特許第6973741号(P6973741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973741
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】超分子発光体の発光寿命制御方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/06 20060101AFI20211118BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20211118BHJP
   C07F 5/02 20060101ALN20211118BHJP
   C07D 487/04 20060101ALN20211118BHJP
【FI】
   C09K11/06 660
   H05B33/14 B
   C09K11/06 690
   !C07F5/02 A
   !C07D487/04 137
【請求項の数】4
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-44344(P2017-44344)
(22)【出願日】2017年3月8日
(65)【公開番号】特開2017-165957(P2017-165957A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2020年2月25日
(31)【優先権主張番号】特願2016-45859(P2016-45859)
(32)【優先日】2016年3月9日
(33)【優先権主張国】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、独立行政法人科学技術振興機構、「多孔性有機結晶の閉塞空間を活用した革新的光エネルギー変換材料の創製」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 利和
(72)【発明者】
【氏名】久枝 良雄
【審査官】 井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−187100(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/136972(WO,A1)
【文献】 特開2011−256122(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/080801(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101555295(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 11/06
H01L 27/32
H05B 33/00−33/28
C07F 5/02
C07D487/04
C07D471/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超分子の発光体の発光色及び発光寿命を制御する方法であって、
前記超分子の発光体が、
三級ホウ素化合物からなるルイス酸と芳香族ジイミド化合物からなるルイス塩基とのB−N配位結合により形成される複合ホストと、該複合ホストの構造内部及び外部に生じるキャビティに包接されるゲスト分子とから構成される、超分子の包接体であり、
前記芳香族ジイミド化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であり、
前記三級ホウ素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であり、そして
前記ゲスト分子は、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のうち少なくとも1つの重原子を含み、さらに、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、ベンゼン及びナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも2種の分子であり、
そして前記ゲスト分子において、重原子を含む分子の種類、重原子を含む分子の配合割合、又は重原子を含む分子の種類及び配合割合を適宜変更することにより、超分子の発光体の発光色及び発光寿命を制御する、方法。
【化1】
(式(1)中、
Aは、炭素原子数6乃至20の4価の芳香族炭化水素基を表し、
及びLは、互いに独立して、単結合又は炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、
及びRは、互いに独立して、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基及びインドリル基からなる群から選ばれる含窒素芳香族基;炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいシアノフェニル基;炭素原子数1乃至6のアルキル基又は炭素原子数1乃至6のハロアルキル基でアミノ基の水素原子の少なくとも一つが置換されていてもよいアミノフェニル基;アミノ基;又はシアノ基を表す。)
【化2】
(式(2)中、
、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数3乃至10のアルキル基、フェニル基、フルオロフェニル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、フェノキシ基又はフルオロフェノキシ基を表す。)
【請求項2】
前記ゲスト分子は、4−クロロフルオロベンゼン、4−ブロモフルオロベンゼン及び4−ヨードフルオロベンゼンからなる群から選ばれる少なくとも2種の分子である、請求項に記載の方法。
【請求項3】
超分子の発光体であって、
三級ホウ素化合物からなるルイス酸と芳香族ジイミド化合物からなるルイス塩基とのB−N配位結合により形成される複合ホストと、該複合ホストの構造内部及び外部に生じるキャビティに包接されるゲスト分子とから構成される、超分子の包接体であり、
前記芳香族ジイミド化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であり、
前記三級ホウ素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であり、そして
