(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
着色剤を含有するポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に付加型シリコーン系離型層を有する着色離型フィルムであって、前記ポリエステルフィルムが少なくとも着色層と透明層を有する積層構造を有し、かつ、前記着色層と付加型シリコーン系離型層との間に前記透明層が配される構成であり、JIS−S3107による、可視光線透過率(380〜780nm)が5〜80%であることを特徴とする着色離型フィルム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[ポリエステルフィルム]
本発明の着色離型フィルムにおける基材フィルムとなるポリエステルフィルム(以下、「本発明のポリエステルフィルム」と称す場合がある。)は、着色層と透明層を有する積層構造を有する。更に、中間層に着色層を有し、この着色層の両面に透明層を有する3層以上の積層構造であることが好ましい。
【0015】
本発明者によれば、ポリエステルフィルムが単層構成である場合には、フィルムを成形する過程でフィルム中に含有させた着色剤がフィルム表面に湧き出す現象(ブリードアウト)、およびそれが昇華する現象が発生することが見出された。一方、離型層に用いる付加型シリコーン樹脂は、その硬化反応が非常に繊細であるため、少量の着色剤と接触しただけでも硬化阻害を受けて十分に硬化が進まないことが見出された。そのため、基材フィルムに着色剤による色付けを行うと、その影響を受けて離型層の硬化反応が進まず、軽剥離性を達成出来ない場合や、剥離力が安定しないことが判明した。特にこのような現象は、カーボンブラックの様な化学的に安定(不活性)な着色剤の場合に比べて、官能基や極性、イオン性を有する有機系染料や顔料を着色剤に用いた場合に一層顕著であることも確認された。
なお、ポリエステルフィルム中には、ポリエステルの低分子量体であるオリゴマーが存在し、フィルムを成形する過程で当該オリゴマーが表面にブリードアウトすることはよく知られている。通常、オリゴマーのブリードアウトを防止するためには、その表面に硬化型の塗布層を設けることが行われている。しかしながら、着色剤のブリードアウトの防止には、オリゴマーにおいてはブリードアウト防止の解決手段となる筈の硬化層(付加型シリコーン系離型層)自体にダメージを与えていることを見出したものである。
上記検討の結果から、本発明では、ポリエステルフィルムを少なくとも着色層と透明層を有する積層構造とし、かつ、着色層と付加型シリコーン系離型層との間に透明層が配される構成とすることで解決したものである。
【0016】
<ポリエステル>
本発明のポリエステルフィルムは、積層された各層に用いるポリエステルが、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものであることが好ましい。芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸或いはこれらの低級アルキルエステル等の芳香族ジカルボン酸誘導体などが挙げられる。脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。これらの中でもPETは物性とコストのバランスが良好であり、最も良く用いられるポリエステルである。
【0017】
本発明で用いるポリエステルは、第三成分を含有した共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸の1種または2種以上が挙げられ、グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール等の1種または2種以上が挙げられる。共重合ポリエステルに含まれる全構成単位に対する前記第三成分に由来する構成単位の含有量は10モル%以下が好ましく、より好ましくは5モル%以下である。
【0018】
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルの固有粘度には特に制限はないが、後述の実施例の項に記載される方法で測定された固有粘度で0.60〜0.75dl/g、特に0.60〜0.70dl/gであることが好ましい。
【0019】
<着色層>
本発明のポリエステルフィルムは、着色層と透明層を有する積層構造を有する。更に、3層以上の積層構造の中間層に着色層を有する構造であることが好ましい。この着色層には着色剤が含まれており、「着色剤を含有する層」と「着色層」は同義である。当該着色剤は限定されないが、可視光領域(380〜780nm)に吸収を持つことが好ましい。なお、紫外光領域や赤外光領域に吸収を持つ化合物も、本発明の効果を奏する限り、本発明における着色剤に包含し得る。
【0020】
本発明の着色離型フィルムは、着色層によって既に着色された状態である。よって、着色フィルムを製造する上で印刷層を別途設ける必要がないため、製造工程の簡略化が可能である。なお、本発明の着色離型フィルムに印刷層を設けることを排除するものではない。また、本発明における着色層は均一である必要は無く、印刷の機能を備えた着色層であってもよい。
