(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
特色色材による特色画像と、有色色材による有色画像と、の積層画像を、前記特色画像および前記有色画像の一方を媒体に形成して固定化した後に他方を積層して形成する2パス印刷、または、前記特色画像および前記有色画像の一方を媒体に形成した後に前記固定化を介さずに他方を積層して形成する1パス印刷、により形成する画像形成部を制御する情報処理装置であって、
画像形成に用いる前記特色色材の種類を示す特色種類情報を取得する取得部と、
前記特色種類情報に応じた、色値の異なる複数のパッチ領域を規定した補正チャート用画像データを決定する決定部と、
前記補正チャート用画像データを用いて、前記画像形成部によって前記2パス印刷で形成された、前記パッチ領域の各々に対応する前記積層画像としての第1パッチ画像の第1測色値と前記色値との関係を示す目標特性を特定する特定部と、
前記補正チャート用画像データを用いて、前記画像形成部によって前記1パス印刷で形成された、前記パッチ領域の各々に対応する前記積層画像としての第2パッチ画像の第2測色値と前記色値との関係を示す実測特性が、前記目標特性に近づくように、前記色値を補正するための補正テーブルを生成する生成部と、
を備え、
前記特定部は、決定された前記補正チャート用画像データを用いて前記目標特性を決定し、
前記生成部は、決定された前記補正チャート用画像データを用いて前記補正テーブルを生成する、
情報処理装置。
特色色材による特色画像と、有色色材による有色画像と、の積層画像を、前記特色画像および前記有色画像の一方を媒体に固定化した後に他方を積層して形成する2パス印刷、または、前記特色画像および前記有色画像の一方を媒体に形成した後に前記固定化を介さずに他方を積層して形成する1パス印刷、により形成する画像形成部と、前記画像形成部を制御する情報処理装置と、を備えた画像形成装置であって、
前記情報処理装置は、
画像形成に用いる前記特色色材の種類を示す特色種類情報を取得する取得部と、
前記特色種類情報に応じた、色値の異なる複数のパッチ領域を規定した補正チャート用画像データを決定する決定部と、
前記補正チャート用画像データを用いて、前記画像形成部によって前記2パス印刷で形成された、前記パッチ領域の各々に対応する前記積層画像としての第1パッチ画像の第1測色値と前記色値との関係を示す目標特性を特定する特定部と、
前記補正チャート用画像データを用いて、前記画像形成部によって前記1パス印刷で形成された、前記パッチ領域の各々に対応する前記積層画像としての第2パッチ画像の第2測色値と前記色値との関係を示す実測特性が、前記目標特性に近づくように、前記色値を補正するための補正テーブルを生成する生成部と、
を備え、
前記特定部は、決定された前記補正チャート用画像データを用いて前記目標特性を決定し、
前記生成部は、決定された前記補正チャート用画像データを用いて前記補正テーブルを生成する、
画像形成装置。
特色色材による特色画像と、有色色材による有色画像と、の積層画像を、前記特色画像および前記有色画像の一方を媒体に形成して固定化した後に他方を積層して形成する2パス印刷、または、前記特色画像および前記有色画像の一方を媒体に形成した後に前記固定化を介さずに他方を積層して形成する1パス印刷、により形成する画像形成部を制御する情報処理方法であって、
画像形成に用いる前記特色色材の種類を示す特色種類情報を取得する取得ステップと、
前記特色種類情報に応じた、色値の異なる複数のパッチ領域を規定した補正チャート用画像データを決定する決定ステップと、
前記補正チャート用画像データを用いて、前記画像形成部によって前記2パス印刷で形成された、前記パッチ領域の各々に対応する前記積層画像としての第1パッチ画像の第1測色値と前記色値との関係を示す目標特性を特定する特定ステップと、
前記補正チャート用画像データを用いて、前記画像形成部によって前記1パス印刷で形成された、前記パッチ領域の各々に対応する前記積層画像としての第2パッチ画像の第2測色値と前記色値との関係を示す実測特性が、前記目標特性に近づくように、前記色値を補正するための補正テーブルを生成する生成ステップと、
を含み、
前記特定ステップは、決定された前記補正チャート用画像データを用いて前記目標特性を決定し、
前記生成ステップは、決定された前記補正チャート用画像データを用いて前記補正テーブルを生成する、
情報処理方法。
特色色材による特色画像と、有色色材による有色画像と、の積層画像を、前記特色画像および前記有色画像の一方を媒体に形成して固定化した後に他方を積層して形成する2パス印刷、または、前記特色画像および前記有色画像の一方を媒体に形成した後に前記固定化を介さずに他方を積層して形成する1パス印刷、により形成する画像形成部を制御するコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、
画像形成に用いる前記特色色材の種類を示す特色種類情報を取得する取得ステップと、
前記特色種類情報に応じた、色値の異なる複数のパッチ領域を規定した補正チャート用画像データを決定する決定ステップと、
前記補正チャート用画像データを用いて、前記画像形成部によって前記2パス印刷で形成された、前記パッチ領域の各々に対応する前記積層画像としての第1パッチ画像の第1測色値と前記色値との関係を示す目標特性を特定する特定ステップと、
前記補正チャート用画像データを用いて、前記画像形成部によって前記1パス印刷で形成された、前記パッチ領域の各々に対応する前記積層画像としての第2パッチ画像の第2測色値と前記色値との関係を示す実測特性が、前記目標特性に近づくように、前記色値を補正するための補正テーブルを生成する生成ステップと、
を含み、
前記特定ステップは、決定された前記補正チャート用画像データを用いて前記目標特性を決定し、
前記生成ステップは、決定された前記補正チャート用画像データを用いて前記補正テーブルを生成する、
情報処理プログラム。
前記修正色値は、前記実測特性における最大色値の前記第2測色値を示す前記第1測色値に対応する、前記目標特性における前記色値から、前記実測特性の最大色値と該色値との差分を減算した、色値である、請求項10〜請求項12の何れか1項に記載の情報処理装置。
前記修正色値は、前記目標特性における最大色値に対応する前記第1測色値と、前記実測特性における最大色値に対応する前記第2測色値と、の差が大きいほど、小さい値である、請求項10〜請求項13の何れか1項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、画像形成装置、情報処理方法、および情報処理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態の情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0011】
情報処理装置10は、本実施の形態の情報処理を行う装置である。情報処理装置10には、ホストコンピュータ16が接続されている。ホストコンピュータ16は、PC(Personal Computer)などである。情報処理装置10は、ホストコンピュータ16から画像データを受信する。そして、情報処理装置10は、この画像データに対して情報処理を行い、画像形成装置12へ出力する。
【0012】
図2は、画像データ24を概念的に示す模式図である。画像データ24は、有色画像データ20と、特色画像データ22と、を含む。なお、画像データ24は、画像形成装置12における画像形成条件を示すジョブコマンドなどを更に含んでいてもよい。
【0013】
有色画像データ20は、RGBやCMYK等の有色の濃度値を規定した画像データである。本実施の形態では、有色画像データ20は、互いに色の異なる複数種類の色画像データを含む。本実施の形態では、有色画像データ20は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各々の色画像データ(色画像データ20Y、20M、20C、20K)を含む場合を一例として説明する。
【0014】
本実施の形態では、有色画像データ20が、画素毎に、有色の濃度値を規定した画像データである場合を説明する。このため、本実施の形態では、有色画像データ20を構成する各色画像データ(色画像データ20Y、20M、20C、20K)の各々は、対応する色(C、M、Y、K)の各々の色の濃度値を画素毎に規定した画像データである。また、本実施の形態では、有色画像データ20が、1画素の濃度値を8bitで表したデータである場合を、一例として説明する。
【0015】
なお、情報処理装置10は、ホストコンピュータ16からR、G、Bの色画像データを含む画像データ24を受信してもよい。この場合、情報処理装置10は、R、G、Bの色画像データを、C、M、Y、Kの各々の色画像データ(20Y、20M、20C、20K)に変換すればよい。
【0016】
特色画像データ22は、画素毎に特色の濃度値を規定した画像データである。特色とは、CMYKやRGBなどの基本的な有色以外の色である。特色は、例えば、金属による金属色、白色、透明、蛍光色、などである。金属色は、金属光沢を再現した色である。金属色は、例えば、金色や銀色などである。なお、金属色は、金色や銀色などの基本となる金属色に、更に、CMYKやRGBなどの色味を加味した色であってもよい。また、蛍光色は、CMYKなどの色味を蛍光色で示した色であればよい。また、特色色材には、紫外線などの特定の波長領域の光を吸収または反射する成分が含まれていてもよい。
【0017】
なお、本実施の形態では、特色画像データ22は、1画素の濃度値を8bitで表したデータである場合を、一例として説明する。
【0018】
図1に戻り説明を続ける。情報処理装置10は、ホストコンピュータ16から受信した画像データ24に対して情報処理を行う。この情報処理により、情報処理装置10は、ホストコンピュータ16から受付けた画像データに対して、各種補正などの処理を行うと共に、画像形成装置12で処理可能な形式への変換を行う。そして、情報処理装置10は、変換・補正などの処理を行った画像データを、画像形成装置12へ出力する。
【0019】
すなわち、情報処理装置10は、画像形成装置12で処理可能な画像データを画像形成装置12へ送信することで、画像形成装置12を制御する。
【0020】
情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)10Aと、ROM10Bと、RAM10Cと、エンジンインターフェース10Dと、パネルインターフェース10Eと、UI(ユーザインターフェース)部10Jと、ホストインターフェース10Fと、HDD(ハードディスクドライブ)10Hと、を備える。CPU10A、ROM10B、RAM10C、エンジンインターフェース10D、パネルインターフェース10E、ホストインターフェース10F、およびHDD10Hは、バス10Kを介してデータ授受可能に接続されている。
【0021】
パネルインターフェース10Eは、UI部10Jの接続インターフェースである。UI部10Jは、ユーザからの操作指示を受付ける入力機能と、各種画像を表示する表示機能と、を備える。なお、UI部10Jは、入力機能と、表示機能と、を別体として備えた構成であってもよい。
【0022】
入力機能の一例は、タッチパネルである。入力機能の一例は、キーボード、マウス、などである。表示機能の一例は、液晶表示装置や、有機ELを用いた表示装置などである。
【0023】
ホストインターフェース10Fは、ホストコンピュータ16の接続インターフェースである。エンジンインターフェース10Dは、画像形成装置12の接続インターフェースである。
【0024】
次に、測色器14について説明する。測色器14は、媒体上に形成された画像の色を計測する装置である。測色器14には、公知の測色計を用いればよい。例えば、測色器14は、測定対象物に光を照射し、反射光を受光することで色を計測する。測色器14は、自動走査式であってもよいし、手動走査式であってもよい。本実施の形態では、測色器14は、媒体上に形成されたパッチ画像の各々の色を測色する(詳細後述)。
【0025】
例えば、測色器14は、ホストコンピュータ16に接続されている。具体的には、測色器14は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどによってホストコンピュータ16に接続されている。なお、測色器14とホストコンピュータ16との接続形態は、USBケーブルを用いた接続に限定されない。また、測色器14は、情報処理装置10に接続されていてもよい。本実施の形態では、一例として、測色器14がホストコンピュータ16に接続された形態を説明する。
【0026】
次に、画像形成装置12について説明する。画像形成装置12は、画像形成部の一例である。画像形成装置12は、情報処理装置10で生成された画像データを用いて、媒体に画像を形成する。
【0027】
なお、媒体は、画像形成可能な媒体であればよい。媒体は、例えば、公知の紙媒体(用紙)、合成紙、ビニール紙などである。
【0028】
画像形成装置12は、特色色材による特色画像と、有色色材による有色画像と、の積層画像を形成可能な装置である。画像形成装置12は、例えば、電子写真方式や、インクジェット方式の画像形成装置である。
【0029】
本実施の形態では、一例として、画像形成装置12が電子写真方式の画像形成装置である場合を説明する。また、本実施の形態では、画像形成装置12には、有色色材および特色色材として、CMYKの有色トナーと、特色トナーと、が搭載されている場合を説明する。特色トナーとは、特色を実現するために用いるトナーである。特色トナーは、例えば、金属トナーや、透明な(無色の)トナーや、白色トナーや、蛍光トナー、などである。なお、画像形成装置12は、有色色材および特色色材として、CMYKの有色インクと、特色の特色インクと、を用いて画像を形成する装置であってもよい。
【0030】
図3は、本実施の形態の画像形成装置12の構成の一例を示す模式図である。画像形成装置12は、パネル操作部31と本体部30とを備える。パネル操作部31は、ユーザによる各種操作を受付けると共に、各種画像を表示する。本体部30には、画像形成に用いる機構が設けられている。
【0031】
詳細には、本体部30は、有色画像形成ユニット32と、特色画像形成ユニット33と、を備える。
【0032】
有色画像形成ユニット32は、有色画像形成ユニット32C、32M、32Y、32Kを含む。有色画像形成ユニット32C、32M、32Y、32Kは、それぞれ、CMYKの各々の有色トナーによる有色トナー像の形成される像担持体を含む。有色画像形成ユニット32の像担持体に形成された有色トナー像は、一次転写ユニット34C、34M、34Y、34Kの各々によって中間転写ベルト39に一次転写される。
【0033】
特色画像形成ユニット33は、特色トナーによる特色トナー像の形成される像担持体を含む。特色画像形成ユニット33の像担持体に形成された特色トナー像は、一次転写ユニット34Sによって中間転写ベルト39に一次転写される。給紙トレイ37に貯留された媒体40は、1枚ずつ二次転写ユニット35へ搬送される。
【0034】
