(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)ということがある。)である。本発明の化合物には、その互変異性体やそれらの塩も含まれる。
化合物(I)は、着色剤として使用することができる。
本発明の着色組成物は、化合物(I)及び溶剤(以下、溶剤(E)という場合がある。)を含む。
本発明の着色組成物には、1種又は2種以上の化合物(I)が含まれていてもよい。
また、化合物(I)は、溶剤(E)に分散していることが好ましい。
本発明の着色組成物は、樹脂(以下、樹脂(B)という場合がある。)を含んでいてもよい。
本発明の着色組成物は、化合物(I)以外の着色剤(以下、着色剤(A1)という場合がある。そして以下では、化合物(I)及び着色剤(A1)を「着色剤(A)」と総称する場合がある。)を含んでいてもよい。
着色剤(A1)には、1種又は2種以上の着色剤が含まれていてもよい。
着色剤(A1)は、さらに黄色着色剤、橙色着色剤又は赤色着色剤を含むことが好ましい。
また、本発明の着色硬化性組成物は、化合物(I)、溶剤(E)及び重合性化合物(C)を含む。言い換えると、本発明の着色硬化性組成物は、着色組成物及び重合性化合物(C)を含む。
本発明の着色硬化性組成物は、さらに重合開始剤(D)を含んでいてもよい。
本発明の着色硬化性組成物は、さらに重合開始助剤(D1)を含んでいてもよい。
本発明の着色組成物は、さらにレベリング剤(F)及び酸化防止剤を含んでもよい。
【0011】
<化合物(I)>
化合物(I)は、式(I)で表される化合物である。
【0013】
[式(I)中、
R
N1及びR
N2は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
Ar
1は、置換基を有していてもよい炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
R
1〜R
8は、互いに独立に、水素原子、−CO−R
102、−COO−R
101、−OCO−R
102、−COCO−R
102、−O−R
102、−SO
2−R
101、−SO
2N(R
102)
2、−CON(R
102)
2、−N(R
102)
2、−NHCO−R
102、−NHCO−N(R
102)
2、−NHCOOR
102、−OCON(R
102)
2、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−SO
3M、−CO
2M、置換基を有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
R
101は、置換基を有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
R
102は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を表す。
R
101、R
102及びMが複数存在する場合、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
A
g-は、g価のアニオンを表す。
gは、1〜14の整数を表す。]
【0014】
R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される炭化水素基の炭素数は、1〜40であり、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは1〜15であり、特に好ましくは1〜10である。
【0015】
R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される炭素数1〜40の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基であってもよく、該脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和であってもよく、鎖状又は脂環であってもよい。
【0016】
R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される飽和又は不飽和鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、及びイコシル基等の直鎖状アルキル基等;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、(2−エチル)ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、(1−メチル)ペンチル基、(2−メチル)ペンチル基、(1−エチル)ペンチル基、(3−エチル)ペンチル基、イソヘキシル基、(5−メチル)ヘキシル基、(2−エチル)ヘキシル基及び(3−エチル)ヘプチル基等の分枝鎖状アルキル基等;ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、(1−メチル)エテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、(1−(2−プロペニル))エテニル基、(1,2−ジメチル)プロペニル基及び2−ペンテニル基等のアルケニル基;等が挙げられる。飽和又は不飽和鎖状炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは1〜15であり、とりわけ好ましくは1〜10であり、さらに一層好ましくは1〜8である。さらにとりわけ好ましくは1〜5である。中でも、炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることがとりわけ好ましく、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
【0017】
R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される飽和又は不飽和脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、1−メチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、3,4−ジメチルシクロヘキシル基、3,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,2−ジメチルシクロヘキシル基、3,3−ジメチルシクロヘキシル基、4,4−ジメチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、4−オクチルシクロヘキシル基、4−シクロヘキシルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロヘキセニル基(例えばシクロヘキサ−2−エン、シクロヘキサ−3−エン)、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等のシクロアルケニル基;ノルボルナン基、アダマンチル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。飽和又は不飽和脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜30であり、より好ましくは3〜20であり、よりさらに好ましくは4〜20であり、より一層好ましくは4〜15であり、さらに特に好ましくは5〜15であり、最も好ましくは5〜10である。中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基であることがとりわけ好ましい。
【0018】
R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、o−イソプロピルフェニル基、m−イソプロピルフェニル基、p−イソプロピルフェニル基、o−tert−ブチルフェニル基、m−tert−ブチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、メシチル基、4−エチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、2,6−ビス(2−プロピル)フェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−オクチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントリル基及びピレニル基等の芳香族炭化水素基;等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜20であり、さらに好ましくは6〜15である。
【0019】
R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される炭化水素基は、上記に挙げた炭化水素基(例えば芳香族炭化水素基と、鎖状炭化水素基及び脂環式炭化水素基の少なくとも1つ)を組合せた基であってもよく、ベンジル基、フェネチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基等のアラルキル基;フェニルエテニル基(フェニルビニル基)等のアリールアルケニル基;フェニルエチニル基等のアリールアルキニル基;ビフェニリル基、ターフェニリル基等の1つ以上のフェニル基が結合したフェニル基;シクロヘキシルメチルフェニル基、ベンジルフェニル基、(ジメチル(フェニル)メチル)フェニル基等が挙げられる。
R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される基は、上記に挙げた炭化水素基(例えば鎖状炭化水素基と脂環式炭化水素基)を組み合わせた基として、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロブチルエチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、2−メチルシクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、アダマンチルメチル基等の1つ以上の脂環式炭化水素基が結合したアルキル基であってもよい。
前記組合せた基の炭素数は、好ましくは4〜30であり、より好ましくは4〜20であり、さらに好ましくは4〜15であり、特に好ましくは6〜15である。
【0020】
R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基は、1価でも2価でもよい。2価の置換基は、2つの結合手が同じ炭素原子に結合して二重結合を形成するのが好ましい。
該1価の置換基としては、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、(2−エチル)ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、(2−エチル)ヘキシルオキシ基、イコシルオキシ基、1−フェニルエトキシ基、1−メチル−1−フェニルエトキシ基、フェニルオキシ基、o−トリルオキシ基、2,3−ジメチルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,2−ジシアノフェニルオキシ基、2,3−ジシアノフェニルオキシ基、2,4−ジシアノフェニルオキシ基、2,5−ジシアノフェニルオキシ基、2,6−ジシアノフェニルオキシ基、3,4−ジシアノフェニルオキシ基、3,5−ジシアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−エトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、3−エトキシフェニルオキシ基等、及び以下の式で表される基等の炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が片側に結合したオキシ基;
【0022】
メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、(2−エチル)ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ウンデシルチオ基、ドデシルチオ基、イコシルチオ基、フェニルチオ基及びo−トリルチオ基等の炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の炭化水素基が結合したスルファニル基;
【0023】
エポキシ基、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基;
ホルミル基;アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、2,2−ジメチルプロパノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、(2−エチル)ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ヘンイコサノイル基、ベンゾイル基等、及び以下の式で表される基等の炭素数が1〜20(好ましくは炭素数が1〜11)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したカルボニル基(該カルボニル基をアルカノイル基とする場合、炭素数は好ましくは2〜12である);
【0026】
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、(2−エチル)ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ウンデシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、イコシルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、o−トリルオキシカルボニル基等、及び以下の式で表される基等の炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したオキシカルボニル基;
【0029】
アミノ基;
N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N,N−ジイソブチルアミノ基、N−sec−ブチルアミノ基、N,N−ジsec−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N,N−ジtert−ブチルアミノ基、N−ペンチルアミノ基、N,N−ジペンチルアミノ基、N−(1−エチルプロピル)アミノ基、N,N−ジ(1−エチルプロピル)アミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N,N−ジヘキシルアミノ基、N−(2−エチル)ヘキシルアミノ基、N,N−ジ(2−エチル)ヘキシルアミノ基、N−ヘプチルアミノ基、N,N−ジヘプチルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N,N−ジオクチルアミノ基、N−ノニルアミノ基、N,N−ジノニルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−エチルメチルアミノ基、N,N−プロピルメチルアミノ基、N,N−イソプロピルメチルアミノ基、N,N−ブチルメチルアミノ基、N−デシルアミノ基、N,N−デシルメチルアミノ基、N−ウンデシルアミノ基、N,N−ウンデシルメチルアミノ基、N−ドデシルアミノ基、N,N−ドデシルメチルアミノ基、N−イコシルアミノ基、N,N−イコシルメチルアミノ基、N,N−tert−ブチルメチルアミノ基、N,N−フェニルメチルアミノ基等、及び以下の式で表される基等の1つ又は2つの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)で置換されたアミノ基;
【0032】
スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N,N−ジイソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N,N−ジイソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N,N−ジsec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N,N−ジtert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N,N−ジペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ジ(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N,N−ジヘキシルスルファモイル基、N−(2−エチル)ヘキシルスルファモイル基、N,N−ジ(2−エチル)ヘキシルスルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N,N−ジヘプチルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N,N−ジオクチルスルファモイル基、N,N−オクチルメチルスルファモイル基、N−ノニルスルファモイル基、N,N−ジノニルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルメチルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N,N−デシルメチルスルファモイル基、N−ウンデシルスルファモイル基、N,N−ウンデシルメチルスルファモイル基、N−ドデシルスルファモイル基、N,N−ドデシルメチルスルファモイル基、N−イコシルスルファモイル基、N,N−イコシルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−フェニルメチルスルファモイル基等、及び以下の式で表される基等の1つ又は2つの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の炭化水素基またはその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)で置換されたスルファモイル基;
【0035】
ホルミルアミノ基;アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブタノイルアミノ基、2,2−ジメチルプロパノイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、(2−エチル)ヘキサノイルアミノ基、ヘプタノイルアミノ基、オクタノイルアミノ基、ノナノイルアミノ基、デカノイルアミノ基、ウンデカノイルアミノ基、ドデカノイルアミノ基、ヘンイコサノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等、及び以下の式で表される基等の炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜12)の炭化水素基またはその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したカルボニルアミノ基(該カルボニルアミノ基をアルカノイルアミノ基とする場合、炭素数は好ましくは1〜12である);
【0038】
ヒドロキシ基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;
カルボキシ基、−CO
2M
2(M
2はアルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム);スルホ基、−SO
3M
2(M
2はアルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム);ニトロ基;シアノ基;
ホルミルオキシ基;アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2,2−ジメチルプロパノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、(2−エチル)ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、デカノイルオキシ基、ウンデカノイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基、ヘンイコサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等、及び以下の式で表される基等の炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したカルボニルオキシ基(該カルボニルオキシ基をアルカノイルオキシ基とする場合、炭素数は好ましくは1〜10である);
【0041】
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、(2−エチル)ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ノニルスルホニル基、デシルスルホニル基、ウンデシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、イコシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−トリルスルホニル基等、及び以下の式で表される基等の炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したスルホニル基;
【0044】
カルバモイル基;
