(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の装置は、基板回転機構によってウェーハを回転させながらウェーハ表面の研磨を行う(例えば、特許文献1参照)。基板回転機構は、ウェーハの周縁部を把持する複数のチャックと、これらチャックを介してウェーハを回転させる環状の中空モータとを備えている。ウェーハは、チャックによって研磨面を上向きにして水平に保持され、中空モータによってウェーハの軸心を中心にチャックと共に回転される。研磨具を備えた研磨ヘッドは、ウェーハの上側に配置され、回転するチャックと接触しないようにするために、チャックによって把持されたウェーハの周縁部よりも内側に配置される。そのため、ウェーハの表面の最外部は研磨されず、ウェーハの表面の最外部は別途、エッジ研磨用の装置で研磨する必要があった。
【0007】
従来の装置は、例えばウェーハの表面を研磨し、洗浄し、乾燥させる一連の工程を行うことができる基板処理システムに設けられる。このような基板処理システムでは、複数のウェーハは、そのデバイス面が上を向いた状態で、ウェーハカセット内に収容されている。そのため、従来の装置でウェーハの裏面を研磨する場合、ウェーハをウェーハカセットから研磨装置に搬送する過程でウェーハを反転させる必要があった。また、研磨されたウェーハをウェーハカセットに戻す前に、ウェーハを再度反転させる必要があった。しかしながら、このようにウェーハを反転させるときに、ウェーハに空気中の不純物が付着しやすい。また、ウェーハを反転させる工程が繰り返されるので全体の処理時間が増えるという問題があった。
【0008】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたもので、基板の裏面が下を向いた状態で、効率的に基板の裏面の最外部を含む裏面全体を研磨することができる方法および装置を提供することを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明の一
参考例は、基板の裏面が下向きの状態で複数のローラーを前記基板の周縁部に接触させながら、前記複数のローラーをそれぞれの軸心を中心に回転させることで、前記基板を回転させ、前記基板の裏面に液体を供給しながら、かつ前記基板の下側に配置された研磨具を前記基板の裏面に接触させながら、前記研磨具を前記基板に対して相対運動をさせて該基板の裏面全体を研磨することを特徴とする研磨方法である。
【0010】
本発明の好ましい
参考例は、前記相対運動は、前記研磨具が円運動をしながら前記基板の裏面の中心と該裏面の最外端との間を移動する運動であることを特徴とする。
本発明の好ましい
参考例は、前記相対運動は、前記研磨具が前記基板の裏面と平行な方向に往復運動しながら、前記研磨具が前記基板の裏面の中心と該裏面の最外端との間を移動する運動であることを特徴とする。
本発明の好ましい
参考例は、前記往復運動は、前記研磨具が前記基板の裏面と平行な方向に振動する運動であることを特徴とする。
本発明の好ましい
参考例は、前記液体は、純水またはアルカリ性の薬液であることを特徴とする。
本発明の好ましい
参考例は、前記研磨具は、砥粒を表面に有する研磨テープであることを特徴とする。
【0011】
本発明の一
参考例は、ロードアンロード部に載置された基板を研磨ユニットに搬送し、前記研磨ユニットで前記基板の裏面全体を研磨し、前記研磨された基板を洗浄ユニットで洗浄し、前記洗浄された基板を乾燥ユニットで乾燥させ、前記乾燥された基板を前記ロードアンロード部に搬送する工程を含み、前記基板を前記研磨ユニットに搬送する工程、前記基板の裏面全体を研磨する工程、前記研磨された基板を洗浄する工程、前記洗浄された基板を乾燥させる工程、および前記乾燥された基板を前記ロードアンロード部に搬送する工程は、前記基板の裏面が下向きの状態で行われ、前記研磨ユニットで前記基板の裏面全体を研磨する工程は、前記基板の裏面が下向きの状態で複数のローラーを前記基板の周縁部に接触させながら、前記複数のローラーをそれぞれの軸心を中心に回転させることで、前記基板を回転させ、前記基板の裏面に液体を供給しながら、かつ前記基板の下側に配置された研磨具を前記基板の裏面に接触させながら、前記研磨具を前記基板に対して相対運動をさせて該基板の裏面全体を研磨する工程であることを特徴とする基板処理方法である。
【0012】