中間転写ベルト39に一次転写された特色トナー像および有色トナー像は、二次転写ユニット35によって、媒体40に二次転写され、定着ユニット36によって定着される。すなわち、定着ユニット36によって、有色画像および特色画像が媒体40に定着される。定着は、固定化の一例である。
【0035】
なお、特色色材および有色色材として、特色インクおよび有色インクを用いる場合には、定着ユニット36は、二次転写ユニット35に付与されたインク(特色インク、有色インク)を乾燥することによって、媒体40に固定化すればよい。すなわち、乾燥も、固定化の一例である。
【0036】
特色画像と有色画像の積層画像の形成された媒体40は、排出トレイ38へ排出される。
【0037】
ここで、本実施の形態では、画像形成装置12は、有色画像形成ユニット32と特色画像形成ユニット33の位置を入れ替え可能である。
【0038】
図4は、画像形成装置12の説明図である。本実施の形態では、画像形成装置12は、有色画像形成ユニット32に対して中間転写ベルト39の移動方向Xの上流側に、特色画像形成ユニット33を配置することができる(
図4(A)参照)。また、画像形成装置12は、有色画像形成ユニット32に対して中間転写ベルト39の移動方向Xの下流側に、特色画像形成ユニット33を配置することができる(
図4(B)参照)。
【0039】
これらの有色画像形成ユニット32と特色画像形成ユニット33の配置位置は、例えば、ユーザによる位置交換作業によって変更可能である。また、これらの有色画像形成ユニット32と特色画像形成ユニット33の配置位置は、これらの位置を入れ替えるための駆動機構を設けた構成とすることで、該駆動機構により位置交換可能としてもよい。
【0040】
すなわち、本実施の形態の画像形成装置12は、媒体40に対する、有色画像と特色画像の積層順を可変な構成である。
【0041】
図5は、積層順の一例の説明図である。例えば、有色画像形成ユニット32と特色画像形成ユニット33の配置を、媒体40上に、有色画像54、特色画像52の順に積層した積層画像50を形成可能な配置とする。この場合、画像形成装置12によって形成される積層画像50は、
図5(A)に示すように、媒体40上に、有色画像54および特色画像52をこの順に積層した画像となる。
【0042】
また、有色画像形成ユニット32と特色画像形成ユニット33の配置を、媒体40上に、特色画像52、有色画像54の順に積層した積層画像50を形成可能な配置とする。この場合、画像形成装置12によって形成される積層画像50は、
図5(B)に示すように、媒体40上に、特色画像52および有色画像54をこの順に積層した積層画像50となる。
【0043】
ここで、これらの積層画像50を画像形成装置12で形成する方法には、1パス印刷と2パス印刷がある。
図6は、1パス印刷と2パス印刷の説明図である。
【0044】
図6(A)は2パス印刷の説明図である。2パス印刷は、特色画像52および有色画像54の一方を媒体40に形成して固定化した後に、該一方の上に他方を積層して形成する印刷方法である。
【0045】
固定化とは、色材を媒体40に固定化することを示す。具体的には、色材がトナー(特色トナー、有色トナー)である場合、固定化とは定着を意味する。また、色材がインク(特色インク、有色インク)である場合、固定化とは乾燥を意味する。
【0046】
例えば、2パス印刷では、
図6(A)に示すように、媒体40上に特色トナー52’を付与した後に定着することで特色画像52とし、更にその上に、有色トナー54’を付与した後に定着することで、特色画像52上に有色画像54を積層した積層画像50を形成する。
【0047】
図6(B)は、1パス印刷の説明図である。1パス印刷は、特色画像52および有色画像54の一方を媒体40に形成した後に、固定化を介さずに、該一方の上に他方を積層して形成する印刷方法である。
【0048】
例えば、1パス印刷では、
図6(B)に示すように、媒体40上に特色トナー52’を付与した後に、定着を介さずに、該特色トナー52’上に有色トナー54’を積層し、最後に定着する。これによって、媒体40上に特色画像52と有色画像54を積層した積層画像50を形成する。
【0049】
画像形成装置12を用いて、2パス印刷により積層画像50を形成する場合、有色画像形成ユニット32および特色画像形成ユニット33の何れか一方によりトナー像(有色トナー像または特色トナー像)を媒体40に形成して定着ユニット36によって定着させる。そして、再度、この媒体40を画像形成装置12にセットし、他方のユニット(有色画像形成ユニット32および特色画像形成ユニット33の内の他方)によりトナー像(有色トナー像または特色トナー像)を媒体40に形成して定着ユニット36によって定着させる。このため、2パス印刷の場合、ユーザの操作性が悪く、また、媒体40を繰返し搬送することなどによって、媒体40にシワなどが入ってしまう場合がある。
【0050】
しかし、2パス印刷により積層画像50を形成した場合、
図6(A)に示すように、1パス印刷により形成した積層画像50(
図6(B)参照)に比べて、有色色材と特色色材が混ざってしまうことが抑制され、画質が良好である。
【0051】
一方、1パス印刷により積層画像50を形成した場合には、有色画像の形成と特色画像の形成の間に定着(固定化)を介さないため、操作性の向上や画像形成時間の短縮などの効果が得られる。しかし、1パス印刷の場合、
図6(B)に示すように、有色色材と特色色材が混ざり、2パス印刷時に比べて画質が劣化する場合がある。
【0052】
そこで、本実施の形態の情報処理装置10では、1パス印刷で形成される積層画像50の画質向上を図るために、画像データの色値を補正するための補正テーブルを生成する(詳細後述)。色値を補正するための補正テーブルは、γ補正テーブルと称される場合がある。
【0053】
次に、本実施の形態の情報処理装置10の機能的構成を説明する。
図7は、情報処理装置10の機能的構成を示すブロック図である。
【0054】
情報処理装置10は、制御部60と、UI部64と、記憶部62と、を備える。UI部64および記憶部62は、制御部60にデータや信号を授受可能に接続されている。
【0055】
UI部64は、UI部10J(
図1参照)によって実現する。記憶部62は、例えば、HDD10H(
図1参照)によって実現する。記憶部62は、各種データを記憶する。本実施の形態では、記憶部62は、補正管理DB62Aと、媒体管理DB62Bと、初期補正テーブル70Aと、を記憶する(詳細後述)。
【0056】
制御部60は、色変換処理部60Aと、γ補正部60Bと、総量規制部60Cと、中間調処理部60Dと、送信部60Eと、更新処理部60Fと、を備える。更新処理部60Fは、UI制御部60Gと、取得部60Hと、決定部60Iと、特定部60Jと、生成部60Kと、更新部60Lと、を含む。
【0057】
色変換処理部60A、γ補正部60B、総量規制部60C、中間調処理部60D、送信部60E、更新処理部60F、UI制御部60G、取得部60H、決定部60I、特定部60J、生成部60K、および更新部60Lの一部またはすべては、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば、上記各部は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0058】
色変換処理部60Aは、ホストコンピュータ16から画像データ24を取得する。例えば、色変換処理部60Aは、1画素を8bitの濃度値で表した画像データ24を取得する。そして、色変換処理部60Aは、取得した画像データ24に含まれる有色画像データ20について、色変換処理を行う。例えば、ホストコンピュータ16から取得した画像データ24に含まれる有色画像データ20が、RGBの色空間であったとする。この場合、色変換処理部60Aは、RGBの色空間の有色画像データ20を、CMYKの色空間の有色画像データ20へ変換する。これにより、色変換処理部60Aは、CMYK各々の色の有色画像データ20(色画像データ20C、20M、20Y、20K)を得る。そして、色変換処理部60Aは、色変換した有色画像データ20を、γ補正部60Bへ出力する。
【0059】
なお、色変換処理部60Aは、取得した画像データ24に含まれる特色画像データ22については、画像処理を行わず、そのままγ補正部60Bへ出力する。
【0060】
γ補正部60Bは、CMYKの各々の色の有色画像データ20(色画像データ20C、20M、20Y、20K)、および特色画像データ22に対して、γ補正を行う。本実施の形態では、γ補正部60Bは、有色画像データ20の色値(濃度値、階調値)を、補正テーブルを用いてγ補正する。このとき、γ補正部60Bは、後述するキャリブレーション条件に対応する補正テーブルを記憶部62から読取り、読取った補正テーブルを用いてγ補正を行う(詳細後述)。
【0061】
なお、γ補正部60Bは、取得した画像データ24に含まれる特色画像データ22については、γ補正を行わず、そのまま総量規制部60Cへ出力する。
【0062】
この補正テーブルは、更新処理部60Fによって更新される(詳細後述)。すなわち、γ補正部60Bは、更新処理部60Fによって補正された補正テーブルを用いて、γ補正を行う。
【0063】
総量規制部60Cは、γ補正された有色画像データ20および特色画像データ22を用いて、総量規制処理を行う。ここで、媒体40上の1画素に相当する領域において、画像形成装置12で載せることの可能な色材量(トナー量)には限界がある。総量規制とは、媒体40上の1画素に相当する領域あたりの色材量の総量が、該限界の量以下となるように、有色画像データ20および特色画像データ22の各画素値(濃度値)を補正する処理である。
【0064】
そして、総量規制部60Cは、総量規制した有色画像データ20(色画像データ20C、20M、20Y、20K)および特色画像データ22を、中間調処理部60Dへ出力する。
【0065】
中間調処理部60Dは、中間調処理を実行する。中間調処理部60Dは、総量規制部60Cから受付けた有色画像データ20(色画像データ20C、20M、20Y、20K)と、特色画像データ22と、について、中間調処理を実行する。
【0066】
中間調処理は、各画素の画素値を8bitで表される0〜255の階調値で示した有色画像データ20(色画像データ20C、20M、20Y、20K)および特色画像データ22の各々の画素値を小値化(例えば、2値化)する処理である。中間調処理は、スクリーン処理と称される場合もある。
【0067】
そして、送信部60Eは、中間調処理部60Dによって中間調処理の施された画像データ24を、画像形成装置12へ出力する。
【0068】
ここで、γ補正部60Bが用いる補正テーブルを記憶した記憶部62について、説明する。上述したように、記憶部62は、補正管理DB62Aと、媒体管理DB62Bと、初期補正テーブル70Aと、を記憶する。
【0069】
補正管理DB62Aは、γ補正部60Bのγ補正時に用いる補正テーブルを管理するためのデータベースである。なお、補正管理DB62Aのデータ形式は、データベースに限定されない。例えば、補正管理DB62Aのデータ形式は、テーブルであってもよい。
【0070】
図8は、補正管理DB62Aのデータ構成の一例を示す模式図である。補正管理DB62Aは、キャリブレーション条件と、補正チャート用画像データと、目標特性と、補正テーブルと、を対応づけたものである。補正管理DB62Aにおける、キャリブレーション条件、補正チャート用画像データ、目標特性、および補正テーブルは、後述する更新処理部60Fによって登録・更新される。
【0071】
キャリブレーション条件は、γ補正部60Bによるγ補正時の条件を示す。補正管理DB62Aに登録されているキャリブレーション条件は、画像形成装置12の現在の設定に応じて規定される。本実施の形態では、キャリブレーション条件は、キャリブレーションIDと、媒体IDと、積層順情報と、特色種類情報と、キャリブレーションに特色を用いるか否かを示す情報と、を含む。
【0072】
キャリブレーションIDは、キャリブレーション条件の識別情報である。媒体IDは、媒体40の媒体情報を識別する識別情報である。媒体情報は、媒体40を特定するための複数のパラメータによって規定される。例えば、媒体情報は、媒体名、サイズ(幅、高さ)、秤量、カラー、種類、などのパラメータによって規定される。
【0073】
積層順情報は、媒体40に対する特色画像52と有色画像54との積層順を示す情報である。積層順情報には、媒体上に、特色画像および有色画像をこの順に積層することを示す積層順情報と、媒体上に、有色画像および特色画像をこの順に積層することを示す積層順情報と、がある。
【0074】
特色種類情報は、画像形成装置12に搭載されている特色色材の種類を示す情報である。本実施の形態では、特色種類情報は、例えば、白、金、透明(クリア)、または蛍光を示す情報である。
【0075】
キャリブレーションに特色を用いるか否かは、特色を用いてγ補正を行う事を示す“用いる”または、特色を用いずにγ補正を行う事を示す“用いない”を示す。
【0076】
次に、補正チャート用画像データについて説明する。補正チャート用画像データは、色値の異なる複数のパッチ領域を規定したデータである。
図9は、補正チャート用画像データ78の一例を示す模式図である。
【0077】
図9(A)は、補正チャート用画像データ78の一例である。補正チャート用画像データ78は、色値の異なる複数のパッチ領域P’を規定したデータである。パッチ領域P’は、特色のパッチ領域Aと有色領域Bとの積層領域である。
【0078】
詳細には、補正チャート用画像データ78は、複数のパッチ領域PK’と、複数のパッチ領域PY’と、複数のパッチ領域PM’と、複数のパッチ領域PC’と、を複数のパッチ領域P’として含む。複数のパッチ領域P’の各々は、特色のパッチ領域Aと有色領域Bとの積層領域である。
【0079】
パッチ領域PK’は、特色のパッチ領域A上にK色の有色領域Bを積層した領域である。複数のパッチ領域PK’のK色の濃度値は、互いに異なる濃度値である。パッチ領域PY’は、特色のパッチ領域A上にY色の有色領域Bを積層した領域である。複数のパッチ領域PY’のY色の濃度値は、互いに異なる濃度値である。パッチ領域PM’は、特色のパッチ領域A上にM色の有色領域Bを積層した領域である。複数のパッチ領域PM’のM色の濃度値は、互いに異なる濃度値である。パッチ領域PC’は、特色のパッチ領域A上にC色の有色領域Bを積層した領域である。複数のパッチ領域PC’のC色の濃度値は、互いに異なる濃度値である。
【0080】
パッチ領域P’の各々が積層領域であることから、具体的には、補正チャート用画像データ78は、特色補正チャート用画像データ76と、有色補正チャート用画像データ77と、から構成される。特色補正チャート用画像データ76は、
図9(B)に示すように、特色色材による特色のパッチ領域Aの特色色値を規定したデータである。本実施の形態では、特色のパッチ領域Aは、ベタ画像(100%の濃度)の領域として示される場合を説明する。
【0081】
