(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーと平滑キャパシタとが相互絶縁した状態で、バッテリーのエネルギーを用いて平滑キャパシタをプレチャージする電源回路、バッテリー管理システム及びバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、バッテリーと平滑キャパシタとが相互絶縁した状態で、平滑キャパシタのエネルギーを用いてバッテリーを充電する電源回路、バッテリー管理システム及びバッテリーパックを提供することを他の目的とする。
【0011】
本発明の他の目的及び長所は、下記する説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一面によるバッテリーと平滑キャパシタとの間のエネルギー伝達のための電源回路は、第1巻線及び第1巻線と磁気的に結合する第2巻線を含むトランスフォーマーと、第1巻線に直列接続する第1スイッチを含み、第1巻線と共にバッテリーに並列接続する第1スイッチング回路と、第2巻線に直列接続する第2スイッチを含み、第2巻線と共に平滑キャパシタに並列接続する第2スイッチング回路と、第1スイッチング回路及び第2スイッチング回路に含まれた各スイッチを独立的に制御するように構成されたスイッチコントローラと、を含む。スイッチコントローラは、バッテリーのエネルギーを用いて平滑キャパシタをプレチャージするための第1制御モードで、第1スイッチをターンオンし、かつ第2スイッチをターンオフする第1動作を実行した後、第1スイッチをターンオフし、かつ第2スイッチをターンオンする第2動作を実行するように構成される。
【0013】
第1巻線に対する第2巻線の巻線比は、0より大きくかつ1以下であり得る。
【0014】
スイッチコントローラは、平滑キャパシタのエネルギーを用いてバッテリーを充電するための第2制御モードで、第1スイッチをターンオフし、かつ第2スイッチをターンオンする第3動作を実行した後、第1スイッチをターンオンし、かつ第2スイッチをターンオフする第4動作を実行するように構成され得る。
【0015】
トランスフォーマーは、第1巻線に直列接続する第3巻線をさらに含み得る。第3巻線は、第2巻線と磁気的に結合し得る。
【0016】
第1スイッチング回路は、第3巻線に直列接続する第3スイッチと、第3巻線及び第3スイッチに並列接続する第4スイッチと、をさらに含み得る。
【0017】
第3巻線に対する第2巻線の巻線比は、0より大きく、かつ1以下であり得る。
【0018】
スイッチコントローラは、第1動作を実行するとき、第3スイッチをターンオフし、かつ第4スイッチをターンオンし得る。スイッチコントローラは、第2動作を実行するとき、第3スイッチをターンオフし、かつ第4スイッチをターンオフするように構成され得る。
【0019】
スイッチングコントローラは、第3動作を実行するとき、第3スイッチをターンオフし、かつ第4スイッチをターンオフし得る。スイッチングコントローラは、第4動作を実行するとき、第3スイッチをターンオンし、かつ第4スイッチをターンオフするように構成され得る。
【0020】
トランスフォーマーは、第2巻線に直列接続する第4巻線をさらに含み得る。第4巻線は、第1巻線と磁気的に結合し得る。第2スイッチング回路は、第4巻線に直列接続する第5スイッチと、第4巻線及び第5スイッチに並列接続する第6スイッチと、をさらに含み得る。
【0021】
スイッチコントローラは、第1動作を実行するとき、第5スイッチをターンオフし、かつ第6スイッチをターンオフするように構成され得る。スイッチコントローラは、第2動作を実行するとき、第5スイッチをターンオンし、かつ第6スイッチをターンオフするように構成され得る。
【0022】
スイッチコントローラは、第3動作を実行するとき、第5スイッチをターンオフし、かつ第6スイッチをターンオンするように構成され得る。スイッチコントローラは、第4動作を実行するとき、第5スイッチをターンオフし、かつ第6スイッチをターンオフするように構成され得る。
【0023】
第1スイッチング回路及び第2スイッチ回路に含まれた各スイッチは、電界効果トランジスターであり得る。
【0024】
本発明の他面によるバッテリー管理システムは、電源回路を含み得る。
【0025】
本発明のさらに他面によるバッテリーパックは、バッテリー管理システムを含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施例の少なくとも一つによれば、バッテリーと平滑キャパシタとが相互絶縁した状態で、バッテリーのエネルギーを用いて平滑キャパシタをプレチャージすることができる。
