特許第6976420号(P6976420)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6976420放熱素材のディスペンシング装置の決定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976420
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】放熱素材のディスペンシング装置の決定方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 15/02 20060101AFI20211125BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20211125BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20211125BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20211125BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20211125BHJP
   B01F 3/08 20060101ALI20211125BHJP
   B01F 5/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   B01F15/02 A
   H01M10/613
   H01M10/647
   H01M10/6556
   H01M10/6568
   B01F3/08 Z
   B01F5/00 F
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-511247(P2020-511247)
(86)(22)【出願日】2018年8月22日
(65)【公表番号】特表2020-531265(P2020-531265A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(86)【国際出願番号】KR2018009638
(87)【国際公開番号】WO2019039852
(87)【国際公開日】20190228
【審査請求日】2020年2月21日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0105934
(32)【優先日】2017年8月22日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0097734
(32)【優先日】2018年8月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ユン・ギョン・チョ
(72)【発明者】
【氏名】セ・ウ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・グ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ウン・スク・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・スク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・スク・パク
(72)【発明者】
【氏名】サン・ミン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ジョ・ヤン
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−163989(JP,A)
【文献】 特開平06−228449(JP,A)
【文献】 特開2010−155942(JP,A)
【文献】 特開2011−050862(JP,A)
【文献】 特開2010−070583(JP,A)
【文献】 特開2015−131909(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0107921(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101869812(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 15/02
H01M 10/613
H01M 10/647
H01M 10/6556
H01M 10/6568
B01F 3/08
B01F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱素材のディスペンシング装置の決定方法であって、
前記ディスペンシング装置から流出した放熱素材でディスペンシング装置の内部材質の鉄を検出する段階と、
前記の検出量に基づいてディスペンシング装置の適合性を決定する段階を含み、
前記放熱素材は、ウレタン系の樹脂成分および熱伝導性フィラーを含み、
鉄が30mg/kg以下に検出される場合は、ディスペンシング装置が適合したものと決定される、放熱素材のディスペンシング装置の決定方法。
【請求項2】
鉄が10mg/kg以下に検出される場合は、ディスペンシング装置が適合したものと決定される、請求項に記載の放熱素材のディスペンシング装置の決定方法。
【請求項3】
前記放熱素材は、モース硬度8以上のフィラーを含む、請求項1又は2に記載の放熱素材のディスペンシング装置の決定方法。
【請求項4】
前記モース硬度8以上のフィラーが、フィラー全体の80wt%以上である、請求項に記載の放熱素材のディスペンシング装置の決定方法。
【請求項5】
フィラー重量が、放熱素材のペースト全体の重量の70wt%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の放熱素材のディスペンシング装置の決定方法。
【請求項6】
前記ディスペンシング装置は、第1供給カートリッジ部および第2供給カートリッジ部を備えたディスペンシング部と、第1供給カートリッジ部および第2供給カートリッジ部とそれぞれ個別に接続された1つ以上のスタティックミキサーを含み、
前記放熱素材は、スタティックミキサーを介して外部に流出する、請求項1〜のいずれか一項に記載の放熱素材のディスペンシング装置の決定方法。
【請求項7】
前記第1供給カートリッジ部は、主剤樹脂および熱伝導性フィラーをスタティックミキサーに供給するように設けられ、