N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N,N−ジプロピルカルバモイル基、N−イソプロピルカルバモイル基、N,N−ジイソプロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−イソブチルカルバモイル基、N,N−ジイソブチルカルバモイル基、N−sec−ブチルカルバモイル基、N,N−ジsec−ブチルカルバモイル基、N−tert−ブチルカルバモイル基、N,N−ジtert−ブチルカルバモイル基、N−ペンチルカルバモイル基、N,N−ジペンチルカルバモイル基、N−(1−エチルプロピル)カルバモイル基、N,N−ジ(1−エチルプロピル)カルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N,N−ジヘキシルカルバモイル基、N−(2−エチル)ヘキシルカルバモイル基、N,N−ジ(2−エチル)ヘキシルカルバモイル基、N−ヘプチルカルバモイル基、N,N−ジヘプチルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N,N−ジオクチルカルバモイル基、N−ノニルカルバモイル基、N,N−オクチルメチルカルバモイル基、N,N−オクチルブチルカルバモイル基、N,N−ジノニルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジフェニルカルバモイル基、N,N−エチルメチルカルバモイル基、N,N−プロピルメチルカルバモイル基、N,N−イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N−ブチルメチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N,N−デシルメチルカルバモイル基、N−ウンデシルカルバモイル基、N,N−ウンデシルメチルカルバモイル基、N−ドデシルカルバモイル基、N,N−ドデシルメチルカルバモイル基、N−イコシルカルバモイル基、N,N−イコシルメチルカルバモイル基、N,N−tert−ブチルメチルカルバモイル基、N,N−フェニルメチルカルバモイル基等、及び以下の式で表される基等の1つ又は2つの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)で置換されたカルバモイル基;
【0047】
トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロウンデシル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロイコシル基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロフェニル基等の水素原子の全てをフッ素原子が置換した炭素数1〜20の炭化水素基;
パーフルオロエチルメチル基、パーフルオロプロピルメチル基、パーフルオロイソプロピルメチル基、パーフルオロブチルメチル基、パーフルオロペンチルメチル基、パーフルオロヘキシルメチル基、パーフルオロヘプチルメチル基、パーフルオロオクチルメチル基、パーフルオロノニルメチル基、パーフルオロデシルメチル基、パーフルオロウンデシルメチル基、パーフルオロドデシルメチル基、パーフルオロイコシルメチル基等の水素原子の全てがフッ素原子で置換された炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が置換した炭素数1〜20の炭化水素基;
【0048】
2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基及び2,4,6−トリフルオロフェニル基等の水素原子の一部をフッ素で置換した炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)の炭化水素基;
【0049】
−CO−SH、−CO−S−CH
3、−CO−S−CH
2CH
3、−CO−S−CH
2−CH
2−CH
3、−CO−S−CH
2−CH
2−CH
2−CH
3等の炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)のアルキル基と結合したチオカルボニル基、−CO−S−C
6H
5等の炭素数6〜20のアリール基と結合したチオカルボニル基;
【0050】
以下の式で表されるような*−COCO−R(式中、Rは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(例えば上記に挙げられる炭化水素基のうち炭素数1〜20を満たすもの)、又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)である)の基;
【0052】
以下の式で表されるような*−NRCONR
2(式中、Rは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(例えば上記に挙げられる炭化水素基のうち炭素数1〜20を満たすもの)、又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)であり、該Rは互いに同じでもよく異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい)の基;
【0055】
以下の式で表されるような*−OCONR
2(式中、Rは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(例えば上記に挙げられる炭化水素基のうち炭素数1〜20を満たすもの)、又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)であり、該Rは互いに同じでもよく異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい)の基;
【0058】
以下の式で表されるような*−NRCOOR(式中、Rは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(例えば上記に挙げられる炭化水素基のうち炭素数1〜20を満たすもの)、又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)であり、該Rは互いに同じでもよく異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい)の基;
【0061】
*−OP(O)(OCH
3)
2などの*−OP(O)(OR)
2(式中、Rは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(例えば上記に挙げられる炭化水素基のうち炭素数1〜20を満たすもの)、又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)であり、該Rは互いに同じでもよく異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい)の基;
*−Si(CH
3)
3、*−Si(CH
2CH
3)
3、*−Si(C
6H
5)
3及び*−Si(CH(CH
3)
2)
3などの*−SiR
3(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(例えば上記に挙げられる炭化水素基のうち炭素数1〜20を満たすもの)、又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)であり、該Rは互いに同じでもよく異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい)の基;
等が挙げられる。
【0062】
2価の置換基としては、オキソ基、チオキソ基、イミノ基、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)のアルキル基が置換したイミノ基、炭素数6〜20のアリール基が置換したイミノ基等が挙げられる。アルキル基が置換したイミノ基としては、CH
3−N=、CH
3−CH
2−N=、CH
3−(CH
2)
2−N=、CH
3−(CH
2)
3−N=等が挙げられる。アリール基が置換したイミノ基としては、C
6H
5−N=等が挙げられる。
【0063】
炭素数1〜40の炭化水素基の置換基としては、好ましくは群s1の置換基が挙げられる。以下に示す誘導化基は、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基であることが好ましい。
[群s1]
炭素数1〜20の炭化水素基又はその誘導化基が片側に結合したオキシ基;
炭素数1〜20の炭化水素基又はその誘導化基が結合したカルボニル基;
炭素数1〜20の炭化水素基又はその誘導化基が結合したオキシカルボニル基;
アミノ基;
1つ又は2つの炭素数1〜20の炭化水素基又はその誘導化基で置換されたアミノ基;
スルファモイル基;
1つ又は2つの炭素数1〜20の炭化水素基又はその誘導化基で置換されたスルファモイル基;
炭素数1〜20の炭化水素基又はその誘導化基が結合したカルボニルアミノ基;
ヒドロキシ基;
ハロゲン原子;
−CO
2M(好ましくはカルボキシ基)(Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を表し、好ましくは水素原子を表す。);
−SO
3M(好ましくはスルホ基)(Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を表し、好ましくは水素原子を表す。);
ニトロ基;
シアノ基;
炭素数1〜20の炭化水素基又はその誘導化基が結合したカルボニルオキシ基;
炭素数1〜20の炭化水素基又はその誘導化基が結合したスルホニル基;
カルバモイル基;
1つ又は2つの炭素数1〜20の炭化水素基又はその誘導化基で置換されたカルバモイル基;
水素原子の全てをフッ素原子が置換した炭素数1〜20の炭化水素基;
水素原子の全てがフッ素原子で置換された炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が置換した炭素数1〜20の炭化水素基;
水素原子の一部をフッ素が置換した炭素数1〜20の炭化水素基;
オキソ基
【0064】
炭素数1〜40の炭化水素基の置換基としては、より好ましくは群s2の置換基が挙げられる。
[群s2]
炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基が片側に結合したオキシ基;
炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基が結合したカルボニル基;
炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基が結合したオキシカルボニル基;
アミノ基;
1つ又は2つの炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基で置換されたアミノ基;
スルファモイル基;
1つ又は2つの炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基で置換されたスルファモイル基;
炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基が結合したカルボニルアミノ基;
ヒドロキシ基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子;
−CO
2M(好ましくはカルボキシ基)(Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を表し、好ましくは水素原子を表す。);
−SO
3M(好ましくはスルホ基)(Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を表し、好ましくは水素原子を表す。);
ニトロ基;
シアノ基;
炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化が結合したカルボニルオキシ基;
炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基が結合したスルホニル基;
カルバモイル基;
1つ又は2つの炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基で置換されたカルバモイル基;
水素原子の全てをフッ素原子が置換した炭素数1〜10の炭化水素基;
水素原子の全てがフッ素原子で置換された炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が置換した炭素数1〜10の炭化水素基;
水素原子の一部をフッ素が置換した炭素数1〜10の炭化水素基;
オキソ基
【0065】
R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される置換基を有する炭素数1〜40の炭化水素基としては、1価又は2価の置換基を有する炭素数1〜40の炭化水素基が挙げられ、好ましくは、1価若しくは2価の置換基を有する炭素数1〜30の飽和若しくは不飽和鎖状炭化水素基、1価若しくは2価の置換基を有する炭素数3〜30の飽和若しくは不飽和脂環式炭化水素基、1価若しくは2価の置換基を有する炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又は炭化水素基を組合せた基であって、1価若しくは2価の置換基を有する炭素数1〜30の基が挙げられ、
より好ましくは、群s1の置換基を有する炭素数1〜20の飽和若しくは不飽和鎖状炭化水素基、群s1の置換基を有する炭素数3〜20の飽和若しくは不飽和脂環式炭化水素基、群s1の置換基を有する炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は炭化水素基を組合せた基であって、群s1の置換基を有する炭素数1〜20の基が挙げられ、
とりわけ好ましくは、群s2の置換基を有する炭素数1〜15の飽和若しくは不飽和鎖状炭化水素基、群s2の置換基を有する炭素数3〜15の飽和若しくは不飽和脂環式炭化水素基、群s2の置換基を有する炭素数6〜15の芳香族炭化水素基又は炭化水素基を組合せた基であって、群s2の置換基を有する炭素数1〜15の基が挙げられる。
【0066】
R
N1、R
N2、Ar
1、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される複素環基としては、単環で
あってもよいし多環であってもよく、好ましくは環の構成要素としてヘテロ原子を含む複素環である。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等が挙げられる。
複素環基の炭素数は、好ましくは3〜30であり、より好ましくは3〜22であり、さらに好ましくは3〜20であり、さらにより好ましくは3〜18であり、より一層好ましくは3〜15であり、特に好ましくは3〜14である。
【0067】
窒素原子を含む複素環としては、
アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン及びピペラジン等の単環系飽和複素環;
2,5−ジメチルピロール等のピロール、2−メチルピラゾール、3−メチルピラゾール等のピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール及び1,2,4−トリアゾール等の5員環系不飽和複素環;
ピリジン、ピリダジン、6−メチルピリミジン等のピリミジン、ピラジン及び1,3,5−トリアジン等の6員環系不飽和複素環;
インダゾール、インドリン、イソインドリン、インドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、5,6,7,8−テトラヒドロ(3−メチル)キノキサリン、3−メチルキノキサリン等のキノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、プリン、プテリジン、ベンゾピラゾール、ベンゾピペリジン等の縮合二環系複素環;
カルバゾール、アクリジン及びフェナジン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
【0068】
酸素原子を含む複素環としては、
オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1−シクロペンチルジオキソラン等の単環系飽和複素環;
1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン、1,4−ジオキサスピロ[4.5]ノナン等の二環系飽和複素環;
α−アセトラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びδ−バレロラクトン等のラクトン系複素環;
2,3−ジメチルフラン、2,5−ジメチルフラン等のフラン等の5員環系不飽和複素環;
2H−ピラン及び4H−ピラン等の6員環系不飽和複素環;
1−ベンゾフラン、4−メチルベンゾピラン等のベンゾピラン、ベンゾジオキソール、クロマン及びイソクロマン等の縮合二環系複素環;
キサンテン、ジベンゾフラン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
【0069】
硫黄原子を含む複素環としては、
ジチオラン等の5員環系飽和複素環;
チアン、1,3−ジチアン、2−メチル1,3−ジチアン等の6員環系飽和複素環;
3−メチルチオフェン、2−カルボキシチオフェン等のチオフェン及び4H−チオピラン、ベンゾテトラヒドロチオピラン等のベンゾチオピラン等の5員環系不飽和複素環;
ベンゾチオフェン等の縮合二環系複素環等;
チアントレン、ジベンゾチオフェン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
【0070】
窒素原子及び酸素原子を含む複素環としては、
モルホリン、2−ピロリドン、2−メチル−2−ピロリドン、2−ピペリドン及び2−メチル−2−ピペリドン等の単環系飽和複素環;
4−メチルオキサゾール等のオキサゾール、2−メチルイソオキサゾール、3−メチルイソオキサゾール等のイソオキサゾール等の単環系不飽和複素環;
ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジン、ベンゾジオキサン、ベンゾイミダゾリン等の縮合二環系複素環;
フェノキサジン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
【0071】
窒素原子及び硫黄原子を含む複素環としては、
3−メチルチアゾール、2,4−ジメチルチアゾール等のチアゾール等の単環系複素環;
ベンゾチアゾール等の縮合二環系複素環;
フェノチアジン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
【0072】
上記複素環は、上記に挙げた炭化水素基を組み合わせた基であってもよく、例えば、テトラヒドロフリルメチル基等が挙げられる。
【0073】
さらに上記複素環は、以下の式で表されるものであってもよい。
【0075】
また上記複素環基は、R
1〜R
8の2つ以上が結合して形成される複素環基であってもよい。こうした複素環基は、R
1〜R
8が結合するベンゼン環と共に2環以上の環構造を有している。この2環以上の環構造としては、例えば、以下の式の構造が挙げられる。
【0077】
なお、上記の複素環の結合位は、各環に含まれる任意の水素原子が脱離した部分である。
【0078】
R
N1、R
N2、Ar
1、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される複素環基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される炭化水素基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。また前記複素環が、その構成元素として窒素原子を含んでいる場合、この窒素原子には、上記に挙げた炭化水素基が置換基として結合していてもよい。
該置換基の好ましいものとしては、R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される炭化水素基が有していてもよい置換基の好ましいものと同じものが挙げられる。
R
N1、R
N2、Ar
1、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される置換基を有する複素環基としては、1価又は2価の置換基を有する複素環基が挙げられ、好ましくは群s1の置換基を有する複素環基が挙げられ、より好ましくは群s2の置換基を有する複素環基が挙げられる。
上記炭化水素基又は複素環基が有していてもよい置換基(第一置換基)は、1つ又は2つ以上であってもよく、2つ以上の置換基は、互いに独立して、同一であってもよく異なってもよい。さらに、前記第一置換基は、その一部に含まれる炭化水素基に別の置換基(第二置換基)が結合していてもよい。第二置換基は、第一置換基と同様の基から選択できる。
【0079】
以下、R
1〜R
8の−CO−R
102、−COO−R
101、−OCO−R
102、−COCO−R
102、−O−R
102、−SO
2−R
101、−SO
2N(R
102)
2、−CON(R
102)
2、−N(R
102)
2、−NHCO−R
102、−NHCO−N(R
102)
2、−NHCOOR
102、−OCON(R
102)
2、ハロゲン原子、−SO
3M及び−CO
2Mについて説明する。
【0080】
−CO−R
102としては、ホルミル基;アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、2,2−ジメチルプロパノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、(2−エチル)ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ヘンイコサノイル基、ベンゾイル基等、及び上記の式で表される基等の炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したカルボニル基(該カルボニル基をアシル基とする場合、炭素数は2〜41である)並びに表1〜表7に示される化合物において−CO−R
102に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−CO−R