【0027】
また、本発明の実施例の少なくとも一つによれば、バッテリーと平滑キャパシタとが相互絶縁した状態で、平滑キャパシタのエネルギーを用いてバッテリーを充電することができる。
【0028】
なお、本発明の効果は前述の効果に制限されず、言及していないさらに他の効果は、請求範囲の記載から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【0029】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0032】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0033】
また、本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨をぼやかすと判断される場合、その説明を省略する。
【0034】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちいずれか一つを残りと区別する目的として使用され、このような用語によって構成要素が限定されることではない。
【0035】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載の「制御ユニット」のような用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を示し、これはハードウェアやソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの結合せにより具現され得る。
【0036】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に連結(接続)」されている場合も含む。
【0037】
図1は、本発明の一実施例による電動装置の構成を例示的に示した図である。
【0038】
図1を参照すれば、
図1を参照すれば、電動装置1は、メインコントローラ2、バッテリーパック10及び電気負荷40を含む。例えば、電動装置1は、電気自動車であり得、この場合、メインコントローラ2を車両コントローラと称し得る。後述するモータコントローラ44及びスイッチコントローラ500は、メインコントローラ2からの命令に応じて動作し得る。モータコントローラ44、スイッチコントローラ500及びメインコントローラ2は、例えば、CAN(controller area network)によって相互間の通信を行い得る。モータコントローラ44及びスイッチコントローラ500の各々は、メインコントローラ2からの起動命令に応じて活性化し得る。
【0039】
電気負荷40は、バッテリーパック10からDC電力の供給を受けるか、またはバッテリーパック10にDC電力を供給するように構成される。電気負荷40は、平滑キャパシタ41、インバータ42、モータ43及びモータコントローラ44を含み得る。平滑キャパシタ41は、バッテリーパック10の第1パック端子P+と第2パック端子P−との間に並列接続し、DC電力の急激な変動を抑制する。インバータ42は、バッテリーパック10から供給されるDC電力をAC電力に変換してモータ43に提供する。モータ43は、インバータ42から提供されるAC電力を用いて動作する。
【0040】
バッテリーパック10は、バッテリー20、第1メインコンタクター31及びバッテリー管理システム100を含む。バッテリーパック10は、第2メインコンタクター32をさらに含み得る。
【0041】
バッテリー20は、少なくとも一つのバッテリーセル21を含む。各バッテリーセル21は、例えば、リチウムイオンバッテリー20であり得る。勿論、バッテリーセル21の種類がリチウムイオンバッテリー20に限定されることではなく、反復的に充放電が可能なものであれば、特に限定されない。複数のバッテリーセル21がバッテリー20に含まれる場合、複数のバッテリーセル21は、直列または直・並列に接続し得る。
【0042】
