【実施例1】
【0011】
図1は本実施例に係る搬送装置の概略構成を示している。
【0012】
図1の上面図(A)、正面図(B)に示すように、搬送装置100には、ワーク201を複数枚格納できる容器200を設置する台102(以下、LPユニットとも呼ぶ)と、ワーク201の位置決めをするPAユニット103、ワーク201を搬送するワーク搬送ロボット101、ワーク搬送ロボット101を移動させる走行軸105、フィルタを用いてクリーンエアーを供給するファンフィルタユニット104(以下、FFUユニットとも呼ぶ)、装置全体を制御する制御ユニット501(以下、制御ユニットとも呼ぶ)により構成される。半導体デバイスの製造、検査、計測、観察などを行うワーク処理装置300は、搬送装置100との間でワーク201の受け渡しを行うためのロードロックユニット301(以下、ロードロックユニットとも呼ぶ)を備えている。搬送装置100は、当該ロードロックユニット301を介して、ワーク処理装置300との間でワーク201の受け渡しが可能である。また、搬送装置100は、一時的にワークを保持するバッファ位置を備える場合や、その他用途に合わせたユニットを備える場合もある。また、上述した各ユニットは単数とは限らず、多数備えている場合もある。
【0013】
ワーク搬送ロボット101は、ワーク201を保持するハンド111、121と、搬送装置100内の所定の位置まで伸縮するアーム110、120と、水平方向に回転する機構と、昇降動作する機構と、搬送装置内を左右に移動する機構を備える。
図1の実施例では、ハンド111、121とアーム110、120とを2つ装備する形態としたが、ハンドおよびアームは単数でも3つ以上装備してもよい。また、ハンドには、ワークを裏面吸着し保持する方式(裏面吸着方式)の機構や、ワークのエッジ部を保持する方式(エッジクランプ方式)の機構を駆動するためのエアーを供給する可動チューブが接続されている。エアーには、真空(真空圧)や圧空(圧縮空気)などが用いられる(以下、真空や圧空などを総称して、エアーとも呼ぶ)。
【0014】
図2は、搬送装置100のシステム関連図を示している。
【0015】
搬送装置100は、制御ユニット501と各々の部位ユニット505との間をデジタルI/O信号や通信信号、指令パルス信号で接続されており、各部位ユニット505の情報を制御ユニット501の記憶装置にデータとして保存している。また、搬送装置100とワーク処理装置300間もデジタルI/O信号や通信信号で接続されている。一連の制御方法として、ワーク処理装置300からの指令コマンドにより、制御ユニット501の制御ソフトウェアでデータ処理を行い、動作可否について判定を行う。動作不可の場合、ワーク処理装置300へエラー応答を実施する。動作可能な場合、各ユニットにデジタルI/O信号や通信信号、指令パルス信号で指令を行い、動作完了を制御ユニット501の制御ソフトウェアで監視を行い、ワーク処理装置300へ動作完了応答を実施する。一連の動作を実施することでワーク201の搬送を可能としている。
【0016】
ワーク処理装置300へのワーク201の搬送およびワーク処理装置300からのワーク201の搬出は、以下のような手順で実行される。
【0017】
まず、ワーク201をワーク処理装置300へ搬送するときは、ワーク搬送ロボット101がLPユニット102に設置された格納容器200からワーク201を取り出し、PAユニット103の所定の位置に移動させる。PAユニット103では、ワーク201の回転等を含めた位置合わせを実行する。次に、ワーク搬送ロボット101は、PAユニット103からワーク201を取り出し、ロードロックユニット301まで移動させ、ワーク201をワーク処理装置300へ受け渡す。
【0018】
ワーク処理装置300は、ワーク201を受け取った後、ワーク処理装置内部で所定のワーク処理を実行し、ワーク処理終了後、ワーク201をロードロックユニット301へ移動させる。ワーク処理装置300からワーク201を搬出する際は、ワーク搬送ロボット101が、ロードロックユニット301からワーク201を取り出し、LPユニット102側に旋回した後、格納容器200の内部の所定の場所にワーク201を格納する。
【0019】
このように、ワーク搬送ロボット101は、LPユニット102、PAユニット103、ロードロックユニット301のそれぞれに(以下、これらを総称して相手ユニットとも呼ぶ)、ワーク201を搬送する。ワーク搬送ロボット101は、走行軸105に沿って移動する。