【0021】
本発明で用いる着色剤は限定されないが、ポリエステルに実質的に溶解することが好ましい。ここで言う「実質的に溶解する」とは、ポリエステルの溶融状態で混練したときに、凝集体などが残らずに均一に混ざることを意味する。凝集体などが残ると、ポリエステルフィルムに色ムラが発生するおそれがある。
また、前記着色剤は、ポリエステルの成形温度で分解が少ないものが好ましい。中でも前記着色剤は染料が好ましく、化学構造的にはアントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、イソキノリン系、アゾメチン系、複素環系の染料等がより好ましく挙げられる。染色処方的には分散性染料、油溶性染料がより好ましい。
【0022】
また、着色剤は、一般に顔料として分類されているものであっても、上記のように溶融ポリエステル中で溶解するものであれば、着色剤として用いることができる。このような着色剤の例としては、フタロシアニン系などの銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、クロムなどの金属イオンとの錯塩染料などを挙げることができる。
本発明の着色離型フィルムは、特定の層構成を有することにより、このような官能基や極性、イオン性を有する有機系染料や顔料を着色剤に用いた場合であっても、着色剤が付加型シリコーン系離型層の硬化反応を阻害することが無く、良好な軽剥離性や剥離力の安定性を発揮することができる。
【0023】
本発明のポリエステルフィルムの着色層は、前記着色剤のほかに、公知の紫外線吸収剤あるいはラジカルトラップ剤等を共存させることができるが、この場合、これらの添加剤を添加してもフィルムに濁りを生じることがないものを選択使用することが好ましい。
【0024】
前記着色剤およびその他の添加剤をポリエステルに添加する方法は、フィルムを溶融成形する際に、これらを粉体やペーストあるいは液体などとして添加する方法でもよいが、装置汚染の問題を考慮すると、あらかじめ着色剤等を含有するポリエステルマスターバッチを作成しておき、フィルムの溶融成形時にこれらのマスターバッチをクリアレジン(着色剤を含まないポリエステル)で希釈しながら添加することが好ましい。また、この溶融成形の際には、着色剤をポリエステルに高分散で添加、混練するために、特に二軸押出機を用いることが好ましい。
【0025】
着色層の着色剤の含有量は、着色層の厚さや用いる着色剤の種類及びそれによる隠蔽性や遮光性、要求される識別性などによっても異なる。着色層の着色剤の含有量の下限は通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上、特に好ましくは1.0質量%以上である。着色層の着色剤の含有量が上記下限未満では、着色剤による着色を十分に得ることができず、着色剤を含有していない非着色フィルムとの差異を判別することが困難である。一方、着色剤の上限は好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。上記上限を超えると着色剤が異物と着色層のなり、製膜時に不具合を生じる可能性がある。
なお、着色剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。着色剤を2種以上用いる場合は、合計の着色剤含有量が上記範囲内となるようにすることが好ましい。
【0026】
<透明層>
本発明のポリエステルフィルムは、着色層のほかに、着色剤を含有しないポリエステルフィルム層である透明層を有し、着色層と離型層の間に配される。前記透明層を有することによって、着色層に含まれる着色剤のブリードアウトを防止することができる。更に、着色層の両面に透明層を有することが好ましい。着色層の両面に透明層を有することにより、着色剤のブリードアウトのみならず、フィルム製膜機の汚染や、離型層と反対面側の塗布性や後加工性をも向上させることができる。
本発明のポリエステルフィルムの積層構成において、前記透明層は表層であることが好ましい。
【0027】
本発明のポリエステルフィルムの透明層には、取り扱いを容易にするために透明性を損なわない条件で粒子を含有させてもよい。本発明で用いる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子や、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
用いる粒子の平均粒径は、通常0.02〜5.0μm、好ましくは0.05〜4.0μmである。平均粒径が5.0μmより大きいとフィルムのヘーズが大きくなりすぎ、透明層の透明性が低下することがある。本発明の離型フィルムは着色されているが、透明層のヘーズは低い方が好ましい。平均粒径が0.02μmより小さいと表面粗度を十分に大きくすることができず、フィルムの取り扱い性向上効果を得ることができない場合がある。なお、ここで、粒子の平均粒径とは、溶剤で分散させて屈折率で測定した平均粒径の値である。
【0029】