第1メインコンタクター31は、バッテリーパック10と電気負荷40との間の低電圧ラインLLに設けられる。第2メインコンタクター32は、バッテリーパック10と電気負荷40との間の高電圧ラインHLに設けられる。第1メインコンタクター31及び第2メインコンタクター32の各々は、単安定タイプまたは双安定タイプであり得る。図示したように、第1メインコンタクター31の一端がバッテリー20の正極端子に接続し、第1メインコンタクター31の他端が電気負荷40に接続し得る。第2メインコンタクター32の一端がバッテリー20の負極端子に接続し、第2メインコンタクター32の他端が電気負荷40に接続し得る。第1メインコンタクター31と第2メインコンタクター32の各々は、バッテリー管理システム100が出力するスイッチング信号に応じて、開放制御状態または短絡制御状態に制御され得る。
【0043】
バッテリー管理システム100は、第1メインコンタクター31、第2メインコンタクター32及び/またはメインコントローラ2に動作可能に結合する。バッテリー管理システム100は、電圧測定部110、電流測定部120、温度測定部130、制御部140及び電源回路200を含む。
【0044】
電圧測定部110は、バッテリー20に含まれた各バッテリーセル21の端子電圧を測定するように構成される。また、電圧測定部110は、バッテリー20の端子電圧を測定し得る。電圧測定部110は、バッテリー20及び/またはバッテリーセル21の端子電圧を示す電圧信号を周期的にまたは制御部140の要請に応じて制御部140に伝送し得る。
【0045】
電流測定部120は、バッテリーパック10の高電圧ラインHLまたは低電圧ラインLLに設けられ、バッテリー20を通して流れる電流を測定するように構成される。電流測定部120は、バッテリー20を通して流れる電流を示す電流信号を周期的にまたは制御部140の要請に応じて制御部140に伝送し得る。
【0046】
温度測定部130は、バッテリー20の温度を測定するように構成される。温度測定部130は、バッテリー20の温度を示す温度信号を周期的にまたは制御部140の要請に応じて制御部140に伝送し得る。
【0047】
制御部140は、電圧測定部110、電流測定部120、温度測定部130及びメインコントローラ2に動作可能に結合する。制御部140は、ハードウェア的にASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、マイクロプロセッサー(microprocessors)、その他の機能遂行のための電気的ユニットのうち少なくとも一つを用いて具現され得る。制御部140には、メモリーデバイスが内蔵され得、メモリーデバイスとしては、例えば、RAM、ROM、レジスター、ハードディスク、光記録媒体または磁気記録媒体を用い得る。メモリーデバイスは、スイッチコントローラ500によって実行される各種制御ロジッグを含むプログラム、及び/または制御ロジッグが実行されるときに発生するデータを保存、更新及び/または消去し得る。
【0048】
制御部140は、電圧信号、電流信号及び/または温度信号に基づき、各バッテリーセル21の状態(例えば、State−of−Charge、State−of−Health、過充電、過放電、過熱など)をモニターする。また、制御部140は、モニターされた各バッテリーセル21の状態を示す通知信号をメインコントローラ2に伝送し得る。
【0049】
制御部140は、メインコントローラ2からの動作開始信号を電源回路200に伝達する。例えば、メインコントローラ2は、電動装置1の電源ボタンが押されれば、動作開始信号を制御部140に伝送し得る。また、制御部140は、メインコントローラ2からの動作停止信号を電源回路200に伝送する。例えば、メインコントローラ2は、電動装置1の電源ボタンが解除されれば、動作停止信号を制御部140に伝送し得る。
【0050】
電源回路200は、動作開始信号に応じて、第1制御モードを実行するように構成される。電源回路は、動作停止信号に応じて、第2制御モードを実行し得る。以下、
図2〜
図16を参照して、本発明の実施例による電源回路200についてより詳しく説明する。
【0051】
図2は、本発明の一実施例による電源回路の構成を例示的に示す図であり、
図3及び
図4は、
図2の電源回路が平滑キャパシタ41をプレチャージする第1制御モードに関わる第1動作及び第2動作を説明するために参照される図であり、
図5及び
図6は、
図2の電源回路がバッテリー20を充電する第2制御モードに関わる第3動作及び第4動作を説明するために参照される図である。
【0052】
図2を参照すれば、電源回路200は、トランスフォーマー300、第1スイッチング回路410、第2スイッチング回路420及びスイッチコントローラ500を含む。
【0053】
