(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内層と前記中間層との間、及び/又は、前記中間層と前記外層との間には、ポリオレフィン接着性樹脂層が柔軟層として設けられている、請求項1に記載のチューブ容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1のチューブ容器は、練り歯磨きを収容することを目的としたチューブ容器であり、その最内層がエチレン−ビニルアルコール共重合体により構成されている。一般に、エチレン−ビニルアルコール共重合体は、酸素遮断性、耐油性、耐薬品性を必要とする場合に主として用いる材料であり、必ずしも非吸着性に優れているとはいえない。そのため、L−menthol以外の物質に対する非吸着性については、十分に効果を得ることができないおそれがある。
【0009】
また、上述した特許文献1及び特許文献2のチューブ容器や特許文献3の絞り出し容器は、注出する口の部分と胴の部分とが樹脂を押出し成形して一体物として構成されているため、異なる材料の部材で製造することができず、また、材料選択の自由度が低いものである。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、内容物に対する非吸着性及びガスバリア性に優れ、注出ユニットと胴部とを異なる部材でも製造することができるチューブ容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明に係るチューブ容器は、内容物を注出する注出ユニットと、前記注出ユニットに溶着され、前記内容物を収容するための胴部とから構成され、前記注出ユニットは、前記内容物が注出される注出口部と、該注出口部から径方向の外側に張り出す肩部とを備え、前記胴部は、フィルムの一方の側端縁の一面側が他方の側端縁の他面側に重ね合わされ、且つ重ね合わされた前記一方の側端縁と前記他方の側端縁とが溶着され、前記胴部の軸方向の一端は、前記肩部の外周面に溶着され、前記胴部の軸方向の他端は、内面同士が合わされて溶着されるか、又は蓋材が溶着されることによって閉られ、前記注出ユニット及び前記蓋材は、少なくとも内容物と接する面が非吸着性樹脂を含む樹脂で成形され、前記胴部を構成するフィルムが、非吸着性樹脂を含む樹脂からなる内層と、ガスバリア性物質を含むガスバリア層である中間層と、非吸着性樹脂を含む樹脂からなる外層の少なくとも3層からなることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、注出ユニット、胴部、及び蓋材が設けられる場合には蓋材が、上記のように構成されているので、両者を異なる部材で製造することができる。また、胴部を構成するフィルムの内層及び外層が上記のように、非吸着性樹脂を含む樹脂で構成され、中間層がガスバリア性物質を含むガスバリア層であるので、内容物に対する非吸着性とガスバリア性を備えたチューブ容器にすることができる。そのため、内容物を円滑に注出することができると共に、内容物の風味や効能等の低下を防止することができる。
【0013】
本発明に係るチューブ容器において、前記注出ユニットは、非吸着性樹脂を含む樹脂からなる単層であることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、注出ユニットが非吸着性樹脂を含む樹脂からなる単層で形成されているので、非吸着性を有する注出ユニットの成形を容易に行うことができる。
【0015】
本発明に係るチューブ容器において、前記注出ユニットは、非吸着性樹脂を含む樹脂からなる内層と、ガスバリア性物質を含むガスバリア層である中間層と、非吸着性樹脂を含む樹脂からなる外層の少なくとも3層からなることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、注出ユニットが非吸着性樹脂を含む樹脂からなる内層と、ガスバリア性物質を含むガスバリア層である中間層と、非吸着性樹脂を含む樹脂からなる外層の少なくとも3層から形成されているので、非吸着性及びガスバリア性を有する注出ユニットにすることができる。
【0017】
本発明に係るチューブ容器において、前記ガスバリア層は、金属箔もしくは金属蒸着フィルム又は無機蒸着フィルムからなることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、ガスバリア層が、金属箔もしくは金属蒸着フィルム又は無機蒸着フィルムからなるので、胴部においても、内容物に対する非吸着性とガスバリア性を備えたチューブ容器にすることができる。そのため、内容物の風味や効能等の低下を防止することができる。
【0019】
