特許第6973953号(P6973953)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6973953光アイソレータの製造方法及びファラデー回転子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973953
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】光アイソレータの製造方法及びファラデー回転子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/28 20060101AFI20211118BHJP
   G02F 1/09 20060101ALI20211118BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20211118BHJP
   C30B 29/16 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   G02B27/28 A
   G02F1/09 501
   G02B5/30
   C30B29/16
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-215398(P2018-215398)
(22)【出願日】2018年11月16日
(65)【公開番号】特開2020-85957(P2020-85957A)
(43)【公開日】2020年6月4日
【審査請求日】2020年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 聡明
【審査官】 井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/085040(WO,A1)
【文献】 特開2011−150208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、入射する光の偏光面を非相反で回転させるファラデー回転子と、該ファラデー回転子の光入射側に配置された偏光子と、前記ファラデー回転子の光出射面に配置された検光子とを備えた光アイソレータの製造方法であって、
前記ファラデー回転子は、酸化イッテルビウム(Yb)を含む酸化物からなり、セラミックス製造方法により製造され、
前記酸化物は、イッテルビウムとは異なる金属の酸化物を含有、前記酸化物全金属原子におけるイッテルビウムの原子数の比率が80%以上であることを特徴とする光アイソレータの製造方法
【請求項2】
前記酸化物は、イッテルビウムとは異なる金属の酸化物をとして酸化セリウム(CeO)を含有し、前記酸化物全金属原子におけるセリウムの原子数の比率が20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータの製造方法
【請求項3】
前記ファラデー回転子は、偏光させる光の波長が320〜800nmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の光アイソレータの製造方法
【請求項4】
前記ファラデー回転子は、入射面と出射面とを有する平行平板形状に形成され、
前記入射面は、略半分の領域に設けられる第1反射機構と、前記第1反射機構が設けられず入射光を取り込む入射部とを有し、
前記出射面は、前記入射部と対向する領域に設けられる第2反射機構と、前記第2反射機構が設けられず前記ファラデー回転子を通過する光を出射する出射部とを有し、
前記ファラデー回転子は、前記偏光子を経て前記入射部から入射する入射光が前記第2反射機構及び前記第1反射機構で反射されて前記出射部から出射して前記検光子に入射するよう配置されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光アイソレータの製造方法
【請求項5】
ファラデー回転子の製造方法であって、
前記ファラデー回転子は、
酸化イッテルビウム(Yb)を含む酸化物からなり、
セラミックス製造方法により製造され、
前記酸化物は、イッテルビウムとは異なる金属の酸化物を含有、前記酸化物全金属原子におけるイッテルビウムの原子数の比率が80%以上であることを特徴とするファラデー回転子の製造方法
【請求項6】
前記酸化物は、イッテルビウムとは異なる金属の酸化物をとして酸化セリウム(CeO)を含有し、前記酸化物全金属原子におけるセリウムの原子数の比率が20%以下であることを特徴とする請求項5に記載のファラデー回転子の製造方法
【請求項7】
偏光させる光の波長が320〜800nmの範囲であることを特徴とする請求項5または6に記載のファラデー回転子の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光加工や光計測で用いられる光アイソレータ及びそれに用いられるファラデー回転子に関する。
【背景技術】
【0002】
光加工機や光計測機に用いられるレーザ光源は、出射したレーザ光が伝送路途中に設けられた部材表面で反射して、その反射光がレーザ光源に戻って入射すると、レーザ発振が不安定になってしまう。このような反射戻り光を遮断するために、偏光面を非相反で回転させるファラデー回転子を用いた光アイソレータが用いられる。