前記第2供給カートリッジ部は、硬化剤および熱伝導性フィラーをスタティックミキサーに供給するように設けられた、請求項に記載の放熱素材のディスペンシング装置の決定方法。
【請求項8】
前記第1供給カートリッジ部および前記第2供給カートリッジ部が、それぞれギアポンプタイプまたはプランジャータイプで構成された、請求項又はに記載の放熱素材のディスペンシング装置の決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱素材のディスペンシング装置の決定方法に関する。
【0002】
本出願は、2017年8月22日付韓国特許出願第10−2017−0105934号および2018年8月22日付韓国特許出願第10−2018−0097734号に基づく優先権の利益を主張し、当該の韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
バッテリー、テレビ、ビデオ、コンピューター、医療機構、事務機械または通信装置などは、動作時に熱を発生させ、その熱による温度の上昇は、動作不良や破壊などを誘発するため、前記温度上昇を抑制するための熱発散方法やこれに使用される熱発散部材などが提案される。
【0004】
例えば、冷却水などの冷却媒体に熱を伝達させるか、またはアルミニウムや銅のように熱伝導率が高い金属板などを用いたヒートシンクへの熱伝導を通じて温度上昇を抑制する方式が知られている。
【0005】
熱源からの熱を冷却媒体やヒートシンクへ効率的に伝達するためには、熱源と冷却媒体またはヒートシンクをなるべく密着させるか、または熱的で連結させることが有利であり、このために放熱素材が使用され得る。
【0006】
一方、バッテリーモジュールの高出力化で高放熱の性能が要求され、放熱フィラーの充填量を増やし、充填時に薄い厚さで熱抵抗を減らすと同時に、非定型の部位に塗布できるディスペンシング装置が要求される。
【0007】
また、ディスペンシング装置の選択のとき、摩耗による寿命と耐久性の問題を予測して決定することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、摩耗による寿命と耐久性を予測できる放熱素材のディスペンシング装置の決定方法を提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した課題を解決するために、本発明の一側面によると、放熱素材のディスペンシング装置の決定方法であって、ディスペンシング装置から流出した放熱素材でディスペンシング装置の内部材質を検出する段階と、内部材質の検出量に基づいてディスペンシング装置の適合性を決定する段階を含む放熱素材のディスペンシング装置の決定方法が提供される。
【0010】
また、適合性を決定する段階において、内部材質が所定量の以下に検出される場合は、ディスペンシング装置が適合したものと決定され得る。
【0011】
また、内部材質は、鉄(Fe)を含み得る。
【0012】
また、適合性を決定する段階において、鉄が30mg/kg以下に検出される場合は、ディスペンシング装置が適合したものと決定され得る。
【0013】
また、適合性を決定する段階において、好ましくは、鉄が10mg/kg以下に検出される場合は、ディスペンシング装置が適合したものと決定され得る。
【0014】
また、放熱素材は、ウレタン系の樹脂成分および熱伝導性フィラーを含み得る。
【0015】
また、放熱素材は、モース硬度8以上のフィラーを含み得る。
【0016】
また、放熱素材は、モース硬度8以上のフィラーがフィラー全体の80wt%以上であり得る。
【0017】
また、放熱素材は、フィラー重量がペースト全体の重量の70wt%以上であり得る。
【0018】
また、ディスペンシング装置は、第1および第2供給カートリッジ部を備えたディスペンシング部と、第1および第2供給カートリッジ部とそれぞれ個別に接続された1つ以上のスタティックミキサーを含み得る。このとき、放熱素材は、スタティックミキサーを介して外部に流出する。本発明は、スタティックミキサーを介して外部に流出した放熱素材からディスペンシング装置の内部材質を検出することと係る。
【0019】
また、第1供給カートリッジ部は、主剤樹脂および熱伝導性フィラーをスタティックミキサーに供給するように設けられ、第2供給カートリッジ部は、硬化剤および熱伝導性フィラーをスタティックミキサーに供給するように設けられ得る。
【0020】
また、第1および第2供給カートリッジ部は、それぞれギアポンプタイプまたはプランジャータイプで構成され得る。
【発明の効果】
【0021】
以上で説明したように、本発明の一実施例と係る放熱素材のディスペンシング装置の決定方法によると、ディスペンシング装置から流出した放熱素材でディスペンシング装置の内部材質を検出することにより、ディスペンシング装置の適合性を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例と係る放熱素材のディスペンシング装置の決定方法に使用されるディスペンシング装置を示す概略図である。
図2】ディスペンシング装置のまた他の実施例を示す概略図である。
図3】第1外部機器に放熱素材を注入する実施例を示す概略図である。
図4】第1外部機器に放熱素材を注入する実施例を示す概略図である。
図5図1に示されたスタティックミキサーの概略図である。
図6】バッテリーモジュールを構成するモジュールケースの概略図である。
図7】バッテリーモジュールを示す概略図である。
図8】モジュールケースの注入ホールを説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施例による放熱素材のディスペンシング装置の決定方法を添付された図面を参照して具体的に説明する。
【0024】
また、図面符号にかかわらず同一または対応する構成要素は、同一または類似の参照番号を付与し、これについての重複説明は省略することとし、説明の便宜のために示された各構成部材の大きさおよび形状は、誇張又は縮小され得る。
【0025】
図1は、本発明の一実施例と係る放熱素材のディスペンシング装置の決定方法に使用されるディスペンシング装置10を示す概略図であり、図2は、ディスペンシング装置10’の他の実施例を示す概略図であり、図3および図4は,第1外部機器200に放熱素材を注入する実施例を示す概略図である。
【0026】
また、図5は、図1に示されたスタティックミキサー100の概略図である。
【0027】
本発明と係る放熱素材のディスペンシング装置10、10’は、常温硬化用フィラーを含む放熱素材を外部機器に注入するための装置である。