トランスフォーマー300は、第1巻線310及び第2巻線320を含む。第2巻線320は、第1巻線310と磁気的に結合する。第1巻線310から第2巻線320へエネルギーが伝達される場合、第1巻線310が一次巻線(primary winding)になり、第2巻線320は二次巻線(secondary winding)になる。逆に、第2巻線320から第1巻線310へエネルギーが伝達される場合、第2巻線320が一次巻線になり、第1巻線310は二次巻線になる。第1巻線310の巻回数(number of turn)がaであるとすれば、第2巻線320の巻回数はbであり得る。a:b=1:N
1であり、N
1は0より大きく、かつ1以下(例えば、0.98)であり得る。
【0054】
第1スイッチング回路410は、第1スイッチS1を含む。第1スイッチS1は、第1巻線310に直列接続する。第1スイッチング回路410は、バッテリー20に並列接続する。即ち、第1スイッチS1は、第1巻線310と共にバッテリー20に並列接続する。第1スイッチS1がターンオンされれば、バッテリー20に貯蔵されたエネルギーが第1巻線310に伝達されるか、または第1巻線310に貯蔵されたエネルギーがバッテリー20に伝達される。
【0055】
第2スイッチング回路420は、第2スイッチS2を含む。第2スイッチS2は、第2巻線320に直列接続する。第2スイッチング回路420は、平滑キャパシタ41に並列接続する。即ち、第2スイッチS2は、第2巻線320と共に平滑キャパシタ41に並列接続する。第2スイッチS2がターンオンされれば、第2巻線320に貯蔵されたエネルギーが平滑キャパシタ41に伝達されるか、または平滑キャパシタ41に貯蔵されたエネルギーが第2巻線320に伝達される。
【0056】
スイッチコントローラ500は、電圧測定部110と、電流測定部120と、第1メインコンタクター31と、第2メインコンタクター32と、第1スイッチング回路410及び第2スイッチング回路420に含まれた各スイッチ及び/またはメインコントローラ2と、に動作可能に結合する。スイッチコントローラ500は、制御部140と同様に、ハードウェア的にASICs、DSPs、DSPDs、PLDs、FPGAs、マイクロプロセッサー、その他の機能の遂行のための電気的ユニットの少なくとも一つを用いて具現され得る。
【0057】
スイッチコントローラ500は、第1メインコンタクター31と、第2メインコンタクター32と、第1スイッチング回路410及び第2スイッチング回路420に含まれた各スイッチと、を独立的に制御するように構成される。
【0058】
スイッチコントローラ500は、動作開始信号に応じて第1メインコンタクター31をターンオンした後、第2メインコンタクター32がターンオフされた状態で第1制御モードに進入する。第1制御モードとは、バッテリー20のエネルギーを用いて平滑キャパシタ41をプレチャージするためのモードである。スイッチコントローラ500は、第1制御モードが終了すれば(即ち、平滑キャパシタ41がプレチャージされれば)、第2メインコンタクター32をターンオンする。
【0059】
スイッチコントローラ500は、動作停止信号に応じて第1メインコンタクター31及び第2メインコンタクター32の少なくとも一つをターンオフした後、第2制御モードに進入する。第2制御モードとは、平滑キャパシタ41のエネルギーを用いてバッテリー20を充電するためのモードである。
【0060】
<第1制御モード>
スイッチコントローラ500は、第1制御モードで第1動作及び第2動作を順次実行する。
図3を参照すれば、第1動作とは、第1スイッチS1をターンオンし、かつ第2スイッチS2をターンオフする動作である。第1スイッチS1がターンオンされれば、バッテリー20からの放電電流I1が第1スイッチS1及び第1巻線310を通して流れながら、バッテリー20のエネルギーが第1巻線310に伝達される。これによって、第1動作が開始されたときから第2動作が開始されるまで、第1巻線310にエネルギーが蓄積される。
図4を参照すれば、第2動作とは、第1スイッチS1をターンオフし、かつ第2スイッチS2をターンオンする動作である。第1動作によって第1巻線310にエネルギーが蓄積された状態で第1スイッチS1がターンオフされ、かつ第2スイッチS2がターンオンされれば、第1巻線310に蓄積されたエネルギーが第1巻線310に磁気的に結合した第2巻線320に伝達される。これによって、次第に減少する電流I2が第2スイッチS2、第2巻線320及び平滑キャパシタ41を通して流れながら、平滑キャパシタ41がプレチャージされる。