前記ゲスト分子は、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のうち少なくとも1つの重原子を含み、さらに、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、ベンゼン及びナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも2種の分子である、
超分子の発光体。
【化3】
(式(1)中、
Aは、炭素原子数6乃至20の4価の芳香族炭化水素基を表し、
及びLは、互いに独立して、単結合又は炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、
及びRは、互いに独立して、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基及びインドリル基からなる群から選ばれる含窒素芳香族基;炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいシアノフェニル基;炭素原子数1乃至6のアルキル基又は炭素原子数1乃至6のハロアルキル基でアミノ基の水素原子の少なくとも一つが置換されていてもよいアミノフェニル基;アミノ基;又はシアノ基を表す。)
【化4】
(式(2)中、
、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数3乃至10のアルキル基、フェニル基、フルオロフェニル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、フェノキシ基又はフルオロフェノキシ基を表す。)
【請求項4】
前記ゲスト分子は、4−クロロフルオロベンゼン、4−ブロモフルオロベンゼン及び4−ヨードフルオロベンゼンからなる群から選ばれる少なくとも2種の分子である、請求項3に記載の超分子の発光体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性材料の技術分野に属し、特に、複数の分子を複合して構成される超分子の包接体を用いた発光材料において、発光寿命や発光色を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光により発光性が得られる発光材料は、主に有機EL材料等の電子デバイス用部品として広く利用されている。これまでにも例えば、発光性ビス(アジニル)メテンホウ素錯体化合物を含有する発光層を含むOLEDデバイス、青色発光ルミネッセンス化合物であるホウ素化合物、ピレン化合物とビス(アジニル)アゼン骨格を有するホウ素錯体とを含有する発光素子などが提案されている。
【0003】
近年、このような従来の電子デバイス用の発光材料として、優れた光学特性及び電気化学特性をもつπ共役分子を利用した発光材料の実現が期待されている。π共役分子は、分子内でπ電子が非局在化されることにより、高い吸光度、広い吸収領域、豊富な波長選択性という優れた光学特性を有する。このπ共役分子を利用した発光現象について、例えば、ナフタレンジイミドと芳香族分子(トルエンなど)が溶媒中で相互作用することにより励起錯体発光(エキサイプレックス)が観測されることがこれまでに確認されている。しかし、この場合の発光現象は固体中ではなく溶液中での発光現象であり、さらには絶対発光量子収率が1%以下と非常に低いものであり、発光材料としての実用性には乏しいものであった。
【0004】
一方、π共役分子の特性を活かした固体の発光材料として、充分な発光強度を得るべく複数の分子から構成される固体の超分子複合体が開示されている。例えば、多孔性金属錯体を用いて、ナフタレンジイミドと芳香族分子(トルエン、ベンゼン、キシレンなど)を、それらから成る結晶中で相互作用させることで、励起錯体発光(エキサイプレックス発光)を示す固体発光材料が提案されている。
【0005】
近年、上記の多孔性金属錯体で使用される重金属を用いることなく、さらには簡便な操作によって、複数の分子から形成される超分子が、優れたカラー発光特性を有し、さらには白色発光も実現した超分子複合体が報告されている(非特許文献1、特許文献1及び特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2014/136972号
【特許文献2】特開2015−187100号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】配位化合物の光化学討論会講演要旨集 第25回, p.74-75(2013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、これまでにも種々のカラー発光や白色発光を呈する発光材料の報告はなされているものの、室温下並びに大気下において目的とする発光色を実現ししかも発光寿命を制御できる発光材料の提案はなされていない。
本発明は、優れた発光特性を有する固体の発光材料において、特に発光色と発光寿命を自在に制御することができる方法を提供することを課題とするものであり、また発光色と
発光寿命を制御でき、簡便な操作にて調製可能である発光体を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、三級ホウ素化合物からなるルイス酸と芳香族ジイミド化合物からなるルイス塩基とのB−N配位結合により形成される複合ホストと、該複合ホストの構造内部及び外部に生じるキャビティに包接される少なくとも2種のゲスト分子とから構成される超分子の包接体において、該ゲスト分子として臭素原子やヨウ素原子などの重原子を含む分子を少なくとも一種採用し、そしてその種類や配合割合を適宜変更することにより、発光色や発光寿命の制御を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち本発明は、第1観点として、超分子の発光体の発光色及び発光寿命を制御する方法であって、前記超分子の発光体が、
三級ホウ素化合物からなるルイス酸と芳香族ジイミド化合物からなるルイス塩基とのB−N配位結合により形成される複合ホストと、該複合ホストの構造内部及び外部に生じるキャビティに包接されるゲスト分子とから構成される超分子の包接体であり、
前記芳香族ジイミド化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であり、
前記三級ホウ素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であり、そして
前記ゲスト分子は、少なくとも2種の分子から構成され、該少なくとも2種の分子は、
炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン及びピレンからなる群から各々選ばれる分子であり、且つ、該少なくとも2種の分子のうち、少なくとも1種は、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のうち少なくとも1つの重原子を含む分子であり、