【0020】
図3は、ワーク裏面を吸着し保持する方式(裏面吸着方式)の機構におけるハンドが各ユニットへワークを渡す動作の説明図、
図4は、ハンドが各ユニットからワークを取り出す動作の説明図を示している。
【0021】
ワーク搬送ロボット101は、真空を供給するための接続機構403aと圧空を供給するための接続機構403bの二つの接続機構を有している。接続機構403a、電磁弁602内のシリンダ605、圧力センサ600及びハンド111(121)の吸着口611は、真空チューブ601を介して各々接続されている。制御ユニット501は、圧力センサ600によって真空チューブ601内の圧力値をモニタリングすることで、ハンド111(121)がワーク201を保持しているか否かを判別することができる。例えば、真空チューブ601内の圧力値が所定の閾値以下の場合、ワーク201はハンド111(121)に保持されていると判別し、逆に所定の閾値を超える場合は、ワーク201はハンド111(121)に保持されていないと判別する。また、接続機構403b、電磁弁606及び電磁弁602内のシリンダ605は、圧空チューブ603を介して各々接続されている。制御ユニット501から電磁弁602へ接続している切替信号604を切り替えることによって、電磁弁602内のシリンダ605は下位置(
図3(C))、上位置(
図3(D))及び中間位置(
図3(E))の三つのポジションに切替えが可能である。また、後述するように、接続機構403a又は403bは、基台107に設置された接続機構410と接続することが可能であり、真空チューブ601内の圧力を操作することによってワーク201はハンド111(121)に保持したり、圧空チューブ603内の圧力を操作することによって電磁弁602内のシリンダ605のポジションの切替えが可能である。
【0022】
ワーク201の受け渡し動作は、以下のような動作により実現する。
【0023】
ワーク搬送ロボット101が相手ユニットにワーク201を渡す場合、相手ユニット側のワーク201の載置面130よりも上側にハンド111を伸ばして侵入し(
図3(A))、圧力センサ600の圧力値をモニタリングしてワーク201がハンド111(121)に保持されていることを制御ユニット501で判別した後(
図3(E))、切替信号604を切替えることで、電磁弁602内のシリンダ605を下位置(
図3(C))に切り替える。
図3(C)では、真空チューブ601が大気開放口621に接続されることで、真空チューブ内の圧力が大気圧まで開放されるため、ワーク201がハンド111(121)から脱離される。この状態でハンドハンド111(121)を下降させることで、ワーク201が相手ユニット側の載置面130に載置される。その後、搬送装置100は、ハンド111(121)を縮めて、ワーク搬送ロボット101を次の相手ユニット位置へと移動する。
【0024】
また、ワーク搬送ロボット101が相手ユニット側の載置面130からワーク201取り出す場合、相手ユニットが保持するワーク201の載置面130よりも下側にハンド111(121)を伸ばして侵入し(
図4(A))、圧力センサ600の圧力値をモニタリングしてワーク201がハンド111(121)に保持されていないことを制御ユニット501で判別した後、切替信号604を切替えることで、電磁弁602内のシリンダ605を上位置(
図3(D))に切り替える。
図3(D)では、真空チューブ601が接続機構403aに接続される。この状態で、ハンド111(121)を上昇させ、相手ユニット側の載置面130上のワーク201と、ハンド111(121)の吸着口を接触させる。後述するように、接続機構403aは、基台107に設置された接続機構410と接続され、真空チューブ内の圧力を操作することにより、ワーク201はハンド111(121)に吸着され、保持される。圧力センサ600の圧力値をモニタリングしてワーク201がハンド111(121)に保持されていることを制御ユニット501で判別した後、ハンド111(121)をさらに上昇させる(
図3(B))。ワーク搬送ロボット101と相手ユニットとの間のワーク201の受け渡しに伴い、ハンド111(121)がワーク201を保持したまま上昇または下降動作している最中は、ワーク201がハンド111(121)から脱離しないようにするため、基台107に設置された接続機構410から真空チューブ601内へエアーを供給し続けるように制御ユニット501から制御する。ハンド111(121)をさらに上昇させた後(