【0061】
第1スイッチS1及び第2スイッチS2は、パルス信号(例えば、PWM信号)が、ハイ状態(例えば、3V)を有するときにターンオンされ、ロー状態(例えば、0V)を有するときにターンオフされる電界効果トランジスター(FET:Field Effect Transistor)であり得る。スイッチコントローラ500は、第1制御モードで、第1スイッチS1に所定のデューティー比の第1パルス信号を出力し、第2スイッチS2に第1パルス信号の位相と逆位相を有する第2パルス信号を出力することで、第1動作及び第2動作を具現できる。第1制御モードで、第1スイッチS1のスイッチングオン期間は、第2スイッチS2のスイッチングオフ期間になり、第1スイッチS1のスイッチングオフ期間は、第2スイッチS2のスイッチングオン期間になる。第1動作及び第2動作は一セットになり、予め決められた回数で繰り返され得る。
【0062】
<第2制御モード>
スイッチコントローラ500は、第2制御モードで第3動作及び第4動作を順次実行する。
図5を参照すれば、第3動作とは、第1スイッチS1をターンオフし、かつ第2スイッチS2をターンオンする動作である。第2スイッチS2がターンオンされれば、平滑キャパシタ41からの放電電流I3が第2スイッチS2及び第2巻線320を通して流れながら、平滑キャパシタ41のエネルギーが第2巻線320に伝達される。第3動作が開始されたときから第4動作が開始されるまで第2巻線320にエネルギーが蓄積される。
【0063】
図6を参照すれば、第4動作とは、第2スイッチS2をターンオフし、かつ第1スイッチS1をターンオンする動作である。第2巻線320にエネルギーが蓄積された状態で第2スイッチS2がターンオフされ、かつ第1スイッチS1がターンオンされれば、第2巻線320に蓄積されたエネルギーが第2巻線320に磁気的に結合した第1巻線310に伝達される。これによって、次第に減少する電流I4が第1スイッチS1、第1巻線310及びバッテリー20を通して流れながらバッテリー20が充電される。
【0064】
スイッチコントローラ500は、第2制御モードで、第1スイッチS1に所定のデューティー比の第3パルス信号を出力し、第2スイッチS2に第3パルス信号の位相と逆位相を有する第4パルス信号を出力することで、第3動作及び第4動作を具現できる。第2制御モードで、第1スイッチS1のスイッチングオン期間は、第2スイッチS2のスイッチングオフ期間になり、第1スイッチS1のスイッチングオフ期間は第2スイッチS2のスイッチングオン期間になる。第3動作及び第4動作は一セットになり、予め決められた回数で繰り返され得る。
【0065】
図7は、本発明の他の実施例による電源回路の構成を例示的に示す図であり、
図8及び
図9は、
図7の電源回路が平滑キャパシタ41をプレチャージする第1制御モードに関わる第1動作及び第2動作を説明するために参照される図である。
図10及び
図11は、
図7の電源回路がバッテリー20を充電する第2制御モードに関わる第3動作及び第4動作を説明するために参照される図である。
【0066】
図7を参照すれば、電源回路200は、トランスフォーマー300、第1スイッチング回路410、第2スイッチング回路420及びスイッチコントローラ500を含む。
【0067】
トランスフォーマー300は、第1巻線310、第2巻線320及び第3巻線330を含む。第3巻線330は、第1巻線310に直列接続する。第2巻線320は、第1巻線310及び第3巻線330と磁気的に結合する。第1巻線310及び第3巻線330の少なくとも一つから第2巻線320にエネルギーが伝達される場合、第1巻線310及び第3巻線330が一次巻線になり、第2巻線320は二次巻線になる。逆に、第2巻線320から第1巻線310及び第3巻線330の少なくとも一つにエネルギーが伝達される場合、第2巻線320が一次巻線になり、第1巻線310及び第3巻線330は二次巻線になる。第1巻線310の巻回数がaであり、第2巻線320の巻回数はbであり得る。この場合、a:b=1:N
1であり、N
1は0より大きく、かつ1以下(例えば、0.98)であり得る。第3巻線330の巻回数はcであり得る。この場合、c:b=1:N
2であり、N
2は0より大きく、かつ1以下であり得る。
【0068】
第1スイッチング回路410は、第1スイッチS1、第3スイッチS3及び第4スイッチS4を含む。第1スイッチS1は、第1巻線310に直列接続する。第3スイッチS3は、第3巻線330に直列接続する。第4スイッチS4は、第3巻線330及び第3スイッチS3に並列接続する。第1スイッチング回路410は、バッテリー20に並列接続する。