本発明の一態様は、基板の裏面を研磨する方法であって、前記基板の裏面の中心側領域を第1の基板保持部で保持し、前記基板の下側に配置された研磨具を前記基板の裏面の外周側領域に接触させながら、前記研磨具を円運動または振動させて該裏面の外周側領域を研磨し、前記基板の裏面の外周側領域を第2の基板保持部で保持し、前記基板の下側に配置された研磨具を前記基板の裏面の中心側領域に接触させながら、前記研磨具を円運動または振動させて該裏面の中心側領域を研磨することを特徴とする研磨方法である。
【0013】
本発明の一
参考例は、基板を保持し、該基板を回転させる基板保持部と、研磨具を前記基板の裏面に接触させる研磨ヘッドと、前記基板が前記基板保持部に保持されているときに、前記研磨ヘッドを前記基板に対して相対運動させる研磨ヘッド動作部とを備え、前記基板保持部は、複数のローラーを備え、前記複数のローラーは、各ローラーの軸心を中心に回転可能に構成されており、前記複数のローラーは、前記基板の周縁部に接触可能な基板保持面を有し、前記研磨ヘッドは、前記基板保持面よりも下方に配置され、かつ上向きに配置されていることを特徴とする研磨装置である。
【0014】
本発明の好ましい
参考例は、前記研磨ヘッド動作部は、前記研磨ヘッドを円運動または振動させる研磨ヘッド駆動機構を備えていることを特徴とする。
本発明の好ましい
参考例は、前記研磨ヘッド動作部は、前記研磨ヘッドを平行移動させる研磨ヘッド移動機構をさらに備えていることを特徴とする。
本発明の好ましい
参考例は、前記研磨具は、砥粒を表面に有する研磨テープであることを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様は、基板の裏面の中心側領域を保持し、該基板を回転させる第1の基板保持部と、該裏面の外周側領域を保持する第2の基板保持部と、研磨具を前記基板の裏面に接触させて該基板の裏面を研磨する研磨ヘッドと、前記基板が前記第1または第2の基板保持部に保持されているときに、前記研磨ヘッドを、前記基板に対して相対運動させる研磨ヘッド動作部とを備え、前記研磨ヘッド動作部は、前記研磨ヘッドを円運動または振動させる研磨ヘッド駆動機構を備えていることを特徴とする研磨装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、研磨ヘッドが基板の裏面を研磨しているとき、基板の周縁部を把持するローラーは各ローラーの軸心を中心に回転する一方で、ローラー自体の位置は静止しているので、ローラーが研磨ヘッドに接触することなく、研磨具は、基板の裏面の最外部を含む裏面全体を研磨することができる。結果として、基板の裏面の最外部をエッジ研磨用の装置で研磨する必要がなくなり、研磨工程を減らすことができる。
【0017】
さらに本発明によれば、研磨具は基板の下側に配置され、基板に対して相対運動をするので、基板の裏面が下を向いた状態で、効率的に基板の裏面全体を研磨することができる。結果として、裏面研磨用に基板を反転させる必要がなくなるため、基板への空気中の不純物の付着を防止し、かつ全体の処理時間を減らすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、研磨装置の一実施形態を示す模式図である。
図1に示す研磨装置は、基板の一例であるウェーハWを保持し、その軸心を中心として回転させる基板保持部10と、この基板保持部10に保持されたウェーハWの第1の面1を研磨してウェーハWの第1の面1から異物や傷を除去する研磨ヘッド組立体49とを備えている。研磨ヘッド組立体49は、基板保持部10に保持されているウェーハWの下側に配置されている。
【0020】
本実施形態では、ウェーハWの第1の面1は、デバイスが形成されていないウェーハWの裏面、すなわち非デバイス面であり、反対側の面であるウェーハWの第2の面2は、デバイスが形成されている面、すなわちデバイス面である。本実施形態では、ウェーハWは、その第1の面1が下向きの状態で、基板保持部10に水平に保持される。
【0021】
基板保持部10は、ウェーハWの周縁部に接触可能な複数のローラー11と、これらローラー11をそれぞれの軸心を中心に回転させるローラー回転機構12とを備えている。本実施形態では、4つのローラー11が設けられている。一実施形態では、5つ以上のローラー11を設けてもよい。一実施形態では、ローラー回転機構12は、モータ、ベルト、プーリーなどを備える。ローラー回転機構12は、4つのローラー11を同じ方向に同じ速度で回転させるように構成されている。ウェーハWの第1の面1の研磨中、ウェーハWの周縁部は、ローラー11によって把持される。ウェーハWは水平に保持され、ローラー11の回転によってウェーハWはその軸心を中心に回転される。ウェーハWの第1の面1の研磨中、4つのローラー11はそれぞれの軸心を中心に回転するが、ローラー11自体の位置は静止している。