本発明に係るチューブ容器において、前記胴部を構成するフィルムが、ポリオレフィン、接着性樹脂、熱可塑性エラストマーからなる樹脂群から少なくとも1種を含む樹脂層を有することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、胴部を構成するフィルムにポリオレフィン、接着性樹脂、熱可塑性エラストマーからなる樹脂群から少なくとも1種を含む樹脂層を有しているので、胴部が柔軟になり、内容物を押し出すようにして注出させるスクイーズ性を向上することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、内容物のチューブ容器に対する非吸着性及びガスバリア性に優れ、注出ユニットと胴部とを異なる部材で製造することができる新たなチューブ容器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る筒型容器について図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は、その技術的特徴を有すれば種々の変形が可能であり、以下に具体的に示す実施形態に限定されるものではない。
【0024】
[第1実施形態]
〈チューブ容器の基本構成〉
本発明に係るチューブ容器1は、
図1及び
図2に示すように、内容物を注出する注出ユニット20と、この注出ユニット20に溶着された胴部10とから構成されている。
【0025】
注出ユニット20は、内容物が注出される注出口部21と、注出口部21から径方向の外側に張り出す肩部24とを備えている。一方、胴部10は、フィルム15で形成された筒体10aによって形成されている。胴部10として構成される筒体10aは、フィルム15の一方の側端縁15aの一面側15cが他方の側端縁15bの他面側15dに重ね合わされており、重ね合わされた一方の側端縁15aと他方の側端縁15bとが溶着されることにより形成されている。そして、筒体10aは、その軸方向の一端を肩部24の外周面24aに溶着し、軸方向の他端における内面同士を合わせて溶着して閉じることにより胴部10として形成されている。
【0026】
胴部10を構成するフィルム15は、多層構造となっており、内層16、中間層17及び外層18とを含んでいる。内層16と外層18とは、非吸着性樹脂を含む樹脂によりそれぞれ形成されている。この内層16と外層18との間の中間層17は、ガスバリア性物質を含むガスバリア層である。
【0027】
上記の構成によれば、内容物に対する非吸着性及びガスバリア性に優れ、注出ユニット20と胴部10とを異なる部材で製造することができるチューブ容器1を提供できるという特有の効果を奏することができる。なお、「非吸着性」とは、食品、医薬品、化粧品等の内容物に含まれている有効成分を吸着しづらい性質のことである。また、「ガスバリア性」とは、酸素や水蒸気などの気体を通しづらい性質のことである。
【0028】
以下、チューブ容器1の各構成について図面を適宜に参照して詳しく説明する。なお、本明細書において、フィルム15の「側縁」とは、フィルム15の辺の部分と辺の部分から一定の距離L1だけ内側の位置との間の領域であって、胴部10を形成する際に重ね合わされる部分のことである。また、「内面」とは、内容物に接する面のことをいう。
【0029】
(胴部)
胴部10は、多層構造のフィルム15で形成されている。この胴部10は、
図2及び
図3に示すように、背面シール部11と底面シール部12とを備えている。
【0030】
背面シール部11は、矩形状のフィルム15の両側の側縁15a,15bが重ね合わされ、重ね合わせされた側縁15a,15bが溶着された部位である。具体的に、背面シール部11は、矩形状のフィルム15の左右方向の一方側の辺から長さがL1の位置までの領域と、左右方向の他方の辺から長さがL1の位置の領域までの領域とが重ね合わされている。重ね合わせる形態は、フィルム15の一方側の側縁15aにおける一面側15cを、フィルム15の他方側の側縁15bにおける他面側15dにつき合わせる形態である。
【0031】
底面シール部12は、筒体10aの軸方向における他方側の端部、すなわち、チューブ容器1の底部において、フィルム15の辺と辺の位置から長さL2の位置までの間の領域が重ね合わされている。重ね合わせる形態は、フィルム15の内面同士をつき合わせる形態である。なお、
図2において、符号12aの部分は、筒体10aの下端から長さL2の領域は、後に底面シール部12として構成されるシール代である。
【0032】
背面シール部11及び底面シール部12は、重ね合わせた部分をヒートシールして形成される。ヒートシールとしては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等を挙げることができる。
【0033】