なお、記憶部62には、特色種類情報ごとに、特色種類情報に対応する特色補正チャート用画像データ76が予め記憶されている。例えば、記憶部62は、特色種類情報“白”に対応する、白色の特色のパッチ領域Aの特色色値(白濃度値)を規定した特色補正チャート用画像データ76を予め記憶する。また、記憶部62は、特色種類情報“金”対応する、金色の特色のパッチ領域Aの特色色値(金濃度値)を規定した特色補正チャート用画像データ76を予め記憶する。記憶部62は、特色種類情報“透明”対応する、透明の特色のパッチ領域Aの特色色値(濃度値)を規定した特色補正チャート用画像データ76を予め記憶する。また、記憶部62は、特色種類情報“蛍光”に対応する、蛍光の特色のパッチ領域Aの特色色値(蛍光濃度値)を規定した特色補正チャート用画像データ76を予め記憶する。
【0082】
一方、有色補正チャート用画像データ77は、
図9(A)に示すように、有色色材による有色領域Bの有色色値を規定したデータである。有色補正チャート用画像データ77は、K色、Y色、M色、C色の各々の濃度値の異なる複数の有色領域Bを規定したものである。
【0083】
図8に戻り説明を続ける。補正管理DB62Aには、キャリブレーション条件に対応する補正チャート用画像データ78が登録される。キャリブレーション条件に対応する補正チャート用画像データ78は、後述する更新処理部60Fによって補正管理DB62Aに登録される。
【0084】
目標特性は、更新処理部60Fが補正テーブルを補正するときの、目標となる特性を示す。詳細は後述するが、本実施の形態では、更新処理部60Fは、初期補正テーブル70Aを補正することで、キャリブレーション条件に対応する補正テーブルを生成する。目標特性は、この初期補正テーブル70Aを補正するときの、目標となる特性を示す。目標特性は、補正ターゲットと称する場合がある。目標特性については、詳細を後述する。
【0085】
補正テーブルは、γ補正に用いるγ補正テーブルである。補正管理DB62Aには、例えば、予め初期補正テーブル70Aが登録されている。初期補正テーブル70Aは、γ補正に用いるγ補正テーブルである。更新処理部60Fは、目標特性を用いて、初期補正テーブル70Aを補正することで、キャリブレーション条件に対応する補正テーブルを生成する。例えば、補正管理DB62Aには、後述する更新処理部60Fの処理によって、キャリブレーション条件の各々に対応する補正テーブル(
図8では、D1〜D4)が登録される。更新処理部60Fの処理は、後述する。
【0086】
次に、媒体管理DB62Bについて説明する。
図10は、媒体管理DB62Bのデータ構成の一例を示す模式図である。媒体管理DB62Bは、媒体IDと、媒体情報と、を対応づけたものである。媒体管理DB62Bのデータ形式は限定されない。媒体管理DB62Bは、例えば、データベースであってもよいし、テーブルであってもよい。本実施の形態では、記憶部62には、媒体管理DB62Bが予め登録されているものとする。
【0087】
図7に戻り、説明を続ける。次に、更新処理部60Fについて説明する。
【0088】
更新処理部60Fは、γ補正に用いる補正テーブルを生成する機能部である。
【0089】
更新処理部60Fは、UI制御部60Gと、取得部60Hと、決定部60Iと、特定部60Jと、生成部60Kと、更新部60Lと、を含む。
【0090】
まず、取得部60Hについて説明する。
【0091】
取得部60Hは、特色種類情報を取得する。本実施の形態では、取得部60Hは、画像形成装置12から、特色種類情報を取得する。画像形成装置12は、取得部60Hから特色種類情報の取得要求を受付けると、画像形成装置12に現在搭載されている特色色材の種類を示す特色種類情報を、情報処理装置10へ送信する。
【0092】
例えば、画像形成装置12に搭載されている特色色材を貯留した貯留部に、該特色色材の種類を示す特色種類情報を記憶するメモリが搭載されているものとする。この場合、画像形成装置12は、該メモリから特色種類情報を読取り、情報処理装置10へ送信すればよい。なお、画像形成装置12を操作するユーザが、該画像形成装置12に搭載されている特色色材の特色種類情報を入力することで、該画像形成装置12のメモリに特色種類情報を記憶してもよい。そして、画像形成装置12は、情報処理装置10から特色種類情報の取得要求を受信すると、記憶部62から特色種類情報を読取り、情報処理装置10へ送信すればよい。
【0093】
このようにして、取得部60Hは、画像形成装置12に現在搭載されている特色色材の、特色種類情報を取得する。
【0094】
また、取得部60Hは、積層順情報を取得する。本実施の形態では、取得部60Hは、画像形成装置12から積層順情報を取得する。積層順情報は、画像形成装置12の現在の構成によって形成される積層画像50における、媒体40に対する特色画像52と有色画像54との積層順を示す情報である。
【0095】
例えば、画像形成装置12は、有色画像形成ユニット32と特色画像形成ユニット33との位置が、媒体40に対して特色画像52および有色画像54の積層順の積層画像50を形成する位置関係にあるか、媒体40に対して有色画像54および特色画像52の積層順の積層画像50を形成する位置関係にあるか、を特定する。
【0096】
具体的には、有色画像形成ユニット32と特色画像形成ユニット33との各々の位置を識別するためのセンサを、画像形成装置12の本体部30に配置する。そして、画像形成装置12は、該センサからの検出信号を用いて、有色画像形成ユニット32と特色画像形成ユニット33との位置関係を特定することで、積層順情報を特定する。そして、画像形成装置12は、情報処理装置10から積層順情報の取得要求を受付けた場合に、積層順情報を情報処理装置10へ送信すればよい。これによって、取得部60Hは、画像形成装置12から積層順情報を取得する。
【0097】
また、取得部60Hは、媒体IDを取得する。本実施の形態では、取得部60Hは、画像形成装置12から媒体IDを取得する。例えば、画像形成装置12は、給紙トレイ37に貯留されている媒体40の媒体IDを特定する。例えば、画像形成装置12は、ユーザによるパネル操作部31の操作によって入力された媒体IDを特定する。なお、画像形成装置12は、給紙トレイ37に貯留されている媒体40を公知の方法で検出することで、該媒体40の媒体IDを特定してもよい。そして、画像形成装置12は、特定した媒体IDを、情報処理装置10へ送信する。これによって、情報処理装置10の取得部60Hは、画像形成装置12から、媒体IDを取得する。
【0098】
そして、取得部60Hは、取得した、媒体IDと、積層順情報と、特色種類情報と、を新たなキャリブレーション条件として、補正管理DB62Aに対応付けて登録する(
図8参照)。
【0099】
ここで、
図8を用いて説明したように、キャリブレーション条件は、キャリブレーションに特色を用いるか否かを示す情報を更に含んでいてもよい。この情報は、ユーザによる操作指示によって更新される。
【0100】
例えば、UI制御部60Gは、キャリブレーション条件を示す表示画面をUI部64に表示する。
図11は、キャリブレーション条件表示画面80の一例である。
【0101】
図11に示すように、キャリブレーション条件表示画面80は、媒体情報表示領域80Aと、選択ウィンドウ80Bと、実行ボタン80Cと、を含む。
【0102】
媒体情報表示領域80Aは、キャリブレーションに用いる対象の媒体40の媒体情報を表示する領域である。UI制御部60Gは、取得部60Hで取得した媒体IDに対応する媒体情報を媒体管理DB62Bから読取り、媒体情報表示領域80Aに表示する。なお、キャリブレーション条件表示画面80は、取得部60Hで取得した積層順情報および特色種類情報の少なくとも一方を更に含んでいてもよい。
【0103】
選択ウィンドウ80Bは、キャリブレーションに特色を用いるか否かを選択するためのウィンドウである。ユーザは、UI部64を用いて、選択ウィンドウ80Bを操作することで、キャリブレーションに特色を用いるか否かを入力する。
【0104】
実行ボタン80Cは、キャリブレーション条件表示画面80に表示されている内容でキャリブレーションの実行を指示するときに、ユーザによって操作される。ユーザによって、実行ボタン80Cが操作されると、UI制御部60Gは、キャリブレーション条件表示画面80を介して入力された、キャリブレーションに特色を用いるか否かを示す情報を、取得部60Hへ出力する。
【0105】
これによって、取得部60Hは、キャリブレーションに特色を用いるか否かを示す情報を取得し、補正管理DB62Aに登録する。
【0106】
図7に戻り説明を続ける。決定部60Iは、取得部60Hで取得した特色種類情報に応じた、補正チャート用画像データ78を決定する。
【0107】
詳細には、決定部60Iは、取得部60Hで取得した特色種類情報に対応する特色補正チャート用画像データ76を、記憶部62から読取ることで、補正チャート用画像データ78を決定する。具体的には、例えば、特色種類情報が白色を示す情報である場合、決定部60Iは、特色種類情報“白”に対応する、白色の特色のパッチ領域Aの特色色値(白濃度値)を規定した特色補正チャート用画像データ76を、記憶部62から読取る。
【0108】
なお、記憶部62には、1種類の有色補正チャート用画像データ77(
図9(A)参照)が予め記憶されている。このため、決定部60Iは、記憶部62から有色補正チャート用画像データ77を読取る。
【0109】
これによって、決定部60Iは、取得部60Hで取得した特色種類情報に対応する特色補正チャート用画像データ76と、有色補正チャート用画像データ77と、を含む補正チャート用画像データ78を決定する。
【0110】
ここで、取得部60Hが、キャリブレーション条件表示画面80を介してユーザから、キャリブレーションに特色を用いないことを示す情報を取得する場合がある。この場合、決定部60Iは、記憶部62から有色補正チャート用画像データ77のみを読取ることで、補正チャート用画像データ78を決定すればよい。
【0111】
次に、特定部60Jについて説明する。
【0112】
特定部60Jは、決定部60Iで決定した補正チャート用画像データ78を用いて、目標特性を特定する。
【0113】
目標特性は、補正チャート用画像データ78を用いて画像形成装置12によって2パス印刷で形成された第1パッチ画像P1の第1測色値と、該補正チャート用画像データ78の色値と、の関係を示す。該関係は、線図や関数で表される。本実施の形態では、目標特性は、線図で表される場合を説明する。また、目標特性に用いる、補正チャート用画像データ78の色値は、具体的には、補正チャート用画像データ78に含まれる有色補正チャート用画像データ77の有色色値である。
【0114】
図12(A)および
図12(B)は、補正チャート用画像データ78を用いて2パス印刷で形成された第1パッチ画像P1の一例の説明図である。
【0115】
例えば、取得部60Hで取得した積層順情報が、媒体40上に、特色画像52および有色画像54を、この順に積層することを示すものであったと仮定する。そして、決定部60Iが、特色補正チャート用画像データ76と有色補正チャート用画像データ77を、補正チャート用画像データ78として決定したと仮定する。
【0116】
この場合、特定部60Jは、決定した該特色補正チャート用画像データ76を画像形成装置12へ送信する。画像形成装置12は、受信した特色補正チャート用画像データ76を用いて、該特色補正チャート用画像データ76に示される特色のパッチ領域Aに対応する特色画像52を媒体40へ形成し、定着させる(1パス目)(
図12(A)参照)。ユーザは、特色画像52の定着された媒体40を画像形成装置12の給紙トレイ37へ再度セットする。
【0117】
次に、特定部60Jは、決定した有色補正チャート用画像データ77を画像形成装置12へ送信する。画像形成装置12は、受信した有色補正チャート用画像データ77を用いて、該有色補正チャート用画像データ77に示される有色領域Bに対応する有色画像54を、媒体40上の特色画像52上に形成し、定着させる(2パス目)(
図12(B)参照)。これによって、決定部60Iで決定された補正チャート用画像データ78に応じた積層画像50が、2パス印刷によって、媒体40上に形成される。
【0118】
2パス印刷によって、媒体40には、補正チャート用画像データ78に示されるパッチ領域P’の各々に対応する、積層画像50としての第1パッチ画像P1が形成された状態となる(
図12(B)参照)。
【0119】
測色器14は、この第1パッチ画像P1の各々を測色し、第1測色値を得る。そして、測色器14は、複数の第1パッチ画像P1の各々の第1測色値を、ホストコンピュータ16を介して情報処理装置10へ出力する。
【0120】
そして、情報処理装置10の特定部60Jは、決定部60Iで決定した補正チャート用画像データ78に示される、複数のパッチ領域P’の各々の示す有色色値と、複数のパッチ領域P’の各々に対応する第1パッチ画像P1の第1測色値と、の関係を示す目標特性を特定する。
【0121】
図13は、目標特性72と実測特性74の関係の一例を示す線図である。特定部60Jは、例えば、
図13に示す目標特性72を特定する。特定部60Jは、色値(有色色値)と、測色値(第1測色値)と、の関係を示す目標特性72を特定する。
【0122】
図7に戻り説明を続ける。次に、生成部60Kについて説明する。生成部60Kは、決定部60Iで決定した補正チャート用画像データ78を用いて、補正テーブルを生成する。
【0123】
詳細には、まず、生成部60Kは、決定部60Iで決定した補正チャート用画像データ78を用いて、実測特性を決定する。
【0124】
実測特性は、決定部60Iで決定された補正チャート用画像データ78を用いて画像形成装置12によって1パス印刷で形成された、第2パッチ画像P2の第2測色値と、該補正チャート用画像データ78の色値と、の関係を示す。該関係は、線図や関数で表される。本実施の形態では、実測特性は、線図で表される場合を説明する。また、実測特性に用いる、補正チャート用画像データ78の色値は、具体的には、補正チャート用画像データ78に含まれる有色補正チャート用画像データ77の有色色値である。
【0125】
図12(C)は、補正チャート用画像データ78を用いて1パス印刷で形成された第2パッチ画像P2の一例の説明図である。
【0126】
例えば、取得部60Hで取得した積層順情報が、媒体40上に、特色画像52および有色画像54を、この順に積層することを示すものであったと仮定する。そして、決定部60Iが、特色補正チャート用画像データ76と有色補正チャート用画像データ77を、補正チャート用画像データ78として決定したと仮定する。
【0127】
この場合、決定部60Iは、決定した補正チャート用画像データ78(特色補正チャート用画像データ76、有色補正チャート用画像データ77)を画像形成装置12へ送信する。画像形成装置12は、受信した補正チャート用画像データ78に含まれる特色補正チャート用画像データ76を用いて、特色のパッチ領域Aに対応する特色画像52を媒体40へ形成した後に、定着を介さずに、有色補正チャート用画像データ77を用いて有色領域Bに対応する有色画像54を特色画像52上に形成し、定着する(