そして前記ゲスト分子において、重原子を含む分子の種類、重原子を含む分子の配合割合、又は重原子を含む分子の種類及び配合割合を適宜変更することにより、超分子の発光体の発光色及び発光寿命を制御する、方法に関する。
【化1】
(式(1)中、
Aは、炭素原子数6乃至20の4価の芳香族炭化水素基を表し、
及びLは、互いに独立して、単結合又は炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、
及びRは、互いに独立して、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基及びインドリル基からなる群から選ばれる含窒素芳香族基;炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいシアノフェニル基;炭素原子数1乃至6
のアルキル基又は炭素原子数1乃至6のハロアルキル基でアミノ基の水素原子の少なくとも一つが置換されていてもよいアミノフェニル基;アミノ基;又はシアノ基を表す。)
【化2】
(式(2)中、
、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数3乃至10のアルキル基、フェニル基、フルオロフェニル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、フェノキシ基又はフルオロフェノキシ基を表す。)
第2観点として、前記ゲスト分子は、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のうち少なくとも1つの重原子を含み、さらに、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、ベンゼン及びナフタレンからなる群から選ばれる少なくとも2種の分子である、第1観点に記載の方法に関する。
第3観点として、前記ゲスト分子は、4−クロロフルオロベンゼン、4−ブロモフルオロベンゼン及び4−ヨードフルオロベンゼンからなる群から選ばれる少なくとも2種の分子である、第2観点に記載の方法に関する。
第4観点として、超分子の発光体であって、
三級ホウ素化合物からなるルイス酸と芳香族ジイミド化合物からなるルイス塩基とのB−N配位結合により形成される複合ホストと、該複合ホストの構造内部及び外部に生じるキャビティに包接されるゲスト分子とから構成される、超分子の包接体であり、
前記芳香族ジイミド化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であり、
前記三級ホウ素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であり、そして
前記ゲスト分子は、少なくとも2種の分子から構成され、該少なくとも2種の分子は、
炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン及びピレンからなる群から各々選ばれる分子であり、且つ、該少なくとも2種の分子のうち、少なくとも1種は、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のうち少なくとも1つの重原子を含む分子である、
超分子の発光体に関する。
【化3】
(式(1)中、
Aは、炭素原子数6乃至20の4価の芳香族炭化水素基を表し、
及びLは、互いに独立して、単結合又は炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、
及びRは、互いに独立して、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テト
ラゾリル基及びインドリル基からなる群から選ばれる含窒素芳香族基;炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいシアノフェニル基;炭素原子数1乃至6のアルキル基又は炭素原子数1乃至6のハロアルキル基でアミノ基の水素原子の少なくとも一つが置換されていてもよいアミノフェニル基;アミノ基;又はシアノ基を表す。)
【化4】
(式(2)中、
、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数3乃至10のアルキル基、フェニル基、フルオロフェニル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、フェノキシ基又はフルオロフェノキシ基を表す。)
【発明の効果】
【0011】
本発明の方法によれば、室温下並びに大気下において発光色及び発光寿命を自在に制御することができる超分子の発光体を提供することができる。
また本発明の超分子の発光体は、環境負荷の高い重金属などを使用することなく、発光体を構成する各化合物を混合し、加熱・冷却という簡便な操作により、室温下並びに大気下において発光色及び発光寿命が制御されたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、例1の超分子の包接体の単結晶X線構造解析結果を示す図である。
図2図2は、例4の超分子の包接体の単結晶X線構造解析結果を示す図である。
図3図3は、例1〜例4の超分子の包接体のH NMRスペクトルを示す図である。
図4図4は、例1〜例4の超分子の包接体の発光スペクトル(励起波長:340nm)、を示す図である。
図5図5は、例1〜例4の超分子の包接体の発光寿命測定結果をプロットした図である。
図6図6は、例5の超分子の包接体の単結晶X線構造解析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の超分子の発光体の発光色及び発光寿命を制御する方法における超分子の発光体は、三級ホウ素化合物からなるルイス酸と芳香族ジイミド化合物からなるルイス塩基とのB−N配位結合により形成される複合ホストと、該複合ホストの構造内部及び外部に生じるキャビティに包接されるゲスト分子とから構成される包接体である。
なお、ルイス酸とルイス塩基から構成される複合ホスト、並びに該複合ホストとゲスト分子から構成される包接体(結晶)において、それらの組成比(使用する化合物の割合)は、使用するルイス酸、ルイス塩基、ゲスト分子の組合せによって種々変動し得る。前記組成比は、一例としてルイス酸:ルイス塩基:ゲスト分子=2:1:0.5〜5などに変動し得る。
