特許第6973881号(P6973881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー・ケム・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6973881-短絡防止装置及び方法 図000002
  • 特許6973881-短絡防止装置及び方法 図000003
  • 特許6973881-短絡防止装置及び方法 図000004
  • 特許6973881-短絡防止装置及び方法 図000005
  • 特許6973881-短絡防止装置及び方法 図000006
  • 特許6973881-短絡防止装置及び方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973881
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】短絡防止装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/00 20060101AFI20211118BHJP
   G01R 31/52 20200101ALI20211118BHJP
【FI】
   H02H7/00 A
   G01R31/52
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-565225(P2019-565225)
(86)(22)【出願日】2018年12月7日
(65)【公表番号】特表2020-522218(P2020-522218A)
(43)【公表日】2020年7月27日
(86)【国際出願番号】KR2018015567
(87)【国際公開番号】WO2019117555
(87)【国際公開日】20190620
【審査請求日】2019年11月28日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0169306
(32)【優先日】2017年12月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジン−フィー
【審査官】 右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−156926(JP,A)
【文献】 特開2016−115283(JP,A)
【文献】 特表平11−512599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 7/00
G01R 31/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1外部電源ラインを通じて駆動電圧源及び接地のいずれか一つと電気的に接続された外部装置と第2外部電源ラインを通じて電気的に接続される入出力端子部と、
前記駆動電圧源及び前記接地のいずれか一つと前記入出力端子部とを電気的に接続する内部電源ラインと、
前記内部電源ライン上に設けられて一端が前記入出力端子部と電気的に接続され、前記内部電源ラインを通電または遮断させるスイッチング部と、
前記内部電源ライン上に設けられて前記スイッチング部の他端と電気的に接続される可変抵抗部と、
前記スイッチング部の一端に印加された一端電圧の第1測定電圧値と、前記スイッチング部の他端に印加された他端電圧の第2測定電圧値と、前記内部電源ラインに流れる電流と、を測定するセンシング部と、
前記センシング部と動作可能に結合され、前記内部電源ラインに流れる電流の測定電流値に基づいて前記入出力端子部の短絡を判断し、前記短絡の判断結果に応じて前記可変抵抗部の設定抵抗値を制御する制御部と、を含
前記制御部は、
前記第1測定電圧値と、前記第2測定電圧値との測定電圧差に基づいて、前記スイッチング部の動作状態がターンオン状態及びターンオフ状態のうちどの動作状態であるかを確認し、
前記スイッチング部がターンオン状態である場合、前記入出力端子部の短絡を判断し、前記短絡の判断結果に応じて前記可変抵抗部の設定抵抗値を制御し、
前記スイッチング部がターンオフ状態である場合、前記入出力端子部の短絡を判断しない、