図12(C)参照)。これによって、決定部60Iで決定された補正チャート用画像データ78に応じた積層画像50が、1パス印刷によって、媒体40上に形成される。
【0128】
1パス印刷によって、媒体40には、補正チャート用画像データ78に示されるパッチ領域P’の各々に対応する、積層画像50としての第2パッチ画像P2が形成された状態となる(
図12(C)参照)。
【0129】
測色器14は、この第2パッチ画像P2の各々を測色し、第2測色値を得る。そして、測色器14は、複数の第2パッチ画像P2の各々の第2測色値を、ホストコンピュータ16を介して情報処理装置10へ出力する。
【0130】
そして、情報処理装置10の生成部60Kは、決定部60Iで決定した補正チャート用画像データ78に示される、複数のパッチ領域P’の各々の示す有色色値と、複数のパッチ領域P’の各々に対応する第2パッチ画像P2の第2測色値と、の関係を示す実測特性を特定する。
【0131】
例えば、生成部60Kは、
図13に示す実測特性74を特定する。生成部60Kは、色値(有色色値)と、測色値(第2測色値)と、の関係を示す実測特性74を特定する。
【0132】
なお、目標特性72および実測特性74の特定に用いた、第1パッチ画像P1の形成および第2パッチ画像P2の形成時には、画像形成装置12は、取得部60Hで取得したキャリブレーション条件に示される状態にある。すなわち、画像形成装置12には、取得部60Hで取得したキャリブレーション条件に示される、媒体IDによって識別される媒体40と、特色種類情報によって示される種類の特色色材と、が搭載され、該キャリブレーション条件に含まれる積層順情報によって示される積層順で積層画像50を形成可能な状態にある。
【0133】
このため、特定部60Jが特定した目標特性72と、生成部60Kが特定した実測特性74とは、同じ補正チャート用画像データ78を用いて、同じキャリブレーション条件の画像形成装置12で形成した、積層画像50から得られた特性である。そして、特定部60Jが特定した目標特性72は1パス印刷で形成した積層画像50から得られた特性であるのに対し、生成部60Kが特定した実測特性74は2パス印刷で形成した積層画像50から得られた特性である点が、相違する。
【0134】
そして、生成部60Kは、実測特性74が目標特性72に近づくように、有色画像データ20に規定された色値を補正するための、補正テーブルを生成する。なお、生成部60Kは、実測特性74が目標特性72に一致するように、該色値を補正するための補正テーブルを生成することが好ましい。
【0135】
図14は、生成部60Kによる補正テーブル生成の一例を示す模式図である。本実施の形態では、生成部60Kは、記憶部62に予め記憶されている初期補正テーブル70Aを補正することで、補正テーブル70Bを生成する。
【0136】
詳細には、生成部60Kは、目標特性72における色値を入力色値とし、実測特性74における、目標特性72の第1測色値を示す第2測色値に対応する色値を出力色値とした、補正テーブル70Bを生成する。
【0137】
具体的には、
図13に示すように、生成部60Kは、目標特性72における色値bに対応する第1測色値aと同じ値の第2測色値a’に対応する、実測特性74における色値b’を特定する。そして、
図13および
図14に示すように、生成部60Kは、目標特性72における色値bを入力色値とし、実測特性74における色値b’を出力色値とした、補正テーブル70Bを生成する。
【0138】
本実施の形態では、生成部60Kは、
図13に示す実測特性74が目標特性72に近づくように、色値(有色色値)を補正するための補正テーブル70B(
図14参照)を、初期補正テーブル70Aを補正することによって生成する。
【0139】
なお、初期補正テーブル70Aおよび補正テーブル70Bは、有色画像データ20に示される色値(有色色値、すなわち、有色の濃度値)を入力色値とし、補正後の色値を出力色値としたテーブルである。
【0140】
すなわち、生成部60Kは、1パス印刷によって、2パス印刷によって形成される積層画像50と同様な程度の画質を実現するために、有色画像データ20の色値(有色色値、有色の濃度値)を補正するための、補正テーブル70Bを生成する。
【0141】
更新部60Lは、生成部60Kで生成された補正テーブル70Bを、取得部60Hで取得したキャリブレーション条件に対応づけて、補正管理DB62Aに登録する。これによって、更新部60Lは、初期補正テーブル70Aを補正テーブル70Bに更新する。
【0142】
このため、記憶部62には、キャリブレーション条件に対応する補正テーブル70Bが登録される。
【0143】
そして、上述したγ補正部60Bでは、ホストコンピュータ16から色変換処理部60Aを介して受付けた、画像データ24に含まれるCMYKの各々の色の有色画像データ20(色画像データ20C、20M、20Y、20K)に対して、補正テーブル70Bを用いてγ補正を行う。このとき、γ補正部60Bは、取得部60Hと同様にしてキャリブレーション条件を取得し、現在の画像形成装置12の設定に応じたキャリブレーション条件に対応する補正テーブル70Bを用いて、γ補正を行う。そして、送信部60Eは、γ補正部60Bによってγ補正され、総量規制部60Cおよび中間調処理部60Dによって処理された後の画像データ24を、画像形成装置12へ出力する。
【0144】
次に、情報処理装置10の制御部60で実行する、補正テーブル更新時の情報処理の手順の一例を説明する。
【0145】
図15は、情報処理装置10の制御部60で実行する、補正テーブル更新時の情報処理の手順の一例を示す、フローチャートである。
【0146】
まず、取得部60Hが、積層順情報と、特色種類情報と、媒体IDと、を画像形成装置12から取得する(ステップS100)。
【0147】
次に、取得部60Hは、ステップS100で取得した媒体IDに対応する媒体情報を、媒体管理DB62Bから読取る(ステップS102)。次に、取得部60Hは、ステップS102で読取った媒体情報を含むキャリブレーション条件表示画面80を、UI部64へ表示する(ステップS104)(
図11参照)。
【0148】
ユーザは、キャリブレーション条件表示画面80を参照し、選択ウィンドウ80Bを操作することで、キャリブレーションに特色を用いるか否かを示す情報を入力する。そして、実行ボタン80Cを操作する。
【0149】
次に、取得部60Hは、実行指示を受付けたと判断するまで(ステップS106:Yes)、否定判断を繰返す(ステップS106:No)。取得部60Hは、実行ボタン80Cが操作されたか否かを判別することで、ステップS106の判断を行う。ステップS106で肯定判断すると(ステップS106:Yes)、ステップS108へ進む。
【0150】
次に、決定部60Iが、ステップS100で取得した積層順情報によって示される積層順が、媒体40上に、特色画像52、有色画像54、の積層順であるか否かを判別する(ステップS108)。
【0151】
ステップS108で肯定判断すると(ステップS108:Yes)、ステップS110へ進む。ステップS110では、決定部60Iが、キャリブレーションに特色を用いるか否かを判断する(ステップS110)。ステップS110で肯定判断すると(ステップS110:Yes)、ステップS112へ進む。ステップS112では、決定部60Iが、有色補正チャート用画像データ77および特色補正チャート用画像データ76を、補正チャート用画像データ78として決定する(ステップS112)。このとき、決定部60Iは、ステップS100で取得した特色種類情報に対応する特色補正チャート用画像データ76を決定する。
【0152】
そして、決定部60Iは、ステップS100で取得した積層順情報、特色種類情報、媒体ID、および、キャリブレーションに特色を“用いる”事を示す情報と、ステップS112で決定した補正チャート用画像データ78と、を対応づけて、補正管理DB62Aへ記憶する(ステップS114)。そして、ステップS120へ進む。
【0153】
一方、上記ステップS108で否定判断した場合(ステップS108:No)、ステップS116へ進む。また、ステップS110で否定判断した場合(ステップS110:No)、ステップS116へ進む。
【0154】
ステップS116では、決定部60Iが、有色補正チャート用画像データ77を、補正チャート用画像データ78として決定する(ステップS116)。
【0155】
そして、決定部60Iは、ステップS100で取得した積層順情報、特色種類情報、媒体ID、および、ステップS110の判定結果(キャリブレーションに特色を“用いない”)を示す情報と、ステップS116で決定した補正チャート用画像データ78と、を対応づけて、補正管理DB62Aへ記憶する(ステップS118)。そして、ステップS120へ進む。
【0156】
ステップS120では、決定部60Iが、ステップS112で決定した特色補正チャート用画像データ76を、画像形成装置12へ送信する(ステップS120)。画像形成装置12は、受信した特色補正チャート用画像データ76を用いて、該特色補正チャート用画像データ76に示される特色のパッチ領域Aに対応する特色画像52を媒体40へ形成し、定着させる(1パス目)(
図12(A)参照)。ユーザは、特色画像52の定着された媒体40を画像形成装置12の給紙トレイ37へ再度セットする。該媒体40への画像形成が終了すると、画像形成装置12は、画像形成完了信号を情報処理装置10へ出力する。
【0157】
情報処理装置10の決定部60Iは、画像形成完了信号を受信したと判断(ステップS122:Yes)するまで、否定判断(ステップS122:No)を繰返す。そして、ステップS122で肯定判断すると(ステップS122:Yes)、ステップS124へ進む。
【0158】
ステップS124では、決定部60Iが、ステップS112またはステップS116で決定した有色補正チャート用画像データ77を、画像形成装置12へ送信する(ステップS124)。画像形成装置12は、受信した有色補正チャート用画像データ77を用いて、該有色補正チャート用画像データ77に示される有色領域Bに対応する有色画像54を、媒体40上の特色画像52上に形成し、定着させる(2パス目)(
図12(B)参照)。
【0159】
ステップS120〜ステップS124の処理によって、ステップS112またはステップS116で決定された補正チャート用画像データ78に応じた積層画像50が、2パス印刷によって、媒体40上に形成される。なお、ステップS116では、有色補正チャート用画像データ77のみを補正チャート用画像データ78として決定することから、この場合は、媒体40上に、有色画像54のみ形成されることとなる。
【0160】
次に、特定部60Jが、ステップS120〜ステップS124の処理によって2パス印刷により媒体40に形成された積層画像50としての第1パッチ画像P1(
図12(B)参照)の各々の、第1測色値を、測色器14から取得する(ステップS126)。
【0161】
そして、特定部60Jは、ステップS112またはステップS116で決定した有色補正チャート用画像データ77に示される、複数のパッチ領域P’の各々の示す有色色値と、複数のパッチ領域P’の各々に対応する第1パッチ画像P1の第1測色値と、の関係を示す目標特性72を特定する(ステップS128)。ステップS128の処理によって、例えば、
図13に示す目標特性72が特定される。
【0162】
そして、特定部60Jは、ステップS100で取得したキャリブレーション条件(積層順情報、特色種類情報、媒体ID)に対応付けて、ステップS128で特定した目標特性72を補正管理DB62Aへ記憶する(ステップS130)。
【0163】
次に、生成部60Kは、ステップS112またはステップS116で決定した補正チャート用画像データ78を、画像形成装置12へ送信する(ステップS132)。
【0164】
画像形成装置12は、受信した補正チャート用画像データ78に含まれる特色補正チャート用画像データ76を用いて、特色のパッチ領域Aに対応する特色画像52を媒体40へ形成した後に、定着を介さずに、有色補正チャート用画像データ77を用いて有色領域Bに対応する有色画像54を特色画像52上に形成し、定着する(
図12(C)参照)。これによって、決定部60Iで決定された補正チャート用画像データ78に応じた積層画像50が、1パス印刷によって、媒体40上に形成される。該媒体40への画像形成が終了すると、画像形成装置12は、画像形成完了信号を情報処理装置10へ送信する。
【0165】
情報処理装置10の生成部60Kは、画像形成装置12から画像形成完了信号を受信したと判断するまで(ステップS134:Yes)、否定判断を繰返す(ステップS134:No)。ステップS134で肯定判断すると(ステップS134:Yes)、ステップS136へ進む。
【0166】
ステップS136では、生成部60Kが、ステップ132〜ステップS134の処理によって、1パス印刷で媒体40に形成された積層画像50としての第2パッチ画像P2(
図12(C)参照)の各々の、第2測色値を、測色器14から取得する(ステップS136)。
【0167】
そして、生成部60Kは、ステップS112またはステップS116で決定した補正チャート用画像データ78(有色補正チャート用画像データ77)に示される、複数のパッチ領域P’の各々の示す有色色値と、複数のパッチ領域P’の各々に対応する第2パッチ画像P2の第2測色値と、の関係を示す実測特性74を特定する(ステップS138)(
図13参照)。
【0168】
そして、生成部60Kは、ステップS138で特定した実測特性74が、ステップS128で特定した目標特性72に近づくように、色値を補正するための、補正テーブル70Bを生成する(ステップS140)。
【0169】
次に、更新部60Lは、更新OKを示す更新OK信号を取得したと判断するまで(ステップS142:Yes)、否定判断を繰返す(ステップS142:No)。例えば、更新部60Lは、ユーザによるUI部64の操作によって、更新OKを示すボタン画像が操作されたときに、UI部64から更新OK信号を受付ける。そして、更新部60Lは、更新OK信号をUI部64から受付けたか否かを判別することで、ステップS142の判断を行う。
【0170】
ステップS142で肯定判断すると(ステップS142:Yes)、ステップ144へ進む。ステップS144では、ステップS100で取得したキャリブレーション条件に対応づけて、ステップS140で生成した補正テーブル70Bを補正管理DB62Aへ登録する。これによって、更新部60Lは、補正テーブルを更新する。そして、本ルーチンを終了する。
【0171】
次に、ホストコンピュータ16から画像データ24を受信したときに、情報処理装置10によって実行される情報処理の手順の一例を説明する。
図16は、画像データ24を受信したときに実行される情報処理の手順の一例を示す、フローチャートである。
【0172】
まず、色変換処理部60Aが、ホストコンピュータ16から画像データ24を取得する(ステップS200)。次に、色変換処理部60Aは、ステップS200で取得した画像データ24に含まれる有色画像データ20について、色変換処理を行う(ステップS202)。
【0173】