102に該当する基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜11(さらに好ましくは炭素数が1〜10)の炭化水素基又はその誘導化基が結合したカルボニル基(該カルボニル基をアルカノイル基とする場合、炭素数はより好ましくは2〜12である)並びに表1〜表7に示される化合物において−CO−R
102に該当する基等が挙げられる。
【0081】
−COO−R
101としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、(2−エチル)ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ウンデシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、イコシルオキシカルボニル基等、及び上記の式で表される基等の炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したオキシカルボニル基並びに表1〜表7に示される化合物において−COO−R
101に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−COO−R
101に該当する基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基が結合したオキシカルボニル基並びに表1〜表7に示される化合物において−COO−R
101に該当する基等が挙げられる。
【0082】
−OCO−R
102としては、ホルミルオキシ基;アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2,2−ジメチルプロパノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、(2−エチル)ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、デカノイルオキシ基、ウンデカノイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基、ヘンイコサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等、及び上記の式で表される基等の炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したカルボニルオキシ基(該カルボニルオキシ基をアシルオキシ基とする場合、炭素数は2〜41である)並びに表1〜表7に示される化合物において−OCO−R
102に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−OCO−R
102に該当する基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜11(さらに好ましくは炭素数1〜10)の炭化水素基又はその誘導化基が結合したカルボニルオキシ基(該カルボニルオキシ基をアシルオキシ基とする場合、炭素数はより好ましくは2〜12である)並びに表1〜表7に示される化合物において−OCO−R
102に該当する基等が挙げられる。
【0083】
−COCO−R
102としては、メチルオキサリル基、エチルオキサリル基、プロピルオキサリル基、ブチルオキサリル基、ペンチルオキサリル基、ヘキシルオキサリル基、(2−エチル)ヘキシルオキサリル基、ヘプチルオキサリル基、オクチルオキサリル基、ノニルオキサリル基、デシルオキサリル基、ウンデシルオキサリル基、ドデシルオキサリル基、イコシルオキサリル基、シクロペンチルオキサリル基、シクロヘキシルオキサリル基、フェニルオキサリル基、p−トリルオキサリル基等、及び上記の式で表される基等の炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したオキサリル基並びに表1〜表7に示される化合物において−COCO−R
102に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−COCO−R
102に該当する基等が挙げられる。
【0084】
−O−R
102としては、ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、(2−エチル)ヘキシルオキシ基、イコシルオキシ基、1−フェニルエトキシ基、1−メチル−1−フェニルエトキシ基、フェニルオキシ基、2,3−ジメチルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,2−ジシアノフェニルオキシ基、2,3−ジシアノフェニルオキシ基、2,4−ジシアノフェニルオキシ基、2,5−ジシアノフェニルオキシ基、2,6−ジシアノフェニルオキシ基、3,4−ジシアノフェニルオキシ基、3,5−ジシアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−エトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、3−エトキシフェニルオキシ基等、及び上記の式で表される基等の炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したオキシ基並びに表1〜表7に示される化合物において−O−R
102に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−O−R
102に該当する基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基が結合したオキシ基並びに表1〜表7に示される化合物において−O−R
102に該当する基等が挙げられる。
【0085】
−SO
2−R
101としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、(2−エチル)ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ノニルスルホニル基、デシルスルホニル基、ウンデシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、イコシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−トリルスルホニル基等、及び上記の式で表される基等の炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したスルホニル基並びに表1〜表7に示される化合物において−SO
2−R
101に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−SO
2−R
101に該当する基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基が結合したスルホニル基並びに表1〜表7に示される化合物において−SO
2−R
101に該当する基等が挙げられる。
【0086】
−SO
2N(R
102)
2としては、スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(2−エチル)ヘキシルスルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−ノニルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−ウンデシルスルファモイル基、N−ドデシルスルファモイル基、N−イコシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基等、及び上記の式で表される基等の1つの炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)で置換されたスルファモイル基並びに表1〜表7に示される化合物において−SO
2NH(R
102Z)(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−SO
2NH(R
102Z)(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基等;
【0087】
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−ジイソプロピルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ジイソブチルスルファモイル基、N,N−ジsec−ブチルスルファモイル基、N,N−ジtert−ブチルスルファモイル基、N,N−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジペンチルスルファモイル基、N,N−ジ(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ジヘキシルスルファモイル基、N,N−ジ(2−エチル)ヘキシルスルファモイル基、N,N−ジヘプチルスルファモイル基、N,N−オクチルメチルスルファモイル基、N,N−ジオクチルスルファモイル基、N,N−ジノニルスルファモイル基、N,N−デシルメチルスルファモイル基、N,N−ウンデシルメチルスルファモイル基、N,N−ドデシルメチルスルファモイル基、N,N−イコシルメチルスルファモイル基、N,N−フェニルメチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等、及び上記の式で表される基等の2つの炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)で置換されたスルファモイル基並びに表1〜表7に示される化合物において−SO
2N(R
102Z)
2(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−SO
2N(R
102Z)
2(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基等が挙げられ、
好ましくは1つ又は2つの炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基で置換されたスルファモイル基並びに表1〜表7に示される化合物において−SO
2N(R
102)
2に該当する基等が挙げられる。
【0088】
−CON(R
102)
2としては、カルバモイル基;
N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−イソプロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−イソブチルカルバモイル基、N−sec−ブチルカルバモイル基、N−tert−ブチルカルバモイル基、N−ペンチルカルバモイル基、N−(1−エチルプロピル)カルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−(2−エチル)ヘキシルカルバモイル基、N−ヘプチルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−ノニルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−ウンデシルカルバモイル基、N−ドデシルカルバモイル基、N−イコシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基等、及び上記の式で表される基等の1つの炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)で置換されたカルバモイル基並びに表1〜表7に示される化合物において−CONH(R
102Z)(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−CONH(R
102Z)(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基等;
【0089】
N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−エチルメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N,N−プロピルメチルカルバモイル基、N,N−ジプロピルカルバモイル基、N,N−イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N−ジイソプロピルカルバモイル基、N,N−tert−ブチルメチルカルバモイル基、N,N−ジイソブチルカルバモイル基、N,N−ジsec−ブチルカルバモイル基、N,N−ジtert−ブチルカルバモイル基、N,N−ブチルメチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N,N−ブチルオクチルカルバモイル基、N,N−ジペンチルカルバモイル基、N,N−ジ(1−エチルプロピル)カルバモイル基、N,N−ジヘキシルカルバモイル基、N,N−ジ(2−エチル)ヘキシルカルバモイル基、N,N−ジヘプチルカルバモイル基、N,N−オクチルメチルカルバモイル基、N,N−ジオクチルカルバモイル基、N,N−ジノニルカルバモイル基、N,N−デシルメチルカルバモイル基、N,N−ウンデシルメチルカルバモイル基、N,N−ドデシルメチルカルバモイル基、N,N−イコシルメチルカルバモイル基、N,N−フェニルメチルカルバモイル基、N,N−ジフェニルカルバモイル基等、及び上記の式で表される基等の2つの炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)で置換されたカルバモイル基並びに表1〜表7に示される化合物において−CON(R
102Z)
2(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−CON(R
102Z)
2(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基等が挙げられ、
好ましくは1つ又は2つの炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基で置換されたカルバモイル基並びに表1〜表7に示される化合物において−CON(R
102)
2に該当する基等が挙げられる。
【0090】
−N(R
102)
2としては、アミノ基;
N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N−sec−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−ペンチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−(2−エチル)ヘキシルアミノ基、N−ヘプチルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−ノニルアミノ基、N−デシルアミノ基、N−ウンデシルアミノ基、N−ドデシルアミノ基、N−イコシルアミノ基、N−フェニルアミノ基等、及び上記の式で表される基等の1つの炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)で置換されたアミノ基並びに表1〜表7に示される化合物において−NH(R
102Z)(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−NH(R
102Z)(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基等;
【0091】
N,N−ジメチルアミノ基、N,N−エチルメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−プロピルメチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−イソプロピルメチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−tert−ブチルメチルアミノ基、N,N−ジイソブチルアミノ基、N,N−ジsec−ブチルアミノ基、N,N−ジtert−ブチルアミノ基、N,N−ブチルメチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N,N−ジペンチルアミノ基、N,N−ジ(1−エチルプロピル)アミノ基、N,N−ジヘキシルアミノ基、N,N−ジ(2−エチル)ヘキシルアミノ基、N,N−ジヘプチルアミノ基、N,N−ジオクチルアミノ基、N,N−ジノニルアミノ基、N,N−デシルメチルアミノ基、N,N−ウンデシルメチルアミノ基、N,N−ドデシルメチルアミノ基、N,N−イコシルメチルアミノ基、N,N−フェニルメチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基等、及び上記の式で表される基等の2つの炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)で置換されたアミノ基並びに表1〜表7に示される化合物において−N(R
102Z)
2(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−N(R
102Z)
2(ただし、R
102Zは水素原子にならない事以外は、R
102と同じである)に該当する基等;が挙げられ、
好ましくは1つ又は2つの炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基で置換されたアミノ基並びに表1〜表7に示される化合物において−N(R
102)
2に該当する基等が挙げられる。
【0092】
−NHCO−R
102としては、ホルミルアミノ基;アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブタノイルアミノ基、2,2−ジメチルプロパノイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、(2−エチル)ヘキサノイルアミノ基、ヘプタノイルアミノ基、オクタノイルアミノ基、ノナノイルアミノ基、デカノイルアミノ基、ウンデカノイルアミノ基、ドデカノイルアミノ基、ヘンイコサノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等、及び上記の式で表される基等の炭素数1〜40(好ましくは炭素数1〜20)の炭化水素基又はその誘導化基(例えばカルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基(好ましくはオクチルスルファモイル基)等で誘導化された基)が結合したカルボニルアミノ基(該カルボニルアミノ基をアシルアミノ基とする場合、炭素数は1〜40である)並びに表1〜表7に示される化合物において−NHCO−R
102に該当する基及び特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−NHCO−R
102に該当する基等が挙げられ、
好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基又はその誘導化基が結合したカルボニルアミノ基(該カルボニルアミノ基をアルカノイルアミノ基とする場合、炭素数はより好ましくは1〜10である)並びに表1〜表7に示される化合物において−NHCO−R
102に該当する基等が挙げられる。
【0093】
−NHCON(R
102)
2としては、上記に挙げた基等並びに表1〜表7に示される化合物において−NHCON(R
102)
2に該当する基、特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−NHCON(R
102)
2に該当する基等が挙げられる。
【0094】
−NHCOOR
102としては、上記に挙げた基等並びに表1〜表7に示される化合物において−NHCOOR
102に該当する基、特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−NHCOOR
102に該当する基等が挙げられる。
【0095】
−OCON(R
102)
2としては、上記に挙げた基等並びに表1〜表7に示される化合物において−OCON(R
102)
2に該当する基、特願2017−016290号の表1〜966に示される化合物において−OCON(R
102)
2に該当する基等が挙げられる。
【0096】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が好ましい。
−SO
3M及び−CO
2MのMとしては、水素原子;リチウム原子、ナトリウム原子及びカリウム原子等のアルカリ金属原子が挙げられ、好ましくは水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子が挙げられる。
【0097】
上記−CO−R
102、−COO−R
102、−OCO−R
102、−COCO−R
102、−O−R
102、−SO
2−R
102、−SO
2N(R
102)
2、−CON(R
102)
2、−N(R
102)
2、−NHCO−R
102、−NHCON(R
102)
2、−NHCOOR
102、−OCON(R
102)
2に含まれる置換基(第一置換基)は、1つ又は2つ以上であってもよく、2つ以上の置換基は、互いに独立して、同一であってもよく異なってもよい。
さらに、前記第一置換基は、その一部に含まれる炭化水素基に別の置換基(第二置換基)が結合していてもよい。第二置換基は、第一置換基と同様の基から選択できる。
【0098】
Ar
1で表される芳香族炭化水素基の炭素数は、6〜40であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜20であり、さらに好ましくは6〜15である。芳香族炭化水素基は、単環であってもよいし多環であってもよい。
【0099】
Ar