胴部10を構成するフィルム15は、上述したように多層構造のフィルム15である。
図4は、フィルム15の層構造の一例を示しており、フィルム15は、内層16、中間層17及び外層18からなる3層構造となっている。なお、内層と中間層の間や、中間層と外層の間に他の層を設けてもよい。
【0034】
胴部10の内面側を構成する内層16及び胴部10の外面側を構成する外層18は、非吸着性樹脂を含む樹脂によりそれぞれ形成されている。なお、「含む」とは、非吸着性を損なわない範囲で、他の樹脂や添加剤等を必要に応じて含むことができることを意味している。必要に応じて含むことができる他の樹脂としては、例えば、溶着性の向上や柔軟性の向上の目的で含有する低密度ポリエチレン(以下、「LDPE」という。)、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「L−LDPE」という。)等を挙げることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、又は着色剤等を挙げることができる。
【0035】
内層16及び外層18を構成する非吸着性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂や環状ポリオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
【0036】
ポリエステル系樹脂としては、チューブ容器1に使用できるものであれば、特に限定はなく、例えば、芳香族ジカルボン酸を主成分とする酸成分と、脂肪族ジオール(グリコール)を主成分とするジオール成分を含有する共重合体が挙げられる。この共重合体において、酸成分とジオール成分とは、エステル結合によって結合される。酸成分の原料としては、低級アルキルエステル(例えばメチルエステル)や酸ハロゲン化物等のエステル形成可能な誘導体を用いることもできる。
【0037】
酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及びトリカルボン酸等を挙げることができる。具体的に、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等を挙げることができる。また、脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸等を挙げることができる。
【0038】
ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール化合物又はそのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
【0039】
一方、内層16及び外層18を構成する環状ポリオレフィン系樹脂は、チューブ容器1に使用できるものであれば、特に限定はない。環状ポリオレフィンとしては、例えば、種々の環状オレフィンモノマーの重合体を挙げることができる。
【0040】
環状オレフィンモノマーとしては、例えば、二環シクロオレフィン、三環シクロオレフィン、四環シクロオレフィン、及び五環シクロオレフィンを挙げることができる。
【0041】
二環シクロオレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナヂック酸無水物、ナヂック酸イミド等を挙げることができる。
【0042】
三環シクロオレフィンとしては、例えば、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体等を挙げることができる。
【0043】
四環シクロオレフィンとしては、例えば、ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体等を挙げることができる。
【0044】
また、五環シクロオレフィンとしては、トリシクロペンタジエン等を、六環シクロオレフィンとしては、ヘキサシクロヘプタデセン等を挙げることができる。
【0045】
なお、環状ポリオレフィンとしては、その他に、環状オレフィンモノマーとエチレン等の他のモノマーとの共重合体及びそれらの水素添加物等を挙げることができる。
【0046】
こうした材料により構成されている内層16は、5μm以上、300μm以下の厚さであり、好ましくは、10μm以上、100μm以下の厚さにするよい。内層16の厚さをこの範囲の厚さにすることにより、チューブ容器1の内容物に対する非吸着性を高めることができる。
【0047】
一方、外層18は、5μm以上、300μm以下の厚さであり、好ましくは、10μm以上、100μm以下の厚さにとするよい。外層18をこの範囲の厚さにすることによって、チューブ容器1の外部の物質に対する非吸着性を高めることができる。