次に、γ補正部60Bが、キャリブレーション条件を取得する(ステップS204)。例えば、γ補正部60Bは、画像形成装置12から、積層順情報、特色種類情報、および、媒体IDを、キャリブレーション条件として取得する。なおこのとき、γ補正部60Bは、キャリブレーションに特色を用いるか否かを示す情報を、画像形成装置12から取得してもよい。また、γ補正部60Bは、UI部64から、キャリブレーションに特色を用いるか否かを示す情報を取得してもよい。
【0174】
次に、γ補正部60Bは、補正管理DB62Aにおける、ステップS204で取得したキャリブレーション条件に対応する補正テーブル70Bを用いて、ステップS202で色変換した有色画像データ20の色値を補正(γ補正)する(ステップS206)。
【0175】
次に、総量規制部60Cが、ステップS206でγ補正された有色画像データ20と、ステップS200で取得した画像データ24に含まれる特色画像データ22と、を用いて、総量規制処理を行う(ステップS208)。
【0176】
次に、中間調処理部60Dが、ステップS208で総量規制処理された、有色画像データ20(色画像データ20C、20M、20Y、20K)と、特色画像データ22と、について、中間調処理を実行する(ステップS210)。そして、送信部60Eは、中間調処理部60Dによって中間調処理の施された画像データ24(有色画像データ20、特色画像データ22)を、画像形成装置12へ送信する(ステップS212)。そして、本ルーチンを終了する。
【0177】
以上説明したように、本実施の形態の情報処理装置10は、画像形成装置12(画像形成部)を制御する。画像形成装置12は、特色色材による特色画像52と、有色色材による有色画像54と、の積層画像50を、2パス印刷または1パス印刷により形成する。2パス印刷は、特色画像52および有色画像54の一方を媒体40に形成して固定化した後に、他方を積層して形成する。1パス印刷は、特色画像52および有色画像54の一方を媒体40に形成した後に固定化を介さずに他方を積層して形成する。
【0178】
情報処理装置10は、特定部60Jと、生成部60Kと、を備える。特定部60Jは、色値の異なる複数のパッチ領域P’を規定した補正チャート用画像データ78を用いて、画像形成装置12によって2パス印刷で形成された、パッチ領域P’の各々に対応する積層画像50としての第1パッチ画像P1の第1測色値と色値との関係を示す目標特性72を特定する。生成部60Kは、補正チャート用画像データ78を用いて、画像形成装置12によって1パス印刷で形成された、パッチ領域P’の各々に対応する積層画像50としての第2パッチ画像P2の第2測色値と色値との関係を示す実測特性74が、目標特性72に近づくように、色値を補正するための補正テーブルを生成する。
【0179】
このように、本実施の形態の情報処理装置10では、補正チャート用画像データ78を用いて、1パス印刷で形成された第2パッチ画像P2の第2測色値と色値との関係を示す実測特性74が、該補正チャート用画像データ78を用いて2パス印刷で形成された第1パッチ画像P1の第1測色値と色値との関係を示す目標特性72に近づくように、色値を補正するための補正テーブル70Bを生成する。すなわち、情報処理装置10は、1パス印刷で、2パス印刷によって形成される積層画像50と同様な程度の画質を実現するために画像データの色値(有色色値、有色の濃度値)を補正するための、補正テーブル70Bを生成する。
【0180】
そして、画像形成装置12では、この補正テーブル70Bを用いて色値を補正された画像データを用いて、媒体40に1パス印刷により積層画像50を形成することで、2パス印刷と同等の画質の積層画像50を、1パス印刷で形成することができる。
【0181】
従って、本実施の形態の情報処理装置10では、特色画像52と有色画像54との積層画像50の画質向上を図ることができる。
【0182】
言い換えると、本実施の形態の情報処理装置10では、1パス印刷により形成される積層画像50の画質向上を実現可能な、補正テーブル70Bを提供することができる。
【0183】
また、取得部60Hは、画像形成に用いる特色色材の種類を示す特色種類情報を取得する。決定部60Iは、特色種類情報に応じた補正チャート用画像データ78を決定する。特定部60Jは、決定された補正チャート用画像データ78を用いて目標特性72を決定する。生成部60Kは、決定された補正チャート用画像データ78を用いて補正テーブル70Bを生成する。
【0184】
決定部60Iは、特色補正チャート用画像データ76と、有色補正チャート用画像データ77と、を含む補正チャート用画像データ78を決定する。特色補正チャート用画像データ76は、特色種類情報によって示される種類の特色色材による特色のパッチ領域Aの特色色値を規定したものである。有色補正チャート用画像データ77は、有色色材による有色領域Bの有色色値を規定したものである。
【0185】
画像形成装置12は、媒体40に対する有色画像54と特色画像52の積層順を切り替え可能に構成されている。取得部60Hは、積層順を示す積層順情報を画像形成装置12から取得する。特定部60Jは、決定部60Iで決定された補正チャート用画像データ78を用いて、取得部60Hで取得した特色種類情報によって示される種類の特色色材で、取得した積層順情報によって示される積層順で、画像形成装置12によって2パス印刷で媒体40に形成された、第1パッチ画像P1の第1測色値と色値との関係を示す、目標特性72を特定する。生成部60Kは、決定部60Iで決定された補正チャート用画像データ78を用いて、取得部60Hで取得した特色種類情報によって示される種類の特色色材で、取得した積層順情報によって示される積層順で、画像形成装置12によって1パス印刷で媒体40に形成された、第2パッチ画像P2の第2測色値と色値との関係を示す、実測特性74が、目標特性72に一致するように、補正テーブル70Bを生成する。
【0186】
γ補正部60B(補正部)は、形成対象の画像データ24の色値を、補正テーブル70Bを用いて補正する。送信部60Eは、補正された画像データ24を画像形成装置12へ送信する。
【0187】
特色色材は、金属色、白、透明、蛍光、の何れかの色を示す色材である。
【0188】
また、本実施の形態の情報処理方法は、特色色材による特色画像52と、有色色材による有色画像54と、の積層画像50を、特色画像52および有色画像54の一方を媒体40に形成して固定化した後に他方を積層して形成する2パス印刷、または、特色画像52および有色画像54の一方を媒体40に形成した後に固定化を介さずに他方を積層して形成する1パス印刷、により形成する画像形成装置12を制御する制御方法である。
【0189】
本実施の形態の情報処理方法は、色値の異なる複数のパッチ領域P’を規定した補正チャート用画像データ78を用いて、画像形成装置12によって2パス印刷で形成された、パッチ領域P’の各々に対応する積層画像50としての第1パッチ画像P1の第1測色値と色値との関係を示す目標特性72を特定するステップと、補正チャート用画像データ78を用いて、画像形成装置12によって1パス印刷で形成された、パッチ領域P’の各々に対応する積層画像50としての第2パッチ画像P2の第2測色値と色値との関係を示す実測特性74が、目標特性72に近づくように、色値を補正するための補正テーブル70Bを生成するステップと、を含む情報処理方法である。
【0190】
本実施の形態の情報処理プログラムは、特色色材による特色画像52と、有色色材による有色画像54と、の積層画像50を、特色画像52および有色画像54の一方を媒体40に形成して固定化した後に他方を積層して形成する2パス印刷、または、特色画像52および有色画像54の一方を媒体40に形成した後に固定化を介さずに他方を積層して形成する1パス印刷、により形成する画像形成装置12を制御するコンピュータに実行させるための情報処理プログラムである。
【0191】
本実施の形態の情報処理プログラムは、色値の異なる複数のパッチ領域P’を規定した補正チャート用画像データ78を用いて、画像形成装置12によって2パス印刷で形成された、パッチ領域P’の各々に対応する積層画像50としての第1パッチ画像P1の第1測色値と色値との関係を示す目標特性72を特定するステップと、補正チャート用画像データ78を用いて、画像形成装置12によって1パス印刷で形成された、パッチ領域P’の各々に対応する積層画像50としての第2パッチ画像P2の第2測色値と色値との関係を示す実測特性74が、目標特性72に近づくように、色値を補正するための補正テーブル70Bを生成するステップと、を含む。
【0192】
なお、上記実施の形態では、一例として、情報処理装置10がホストコンピュータ16に通信可能に接続された形態を説明した。しかし、ホストコンピュータ16を設けない構成とし、情報処理装置10のみで構成してもよい。この場合、測色器14を、情報処理装置10にデータや信号を授受可能に接続した構成とすればよい。
【0193】
(変形例1)
なお、上記実施の形態では、更新処理部60Fが、画像形成装置12のキャリブレーション条件に応じて、補正テーブル70Bを生成する形態を説明した。しかし、画像形成装置12の設定が固定である場合には、該固定の設定による1種類のキャリブレーション条件に対応する、補正テーブル70Bを生成すればよい。
【0194】
例えば、画像形成装置12が、白色トナーを搭載し、媒体40上に特色画像52および有色画像54をこの順で形成することで積層画像50を形成する構成であったと仮定する。また、媒体40として、特定の媒体IDに対応する媒体情報によって示される媒体40のみが、給紙トレイ37に搭載されていると仮定する。
【0195】
この場合、情報処理装置10の記憶部62には、補正チャート用画像データ78として、有色補正チャート用画像データ77と、特色種類情報“白”に対応する特色補正チャート用画像データ76と、を予め記憶すればよい。そして、情報処理装置10の更新処理部60Fは、
図15におけるステップS100〜ステップS118の処理を行わずに、記憶部62に記憶されている特色補正チャート用画像データ76および有色補正チャート用画像データ77を読取ることで、補正チャート用画像データ78を決定した後に、ステップS120〜ステップS144の処理を実行すればよい。
【0196】
このように、画像形成装置12のキャリブレーション条件が固定である場合、上記実施の形態と同様の効果が得られると共に、情報処理装置10の情報処理の簡略化を図ることができる。
【0197】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、補正テーブル70Bを更に修正する形態を説明する。
【0198】
図17は、本実施の形態の情報処理装置11の機能的構成を示すブロック図である。
【0199】
情報処理装置11は、制御部61と、UI部64と、記憶部63と、を備える。UI部64および記憶部63は、制御部61にデータや信号を授受可能に接続されている。
【0200】
UI部64は、第1の実施の形態と同様である。記憶部63は、修正色値を更に記憶する点以外は、第1の実施の形態の記憶部62と同様である。
【0201】
制御部61は、色変換処理部60Aと、γ補正部60Bと、総量規制部60Cと、中間調処理部60Dと、送信部60Eと、更新処理部61Fと、を備える。制御部61は、更新処理部60Fに代えて更新処理部61Fを備えた点以外は、第1の実施の形態の制御部60と同様である。
【0202】
更新処理部61Fは、UI制御部60Gと、取得部60Hと、決定部60Iと、特定部60Jと、生成部60Kと、更新部61Lと、修正部61Mと、を含む。UI制御部60G、取得部60H、決定部60I、特定部60J、および生成部60Kは、第1の実施の形態と同様である。
【0203】
第1の実施の形態と同様に、決定部60Iは、補正チャート用画像データ78を決定する。具体的には、決定部60Iは、特色補正チャート用画像データ76と、有色補正チャート用画像データ77と、を含む補正チャート用画像データ78を決定する。
【0204】
図18は、有色補正チャート用画像データ77の一例を示す模式図である。上述したように、補正チャート用画像データ78は、色値の異なる複数のパッチ領域P’を規定したデータである。パッチ領域P’は、特色のパッチ領域Aと有色領域Bとの積層領域である。また、有色補正チャート用画像データ77は、パッチ領域P’の各々における、K色、Y色、M色、C色の各々の、色値の異なる複数の有色領域Bを規定したものである。
【0205】
なお、本実施の形態では、色値として、階調値を用いる場合を一例として説明する。
【0206】
そして、第1の実施の形態と同様に、特定部60Jが、決定部60Iで決定した補正チャート用画像データ78を用いて、目標特性72を特定する。目標特性72を表す線図は、例えば、
図13に示す線図となる。また、目標特性72をテーブルで表すと、例えば、
図19に示すものとなる。
図19は、目標特性72の一例を示す図である。
【0207】
生成部60Kは、第1の実施の形態と同様に、決定部60Iで決定した補正チャート用画像データ78を用いて、実測特性74を特性する。実測特性74を示す線図は、例えば、
図13に示す線図となる。
【0208】
図20は、目標特性72と実測特性74をテーブルで表した図の一例である。なお、
図20は、K色の目標特性72および実測特性74のみを示したものである。
図21は、
図20に示される目標特性72と実測特性74を示す線図である。
【0209】
図20に示す色値と第1測色値との関係が得られた場合、これらの関係を示す目標特性72を示す線図は、
図21に示すものとなる。また、
図20に示す色値と第2測色値との関係が得られた場合、これらの関係を示す実測特性74の線図は、
図21に示すものとなる。
【0210】
生成部60Kは、第1の実施の形態と同様に、実測特性74が目標特性72に近づくように、有色画像データ20に規定された色値を補正するための、補正テーブル70Bを生成する(
図14参照)。
図22は、
図21の一部の拡大図である。
図22に示すように、生成部60Kは、目標特性72における色値bに対応する第1測色値aと同じ値の第2測色値a’に対応する、実測特性74における色値b’を特定する。そして、生成部60Kは、目標特性72および実測特性74に示されるパッチ画像P’の各々の測色値(第1測色値、第2測色値)について、同様にして、目標特性72における色値bと、実測特性74における色値b’と、を導出する。
【0211】
そして、生成部60Kは、測色値の各々について導出した、複数の色値bと色値b’との組合せの各々について、目標特性72における色値bを入力色値とし、実測特性74における色値b’を出力色値とした、補正テーブル70Bを生成する。
【0212】
例えば、色値“191”を用いて説明する。生成部60Kは、目標特性72における、色値“191”に対応する第1測色値“0.96”を特定する(
図20〜
図22参照)。そして、生成部60Kは、実測特性74における、該“0.96”の第2測色値に対応する色値“237”を特定する(
図20〜
図22参照)。
【0213】