1で表される芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、o−イソプロピルフェニル基、m−イソプロピルフェニル基、p−イソプロピルフェニル基、o−tert−ブチルフェニル基、m−tert−ブチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、メシチル基、4−エチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、2,6−ビス(2−プロピル)フェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−オクチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、ピレニル基及びアントリル基等の芳香族炭化水素基;それらを組合せた基等が挙げられる。
【0100】
Ar
1で表される芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される炭化水素基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
該置換基の好ましいものとしては、R
N1、R
N2、R
1〜R
8、R
101及びR
102で表される炭化水素基が有していてもよい置換基の好ましいものと同じものが挙げられる。
【0101】
R
N1は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アラルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、ヒドロキシ基が置換した脂肪族炭化水素基、及び炭素数1〜20の炭化水素基が片側に結合したオキシ基が置換した脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状又は分枝鎖状アルキル基、直鎖状又は分枝鎖状アルケニル基、シクロアルキル基、後述の式(P−1)〜(P−10)で表される基、アラルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、ヒドロキシ基が置換した直鎖状又は分枝鎖状アルキル基、及びアルコキシ基が置換した直鎖状又は分枝鎖状アルキル基であることがより好ましく、直鎖状又は分枝鎖状アルキル基、及び後述の式(P−1)〜(P−10)で表される基がさらに好ましい。
R
N2は、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、ヒドロキシ基が置換した脂肪族炭化水素基、及び炭素数1〜20の炭化水素基が片側に結合したオキシ基が置換した脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状又は分枝鎖状アルキル基、直鎖状又は分枝鎖状アルケニル基、シクロアルキル基、アラルキル基、(シクロアルキル)アルキル基、ヒドロキシ基が置換した直鎖状アルキル基又は分枝鎖状アルキル基、及びアルコキシ基が置換した直鎖状又は分枝鎖状アルキル基であることがより好ましく、直鎖状又は分枝鎖状アルキル基がさらに好ましい。
R
N1及びR
N2は、同一であってもよく異なっていてもよい。
Ar
1は、後述の式(P−1)〜(P−10)で表される基であることが好ましい。
R
4は、水素原子であることが好ましく、R
1〜R
8は、水素原子であることがより好ましい。
【0102】
また、式(I)で表される化合物は、上記の基に加えて、以下に示す部分構造を有していてもよい。
【0106】
R
N1及びR
N2は、互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基であり、Ar
1は、置換基を有していてもよい炭素数6〜40の芳香族炭化水素基であり、R
1〜R
8は、互いに独立して、水素原子であることが好ましく、
R
N1及びR
N2は、互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、Ar
1は、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R
1〜R
8は、互いに独立して、水素原子であることがより好ましく、
R
N1及びR
N2は、互いに独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基であり、Ar
1は、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R
1〜R
8は、互いに独立して、水素原子であることがさらに好ましく、
R
N1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、R
N2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基であり、Ar
1は、置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R
1〜R
8は、互いに独立して、水素原子であることがさらにより好ましい。
【0107】
式(I)で表される化合物におけるA
g-は、g価のアニオンを表す。gは、1〜14の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜8の整数であり、さらに好ましくは1〜6の整数であり、とりわけ好ましくは1〜4の整数である。
【0108】
A
g-としては、公知のアニオンが挙げられる。A
g-として、具体的には、
フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン;
OH
-;
CN
-;
NO
3-;
NO
2-;
ClO
-;
ClO
2-;
ClO
3-;
ClO
4-;
MnO
4-;
CH
3CO
2-、C
6H
5CO
2-;
トシラートアニオン;
HCO
3-;
H
2PO
4-;
HSO
4-;
HS
-;
SCN
-;
H(COO)
2-;
[Al(OH)
4]
-、[Al(OH)
4(H
2O)
2]
-;
[Ag(CN)
2]
-;
[Cr(OH)
4]
-;
[AuCl
4]
-;
O
2-;
S
2-;
O
22-;
SO
42-、HSO
4-;
SO
32-;
S
2O
32-;
CO
32-;
CrO
42-;
Cr
2O
72-;
(COO)
22-;
HPO
42-;
[Zn(OH)
4]
2-;
[Zn(CN)
4]
2-;
[CuCl
4]
2-;
PO
43-;
[Fe(CN)
6]
3-;
[Ag(S
2O
3)
2]
3-;
[Fe(CN)
6]
4-;
CH
3O
-、CH
3CH
2O
-、(CH
3)
3CO
-等の炭素数1〜20のアルコキシイオン;
C
6H
5O
-等の炭素数6〜20のアリールオキシイオン;
含フッ素アニオン;
タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオン等が挙げられる。
【0109】
A
g-は、耐熱性向上や昇華性低減の点から、含フッ素アニオン、又は、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンであることが好ましく、タングステン及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオン、又は含フッ素アニオンであることがより好ましく、タングステン及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンであることがさらに好ましい。
【0110】
含フッ素アニオンとしては、例えば、CF
3CO
2-及び式(III)、(IV)、(V)、(VI)で表される基が挙げられる。
【0112】
[式(III)中、W
3及びW
4は、互いに独立に、フッ素原子若しくは炭素数1〜4のフッ化アルキル基を表すか、又は、W
3とW
4とが一緒になって炭素数1〜4のフッ化アルカンジイル基を表す。]
【0114】
[式(IV)中、W
5〜W
7は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜4のフッ化アルキル基を表す。]
【0116】
[式(V)中、Y
1は炭素数1〜4のフッ化アルカンジイル基を表す。]
【0118】
[式(VI)中、Y
2は炭素数1〜4のフッ化アルキル基を表す。]
【0119】
式(III)、(IV)、及び(VI)において、炭素数1〜4のフッ化アルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。該パーフルオロアルキル基としては、−CF
3、−CF
2CF
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF(CF
3)
2、−CF
2CF
2CF
2CF
3、−CF
2CF(CF
3)
2、−C(CF
3)
3等が挙げられる。
【0120】
式(III)、及び(V)において、炭素数1〜4のフッ化アルカンジイル基としては、パーフルオロアルカンジイル基が好ましく、−CF
2−、−CF
2CF
2−、−CF
2CF
2CF
2−、−C(CF
3)
2−、−CF
2CF
2CF
2CF
2−等が挙げられる。
【0121】
式(III)で表されるアニオン(以下「アニオン(III)」という場合がある)としては、それぞれ式(III−1)〜式(III−6)で表されるアニオン(以下、「アニオン(III−1)」〜「アニオン(III−6)」という場合がある)が挙げられる。
【0123】
式(IV)で表されるアニオン(以下「アニオン(IV)」という場合がある)としては、式で表されるアニオン(IV−1)が挙げられる。
【0125】
式(V)で表されるアニオン(以下「アニオン(V)」という場合がある)としては、それぞれ式(V−1)〜式(V−4)で表されるアニオン(以下「アニオン(V−1)」〜「アニオン(V−4)」という場合がある)が挙げられる。
【0127】
式(VI)で表されるアニオン(以下「アニオン(VI)」という場合がある)としては、それぞれ式(VI−1)〜式(VI−4)で表されるアニオン(以下「アニオン(VI−1)」〜「アニオン(VI−4)」という場合がある)が挙げられる。
【0129】
含フッ素アニオンは、CF
3CO
2-、アニオン(III)、アニオン(IV)、アニオン(V)及びアニオン(VI)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアニオンであってもよい。中でも、CF
3CO
2-、アニオン(III−1)、アニオン(III−2)、アニオン(III−6)、アニオン(IV−1)、アニオン(V−1)、アニオン(VI−1)、アニオン(VI−2)、アニオン(VI−3)が好ましく、CF
3CO
2-、アニオン(III−2)、アニオン(IV−1)、アニオン(VI−1)がより好ましい。
【0130】
アニオンとして、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンが挙げられる。タングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンが好ましく、リンタングステン酸、ケイタングステン酸及びタングステン系イソポリ酸のアニオンがより好ましい。かかるアニオンは、例えば含フッ素アニオン(好ましくはアニオン(VI−1))を有する、式(I)で表される着色化合物に使用し、アニオン交換すると、耐熱性向上に寄与する。
【0131】
この様なタングステンを必須元素として含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンとしては、例えば、ケギン型リンタングステン酸イオンα−[PW
12O
40]
3-、ドーソン型リンタングステン酸イオンα−[P
2W
18O
62]
6-、β−[P
2W
18O
62]
6-、ケギン型ケイタングステン酸イオンα−[SiW
12O
40]
4-、β−[SiW
12O
40]
4-、γ−[SiW
12O
40]
4-、さらにその他の例として[P
2W
17O
61]
10-、[P
2W
15O
56]
12-、[H
2P
2W
12O
48]
12-、[NaP
5W
30O
110]
14-、α−[SiW
9O
34]
10-、γ−[SiW
10O
36]
8-、α−[SiW
11O
39]
8-、β−[SiW
11O
39]
8-、[W
6O
19]
2-、[W
10O
32]
4-、WO
42-等が挙げられる。中でも、ケギン型リンタングステン酸イオンα−[PW
12O
40]
3-がより好ましい。
【0132】
化合物(I)としては、下記表1〜表7に示す化合物又はそのアルカリ金属塩が挙げられる。
なお、下記表1〜7中、
「Me」はメチル基を表し、
「Et」はエチル基を表し、
「Bu」はブチル基を表し、
「TBu」はtert−ブチル基を表し、
「Hex」はヘキシル基を表し、
「Oct」はオクチル基を表し、
「2EH」は2−エチルヘキシル基を表し、
「CHM」はシクロヘキシルメチル基を表し、
「CH」はシクロヘキシル基を表し、
「BZ」はベンジル基を表し、
「NPR」はプロピル基を表し、
「IPR」はイソプロピル基を表し、
「IBu」はイソブチル基を表し、
「EOE」は−CH
2CH
2OCH
2CH
3を表し、
「ALL」はアリル基を表し、
「HYE」は2−ヒドロキシエチル基を表し、
「COM」は−CO−CH
3を表し、
「COE」は−COO−CH
2CH
3を表し、
「OCM」は−OCO−CH
3を表し、
「OME」は−O−CH
3を表し、
「SOT」はトシル基を表し、
「SNH」は−SO
2NH−CH
2CH(CH
2CH
3)((CH
2)
3CH
3)を表し、「SN2」は−SO
2N(CH
3)((CH
2)
7CH
3)を表し、
「CNM」は−CONHCH
3を表し、
「CN2」は−CON(CH
3)C
6H
5を表し、
「NPH」は−NHC
6H
5を表し、
「NOT」は−N((CH
2)
7CH
3)
2を表し、
「NCO」は−NHCO((CH
2)
4CH
3)を表し、
「F」はフッ素原子を表し、
「Cl」は塩素原子を表し、
「Br」は臭素原子を表し、
「CN」はシアノ基を表し、
「NO2」はニトロ基を表し、
「SUA」は−SO
3Hを表し、
「CBA」は−CO
2Hを表し、
「CHO」は−CHOを表し、
「OCH」は−OCOHを表し、
「OH」は−OHを表し、
「SFM」は−SO
2NH
2を表し、
「CBM」は−CONH
2を表し、
「NH2」は−NH
2を表し、
「NCH」は−NHCOHを表し、
「III−1」〜「III−6」はアニオン(III−1)〜アニオン(III−6)を、
「IV−1」はアニオン(IV−1)を、
「V−1」〜「V−4」はアニオン(V−1)〜アニオン(V−4)を、
「VI−1」〜「VI−4」はアニオン(VI−1)〜アニオン(VI−4)を、
「P−1」〜「P−10」は、それぞれ式(P−1)〜式(P−10)で表される基を、それぞれ表す。
【0133】
式(P−1)〜(P−10)において、●は結合手を表す。
【化41】
【0141】
例えば、化合物(I−1)は、式(I−1)で表される化合物である。
【0143】
合成が容易である観点から、化合物(I)は、化合物(I−1)〜化合物(I−163)及び化合物(I−247)〜化合物(I−266)であることが好ましく、化合物(I−1)〜化合物(I−80)及び化合物(I−247)〜化合物(I−266)であることがより好ましく、化合物(I−1)〜化合物(I−40)及び化合物(I−61)〜化合物(I−80)であることが更に好ましく、化合物(I−23)、化合物(I−33)、化合物(I−73)、及び化合物(I−74)であることがとりわけ好ましい。
【0144】
本発明の化合物(I)は、式(II)で表される化合物(以下、化合物(II)ということがある。)に対し、式(II−1)で表される化合物(以下、化合物(II−1)ということがある。)を反応させることにより得られてもよく、また、得られた化合物に対し、タングステン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する化合物をさらに反応させることにより得られてもよい。
また、化合物(I)のA
g-を別のA
g-に交換する方法として、上記で得られた化合物(I)に対し、RG−A’’(RGは、水素原子、アルカリ金属原子(好ましくは、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子)、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。A’’は、上記で得られた化合物(I)が有するA
g-とは異なるA
g-に電子をg個与えたものを表す。)を反応させることにより、上記で得られた化合物(I)が有するA
g-とは異なるA
g-を有する化合物(I)を得てもよい。
【0145】
【化43】
[式(II)及び式(II−1)中、R
1〜R
8、R
N1、R
N2、Ar
1及びgは、上記と同
一の意味を表す。A’は、上記A
g-に電子をg個与えたものを表す。]
【0146】
式(II−1)で表される化合物としては、アルキル化剤が挙げられる。アルキル化剤としては、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜3のハロゲン化アルキル等のハロゲン化アルキル(塩化メチル、臭化メチル又はヨウ化メチル等);好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4等の炭酸ジアルキル(炭酸ジメチル又は炭酸ジエチル等);好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4等のジアルキル硫酸(ジメチル硫酸又はジエチル硫酸等);好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4のアルカンスルホン酸アルキル(メタンスルホン酸メチル、エタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸エチル、エタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル等);が挙げられる。
前記アルキル化剤としては、メチル化剤、エチル化剤、プロピル化剤、ブチル化剤等が好ましく、メチル化剤がより好ましい。
【0147】
アルキル化剤の使用量は、化合物(II)1モルに対して、好ましくは1モル以上20モル以下であり、より好ましくは1モル以上10モル以下である。
前記反応における反応温度は、0〜150℃であることが好ましく、10〜100℃であることがより好ましい。式(I)で表される着色化合物前駆体の溶解性を十分なものとするため、70〜100℃程度で所定の有機溶媒と予め混合しておいてもよい。反応時間としては、10分〜24時間が好ましく、1〜12時間がより好ましい。
【0148】
反応は、収率の点から、有機溶媒中で行われることが好ましい。有機溶媒としては、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、塩化メチレン及びクロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール及びブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;アセトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及び1−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられ、好ましくは芳香族炭化水素溶媒が挙げられ、より好ましくはトルエン及びキシレンが挙げられる。
有機溶媒の使用量は、化合物(II)1質量部に対して、好ましくは1質量部以上300質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上100質量部以下である。
【0149】
反応混合物から化合物を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物を濾過し、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒等の溶媒で洗浄し、得られた残渣を乾燥する方法を挙げることができる。必要であれば、さらに溶媒を用いて再結晶を行う方法又はシリカカラムクロマトグラフィーで精製してもよい。得られた化合物は、例えば式(I)で表される化合物となる。
【0150】
次に、式(I)で表される化合物のアニオンを交換する方法を採用してもよく、当該方法としては、タングステン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する化合物等を添加する方法及び上記で得られた化合物(I)に対し、(RG)
gA’’(RGは、水素原子、アルカリ金属原子(好ましくは、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子)、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。A’’は、上記で得られた化合物(I)が有するA
g-とは異なるA
g-に電子をg個与えたものを表す。)を反応させる方法等が挙げられる。
【0151】
タングステン、ケイ素、及びリンからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有する化合物(本明細書で、以下アニオン交換剤ともいう)は、公知慣用の方法で製造することができるが、市販品をそのまま用いてもよい。この様な化合物としては、例えば、対応するヘテロポリ酸塩、イソポリ酸塩、或いは珪酸塩、燐酸塩等が挙げられ、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸及びケイモリブデン酸等であってもよい。
【0152】
アニオン交換剤の使用量は、式(I)で表される化合物1モルに対して、好ましくは0.01モル以上5モル以下であり、より好ましくは0.01モル以上1モル以下である。
反応温度は、0〜150℃であることが好ましく、10〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、10分〜36時間であることが好ましく、10分〜24時間であることがより好ましい。
【0153】
(RG)
gA’’としては、上記に挙げたA