図3(B))、切替信号604を切替えることで、電磁弁602内のシリンダ605を中間位置(
図3(E))に切り替える。ハンド111(121)の吸着口611と接続機構403aとの間の真空チューブ601内が真空に保たれている状態で、電磁弁602内のシリンダ605を中間位置に切り替えることで、吸着口611とシリンダ605との間の真空チューブ601内の真空圧が保たれる。また、電磁弁602内のシリンダ605と接続機構403bとの間の圧空チューブ601内の圧力が、大気圧よりも高い圧力に保たれている状態で、電磁弁606に接続された切替信号607によって圧空チューブ603を電磁弁606で閉じることで、シリンダ605と電磁弁606との間の圧空チューブ603内が大気圧よりも高い圧力の状態で保たれ、シリンダ605のポジションが保持される。係る構成により、ワーク搬送ロボット101側の接続機構403a、403bが基台107に設置された接続機構410と切り離された状態であっても、ワーク201をハンド111(121)に保持し続けることが可能となる。その後、搬送装置100は、ハンド111(121)を縮めて、ワーク搬送ロボット101を次の相手ユニット位置へと移動する。
【0025】
図3、
図4の実施例では、相手ユニット側の載置面130がハンド111(121)の内側に位置するような構成(裏面吸着方式)を示したが、相手ユニット側の載置面130がハンド111(121)の外側に位置するような構成(エッジクランプ方式)でワーク201を保持する場合の実施例を
図9に示す。ハンド111(121)の根元にはシリンダ608が搭載され、シリンダ608の往復動作に応じて可動爪609が直線運動するように構成されている。当該可動爪609と固定爪622、623により、ワーク201を三点支持で保持することが可能である。接続機構403a、電磁弁602内のシリンダ605、圧力センサ600及びシリンダ608は、真空チューブ601を介して各々接続されている。その他の構成は、
図3の構成と同様である。係る構成においても、
図3、
図4の実施例で上述した同様の動作により、ワーク201の受け渡しが可能である。
【0026】
図5は、ワーク搬送ロボット101が相手ユニットとワークを受け渡しする際のエアー供給方法についての実施例を示す図である。
基台107には、ワーク搬送ロボット101が各LPユニット102a、102b、102cとワーク201を受け渡しする際に停止する位置141a、141b、141cにそれぞれ対応したエアー供給用の接続機構400a、400b、400cが設置されている。また、ワーク搬送ロボット101にも、エアーを受け取るための接続機構403を設置されている。エアー供給用の接続機構400a、400b、400cの上流側には、エアー供給用チューブ402a、402b、402cを介して、電磁弁401a、401b、401cが設けられている。また、
図3の実施例で上述した通り、エアー供給用の接続機構400a、400b、400c及び接続機構403には、真空を供給するための系(チューブ)と圧空を供給するための系(チューブ)の二つの系(チューブ)が含まれているが、これに限られず、どちらか一つの系(チューブ)であっても良いし、三つ以上の系(チューブ)であっても良い。なお、
図5では、ワーク搬送ロボット101が各LPユニット102a、102b、102cとワーク201を受け渡しする際に必要となる接続機構400a、400b、400cを図示しているが、同様に、基台107には、PAユニット103およびロードロックユニット301とワーク201を受け渡しする際に停止する位置にそれぞれ対応したエアー供給用の接続機構が設置され、当該接続機構の上流側には、エアー供給用チューブを介して、電磁弁が設けられている(図示なし)。
【0027】
基台107の各接続機構400a、400b、400cは、ワーク搬送ロボット101の移動に伴う機械的な干渉を避けるため、ワーク搬送ロボット101の走行軸に沿って基台107上に配置され、可動機構(図示なし)によって410a、410b、410cの方向に可動可能なように構成されている。各接続機構400a、400b、400cをワーク搬送ロボット101の走行軸に沿って基台107上に配置することで物理的なスペースが確保できるため、可動機構の設定も容易である。可動機構はモーター駆動であっても
、エアー駆動であっても良い。本実施例では、基台107側の各接続機構400a、400b、400cを可動させ、搬送ロボット101側の接続機構403と接続する構成としたが、可動機構の数を減らすために、接続機構403を可動させる構成であっても良い。
