(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。本発明は、本実施形態に限定されない。
【0009】
まず、
図1を用いて、本実施形態の管理装置(サーバ)を含むシステムの構成例を説明する。システムは、例えば、
図1に示すように、サーバ10と、1以上のクライアント端末20とを備える。サーバ10と、クライアント端末20とは、インターネット等のネットワークを介して接続される。
【0010】
サーバ10は、危機対応に関する様々な情報を管理するサーバである。クライアント端末20は、例えば、危機対応を行う組織のメンバーにより利用される端末である。サーバ10は、例えば、クライアント端末20のログインを受け付けた後、当該クライアント端末20からの要求に応じて危機対応に関する様々な情報を送信したり、クライアント端末20から送信される危機対応に関する情報を記録したりする。
【0011】
ここでサーバ10は、例えば、クライアント端末20が、危機対応に関する情報のうち、どの情報(どのタスクの情報)を閲覧したかを、当該クライアント端末20のユーザ活動ログとして記録する。また、サーバ10は、クライアント端末20がログアウトするときの表示画面(例えば、
図2参照)のスクリーンショットも当該クライアント端末20のユーザ活動ログとして記録する。
【0012】
そして、クライアント端末20が、再度サーバ10にログインしたとき、サーバ10は、当該クライアント端末20のユーザ活動ログを参照し、当該クライアント端末20の前回のログアウト時の表示画面のスクリーンショットを表示する(
図3参照)。また、サーバ10は、当該クライアント端末20のユーザ活動ログに記録された閲覧済みのタスクの情報を参照して、当該クライアント端末20が閲覧可能なタスクの情報のうち、未読のタスクの情報(未読タスク)の情報を表示する(
図4参照)。
【0013】
このようなサーバ10によれば、危機対応を行う組織のメンバーは、前回のログアウトから、危機対応に関する状況がどのように変化したかを確認しやすくなる。その結果、例えば、危機対応に関し業務を引き継いだメンバーは、当該メンバーが不在の間に完了した業務等を把握しやすくなる。また、業務を引き継いだメンバーは、既に完了した業務に関連して発生した対応について参照すべき情報を探しやすくなる。
【0014】
引き続き
図1を用いて、サーバ10を詳細に説明する。サーバ10は、制御部11と、記憶部12とを備える。制御部11は、状況管理部111と、情報共有部112と、ユーザ活動ログ作成部(ログ作成部)113と、ユーザ活動ログ提供部114とを備える。
【0015】
状況管理部111は、危機対応の進捗状況を示す情報を管理する。例えば、状況管理部111は、危機対応に関する方針、現在のフェーズ、現在の状況、各組織の実施項目等を示す情報を管理する。一例を挙げると、状況管理部111は、記憶部12から、危機対応に関する方針、現在のフェーズ、現在の状況、各組織の実施項目等を示す情報を読み出すと、これらの情報を示す表示画面を、危機対応を行う組織のクライアント端末20に表示する(
図2参照)。なお、各組織の実施項目は、例えば、危機対応に関するタスクと関連付けられている。
【0016】
情報共有部112は、危機対応に関するタスクの情報を管理する。例えば、情報共有部112は、各組織が危機対応に関するタスクを実施するためのコミュニケーション手段を提供する。そして、情報共有部112は、危機対応に関するタスクごとに、当該タスクの開始から完了までのコミュニケーションの内容を、一連の関連するデータとして管理する。
【0017】
一例を挙げると、情報共有部112は、記憶部12に記憶された、危機管理に関するタスクID、当該タスクIDのタスクに関する組織内または組織間でのコミュニケーションデータ、当該コミュニケーションデータの送信元組織および送信先組織等の情報等を読み出すと、これらの情報を示す表示画面を各組織のクライアント端末20に表示する(
図4参照)。
【0018】
ユーザ活動ログ作成部113は、クライアント端末20が閲覧した1以上のタスクの情報の識別情報(タスクID)を当該クライアント端末20のユーザ活動ログとしてユーザ活動ログ蓄積部121(後記)に出力する。また、ユーザ活動ログ作成部113は、当該クライアント端末20のログアウト時における状況管理部111の表示情報(例えば、状況管理部111による当該クライアント端末20への表示画面のスクリーンショット)も当該クライアント端末20のユーザ活動ログとしてユーザ活動ログ蓄積部121(後記)に出力する。
【0019】
例えば、ユーザ活動ログ作成部113は、情報共有部112から、クライアント端末20が閲覧したタスクの情報のタスクIDを取得すると、取得したタスクIDを当該クライアント端末20のユーザIDと対応付けてユーザ活動ログ蓄積部121に出力する。なお、上記のタスクの情報がWebブラウザ等により表示される場合、上記のタスクIDとして、当該タスクの情報のURL等が用いられる。つまり、この場合、当該クライアント端末20が閲覧したタスクの情報は、当該クライアント端末20が閲覧したタスクの情報のURLが記録される。