本発明のポリエステルフィルムが粒子を含有する場合、その積層ポリエステルフィルム全体に対する含有量で、通常0.001〜0.5質量%であり、好ましくは0.01〜0.3質量%である。1層の透明層中の粒子含有量は特に限定されないが、0.001〜3質量%であることが好ましい。粒子含有量が上記範囲内であることによって、ヘーズを上昇させずに、かつ必要最小限の滑り性を確保することができ好ましい。
また粒子を含有させることにより、本発明のポリエステルフィルムのフィルム表面の平均表面粗さRaを0.005〜0.050μmの範囲内にすることが好ましい。
【0030】
さらに、本発明のポリエステルフィルムの透明層には、必要に応じて赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等の公知の添加剤を添加することも可能である。
【0031】
<厚み>
本発明のポリエステルフィルムは、着色層に存在する着色剤などの添加剤のブリードアウトを確実に防止するため、ポリエステルフィルム全体の厚みに関わらず、透明層の厚みは通常1.0μm以上であり、好ましくは1.5μm以上、より好ましくは2.0μm以上である。透明層の厚みの上限は限定されないが、通常40μm以下であり、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下である。
また、着色層の両面に透明層を設ける場合の各層の厚みは同じであっても異なっていてもよいが、透明層の厚みが異なる場合は、透明層のそれぞれの厚みが上記厚み範囲内であることが好ましい。
【0032】
また、本発明のポリエステルフィルムの厚み(積層ポリエステルフィルムの全厚み)は、通常15〜125μm、特に25〜100μmであることが、フィルムの取り扱い性の面で好ましい。
【0033】
着色層の厚みは特に制限はない。透明層の厚みは、前述の通り、着色剤等のブリードアウト防止の観点から1.0μm以上であることが好ましい。
【0034】
[離型層]
本発明の着色離型フィルムは、軽剥離性を発現するために、少なくとも一方の最外層は付加型シリコーン系離型層とされている。本発明において付加型シリコーン系離型層とは、付加型シリコーン樹脂を主成分とする層を意味する。ここで主成分とは、50質量%以上を意味し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。付加型シリコーン系離型層中に含まれる付加型シリコーン樹脂の含有割合の上限は100質量%である。ここでは、触媒の含有量は除外する。
【0035】
付加型シリコーン系離型層は、付加型シリコーン樹脂を含む組成物(以下、「離型層形成用組成物」と称す場合がある。)の硬化層である。ここで、用いられる付加型シリコーン樹脂は特に限定されるものではない。また、付加型シリコーン樹脂は、それ自体を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等であってもよい。
【0036】
付加型シリコーン樹脂は、分子中に官能基としてのアルケニル基を含有するポリオルガノシロキサン(アルケニル基含有シリコーン)、及び分子中に官能基としてのヒドロシリル基を含有するポリオルガノシロキサンを構成成分とすることが好ましい。
【0037】
分子中に官能基としてアルケニル基を含有するポリオルガノシロキサンとしては、なかでも、分子中にアルケニル基を2個以上有しているポリオルガノシロキサンが好ましい。上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基(エテニル基)、アリル基(2−プロペニル基)、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、なかでも、ビニル基、ヘキセニル基が好ましい。なお、上記アルケニル基は、通常、主鎖又は側鎖を形成しているポリオルガノシロキサンのケイ素原子(例えば、末端のケイ素原子や、主鎖内部のケイ素原子等)に結合している。
【0038】
また、上記主鎖又は側鎖を形成しているポリオルガノシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン等のポリアルキルアルキルシロキサンやポリアルキルアリールシロキサンの他、ケイ素原子含有モノマー成分が複数種用いられている共重合体(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン−ジエチルシロキサン)等)等が挙げられる。なかでも、安定した剥離性が得られる点で、ポリジメチルシロキサンが好適である。分子中に官能基としてアルケニル基を含有するポリオルガノシロキサンとしては、具体的には、ビニル基を官能基として有するポリジメチルシロキサン、ヘキセニル基を官能基として有するポリジメチルシロキサン及びこれらの混合物が好ましく例示される。
【0039】
一方、分子中に官能基としてヒドロシリル基を含有するポリオルガノシロキサンは、分子中にケイ素原子に結合している水素原子(特に、Si−H結合を有するケイ素原子)を有しているポリオルガノシロキサンであり、特に分子中にSi−H結合を有するケイ素原子を2個以上有しているポリオルガノシロキサンが好ましい。上記Si−H結合を有するケイ素原子としては、主鎖中のケイ素原子、側鎖中のケイ素原子のいずれであってもよく、すなわち、主鎖の構成単位として含まれていてもよく、側鎖の構成単位として含まれていてもよい。なお、Si−H結合のケイ素原子の数は、2個以上であれば特に制限されない。上記分子中に官能基としてヒドロシリル基を含有するポリオルガノシロキサンとしては、具体的には、ポリメチルハイドロジェンシロキサンやポリ(ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン)等が好適である。