【0028】
ワーク搬送ロボット101が各LPユニット102a、102b、102cとワーク201を受け渡しするために各停止位置141a、141b、141cに停止した後、基台107上の各接続機構400a、400b、400cを可動させて、ワーク搬送ロボット101の接続機構403との接続を行うように構成される。また、同様に、ワーク搬送ロボット101がPAユニット103およびロードロックユニット301とワーク201を受け渡しするために各々の停止位置に停止した後、基台107上に各々設置された接続機構を可動させて、ワーク搬送ロボット101の接続機構403との接続を行うように構成される。接続後、電磁弁401を制御して、エアーの供給を行う。その後、
図3、
図4の実施例で上述した動作に従って、接続機構403の接続を解除することで、ワーク搬送ロボット101の移動が可能となる。
【0029】
図6に、本実施例における接続機構の接続端部形状の具体例について示す。
図6(A)、(B)、(C)に示した接続端部形状とすることで、相手ユニットとワーク201を受け渡しするためにワーク搬送ロボット101が停止する停止位置が、所定の設計値から若干ずれた場合であっても、あるいは所定の設計値から停止位置を若干調整したりした場合であっても、接続機構同士が密閉されるように保持されるため、安定したエアー供給が可能となる。
図6(A)は、接続端部形状500、503を所定の肉厚を持つ管形状とし、菅の肉厚を停止位置のずれ幅あるいは調整幅以上の寸法とすることで、接続端部形状500と接続端部形状503の中心が若干ずれて接続された場合であっても、エアー供給経路を確保することができるため、エアー漏れが発生することはない。また、
図6(B)では、接続端部形状513を長円穴の管形状とし、接続端部形状510に当該長円穴よりも大きい塞ぎ板に開口を有する形状を用いる。このような形状とすることで、接続端部形状513と接続端部形状510の中心が若干ずれて接続された場合であっても、同様に、エアー漏れが発生することはない。また、
図6(C)では、接続端部形状523を漏斗形状とし、接続端部形状520は先端部に開口を有する球形状をフレキシブルに可動可能な構造を用いる場合の例である。このような形状および構造とすることで、接続端部形状520と接続端部形状523の中心が若干ずれて接続された場合であっても、同様に、エアー漏れが発生することはない。また、本実施例における接続端部形状については、
図6(A)、(B)、(C)に示した形状に限られず、接続機構同士が所定の設計値から若干ずれたとしてもエアー漏れが発生しない接続端部形状であれば良い。従来の搬送装置においては、ワーク搬送ロボットが相手ユニットの前まで移動してワークを受け渡しする際は、ワークをハンドに保持しておくために、保持機構を駆動するためのエアーを常時供給しておく必要があった。
【0030】
本実施例では、上述した通り、ワーク搬送ロボット101が相手ユニットとワークを受け渡しする際に停止する位置に対応して、ワーク搬送ロボット101の接続機構403と接続するための別々の接続機構を基台107側に設置し、ワーク搬送ロボット101の停止位置に対応した接続機構を移動させてワーク201の保持機構を駆動させる構成により、ワーク201をハンド111(121)に保持するための機構を駆動するために常時エアーを供給する必要はなく、ワーク搬送ロボット101が相手ユニットに対応する停止位置に停止した後、ワーク201を受け渡ししている間のみ、各々の接続機構を介してエアーを供給すればよく、エアーの削減を図れるという効果がある。また、係る構成とすることで、従来の搬送装置において必要であった可動チューブを装置構成から無くすことができるため、長期間の屈曲動作による可動チューブからのエアー漏れや、可動チューブを収納ケーブルガイドからの発塵といった課題を解決できるという効果がある。
【実施例2】
【0031】
実施例1ではワーク搬送ロボット101が相手ユニットとワークを受け渡しする際のエアー供給方法について説明したが、
図7の別の実施例を用いて、ワーク搬送ロボット101の接続機構403と基台107上に設置した接続機構400dとの接続回数を低減し、ワーク処理のスループットを向上させた搬送装置100についての形態を示す。
【0032】