【0022】
図2は、ローラー回転機構12の詳細を示す平面図である。ローラー回転機構12は、4つのローラー11のうちの2つを連結する第1ベルト14Aと、第1ベルト14Aで連結された2つのローラー11のうちの一方に連結された第1モータ15Aと、第1ベルト14Aで連結された2つのローラー11を回転可能に支持する第1ローラー台16Aと、4つのローラー11のうちの他の2つを連結する第2ベルト14Bと、第2ベルト14Bで連結された2つのローラー11のうちの一方に連結された第2モータ15Bと、第2ベルト14Bで連結された2つのローラー11を回転可能に支持する第2ローラー台16Bとを備える。
【0023】
第1モータ15Aおよび第1ベルト14Aは第1ローラー台16Aの下方に配置され、第2モータ15Bおよび第2ベルト14Bは第2ローラー台16Bの下方に配置されている。第1モータ15Aおよび第2モータ15Bは第1ローラー台16Aおよび第2ローラー台16Bの下面にそれぞれ固定されている。4つのローラー11の下部には図示しないプーリーがそれぞれ固定されている。第1ベルト14Aは、4つのローラー11のうちの2つに固定されたプーリーに掛けられ、第2ベルト14Bは他の2のローラー11に固定されたプーリーに掛けられている。第1モータ15Aおよび第2モータ15Bは同じ速度で同じ方向に回転するように構成されている。したがって、4つのローラー11は、同じ速度で同じ方向に回転することができる。
【0024】
ローラー回転機構12は、第1ローラー台16Aに連結された第1アクチュエータ18Aと、第2ローラー台16Bに連結された第2アクチュエータ18Bをさらに備えている。第1アクチュエータ18Aは、第1ローラー台16Aに支持されている2つのローラー11を矢印で示すように水平方向に移動させる。同様に、第2アクチュエータ18Bは、第2ローラー台16Bに支持されている他の2つのローラー11を矢印で示すように水平方向に移動させる。すなわち、第1アクチュエータ18Aおよび第2アクチュエータ18Bは、2組のローラー11(本実施形態では各組は2つのローラー11からなる)を互いに近づく方向および離間する方向に移動させるように構成されている。第1アクチュエータ18Aおよび第2アクチュエータ18Bは、エアシリンダまたはモータ駆動型アクチュエータなどから構成することができる。
図2に示す実施形態では、第1アクチュエータ18Aおよび第2アクチュエータ18Bはエアシリンダから構成されている。2組のローラー11が互いに近づく方向に移動すると、ウェーハWは4つのローラー11によって保持され、2組のローラー11が互いに離れる方向に移動すると、ウェーハWは4つのローラー11から解放される。本実施形態では、基板保持部10の軸心CPの周りに配列された4つのローラー11が設けられているが、ローラー11の数は4つに限定されない。例えば、3つのローラー11を120度の角度で等間隔で軸心CPの周りに配列し、それぞれのローラー11に対して、アクチュエータを1つずつ設けるようにしてもよい。
【0025】
図3は、ローラー11の上部の拡大図である。ローラー11は、円筒状の基板保持面11aと、基板保持面11aに接続され、かつ基板保持面11aから下方に傾斜するテーパー面11bとを有している。テーパー面11bは円錐台形状を有しており、基板保持面11aよりも大きな直径を有している。ウェーハWは、まず、図示しない搬送装置によりテーパー面11b上に載置され、その後ローラー11がウェーハWに向かって移動することによりウェーハWの周縁部が基板保持面11aに保持される。ローラー11がウェーハWを解放するときは、ローラー11がウェーハWから離れる方向に移動することにより、ウェーハWの周縁部が基板保持面11aから離れ、テーパー面11bに支持される(
図3の点線参照)。図示しない搬送装置は、テーパー面11b上のウェーハWを取り出すことができる。
【0026】
図4は、第1アクチュエータ18Aおよび第2アクチュエータ18Bがモータ駆動型アクチュエータから構成された一実施形態を示す図である。第1アクチュエータ18Aは、第1サーボモータ19Aと、第1ローラー台16Aに連結された第1ボールねじ機構20Aとを備える。第2アクチュエータ18Bは、第2サーボモータ19Bと、第2ローラー台16Bに連結された第2ボールねじ機構20Bとを備える。サーボモータ19A,19Bは、ボールねじ機構20A,20Bにそれぞれ接続されている。サーボモータ19A,19Bがボールねじ機構20A,20Bを駆動すると、2組のローラー11が互いに近づく方向および離間する方向に移動する。