本発明において、前記複合ホストは、前記ルイス酸(三級ホウ素化合物)と前記ルイス塩基(芳香族ジイミド化合物)がモル比で、例えばルイス酸:ルイス塩基=2:1の割合で構成され、本発明において、超分子の包接体は、前記ルイス酸と前記ルイス塩基と前記ゲスト分子(総量)がモル比で、例えばルイス酸:ルイス塩基:ゲスト分子=2:1:3、或いは同=2:1:2の割合で構成され得る。
そして前記超分子の包接体において、前記芳香族ジイミド化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であり、前記三級ホウ素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物
である。
ここで本発明では、前記ゲスト分子が少なくとも2種の分子から構成されること、特に該少なくとも2種の分子のうちの少なくとも1種は、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のうち少なくとも1つの重原子を含む、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン及びピレンからなる群から選ばれる分子であることを構成上の特徴とし、前記重原子を含む分子の種類、重原子を含む分子の配合割合、又は重原子を含む分子の種類及び配合割合を適宜変更することにより、超分子の発光体の発光色及び発光寿命を制御することを特徴とする。
【0014】
[芳香族ジイミド化合物からなるルイス塩基]
本発明において、超分子の包接体を構成する複合ホストに含まれる芳香族ジイミド化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
【化5】
(式(1)中、
Aは、炭素原子数6乃至20の4価の芳香族炭化水素基を表し、
及びLは、互いに独立して、単結合又は炭素原子数1乃至6のアルキレン基を表し、
及びRは、互いに独立して、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基及びインドリル基からなる群から選ばれる含窒素芳香族基;炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいシアノフェニル基;炭素原子数1乃至6のアルキル基又は炭素原子数1乃至6のハロアルキル基でアミノ基の水素原子の少なくとも一つが置換されていてもよいアミノフェニル基;アミノ基;又はシアノ基を表す。)
【0015】
上記一般式(1)中、Aが表す炭素原子数6乃至20の4価の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ピレン、ペリレン等の芳香環から4つの水素原子を取り除いた置換基が挙げられる。具体的には例えば以下に示す基が挙げられる。なお下記式中、*はそれぞれ結合手であることを示す。
【化6】
【0016】
上記L及び/又はLが表す炭素原子数1乃至6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、1−メチルエチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1,1−ジメチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1−エチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメチレン基、1−エチルテトラメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン基、1,2,2−トリメチルトリメチレン基、1−エチル−2−メチルトリメチレン基、1−エチル−1−メチルトリメチレン基等が挙げられる。
【0017】
上記R及び/又はRが表す含窒素芳香族基としては、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基及びインドリル基からなる群から選ばれる基を挙げることができる。
具体的には、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基;2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基;2−ピラジニル基;3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基;1,2,3−トリアジン−4−イル基、1,2,3−トリアジン−5−イル基、1,2,4−トリアジン−3−イル基、1,2,4−トリアジン−5−イル基、1,2,4−トリアジン−6−イル基、1,3,5−トリアジン−2−イル基;1−ピロリル基、2−ピロリル基;2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基;3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、5−ピラゾリル基;3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基;3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基;3−フラザニル基;2−チアジアゾリル基;1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,3−トリアゾール−5−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,2,4−トリアゾール−5−イル基;5−テトラゾリル基;2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基などが挙げられる。
上記含窒素芳香族基は、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる置換基で少なくとも一つが置換されていてもよい。
上記置換基としての炭素原子数1乃至6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
上記置換基としての炭素原子数1乃至6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基などが挙げられる。
上記置換基としての炭素原子数1乃至6のハロアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、クロロエチル基、ブロモエチル基、ヨードエチル基などが挙げられる。
上記置換基としての炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基としては、上記炭素原子数1乃至6のハロアルキル基として挙げた基が酸素原子を介して結合する基が挙げられる。