そして、生成部60Kは、色値bである色値“191”を入力色値とし、色値b’である色値“237”を出力色値として導出する。同様にして、生成部60Kは、他パッチ画像P’の各々の測色値についても同様の処理を行うことで、目標特性72における色値bと、実測特性74における色値b’と、を導出し、補正テーブル70Bを生成する。
【0214】
なお、第1測色値と同じ値の第2測色値が、実測特性74の測色値として測色されていない場合がある。この場合、生成部60Kは、該第1測色値に最も近似する2つの第2測色値の各々に対応する色値の間を補間することで、実測特性74における色値を特定すればよい。補間には、例えば、線形補間、スプライン補間、などを用いればよい。
【0215】
例えば、生成部60Kは、
図20の目標特性72における、色値“191”に対応する第1測色値“0.96”に近似する2つの第2の測色値“0.85”、“1.00”を特定する。そして、生成部60Kは、実測特性74における、第2の測色値“0.85”を示す点と、第2の測色値“1.00”を示す点と、を線形補間する。これにより、生成部60Kは、実測特性74における、第2測色値“0.96”に対応する色値“237”を特定すればよい。そして、生成部60Kは、特定した色値を用いて、補正テーブル70Bを生成すればよい。
【0216】
図23は、補正テーブル70Bの一例を示す線図である。
図23は、
図20〜
図22に示す目標特性72および実測特性74を用いて生成された、補正テーブル70Bの一例である。
【0217】
図17に戻り説明を続ける。ここで、第1の実施の形態と同様に、γ補正部60Bが、補正テーブル70Bを用いて有色画像データ20(色画像データ20C、20M、20Y、20K)の色値(濃度値、階調値)をγ補正したと仮定する。そして、γ補正された有色画像データ20と、特色画像データ22と、が、総量規制部60C、中間調処理部60D、および送信部60Eを介して、画像形成装置12へ出力されたと仮定する。
【0218】
すると、γ補正された有色画像データ20を用いて、1パス印刷で形成された積層画像50の測色値は、γ補正によって補正された値となる。
【0219】
図24は、入力色値と出力色値との関係を示す補正テーブル70Bと、補正テーブル70Bによって色値の補正された有色画像データ20を用いて1パス印刷で形成された積層画像50の測色値(以下、γ補正後測色値と称する)と、の関係を示す図である。なお、階調値で表した入力色値や出力色値の階調数や、階調値の値は、
図24に示す形態に限定されない。
【0220】
図25は、目標特性72と、実測特性74と、γ変換後特性75と、を示す模式図である。γ変換後特性75は、色値と、補正テーブル70Bを用いたγ補正後測色値と、の関係を示す。
【0221】
図24および
図25のγ変換後特性75に示されるように、補正テーブル70Bを用いてγ補正された有色画像データ20を用いて、1パス印刷で形成された積層画像50のγ補正後測色値は、色値が最大色値(例えば、階調値“255”)に近づくほど飽和する。これは、補正テーブル70Bが、1パス印刷で、2パス印刷によって形成される積層画像50と同様な程度の画質を実現するための、補正テーブルであるためである。
【0222】
このため、補正テーブル70Bを用いてγ補正された有色画像データ20を用いて、1パス印刷で積層画像50を形成すると、有色画像データ20に規定された色値(階調値)が大きいほど、形成される積層画像50のγ補正後測色値に、有色画像データ20の色値の差に応じた差が生じにくくなる場合がある。
【0223】
そこで、本実施の形態では、補正テーブル70Bを修正する。
図17に戻り説明を続ける。修正部61Mは、生成部60Kで生成された補正テーブル70Bを修正する。
【0224】
図23を用いて説明する。修正部61Mは、補正テーブル70Bにおける、予め定めた修正色値から最大色値までの修正範囲Sの出力色値を、単調増加する出力色値に修正する。
【0225】
修正範囲Sとは、予め定めた修正色値から、補正テーブル70Bの出力色値の最大値である最大色値までの、出力色値の範囲である。
【0226】
修正色値とは、修正範囲Sの下限を示す出力色値である。
図23には、修正色値が“237”である場合を、一例として示した。修正色値は、予め定めればよい。例えば、修正色値は、補正テーブル70Bにおける、入力色値の増加に対して出力色値の増加の飽和が開始する出力色値であればよい。
【0227】
本実施の形態では、更新処理部61Fは、上記条件を満たす修正色値を予め測定し、記憶部63に予め記憶する(
図17の修正色値63C参照)。そして、修正部61Mは、記憶部63から修正色値を読取り、補正テーブル70Bの修正に用いればよい。
【0228】
修正部61Mは、補正テーブル70Bにおける修正範囲Sの出力色値を、一定や略一定ではなく、入力色値の増加に対して単調増加する出力色値に修正する。
【0229】
図26は、修正後の補正テーブル70Cの一例を示す模式図である。
図27は、修正後の補正テーブル70C、補正テーブル70Bと、後述する第3測色値と、の関係を示す図である。
図26および
図27には、修正色値が“237”である場合を、一例として示した。修正部61Mが補正テーブル70Bにおける修正範囲Sの出力色値を修正することによって、修正範囲Sの出力色値が、修正色値“237”に対応する入力色値“191”から最大色値“255”に向かって単調増加する出力色値に修正される。この修正処理により、修正後の補正テーブル70Cが生成される。
【0230】
図17に戻り説明を続ける。本実施の形態では、修正部61Mは、補正テーブル70Bの生成に用いた目標特性72および実測特性74と、修正色値と、を用いて、補正テーブル70Bを修正する。
【0231】
具体的には、修正部61Mは、色値特定部61Nと、特性生成部61Pと、色値修正部61Qと、を含む。
【0232】
色値特定部61Nは、補正テーブル70Bにおける、修正色値を示す出力色値に対応する、入力色値を特定する。例えば、修正色値が“237”であったと仮定する。この場合、色値特定部61Nは、
図23および
図24に示す補正テーブル70Bから、出力色値“237”に対応する入力色値“191”を特定する。
【0233】
なお、色値特定部61Nは、記憶部63から修正色値を読取ることで、修正色値を取得し、入力色値の特定に用いればよい。
【0234】
特性生成部61Pは、修正特性を生成する。修正特性は、γ変換後特性75(
図25参照)の一部を修正した特性であり、測色値(以下、第3測色値と称する)と色値との関係を示す。
【0235】
図28は、修正特性71の一例の説明図である。
図28には、修正色値が“237”である場合を一例として示した。特性生成部61Pは、補正テーブル70Bの生成に用いた目標特性72および実測特性74と、修正色値と、を用いて、修正特性71を生成する。
【0236】
まず、特性生成部61Pは、修正色値“237”の画像を画像形成装置12によって1パス印刷で媒体に形成したときの測色値(例えば、“0.96”)を特定する。そして、特性生成部61Pは、目標特性72における、該測色値“0.96”を示す第1点X1を特定する。また、特性生成部61Pは、実測特性74における、最大色値“255”を示す第2点X2を特定する。そして、特性生成部61Pは、第1点X1と第2点X2との間を補間することによって、修正特性71を生成する。補間には、例えば、線形補間や、スプライン補間、などを用いればよい。以下、一例として、線形補間を行う場合を説明する。
【0237】
このため、修正特性71は、色値と補正テーブル70Bを用いたγ補正後測色値との関係を示すγ変換後特性75における、修正色値“237”に対応するγ補正後測色値“0.96”から最大色値“255”に対応する第2測色値“1.2”までの範囲を、線形補間により補間したものとなる。
【0238】
言い換えると、特性生成部61Pは、
図24に示すγ変換後特性75における、出力色値が修正色値“237”〜最大色値“255”に対応する範囲V1に示すγ補正後測色値と入力色値との関係を、
図27に示す、範囲V2の第3測色値と入力色値との関係に補正する。これによって、特性生成部61Pは、修正特性71を生成する。
【0239】
図17に戻り、次に、色値修正部61Qについて説明する。色値修正部61Qは、補正テーブル70Bにおける修正範囲Sの出力色値を、実測特性74における、修正特性71の第3測色値を示す第2測色値に対応する色値に修正する。
【0240】
図27および
図28を用いて説明する。補正テーブル70Bにおける出力色値の修正範囲Sが、修正色値“237”〜最大色値“255”であったと仮定する(
図27の領域S1参照)。この場合、色値修正部61Qは、補正テーブル70Bにおける出力色値“237”〜最大色値“255”を、
図27の領域S2内に示す値に修正する。
【0241】
図28を用いて具体的に説明する。色値修正部61Qは、修正特性71における色値dに対応する第3測色値cと同じ値の第2測色値c’に対応する、実測特性74における色値d’を特定する。
【0242】
そして、色値修正部61Qは、補正テーブル70Bにおける修正範囲Sの出力色値の各々に対して、上記と同様の処理を行うことで、修正特性71における色値dと、実測特性74における色値d’の対を特定する。そして、色値修正部61Qは、これらの対の各々における、修正特性71における色値dを入力色値とし、実測特性74における色値d’を出力色値とするように、補正テーブル70Bを修正し、修正後の補正テーブル70Cを生成する。
【0243】
このようにして、修正部61Mは、生成部60Kによって生成された補正テーブル70Bについて、修正色値から最大色値までの修正範囲Sの出力色値を、単調増加する出力色値に修正する(
図26参照)。これによって、修正部61Mは、補正テーブル70Bを修正後の補正テーブル70Cに修正する。
【0244】
図17に戻り説明を続ける。更新部61Lは、修正部61Mで修正された、修正後の補正テーブル70Cを、取得部60Hで取得したキャリブレーション条件に対応づけて、補正管理DB62A(
図8参照)に登録する。すなわち、更新部61Lは、生成部60Kで生成された補正テーブル70Bに代えて、補正テーブル70Bを修正した修正後の補正テーブル70Cを用いる点以外は、第1の実施の形態の更新部60Lと同様の処理を行う。このため、本実施の形態では、記憶部63の補正管理DB62Aには、補正テーブル70Bに代えて、修正後の補正テーブル70Cが登録される。
【0245】
次に、情報処理装置11の制御部61で実行する、補正テーブル更新時の情報処理の手順の一例を説明する。
【0246】
図29は、情報処理装置11の制御部61で実行する、補正テーブル更新時の情報処理の手順の一例を示す、フローチャートである。
【0247】
まず、制御部61は、補正テーブル生成処理を実行する(ステップS300)。ステップS300の処理は、第1の実施の形態で説明した、
図15のステップS100〜ステップS140と同様である。このため、ステップS300の処理によって、補正テーブル70Bが生成される。
【0248】
次に、色値特定部61Nが、修正色値を取得する(ステップS302)。本実施の形態では、色値特定部61Nは、記憶部63から修正色値を読取ることで、修正色値を取得する。
【0249】
次に、色値特定部61Nは、ステップS300で生成された補正テーブル70Bにおける、ステップS302で取得した修正色値を示す出力色値に対応する、入力色値を特定する(ステップ304)。
【0250】
次に、特性生成部61Pが、ステップS300で生成された補正テーブル70Bの生成に用いられた目標特性72および実測特性74と、ステップS302で取得した修正色値と、を用いて、修正特性71を生成する(ステップS306)。
【0251】
次に、色値修正部61Qが、ステップS300で生成された補正テーブル70Bを修正する(ステップS308)。色値修正部61Qは、補正テーブル70Bにおける、ステップS302で取得した修正色値から最大色値までの修正範囲Sの出力色値を修正する。このとき、色値修正部61Qは、ステップS300で特定した実測特性74における、ステップS306で生成した修正特性71の第3測色値を示す第2測色値に対応する色値に、修正範囲Sの出力色値を修正する。
【0252】
次に、更新部61Lが、ステップS300(詳細には、
図15のステップS100)で取得したキャリブレーション条件に対応づけて、ステップS308で修正した、修正後の補正テーブル70Cを、補正管理DB62Aへ登録する。これによって、更新部61Lは、補正テーブルを更新する(ステップS310)。そして、本ルーチンを終了する。
【0253】
以上説明したように、本実施の形態では、修正部61Mが、補正テーブル70Bにおける、予め定めた修正色値から最大色値までの修正範囲Sの出力色値を、単調増加する出力色値に修正する。
【0254】
このため、本実施の形態の情報処理装置11では、出力色値が最大色値(例えば、階調値“255”)に近づくほど、形成された画像の測色値が飽和する事を、抑制することができる。
【0255】
従って、本実施の形態の情報処理装置11は、特色画像52と有色画像54との積層画像50の、更なる画質向上を図ることができる。
【0256】
また、修正部61Mは、色値特定部61Nと、特性生成部61Pと、色値修正部61Qと、を有する。色値特定部61Nは、補正テーブル70Bにおける、修正色値を示す出力色値に対応する入力色値を特定する。特性生成部61Pは、目標特性72における、修正色値の画像を、画像形成装置12によって1パス印刷で媒体に形成したときの測色値を示す第1点と、実測特性74における最大色値を示す第2点と、を補間し、測色値と色値との関係を示す修正特性71を生成する。色値修正部61Qは、補正テーブル70Bの修正範囲Sの出力色値を、実測特性74における、修正特性71の測色値を示す第2測色値に対応する色値に修正する。
【0257】
(第3の実施の形態)
上記第2の実施の形態では、1つの値の修正色値を、予め記憶部63に記憶する形態を説明した。本実施の形態では、画像形成に用いる色材の色に応じた修正色値を用いて、色ごとに補正テーブル70Bを修正する形態を説明する。
【0258】
図17は、本実施の形態の情報処理装置11Aの機能的構成を示すブロック図である。
【0259】
情報処理装置11Aは、制御部65と、UI部64と、記憶部63と、を備える。UI部64および記憶部63は、制御部65にデータや信号を授受可能に接続されている。
【0260】
UI部64は、第1の実施の形態と同様である。記憶部63は、修正色値63Cに代えて、色管理テーブル63D(詳細後述)を予め記憶する点以外は、第2の実施の形態と同様である。
【0261】
制御部65は、更新処理部61Fに代えて更新処理部65Fを備える点以外は、第2の実施の形態の制御部61と同様である。更新処理部65Fは、修正部61Mに代えて修正部65Mを備える点以外は、第2の実施の形態の更新処理部61Fと同様である。
【0262】
修正部65Mは、画像形成に用いる色材の色に応じた修正色値を用いて、色材の色ごとに、補正テーブル70Bを修正する。
【0263】
例えば、修正部65Mは、画像形成装置12が画像形成に用いる有色の色材の色(例えば、C、M、Y、K)の各々に応じた修正色値を取得する。
【0264】
