例1−1と同様に調製した、濃度0.1wt%のイソシアネート溶液と、濃度0.1wt%のアミン溶液とを各々、混合せずに単独の状態で保持した。調製後、60分経過してから、1500rpmで回転する実験用のシリコン基板の表面に100μmlのイソシアネート溶液を供給し塗布を行った後、100μmlのアミン溶液を供給し塗布を行った。これら、イソシアネート溶液とアミン溶液との交互塗布を合計10回繰り返すことにより、ポリ尿素膜23を形成した。しかる後、ポリ尿素膜23の膜厚及びシリコン基板へのポリ尿素付着量を測定した。
(比較例3−2)イソシアネート溶液及びアミン溶液の濃度を0.2wt%とした点以外は、比較例3−1と同様の実験を行った。
(比較例3−3)イソシアネート溶液及びアミン溶液の濃度を0.5wt%とした点以外は、比較例3−1と同様の実験を行った。
(比較例3−4)イソシアネート溶液及びアミン溶液の濃度を5.0wt%とした点以外は、比較例3−1と同様の実験を行った。
【0085】
B.実験結果
実施例3−1〜3−5、及び比較例3−1〜3−4の結果を表2に示す。また、実施例3−4及び比較例3−4に係るポリ尿素膜23の外観写真を
図17(a)、(b)に示す。
(表2)
【0086】
表2に示す結果によれば、混合液の塗布(混合塗布)を行った実施例3−1〜3−4では、イソシアネート溶液、及びアミン溶液の濃度を考慮したとき、ポリ尿素原料の正味の供給量は、比較例に係る交互塗布の場合よりも多いにも係らず、薄い膜厚のポリ尿素膜23を形成することができた。
また、
図17(a)に実施例3−4に係るポリ尿素膜23の外観写真を例示するように、実施例3−1〜3−5に係るポリ尿素膜23は、シリコン基板の面内で比較的均一な膜厚のポリ尿素膜23を形成することができた。
【0087】
これに対して、交互塗布を行った比較例3−1〜3−4では、イソシアネート溶液、及びアミン溶液の濃度を考慮したとき、ポリ尿素原料の正味の供給量は混合塗布の場合よりも少ないにも係らず、薄い膜厚のポリ尿素膜23を形成することが困難であった。
また、
図17(b)に比較例3−4に係るポリ尿素膜23の外観写真を例示するように、比較例3−1〜3−4に係るポリ尿素膜23は、シリコン基板の面内でポリ尿素膜23の膜厚にムラがあり、均一な膜厚のポリ尿素膜23を形成することが困難であった。
【0088】
以上に確認した実施例3−1〜3−5、比較例3−1〜3−4の実験結果を踏まえると、膜厚の制御性や面内均一性が良好な混合塗布が半導体装置の製造工程に適用するポリ尿素膜23の形成に有効な手法であると言える。