上記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0018】
上記含窒素芳香族基のうち、置換基を有していてもよいピリジル基及びピリミジニル基の具体例としては、それぞれ以下に示す基が挙げられる。なお下記式中、芳香環に結合する波線はそれぞれ結合手であることを示し、Meはメチル基を表す。
【化7】
【化8】
【0019】
上記R及び/又はRが表すシアノフェニル基は、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。これらの置換基の具体例は、前述の含窒素芳香族基の置換基として挙げた基をそれぞれ挙げることができる。
上記シアノフェニル基の具体例としては以下に示す基が挙げられる。なお下記式中、ベンゼン環に結合する波線はそれぞれ結合手であることを示す。
【化9】
【0020】
上記R及び/又はRが表す、アミノフェニル基は、フェニル基に結合するアミノ基の水素原子の少なくとも一つが、炭素原子数1乃至6のアルキル基又は炭素原子数1乃至6のハロアルキル基で置換されていてもよい。これらのアルキル基及びハロアルキル基の具体例は、前述の含窒素芳香族基の置換基として挙げた基を挙げることができる。
上記アミノフェニル基の具体例としては以下に示す基が挙げられる。なお下記式中、ベンゼン環に結合する波線はそれぞれ結合手であることを示す。
【化10】
【0021】
上記一般式(1)で表される芳香族ジイミド化合物の具体例としては、置換基を有していてもよいピリジル基及びピリミジニル基を含む、ピロメリット酸ジイミド化合物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物等を挙げることができ、例えば以下に示す化合物を挙げることができる。
【化11】
【化12】

【化13】
【化14】
【0022】
これら芳香族ジイミド化合物の中でも、取り扱いの容易さからピリジル基で置換されたピロメリット酸ジイミド、並びにピリジル基で置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミドを用いることが好ましい。
【0023】
[三級ホウ素化合物からなるルイス酸]
本発明において、超分子の包接体を構成する複合ホストに含まれる三級ホウ素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物である。
【化15】
(式(2)中、
、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素原子数3乃至10のアルキル基、フェニル基、フルオロフェニル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、フェノキシ基又はフルオロフェノキシ基を表す。)
【0024】
上記R、R及び/又はRが表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また上記R、R及び/又はRが表す炭素原子数3乃至10のアルキル基としては、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基などが挙げられる。
上記R、R及び/又はRが表す炭素原子数1乃至6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基などが挙げられる。
【0025】
上記一般式(2)で表される三級ホウ素化合物の具体例としては、例えば以下に示す化
合物を挙げることができる。
【化16】
【0026】
これら三級ホウ素化合物の中でも、後述する複合ホストの構造内部に形成されるキャビティを確保する点から、該三級ホウ素化合物が嵩高い化合物であることが好ましく、例えばトリフルオロボラン、トリイソプロピルボラン、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリイソプロポキシボランが好ましく、中でもトリフェニルボラン及びトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが好適である。
【0027】
[複合ホスト]
本発明において、超分子の包接体を構成する複合ホストは、前記芳香族ジイミド化合物(ルイス塩基)と前記三級ホウ素化合物(ルイス酸)とのB−N配位結合によって形成される。
該複合ホストは、溶媒中で前記芳香族ジイミド化合物(ルイス塩基)と前記三級ホウ素化合物(ルイス酸)とをモル比1:2の割合で加熱し、室温まで冷却・静置させることにより形成されるが、この時、溶媒として後述するゲスト分子でもあるベンゼンやナフタレンを用いることにより、複合ホストの形成とともに、該複合ホストの構造内部及び外部に生じるキャビティに、ベンゼンやナフタレン等のゲスト分子が包接され、前記超分子の包接体が形成されることとなる。
【0028】
[ゲスト分子]
本発明において、超分子の包接体を構成するゲスト分子は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン及びピレンからなる群から選ばれる少なくとも2種の分子であり、これらは、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ
基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。そして本発明では、該少なくとも2種の分子のうち、少なくとも1種は塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のうち少なくとも1つの重原子を含む分子、すなわち前記重原子を含む、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン及びピレンからなる群から選ばれることを特徴とする。なおこれらの置換基の具体例は、前述の芳香族ジイミド化合物における含窒素芳香族基の置換基として挙げた基をそれぞれ挙げることができる。
中でも前記ゲスト分子は、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のうち少なくとも1つの重原子を含み、さらに、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいベンゼン、並びに、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のうち少なくとも1つの重原子を含み、さらに、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数1乃至6のハロアルキル基、炭素原子数1乃至6のハロアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいナフタレン、からなる群から選ばれる少なくとも2種の分子であることが好ましい。