短絡防止装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記測定電流値が予め設定された基準電流値を超過する場合、前記入出力端子部が短絡したと判断する、請求項1に記載の短絡防止装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1外部電源ラインを通じて前記接地と前記外部装置とが電気的に接続され、前記内部電源ラインを通じて前記駆動電圧源と前記入出力端子部とが電気的に接続される場合において、前記測定電流値が予め設定された基準電流値を超過する場合、前記入出力端子部が前記外部装置と接続された接地とは異なる接地と短絡したと判断する、請求項1または2に記載の短絡防止装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1外部電源ラインを通じて前記駆動電圧源と前記外部装置とが電気的に接続され、前記内部電源ラインを通じて前記接地と前記入出力端子部とが電気的に接続される場合において、前記測定電流値が予め設定された基準電流値を超過する場合、前記入出力端子部が前記駆動電圧源と短絡したと判断する、請求項1または2に記載の短絡防止装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記入出力端子部が短絡したと判断する場合、前記可変抵抗部の設定抵抗値を予め設定された基準抵抗値に制御する、請求項1からのうちいずれか一項に記載の短絡防止装置。
【請求項6】
請求項1からのうちいずれか一項に記載の短絡防止装置を含むバッテリーパック。
【請求項7】
請求項1からのうちいずれか一項に記載の短絡防止装置を含む自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、短絡防止装置及び方法に関し、より詳しくは、外部装置と駆動電圧源との間の短絡を防止する短絡防止装置及び方法に関する。
【0002】
本出願は、2017年12月11日出願の韓国特許出願第10−2017−0169306号に基づく優先権を主張し、上記出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年の自動車は、個別機能中心から統合システム中心に技術パラダイムが変化している。例えば、IT、電気/電子、環境、材料技術など異種技術間の融合を通じて、安全性、便宜性を向上させている。特に、電気/電子関連技術の成長が著しいが、電子部品は車両バッテリーの電源の供給を受けて動作する電気、電子部品及び抵抗やコンデンサのような素子からなる小さい基板だけでなく、車両用直流リレーなどを含む。
【0004】
電子部品のうち車両用直流リレーは、入力がある値に到達したときに作動して、他の回路を開閉する装置であって、運転者の安全、車両のメンテナンスのためにその重要性が益々高くなっている。特に、過電流が発生すれば車両用直流リレーの爆発危険性があるため、過電流が発生したとき、車両用リレーが如何に反応するかをテストすることが重要である。
【0005】
図1及び図2は、従来のリレー試験装置の短絡前と短絡後の構成を示した図である。
【0006】
図1及び図2を参照して従来のリレー試験装置10を説明すれば、電源11と外部機器15とを電源ラインを通じて連結し、電源ライン上にリレー14を設ける。また、リレー14の両端電圧差を測定する電圧センサ12をリレー14の両端に取り付ける。
【0007】
その後、制御部13を通じてリレー14の動作状態を制御し、リレー14の動作状態によって電圧センサ12から測定される両端電圧差に基づいてリレー14を診断する。
【0008】
このとき、従来のリレー試験装置10は、図2に示されたように、自動車の事故、回路の誤接続などによってリレー14と外部機器15との間が接地と短絡する場合、リレー試験装置10の内部回路が無負荷状態に変わって高電流が流れるようになる。それによって、リレー試験装置10の電源11が放電し、リレー14を診断することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、外部装置と連結された入出力端子に短絡が発生する場合、入出力端子と電気的に連結された内部電源ライン上の可変抵抗部の設定抵抗値を変更することで、短絡を防止することができる短絡防止装置及び方法を提供することを目的とする。
【0010】
バッテリーのフルセルとハーフセルそれぞれの充電状態−電圧データに基づいて検出された変曲点を用いてハーフセルの充電状態の総区間を補正し、充電状態の総区間の補正前と補正後との間の充電状態の差を残存容量として推定することで、基準電極を挿入しなくてもハーフセルの残存容量を正確に推定することができるバッテリー残存容量推定装置及び方法を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の目的は上述した目的に制限されず、他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様による短絡防止装置は、第1外部電源ラインを通じて駆動電圧源及び接地のいずれか一つと電気的に連結された外部装置と第2外部電源ラインを通じて電気的に連結される入出力端子部と、駆動電圧源及び接地のいずれか一つと入出力端子部とを電気的に連結する内部電源ラインと、内部電源ライン上に設けられて一端が入出力端子部と電気的に連結され、内部電源ラインを通電または遮断させるスイッチング部と、内部電源ライン上に設けられてスイッチング部の他端と電気的に連結される可変抵抗部と、内部電源ラインに流れる電流の測定電流値に基づいて入出力端子部の短絡を判断し、短絡判断の結果に応じて可変抵抗部の設定抵抗値を制御する制御部とを含む。