ワーク搬送ロボット101に独立したエアータンク404を設け、エアータンク404内のエアーにより、ワーク201をハンド111(121)に保持しておくための機構を駆動するためにエアーを供給し、ワーク201をハンド111(121)保持する。ワーク搬送ロボット101に設けられたエアータンク404は、ワーク搬送ロボット101の左右移動と共に併せて移動するため、エアータンク404はなるべく少容量で軽量のものが望ましい。
【0033】
ハンドが各ユニットへワークを渡す場合は、ワーク201とハンド111(121)とが接触を開始したタイミングで、エアータンク404からエアー供給を開始するように制御する。ワーク搬送ロボット101が上昇下降するタイミングでエアー供給を開始してしまうと、少容量のエアータンク404内のエアーが無くなってしまうおそれがあるからである。また、ハンドが各ユニットからワーク201を受け取る場合は、ワーク201と相手ユニット側の載置面130とが接触を開始したタイミングで、エアータンク404からのエアー供給を停止するように制御とする。これらのタイミングでエアー供給を停止することで、エアータンク404内のエアーの使用量を最小限に留めることができる。
【0034】
また、ワーク搬送ロボット101には、エアータンク404内の圧力を測定する圧力センサ405が設けられており、制御ユニット501は、圧力センサ405の出力値を監視することで、エアータンク404内の圧力値およびワーク201の受け渡し回数が制御ユニット501内部の記憶装置に記憶する。制御ユニット501は、当該記憶装置内に記憶しておいた所定の閾値とエアータンク404内の圧力値又はワーク201の受け渡し回数との比較を行い、当該比較結果に基づいて、ワーク搬送ロボット101が停止位置141cに停止した後、基台107側の接続機構400dを可動させて、搬送ロボット101側の接続機構403と接続してエアータンク404内へエアー供給するために最適なタイミングを判断する。例えば、エアータンク404内の圧力値又はワーク201の受け渡し回数が所定の閾値に達したときは、次にワーク搬送ロボット101が停止位置141cに停止したタイミングで、接続機構400dと接続機構403とを接続してエアータンク404内へエアー供給を行う。なお、
図7では基台107側の接続機構400dが一つの場合における実施例を示したが、
図5に示すように、ワーク搬送ロボット101が相手ユニットとワークを受け渡しする際に停止する位置に対応して、ワーク搬送ロボット101の接続機構403と接続するための別々の接続機構を基台107側に設置し、ワーク搬送ロボット101の停止位置に対応した接続機構を移動させてエアータンク404内へエアー供給を行う構成であっても良い。この場合、例えば、エアータンク404内の圧力値又はワーク201の受け渡し回数が所定の閾値に達したときは、次にワーク搬送ロボット101が搬送装置内の所定の停止位置に停止したタイミングで、エアータンク404内へエアー供給を行うように制御する。
【0035】
上記構成により、一旦、基台107側の接続機構400dを可動させて、搬送ロボット101側の接続機構403と接続してエアータンク404内へエアー供給すれば、その後、接続機構400dと接続機構403とを切り離した状態においても、エアータンク404からのエアー供給によって複数回のワーク201をハンド111(121)に保持するための機構(裏面吸着方式やエッジクランプ方式の機構)の駆動が可能となる。そのため、実施例1では必要とされていたワーク搬送ロボット101の停止位置141a、141b、141c毎に基台107上の各接続機構400a、400b、400cを可動させて、ワーク搬送ロボット101の接続機構403との接続を行ってエアー供給するプロセスが必要なくなる。即ち、
図7の構成では、ワーク搬送ロボット101が停止位置141cに停止したタイミングでのみ、 基台107側の接続機構400dを可動させ、搬送ロボット101側の接続機構403と接続してエアー供給すれば良いため、接続回数、接続までの時間およびエアー供給時間を短縮でき、搬送装置のワーク処理のスループットを向上できる。さらに、独立したエアータンク404の設置により、接続機構400dの駆動回数も低減されるため、メンテナンス期間を延ばすことが可能となり、搬送装置100の停止する期間も短縮できる。
【0036】
また、エアータンク404内の圧力を測定する圧力センサ405をワーク搬送ロボット101側に設け、制御ユニット501で圧力センサ405の出力値を監視することで、ワーク201の受け渡し可能回数を把握することができ、事前にエアータンク404にエアーを供給することが可能となり、高信頼性が図れる。