【0029】
上記ゲスト分子の具体例としては、ベンゼン、フルオロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、3−クロロフルオロベンゼン、4−クロロフルオロベンゼン、3−ブロモフルオロベンゼン、4−ブロモフルオロベンゼン、3−ヨードフルオロベンゼン、4−ヨードフルオロベンゼン等のベンゼン類;トルエン、o−フルオロトルエン、m−フルオロトルエン、p−フルオロトルエン等のトルエン類;o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等のキシレン類;アニソール、o−メチルアニソール、m−メチルアニソール、p−メチルアニソール、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン等のアニソール類;1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン等のトリアルキルベンゼン類;ナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、1−フルオロナフタレン、2−フルオロナフタレン、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン等のナフタレン類などが挙げられる。
特にゲスト分子として、上記ベンゼン類及びナフタレン類を用いることが望ましく、4−クロロフルオロベンゼン、4−ブロモフルオロベンゼン及び4−ヨードフルオロベンゼンからなる群から選ばれる少なくとも2種の分子を用いることが特に好ましい。
【0030】
[超分子の発光体]
本発明に用いる超分子の発光体は、前述したように、前記三級ホウ素化合物と芳香族ジイミド化合物とのB−N配位結合により形成される複合ホストと、該複合ホストの構造内部及び外部に生じるキャビティに包接されるゲスト分子とから構成される超分子の包接体である。
そして本発明において、超分子の発光体(包接体)は、前記芳香族ジイミド化合物(ルイス塩基)と前記三級ホウ素化合物(ルイス酸)とゲスト分子(2種以上の総量)のモル比が例えば1:2:3或いは1:2:2の組成で構成される包接結晶体の構造を有している。なお本発明は、この超分子の発光体、すなわち、発光色及び発光寿命を制御可能な超分子の発光体も対象とする。
【0031】
本発明の超分子の発光体(超分子の包接体)は、前述したように、前記芳香族ジイミド化合物(ルイス塩基)と前記三級ホウ素化合物(ルイス酸)と前記ゲスト分子とを混合し、該混合物をゲスト分子の沸点付近まで或いは100℃程度にまで加熱後、室温(25℃)付近で冷却・静置させることにより、粉末状の結晶の形態にて得られる。ここで、加熱後の冷却方法により、得られる包接体(結晶)の大きさを適宜調整し得、例えば加熱後、
超音波水浴下で急速に冷却し、そのまま室温(約25℃)にて数分間、例えば3〜10分間程度静置すると、最大径10μm程度の比較的小さい包接体(結晶)を形成できることを確認している。あるいは加熱後、室温まで徐冷することにより、最大径200μm程度の比較的大きい包接体(結晶)を形成できることを確認している。
【0032】
[超分子の発光体の発光色及び発光寿命を制御する方法]
上記超分子の発光体(包接体)は、波長330〜380nm付近の紫外光の照射により、室温下並びに大気下において種々の発光色及び発光寿命を有する発光を呈する。
ここで本発明においては、上述の構成を備える超分子の包接体において、少なくとも2種以上の分子から構成されるゲスト分子のうち、少なくとも1種を塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のうち少なくとも1つの重原子を含む分子(以下、重原子を含むゲスト分子ともいう)を必須として選択し、複合ホストに包接させること、このとき、該重原子を含むゲスト分子の種類、配合割合、又はその双方を適宜選択することにより、超分子の発光体の発光色を調整するとともに、その発光寿命(発光時間)をミリ秒のオーダーからマイクロ秒のオーダー、さらにはナノ秒のオーダーにまで制御することを実現してなる。
【0033】
2種以上のゲスト分子の組み合わせを選択するにあたっては、例えば、イオン化ポテンシャルが比較的近い値を呈する(例えば値の差が0.2eV以内など)点を考慮して、それらを組み合わせることができる。
また、2種以上のゲスト分子が、いずれも少なくとも1つの重原子を含むことが好ましく、各分子が全て同一種類の重原子を含んでいても、各分子がそれぞれ異なる種類の重原子を含んでいてもよいが、各分子がそれぞれ異なる種類の重原子を含んでいることがより好ましい。例えば、重原子の種類以外の化学構造が同一である2種の分子を選択することができる。
例えば本発明において、重原子の種類以外の化学構造が同一である2種の分子からゲスト分子が構成される場合、Aの重原子を含む分子:Aよりも重い(原子番号の遅い)重原子を含む分子=99:1〜70:1の混合比(モル比)で変化させることにより、発光色及び発光寿命を制御することが可能である。具体的には、例えば後述する実施例において、ゲスト分子として4−ブロモフルオロベンゼン及び4−ヨードフルオロベンゼンを採用した包接体では、これらの配合割合を変化させる、すなわち4−ブロモフルオロベンゼン:4−ヨードフルオロベンゼン=(100:0〜)95:5〜82:18(〜0:100)のモル比で変化させて複合ホストに包接させることにより、配合割合によって発光色が変化する[(緑色)〜中間色〜(黄色)]とともに、発光寿命がミリ秒のオーダーからマイクロ秒のオーダーにまで変化したことが確認された。
すなわち本例では、ゲスト分子として4−ブロモフルオロベンゼンと4−ヨードフルオロベンゼンを選択し、これらの配合割合を変化させることで、発光色を変化させるとともに、特に驚くべきことに発光寿命を変化させることを実現し、すなわち本発明が完成したものである。
【0034】
さらに本発明の包接体の検討を進めると、後述する実施例において述べるように、ゲスト分子として4−クロロフルオロベンゼン及び4−ブロモフルオロベンゼンを採用した包接体では、4−クロロフルオロベンゼン:4−ブロモフルオロベンゼン=(100:0〜)97:3〜45:55(〜0:100)のモル比で変化させて複合ホストに包接させることにより、発光割合によって発光色が変化する[(青色)〜中間色(白色)〜(緑色)]ものの、発光寿命はミリ秒のオーダーでの推移となったことが確認された。