【0027】
サーボモータ19A,19Bは、アクチュエータコントローラ21に電気的に接続されている。アクチュエータコントローラ21は、サーボモータ19A,19Bの動作を制御することによって、ウェーハWの研磨時のローラー11の位置を精密に制御することができる。本実施形態では、基板保持部10の軸心CPの周りに配列された4つのローラー11が設けられているが、ローラー11の数は4つに限定されない。例えば、3つのローラー11を120度の角度で等間隔で軸心CPの周りに配列し、それぞれのローラー11に対して、アクチュエータを1つずつ設けるようにしてもよい。
【0028】
図1に戻り、研磨ヘッド組立体49は、基板保持部10に保持されたウェーハWの第1の面1に研磨具としての研磨テープ31を接触させてウェーハWの第1の面1を研磨する研磨ヘッド50と、研磨ヘッド50をウェーハWに対して相対運動させる研磨ヘッド動作部60とを備えている。研磨ヘッド50は、ローラー11の基板保持面11aよりも下方に配置され、かつ上向きに配置されている。研磨ヘッド動作部60は、研磨ヘッド50を円運動または往復運動させる研磨ヘッド駆動機構61と、研磨ヘッド50を平行移動させる研磨ヘッド移動機構91とを備えている。
【0029】
図5は、研磨ヘッド50を円運動させるための研磨ヘッド駆動機構61の一実施形態を示す模式図である。
図5に示す研磨ヘッド駆動機構61は、モータ62と、モータ62の回転軸63に固定された偏心回転体65と、偏心回転体65に軸受67を介して連結されたテーブル69と、テーブル69を支持する複数のクランク70を備えている。
図5では1つのクランク70のみが図示されているが、少なくとも3つのクランク70が偏心回転体65の周りに配列されている。モータ62は、基台71に固定されている。
【0030】
偏心回転体65の軸心65aは、モータ62の回転軸63の軸心63aから距離eだけ離れている。よって、モータ62が作動すると、偏心回転体65は半径eの円運動を行う。クランク70は、互いに固定された第1軸体72と第2軸体73を有する。第1軸体72の軸心72aと第2軸体73の軸心73aも、同様に、距離eだけ離れている。第1軸体72は、テーブル69に保持された軸受75によって回転可能に支持されており、第2軸体73は軸受77によって回転可能に支持されている。軸受77は、基台71に固定された支持部材79に固定されている。
【0031】
上記構成によれば、モータ62が回転すると、偏心回転体65が半径eの円運動を行い、軸受67を介して偏心回転体65に連結されたテーブル69も半径eの円運動を行う。本明細書において、円運動は、対象物が円軌道上を移動する運動と定義される。本実施形態の円運動は、ウェーハWの第1の面1と平行な平面内での円運動である。すなわち、円運動をしているときの研磨ヘッド50および研磨テープ31の移動方向は、ウェーハWの第1の面1と平行である。
【0032】
テーブル69は、複数のクランク70によって支持されているので、テーブル69が円運動を行っているとき、テーブル69自体は回転しない。このようなテーブル69の運動は、並進回転運動とも呼ばれる。本明細書において、対象物自体は回転せずに、対象物が円軌道上を移動する運動は、並進回転運動と定義される。この並進回転運動は、円運動の1つの具体例である。研磨ヘッド50はテーブル69に固定される。よって、研磨ヘッド50は、テーブル69とともに円運動(並進回転運動)を行う。本実施形態では、研磨ヘッド駆動機構61は、研磨ヘッド50を並進回転運動させる並進回転機構である。
【0033】
図6は、研磨ヘッド50をウェーハWの第1の面1と平行な方向に振動(往復運動)させるための研磨ヘッド駆動機構61の一実施形態を示す模式図である。
図6に示す研磨ヘッド駆動機構61は、モータ62と、モータ62の回転軸63に固定されたクランク66と、クランク66に連結されたリンク機構80と、リンク機構80を支持する直動ガイド81とを備えている。モータ62は、基台71に固定されている。
【0034】
リンク機構80は、クランク66に回転可能に連結された第1リンク83と、直動ガイド81に支持された第2リンク85と、第1リンク83を第2リンク85に連結するジョイント87を備えている。直動ガイド81は、第2リンク85が直線方向にのみ動くことを許容する装置である。この直動ガイド81は、基台71に固定された支持部材79に固定されている。