【0048】
ガスバリア層である中間層17は、酸素等のガスや水蒸気がフィルム15を透過することを防ぐ作用を有する層である。この中間層17は、例えば、金属箔、アルミニウム等の金属又は無機酸化物を蒸着したフィルム層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)又は塩化ビニリデン等のガスバリア性樹脂層等で形成されている。
【0049】
中間層17は、3μm以上、200μm以下の厚さであり、好ましくは、5μm以上、60μm以下の厚さである。
【0050】
なお、この胴部10を構成するフィルム15には、特に図面には示していないが、柔軟層をさらに設けることができる。柔軟層は、フィルム15の柔軟性を向上させる作用を有する層であり、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂層、オレフィン系エラストマー又はスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー樹脂層、若しくは、接着性を有するポリオレフィンからなる接着性樹脂層で形成されている。接着性を有するポリオレフィンとしては、例えば、三井化学製アドマー(登録商標)及び三菱化学製モディック(登録商標)を挙げることができる。
【0051】
上述した柔軟層の厚さは、10μm以上、300μm以下であり、好ましくは15μm以上、150μm以下である。
【0052】
なお、柔軟層は、例えば、内層と中間層とを接着することや、中間層と外層とを接着することなど、他の層どうしの接着剤層として設けることもできる。
【0053】
また、このチューブ容器1は、補強層を設けることができる。補強層は、フィルム15の強度特性を補完する作用を有する層であり、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂層、或いは、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(O−PET)、2軸延伸ナイロン(O−Ny)又は2軸延伸ポリプロピレン(OPP)樹脂層等で形成されている。補強層の厚さは、3μm以上、500μm以下であり、好ましくは、5μm以上、300μm以下である。
【0054】
こうしたフィルム15の製造方法は、特に限定されず、押出ラミネート法、ドライラミネート法、共押出法又はこれらを併用することで、多層構造に構成されたフィルム15を製造することができる。
【0055】
(注出ユニット)
注出ユニット20は、
図1及び
図2に示すように、注出口部21と、この注出口部21から径方向の外側に張り出す肩部24とによって構成されている。
【0056】
注出口部21は、筒状をなしており、中央にチューブ容器1の内側と外側とを連通させている空洞23が形成されている。肩部24は、円錐台状をなしており、注出口部21の下端部から径方向の外側に向かって張り出している。なお、肩部24は、円盤状に形成することもできる。
【0057】
なお、
図1及び
図2に示す注出ユニット20の例では、注出口部21に対してキャップ30が着脱可能に構成されていている。この注出ユニット20では、注出口部21の外周面に螺旋状に延びる雄ねじ22が形成され、キャップ30の内周面には図示しない雌ねじが形成さえている。この注出ユニット20では、注出口部21の雄ねじ22とキャップ30の雌ねじとを噛み合わせて、キャップ30を注出口部21に対して回すことによって、キャップ30で注出口部21を開閉させている。
【0058】
ただし、注出ユニット20は、キャップ30を設けることなく、注出ユニット20自体を蓋として機能させることができる。その場合、注出口部21自体を構成している材料で、注出口部21の上面の位置で空洞23を閉じておき、内容物を注出する際に、注出口部21の上面に穴を空けることによって、内容物を注出させる。
【0059】
注出ユニット20の肩部の幅は、この注出ユニット20が胴部10の開口した一端に挿入された状態で溶着されることができるように、肩部24の最も離れた点を結ぶ長さL3が、胴部10の開口した一端の寸法よりも100μm以上、1000μm以下小さいことが好ましい。
【0060】
この注出ユニット20の肩部24の形状は、特に限定されず、例えば、注出ユニット20を平面視したときの肩部24の形状としては、
図5(A)に示すように略円形状、
図5(B)に示すように略楕円形状に形成することができる。また、注出ユニット20の肩部24は、
図5(C)に示すように四角形や
図5(D)に示す六角形のように多角形に形成することもできる。
【0061】
注出ユニット20は、
図6(A)に示す単層構造又は
図6(B)に示すように多層構造をなしている。なお、注出ユニット20は、
図6(A)に示す単層構造及び