g−に電子をg個与えたものと、g個のRG(RGは、水素原子、アルカリ金属原子(好ましくは、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子)、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)が結合したものが挙げられる。
【0154】
(RG)
gA’’の使用量は、式(I)で表される化合物1モルに対して、好ましくは0.01モル以上5モル以下であり、より好ましくは0.01モル以上1モル以下である。
反応温度は、0〜150℃であることが好ましく、10〜100℃であることがより好ましい。反応時間は、10分〜36時間であることが好ましく、10分〜24時間であることがより好ましい。
【0155】
この反応は、収率の点から、水、有機溶媒又はこれらの混合物中で行うことが好ましい。
有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられる。
溶媒としては、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、エーテル溶媒、ニトリル溶媒、アミド溶媒及びこれらの混合物が好ましく、水、アルコール溶媒、ケトン溶媒、ニトリル溶媒、アミド溶媒及びこれらの混合物がより好ましく、水、アルコール溶媒及びこれらの混合物がさらに好ましく、水、メタノール及びこれらの混合物がとりわけ好ましい。
溶媒の使用量は、式(I)で表される化合物1質量部に対して、好ましくは1質量部以上1000質量部以下であり、より好ましくは10質量部以上500質量部以下である。
【0156】
反応混合物から化合物を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば、反応混合物を濾過し、例えば、水、又はメタノール等のアルコール溶媒等の溶媒で洗浄し、得られた残渣を乾燥する方法等を挙げることができる。必要であれば、さらに溶媒を用いて再結晶を行う方法又はシリカカラムクロマトグラフィーで精製してもよい。
【0157】
かかる方法を採用すると、式(I)で表される化合物のアニオンが交換され、耐熱性の向上や昇華性の低減に好適な化合物とすることができる。
【0158】
化合物(II)は、式(VII)で表される化合物(以下、化合物(VII)ということがある。)と式(VIII)で表される化合物(以下、化合物(VIII)ということがある。)とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0159】
【化44】
[式(VII)及び式(VIII)中、R
1〜R
3、R
5〜R
8、R
N1及びAr
1は、上記と同一の意味を表す。R
9は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。]
【0160】
R
9で表される炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
【0161】
塩基としては、トリエチルアミン、ピペリジン等の有機塩基が挙げられ、その使用量は、化合物(VII)1モルに対して、通常0.05〜20モルである。
化合物(VIII)の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1〜10モルであり、好ましくは1〜4モルである。
【0162】
化合物(VII)と化合物(VIII)との反応は、通常溶媒の存在下に実施され、溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール及び1−オクタノール等のアルコール溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;アセトン等のケトン溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン及びクロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;N,N−ジメチルホルムアルデヒド及びN−メチルピロリドン等のアミド溶媒;が挙げられ、好ましくはニトリル溶媒、アルコール溶媒及び芳香族炭化水素溶媒が挙げられ、より好ましくはアセトニトリル、メタノール及びトルエンが挙げられる。その使用量は、化合物(VII)1質量部に対して、通常、1〜100質量部である。
反応温度は、通常0〜200℃であり、好ましくは0〜150℃である。反応時間は、通常、0.5〜36時間である。
【0163】
反応終了後、例えば、化合物(II)が溶解し難い溶媒と得られた反応混合物とを混合し、濾過することにより、化合物(II)を取り出すことができる。必要であれば、さらに溶媒を用いて再結晶を行う方法又はシリカカラムクロマトグラフィーで精製してもよい。
【0164】
化合物(VII)は、式(IX)で表される化合物(以下、化合物(IX)ということがある。)と式(X)で表される化合物(以下、化合物(X)ということがある。)とを、溶媒中で反応させることにより、製造することができる。
【0166】
[式(IX)及び式(X)中、R
5〜R
9は上記と同一の意味を表す。R
10は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
【0167】
R
10で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基が挙げられる。
【0168】
化合物(X)の使用量は、化合物(IX)1モルに対して、通常、1〜5モル、好ましくは1〜3モルである。
溶媒としては、メタノール等のアルコール溶媒が挙げられ、その使用量は、化合物(IX)1質量部に対して、通常、1〜200質量部である。
反応温度は、通常、−20〜100℃であり、反応時間は、通常、1〜72時間である。
【0169】
反応終了後、例えば、必要に応じて、反応混合物と水又はメタノールとを混合した後、濾過することにより、化合物(VII)を取り出すことができる。また、反応終了後、例えば、必要に応じて、反応混合物と水とを混合した後、酢酸エチル等の水に不溶の有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することにより、化合物(VII)を取り出すこともできる。必要であれば、さらに溶媒を用いて再結晶を行う方法又はシリカカラムクロマトグラフィーで精製してもよい。
【0170】
化合物(X)は、例えば、J.Med.Chem.2012,55,3398−3413に記載の方法等の公知の方法に準じて製造することができる。
【0171】
本発明の着色組成物は、化合物(I)を2種以上含んでいてもよい。化合物(I)は、必要に応じて化合物(I)以外の染料又は顔料(着色剤A1)と共に、着色剤(A)として用いることができる。
【0172】
本発明の着色組成物は、溶剤(以下、溶剤(E)という場合がある。)を含む。着色組成物は、溶剤(E)を含むことで、分散安定性がさらに改善する場合がある。
【0173】
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0174】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0175】
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソール等が挙げられる。
【0176】
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0177】
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロン等が挙げられる。
【0178】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等が挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの溶剤は、2種以上を併用してもよい。
溶剤(E)の含有量は、着色組成物の総量に対して、好ましくは40〜99質量%であり、より好ましくは50〜95質量%である。
【0179】
本発明の着色組成物において、化合物(I)は、溶剤(E)に分散していることが好ましい。
【0180】
化合物(I)は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による化合物(I)表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。化合物(I)の粒径は、略均一であることが好ましい。化合物(I)は、分散剤を含有させて分散処理を行うことで、化合物(I)が分散液の中で均一に分散した状態にすることができる。
【0181】
分散剤としては、界面活性剤等が挙げられ、カチオン系、アニオン系、ノニオン系及び両性のいずれの界面活性剤であってもよい。具体的にはポリエステル系、ポリアミン系及びアクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で又は二種以上を組合せて用いてもよい。分散剤としては、商品名で表すと、KP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(登録商標)(ゼネカ(株)製)、EFKA(登録商標)(BASF(株)製)、アジスパー(登録商標)(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(登録商標)(ビックケミー(株)製)、BYK(登録商標)(ビックケミー(株)製)等が挙げられる。
【0182】
分散剤を用いる場合、分散剤(固形分)の使用量は、化合物(I)100質量部に対して、好ましくは300質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上100質量部以下である。分散剤の使用量が前記の範囲にあると、より均一な分散状態の着色組成物が得られる傾向がある。
【0183】
着色組成物中の化合物(I)の含有率は、着色組成物の総量中、通常0.1〜60質量%であり、好ましくは0.5〜50質量%であり、より好ましくは1〜40質量%である。
【0184】
着色組成物中、化合物(I)の含有率は、固形分の総量に対して、通常1質量%以上90質量%以下であり、好ましくは1質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上75質量%以下である。
【0185】
本発明の着色組成物は、樹脂(以下、樹脂(B)という場合がある。)を含むことが好ましい。着色組成物は、樹脂(B)を含むことで、分散安定性がさらに改善する場合がある。
【0186】
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位を有する重合体であることがより好ましい。
樹脂(B)は、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位、及びその他の構造単位を有する共重合体であることがさらに好ましい。
その他の構造単位としては、単量体(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、単量体(a)及び単量体(b)とは異なる。以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位、エチレン性不飽和結合を有する構造単位等が挙げられる。
【0187】
(a)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びo−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸及び1,4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン及び5−カルボキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物;
フマル酸及びメサコン酸を除く上記不飽和ジカルボン酸の無水物等のカルボン酸無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕及びフタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸等が好ましい。
【0188】
(b)は、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。
(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)及びテトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)等が挙げられる。
【0189】
(b1)としては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」という場合がある)及び脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)」という場合がある)が挙げられる。
【0190】
(b1−1)としては、グリシジル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体が好ましい。(b1−1)としては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチルビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン及び2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド(登録商標)2000;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマー(登録商標)A400;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマー(登録商標)M100;(株)ダイセル製)、式(BI)で表される化合物及び式(BII)で表される化合物等が挙げられる。
【0192】
[式(BI)及び式(BII)中、R
a及びR
bは、互いに独立に、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
X
a及びX
bは、互いに独立に、単結合、*−R
c−、*−R
c−O−、*−R
c−S−又は*−R
c−NH−を表す。
R
cは、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
【0193】
式(BI)で表される化合物としては、式(BI−1)〜式(BI−15)のいずれかで表される化合物等が挙げられ、好ましくは式(BI−1)、式(BI−3)、式(BI−5)、式(BI−7)、式(BI−9)及び式(BI−11)〜式(BI−15)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(BI−1)、式(BI−7)、式(BI−9)及び式(BI−15)で表される化合物が挙げられる。
【0195】
式(BII)で表される化合物としては、式(BII−1)〜式(BII−15)のいずれかで表される化合物等が挙げられ、好ましくは式(BII−1)、式(BII−3)、式(BII−5)、式(BII−7)、式(BII−9)及び式(BII−11)〜式(BII−15)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(BII−1)、式(BII−7)、式(BII−9)及び式(BII−15)で表される化合物が挙げられる。
【0197】
式(BI)で表される化合物及び式(BII)で表される化合物は、それぞれ単独で用いても、式(BI)で表される化合物と式(BII)で表される化合物とを併用してもよい。これらを併用する場合、式(BI)で表される化合物及び式(BII)で表される化合物の含有比率はモル基準で、好ましくは5:95〜95:5であり、より好ましくは10:90〜90:10であり、さらに好ましくは20:80〜80:20である。
【0198】
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−9−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセン−9−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル及びイタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン及び5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート及びN−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びp−メトキシスチレン等のビニル基含有芳香族化合物;(メタ)アクリロニトリル等のビニル基含有ニトリル;塩化ビニル及び塩化ビニリデン等のハロゲン化炭化水素;(メタ)アクリルアミド等のビニル基含有アミド;酢酸ビニル等のエステル;1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のジエン;等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−9−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセン−9−イル(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン及びベンジル(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0199】
エチレン性不飽和結合を有する構造単位は、好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する構造単位である。このような構造単位を有する樹脂は、(a)や(b)に由来する構造単位を有する重合体に、(a)や(b)が有する基と反応可能な基にエチレン性不飽和結合とを有する単量体を付加させることにより得ることができる。
このような構造単位としては、(メタ)アクリル酸単位にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた構造単位、無水マレイン酸単位に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを付加させた構造単位及びグリシジル(メタ)アクリレート単位に(メタ)アクリル酸を付加させた構造単位等が挙げられる。また、これらの構造単位がヒドロキシ基を有する場合は、カルボン酸無水物をさらに付加させた構造単位も、エチレン性不飽和結合を有する構造単位として挙げられる。
【0200】
(a)に由来する構造単位を有する重合体は、例えば、重合開始剤の存在下、重合体の構造単位を構成する単量体を溶剤中で重合することにより製造できる。重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよい。
【0201】
なお、得られた重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
必要に応じて、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等を使用してもよい。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物及び5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等が挙げられる。
【0202】
樹脂(B)としては、具体的に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ビニルトルエン共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセニル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体並びに特開平9−106071号公報、特開2004−29518号公報及び特開2004−361455号公報の各公報記載の樹脂等が挙げられる。
中でも、樹脂(B)としては、(a)に由来する構造単位及び(b)に由来する構造単位を含む共重合体が好ましい。
樹脂(B)は2種以上を組み合わせてもよく、この場合は、樹脂(B)は、少なくとも、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ビニルトルエン共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート共重合体から選ばれる1以上を含むことが好ましい。
【0203】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜30,000である。樹脂(B)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
【0204】
樹脂(B)の酸価(固形分換算値)は、好ましくは10〜300mg−KOH/gであり、より好ましくは20〜250mg−KOH/gであり、さらに好ましくは30〜200mg−KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0205】
着色組成物中、樹脂(B)の含有量は、固形分の総量に対して、好ましくは3〜99質量%であり、より好ましくは5〜99質量%であり、さらに好ましくは7〜95質量%である。
【0206】
本発明の着色組成物は、化合物(I)以外の着色剤(以下、着色剤(A1)という場合がある。)を含んでいてもよい。着色剤(A1)には、1種又は2種以上の着色剤が含まれていてもよい。着色剤(A1)は、黄色着色剤、橙色着色剤又は赤色着色剤を含んでいることが好ましい。
【0207】
<着色剤(A1)>