【0035】
上記構成によれば、モータ62が作動すると、クランク66に連結された第1リンク83の端部が円運動する。第1リンク83の端部の円運動は第2リンク85に伝達され、第2リンク85は直線的に往復運動する。このようにして、クランク66の回転は往復運動に変換される。第2リンク85には、保持部材89が固定されている。研磨ヘッド50は保持部材89に固定される。よって、研磨ヘッド50は、第2リンク85とともに往復運動を行う。第2リンク85は、水平に配置されている。よって、ウェーハWがその第1の面1が下向きの状態で基板保持部10に保持されているとき、研磨ヘッド50は、ウェーハWの第1の面1と平行な方向に往復運動を行う。この研磨ヘッド50の往復運動は、ウェーハWの第1の面1と平行な方向への直線的な振動でもある。
【0036】
図1に戻り、研磨ヘッド移動機構91は、ボールねじ機構93と、ボールねじ機構93を駆動するモータ94とを備えている。研磨ヘッド駆動機構61は、ボールねじ機構93の可動部93aに固定されている。可動部93aはボールねじ機構93のねじ軸93bに連結されている。モータ94を作動させると、ボールねじ機構93の可動部93aがウェーハWの第1の面1と平行な方向に移動し、研磨ヘッド駆動機構61および研磨ヘッド50がウェーハWの第1の面1と平行な方向に移動する。一実施形態では、モータ94は図示しないモータ制御部に電気的に接続されたサーボモータとしてもよい。
【0037】
本実施形態の研磨装置は、隔壁100と、研磨テープ31を研磨ヘッド50に供給し、かつ研磨ヘッド50から回収する研磨具供給回収機構41と、ウェーハWの第1の面1に液体を供給する液体供給ノズル27と、ウェーハWの第2の面2に保護液を供給する保護液供給ノズル28とをさらに備えている。複数のローラー11、研磨ヘッド50、研磨ヘッド駆動機構61、液体供給ノズル27、および保護液供給ノズル28は、隔壁100の内部に配置され、ローラー回転機構12、研磨ヘッド移動機構91、および研磨具供給回収機構41は隔壁100の外に配置されている。
【0038】
本実施形態では、研磨具として、砥粒を表面に有する研磨テープ31が使用されている。
図7は、研磨テープ31の一例を示す模式図である。
図7に示す研磨テープ31は、基材テープ33と、研磨層35とを有する。基材テープ33の表面は、研磨層35で覆われている。研磨層35は、砥粒37と、砥粒37を保持するバインダ(樹脂)39とを有する。
図8は、研磨テープ31の他の一例を示す模式図である。
図8に示す研磨テープ31は、基材テープ33と、研磨層35と、これらの間に位置する弾性層40とを有する。弾性層40は、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、またはナイロンからなる不織布、もしくはシリコンゴムなどの弾性材料から構成されている。一実施形態では、研磨具は、研磨テープ31に代えて、砥石であってもよい。この場合、研磨具供給回収機構41は省略することができる。
【0039】
図1に戻り、研磨具供給回収機構41は、研磨テープ31を研磨ヘッド50に供給する供給リール43と、ウェーハWの研磨に使用された研磨テープ31を回収する回収リール44とを備えている。供給リール43および回収リール44には図示しないテンションモータがそれぞれ連結されている。それぞれのテンションモータは、供給リール43および回収リール44に所定のトルクを与え、研磨テープ31に所定のテンションを掛けることができるようになっている。
【0040】
研磨テープ31は、研磨テープ31の研磨層35がウェーハWの第1の面1を向くように研磨ヘッド50に供給される。研磨テープ31は、隔壁100に設けられた開口部(図示せず)を通して供給リール43から研磨ヘッド50へ供給され、使用された研磨テープ31は開口部を通って回収リール44に回収される。
【0041】
研磨ヘッド50は、研磨テープ31をウェーハWの第1の面1に対して押圧する押圧機構52を備えている。研磨テープ31は、押圧機構52の上面を通るように供給される。本実施形態では、押圧機構52は、研磨テープ31の裏面を支持する押圧パッド52aと、押圧パッド52aに連結されたエアシリンダ52bとを備える。
【0042】
押圧機構52は、研磨テープ31を下方から押圧し、研磨層35の表面から構成される研磨面をウェーハWの第1の面1に接触させることによってウェーハWの第1の面1を研磨する。研磨ヘッド50は、複数のガイドローラ53a,53b,53c,53dをさらに備えている。研磨具供給回収機構41は、複数のガイドローラ53e,53fをさらに備えている。研磨ヘッド50の上部に配置されたガイドローラ53a,53cは、ウェーハWの第1の面1と平行な方向に研磨テープ31が進行するように研磨テープ31をガイドする。