また、ゲスト分子として4−クロロフルオロベンゼンと4−ヨードフルオロベンゼンを採用した包接体では、4−クロロフルオロベンゼン:4−ヨードフルオロベンゼン=(100:0〜)95:5〜81:19(〜0:100)のモル比で変化させて複合ホスト包接させることにより、発光割合によって発光色が変化する[(青色)〜中間色(白色)〜(黄色)]とともに、発光寿命はミリ秒のオーダーからマイクロ秒のオーダーにまで変化
したことが確認された。
【0035】
本発明において、超分子の発光体(包接体)の発光のメカニズムは詳細には解明されておらず、その一要因として、本発明者らは、ルイス塩基(芳香族ジイミド化合物)とルイス酸(三級ホウ素化合物)のB−N配位結合により包接体内部で強い分子間相互作用が生じている点、そして電子受容体となるルイス塩基(π共役分子)と嵩高いルイス酸に形成される複合ホスト内部及び外部のキャビティに電子供与体となる複数種のゲスト分子(π共役分子)が密に包接されている点、の2点が共存することにより、包接体内部及び外部で複合ホストとゲスト分子による励起錯体発光(エキサイプレックス発光)が安定的かつ効率的に誘引されやすい状況を形成したものと推察している。そして、ゲスト分子として重原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を含む分子を取り入れることにより項間交差が促進され、これら重原子を含むゲスト分子を種々変動させることで、ナノ秒オーダーの発光(蛍光)からマイクロ秒〜ミリ秒オーダーの発光(リン光)への制御を可能にしたものである。
【0036】
以上、本発明は、室温下並びに大気下において自在に発光色及び発光寿命を制御できる発光材料として、各種の照明素子や表示素子、さらには各種インク、例えば光反応性偽造防止インクなどへの応用が期待できる。
【実施例】
【0037】
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
【0038】
(1)単結晶X線構造解析
装置:CCD搭載単結晶自動X線構造解析装置 SMART APEX[Bruker
AXS社製]
(2)H NMRスペクトル
装置:AVANCE(登録商標)500[Bruker社製]
溶媒:重アセトン
基準:テトラメチルシラン(δ0.00ppm)
(3)蛍光スペクトル
装置:分光蛍光光度計F−7000[(株)日立ハイテクサイエンス製]
(4)発光寿命測定
装置:小型蛍光寿命測定装置 Quantaurus−Tau C11367−02[浜松ホトニクス(株)製]
(5)絶対発光量子収率測定、色度座標(CIE 1931)測定
装置:絶対PL量子収率測定装置 C9920−02G[浜松ホトニクス(株)製]
【0039】
[製造例1:化合物1の合成]
【化17】
還流管付き200mL丸底フラスコにピロメリット酸二無水物(5.0g,23mmo
l,1モル当量)、3−アミノピリジン(4.5g,48mmol,2.1モル当量)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(90mL)を加え、150℃で6時間加熱還流を行った。室温(約25℃)まで冷却後、生じた沈殿をろ別し、DMFにより再結晶することで淡黄色の結晶を得た。バキュームオーブン(150℃)で真空下12時間乾燥させることで、淡黄色の結晶(ピロメリット酸ジイミド:化合物1)を得た。(回収量:6.0g、7.16mmol、収率:77%)。元素分析により化合物1の同定を行った。元素分析:計算値 C=64.87,H=2.72,N=15.13
実測値 C=64.91,H=2.67,N=15.18
【0040】
[例1乃至例4:超分子の包接体の調製]
【化18】
化合物1(100mg,0.27mmol,1モル当量)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPFB)(290mg,0.57mmmol,2.1モル当量)、4−ブロモフルオロベンゼン(15g)を三角フラスコに加え、ホットプレートにて溶液が煮沸するまで(すなわちゲスト分子である4−ブロモフルオロベンゼンの沸点付近まで)加熱後、室温(約25℃)にて静置した。生じた沈殿をろ別することで、結晶として例1の超分子の包接体を得た(回収量:約400mg)。
以下、例2乃至例4の超分子の包接体について、表1に示す添加量にてゲスト分子を変化させ、すなわち4−ブロモフルオロベンゼン単独使用(例1)から、4−ブロモフルオロベンゼンと4−ヨードフルオロベンゼンの併用(例2及び例3)、そして4−ヨードフルオロベンゼン単独使用(例4)に変更した以外は、同様の条件にて調製した。
【0041】
【表1】
【0042】
〈単結晶X線回折測定結果〉
得られた例1及び例4の超分子の包接体の結晶に関して、単結晶X線回折測定を行った。構造解析の結果を図1及び表2(例1)、並びに図2及び表3(例4)にそれぞれ示す。なお図1(例1)及び図2(例4)に示す結晶構造は、50%の存在確率での変位楕円を示し、図1(a)及び図2(a)では水素原子が省略されている。図1(b)及び図2(b)は、a軸から見た結晶構造を示し、結晶中に1次元のカラムが形成されていることを示している。また表2及び表3は結晶構造データを示す。
【0043】
図1に示す単結晶X線構造解析結果より、例1の結晶において、化合物1のピリジル基とTPFBがホウ素−窒素結合(B−N結合)を介して超分子複合体(化合物1・TPF
B)を形成し、その空隙を埋めるようにゲスト分子である4−ブロモフルオロベンゼンが包接された集積構造を形成してなることが示唆された。具体的には、超分子複合体(化合物1・TPFB)が形成する1次元のカラム内に4−ブロモフルオロベンゼンが2分子、カラム外に4−ブロモフルオロベンゼンが1分子包接され、化合物1:TPFB:4−ブロモフルオロベンゼン=1:2:3の組成比にて包接体を形成していること明らかとなった。
また図2に示す結果より、例4の結晶においても、例1と同様の結晶構造を有し、化合物1:TPFB:4−ヨードフルオロベンゼン=1:2:3の組成比にて包接体を形成していること確認された。なお、表2及び表3の結晶構造データに示すように、両結晶の格子定数も非常に類似したものであった。上記の組成比は、下記のH NMRスペクトル測定の結果とよく一致した。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
H NMRスペクトル測定結果〉
得られた例1〜例4の超分子の包接体の結晶を、それぞれ重アセトン中に溶解し、
NMR測定を行った。結果を図3に示す。
図3中、黒枠で囲ったピークは4−ヨードフルオロベンゼンに、点線枠にて囲ったピークは4−ブロモフルオロベンゼンに、それぞれ帰属される。