着色剤(A1)は、染料であっても顔料であってもよい。染料としては、公知の染料を使用することができ、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists 出版)及び染色ノート(色染社)に記載されている染料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料及びフタロシアニン染料等が挙げられる。これらの染料は、単独、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0208】
具体的には、以下のようなカラーインデックス(C.I.)番号の染料が挙げられる。C.I.ソルベントイエロー14、15、23、24、25、38、62、63、68、79、81、82、83、89、94、98、99、162;
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.リアクティブイエロー2、76、116;
C.I.ダイレクトイエロー2、4、28、33、34、35、38、39、43、44、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、132、136、138、141;
C.I.ディスパースイエロー51、54、76;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、41、54、56、99;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、149、162、169、173;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ソルベントレッド24、49、90、91、111、118、119、122、124、125、127、130、132、143、145、146、150、151、155、160、168、169、172、175、181、207、218、222、227、230、245、247;
C.I.アシッドレッド52、73、80、91、92、97、138、151、211、274、289;
C.I.アシッドバイオレット34、102;
C.I.ディスパースバイオレット26、27;
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60;
C.I.ソルベントブルー14、18、35、36、45、58、59、59:1、63、68、69、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139;
C.I.アシッドブルー25、27、40、45、78、80、112;
C.I.ダイレクトブルー40;
C.I.ディスパースブルー1、14、56、60;
C.I.ソルベントグリーン1、3、5、28、29、32、33;
C.I.アシッドグリーン3、5、9、25、27、28、41;
C.I.ベーシックグリーン1;
C.I.バットグリーン1等。
【0209】
顔料としては、公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられる。これらを単独で、又は2種以上を組合せて用いることができる。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等の橙色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、179、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265、266、268、269、273等の赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59等の緑色顔料が挙げられる。
【0210】
着色剤(A1)は、黄色着色剤、橙色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種以上を含む着色剤であることが好ましい。
【0211】
黄色着色剤は、上述したC.I.ソルベントイエロー14、15、23、24、25、38、62、63、68、79、81、82、83、89、94、98、99、162;C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.リアクティブイエロー2、76、116;
C.I.ダイレクトイエロー2、4、28、33、34、35、38、39、43、44、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、132、136、138、141;
C.I.ディスパースイエロー51、54、76等の黄色染料;
C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214等の黄色顔料;
の中から選択されてもよい。
黄色着色剤としては、黄色染料又は黄色顔料が好ましく、黄色顔料がより好ましく、キノフタロン黄色顔料、金属含有黄色顔料、イソインドリン黄色顔料がさらに好ましく、C.I.ピグメントイエロー129、138、139、150、185がとりわけ好ましい。
【0212】
橙色着色剤は、上述したC.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、41、54、56、99;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、149、162、169、173;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107等の橙色染料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等の橙色顔料;
の中から選択されてもよい。
橙色着色剤としては、橙色染料又は橙色顔料が好ましく、橙色顔料がより好ましく、C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73がさらに好ましい。
【0213】
赤色着色剤は、上述したC.I.ソルベントレッド24、49、90、91、111、118、119、122、124、125、127、130、132、143、145、146、150、151、155、160、168、169、172、175、181、207、218、222、227、230、245、247;
C.I.アシッドレッド52、73、80、91、92、97、138、151、211、274、289等の赤色染料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、179、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265、266、268、269、273等の赤色顔料;
の中から選択されてもよい。
赤色着色剤としては、赤色染料及び赤色顔料が好ましく、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、ペリレン染料、アゾ顔料、ジケトピロロピロール顔料、アントラキノン顔料、キサンテン顔料及びペリレン顔料がより好ましく、C.I.アシッドレッド52、C.I.ピグメントレッド144、177、179、242、254及び269がさらに好ましい。
【0214】
また、黄色着色剤、橙色着色剤又は赤色着色剤として、特開2013−235257号公報に記載のキサンテン化合物等を使用してもよい。
【0215】
本発明の着色組成物が、着色剤(A1)を含む場合、予め着色剤(A1)と溶剤(E)とを含む着色剤(A1)含有液を調製した後、該着色剤(A1)含有液を使用して着色組成物を調製してもよい。着色剤(A1)が溶剤(E)に溶解しない場合、着色剤(A1)含有液は、着色剤(A1)を溶剤(E)に分散させて混合することにより調製できる。着色剤(A1)含有液は、着色組成物に含有される溶剤(E)の一部又は全部を含んでいてもよい。
【0216】
本発明の着色組成物は、式(I)で表される化合物と、溶剤(E)と、着色剤(A1)及び溶剤(E)を含む着色剤(A1)含有液とを、混合することにより製造されることが好ましい。前記製造方法としては、式(I)で表される化合物と、溶剤(E)とをビーズミル等により混合して着色組成物を調製し、得られた着色組成物と、着色剤(A1)及び溶剤(E)を含む着色剤(A1)含有液とを混合する方法が好ましい。
【0217】
着色剤(A1)は、黄色着色剤、橙色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種以上を含む着色剤であることが好ましい。
【0218】
着色剤(A1)は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された着色剤誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による着色剤(A1)表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。着色剤(A1)の粒径は、略均一であることが好ましい。着色剤(A1)は、分散剤を含有させて分散処理を行うことで、着色剤(A1)が着色剤(A1)含有液の中で均一に分散した状態にすることができる。着色剤(A1)は、それぞれ単独で分散処理してもよいし、複数種を混合して分散処理してもよい。
【0219】
分散剤としては、界面活性剤等が挙げられ、カチオン系、アニオン系、ノニオン系及び両性のいずれの界面活性剤であってもよい。具体的にはポリエステル系、ポリアミン系及びアクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で又は二種以上を組合せて用いてもよい。分散剤としては、商品名で表すと、KP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(登録商標)(ゼネカ(株)製)、EFKA(登録商標)(BASF(株)製)、アジスパー(登録商標)(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(登録商標)(ビックケミー(株)製)、BYK(登録商標)(ビックケミー(株)製)等が挙げられる。
【0220】
前記着色剤(A1)含有液を調製するため、分散剤を用いる場合、該分散剤(固形分)の使用量は、着色剤(A1)100質量部に対して、好ましくは300質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上100質量部以下である。該分散剤の使用量が前記の範囲にあると、より均一な分散状態の着色剤(A1)含有液が得られる傾向がある。
【0221】
着色剤(A1)含有液中の着色剤(A1)の含有率は、着色剤(A1)含有液の総量中、通常0.1〜60質量%であり、好ましくは0.5〜50質量%であり、より好ましくは1〜40質量%である。
【0222】
着色剤(A1)含有液中、着色剤(A1)の含有率は、固形分の総量に対して、通常1質量%以上90質量%以下であり、好ましくは1質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上75質量%以下である。
【0223】
本発明の着色組成物が樹脂(B)を含んでおり、予め着色剤(A1)と溶剤(E)とを含む着色剤(A1)含有液を調製した後、該着色剤(A1)含有液を使用して着色組成物を調製する場合、着色剤(A1)含有液は、着色組成物に含有される樹脂(B)の一部又は全部、好ましくは一部を予め含んでいてもよい。樹脂(B)を予め含ませておくことで、着色剤(A1)含有液の分散安定性をさらに改善できる。
着色剤(A1)含有液中の樹脂(B)の含有量は、着色剤(A1)100質量部に対して、例えば、1〜500質量部であり、好ましくは5〜200質量部であり、より好ましくは10〜100質量部である。
【0224】
着色組成物中、化合物(I)及び着色剤(A1)を合わせた着色剤(A)の含有率は、固形分の総量に対して、通常1質量%以上90質量%以下であり、好ましくは1質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上75質量%以下である。
化合物(I)の含有率は、着色剤(A)の総量中、通常0.001質量%以上であり、好ましくは0.003質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上であり、通常100質量%以下であり、好ましくは99.999質量%以下であり、より好ましくは99.997質量%以下である。
着色剤(A1)を含む場合、着色剤(A1)の含有量は、化合物(I)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上であり、より好ましくは0.5質量部以上であり、さらに好ましくは1質量部以上であり、好ましくは10000質量部以下であり、より好ましくは5000質量部以下である。
【0225】
本発明の着色硬化性組成物は、化合物(I)と、樹脂(B)及び溶媒(E)の少なくとも一方と重合性化合物(C)とを含む。
【0226】
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等であり、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
【0227】
エチレン性不飽和結合を1つ有する重合性化合物としては、例えば、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン等、並びに、上述の単量体(a)、単量体(b)及び単量体(c)が挙げられる。
【0228】
エチレン性不飽和結合を2つ有する重合性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル及び3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0229】
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0230】
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下であり、より好ましくは250以上1,500以下である。
【0231】
重合性化合物(C)の含有率は、着色硬化性組成物中、固形分の総量に対して、好ましくは1〜65質量%であり、より好ましくは3〜60質量%であり、さらに好ましくは5〜55質量%である。
【0232】
本発明の着色硬化性組成物は、重合開始剤(D)を含んでいてもよい。
【0233】
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(D)としては、O−アシルオキシム化合物、アルキルフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物及びアシルホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。
【0234】
O−アシルオキシム化合物としては、例えば、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロヘキシルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミン及びN−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン等が挙げられる。また、O−アシルオキシム化合物として、イルガキュアOXE01、OXE02(以上、BASF(株)製)及びN−1919((株)ADEKA製)等の市販品を用いてもよい。中でも、O−アシルオキシム化合物としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン及びN−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミンがより好ましい。
【0235】
アルキルフェノン化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン及び2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オン等が挙げられる。アルキルフェノン化合物として、イルガキュア369、907、379(以上、BASF(株)製)等の市販品を用いてもよい。
アルキルフェノン化合物としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノン及びベンジルジメチルケタールも挙げられる。
【0236】
ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)及び4,4’,5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照。)等が挙げられる。
【0237】
トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0238】
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0239】
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン及び2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン及びカンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル及びチタノセン化合物等が挙げられる。
これらは、後述の重合開始助剤(D1)(特にアミン類)と組合せて用いることが好ましい。
【0240】
重合開始剤(D)は、好ましくはアルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O−アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む重合開始剤であり、より好ましくはO−アシルオキシム化合物を含む重合開始剤である。
【0241】
重合開始剤(D)の含有率は、着色硬化性組成物中の固形分の総量中、好ましくは0.001〜40質量%であり、より好ましくは0.01〜30質量%である。
【0242】
本発明の着色硬化性組成物は、重合開始助剤(D1)を含んでいてもよい。
【0243】
<重合開始助剤(D1)>
重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組合せて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物及びカルボン酸化合物等が挙げられる。
【0244】
アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、好ましくは4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられる。また、アミン化合物として、EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
【0245】
アルコキシアントラセン化合物としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン及び2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
【0246】
チオキサントン化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン及び1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
【0247】
カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン及びナフトキシ酢酸等が挙げられる。
【0248】
これらの重合開始助剤(D1)を用いる場合、その含有率は、着色硬化性組成物中の固形分の総量中、好ましくは0.001〜30質量%であり、より好ましくは0.01〜20質量%である。
【0249】
本発明の着色組成物は、さらにレベリング剤(F)及び酸化防止剤を含んでもよい。
【0250】
<レベリング剤(F)>
レベリング剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
【0251】
フッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
【0252】
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
【0253】
レベリング剤(F)を含有する場合、その含有率は、着色組成物の総量に対して、通常0.0005質量%以上1質量%以下であり、好ましくは0.001質量%以上0.5質量%以下であり、より好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下であり、とりわけ好ましくは0.005質量%以上0.1質量%以下である。レベリング剤(F)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
【0254】
<酸化防止剤>
着色剤の耐熱性及び耐光性を向上させる観点からは、酸化防止剤を単独又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。酸化防止剤としては、工業的に一般に使用される酸化防止剤であれば特に限定はなく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤などを用いることができる。
【0255】