【0069】
第2スイッチング回路420は、第2スイッチS2を含む。第2スイッチS2は、第2巻線320に直列接続する。第2スイッチング回路420は、平滑キャパシタ41に並列接続する。即ち、第2スイッチS2は、第2巻線320と共に平滑キャパシタ41に並列接続する。第2スイッチS2がターンオンされれば、第2巻線320に貯蔵されたエネルギーが平滑キャパシタ41に伝達されるか、または平滑キャパシタ41に貯蔵されたエネルギーが第2巻線320に伝達される。
【0070】
<第1制御モード>
スイッチコントローラ500は、第1制御モードで第1動作及び第2動作を順次実行する。
図8を参照すれば、第1動作とは、第1スイッチS1及び第4スイッチS4をターンオンし、かつ第2スイッチS2及び第3スイッチS3をターンオフする動作である。第1スイッチS1及び第4スイッチS4がターンオンされれば、バッテリー20からの放電電流I11が第1スイッチS1、第4スイッチS4及び第1巻線310を通して流れながら、バッテリー20のエネルギーが第1巻線310に伝達される。これによって、第1動作が開始されたときから第2動作が開始されるまで第1巻線310にエネルギーが蓄積される。
【0071】
図9を参照すれば、第2動作とは、第1スイッチS1、第3スイッチS3及び第4スイッチS4をターンオフし、かつ第2スイッチS2をターンオンする動作である。第1スイッチS1、第3スイッチS3及び第4スイッチS4がターンオフされ、かつ第2スイッチS2がターンオンされれば、第1巻線310に蓄積されたエネルギーが第1巻線310に磁気的に結合した第2巻線320に伝達される。これによって、電流I2が第2スイッチS2、第2巻線320及び平滑キャパシタ41を通して流れながら平滑キャパシタ41がプレチャージされる。
【0072】
第3スイッチS3及び第4スイッチS4は、第1スイッチS1と同様に、パルス信号がハイ状態(例えば、3V)を有するときにターンオンされ、ロー状態(例えば、0V)を有するときにターンオフされる電界効果トランジスターであり得る。
【0073】
スイッチコントローラ500は、第1制御モードで、第1スイッチS1及び第4スイッチS4に所定のデューティー比の第1パルス信号を出力し、第2スイッチS2に第1パルス信号の位相と逆位相を有する第2パルス信号を出力することで、第1動作及び第2動作を具現できる。第3スイッチS3は、第1制御モードで、ターンオフ状態に維持され得る。第1制御モードで、第1スイッチS1及び第4スイッチS4のスイッチングオン期間は、第2スイッチS2のスイッチングオフ期間になり、第1スイッチS1及び第4スイッチS4のスイッチングオフ期間は、第2スイッチS2のスイッチングオン期間になる。第1動作及び第2動作は一セットになり、予め決められた回数で繰り返され得る。
【0074】
<第2制御モード>
スイッチコントローラ500は、第2制御モードで、第3動作及び第4動作を順次実行する。
図10を参照すれば、第3動作とは、第1スイッチS1、第3スイッチS3及び第4スイッチS4をターンオフし、かつ第2スイッチS2をターンオンする動作である。第2スイッチS2がターンオンされれば、平滑キャパシタ41からの放電電流I13が第2スイッチS2及び第2巻線320を通して流れながら平滑キャパシタ41のエネルギーが第2巻線320に伝達される。これによって、第3動作が開始されたときから第4動作が開始されるまで第2巻線320にエネルギーが蓄積される。
【0075】
図11を参照すれば、第4動作とは、第2スイッチS2及び第4スイッチS4をターンオフし、かつ第1スイッチS1及び第3スイッチS3をターンオンする動作である。第2スイッチS2及び第4スイッチS4がターンオフされ、かつ第1スイッチS1及び第3スイッチS3がターンオンされれば、第2巻線320に蓄積されたエネルギーが第2巻線320に磁気的に結合した第1巻線310及び第3巻線330に伝達される。これによって、次第に減少する電流が、第1スイッチS1、第3スイッチS3、第1巻線310、第3巻線330、バッテリー20を通して流れながらバッテリー20が充電される。
【0076】