【0040】
付加型シリコーン樹脂としては市販品を用いることもでき、その具体例を挙げると、信越化学工業社製のKS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461;ダウ・コーニング・アジア社製のDKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210;東芝シリコーン社製のYSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング社製のLTC300B、LTC303E、LTC310、LTC314、SRX357、BY24−749、SD7333、BY24−179、BY24−840、BY24−842、BY24−850、SP7015、SP7259、SD7220、SD7226、SD7229等が挙げられる。
【0041】
上記のような付加型シリコーン樹脂には、形成される離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
【0042】
離型層の形成には、付加型シリコーン系樹脂の反応を促進させて、綺麗かつ頑丈な離型層を形成するために、通常、触媒が用いられる。用いる触媒の種類は特に限定されるものではないが好ましくは白金触媒が挙げられる。白金触媒としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体等の白金系化合物、白金黒、白金担持シリカ、白金担持活性炭等が例示される。
【0043】
また、付加型シリコーン樹脂は非常に反応性が高いため、場合によっては、離型層形成用組成物にアセチレンアルコール等の付加反応抑制剤を添加することがある。付加反応抑制剤は炭素−炭素3重結合と水酸基を有する有機化合物であるが、好ましくは、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールおよびフェニルブチノールからなる群から選択される化合物である。
【0044】
なお、本発明における付加型シリコーン系離型層には、付加型シリコーン樹脂以外の離型剤を含有していてもよい。付加型シリコーン樹脂以外の離型剤は限定されないが、例えば、縮合型シリコーン樹脂、ポリオレフィン系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等が挙げられる。付加型シリコーン系離型層中に付加型シリコーン樹脂以外の離型剤を含有することにより、剥離力を調節することも可能である。付加型シリコーン樹脂以外の離型剤の含有割合は、付加型シリコーン系離型層中に、通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。付加型シリコーン樹脂以外の離型剤を使用する際の含有割合の下限は通常1質量%以上である。
【0045】
離型層は本発明のポリエステルフィルムの一方の面にのみ形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。なお、ポリエステルフィルムの両面に離型層を形成する場合は、着色層の両面に透明層を有するポリエステルフィルムの構成であることが好ましい。
【0046】
離型層は好ましくは、後述の塗布法により、後述の好ましい塗布量で形成される。
【0047】
<その他の層・表面処理>
本発明において、離型層が設けられていないポリエステルフィルムの表面には、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層等の他の塗布層を設けてもよい。
また、ポリエステルフィルムには、離型層やこれらの層の形成に先立ち、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
【0048】
[着色離型フィルムの製造方法]
次に本発明の着色離型フィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明の着色離型フィルムの製造方法は以下の製造例に何ら限定されるものではない。
【0049】
基材フィルムとなる本発明のポリエステルフィルムの製造方法としては、ポリエステル原料を複数台の押出機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィードブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口金から複数層の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法、すなわち共押出法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法を採用することが好ましい。
【0050】