【0020】
また、ユーザ活動ログ作成部113は、クライアント端末20のログアウト時における状況管理部111の状態を、状況管理部111の表示画面のスクリーンショット等で取得し、当該クライアント端末20のユーザIDと対応付けてユーザ活動ログ蓄積部121に出力する。
【0021】
ユーザ活動ログ提供部114は、例えば、クライアント端末20からの指示入力に基づき、ユーザ活動ログ蓄積部121から、当該クライアント端末20のユーザ活動ログを取得する。一例を挙げると、ユーザ活動ログ提供部114は、クライアント端末20によりシステムの画面上の「ユーザ活動ログ取得」を示すボタン(
図3参照)の選択入力が行われたことを検知すると、ユーザ活動ログ蓄積部121から、当該クライアント端末20のユーザ活動ログを取得する。
【0022】
そして、ユーザ活動ログ提供部114は、取得した当該クライアント端末20のユーザ活動ログに含まれるタスクIDを情報共有部112に出力する。また、ユーザ活動ログ提供部114は、取得した当該クライアント端末20のユーザ活動ログに含まれる、当該クライアント端末20の前回のログアウト時における状況管理部111の状態(例えば、状況管理部111の表示画面のスクリーンショット)を状況管理部111に出力する。
【0023】
そして、情報共有部112は、ユーザ活動ログ提供部114により出力されたタスクIDを参照して、当該クライアント端末20が閲覧可能なタスクの情報のうち、当該タスクIDの示すタスク情報以外のタスクの情報を、未読タスクとして表示する(
図4参照)。このようにすることで、当該クライアント端末20のユーザは、
図4に示すタスクID「1」〜「3」のタスクの情報のうち、タスクID「3」のタスクの情報については、まだ閲覧していない(未読)であることを確認することができる。
【0024】
また、状況管理部111は、現在のシステムの表示画面とともに、ユーザ活動ログ提供部114により出力された、当該クライアント端末20の前回のログアウト時における状況管理部111の表示画面のスクリーンショットを表示する(
図3参照)。このようにすることで、当該クライアント端末20のユーザは、前回のログアウトから、例えば、危機対応に関する方針、現在のフェーズ、現在の状況、各組織の実施項目等がどのように変化したかを確認することができる。
【0025】
記憶部12は、ユーザ活動ログ蓄積部121を備える。ユーザ活動ログ蓄積部121は、ユーザ活動ログ作成部113により出力されたユーザ活動ログを蓄積する。また、
図1において図示を省略しているが、記憶部12は、情報共有部112および状況管理部111が参照する種々の情報を記憶する。
【0026】
次に、サーバ10の処理手順の例を説明する。まず、
図5を用いてサーバ10によるユーザ活動ログの蓄積手順の例を説明する。
【0027】
まず、サーバ10の情報共有部112は、クライアント端末20が閲覧したタスクの情報のタスクIDをユーザ活動ログ作成部113に出力する(S1:ユーザが閲覧したタスクID出力)。次に、ユーザ活動ログ作成部113は、上記のタスクの情報を閲覧したクライアント端末20のユーザIDと、S1で出力されたタスクIDとを対応付けた情報を当該クライアント端末20のユーザ活動ログとしてユーザ活動ログ蓄積部121へ出力する(S2)。
【0028】
また、ユーザ活動ログ作成部113は、クライアント端末20のログアウトを検知すると(ユーザログアウト時)、状況管理部111に対し、状況管理部111が当該クライアント端末20に表示していた方針(危機対応に関する方針)、フェーズ(現在のフェーズ)、状況(現在の状況)、組織実施項目(各組織の実施項目)の出力依頼を行う(S3)。そして、ユーザ活動ログ作成部113は、状況管理部111から出力された、当該クライアント端末20に表示していた方針、フェーズ、状況、組織実施項目を受け取ると(S4)、これらの情報を示す表示画面のスクリーンショットを作成し、当該クライアント端末20のユーザ活動ログとしてユーザ活動ログ蓄積部121へ出力する(S5)。なお、このユーザ活動ログにも、S1で出力されたクライアント端末20のユーザIDを付与する。
【0029】
このようにすることでサーバ10のユーザ活動ログ蓄積部121は、各クライアント端末20のユーザ活動ログを蓄積する。
【0030】
次に、
図6を用いてサーバ10によるユーザ活動ログの提供手順の例を説明する。
【0031】
まず、サーバ10の状況管理部111が、クライアント端末20により表示画面上のユーザ活動ログ取得ボタン(