【0013】
望ましくは、制御部は、測定電流値が予め設定された基準電流値を超過すれば、入出力端子部が短絡したと判断し得る。
【0014】
望ましくは、制御部は、第1外部電源ラインを通じて接地と外部装置とが電気的に連結され、内部電源ラインを通じて駆動電圧源と入出力端子部とが電気的に連結された場合、測定電流値が予め設定された基準電流値を超過すれば、入出力端子部が外部装置と連結された接地とは異なる接地と短絡したと判断し得る。
【0015】
望ましくは、制御部は、短絡判断の結果、入出力端子部が短絡したと判断されれば、可変抵抗部の設定抵抗値を予め設定された基準抵抗値に制御し得る。
【0016】
望ましくは、制御部は、スイッチング部の一端に印加された一端電圧の第1測定電圧値とスイッチングの他端に印加された他端電圧の第2測定電圧値との測定電圧差に基づいて、スイッチング部の動作状態がターンオン状態及びターンオフ状態のうちどの動作状態であるかを確認し得る。
【0017】
望ましくは、制御部は、スイッチング部の動作状態を確認した結果、スイッチング部がターンオン状態であれば、入出力端子部の短絡を判断し、短絡判断の結果に応じて可変抵抗部の設定抵抗値を制御し得る。
【0018】
望ましくは、制御部は、スイッチング部の動作状態を確認した結果、スイッチング部がターンオフ状態であれば、入出力端子部の短絡を判断しない。
【0019】
本発明の他の態様によるバッテリーパックは、短絡防止装置を含む。
【0020】
本発明のさらに他の態様による自動車は、短絡防止装置を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、外部装置と連結された入出力端子に短絡が発生する場合、入出力端子と電気的に連結された内部電源ライン上の可変抵抗部の設定抵抗値を変更して短絡を遮断することで、内部電源ラインに高電流が流れる現象及び駆動電圧源の出力が限界出力を超過する現象を防止することができる。
【0022】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】従来のリレー試験装置の短絡前の構成を示した図である。
図2】従来のリレー試験装置の短絡後の構成を示した図である。
図3】本発明の一実施形態による短絡防止装置の短絡前の構成を示した図である。
図4】本発明の一実施形態による短絡防止装置の短絡後の構成を示した図である。
図5】本発明の他の実施形態による短絡防止装置の短絡前の構成を示した図である。
図6】本発明の他の実施形態による短絡防止装置の短絡後の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0025】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
また、本発明の説明において、関連公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0027】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちある一つをその他の要素と区別するために使われたものであり、これら用語によって構成要素が限定されることはない。
【0028】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に言及されない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載された「制御ユニット」のような用語は少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組合せで具現され得る。
【0029】
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結」されるとするとき、これは「直接的な連結」だけではなく、他の素子を介在した「間接的な連結」も含む。
【0030】
本発明による短絡防止装置は、第1外部電源ラインを通じて駆動電圧源及び接地のいずれか一つと電気的に連結された外部装置と第2外部電源ラインを通じて電気的に連結され得る。
【0031】
ここで、駆動電圧源及び接地は、本発明による短絡防止装置の外部に位置する駆動電圧源及び接地であり得る。
【0032】
本発明による短絡防止装置は、外部装置と第2外部電源ラインを通じて電気的に連結される入出力端子部を含み得る。
【0033】
本発明による短絡防止装置は、内部に備えられた駆動電圧源及び接地のいずれか一つと入出力端子部とを電気的に連結する内部電源ラインを含み得る。
【0034】
一方、本発明の一実施形態による短絡防止装置100は、第1外部電源ラインOL1を通じて接地GNDと電気的に連結された外部装置1と第2外部電源ラインOL2を通じて電気的に連結され得る。