前記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、イルガノックス1010(Irganox 1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、イルガノックス1076(Irganox 1076:オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、BASF(株)製)、イルガノックス1330(Irganox 1330:3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、BASF(株)製)、イルガノックス3114(Irganox 3114:1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASF(株)製)、イルガノックス3790(Irganox 3790:1,3,5−トリス((4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASF(株)製)、イルガノックス1035(Irganox 1035:チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、イルガノックス1135(Irganox 1135:ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル、BASF(株)製)、イルガノックス1520L(Irganox 1520L:4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、BASF(株)製)、イルガノックス3125(Irganox 3125、BASF(株)製)、イルガノックス565(Irganox 565:2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’、5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、BASF(株)製)、アデカスタブAO−80(アデカスタブAO−80:3,9−ビス(2−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、(株)ADEKA製)、スミライザーBHT(Sumilizer BHT、住友化学(株)製)、スミライザーGA−80(Sumilizer GA−80、住友化学(株)製)、スミライザーGS(Sumilizer GS、住友化学(株)製)、シアノックス1790(Cyanox 1790、(株)サイテック製)及びビタミンE(エーザイ(株)製)などが挙げられる。
【0256】
前記リン系酸化防止剤としては、例えば、イルガフォス168(Irgafos 168:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、BASF(株)製)、イルガフォス12(Irgafos 12:トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、BASF(株)製)、イルガフォス38(Irgafos 38:ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜りん酸、BASF(株)製)、アデカスタブ329K((株)ADEKA製)、アデカスタブPEP36((株)ADEKA製)、アデカスタブPEP−8((株)ADEKA製)、Sandstab P−EPQ(クラリアント社製)、ウェストン618(Weston 618、GE社製)、ウェストン619G(Weston 619G、GE社製)、ウルトラノックス626(Ultranox 626、GE社製)及びスミライザーGP(Sumilizer GP:6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン)(住友化学(株)製)などが挙げられる。
【0257】
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル又はジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート化合物及びテトラキス[メチレン(3−ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物などが挙げられる。
【0258】
<その他の成分>
本発明の着色組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、光安定剤及び連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−スルファニルプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0259】
<カラーフィルタ>
本発明の着色組成物又は着色硬化性組成物から、カラーフィルタを形成することができる。着色パターンを形成する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられ、好ましくはフォトリソグラフ法が挙げられる。フォトリソグラフ法は、前記着色硬化性組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色硬化性組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色硬化性組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法においては、着色硬化性組成物が重合開始剤(D)を含んでいることが好ましい。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記着色硬化性組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜を本発明のカラーフィルタとすることができる。
作製するカラーフィルタの膜厚は、特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、例えば、0.1〜30μmであり、好ましくは0.1〜20μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
【0260】
基板としては、ガラス板や、樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ及び回路等が形成されていてもよい。
【0261】
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、着色硬化性組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色硬化性組成物層を得る。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法及びスリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
【0262】
次に、着色硬化性組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。露光面全体に均一に平行光線を照射することや、フォトマスクと着色硬化性組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
【0263】
露光後の着色硬化性組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、着色硬化性組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。
現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム及び水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後の基板は、水洗されることが好ましい。
さらに、得られた着色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。
【0264】
前記カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして、中でも液晶表示装置に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【実施例】
【0265】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0266】
例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部を表す。
【0267】
以下の合成例において、化合物の構造は、質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD6130型)で確認した。
【0268】
樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法により以下の条件で行った。
装置:HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム:TSK−GELG2000HXL
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
分析試料の固形分濃度:0.001〜0.01質量%
注入量:50μL
検出器:RI
校正用標準物質:TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分散度とした。
【0269】
実施例1
窒素雰囲気下で、m−アニシジン24.0部、4−ヨード−m−キシレン99.7部、炭酸カリウム117部、銅粉末27.3部、18−クラウン−6 4.64部及びo−ジクロロベンゼン511部を混合し、175℃で19時間撹拌した。その後、炭酸カリウム35.1部、銅粉末8.19部、18−クラウン−6 1.39部及びo−ジクロロベンゼン22.0部を加え、175℃で17時間撹拌した。上記混合物を室温まで放冷後、ろ過した。ろ液に酢酸エチル450部を加え、2N塩酸450部で3回、18wt%塩化ナトリウム水溶液470部で3回、洗浄した。得られた酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt2−2)で表される化合物64.1部を得た。
【0270】
【化49】
【0271】
<式(pt2−2)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 332
Exact Mass: 331
【0272】
式(pt2−2)で表される化合物31.7部及び脱水ジクロロメタン190部を、窒素雰囲気下0℃で混合した。続いて、17wt%三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液199部を加え、1時間撹拌した。その後、室温下で12時間撹拌した。この混合物を氷水1100部に加えた後、クロロホルム740部を加え、クロロホルム層を抽出した。得られたクロロホルム溶液を18wt%塩化ナトリウム水溶液470部で回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt3−2)で表される化合物30.0部を得た。
【0273】
【化50】
【0274】
<式(pt3−2)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 318
Exact Mass: 317
【0275】
式(pt3−2)で表される化合物7.46部及びN,N−ジメチルホルムアミド14.4部を、窒素雰囲気下5〜10℃で混合した。この混合物の温度を5〜10℃に保ちながら、塩化ホスホリル7.21部を加えた。その後、10℃以下で1時間、室温下で1時間、80℃で1時間撹拌した。この反応混合物を室温まで放冷後、氷水100部を加え、48%水酸化ナトリウム水溶液で中和した。この混合物に酢酸エチル180部を加え、続いてセライトを加えて撹拌した。この混合物をろ過し、酢酸エチル層を抽出した。この酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。このろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(pt4−2)で表される化合物6.26部を得た。
【0276】
【化51】
【0277】
<式(pt4−2)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 346
Exact Mass: 345
【0278】
式(pt4−2)で表される化合物10.1部、J. Org. Chem. 2002, 67, 5767に記載された方法で合成した式(pt1)で表される化合物6.36部、ピペリジン0.600部及びトルエン112部を混合し、105℃下で24時間撹拌した。この混合物を室温まで放冷後、ロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(II−2)で表される化合物0.867部を得た。
【0279】
【化52】
【0280】
【化53】
【0281】
<式(II−2)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 503
Exact Mass: 502
【0282】
式(II−2)で表される化合物20.1部及びトルエン1030部を混合し、87℃で撹拌した。この混合物にトリフルオロメタンスルホン酸メチル9.85部を加えた。この混合物を87℃で3時間撹拌した。この混合物を10℃で撹拌した。この混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、式(I−73)で表される化合物2.29部を得た。
【0283】
【化54】
【0284】
<式(I−73)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= 517[M−CF
3SO
3]
+
Exact Mass: 666
【0285】
式(I−73)で表される化合物5.00部及びメタノール1500部を混合した。この混合物にホスホタングステン酸水和物(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製)7.99部及びメタノール79.9の混合物を加えた。この混合物をろ過し、得られた残渣をメタノール500部で洗浄した。この残渣を60℃で減圧乾燥して、式(I−74)で表される化合物9.30部を得た。
【0286】
【化55】
【0287】
<式(I−74)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=517[(M−O
40PW
12)/3]
+
Exact Mass: 4430
【0288】
実施例2
実施例1において、式(pt2−2)で表される化合物を、米国特許公報 US 2007/0073086 A1に記載された方法で合成した式(pt2−3)で表される化合物に代えた以外は、実施例1と同様に実施して、式(pt3−3)で表される化合物、式(pt4−3)で表される化合物、式(II−3)で表される化合物及び式(I−23)で表される化合物を得た。
【0289】
【化56】
【0290】
【化57】
【0291】
【化58】
【0292】
<式(pt3−3)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 228
Exact Mass: 227
【0293】
<式(pt4−3)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 256
Exact Mass: 255
【0294】
<式(II−3)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]
+ 413
Exact Mass: 412
【0295】
<式(I−23)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= 427[M−CF
3SO
3]
+
Exact Mass: 592
【0296】
式(I−23)で表される化合物5.00部及びメタノール1500部を混合した。この混合物にホスホタングステン酸水和物(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製)9.24部及びメタノール92.4部の混合物を加えた。この混合物をろ過し、得られた残渣をメタノール500部で洗浄した。この残渣を60℃で減圧乾燥して、式(I−33)で表される化合物9.70部を得た。
【0297】
【化59】
【0298】
<式(I−33)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=427[(M−O
40PW
12)/3]
+
Exact Mass: 4160
【0299】
合成例1
クマリン6(東京化成工業(株)製) 14.4部及びトルエン737部を混合し、87℃で撹拌した。この混合物にトリフルオロメタンスルホン酸メチル10.1部を加えた。この混合物を87℃で3時間撹拌した。この混合物を10℃で撹拌した。この混合物をろ過し、得られた残渣をトルエン433部で6回洗浄した。この残渣を60℃で減圧乾燥して、式(X−1)で表される化合物20.8部を得た。
【0300】
【化60】
【0301】
<式(X−1)で表される化合物の同定>
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= 365[M−CF
3SO
3]
+
Exact Mass: 514
【0302】
〔耐熱性評価〕
示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製 TG/DTA6200)を用いて、実施例1、実施例2及び合成例1でそれぞれ得られた化合物の示差走査熱量測定を行った。一回の測定に用いた試料量は5mgであった。測定温度は、最初、45℃から開始し、毎分5℃の速度で昇温し、550℃まで測定した。窒素雰囲気下において重量減少率が5%となる温度T
5(窒素下)を求めた。結果を表8に示す。
【0303】
【表8】
【0304】
表8の結果から、本発明の化合物は耐熱性が高いことがわかる。
【0305】
合成例2
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート280部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、アクリル酸38部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物289部並びにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート125部の混合溶液を5時間かけて滴下した。一方、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)33部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート235部に溶解した混合溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、固形分35.0%の共重合体(樹脂B1)の溶液を得た。得られた樹脂B1の重量平均分子量(Mw)は8800であり、分散度は2.1であり、溶液酸価は28mg−KOH/gであった。
【0306】
合成例3
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、エチルラクテート257部を入れ、攪拌しながら75℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸81部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物369部並びにエチルラクテート25部の混合溶液を5時間かけて滴下した。一方、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)11部をエチルラクテート162部に溶解した混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、5時間同温度で保持した後、エチルラクテート95部を添加し、室温まで冷却して、固形分47.7%の共重合体(樹脂B2)の溶液を得た。得られた樹脂B2の重量平均分子量(Mw)は8100であり、分散度は1.9であり、溶液酸価は53mg−KOH/gであった。
【0307】
合成例4
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート371部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸54部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物225部、ビニルトルエン(異性体混合物)81部並びにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80部の混合溶液を4時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160部に溶解した溶液を5時間かけて滴下した。開始剤溶液の滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、固形分37.5%の共重合体(樹脂B3)の溶液を得た。
得られた樹脂B3の重量平均分子量(Mw)は10600であり、分散度は2.01であり、溶液酸価は43mg−KOH/gであった。
【0308】
合成例5
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、エチルラクテート54部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート141部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸35部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物23部、シクロヘキシルマレイミド161部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12部並びにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート493部の混合溶液を5時間かけて滴下した。一方2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート78部に溶解した混合溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、固形分24.4%の共重合体(樹脂B4)の溶液を得た。得られた樹脂B4の重量平均分子量(Mw)は8400であり、分散度は2.1であり、溶液酸価は26mg−KOH/gであった。