【0043】
液体供給ノズル27は、基板保持部10に保持されたウェーハWの下方に配置されている。液体供給ノズル27は、図示しない液体供給源に接続されている。液体供給ノズル27はウェーハWの第1の面1の中心O1を向いて、かつウェーハWの半径方向外側を向いて配置されており、液体はウェーハWの第1の面1上に供給される。ウェーハWは液体の存在下で研磨される。液体は、ウェーハWの第1の面1上を半径方向外側に流れ、これにより研磨屑をウェーハWの第1の面1から除去することができる。本実施形態において、上述の液体は純水であるが、一実施形態では、エッチング作用のあるアルカリ性の薬液としてもよい。
【0044】
液体供給ノズル28は、基板保持部10の上方に配置されている。保護液供給ノズル28は、図示しない保護液供給源に接続されている。保護液供給ノズル28はウェーハWの第2の面2の中心を向いて配置されており、保護液は、ウェーハWの第2の面2上に供給される。ウェーハWの第2の面2に供給された保護液は、遠心力によりウェーハWの第2の面2の全体に広がり、ウェーハWの第2の面2を保護する。上述の保護液は、ウェーハWの研磨で生じた研磨屑や異物を含む液体がウェーハWの第2の面に回り込んでウェーハWの第2の面に付着することを防止する。その結果、ウェーハWの第2の面2を清浄に保つことができる。本実施形態において、上述の保護液は純水である。
【0045】
本実施形態の研磨装置は、研磨ヘッド組立体49および研磨具供給回収機構41をそれぞれ1つずつ備えているが、一実施形態では、2つ以上の研磨ヘッド組立体49および2つ以上の研磨具供給回収機構41を備えてもよい。さらに一実施形態では、2つ以上の液体供給ノズル27を備えてもよい。
【0046】
次に、本実施形態の研磨装置の動作について説明する。以下に説明する研磨装置の動作は、
図1に示す動作制御部180によって制御される。動作制御部180は、基板保持部10、研磨ヘッド組立体49、研磨具供給回収機構41に電気的に接続されている。基板保持部10、リンス液供給ノズル27、保護液供給ノズル28、研磨ヘッド組立体49、研磨具供給回収機構41の動作は動作制御部180によって制御される。動作制御部180は、専用のコンピュータまたは汎用のコンピュータから構成される。
【0047】
研磨されるウェーハWは、第1の面1が下向きの状態で、基板保持部10のローラー11により保持され、さらにウェーハWの軸心を中心に回転される。次に、液体供給ノズル27からウェーハWの第1の面1に液体が供給され、保護液供給ノズル28からウェーハWの第2の面2に保護液が供給される。ウェーハWの第1の面1に供給された液体は、ウェーハの第1の面1上を半径方向外側に流れ、ウェーハWの第2の面2に供給された保護液は、遠心力によりウェーハWの第2の面2の全体に広がる。
【0048】
研磨テープ31は、予め研磨ヘッド50に供給されている。動作制御部180は、研磨具供給回収機構41を駆動し、所定のテンションを掛けながら研磨テープ31をウェーハWの第1の面1と平行な方向に進行させる。そして、ウェーハWの第1の面1に液体を供給しながら、かつ研磨テープ31をウェーハWの第1の面1に接触させながら、研磨ヘッド50および研磨テープ31をウェーハWに対して相対運動をさせてウェーハWの第1の面1を研磨する。具体的には、研磨ヘッド駆動機構61は、研磨ヘッド50および研磨テープ31を円運動または、ウェーハWの第1の面1と平行な方向に往復運動(振動)させながら、研磨ヘッド移動機構91は、研磨ヘッド50および研磨テープ31をウェーハWの第1の面1の中心O1と第1の面1の最外端との間を移動させる。
【0049】
図9は、研磨ヘッド50を円運動させながらウェーハWの第1の面1を研磨するときの動作をウェーハWの下方から見た模式図であり、
図10は研磨ヘッド50を往復運動させながらウェーハWの第1の面1を研磨するときの動作をウェーハWの下方から見た模式図である。研磨ヘッド50は、点線で示す円運動または往復運動しながら、回転するウェーハWの第1の面1の全体を研磨する。
【0050】