【0035】
本発明の一実施形態による短絡防止装置100は、内部に備えられた駆動電圧源Voと入出力端子部110とを電気的に連結する内部電源ラインILを含み得る。
【0036】
以下、本発明の一実施形態による短絡防止装置100について具体的に説明する。
【0037】
図3は本発明の一実施形態による短絡防止装置100の短絡前の構成を示した図であり、図4は本発明の一実施形態による短絡防止装置100の短絡後の構成を示した図である。
【0038】
まず、図3を参照すれば、本発明の一実施形態による短絡防止装置100は、入出力端子部110、内部電源ラインIL、スイッチング部120、可変抵抗部130、センシング部140、メモリ部150及び制御部160を含む。また、本発明の一実施形態による短絡防止装置100は、駆動電圧源Voを内部にさらに含み得る。
【0039】
入出力端子部110は、上述したように、第1外部電源ラインOL1を通じて接地GNDと電気的に連結された外部装置1と第2外部電源ラインOL2を通じて電気的に連結される。
【0040】
ここで、入出力端子部110は、駆動電圧源Voの駆動電圧を外部装置1に出力する出力端子の役割を果たすことができる。
【0041】
一方、内部電源ラインILは、内部に備えられた駆動電圧源Voと入出力端子部110とを電気的に連結する。
【0042】
これによって、駆動電圧源Voの駆動電圧が内部電源ラインILを通じて入出力端子部110に印加される。
【0043】
スイッチング部120は、内部電源ラインIL上に設けられて入出力端子部110と電気的に連結される。これを通じて、スイッチング部120の動作状態をターンオンまたはターンオフに制御することで、内部電源ラインILを通電または遮断することができる。
【0044】
すなわち、スイッチング部120は、動作状態がターンオンに制御されることで、駆動電圧源Voの駆動電圧を入出力端子部110に印加する。これによって、入出力端子部110が駆動電圧を外部装置1に出力し、外部装置1を駆動することができる。
【0045】
ここで、スイッチング部120はFET素子であり得、外部装置1はアクチュエータであり得る。
【0046】
すなわち、本発明による短絡防止装置100は、自動車の内部に備えられてアクチュエータと連結され得る。
【0047】
可変抵抗部130は、内部電源ラインIL上に設けられてスイッチング部120の他端と電気的に連結される。すなわち、可変抵抗部130は、駆動電圧源Voとスイッチング部120との間に電気的に連結され、スイッチング部120と直列で連結され得る。
【0048】
可変抵抗部130の設定抵抗値は、後述する制御部160の制御によって変更できる。そのため、可変抵抗部130は、制御部160から入力される入力値に対応して抵抗値が変わるデジタルポテンショメータであり得る。
【0049】
ただし、可変抵抗部130はデジタルポテンショメータに限定されず、制御部160の制御によって設定抵抗値を変更できるものであれば、可変抵抗部130の種類は限定されない。
【0050】
センシング部140は、後述する制御部160と動作可能に結合される。すなわち、センシング部140は、制御部160に電気的信号を送信するか又は制御部160から電気的信号を受信できるように制御部160に接続され得る。
【0051】
センシング部140は、予め設定された周期毎にスイッチング部120の一端に印加された一端電圧及びスイッチング部120の他端に印加された他端電圧を測定することができる。
【0052】
また、センシング部140は、予め設定された周期毎に内部電源ラインILに流れる電流を測定することができる。
【0053】
このようなセンシング部140は、測定された一端電圧、他端電圧及び電流をそれぞれ示す測定信号を制御部160に提供することができる。
【0054】
センシング部140は、電圧を測定するように構成された電圧センサを含む。また、センシング部140は、電流を測定するように構成された電流センサをさらに含み得る。
【0055】
制御部160は、センシング部140から測定信号が受信されれば、信号処理を通じて測定された一端電圧、他端電圧及び電流のそれぞれに対応するデジタル値として、第1測定電圧値、第2測定電圧値及び測定電流値を決定してメモリ部150に保存することができる。
【0056】
メモリ部150は、半導体メモリ素子であって、制御部160によって生成されるデータを記録、消去、更新し、入出力端子部110の短絡を判断し、可変抵抗部130の設定抵抗値を制御するために設けられた複数のプログラムコードを保存する。また、メモリ部150は、本発明の実施に使用される予め決められた各種のパラメータの事前設定値を保存することができる。
【0057】