【0003】
近年、波長域が320nm〜800nmのレーザ光源(例えば、He−Cdレーザ(波長325nm)やArレーザ(波長514nm))が、光加工機や光計測機に使用されている。現在、TbGa12単結晶(通称TGG)のファラデー回転子が実用化されているが、Tbイオンによる光吸収は320〜410nm、450〜550nmにあるため、TGGのファラデー回転子はその近傍の波長域で透過率が低くなる。透過率が低い波長域では光損失が大きくなり、損失した光が熱エネルギーに変換されるため、ファラデー回転子が過熱される。その結果、ファラデー回転子に温度変化が生じアイソレーション性能の劣化等の問題が生じ得る。このため、波長域が320nm〜800nmのレーザ光源に、TGGを用いた光アイソレータを使用することは好適とは言えない。
【0004】
これに対し、Ybイオンによる光吸収は915nm付近、および975nm付近にあり、波長域が320nm〜800nmの範囲での光吸収が小さいため、ファラデー回転子としてYb系材料を使用した光アイソレータは波長域が320nm〜800nmのレーザ光源に対して好適であると予想される。
【0005】
そこで、発明者らはフローティングゾーンメルト法によって、Yb系材料の結晶の育成を行い、波長600nm光の透過率が90%前後の結晶を育成することに成功した(例えば特許文献1を参照)。しかし、フローティングゾーンメルト法では、透過率のさらなる向上を企図してYb比率を高めた結晶を育成しても、透過率は改善しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−150208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、透過率が高く、ベルデ定数が大きいファラデー回転子及び光アイソレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らが透過率の高い結晶の育成を検討したところ、セラミックス製造方法により、Yb比率を高めることができ、透過率の向上が見られることが分かった。
【0009】
上記の課題を解決すべく、本発明の光アイソレータは、少なくとも、入射する光の偏光面を非相反で回転させるファラデー回転子と、該ファラデー回転子の光入射側に配置された偏光子と、ファラデー回転子の光出射面に配置された検光子とを備える。ファラデー回転子は、酸化イッテルビウム(Yb)を含む酸化物からなり、セラミックス製造方法により製造され、酸化物は、イッテルビウムとは異なる金属の酸化物を含有することが許容され、酸化物における全金属原子におけるイッテルビウムの比率が80%以上であることを特徴とする。このような構成により、透過率が高いファラデー回転子を用いた光アイソレータを実現できる。
【0010】
本発明では、酸化物は、イッテルビウムとは異なる金属の酸化物をとして酸化セリウム(CeO)を含有し、酸化物における全金属原子におけるセリウムの比率が20%以下であるとよい。このような構成により、ベルデ定数が大きいファラデー回転子を用いた光アイソレータを実現できる。
【0011】
本発明では、ファラデー回転子は、偏光させる光の波長が320〜800nmの範囲であるとよい。
【0012】
本発明では、ファラデー回転子は、入射面と出射面とを有する平行平板形状に形成され、入射面は、略半分の領域に設けられる第1反射機構と、第1反射機構が設けられず入射光を取り込む入射部とを有し、出射面は、入射部と対向する領域に設けられる第2反射機構と、第2反射機構が設けられずファラデー回転子を通過する光を出射する出射部とを有し、ファラデー回転子は、偏光子を経て入射部から入射する入射光が第2反射機構及び第1反射機構で反射されて出射部から出射して検光子に入射するよう配置されるとよい。
【0013】
また、本発明に係るファラデー回転子は、酸化イッテルビウム(Yb)を含む酸化物からなり、セラミックス製造方法により製造される。そして、上記の酸化物は、イッテルビウムとは異なる金属の酸化物を含有することが許容され、酸化物における全金属原子におけるイッテルビウムの比率が80%以上であることを特徴とする。このような構成により、透過率が高いファラデー回転子を得ることができる。
【0014】
また、本発明では、酸化物は、イッテルビウムとは異なる金属の酸化物をとして酸化セリウム(CeO)を含有し、酸化物における全金属原子におけるセリウムの比率が20%以下であるとよい。このようにすれば、ベルデ定数の大きいファラデー回転子を得ることができる。
【0015】
本発明では、ファラデー回転子は、偏光させる光の波長が320〜800nmの範囲であるとよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】光アイソレータの基本的な格子を示す図である。
図2】光アイソレータにおけるファラデー回転子の配置方法を光路とともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