図10において、研磨ヘッド50が研磨ヘッド駆動機構61の駆動によって往復運動する方向(以下第1の方向という)は、研磨ヘッド50が、研磨ヘッド移動機構91によって移動される方向(以下第2の方向という)と垂直であるが、本発明はこの実施形態に限定されず、第1の方向は第2の方向と垂直でなくてもよい。動作制御部180は、予め設定された時間が経過した後、または研磨ヘッド50がウェーハWの第1の面1の中心O1と第1の面1の最外端との間を予め設定された回数だけ移動した後、基板保持部10、リンス液供給ノズル27、保護液供給ノズル28、研磨ヘッド組立体49、研磨具供給回収機構41の動作を停止させ、研磨を終了する。
【0051】
上述のように、研磨ヘッド50がウェーハWの第1の面1を研磨しているとき、ウェーハWの周縁部を把持するローラー11は各ローラー11の軸心を中心に回転する一方で、ローラー11自体の位置は静止しているので、ローラー11が研磨ヘッド50に接触することなく、研磨テープ31は、ウェーハWの第1の面1の最外部を含むウェーハWの第1の面1全体を研磨することができる。結果として、ウェーハWの第1の面1の最外部をエッジ研磨用の装置で研磨する必要がなくなり、全体の研磨時間を減らすことができる。
【0052】
ウェーハWの第1の面1を下向きの状態で第1の面1を研磨するとき、ウェーハWの第1の面1に供給された液体が下方に流れるため、研磨ヘッド組立体49およびその周辺の機構は防水構造(図示せず)を有している。本実施形態では、研磨ヘッド50の運動は、円運動、往復運動、または平行移動であるため、研磨テープ31の捻れなどの問題が生じず、研磨ヘッド50を研磨具供給回収機構41と分離して駆動させることができる。そのため、研磨具供給回収機構41を隔壁100の外に配置することができ、上述の防水構造も簡素化できる。
【0053】
図11は、上述した研磨装置を備えた基板処理システムの一実施形態を模式的に示す平面図である。本実施形態では、基板処理システムは、多数のウェーハが収容されたウェーハカセット(基板カセット)が載置される複数のロードポート122を備えたロードアンロード部121を有している。ロードポート122には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができるようになっている。SMIF、FOUPは、内部にウェーハカセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。
【0054】
ロードアンロード部121には、ロードポート122の配列方向に沿って移動可能な第1の搬送ロボット(ローダー)123が設置されている。第1の搬送ロボット123はロードポート122に搭載されたウェーハカセットにアクセスして、ウェーハをウェーハカセットから取り出すことができるようになっている。
【0055】
基板処理システムは、水平方向に移動可能な第2の搬送ロボット126と、ウェーハが一時的に置かれる第1仮置き台140および第2仮置き台141と、研磨ユニット127と、基板処理システム全体の動作を制御するシステムコントローラ133と、研磨されたウェーハを洗浄する洗浄ユニット172と、洗浄されたウェーハを乾燥させる乾燥ユニット173とをさらに備えている。第2仮置き台141と洗浄ユニット172との間には、ウェーハを搬送するための第3の搬送ロボット150が配置されており、洗浄ユニット172と乾燥ユニット173との間には、ウェーハを搬送するための第4の搬送ロボット151が配置されている。研磨ユニット127は、
図1に示す上述した研磨装置である。
【0056】
次に、研磨ユニット127を用いてウェーハを研磨するときのウェーハの搬送ルートについて説明する。複数(例えば25枚)のウェーハは、そのデバイス面が上を向いた状態で、ロードポート122のウェーハカセット(基板カセット)内に収容されている。第1の搬送ロボット123は、ウェーハカセットから1枚のウェーハを取り出し、ウェーハを第1仮置き台140に載置する。第2の搬送ロボット126は、ウェーハを第1仮置き台140から取り出し、ウェーハの裏面が下向きの状態でウェーハを研磨ユニット127に搬送する。
図9および
図10を参照して説明したように、ウェーハの裏面は研磨ユニット127によって研磨される。第2の搬送ロボット126は、研磨されたウェーハを研磨ユニット127から取り出し、第2仮置き台141に載置する。第3の搬送ロボット150は、ウェーハを第2仮置き台141から取り出し、洗浄ユニット172に搬送する。
【0057】
ウェーハは、その研磨された裏面が下向きの状態で、洗浄ユニット172によって洗浄される。一実施形態では、洗浄ユニット172は、ウェーハを挟むように配置された上側ロールスポンジおよび下側ロールスポンジを備えており、洗浄液をウェーハの両面に供給しながらこれらロールスポンジでウェーハの両面を洗浄する。