また、本発明のポリエステルフィルムは、無延伸のものであってもよいが、延伸フィルムであることが好ましく、特に二軸方向に延伸して二軸配向および熱固定されていることが好ましい。延伸法としては、逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法のどちらを用いてもよいが、例えば逐次二軸延伸法を用いる場合、まず、前記未延伸シートを機械方向(縦方向)にロール延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、幅方向(横方向)に延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜115℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムを得る。
【0051】
上記延伸においては、1回の延伸操作で所定倍率まで延伸する方法の他、延伸を2段階以上に振り分けて所定の延伸倍率とする方法を用いることもできる。その場合にも、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。さらに、必要に応じて熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
【0052】
本発明のポリエステルフィルムの表面に、離型層との接着性改善などの目的のために下引き層を設けてもよい。前記下引き層は、二軸配向した後に熱固定を加えて結晶配向化が完了したポリエステルフィルムに対して塗工形成してもよいが、ポリエステルフィルムの製膜途中、特に機械方向の延伸(縦延伸)が終了した時点で、水を主とした溶媒で希釈した塗布剤を塗工した後、横延伸および熱固定の際にポリエステルフィルムの配向結晶化と塗布剤の乾燥による下引き層の付与を同時に行う、いわゆるインラインコートを用いる方法で塗工したものがより好ましい。
【0053】
本発明のポリエステルフィルムに離型層形成用組成物を塗布して離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。離型層形成用組成物の塗布は、インラインコート、オフラインコートのいずれであってもよい。離型層形成用組成物の塗布量は、乾燥後の塗布量として、通常0.01〜1g/m
2の範囲である。
【0054】
離型層形成用組成物の塗膜の乾燥および硬化は、それぞれ個別に又は同時に行うことができる。温度条件としては80℃以上、例えば100〜180℃が好ましい。80℃以上で行うことで、塗膜の硬化が十分に進行して、塗膜の脱落を抑えることができる。また、硬化時間は塗膜の硬化の観点から、10秒以上、例えば20〜90秒で行うことが好ましい。
【0055】
また最外層として離型層を設ける際、前述の通り、本発明のポリエステルフィルムの表面にはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。
【0056】
[着色離型フィルムの物性]
<可視光線透過率>
本発明の着色離型フィルムの可視光線透過率は3〜90%が好ましく、5〜80%の範囲とすることがより好ましい。可視光線透過率が3%以上であると、着色による良好な判明性、識別性を得ることができる。可視光線透過率が90%を超えるとフィルムを単枚で使用した際に着色を視認し得ないおそれがある。
なお、着色離型フィルムの可視光線透過率は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される。
【0057】
<常態剥離力>
本発明の着色離型フィルムの離型層は、軽剥離性であることが好ましく、常態剥離力は50mN/cm以下が好ましく、40mN/cm以下がより好ましく、35mN/cm以下がさらに好ましい。常態剥離力が50mN/cmを超える場合、面積の巨大化に伴い、施工を行う際に人手で離型フィルムを剥がせない場合がある。常態剥離力の下限は通常10mN/cm以上である。
【0058】
ここで常態剥離力とは、着色離型フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工社製、No.502)を貼り付け、室温で1時間放置後に、剥離角度180°、任意の引張速度でテープを剥離したときに引張試験機で測定された値をいう。常態剥離力の具体的な測定方法は、後述の実施例の項に記載する通りである。
【0059】
本発明の着色離型フィルムの剥離力を調整する方法としては、離型層に付加型シリコーン系樹脂を含有することが条件であるが、その他の方法には特に限定されるものではない。剥離力の調整方法として、主に付加型シリコーン系離型層に用いる離型剤である付加型シリコーン樹脂の種類や塗布量、離型層の厚み等の調整方法が挙げられる。
【0060】
<加熱剥離力>
着色離型フィルムの加熱剥離力は125mN/cm以下が好ましく、100mN/cm以下がより好ましい。加熱剥離力の下限は通常10mN/cm以上である。ここで加熱剥離力とは、着色離型フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工社製、No.502)を貼り付け、100℃にしたオーブン内に1時間放置し、常温(23℃)に冷却後に、剥離角度180°、任意の引張速度でテープを剥離したときに引張試験機で測定された値をいう。加熱剥離力の具体的な測定方法は、後述の実施例の項に記載の通りである。