メモリ部150は、データを記録、消去、更新可能であると知られた半導体メモリ素子であれば、その種類に特に制限がない。一例として、メモリ部150は、DRAM、SDRAM、フラッシュメモリ、ROM、EEPROM、レジスタなどであり得る。メモリ部150は、制御部160の制御ロジックを定義したプログラムコードを保存している保存媒体をさらに含むことができる。保存媒体は、フラッシュメモリやハードディスクのような不揮発性記憶素子を含む。メモリ部150は、制御部160と物理的に分離されていても良く、制御部160と一体的に統合されていても良い。
【0058】
制御部160は、内部電源ラインILに流れる電流の測定電流値に基づいて入出力端子部110の短絡を判断し、短絡判断の結果に応じて可変抵抗部130の設定抵抗値を制御することができる。
【0059】
より具体的に、制御部160は、内部電源ラインILに流れる電流の測定電流値が予め設定された基準電流値を超過すれば、入出力端子部110が短絡したと判断することができる。
【0060】
このとき、一実施形態によって、第1外部電源ラインOL1を通じて外部に位置する接地GNDと外部装置1とが電気的に連結され、内部電源ラインILを通じて内部に備えられた駆動電圧源Voと入出力端子部110とが電気的に連結された場合、制御部160は測定電流値が予め設定された基準電流値を超過すれば、図4に示されたように、入出力端子部110が外部装置1と連結された接地GNDとは異なる接地GND'と短絡したと判断することができる。
【0061】
ここで、予め設定された基準電流値は、入出力端子部110の短絡を判断するのに基準になる電流値であって、入出力端子部110が短絡した場合、内部電源ラインILに流れることのできる電流の最小電流値であり得る。例えば、予め設定された基準電流値は「1A」であり得る。
【0062】
ここで、異なる接地GND'は、自動車のシャシ、フレームなどであり得る。
【0063】
図4を参照すれば、入出力端子部110が外部装置1と連結された接地GNDとは異なる接地GND'と短絡した場合、内部電源ラインILが無負荷回路状態に変わることで高電流が流れるようになる。これによって、駆動電圧源Voの出力が限界出力を超過し、短絡防止装置100及び短絡防止装置100が備えられた自動車の電装システム全体がシャットダウンする問題が生じ得る。
【0064】
このとき、入出力端子部110の短絡は、自動車の衝突による外部の衝撃、回路の誤接続などによって発生し得る。
【0065】
これによって、制御部160は、入出力端子部110が短絡したと判断されれば、可変抵抗部130の設定抵抗値を予め設定された基準抵抗値に制御することができる。
【0066】
より具体的に、制御部160は、入出力端子部110が短絡したと判断されれば、内部電源ラインILが無負荷回路状態に変更されて高電流が流れることがないように、可変抵抗部130の設定抵抗値を予め設定された基準抵抗値に制御することができる。
【0067】
ここで、予め設定された基準抵抗値は、外部装置1に印加される電圧が、外部装置1が駆動可能な電圧範囲内に含まれるように、抵抗値が限定され得る。例えば、予め設定された基準抵抗値は「1Ω」であり得る。
【0068】
このような本発明の構成によれば、入出力端子部110に短絡が発生しても、制御部160が内部電源ラインIL上に設けられた可変抵抗部130の設定抵抗値を予め設定された基準抵抗値に制御することで、内部電源ラインILに高電流が流れて駆動電圧源Voの出力が限界出力を超過する現象を防止することができる。
【0069】
逆に、制御部160は、入出力端子部110が短絡していないと判断されれば、可変抵抗部130の設定抵抗値を「0Ω」に制御することができる。
【0070】
このような本発明の構成によれば、制御部160は入出力端子部110に短絡が発生していない場合、可変抵抗部130の設定抵抗値を「0Ω」に制御することで、可変抵抗部130で生じる不要な電圧降下を防止することができる。
【0071】
一方、制御部160は、上述した入出力端子部110の短絡を判断する前にスイッチング部120の動作状態を確認し、確認結果に基づいて入出力端子部110の短絡を判断するか又は判断しないことができる。
【0072】
より具体的に、制御部160は、スイッチング部120の一端に印加された一端電圧の第1測定電圧値とスイッチングの他端に印加された他端電圧の第2測定電圧値との測定電圧差に基づいて、スイッチング部120の動作状態がターンオン状態及びターンオフ状態のうちどの動作状態であるかを確認することができる。
【0073】
このとき、制御部160は、測定電圧差が予め設定された基準電圧差以下であれば、スイッチング部120の動作状態がターンオン状態であると確認し、測定電圧差が予め設定された基準電圧差を超過すれば、スイッチング部120の動作状態がターンオフ状態であると確認することができる。
【0074】
ここで、予め設定された基準電圧差は、スイッチング部120の動作状態を判断するのに基準になる電圧値であり得る。このような予め設定された基準電圧差は、駆動電圧源Voの駆動電圧の1/2であり得る。例えば、予め設定された基準電圧差は「6V」であり得る。