【0058】
第4の搬送ロボット151は、洗浄されたウェーハを洗浄ユニット172から取り出し、乾燥ユニット173に搬送する。ウェーハは、その洗浄された裏面が下向きの状態で、乾燥ユニット173によって乾燥される。本実施形態では、乾燥ユニット173は、ウェーハをその軸心まわりに高速で回転させることによってウェーハをスピン乾燥させるように構成されている。一実施形態では、乾燥ユニット173は、純水ノズルおよびIPAノズルをウェーハの半径方向に移動させながら、純水ノズルおよびIPAノズルから純水とIPA蒸気(イソプロピルアルコールとN
2ガスとの混合物)をウェーハの上面に供給することでウェーハを乾燥させるIPAタイプであってもよい。
【0059】
乾燥されたウェーハは、その裏面が下向きの状態で第1の搬送ロボット123によりロードポート122のウェーハカセットに戻される。このようにして、基板処理システムは、ウェーハの裏面が下向きの状態のまま、ウェーハの研磨、洗浄、乾燥、およびロードアンロード部への搬送の一連の工程を行うことができる。
【0060】
本実施形態によれば、ウェーハWの裏面が下向きの状態で、効率的にウェーハWの裏面全体を研磨することができる。結果として、裏面研磨用にウェーハWを反転させる必要がなくなるため、ウェーハWへの空気中の不純物の付着を防止し、かつ全体の処理時間を減らすことができる。
【0061】
図12は、研磨装置の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図1および
図5乃至
図10を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図12に示す研磨装置は、基板保持部10に代えて第1の基板保持部200を備えている。第1の基板保持部200は、その軸心を中心に回転可能、かつ上下方向に移動自在に構成されている。
【0062】
ウェーハWは、その第1の面1が下向きの状態で、第1の基板保持部200に水平に保持される。ウェーハWは、真空吸着などにより、第1の基板保持部200に、その第1の面1の中心側領域を保持され、第1の基板保持部200の軸心を中心に回転される。ウェーハWが回転された状態で、研磨テープ31をウェーハWの第1の面1の外周側領域に接触させながら、研磨ヘッド動作部60の研磨ヘッド駆動機構61によって研磨ヘッド50および研磨テープ31を円運動または、ウェーハWの第1の面1と平行な方向に往復運動(振動)させてウェーハWの第1の面1の外周側領域を研磨する。一実施形態では、研磨ヘッド50および研磨テープ31を円運動または往復運動(振動)させながら、研磨ヘッド動作部60の研磨ヘッド移動機構91によって研磨ヘッド50および研磨テープ31をウェーハWの第1の面1の外周側領域内で移動させてもよい。
【0063】
本実施形態の研磨装置は、ウェーハWの第1の面1の外周側領域を保持する第2の基板保持部202をさらに備えている。
図13は、第2の基板保持部202によってウェーハWの第1の面1の外周側領域が保持されるときの様子を示す模式図である。第2の基板保持部202によってウェーハWが保持されるとき、第1の基板保持部200は下方に移動し退避する。第2の基板保持部202は、上下方向かつ、水平方向に移動自在に構成されている。第1の基板保持部200によってウェーハWが保持されるとき、第2の基板保持部202は水平方向に移動し退避する。
【0064】
ウェーハWは、その第1の面1が下向きの状態で、第2の基板保持部202に水平に保持される。ウェーハWは、真空吸着などにより、第2の基板保持部202に、その第1の面1の外周側領域を保持される。ウェーハWの第1の面1の外周側領域が保持された状態で、研磨テープ31をウェーハWの第1の面1の中心側領域に接触させながら、研磨ヘッド動作部60の研磨ヘッド駆動機構61によって研磨ヘッド50および研磨テープ31を円運動または、ウェーハWの第1の面1と平行な方向に往復運動(振動)させてウェーハWの第1の面1の中心側領域を研磨する。一実施形態では、研磨ヘッド50および研磨テープ31を円運動または往復運動(振動)させながら、研磨ヘッド動作部60の研磨ヘッド移動機構91によって研磨ヘッド50および研磨テープ31をウェーハWの第1の面1の中心側領域内(
図13に示す矢印の範囲)で移動させてもよい。
【0065】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。