【0061】
<加熱剥離力/常態剥離力比>
本発明の着色離型フィルムは、加熱剥離力と常態剥離力との比(加熱剥離力/常態剥離力)が2.5以下であることが好ましく、2.0以下がより好ましい。
通常、離型フィルムは加熱することにより、剥離力に変化が生じる。加熱剥離力が変化する要因として、離型層が十分硬化していないことが挙げられる。加熱剥離力と常態剥離力との比が2.5を超える場合、離型層が十分に硬化していない可能性があり、シリコーン樹脂がポリエステルフィルムから脱落する不具合が生じるおそれがある。なお、加熱剥離力/常態剥離力比の下限は1.0以上であることが好ましい。
本発明の着色離型フィルムは、着色剤による離型層の硬化阻害を抑制することが出来るため、離型層の硬化反応を完結することができ、加熱剥離力と常態剥離力との変化を抑制することができる。
【0062】
[両面粘着シート]
本発明の着色離型フィルムの使用方法は限定されないが、粘着剤層を積層させた両面粘着シートとして好適に用いることができる。
粘着剤層を構成する材料は限定されず、公知の粘着剤を使用することができる。
【0063】
両面粘着シートの両面に離型フィルムを積層した積層フィルムとする場合、両面の離型フィルムとして本発明の着色離型フィルムを用いてもよいが、一方の面を本発明の着色離型フィルムとし、他方の面は着色層を含まない離型フィルムとする構成の方が、前述の通り、離型フィルム1と離型フィルム2とを判別する上で好ましい。離型フィルム1と離型フィルム2の剥離力を異なるものとする場合、本発明の着色離型フィルムを何れの離型フィルムとするかは任意であるが、本発明の離型フィルムは安定した軽剥離性を有することから、剥離力の低い側に好適に用いることができる。
【実施例】
【0064】
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0065】
[物性・特性の評価]
以下において、各種物性・特性は以下のように測定または定義されたものである。
【0066】
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
着色剤を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(質量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0067】
(2)可視光線透過率
試料フィルムについて、分光式測色計(日本電色社製、SE−2000)を用いてD65光源で各波長380〜780nmの光線透過率を測定し、JIS−S3107に従って可視光線透過率を算出した。
【0068】
(3)常態剥離力
試料フィルムの離型層表面に粘着テープ(日東電工社製、No.502)を貼り付け、室温で1時間放置後の剥離力を測定した。剥離力は、引張試験機(インテスコ社製、インテスコモデル2001型)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行って測定した。
【0069】
(4)加熱剥離力
試料フィルムの離型層表面に粘着テープ(日東電工社製、No.502)を貼り付け、100℃にしたオーブン内に1時間放置し、常温(23℃)に冷却後の剥離力を測定した。剥離力は、引張試験機(インテスコ社製、インテスコモデル2001型)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行って測定した。
【0070】
(5)ラブオフテスト(実用特性代用評価)
試料フィルムを23℃、50%RHの室内に30日間放置後、離型層面を指先で数回擦った。擦った後の離型層表面の状態より、下記判定基準で評価した。
《判定基準》
○:離型層表面に変化が見られず良好(実用上問題なし)
×:離型層表面に指で擦った痕が見られた(実用上問題あり)
【0071】
(6)フィルム判別テスト(実用特性代用評価)
試料フィルムと、汎用の離型フィルム(三菱ケミカル社製、ダイアホイルMRF25)とを準備した。試験者10人を無作為に選び、色のついているフィルムを選択させた。判別可能かどうかは下記判定基準で評価した。
《判定基準》
○:10人中10人が試料フィルムを選択した(判別性能が非常に高い)
△:10人中8〜9人が試料フィルムを選択した(判別性能を有する)
×:10人中7人以下が試料フィルムを選択した(判別性能が無い)
【0072】
(7)剥離テスト(実用特性代用評価)
試料フィルムの離型層表面に、下記の通り調製したアクリル系粘着剤組成物を塗工した後、100℃で5分間熱処理して、厚み(乾燥後)が150μmの粘着層を形成した。次に、粘着層表面をガラス板に貼り付け、人の手で剥がすことが可能かどうかを下記判定基準で評価した。
<アクリル系粘着剤組成物>
(モノマー混合物)
アクリル酸2−エチルヘキシル:70質量%
アクリル酸2−メトキシエチル:29質量%
アクリル酸4−ヒドロキシブチル:1質量%
上記モノマー混合物100質量部に対して、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製、コロネートL)を0.1質量部添加することで、アクリル系粘着剤組成物を調製した。