図3に示すH NMRの測定結果より、2種のゲスト分子(4−ブロモフルオロベンゼン及び4−ヨードフルオロベンゼン)を含む例2及び例3では、化合物1:TPFB:4−ブロモフルオロベンゼン:4−ヨードフルオロベンゼン=1:2:2.84:0.16(例2)、或いは1:2:2.46:0.54(例3)の組成比にて、包接体(結晶)を形成していること明らかとなった[4−ブロモフルオロベンゼン:4−ヨードフルオロベンゼン=95:5(例2)、4−ブロモフルオロベンゼン:4−ヨードフルオロベンゼン=82:18(例3)、以上モル比]。
【0047】
〈超分子の包接体の発光挙動〉
得られた例1〜例4の超分子の包接体(包接結晶)に関して、紫外光照射下における発光挙動を確認した。各包接体の発光スペクトル(励起波長:340nm、42Lカットフィルタ使用)を図4に示す。
【0048】
図4に示すように、4−ブロモフルオロベンゼンを含む例1の包接体は507nmに極
大を有する緑色発光、4−ヨードフルオロベンゼンを含む例4の包接体は540nmに極大を有する黄色発光を示した。一方、ゲスト分子を4−ブロモフルオロベンゼンと4−ヨードフルオロベンゼンの2種とした例2及び例3は、それぞれ529nm(例2)、533nm(例3)に極大を有する中間色の発光色を示した。先に表2及び表3に示すように例1及び例4の単結晶構造の格子定数が類似していることから、例2及び例3では、4−ブロモフルオロベンゼンと4−ヨードフルオロベンゼンが均一に分散した混晶を生成し、発光していることが示唆される結果となった。
【0049】
〈超分子の包接体の発光寿命及び絶対発光量子収率〉
得られた例1〜例4の超分子の包接体(包接結晶)に関して、紫外光(340nm)照射下における発光寿命測定、絶対発光量子収率測定、及び色度座標(CIE 1931)測定を行った。得られた結果を図5(発光寿命)及び表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
例1〜例4のいずれの超分子の包接体試料においても、2成分フィッティングによる発光寿命解析が可能であり(図5参照)、ゲスト分子における4−ヨードフルオロベンゼンの割合が増加するに従い、平均発光寿命(τav)の値がミリ秒オーダーからマイクロ秒オーダーへと短くなることが確認された。
詳細には、例1(ゲスト分子:4−ブロモフルオロベンゼンのみ)では平均寿命が3.5ミリ秒のリン光発光が観測されたのに対し、例4(ゲスト分子:4−ヨードフルオロベンゼンのみ)では平均寿命が50マイクロ秒のリン光発光を示した。また2種のゲスト分子:4−ブロモフルオロベンゼンと4−ヨードフルオロベンゼンを用い、これらの混合比を変えた例2(95:5)及び例3(82:18)では、平均寿命が970マイクロ秒と270マイクロ秒と変化した(図5、表4)。
こうしたゲスト分子の違いによる平均発光寿命の差並びに変化は、包接体に含まれる臭素(Br)とヨウ素(I)の原子の違いに起因するものであり、より原子数の大きなヨウ素(I)を含む4−ヨードフルオロベンゼンでは項間交差(一重項⇔三重項)速度が大きくなり、より短い寿命を示し、またその組成を変化させることにより、平均寿命が変化したものと考えられる。
【0052】
また表4に示すように、例1〜例4の何れの超分子の包接体試料においても、室温、大気下において70%を超える高い絶対発光量子収率を示した。この値は、室温・大気下の条件下における純有機化合物からのリン光発光材料としては、非常に高い値である。
以上のように、異なる包接分子を含む混晶を形成することにより、発光色と発光寿命をチューニング(制御)し、かつ高い発光量子収率を示す材料の創製に成功した。
【0053】
[例5乃至例9:超分子の包接体の調製2]
ゲスト分子として、4−クロロフルオロベンゼン及び4−ブロモフルオロベンゼンを用い、表5に記載の配合とした以外は、例1と同様の条件にて、例5乃至例9の超分子の包接体を調製した。
【0054】
【表5】

【0055】
[例10乃至例12:超分子の包接体の調製3]
ゲスト分子として、4−クロロフルオロベンゼン及び4−ヨードフルオロベンゼンを用い、表6に記載の配合とした以外は、例1と同様の条件にて、例10乃至例12の超分子の包接体を調製した。
【0056】
【表6】
【0057】
〈単結晶X線回折測定結果〉
得られた例5の超分子の包接体の結晶に関して、単結晶X線回折測定を行った。構造解析の結果を、図6及び表7にそれぞれ示す。なお図6(例5)に示す結晶構造は、50%の存在確率での変位楕円を示し、図6(a)では水素原子が省略されている。図6(b)は、a軸から見た結晶構造を示し、結晶中に1次元のカラムが形成されていることを示している。また表7は結晶構造データを示す。
図6及び表7に示すように、4−クロロフルオロベンゼンをゲスト分子とする例5の結晶も、例1(ゲスト分子:4−ブロモフルオロベンゼン)、及び例4(ゲスト分子:4−ヨードフルオロベンゼン)とほぼ同様の結晶構造を有していることが明らかとなった。
【0058】
【表7】
【0059】
〈超分子の包接体の発光寿命及び絶対発光量子収率〉
得られた例5〜例12の超分子の包接体(包接結晶)に関して、紫外光(340nm)照射下における発光寿命測定、絶対発光量子収率測定、及び色度座標(CIE 1931)測定を行った。さらに表1に記載の例1、例4と同じ配合で、例1と同様の条件にて調製した超分子の包接体を、それぞれ例13、例14としてこれらに関しても上記測定を行った。得られた結果を表8及び表9に示す。
また、例5〜例12の超分子の包接体(包接結晶)に関して、2種のゲスト分子の組成比(4−クロロフルオロベンゼン/4−ブロモフルオロベンゼン(4ClF/4BrF)、又は4−クロロフルオロベンゼン/4−ヨードフルオロベンゼン(4ClF/4IF)、何れもモル比)を、H NMRスペクトルより決定した。結果を表8及び表9に併せて示す。
【0060】
【表8】
【0061】
表8に示すように、4−クロロフルオロベンゼンと4−ブロモフルオロベンゼンのゲスト分子の組合せを用いると、4−ブロモフルオロベンゼンの導入量の増加に従い、絶対発光量子収率が8%から71%に単調増加した。一方で発光寿命に関しては、4〜10ミリ秒で変化し、大きな変化は示さなかった。
【0062】
【表9】
【0063】
表9に示すように、4−クロロフルオロベンゼンと4−ヨードフルオロベンゼンのゲスト分子の組合せを用いると、4−ヨードフルオロベンゼンの導入量の増加に従い、絶対発光量子収率が8%から70%に不連続的に変化し、また発光寿命は7ミリ秒から51マイクロ秒まで大きく変化した。
【0064】
以上のように、本材料は異なる包接分子(ゲスト分子)を含む混晶形成を通じて、発光色、発光寿命、絶対発光量子収率を様々に変化可能な材料であることが確認された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6