スイッチコントローラ500は、第2制御モードで、第1スイッチS1及び第3スイッチS3に所定のデューティー比の第3パルス信号を出力し、第2スイッチS2に第3パルス信号の位相と逆位相を有する第4パルス信号を出力することで、第3動作及び第4動作を具現できる。第4スイッチS4は、第2制御モードで、ターンオフ状態に維持され得る。第2制御モードで、第1スイッチS1及び第3スイッチS3のスイッチングオン期間は、第2スイッチS2のスイッチングオフ期間になり、第1スイッチS1及び第3スイッチS3のスイッチングオフ期間は、第2スイッチS2のスイッチングオン期間になる。第3動作及び第4動作は一セットになり、予め決められた回数で繰り返され得る。
【0077】
図12は、本発明のさらに他の実施例による電源回路の構成を例示的に示す図であり、
図13及び
図14は、
図12の電源回路が平滑キャパシタ41をプレチャージする第1制御モードに関わる第1動作及び第2動作を説明するために参照される図であり、
図15及び
図16は、
図12の電源回路がバッテリー20を充電する第2制御モードに関わる第3動作及び第4動作を説明するために参照される図である。
【0078】
図12を参照すれば、電源回路200は、トランスフォーマー300、第1スイッチング回路410、第2スイッチング回路420及びスイッチコントローラ500を含む。
【0079】
トランスフォーマー300は、第1巻線310、第2巻線320及び第4巻線340を含む。第4巻線340は、第2巻線320に直列接続する。第2巻線320及び第4巻線340は、第1巻線310と磁気的に結合する。第1巻線310から第2巻線320及び第4巻線340の少なくとも一つにエネルギーが伝達される場合、第1巻線310が一次巻線(primary winding)になり、第2巻線320及び第4巻線340は二次巻線(secondary winding)になる。逆に、第2巻線320及び第4巻線340の少なくとも一つから第1巻線310にエネルギーが伝達される場合、第2巻線320及び第4巻線340が一次巻線になり、第1巻線310は二次巻線になる。第1巻線310の巻回数がaであり、第2巻線320の巻回がbであり、第4巻線340の巻回数がdである。この場合、a:(b+d)=1:N
3であり、N3は0より大きく、かつ1以下であり得る。
第1スイッチング回路410は、第1スイッチS1を含む。第1スイッチS1は、第1巻線310に直列接続する。第1スイッチング回路410は、バッテリー20に並列接続する。即ち、第1スイッチS1は、第1巻線310と共にバッテリー20に並列接続する。第1スイッチS1がターンオンされれば、バッテリー20に貯蔵されたエネルギーが第1巻線310に伝達されるか、または第1巻線310に貯蔵されたエネルギーがバッテリー20に伝達される。
【0080】
第2スイッチング回路420は、第2スイッチS2、第5スイッチS5及び第6スイッチS6を含む。第2スイッチS2は、第2巻線320に直列接続する。第5スイッチS5は、第4巻線340に直列接続する。第6スイッチS6は、第4巻線340及び第5スイッチS5に並列接続する。第2スイッチング回路420は、平滑キャパシタ41に並列接続する。即ち、第2スイッチS2、第5スイッチS5及び第6スイッチS6は、第2巻線320と共に平滑キャパシタ41に並列接続する。
【0081】
<第1制御モード>
スイッチコントローラ500は、第1制御モードで第1動作及び第2動作を順次実行する。
図13を参照すれば、第1動作とは、第1スイッチS1をターンオンし、かつ第2スイッチS2、第5スイッチS5及び第6スイッチS6をターンオフする動作である。第1スイッチS1がターンオンされれば、バッテリー20からの放電電流I21が第1スイッチS1及び第1巻線310を通して流れながら、バッテリー20のエネルギーが第1巻線310に伝達される。これによって、第1動作が開始されたときから第2動作が開始されるまで第1巻線310にエネルギーが蓄積される。
【0082】
図14を参照すれば、第2動作とは、第1スイッチS1及び第6スイッチS6をターンオフし、かつ第2スイッチS2及び第5スイッチS5をターンオンする動作である。第1スイッチS1及び第6スイッチS6がターンオフされ、かつ第2スイッチS2及び第5スイッチS5がターンオンされれば、第1巻線310に蓄積されたエネルギーが第1巻線310に磁気的に結合した第2巻線320及び第4巻線34に伝達される。これによって、電流I22が第2スイッチS2、第5スイッチS5、第2巻線320、第4巻線340及び平滑キャパシタ41を通して流れながら、平滑キャパシタ41がプレチャージされる。
【0083】