《判定基準》
○:容易に剥離可能(実用上問題なし)
×:容易に剥離することができない(実用上問題あり)
【0073】
(8)総合評価
ラブオフテスト、フィルム判別テスト、剥離テストの各評価項目につき、下記判定基準より総合評価を行った。
《判定基準》
○:ラブオフテスト、フィルム判別テスト、剥離テストのすべてが○もしくは△
×:ラブオフテスト、フィルム判別テスト、剥離テストの少なくとも一つが×
【0074】
[ポリエステルの製造]
実施例及び比較例で用いたポリエステルは以下のようにして製造した。
【0075】
<ポリエステルA>
ジメチルテレフタレート100質量部、エチレングリコール60質量部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09質量部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04質量部と、三酸化アンチモン0.04質量部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に微粒子を含まないポリエステルAを得た。ポリエステルAの固有粘度は0.70dl/gであった。
【0076】
<ポリエステルB>
エステル交換反応終了後に、平均粒径1.4μmのシリカ粒子を2.0質量部含有するエチレングリコールスラリーを添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04質量部と、三酸化アンチモン0.04質量部を添加した以外はポリエステルAと同様の方法で製造してポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシリカ粒子含有量は1.0質量%であった。またポリエステルBの固有粘度は0.70dl/gであった。
【0077】
<ポリエステルC>
エステル交換反応を終了後に、分子量6000のポリエチレングリコール(酸化防止剤0.3質量%含有)をエチレングリコール溶液として添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04質量部と、三酸化アンチモン0.04質量部を添加した以外はポリエステルAと同様の方法で製造してポリエステルCを得た。またポリエステルCの固有粘度は0.70dl/gであった。
【0078】
<ポリエステルD>
ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、ダイアレジンレッドHS(三菱ケミカル社製、ペリノン系染料)を3.0質量%、ダイアレジンブルーH3G(三菱ケミカル社製、アントラキノン系染料)を5.5質量%、およびダイアレジンイエローF(三菱ケミカル社製、イソキノリン系染料)を1.5質量%の各濃度となるように混合して添加し、溶融混練を行ってチップ化を行い、染料マスターバッチとしてポリエステルDを作成した。
【0079】
<ポリエステルE>
ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、ダイアレジンレッドHS(三菱ケミカル社製、ペリノン系染料)を1.0質量%、ダイアレジンブルーH3G(三菱ケミカル社製、アントラキノン系染料)を5.5質量%、およびダイアレジンイエローF(三菱ケミカル社製、イソキノリン系染料)を3.5質量%の各濃度となるように混合して添加し、溶融混練を行ってチップ化を行い、染料マスターバッチとしてポリエステルEを作成した。
【0080】
[離型層形成用組成物]
以下の実施例及び比較例で離型層の形成には、離型層形成用組成物として下記表1に示す処方で不揮発成分を配合した混合物を、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒(混合比率は1:1)で希釈して調製した塗布液1〜3を用いた。
(A1)付加型シリコーン樹脂(KS−847H:信越化学製)
(A2)付加型シリコーン樹脂(LTC303E:東レ・ダウコーニング製)
(B1)重剥離コントロール剤(SD−7292:東レ・ダウコーニング製)
(C1)白金触媒(PL−50T:信越化学製)
【0081】
【表1】
【0082】
[ポリエステルフィルムの製造]
以下の実施例及び比較例で用いたポリエステルフィルムは以下のように製造した。
【0083】
<ポリエステルフィルムF1の製造>
中間層として、ポリエステルA、Dを78:22の質量比で混合した混合物を、中間層用レジンとして押出機に投入した。また中間層の両面の表層として、ポリエステルA、B、Cを77:10:13の質量比で混合した混合物を表層用レジンとして押出機に投入した。それぞれの押出機はいずれもベント付きの異方向二軸押出機であり、レジンは乾燥させずに溶融温度290℃で押出を行い、その後溶融ポリマーをフィードブロック内で合流させて積層した。その後静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して3層構成の積層未延伸シートを得た。
【0084】