図6(B)に示すように多層構造のいずれの場合においても、少なくとも内容物と接する面が非吸着性樹脂を含む樹脂により成形されている。以下、注出ユニット20の各層構造について、具体的に説明する。
【0062】
注出ユニット20が
図6(A)に示すように単層構造である場合、注出ユニット20は、非吸着性樹脂を含む樹脂によって形成される。なお、注出ユニット20を構成する非吸着性樹脂の具体例は、胴部10の非吸着層を構成している非吸着性樹脂と同様である。
【0063】
また、単層構造の注出ユニットには、必要に応じて添加剤を添加することができる。添加剤として、例えば、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、有機フィラー、無機フィラー、又は着色剤等を挙げることができる。
【0064】
注出ユニット20が単層構造である場合、注出ユニット20の厚さは、50μm以上、50mm以下であり、好ましくは、300μm以上、30mm以下である。
【0065】
注出ユニット20が
図6(B)に示すように多層層構造である場合、注出ユニット20は、内層26、中間層27及び外層28を備えている。内層26及び外層28は、非吸着性樹脂を含む樹脂によって形成される。一方、中間層27は、ガスバリア層をなしており、金属箔、アルミニウム等の金属又は無機酸化物を蒸着したフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」という。)、若しくは塩化ビニリデン又はナイロンを含む樹脂により形成されている。
【0066】
なお、中間層27に金属箔、アルミニウム等の金属又は無機酸化物を蒸着したフィルム等の内層、外層とを共押し出しができない材料を使用する場合、インサート成形等の成形方法が用いられる。
【0067】
EVOHは、エチレンとビニルアルコールとの共重合体であり、公知のものである。エチレンとビニルアルコールとの比率は、エチレンが20%以上、50モル%以下で、ビニルアルコールが50モル%以上、80モル%以下の範囲内のものを用いるのが好ましい。
【0068】
中間層27としてEVOHを含む樹脂を用いた場合、中間層27の厚さは、5μm以上、200μm以下、好ましくは、10μm以上、100μm以下にするとよい。
【0069】
ナイロンは、ポリアミド樹脂であり、例えば、ナイロン6、ナイロン66等を挙げることができる。また、中間層27としては、アルミ蒸着ナイロン等の金属蒸着ナイロンによって構成することもできる。
【0070】
中間層27としてナイロンを含む樹脂を用いた場合、中間層27の厚さは、1μm以上、200μm以下、好ましくは、10μm以上、100μm以下にするとよい。
【0071】
以上の注出ユニット20は、例えば、射出成形法、押し出し成形法、圧空成形法、絞り成形法、圧縮成形法、インサート成形法で製造することができる。
【0072】
(内容物)
チューブ容器1の内容物は、特に限定されず、例えば、低分子量の有機化合物である香料や有効成分を含有する、飲食物、化粧品又は薬剤等を挙げることができる。このチューブ容器1は、非吸着性に優れているので、内容物に含まれる低分子量の有機化合物がチューブ容器1に吸着されて、内容物の風味が変化したり効能が低下したりすることを防ぐことができる。
【0073】
〈チューブ容器の製造方法〉
チューブ容器1の製造方法は、フィルム15を準備する工程と、フィルム15の両側縁同士を溶着して筒体10aを形成する工程と、注出ユニット20の成形及び筒体10aの軸方向の一端側を注出ユニット20の肩部24の周面に溶着する工程と、筒体10aの軸方向の他端側を溶着して閉じる工程と、を有している。なお、内容物は、筒体10aが注出ユニット20に溶着された半製品の段階で、筒体10aの軸方向の他端側から充填される。筒体10aの軸方向の他端側は、内容物が充填された後に溶着されて閉じられる。
【0074】
チューブ容器1の製造方法では、まず、フィルム15を準備する工程が行われる。フィルム15は、上述した製造方法によって製造される。
【0075】
次いで筒体10aを形成する工程が行われる。胴部10として構成される筒体10aは、矩形状のフィルム15によって形成される。矩形状のフィルム15は、両側縁15a,15bが重ね合わされ、円筒状の筒体10aに形成される。重ね合わせる領域は、矩形状のフィルム15の左右方向の一方側の辺から長さがL1の位置までの領域、及び左右方向の他方の辺から長さがL1の位置の領域までの領域である。その際、
図3に示すように、フィルム15の一方側の側縁15aの一面側15cとフィルム15の他方側の側縁15bの他面側15dとを対向させて重ね合わせる。
【0076】