【0309】
[膜厚測定]
膜厚は、DEKTAK3;日本真空技術(株)製を用いて測定した。
【0310】
[昇華性試験用樹脂組成物(SJS)の調製]
樹脂:メタクリル酸/ベンジルメタクリレート(モル比:30/70)共重合体(田岡化学工業(株)製、重量平均分子量(Mw)10700、酸価70mgKOH/g)33.8%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液 40部;
重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製) 5.8部;
重合開始剤:N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE01;BASFジャパン社製) 0.58部;
レベリング剤:ポリエーテル変性シリコーン(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.010部;
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル 47部;
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.8部
を混合して昇華性試験用樹脂組成物(SJS)を得た。
【0311】
[昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)の形成]
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、上記で得た昇華性試験用樹脂組成物(SJS)をスピンコート法で塗布し、100℃3分間で揮発成分を揮発させた。冷却後、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cm
2の露光量(365nm基準)で光照射した。オーブン中で2
20℃2時間加熱して昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)(膜厚2.2μm)を形成した。
【0312】
実施例3
着色剤(A):式(I−73)で表される化合物 18部;
樹脂(B):樹脂B1溶液 470部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.2部;
溶剤(E):N−メチル−2−ピロリドン 510部;
並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.063部
を混合して着色組成物1を得た。
【0313】
実施例4
着色剤(A):式(I−23)で表される化合物 18部;
樹脂(B):樹脂B1溶液 470部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.2部;
溶剤(E):N−メチル−2−ピロリドン 510部;
並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.063部
を混合して着色組成物2を得た。
【0314】
実施例5
着色剤(A):式(I−74)で表される化合物 36部;
樹脂(B):樹脂B1溶液 410部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.2部;
溶剤(E):N−メチル−2−ピロリドン 540部;
並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.063部
を混合して着色組成物3を得た。
【0315】
実施例6
着色剤(A):式(I−33)で表される化合物 36部;
樹脂(B):樹脂B1溶液 410部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.2部;
溶剤(E):N−メチル−2−ピロリドン 540部;
並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.063部
を混合して着色組成物4を得た。
【0316】
実施例7
着色剤(A):式(I−74)で表される化合物: 10部;
樹脂(B):樹脂B2溶液 97部;
溶剤(E):N−メチル−2−ピロリドン 180部;
溶剤(E):4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 26部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 2.0部;並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.020部
を混合して着色組成物5を得た。
【0317】
実施例8
実施例7において、式(I−74)で表される化合物を式(I−33)で表される化合物に代えた以外は、実施例7と同様に実施して、着色組成物6を得た。
【0318】
実施例9
着色剤(A):式(I−74)で表される化合物 10部、
分散剤(BYK−LPN21324;ビックケミー・ジャパン(株)製)10部、
樹脂(B):樹脂B1溶液 11部、及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 160部
を混合し、ビーズミルを用いて式(I−74)で表される化合物を分散させた着色組成物のうち 100部;
樹脂(B):樹脂B1溶液 55部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 3.6部;並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.010部
を混合して着色組成物7を得た。
【0319】
実施例10
着色剤(A):式(I−33)で表される化合物 10部、
分散剤(BYK−LPN21324;ビックケミー・ジャパン(株)製)10部、
樹脂(B):樹脂B3溶液 11部、及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 170部
を混合し、ビーズミルを用いて式(I−33)で表される化合物を分散させた着色組成物のうち 100部;
樹脂(B):樹脂B1溶液 20部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 3.6部;並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.010部
を混合して着色組成物8を得た。
【0320】
比較例1
着色剤(A):クマリン6 11部;
樹脂(B):樹脂B2溶液 350部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.2部;
溶剤(E):N,N−ジメチルホルムアミド 630部;
並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.063部
を混合して着色組成物9を得た。
【0321】
[昇華性評価]
実施例11
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、着色組成物1を、スピンコート法で塗布した後、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。膜厚を、DEKTAK3;日本真空技術(株)製を用いて測定した。この着色塗布膜と上記で得た昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)とを、70μmの間隔を空けた状態で対向させ、220℃で40分間ポストベークを行った。昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)の加熱前後の色差(ΔEab*)を測色機(OSP−SP−200;OLYMPUS社製)を用いて測定した。色差(ΔEab*)が5.0以上であれば、着色剤が昇華性を有することを示す。結果を表9に示す。表9において、○は、着色剤が昇華性を有しないことを、×は、着色剤が昇華性を有することを示す。
【0322】
実施例12
実施例3で得た着色組成物1を着色組成物2に代える以外は、実施例11と同様にして、昇華性評価を行った。結果を表9に示す。
【0323】
実施例13
実施例3で得た着色組成物1を着色組成物3に代える以外は、実施例11と同様にして、昇華性評価を行った。結果を表9に示す。
【0324】
実施例14
実施例3で得た着色組成物1を着色組成物4に代える以外は、実施例11と同様にして、昇華性評価を行った。結果を表9に示す。
【0325】
実施例15
実施例3で得た着色組成物1を着色組成物5に代える以外は、実施例11と同様にして、昇華性評価を行った。結果を表9に示す。
【0326】
実施例16
実施例3で得た着色組成物1を着色組成物6に代える以外は、実施例11と同様にして、昇華性評価を行った。結果を表9に示す。
【0327】
実施例17
実施例3で得た着色組成物1を着色組成物7に代える以外は、実施例11と同様にして、昇華性評価を行った。結果を表9に示す。
【0328】
実施例18
実施例3で得た着色組成物1を着色組成物8に代える以外は、実施例11と同様にして、昇華性評価を行った。結果を表9に示す。
【0329】
比較例2
実施例3で得た着色組成物1を着色組成物9に代える以外は、実施例11と同様にして、昇華性評価を行った。結果を表9に示す。
【0330】
【表9】
【0331】
上記の結果から、本発明の化合物を含む着色組成物は、着色剤の昇華を低減したことがわかった。
【0332】
実施例19
着色剤(A):式(I−74)で表される化合物 100部、
分散剤(BYK−LPN21324;ビックケミー・ジャパン(株)製)130部、
樹脂(B):樹脂B4溶液 170部、及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 610部
を混合し、ビーズミルを用いて式(I−74)で表される化合物を分散させた着色組成物のうち、 380部;
着色剤(A):C.I.ピグメントイエロー138(顔料) 18部、
分散剤 7.6部、
樹脂 7.6部、及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 120部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を分散させた顔料分散液全量;
着色剤(A):下記式で表される化合物(特開2013−235257号公報に記載された方法により製造した。) 4.2部;
【0333】
【化61】
樹脂(B):樹脂B3溶液 21部;
重合性化合物(C):重合性化合物(A9550;新中村化学工業(株)製)
25部;
重合開始剤(D):下記式で表される化合物(常州強力電子新材料股分有限公司製)
6.6部;
【0334】
【化62】
溶剤(E):4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 170部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 250部;並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.075部
を混合して着色硬化性組成物1を得た。
【0335】
[着色パターンの作製]
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、着色硬化性組成物1をスピンコート法で塗布した後、100℃で3分間プリベークして着色硬化性組成物層を形成した。冷却後、着色硬化性組成物層が形成された基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を200μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、80mJ/cm
2の露光量(365nm基準)で露光した。尚、フォトマスクとしては、100μmのラインアンドスペースパターンが形成されたものを使用した。露光後の着色硬化性組成物層を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水溶液に25℃で70秒間浸漬させて現像し、水洗した。この着色塗布膜を、230℃で30分間ポストベークを行うことにより、着色パターンを得た。
【0336】
[昇華性評価]
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、着色硬化性組成物1をスピンコート法で塗布した後、100℃で3分間プリベークして着色硬化性組成物層を形成した。冷却後、着色硬化性組成物層が形成された基板を、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、80mJ/cm
2の露光量(365nm基準)で露光した。露光後の着色硬化性組成物層を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水溶液に25℃で70秒間浸漬させて現像し、水洗した。
膜厚を、DEKTAK3;日本真空技術(株)製を用いて測定した。
この着色塗布膜と上記で得た昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)とを、70μmの間隔を空けた状態で対向させ、220℃で40分間ポストベークを行った。
昇華性試験用樹脂塗布膜(SJSM)の加熱前後の色差(ΔEab*)を測色機(OSP−SP−200;OLYMPUS社製)を用いて測定した。色差(ΔEab*)が5.0以上であれば、着色剤が昇華性を有することを示す。結果を表10に示す。表10において、○は、着色剤が昇華性を有しないことを、×は、着色剤が昇華性を有することを示す。
【0337】
実施例20
着色剤(A):式(I−74)で表される化合物 100部、
分散剤(BYK−LPN21324;ビックケミー・ジャパン(株)製)130部、
樹脂(B):樹脂B4溶液 170部、及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 610部
を混合し、ビーズミルを用いて式(I−74)で表される化合物を分散させた着色組成物のうち 340部;
着色剤(A):C.I.ピグメントイエロー138(顔料) 18部、
分散剤 7.6部、
樹脂 7.6部、及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 120部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を分散させた顔料分散液全量;
着色剤(A):下記式で表される化合物(特開2013−235257号公報に記載された方法により製造した。) 7.8部;
【0338】
【化63】
樹脂(B):樹脂B3溶液 27部;
重合性化合物(C):重合性化合物(A9550;新中村化学工業(株)製)
26部;
重合開始剤(D):下記式で表される化合物(常州強力電子新材料股分有限公司製)
6.8部;
【0339】
【化64】
溶剤(E):4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 170部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 270部;並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.075部
を混合して着色硬化性組成物2を得た。
着色硬化性組成物1を着色硬化性組成物2に代えた以外は、実施例19と同様に実施して、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0340】
実施例21
着色剤(A):式(I−74)で表される化合物 100部、
分散剤(BYK−LPN21324;ビックケミー・ジャパン(株)製)130部、
樹脂(B):樹脂B4溶液 170部、及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 610部
を混合し、ビーズミルを用いて式(I−74)で表される化合物を分散させた着色組成物のうち 290部;
着色剤(A):C.I.ピグメントイエロー138(顔料) 23部、
分散剤 9.6部、
樹脂 9.6部、及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 150部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を分散させた顔料分散液全量;
着色剤(A):下記式で表される化合物(特開2013−235257号公報に記載された方法により製造した。) 5.1部;
【0341】
【化65】
樹脂(B):樹脂B3溶液 31部;
重合性化合物(C):重合性化合物(A9550;新中村化学工業(株)製)
27部;
重合開始剤(D):下記式で表される化合物(常州強力電子新材料股分有限公司製)
7.2部;
【0342】
【化66】
溶剤(E):4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 170部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 280部;並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.075部
を混合して着色硬化性組成物3を得た。
着色硬化性組成物1を着色硬化性組成物3に代えた以外は、実施例19と同様に実施して、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0343】
実施例22
着色剤(A):式(I−74)で表される化合物 100部、
分散剤(BYK−LPN21324;ビックケミー・ジャパン(株)製)130部、
樹脂(B):樹脂B4溶液 170部、及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 610部
を混合し、ビーズミルを用いて式(I−74)で表される化合物を分散させた着色組成物のうち 270部;
着色剤(A):C.I.ピグメントイエロー138(顔料) 23部、
分散剤 9.6部、
樹脂 9.6部、及び
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 150部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を分散させた顔料分散液全量;
着色剤(A):下記式で表される化合物(特開2013−235257号公報に記載された方法により製造した。) 7.4部;
【0344】
【化67】
樹脂(B):樹脂B3溶液 35部;
重合性化合物(C):重合性化合物(A9550;新中村化学工業(株)製)
27部;
重合開始剤(D):下記式で表される化合物(常州強力電子新材料股分有限公司製)
7.3部;
【0345】
【化68】
溶剤(E):4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン 170部;
溶剤(E):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 290部;並びに
界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製) 0.075部
を混合して着色硬化性組成物4を得た。
着色硬化性組成物1を着色硬化性組成物4に代えた以外は、実施例19と同様に実施して、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0346】
実施例23
式(I−74)で表される化合物を式(I−33)で表される化合物に代えた以外は、実施例19と同様に実施して、着色硬化性組成物5を得て、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0347】
実施例24
式(I−74)で表される化合物を式(I−33)で表される化合物に代えた以外は、実施例22と同様に実施して、着色硬化性組成物6を得て、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0348】
実施例25
式(I−74)で表される化合物を式(I−73)で表される化合物に代えた以外は、実施例19と同様に実施して、着色硬化性組成物7を得て、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0349】
実施例26
式(I−74)で表される化合物を式(I−73)で表される化合物に代えた以外は、実施例22と同様に実施して、着色硬化性組成物8を得て、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0350】
実施例27
式(I−74)で表される化合物を式(I−23)で表される化合物に代えた以外は、実施例19と同様に実施して、着色硬化性組成物9を得て、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0351】
実施例28
式(I−74)で表される化合物を式(I−23)で表される化合物に代えた以外は、実施例22と同様に実施して、着色硬化性組成物10を得て、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0352】
比較例3
式(I−74)で表される化合物をクマリン6に代えた以外は、実施例19と同様に実施して、着色硬化性組成物11を得て、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0353】
比較例4
式(I−74)で表される化合物をクマリン6に代えた以外は、実施例22と同様に実施して、着色硬化性組成物12を得て、着色パターンの作製と昇華性評価を行った。昇華性評価結果を表10に示す。
【0354】
【表10】
【0355】
上記の結果から、本発明の化合物を含む着色硬化性組成物は、着色剤の昇華を低減したことがわかった。