【0075】
次いで、制御部160は、スイッチング部120の動作状態を確認した結果、スイッチング部120の動作状態がターンオン状態であれば、上述したように、入出力端子部110の短絡を判断し、判断結果に応じて可変抵抗部130の設定抵抗値を制御することができる。
【0076】
一方、制御部160は、スイッチング部120の動作状態を確認した結果、スイッチング部120の動作状態がターンオフ状態であれば、入出力端子部110の短絡を判断しないこともできる。
【0077】
このような本発明の構成によれば、制御部160は、入出力端子部110に短絡が発生してもスイッチング部120がターンオフ状態であるため、内部電源ラインILに高電流が流れない場合、入出力端子部110の短絡を判断しないこともできる。
【0078】
制御部160は、多様な制御ロジックを実行するために当業界に知られたASIC(application−specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路、レジスタ、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含み得る。制御部160によって実行される多様な制御ロジックは少なくとも一つ以上が組み合わせられ、組み合わせられた制御ロジックはコンピュータ可読のコード体系で作成されてコンピュータ可読の記録媒体に書き込まれ得る。記録媒体は、コンピュータに含まれた制御部160によってアクセス可能なものであればその種類に特に制限がない。一例として、記録媒体はROM、RAM、レジスタ、CD−ROM、磁気テープ、ハードディスク、フロッピーディスク及び光データ記録装置を含む群から選択された少なくとも一つ以上を含む。また、コード体系は、キャリア信号に変調されて特定の時点に通信キャリアに含まれ、ネットワークで連結されたコンピュータに分散して保存されて実行され得る。また、組み合わせされた制御ロジックを具現するための機能的なプログラム、コード及びコードセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマによって容易に推論できる。
【0079】
以下、本発明の他の実施形態による短絡防止装置100'について具体的に説明する。
【0080】
本発明の他の実施形態による短絡防止装置100'は、一実施形態による短絡防止装置100'に比べて一部構成の電気的連結のみが相異なる。したがって、繰り返される説明は省略する。
【0081】
図5は本発明の他の実施形態による短絡防止装置100'の短絡前の構成を示した図であり、図6は本発明の他の実施形態による短絡防止装置100'の短絡後の構成を示した図である。
【0082】
まず、図5を参照すれば、本発明の他の実施形態による短絡防止装置100'は、入出力端子部110、内部電源ラインIL、スイッチング部120、可変抵抗部130、センシング部140、メモリ部150及び制御部160を含む。また、本発明の他の実施形態による短絡防止装置100'は接地GNDを内部にさらに含み得る。
【0083】
入出力端子部110は、上述したように、第1外部電源ラインOL1を通じて外部の駆動電圧源Voと電気的に連結された外部装置1と第2外部電源ラインOL2を通じて電気的に連結される。
【0084】
一方、内部電源ラインILは、内部に備えられた接地GNDと入出力端子部110とを電気的に連結する。
【0085】
これによって、外部装置1の抵抗成分によって電圧降下した駆動電圧源Voの駆動電圧は、内部電源ラインILを通じて入出力端子部110に印加される。
【0086】
スイッチング部120は、内部電源ラインIL上に設けられて入出力端子部110と電気的に連結される。これを通じて、スイッチング部120の動作状態をターンオンまたはターンオフに制御することで、内部電源ラインILを通電または遮断することができる。
【0087】
すなわち、スイッチング部120は、動作状態がターンオンに制御されることで、駆動電圧源Voの駆動電圧を外部装置1に印加し、これによって外部装置1を駆動することができる。
【0088】
可変抵抗部130は、内部電源ラインIL上に設けられてスイッチング部120の他端と電気的に連結される。すなわち、可変抵抗部130は、駆動電圧源Voとスイッチング部120との間に電気的に連結され、スイッチング部120と直列で連結され得る。
【0089】
可変抵抗部130の設定抵抗値は、後述する制御部160の制御によって変更できる。
【0090】
センシング部140は、後述する制御部160と動作可能に結合される。すなわち、センシング部140は、制御部160に電気的信号を送信するか又は制御部160から電気的信号を受信できるように制御部160に接続され得る。
【0091】