次いで、フィルム15の重ね合わされた部分を溶着する。溶着はヒートシールによって行う。この溶着された部分が背面シール部11として構成される。なお、ヒートシールとしては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等を挙げることができる。
【0077】
次いで、注出ユニット20の成形及び筒体10aの軸方向の一端側を注出ユニット20の肩部24の周面に溶着する工程が行われる。この工程は、注出ユニット20の成形、及び注出ユニット20と筒体10aとの溶着を同時に行う工程であり、筒体10aの軸方向の一端側の内側に、注出ユニット20の肩部24の外周面24aを形成することによって、筒体10aの軸方向の一端を溶着する。
【0078】
次いで、筒体10aの軸方向の他端側から内容物を充填する。
【0079】
その後、筒体10aの軸方向の他端側を溶着して閉じる工程が行われる。筒体10aの軸方向の他端を溶着し、筒体10aの軸方向の他端側を閉じる。その際、筒体10aは、その軸方向の他端側において、内面同士が重ね合わされ、溶着される。溶着は、ヒートシールされることにより行われる。
【0080】
なお、上記のチューブ容器1の製造方法は、注出ユニット20を筒体10aに対して成形と同時に溶着する方法である。しかし、チューブ容器1の製造方法は、この製造方法には限定されず、注出ユニット20を別個に成形し、注出ユニット20の肩部24を筒体10aの軸方向の一端側の内側に挿入し、注出ユニット20の肩部24の外周面24aに筒体10aの軸方向の一端をヒートシール等によって溶着してもよい。
【0081】
[第2実施形態]
次に、
図7及び
図8を参照して第2実施形態のチューブ容器2について説明する。なお、第2実施形態のチューブ容器2は、胴部10の底部(他端側)が蓋材である底蓋40によって閉じられていること以外の構成は、第1実施形態のチューブ容器1の構成と同様である。そのため、第2実施形態のチューブ容器2に関しては、第1実施形態のチューブ容器1の構成と同様の構成は、図面に同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0082】
第2実施形態のチューブ容器は、内容物を注出する注出ユニット20と、この注出ユニット20に溶着された胴部10と、胴部10の底部を閉じる底蓋40とから構成されている。
【0083】
注出ユニット20は、注出口部21と肩部24とにより構成されている。この注出ユニット20の材質及び構成は、第1実施形態のチューブ容器1を構成する注出ユニット20の材質及び構成及と同様である。
【0084】
胴部10は、フィルム15で形成された筒体10aによって形成されている。この胴部10の材質は、第1実施形態のチューブ容器1を構成する胴部10の材質と同様である。一方、胴部10の構成は、第1実施形態のチューブ容器1を構成する胴部10とは異なっており、その軸方向の一端側には注出ユニット20が取り付けられ、他端側には底蓋40が取り付けられている。なお、胴部10と注出ユニット20との取り付けの構成は、第1実施形態のチューブ容器1と同様である。
【0085】
蓋材である底蓋40は、
図8に示すように、底面41と周面42とにより構成されている。底面41は、平坦な円盤状をなしており、胴部の底部を閉じる機能を有している。周面42は、底面の周縁に沿って設けられており、胴部10の底部に溶着させる部位である。この底蓋40の材質及び層構造は、少なくとも内容物と接する面が非吸着性樹脂を含む樹脂から成形されていれば特に限定はないが、上述した注出ユニット20と同様の材料を用い、同様の層構造に形成するとよい。
【0086】
この底蓋40は、例えば、胴部10として構成される筒体10aの底部にて周面42を筒体10aの内部に挿入し、周面42の外周面と筒体10aの内周面とを溶着することによって、取り付けられる。ただし、筒体10aを周面42の内側に挿入し、筒体10aの底部と周面42とを溶着してもよい。
【0087】
以上、本発明に係るチューブ容器1によれば、胴部10が非吸着性樹脂を含む樹脂からなる内層16及び外層18を有すると共に、注出ユニット20における少なくとも内容物に接する面が非吸着性樹脂を含む樹脂で形成されているので、内容物に対する優れた非吸着性を有することになる。なお、チューブ容器2のように底蓋40を設けた場合においても、底蓋40における少なくとも内容物に接する面が非吸着性樹脂を含む樹脂で形成されているので、内容物に対する優れた非吸着性を有することになる。
【0088】
また、胴部10にガスバリア層である中間層17を設けているので、チューブ容器1にガスバリア性を持たせることができる。さらに、注出ユニット20及び底蓋40に、ガスバリア性物質を含むガスバリア層である中間層27を設けることによって、注出ユニット20及び底蓋40にもガスバリア性を持たせることができる。