得られた積層未延伸シートを83℃で3.6倍機械方向(縦方向)に延伸した。さらにフィルムをテンターに導き93℃でフィルムを乾燥・予熱した後、幅方向(横方向)に3.8倍延伸し、225℃にて熱固定を行った。さらに幅方向に185℃で5%弛緩処理を行い、ポリエステルフィルムF1を得た。
ポリエステルフィルムF1は、中間層が着色層、表層が透明層である3層積層フィルムであり、各層の厚みは2μm/21μm/2μmで、総厚みは25μmであった。
【0085】
<ポリエステルフィルムF2の製造>
中間層として、ポリエステルDをポリエステルEに変更する以外は、ポリエステルフィルムF1と同様の方法で製造し、ポリエステルフィルムF2を得た。
【0086】
<ポリエステルフィルムF3の製造>
中間層に使用するポリエステルA、Dを90:10の質量比で混合した以外は、ポリエステルフィルムF1と同様の方法で製造し、ポリエステルフィルムF3を得た。
【0087】
<ポリエステルフィルムF4の製造>
中間層に使用するポリエステルA、Dを95.5:4.5の質量比で混合した以外は、ポリエステルフィルムF1と同様の方法で製造し、ポリエステルフィルムF4を得た。
【0088】
<ポリエステルフィルムF5の製造>
中間層として、ポリエステルA、B、Cを77.0:10.0:13.0の質量比で混合した混合物を、中間用レジンとして押出機に投入した。また表層として、ポリエステルA、Dを78:22の質量比で混合した混合物を、表層用レジンとして押出機に投入した。
上記以外はポリエステルフィルムF1と同様の方法で製造し、ポリエステルフィルムF5を得た。
ポリエステルフィルムF5は、中間層が透明層、表層が着色層である3層積層フィルムであり、各層の厚みは2μm/21μm/2μmで、総厚みは25μmであった。
【0089】
<ポリエステルフィルムF6の製造>
表層として、ポリエステルDをポリエステルEに変更する以外は、ポリエステルフィルムF5と同様の方法で製造し、ポリエステルフィルムF6を得た。
【0090】
<ポリエステルフィルムF7の製造>
中間層として、ポリエステルAを100質量%用いた以外は、ポリエステルフィルムF1と同様の方法で製造し、ポリエステルフィルムF7を得た。
ポリエステルフィルムF7は、全ての層が透明層である3層積層フィルムであった。
【0091】
[実施例1]
厚さ25μmのポリエステルフィルムF1の表層上に、離型層形成用組成物として塗布液1を乾燥後の塗布量が0.1g/m
2になるように、オフラインにて、リバースグラビアコート方式により塗布した後、150℃で30秒加熱乾燥、硬化させて離型層を形成した。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
【0092】
[実施例2]
ポリエステルフィルムF1をポリエステルフィルムF2に変更する以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
【0093】
[実施例3]
塗布液1を塗布液2に変更する以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
【0094】
[実施例4]
塗布液1を塗布液3に変更する以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
【0095】
[実施例5]
ポリエステルフィルムF1をポリエステルフィルムF2に変更する以外は、実施例4と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
【0096】
[実施例6]
ポリエステルフィルムF1をポリエステルフィルムF3に変更する以外は、実施例4と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
【0097】
[実施例7]
ポリエステルフィルムF1をポリエステルフィルムF4に変更する以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表2に示す。
【0098】
[比較例1]
ポリエステルフィルムF1をポリエステルフィルムF5に変更する以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表3に示す。ポリエステルフィルムF5の表層が着色層であるため、着色剤による硬化阻害で離型層の硬化が不十分となり、ラブオフテストが不合格となった。
【0099】
[比較例2]
ポリエステルフィルムF1をポリエステルフィルムF6に変更する以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表3に示す。ポリエステルフィルムF6の表層が着色層であるため、着色剤による硬化阻害で離型層の硬化が不十分となり、ラブオフテストが不合格となった。
【0100】
[比較例3]
ポリエステルフィルムF1をポリエステルフィルムF7に変更する以外は、実施例1と同様の方法で離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの特性を表3に示す。ポリエステルフィルムF7の全層が透明層であるため、フィルム判別テストが不合格となった。
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】