第5スイッチS5及び第6スイッチS6は、第1スイッチS1と同様に、パルス信号がハイ状態(例えば、3V)を有するときにターンオンされ、ロー状態(例えば、0V)を有するときにターンオフされる電界効果トランジスターであり得る。スイッチコントローラ500は、第1制御モードで、第1スイッチS1に所定のデューティー比の第1パルス信号を出力し、第2スイッチS2及び第5スイッチS5に第1パルス信号の位相と逆位相を有する第2パルス信号を出力することで、第1動作及び第2動作を具現できる。第6スイッチS6は、第1制御モードでターンオフ状態に維持され得る。第1制御モードで、第1スイッチS1のスイッチングオン期間は、第2スイッチS2及び第5スイッチS5のスイッチングオフ期間になり、第1スイッチS1のスイッチングオフ期間は、第2スイッチS2及び第5スイッチS5のスイッチングオン期間になる。第1動作及び第2動作は一セットになり、予め決められた回数で繰り返され得る。
【0084】
<第2制御モード>
スイッチコントローラ500は、第2制御モードで、第3動作及び第4動作を順次実行する。
図15を参照すれば、第3動作とは、第1スイッチS1及び第5スイッチS5をターンオフし、かつ第2スイッチS2及び第6スイッチS6をターンオンする動作である。第2スイッチS2及び第6スイッチS6がターンオンされれば、平滑キャパシタ41からの放電電流I23が第2スイッチS2、第6スイッチS6及び第2巻線320を通して流れながら、平滑キャパシタ41のエネルギーが第2巻線320に伝達される。これによって、第3動作が開始されたときから第4動作が開始されるまで第2巻線320にエネルギーが蓄積される。
【0085】
図16を参照すれば、第4動作とは、第2スイッチS2、第5スイッチS5及び第6スイッチS6をターンオフし、かつ第1スイッチS1をターンオンする動作である。第2スイッチS2、第5スイッチS5及び第6スイッチS6がターンオフされ、第1スイッチS1がターンオンされれば、第2巻線320に蓄積されたエネルギーが、第2巻線320に磁気的に結合した第1巻線310に伝達される。これによって、電流I24が、第1スイッチS1、第1巻線310及びバッテリー20を通して流れながらバッテリー20が充電される。
【0086】
スイッチコントローラ500は、第2制御モードで、第1スイッチS1に所定のデューティー比の第3パルス信号を出力し、第2スイッチS2及び第6スイッチS6に第3パルス信号の位相と逆位相を有する第4パルス信号を出力することで、第3動作及び第4動作を具現できる。第5スイッチS5は、第2制御モードでターンオフ状態に維持され得る。第2制御モードで、第1スイッチS1のスイッチングオン期間は、第2スイッチS2及び第6スイッチS6のスイッチングオフ期間になり、第1スイッチS1のスイッチングオフ期間は、第2スイッチS2及び第6スイッチS6のスイッチングオン期間になる。第3動作及び第4動作は一セットになり、予め決められた回数で繰り返され得る。
【0087】
図2〜
図16を参照して前述したスイッチコントローラ500の機能は、制御部140が代わりにすることもでき、この場合、電源回路200は、スイッチコントローラ500の代わりに制御部140を含み得る。
【0088】
制御部140は、第1制御モード及び第2制御モードで電流センサー120によって測定される電流に基づき、バッテリー20の充電状態を推定できる。これによって、パック端子P+、P−を介して電流が流れないとしても、バッテリー20及び平滑キャパシタ41のいずれか一方から他方にエネルギーが伝達される間にバッテリー20を通して流れる電流I1、I2、I3、I4、I11、I12、I13、I14、I21、I22、I23、I24によって変化するバッテリー20の充電状態を推定することができる。
【0089】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置及び方法を通じて具現されることではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現され得、このような具現は、本発明が属する技術分野における専門家であれば、前述した実施例の記載から容易に具現できるはずである。
【0090】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0091】
また、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施例及び添付された図面によって限定されず、多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成可能である。