図2参照)の選択入力が行われたことを検知すると(S11)、ユーザ活動ログ提供部114は、状況管理部111から当該クライアント端末20のユーザIDを取得する(S12)。そして、ユーザ活動ログ提供部114は、ユーザ活動ログ蓄積部121に、S12で取得したユーザIDをユーザ活動ログの検索キーとして出力する(S13:検索キー(ユーザID)出力)。その後、ユーザ活動ログ蓄積部121は、S13で出力されたユーザIDを検索キーとして、当該クライアント端末20のユーザ活動ログを検索し、その検索結果(ユーザ活動ログ)をユーザ活動ログ提供部114へ出力する(S14)。
【0032】
ユーザ活動ログ提供部114は、ユーザ活動ログ蓄積部121から当該クライアント端末20のユーザ活動ログ(タスクIDリストおよびスクリーンショット)を取得すると(S15)、当該ユーザ活動ログに含まれるタスクIDリストを情報共有部112へ出力する(S16)。また、ユーザ活動ログ提供部114は、当該ユーザ活動ログに含まれるスクリーンショットを状況管理部111へ出力する(S18)。
【0033】
S16の後、情報共有部112は、S16で出力されたタスクIDリストを参照して、当該クライアント端末20が閲覧可能なタスクの情報のうち、当該タスクIDリストの示すタスクの情報以外のタスクの情報を、未読タスクとして表示する(S17)。例えば、情報共有部112は、
図4に示すように、クライアント端末20が閲覧可能なタスクの情報(タスクID「1」〜「3」)のうち、未読タスクをカラーリングして表示する。
【0034】
また、S18の後、状況管理部111は、別画面で、S18で出力されたスクリーンショットを表示する(S19)。例えば、状況管理部111は、
図3に示すように、現在当該クライアント端末20へ表示している画面とは別画面で、S18で出力されたログアウト時の表示画面のスクリーンショットを表示する。
【0035】
このようなサーバ10によれば、危機対応を行う組織のメンバーは、前回のログアウトから、危機対応に関する状況がどのように変化したかを確認しやすくなる。その結果、例えば、危機対応に関する業務を引き継いだメンバーは、当該メンバーが不在の間に完了した業務等を把握しやすくなる。また、業務を引き継いだメンバーは、既に完了した業務に関連して発生した対応について参照すべき情報を探しやすくなる。
【0036】
[プログラム]
また、上記の実施形態で述べたサーバ10の機能を実現するプログラムを所望の情報処理装置(コンピュータ)にインストールすることによって実装できる。例えば、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして提供される上記のプログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置をサーバ10として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータが含まれる。また、その他にも、情報処理装置にはスマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistant)等がその範疇に含まれる。また、サーバ10を、クラウドサーバに実装してもよい。
【0037】
図7を用いて、上記のプログラム(管理プログラム)を実行するコンピュータの一例を説明する。
図7に示すように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0038】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011およびRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。ディスクドライブ1100には、例えば、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が挿入される。シリアルポートインタフェース1050には、例えば、マウス1110およびキーボード1120が接続される。ビデオアダプタ1060には、例えば、ディスプレイ1130が接続される。
【0039】
ここで、
図7に示すように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094を記憶する。前記した実施形態で説明した各種データや情報は、例えばハードディスクドライブ1090やメモリ1010に記憶される。
【0040】
そして、CPU1020が、ハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した各手順を実行する。
【0041】
なお、上記の管理プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば、着脱可能な記憶媒体に記憶されて、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、上記のプログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。