この場合、記憶部63は、予め色管理テーブル63Dを記憶する。
図30は、色管理テーブル63Dのデータ構成の一例を示す模式図である。色管理テーブル63Dは、C、M、Y、Kの各色と、各色に対応する修正色値と、を予め対応づけたものである。
【0265】
色管理テーブル63Dに登録される修正色値は、測色値が高い色値側で飽和することを抑制する値となるように、画像形成装置12および測色器14を用いて測定した結果を用いて、予め定めればよい。
【0266】
なお、
図30に示すように、修正色値は、形成対象の画像の明度が低いほど、小さい値であることが好ましい。すなわち、色管理テーブル63Dには、明度の低い色ほど、小さい値の修正色値が予め対応づけて登録されていることが好ましい。
【0267】
本実施の形態では、色管理テーブル63Dには、高い明度から低い明度の色(Y、CおよびM、K、のこの順)に向かって、より小さい値の修正色値が予め対応づけて登録されている。
【0268】
そして、修正部65Mは、画像形成に用いる色材の色に対応する修正色値を、色管理テーブル63Dから読取る。修正部65Mは、色ごとに取得した修正色値を用いて、色ごとに補正テーブル70Bを修正することが好ましい。
【0269】
詳細には、本実施の形態の修正部65Mは、色値特定部65Nと、特性生成部65Pと、色値修正部65Qと、を有する。
【0270】
修正部65Mは、C、M、Y、Kの色に応じた修正色値を用いる点以外は、第2の実施の形態の色値特定部61Nと同様の処理を行う。すなわち、修正部65Mは、画像形成に用いる色材の色ごとに、該色に対応する補正テーブル70Bから、該色の修正色値を示す出力色値に対応する、入力色値を特定する。
【0271】
例えば、修正部65Mは、K色に対応する修正色値“159”を色管理テーブル63Dから取得する。そして、修正部65Mは、K色用に生成された補正テーブル70Bから、出力色値“159”に対応する入力色値を特定する。修正部65Mは、C、M、Y、の各色についても同様に、入力色値を特定する。
【0272】
特性生成部65Pは、修正特性71を特定する。本実施の形態では、特性生成部65Pは、C、M、Y、Kの色ごとに、修正特性71を特定する以外は、第2の実施の形態の特性生成部61Pと同様の処理を行う。
【0273】
すなわち、特性生成部65Pは、C、M、Y、Kの色ごとに、各色の補正テーブル70Bの生成に用いた目標特性72および実測特性74と、各色の修正色値(“207”、“207”、“223”、“159”)の各々と、を用いて、修正特性71を生成する。
【0274】
色値修正部65Qは、C、M、Y、Kの色ごとに、各色に対応する修正色値を用いて、各色に対応する補正テーブル70Bを修正する点以外は、第2の実施の形態の色値修正部61Qと同様の処理を行う。
【0275】
すなわち、色値修正部65Qは、C、M、Y、Kの色の各々に対応する補正テーブル70Bにおける修正範囲Sの出力色値を、各色に対応する実測特性74における、各色に対応する修正特性71の第3測色値を示す第2測色値に対応する色値に修正する。
【0276】
このようにして、修正部65Mは、各色に対応する補正テーブル70Bを、各色に対応する修正色値を用いて、修正後の補正テーブル70Cに修正する。
【0277】
このため、γ補正部60Bは、C、M、Y、Kの各々の色の有色画像データ20(色画像データ20C、20M、20Y、20K)に対して、各色に対応する修正後の補正テーブル70Cを用いてγ補正を行うことができる。
【0278】
ここで、C、M、Y、Kの各色に応じた修正色値を用いず、1つの値の修正色値を用いた場合、修正後の補正テーブル70Cを用いてγ補正された有色画像データ20を用いて1パス印刷で形成された積層画像50のγ補正後測色値の飽和が改善されない場合があった。これは、色に拘らず1つの値の修正色値を用いた場合、色値が変化しても測定値の変化の小さい特性を示す、修正特性71が生成される場合があるためである。
【0279】
図31は、修正特性71の一例を示す模式図である。
図31(A)は、Y色に対応する、目標特性72と、実測特性74と、修正特性71と、を示す模式図である。
図31(B)は、K色に対応する、目標特性72と、実測特性74と、修正特性71と、を示す模式図である。なお、
図31(A)および
図31(B)は、同じ修正色値“223”を用いて、修正特性71を生成した場合を示す図である。
【0280】
図31(A)に示すように、色ごとに同じ修正色値を用いた場合、より明度の高いY色に対応する修正特性71は、色値の変化に応じて測色値が単調増加する関係を示すものとなる。一方、
図31(B)に示すように、より明度の低いK色に対応する修正特性71は、Y色と同じ修正色値を用いた場合、色値の変化に拘らず測色値が略一定の関係を示すものとなる場合がある。このように、色ごとに同じ修正色値を用いた場合、ある色では測色値の飽和が抑制されても、他の色では測色値の飽和が抑制されない場合がある。
【0281】
このため、K色について、
図31(B)に示す修正特性71を用いて補正テーブル70Bを修正すると、形成された画像の測色値が最大色値の付近で飽和する事を、抑制することができない場合がある。
【0282】
そこで、本実施の形態では、上述したように、色値修正部65Qは、C、M、Y、Kの色ごとに、各色に対応する修正色値を用いて、各色に対応する補正テーブル70Bを修正する。このため、K色に対応する修正色値を用いて生成した修正特性71は、例えば、
図32に示すものとなる。
図32は、K色に対応する修正色値を用いて生成された、修正特性71の説明図である。
【0283】
図32に示すように、K色に対応する修正色値を用いて生成された修正特性71は、Y色と同じ修正色値を用いて生成された修正特性71(
図31(B)参照)に比べて、色値の変化に応じて測色値が単調増加する関係を示すものとなる。
【0284】
このため、各色に対応する修正色値を用いて、色ごとに修正特性71を生成し、該修正特性71を用いて色ごとに補正テーブル70Bを修正することで、更なる画質向上を図ることができる。
【0285】
以上説明したように、本実施の形態の情報処理装置11Aの修正部65Mは、画像形成に用いる色材の色に応じた修正色値を用いて、色材の色ごとに、補正テーブル70Bを修正する。
【0286】
従って、本実施の形態の情報処理装置11Aは、特色画像52と有色画像54との積層画像50の、更なる画質向上を図ることができる。
【0287】
(第4の実施の形態)
上記第2の実施の形態では、1つの値の修正色値を、予め記憶部63に記憶する形態を説明した。本実施の形態では、画像形成対象の媒体40に応じた修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正する形態を説明する。
【0288】
図17は、本実施の形態の情報処理装置11Bの機能的構成を示すブロック図である。
【0289】
情報処理装置11Bは、制御部66と、UI部64と、記憶部63と、を備える。UI部64および記憶部63は、制御部66にデータや信号を授受可能に接続されている。
【0290】
UI部64は、第1の実施の形態と同様である。記憶部63は、修正色値63Cに代えて、媒体管理テーブル63E(詳細後述)を予め記憶する点以外は、第2の実施の形態と同様である。
【0291】
制御部66は、更新処理部61Fに代えて更新処理部66Fを備える点以外は、第2の実施の形態の制御部61と同様である。更新処理部66Fは、修正部61Mに代えて修正部66Mを備える点以外は、第2の実施の形態の更新処理部61Fと同様である。
【0292】
修正部66Mは、画像形成対象の媒体40に応じた修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正する。
【0293】
この場合、記憶部63は、予め媒体管理テーブル63Eを記憶する。
図33は、媒体管理テーブル63Eのデータ構成の一例を示す模式図である。媒体管理テーブル63Eは、媒体40の媒体IDと、修正色値と、を対応づけたものである。媒体IDは、第1の実施の形態と同様である。
【0294】
媒体管理テーブル63Eに登録される修正色値は、測色値が高い色値側で飽和することを抑制する値となるように、画像形成装置12および測色器14を用いて、媒体IDによって識別される媒体40ごとに測定した結果を用いて、予め定めればよい。
【0295】
修正部66Mは、画像形成対象の媒体40の媒体IDを、取得部60Hを介して画像形成装置12から取得する。そして、修正部66Mは、取得した媒体IDに対応する修正色値を、媒体管理テーブル63Eから読取ることで、媒体40に応じた修正色値を取得すればよい。
【0296】
そして、修正部66Mは、取得した修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正すればよい。修正部66Mによる補正テーブル70Bの修正は、画像形成対象の媒体40に応じた修正色値を用いる点以外は、上記第2の実施の形態と同様である。
【0297】
詳細には、本実施の形態の修正部66Mは、色値特定部66Nと、特性生成部66Pと、色値修正部66Qと、を有する。
【0298】
色値特定部66N、特性生成部66P、および色値修正部66Qは、媒体40に応じた修正色値を用いる点以外は、第2の実施の形態の色値特定部61N、特性生成部61P、および色値修正部61Qの各々と同様の処理を行う。
【0299】
修正部65Mが、媒体40に応じた修正色値を用いて補正テーブル70Bを修正すると、γ補正部60Bは、修正された補正テーブル70Cを用いてγ補正を行うことができる。
【0300】
ここで、媒体40に拘らず、1つの値の修正色値を用いた場合、修正後の補正テーブル70Cを用いてγ補正された有色画像データ20を用いて1パス印刷で形成された積層画像50のγ補正後測色値の飽和が、改善されない場合がある。これは、媒体40のカラー、種類、秤量、などによって、色値が変化しても測定値の変化の小さい特性を示す、修正特性71が生成される場合があるためである。
【0301】
図34は、修正特性71の一例を示す模式図である。
図34(A)は、媒体ID“A”の媒体40に対応する、目標特性72と、実測特性74と、修正特性71と、を示す模式図である。
図34(B)は、媒体ID“B”の媒体40に対応する、目標特性72と、実測特性74と、修正特性71と、を示す模式図である。なお、
図34(A)および
図34(B)は、同じ修正色値“223”を用いて、修正特性71を生成した場合を示す図である。
【0302】
図34(A)に示すように、媒体40に拘らず同じ修正色値を用いた場合、媒体ID“A”の媒体40に対応する修正特性71は、色値の変化に応じて測色値が単調増加する関係を示すものとなる。一方、
図34(B)に示すように、媒体ID“A”と同じ修正色値を用いて生成された、媒体ID“B”の修正特性71は、色値の変化に拘らず測色値が略一定の関係を示すものとなる場合がある。このように、媒体40ごとに同じ修正色値を用いた場合、ある媒体40では測色値の飽和が抑制されても、他の媒体40では測色値の飽和が抑制されない場合がある。
【0303】
このため、媒体40の種類などによっては、媒体40に拘らず同じ修正色値を用いて補正テーブル70Bを修正すると、形成された画像の測色値が最大色値の付近で飽和する事を、抑制することができない場合がある。
【0304】
そこで、本実施の形態では、上述したように、色値修正部66Qは、画像形成対象の媒体40に応じた修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正する。このため、例えば、媒体ID“B”に応じた修正色値“191”を用いて生成された修正特性71は、例えば、
図35に示すものとなる。
図35は、形成対象の媒体40の媒体ID“B”に応じた修正色値を用いて生成された、修正特性71の説明図である。
【0305】
図34に示すように、媒体ID“B”に応じた修正色値“191”を用いて生成された修正特性71は、媒体ID“A”と同じ修正色値“223”を用いて生成された修正特性71(
図34(B)参照)に比べて、色値の変化に応じて測色値が単調増加する関係を示すものとなる。
【0306】
このため、媒体40に応じた修正色値を用いて修正特性71を生成し、該修正特性71を用いて補正テーブル70Bを修正することで、更なる画質向上を図ることができる。
【0307】
以上説明したように、本実施の形態の情報処理装置11Bの修正部66Mは、画像形成対象の媒体40に応じた修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正する。
【0308】
従って、本実施の形態の情報処理装置11Bは、特色画像52と有色画像54との積層画像50の、更なる画質向上を図ることができる。
【0309】
(第5の実施の形態)
上記第2の実施の形態では、1つの値の修正色値を、予め記憶部63に記憶する形態を説明した。本実施の形態では、画像形成に用いる色材の転写部材(中間転写ベルト39)への転写順に応じた修正色値を用いて、転写順の色ごとに補正テーブル70Bを修正する形態を説明する。
【0310】
図17は、本実施の形態の情報処理装置11Dの機能的構成を示すブロック図である。
【0311】
情報処理装置11Dは、制御部68と、UI部64と、記憶部63と、を備える。UI部64および記憶部63は、制御部68にデータや信号を授受可能に接続されている。
【0312】
UI部64は、第1の実施の形態と同様である。記憶部63は、修正色値63Cと共に、転写順管理テーブル63F(詳細後述)を予め記憶する点以外は、第2の実施の形態と同様である。
【0313】
制御部68は、更新処理部61Fに代えて更新処理部68Fを備える点以外は、第2の実施の形態の制御部61と同様である。更新処理部68Fは、修正部61Mに代えて修正部68Mを備える点以外は、第2の実施の形態の更新処理部61Fと同様である。
【0314】
修正部68Mは、中間転写ベルト39への一次転写の転写順に応じた修正色値を用いて、転写順ごとに、補正テーブル70Bを修正する。詳細には、修正部68Mは、画像形成装置12において中間転写ベルト39に転写される色材の色ごとに、該色の色材の転写順に応じた修正値を用いて、補正テーブル70Bを修正する。
【0315】
本実施の形態では、修正部68Mは、中間転写ベルト39への転写順が早いほど、基準値より小さい値の修正色値を用いて、転写順ごとに補正テーブル70Bを修正する。中間転写ベルト39の転写順が早い、とは、一次転写されたときに、より中間転写ベルト39側に位置することを意味する。
【0316】
例えば、修正部68Mは、画像形成装置12が画像形成に用いる有色の色材の色の各々について、転写順を画像形成装置12から取得する。修正部68Mは、取得部60Hを介して画像形成装置12から、色の各々の転写順を取得すればよい。
【0317】
そして、修正部68Mは、転写順の各々に応じた修正色値を取得する。
【0318】
例えば、記憶部63は、1つの値の修正色値63Cと、転写順管理テーブル63Fと、を予め記憶する。1つの値の修正色値63Cは、基準値の一例である。
【0319】