光アイソレータは、一方向に進む光のみを透過し逆方向の光を遮断する光学部品である。本実施形態の光アイソレータ100は、偏光面を非相反で回転させるファラデー回転子を用いたものである。図1に示すように、筐体101の内部において、偏光子(ポラライザ)104と検光子(アナライザ)105が、ファラデー回転子102の両端に配置された構成を有する。偏光子104の偏光振動面と検光子105の偏光振動面は、相対角度が45°になるよう配置される。また、ファラデー回転子102の周囲には、ファラデー回転子102に磁界を印加するための磁石103が配置されている。
【0019】
ファラデー回転子は、磁場に平行な進行方向に、直線偏光を透過させたときに、偏光面を回転させる。ここで、ファラデー回転子が偏光面を回転させる角度θは、下記の式(1)で表される。
θ=V×H×L ・・・(1)
なお、Vはベルデ定数と呼ばれ、直線偏光した光の偏光面が回転する大きさを表す。ベルデ定数は、ファラデー回転子の材料および測定波長で決まる。また、Hは磁界の大きさであり、Lはファラデー回転子の長さ(透過時の光路長)である。ベルデ定数が大きいほど、同じ回転角を得るのに必要なファラデー回転子の長さが短くて済む。
【0020】
図1に示した光アイソレータ100には、波長が320〜800nmの範囲にあるレーザ光が順方向に入射される。順方向に入射した光は偏光子104で直線偏光になり、ファラデー回転子102に入射する。続いて、ファラデー回転子102で光の偏光面が45°回転して、検光子105に入射する。偏光子104の偏光振動面と検光子105の偏光振動面は、相対角度が45°になっているため、光はそのまま出射される。
【0021】
一方、逆方向から入射した光は、検光子105を透過できる偏光がファラデー回転子102に入射する。ファラデー回転子102で光の偏光面は、進行方向に対して順方向のときと逆方向に45°回転する。ここで、偏光子104に達した光の偏光面は、偏光子104の偏光振動面に対して90°の角度になるため、逆方向から入射した光は、光アイソレータを通過することができない。このような構成により、光アイソレータ100は、一方向に進む光のみを透過し逆方向の光を遮断することができる。
【0022】
本実施形態の光アイソレータ100に用いるファラデー回転子102は、酸化イッテルビウム(Yb)を80mol%以上含む酸化物からなる。すなわち、この酸化物は、イッテルビウムとは異なる金属の酸化物を含有することが許容されるが、酸化物における全金属原子におけるイッテルビウムの比率が80%以上である。このようにすることで、使用するレーザ光の波長域において、透過率を90%以上にすることができる。
【0023】
また、ファラデー回転子102は、酸化イッテルビウム(Yb)を80mol%以上含むのに加え、酸化セリウム(CeO)をYbの原子数とCeの原子数とを揃えるべく2CeOとして計算したモル比(モル分率)において20mol%以下含む酸化物からなることが望ましい。すなわち、酸化物は、イッテルビウムとは異なる金属の酸化物をとしてCeOを含有する場合、酸化物における全金属原子におけるセリウムの比率が20%以下であることが好ましい。このようにすることで、使用するレーザ光の波長域において、ベルデ定数を高めることができる。
【0024】
上記のようなファラデー回転子102を為す酸化物は、セラミックス製造方法により作製することができる。
【0025】
本実施形態の光アイソレータ100は、上記のような酸化イッテルビウム(Yb)を含む酸化物の透明体ワークを平行平板状に加工し、透明体ワークの両端部の各々半分に反射機構(102a、102b)を設けたものをファラデー回転子102として用いることが望ましい。このように反射機構(102a、102b)を設けた透明体ワークを、図2に示したように入射光が1往復半して出射するように傾けて配置する。このような構成により、ファラデー回転子102の長さ(厚さ)を大きくすることなく回転子内の光路長を伸ばすことができ、ファラデー回転子及び光アイソレータを小型化することができる。
【0026】
以下、ファラデー回転子102として用いるのに適した酸化物の構成比を明らかにすべく、実施例を示して説明する。
【0027】
[実施例1]
酸化イッテルビウム(Yb)と酸化イットリウム(Y)とを、表1に示した8種類のモル比でそれぞれ含有する透明体ワークを下記の手順で作製し、特性を評価した。はじめに、純度3N以上の酸化イッテルビウム(Yb)と、純度4N以上の酸化イットリウム(Y)とを所定のモル比でボールミルにて混合した。その後、アルミナルツボにて1100℃、3時間の焼成条件で仮焼成を行い、酸化物原料の仮焼成体を作製した。続いて、作製した仮焼成体に対して、ナイロンポットとナイロンボールとを用いてボールミルにて混合し、混合紛体を得た。この混合紛体を金型に入れ、冷間等方圧加工法(CIP)により成形し、本焼成を行った。本焼成では、100℃/hの昇温速度で600℃まで昇温させ10時間保持した後に、同昇温速度で1400℃まで昇温させ2時間保持した。その後、真空炉において1600℃の焼成温度で4時間保持し、室温まで降下させた。このようにして、表1に示した8種類の構成比の透明体ワークを得た。
【0028】
その後、作製した透明体ワークの両端面をダイヤモンドスラリーで鏡面研磨し、2mm厚とした。また、表1に示した所定のレーザ光の波長(405nm、514nm、633nm)に対応する、対空気AR(反射防止膜)コートを施して、透明体ワークの透過率及びベルデ定数を測定した。実施1の評価測定結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