センシング部140は、予め設定された周期毎にスイッチング部120の一端に印加された一端電圧及びスイッチング部120の他端に印加された他端電圧を測定することができる。
【0092】
また、センシング部140は、予め設定された周期毎に内部電源ラインILに流れる電流を測定することができる。
【0093】
このようなセンシング部140は、測定された一端電圧、他端電圧及び電流をそれぞれ示す測定信号を制御部160に提供することができる。
【0094】
制御部160は、センシング部140から測定信号が受信されれば、信号処理を通じて測定された一端電圧、他端電圧及び電流のそれぞれに対応するデジタル値として、第1測定電圧値、第2測定電圧値及び測定電流値を決定してメモリ部150に保存することができる。
【0095】
メモリ部150は、半導体メモリ素子であって、制御部160によって生成されるデータを記録、消去、更新し、入出力端子部110の短絡を判断し、可変抵抗部130の設定抵抗値を制御するために設けられた複数のプログラムコードを保存する。また、メモリ部150は、本発明の実施に使用される予め決められた各種のパラメータの事前設定値を保存することができる。
【0096】
制御部160は、内部電源ラインILに流れる電流の測定電流値に基づいて入出力端子部110の短絡を判断し、短絡判断の結果に応じて可変抵抗部130の設定抵抗値を制御することができる。
【0097】
より具体的に、制御部160は、内部電源ラインILに流れる電流の測定電流値が予め設定された基準電流値を超過すれば、入出力端子部110が短絡したと判断することができる。
【0098】
このとき、他の実施形態によって、第1外部電源ラインOL1を通じて外部に位置する駆動電圧源Voと外部装置1とが電気的に連結され、内部電源ラインILを通じて内部に備えられた接地GNDと入出力端子部110とが電気的に連結された場合、制御部160は測定電流値が予め設定された基準電流値を超過すれば、図6に示されたように、入出力端子部110が外部に位置する駆動電圧源Voと短絡したと判断することができる。
【0099】
図6を参照すれば、入出力端子部110が外部に位置する駆動電圧源Voと短絡した場合、内部電源ラインILが無負荷回路状態に変わることで高電流が流れるようになる。これによって、駆動電圧源Voの出力は限界出力を超過し、短絡防止装置100'及び短絡防止装置100'が備えられた自動車の電装システム全体がシャットダウンする問題が生じ得る。
【0100】
このとき、入出力端子部110の短絡は、自動車の衝突による外部の衝撃、回路の誤接続などで発生し得る。
【0101】
これによって、制御部160は、入出力端子部110が短絡したと判断されれば、可変抵抗部130の設定抵抗値を予め設定された基準抵抗値に制御することができる。
【0102】
より具体的に、制御部160は、入出力端子部110が短絡したと判断されれば、内部電源ラインILが無負荷回路状態に変更されて高電流が流れることがないように、可変抵抗部130の設定抵抗値を予め設定された基準抵抗値に制御することができる。
【0103】
このような本発明の構成によれば、入出力端子部110に短絡が発生しても、制御部160が内部電源ラインIL上に設けられた可変抵抗部130の設定抵抗値を予め設定された基準抵抗値に制御することで、内部電源ラインILに高電流が流れて駆動電圧源Voの出力が限界出力を超過する現象を防止することができる。
【0104】
逆に、制御部160は、入出力端子部110が短絡していないと判断されれば、可変抵抗部130の設定抵抗値を「0Ω」に制御することができる。
【0105】
このような本発明の構成によれば、制御部160は入出力端子部110に短絡が発生していない場合、可変抵抗部130の設定抵抗値を「0Ω」に制御することで、可変抵抗部130で生じる不要な電圧降下を防止することができる。
【0106】
一方、本発明によるバッテリーパックは、上述した短絡防止装置を含むことができる。また、本発明による自動車は、上述した短絡防止装置を含むことができる。
【0107】
上述した本発明の実施形態は、装置及び方法のみを通じて具現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じても具現でき、このような具現は上述した実施形態の記載から本発明が属する技術分野の専門家であれば容易に具現できるであろう。
【0108】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0109】
また、上述した本発明は本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるため、上述した実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、多様に変形できるように各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6