図36は、転写順管理テーブル63Fのデータ構成の一例を示す模式図である。転写順管理テーブル63Fは、転写順と、基準値の補正量と、を予め対応づけたものである。転写順管理テーブル63Fには、転写順が早い(値が小さい)ほど、より小さい値に基準値を補正するための補正量が予め登録されている。
【0320】
修正部68Mは、画像形成に用いる色(C、M、Y、K)の各々の転写順に対応する補正量を、転写順管理テーブル63Fから読取る。そして、修正部68Mは、基準値である修正色値63Cを、読取った補正量で、補正する。これによって、修正部68Mは、中間転写ベルト39への転写順が早いほど、基準値より小さい値の修正色値を、該転写順に一次転写される色ごとに算出する。これによって、修正部68Mは、画像形成に用いる色材の色の転写順ごとに、修正色値を取得する。
【0321】
図37は、画像形成に用いる色材の色の転写順に対応する、修正色値の一例を示す図である。
図37に示すように、修正部68Mは、色ごとに、中間転写ベルト39への一次転写の転写順が早いほど、より小さい値の修正色値を取得する。
【0322】
そして、修正部68Mは、画像形成に用いる色材の色の転写順ごとに取得した修正色値を用いて、転写順ごと(すなわち色ごと)に、補正テーブル70Bを修正する。
【0323】
詳細には、本実施の形態の修正部68Mは、色値特定部68Nと、特性生成部68Pと、色値修正部68Qと、を有する。
【0324】
修正部68Mは、C、M、Y、Kの色の各々の転写順に応じた修正色値を用いる点以外は、第2の実施の形態の色値特定部61Nと同様の処理を行う。すなわち、修正部68Mは、画像形成に用いる色材の色の各々の転写順ごとに、該色に対応する補正テーブル70Bから、該転写順の修正色値を示す出力色値に対応する、入力色値を特定する。
【0325】
特性生成部68Pは、修正特性71を特定する。本実施の形態では、特性生成部68Pは、C、M、Y、Kの色の各々の転写順ごとに、修正特性71を生成する以外は、第2の実施の形態の特性生成部61Pと同様の処理を行う。
【0326】
色値修正部68Qは、C、M、Y、Kの色の各々の転写順ごとに、各転写順に対応する修正色値を用いて、各色に対応する補正テーブル70Bを修正する点以外は、第2の実施の形態の色値修正部61Qと同様の処理を行う。
【0327】
このようにして、修正部68Mは、各色に対応する補正テーブル70Bを、各色の転写順に対応する修正色値を用いて、修正後の補正テーブル70Cに修正する。
【0328】
このため、γ補正部60Bは、C、M、Y、Kの各々の色の有色画像データ20(色画像データ20C、20M、20Y、20K)に対して、各色の色材の中間転写ベルト39への一次転写の転写順に対応する修正後の補正テーブル70Cを用いて、γ補正を行うことができる。
【0329】
ここで、C、M、Y、Kの各色の転写順に応じた修正色値を用いず、1つの値の修正色値(例えば、基準値)を用いた場合、修正後の補正テーブル70Cを用いてγ補正された有色画像データ20を用いて1パス印刷で形成された積層画像50のγ補正後測色値の飽和が改善されない場合があった。これは、転写順に拘らず1つの値の修正色値を用いた場合、色値が変化しても測定値の変化の小さい特性を示す、修正特性71が生成される場合があるためである。
【0330】
図38は、修正特性71の一例を示す模式図である。
図38(A)は、転写順“4”で一次転写する色に対応する、目標特性72と、実測特性74と、修正特性71と、を示す模式図である。
図38(B)は、転写順“1”で一次転写する色に対応する、目標特性72と、実測特性74と、修正特性71と、を示す模式図である。なお、
図38(A)および
図38(B)は、同じ修正色値“207”を用いて、修正特性71を生成した場合を示す図である。また、
図38(A)および
図38(B)は、同じ色の色材を用いた場合を示す図である。
【0331】
図38(A)に示すように、転写順に拘らず、同じ色について同じ修正色値を用いた場合、最も遅い転写順“4”である場合の修正特性71は、色値の変化に応じて測色値が単調増加する関係を示すものとなる。一方、
図38(B)に示すように、最も早い転写順“1”である場合の修正特性71は、色値の変化に拘らず測色値が略一定の関係を示すものとなる場合がある。一次転写の転写順が早いほど、中間転写ベルト39への転写性が低下する場合があると考えられる。このため、一次転写の転写順が早いほど、媒体40に二次転写される色材の量が少なくなり、上記結果が得られる場合があると考えられる。
【0332】
このため、転写順に拘らず同じ修正色値を用いた場合、最も早い転写順“1”で転写する色について、
図38(B)に示す修正特性71を用いて補正テーブル70Bを修正すると、形成された画像の測色値が最大色値の付近で飽和する事を、抑制することができない場合がある。
【0333】
そこで、本実施の形態では、上述したように、色値修正部68Qは、C、M、Y、Kの色の中間転写ベルト39への一次転写の転写順ごとに、転写順に対応する修正色値を用いて、各色に対応する補正テーブル70Bを修正する。このため、最も早い転写順“1”に対応する修正色値を用いて生成した修正特性71は、例えば、
図39に示すものとなる。
図39は、転写順“1”に対応する修正色値を用いて生成された、修正特性71の説明図である。
【0334】
図39に示すように、転写順“1”に対応する修正色値を用いて生成された修正特性71は、転写順“4”と同じ修正色値を用いて生成された修正特性71(
図38(B)参照)に比べて、色値の変化に応じて測色値が単調増加する関係を示すものとなる。
【0335】
このため、転写順に対応する修正色値を用いて、転写順の色ごとに修正特性71を生成し、該修正特性71を用いて転写順の色ごとに補正テーブル70Bを修正することで、更なる画質向上を図ることができる。
【0336】
以上説明したように、本実施の形態の情報処理装置11Dは、中間転写ベルト39(転写部材)に複数の画像を積層して一次転写した後に、画像の積層体を媒体40に二次転写する画像形成装置12(画像形成部)を制御する。そして、情報処理装置11Dの修正部68Mは、中間転写ベルト39(転写部材)への転写順が早いほど、基準値より小さい値の修正色値を用いて、転写順の色ごとに補正テーブル70Bを修正する。
【0337】
従って、本実施の形態の情報処理装置11Dは、特色画像52と有色画像54との積層画像50の、更なる画質向上を図ることができる。
【0338】
(第6の実施の形態)
上記第2の実施の形態では、1つの値の修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正する形態を説明した。本実施の形態では、記憶部63に記憶された修正色値を更新し、更新後の修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正する形態を説明する。
【0339】
図17は、本実施の形態の情報処理装置11Eの機能的構成を示すブロック図である。
【0340】
情報処理装置11Eは、制御部69と、UI部64と、記憶部63と、を備える。UI部64および記憶部63は、制御部69にデータや信号を授受可能に接続されている。
【0341】
UI部64は、第1の実施の形態と同様である。記憶部63は、第1の実施の形態の記憶部62と同様である。すなわち、記憶部63には、1つの値の修正色値が予め記憶されている。
【0342】
制御部69は、更新処理部61Fに代えて更新処理部69Fを備える点以外は、第2の実施の形態の制御部61と同様である。更新処理部69Fは、修正部61Mに代えて修正部69Mを備える点以外は、第2の実施の形態の更新処理部61Fと同様である。
【0343】
修正部69Mは、予め定めた条件を満たす場合に、記憶部63に記憶されている修正色値を更新し、更新後の修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正する。
【0344】
本実施の形態の修正部69Mは、色値特定部69Nと、特性生成部69Pと、色値修正部69Qと、を有する。色値特定部69N、特性生成部69P、および色値修正部69Qは、更新後の修正色値を用いる点以外は、上記第2の実施の形態の色値特定部61N、特性生成部61P、および色値修正部61Qと同様の処理を行う。
【0345】
詳細には、本実施の形態では、修正部69Mは、予め定めた修正色値が、実測特性74における最大色値の第2測色値を示す第1測色値に対応する、目標特性72における色値以上の場合、該修正色値を該色値未満に更新する。そして、修正部69Mは、更新後の修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正する。
【0346】
図40は、修正特性71の一例を示す模式図である。
図40は、予め定めた修正色値が“218”以上である場合の、目標特性72と、実測特性74と、を示す模式図である。
【0347】
色値“218”は、
図40に示す実測特性74における最大色値“255”の第2測色値“1.00”を示す第1測色値に対応する、目標特性72における色値“218”である。
【0348】
修正色値が、このような色値(
図40に示す例では色値“218”)以上である場合、色値の変化に拘らず測色値が略一定の関係を示すものとなる場合がある。このため、この場合、この修正色値を用いて補正テーブル70Bを修正すると、形成された画像の測色値が最大色値の付近で飽和する事を、抑制することができない場合がある。
【0349】
このため、修正色値は、実測特性74における最大色値の第2測色値を示す第1測色値に対応する、目標特性72における色値未満であることが好ましい。
【0350】
そこで、本実施の形態では、修正部69Mは、予め定めた修正色値が、実測特性74における最大色値の第2測色値を示す第1測色値に対応する、目標特性72における色値以上の場合、該修正色値を該色値未満に更新する。そして、修正部69Mは、更新後の修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正する。
【0351】
なお、修正色値は、実測特性74における最大色値の第2測色値を示す第1測色値に対応する、目標特性72における色値から、実測特性74の最大色値と該色値との差分を減算した、色値であることが好ましい。
【0352】
このため、修正部69Mは、予め定めた修正色値を、実測特性74における最大色値の第2測色値を示す第1測色値に対応する、目標特性72における色値から、実測特性74の最大色値と該色値との差分を減算した、色値に修正することが好ましい。
【0353】
図40に示す例の場合、修正部69Mは、色値“218”から、実測特性74の最大色値“255”と該色値“218”との差分“37”を減算した色値“181”に、修正色値を更新する。そして、更新した色値を用いて、修正部69Mは、補正テーブル70Bを修正する。
【0354】
このため、例えば、更新後の修正色値を用いて生成された修正特性71は、
図41に示すものとなる。
図41は、更新後の修正色値を用いて生成された、修正特性71の説明図である。
【0355】
図41に示すように、更新後の修正色値“181”を用いて生成された修正特性71は、更新前の修正色値(“218”以上の値)を用いて生成された修正特性71(
図40参照)に比べて、色値の変化に応じて測色値が単調増加する関係を示すものとなる。
【0356】
このため、更新後の修正色値を用いて修正特性71を生成し、該修正特性71を用いて補正テーブル70Bを修正することで、更なる画質向上を図ることができる。
【0357】
以上説明したように、本実施の形態の情報処理装置11Eの修正部69Mは、予め定めた修正色値が、実測特性74における最大色値の第2測色値を示す第1測色値に対応する、目標特性72における色値以上の場合、該修正色値を該色値未満に更新し、更新後の修正色値を用いて、補正テーブル70Bを修正する。
【0358】
従って、本実施の形態の情報処理装置11Eは、特色画像52と有色画像54との積層画像50の、更なる画質向上を図ることができる。
【0359】
また、修正色値は、実測特性74における最大色値の第2測色値を示す第1測色値に対応する、目標特性72における色値から、実測特性74の最大色値と該色値との差分を減算した、色値であることが更に好ましい。
【0360】
また、修正色値は、目標特性72における最大色値に対応する第1測色値と、実測特性74における最大色値に対応する第2測色値と、の差が大きいほど、小さい値であることが好ましい。
【0361】
(変形例2)
上記実施の形態では、画像形成装置12と、情報処理装置10、11、11A、11B、11D、11Eと、を別体として構成した形態を一例として示した。しかし、画像形成装置12と、情報処理装置10、11、11A、11B、11D、または11Eと、を一体的に構成してもよい。
【0362】
図42は、本変形例の画像形成装置15の一例を示す模式図である。画像形成装置15は、情報処理装置10、11、11A、11B、11C、11D、または11Eと、画像形成部13と、測色器14と、を含む。情報処理装置10、11、11A〜11Eは、上記実施の形態の情報処理装置10、11、11A〜11Eと同様である。画像形成部13は、上記実施の形態の画像形成装置12と同様である。測色器14は、上記実施の形態の測色器14と同様である。情報処理装置10、11、11A〜11Eと画像形成部13とは、データや信号を授受可能に接続されている。情報処理装置10、11、11A〜11Eと測色器14とは、データや信号を授受可能に接続されている。
【0363】
このように、画像形成装置15が、情報処理装置10、11、11A、11B、11C、11D、または11Eと、画像形成部13(画像形成装置12)と、測色器14と、を備えた構成であってもよい。
【0364】
なお、上記実施の形態では、測色器14が情報処理装置10、11、11A、11B、11C、11D、または11Eに接続された形態を一例として説明した。しかし、測色器14と画像形成装置12とを直接接続した構成としてもよい。
【0365】
なお、上記実施の形態および変形例の情報処理装置10、11、11A、11B、11C、11D、および11Eで実行される処理は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供される。
【0366】
また、上記実施の形態および変形例の情報処理装置10、11、11A、11B、11D、11Eで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施の形態および変形例の情報処理装置10、11、11A、11B、11D、11Eで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0367】
また、上記実施の形態および変形例の情報処理装置10、11、11A、11B、11D、11Eで実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0368】
なお、本発明は上記実施の形態および変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、種々の変形が可能である。