表1に示すように、YbにYを加えて作製した透明体ワークは、Ybを80mol%以上含む(つまり、酸化物中の全金属原子におけるイッテルビウムの比率が80%以上である)構成比で透過率が90%以上となることが分かった。
【0031】
[実施例2]
酸化イッテルビウム(Yb)と酸化ガドリニウム(Gd)とを、表2に示した6種類のモル比でそれぞれ含有する透明体ワークを作製し、特性を評価した。透明体ワークの作製及び評価のための測定は、第1実施形態と同様の手法でYをGdに置き換えて行なった。実施例2の測定結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
表2に示すように、YbにGdを加えて作製した透明体ワークは、Ybを80mol%以上含む(つまり、酸化物中の全金属原子におけるイッテルビウムの比率が80%以上である)構成比で透過率が90%以上となることが分かった。
【0034】
[実施例3]
酸化イッテルビウム(Yb)と酸化ランタン(La)とを、表3に示した6種類のモル比でそれぞれ含有する透明体ワークを作製し、特性を評価した。透明体ワークの作製及び評価のための測定は、第1実施形態と同様の手法でYをLaに置き換えて行なった。実施例3の測定結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
表3に示すように、YbにLaを加えて作製した透明体ワークは、Ybを80mol%以上含む(つまり、酸化物中の全金属原子におけるイッテルビウムの比率が80%以上である)構成比で透過率が90%以上となることが分かった。
【0037】
[実施例4]
酸化イッテルビウム(Yb)と酸化セリウム(CeO)とを、表4に示した6種類のモル比でそれぞれ含有する透明体ワークを作製し、特性を評価した。なお、表4に示したモル比は、Ybの原子数とCeの原子数とを揃えるべく、CeOではなく2CeOとして計算したモル比である。すなわち、このモル比は、酸化物中のイッテルビウムとセリウムの原子数の比率を表している。透明体ワークの作製及び評価のための測定は、第1実施形態と同様の手法でYをCeOに置き換えて行なった。実施例4の測定結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
表4に示すように、YbにCeOを加えて作製した透明体ワークは、Ybを80mol%以上含む(つまり、酸化物中の全金属原子におけるイッテルビウムの比率が80%以上である)構成比で透過率が90%以上となることが分かった。また、CeOの構成比が大きいほど、透過率はやや低下するもののベルデ定数が大きくなることがわかった。
【0040】
実施例1から実施例4までを総合すると、ファラデー回転子に用いる透明体ワークは、セラミックス製造方法で作製するのが好ましく、構成比としては酸化物中の全金属原子におけるイッテルビウムの比率が80%以上である(Ybを80mol%以上含有する)ことが好ましいことがわかった。
また、実施例1から実施例4までの結果を比較すると、YbにY、Gd、またはLaを加えて作製した透明体ワークと比較して、YbにCeOを加えて作製した透明体ワークは全般にベルデ定数が大きく、酸化物中の全金属原子におけるセリウム原子の比率(2CeOのモル比)が大きくなるにつれてベルデ定数も大きくなることが分かった。これらのことから、YbにCeOを加えるとよく、このときの酸化物中の全金属原子におけるセリウム原子の比率を20%以下(つまり、2CeOを20mol%以下)含むと、ベルデー定数が大きく且つ透過率が高いことがわかった。
【0041】
[実施例5]
実施例1で作製したYbの構成比が100mol%である透明体ワークに所定の加工を施し、光アイソレータとして機能するかを評価した。
【0042】
まず、実施例1で作製したYbの構成比が100mol%の透明体ワークを、外径φ3.0mm×厚み2mmの円板状に加工し、405nmの対空気ARコートを施した。続いて、対空気ARコートを施した円板状の透明体ワークの片端の上半分に反射ミラーA、片端の下半分に反射ミラーBを形成し、透明体ワークを傾けることで入射光が1往復半して出射するように調整した。
【0043】
外周には、Nd−Fe−B磁石(外径φ15×内径Φ3.0×長さL6mm)を配置し、ファラデー回転子の両端にはホルダーに接合固定した偏光子を相対角度が45°になるように配置した。
【0044】
外周にはSUS304筐体を配置し、ファラデー回転子内臓の磁石部、偏光子ホルダーを固定し、外形状φ20×L10mmとした。このように構成した光アイソレータは、405nmにおいて、挿入損失0.6dB、アイソレーション38dBという良好な特性を示した。
【0045】
なお、上記に本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、前述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【符号の説明】
【0046】
100 光アイソレータ
101 筐体
102 ファラデー回転子
103 磁石
104 偏光子
105 検光子
図1
図2