【0028】
図1を参照すると、放熱素材は、ディスペンシング装置10を介して外部機器200、300に注入されることができる。前記ディスペンシング装置10は、ディスペンシング部20およびディスペンシング部20と連結された1つ以上のスタティックミキサー100を含む。前記外部機器は、バッテリーモジュールであり得る。
【0029】
本文書において、第1外部機器は、第1バッテリーモジュールを指称し、第2外部機器は、第2バッテリーモジュールを指称する。第1および第2バッテリーモジュールは、順に行われる工程単位を説明するために区分して指称する用語であるだけで、同じ構造を有する。
【0030】
ディスペンシング装置10、10’における放熱素材の混合および注入は、スタティックミキサー100を介して行われる。また、放熱素材の混合は、それぞれのスタティックミキサー100で行われ、1つのバッテリーモジュールについての放熱素材の注入は、複数のスタティックミキサー100を介して行われる。
【0031】
図6は、バッテリーモジュールを構成するモジュールケース210の概略図であり、図7は、バッテリーモジュール200を示す概略図であり、図8は、モジュールケースの注入ホール230を説明するための概略図である。
【0032】
バッテリーモジュール200は、モジュールケース210およびモジュールケース210内に配置された複数のバッテリーセル220を含む。前記バッテリーセル220は、ポーチタイプの2次電池であり得る。前記バッテリーセル200は、通常的に電極組立体、電解質およびポーチ外装材を含み得る。前記放熱素材は、モジュールケース内、バッテリーセルの間の空間に注入され、バッテリーセル220から発生する熱を放熱させる機能を行う。
【0033】
モジュールケース210は、例えば、直方体の形状を有し得、底面211、側面212および上部面213を有し得る。このとき、上部面213には、1つ以上の注入ホール230が形成され得る。このとき、1つの注入ホール230に1つのスタティックミキサー100が接続され、スタティックミキサー100から流出する放熱素材が注入ホール230を介してバッテリーモジュール200内に注入されることができる。
【0034】
また、放熱素材の注入段階は、複数のバッテリーモジュールについて順次行われる。例えば、図1を参照すると、第1バッテリーモジュール200に放熱素材の注入が完了された後に、第2バッテリーモジュール300に放熱素材の注入が行われる。第1および第2バッテリーモジュール200、300は、移送部(例えば、ベルトコンベヤー)によって移送され、順にディスペンシング装置100を通過し、放熱素材が注入されることができる。
【0035】
放熱素材の注入は、図3を参照すると、1つのスタティックミキサーを介して1つのバッテリーモジュール(例えば、第1バッテリーモジュール、200)に放熱素材が注入されることもでき、図4を参照すると、複数のスタティックミキサー100を介して1つのバッテリーモジュール(例えば、第1バッテリーモジュール、200)に放熱素材が注入されることができる。
【0036】
本発明と係る放熱素材の混合および注入のためのディスペンシング装置100は、ディスペンシング部20およびディスペンシング部20と連結された1つ以上のスタティックミキサー100を含む。前記スタティックミキサー100は、入れ替え可能に設けられ得る。
【0037】
また、スタティックミキサーを介して混合され、バッテリーモジュールに注入される放熱素材は、熱伝導性樹脂組成物に関するものである。前記樹脂組成物は、樹脂成分と熱伝導性フィラーを含み得る。
【0038】
前記ディスペンシング部20は、第1供給カートリッジ部21および第2供給カートリッジ部22を含む。このとき、第1供給カートリッジ部21および第2供給カートリッジ部22は、個別にスタティックミキサー100と連結される。また、第1供給カートリッジ部21は、前記樹脂組成物を形成するための主剤樹脂および熱伝導性フィラーをスタティックミキサー100に供給し、第2供給カートリッジ部22は、硬化剤および熱伝導性フィラーをスタティックミキサー100に供給する。
【0039】
図5を参照すると、スタティックミキサー100は、流入部101および流出部102を有する。前述したように、流入部101は、第1供給カートリッジ部21および第2供給カートリッジ部22と個別に接続するように設けられ、流出部102は、バッテリーモジュール200のモジュールケース210に設けられた注入ホール230に接続するように設けられる。
【0040】
スタティックミキサー100は、混合および移送のためのスクリュー部120を含む。前記スクリュー部120は、複数のエレメント(Element)121で構成され、1つのエレメント121が1つの段(B)を形成し、エレメント121の数は、段数と指称し得る。
【0041】
このとき、スタティックミキサー100のエレメント121の数は、5ないし25個であり得る。エレメント121の数が不足する場合は、ミキシング効率が低下して硬化速度、接着力、絶縁性などに影響を与えるか、または信頼性に問題が発生する余地がある。これとは異なり、エレメント121の数が過度に多い場合は、同じミキサーの容量を維持するために、直径が小さく、長さが長いミキサーを使用するため工程速度が低下することになる。
【0042】
一実施様態であって、スタティックミキサー100は、スクリュー部120が配置されるミキサーの内径(D)が約9mmであり、スクリュー部120の幅が5mmであり、流出部102の直径(A)が3mmであり、ミキサーの長さ(L)が225mmであり、段数が24個であり得る。
【0043】
第1および第2供給カートリッジ部21、22は、それぞれスタティックミキサーに主剤樹脂および硬化剤を供給するために、容積用ポンプを含み得る。容積用ポンプは、往復部または回転部に空間を置き、この空間内に流体(例えば、主剤樹脂/硬化剤)を入れながら順に出す形式のポンプであって、往復ポンプと回転ポンプに区分される。第1および第2供給カートリッジ部21、22は、それぞれ往復ポンプまたは回転ポンプを含み得る。
【0044】
容積用ポンプの特徴は、運転中の吐出量の変動があるが、高圧が発生され、効率が良好である。また、圧力が変わっても吐出量は変わらない。
【0045】
往復ポンプは、ピストン(Piston)またはプランジャー(Plunger)がシリンダー内を往復運動することにより、流体を吸入して所要の圧力で圧縮し、吐出するポンプである。ポンプの形式には、様々なものがある。吐出バルブをピストンに装置した手動式ポンプ、棒状のプランジャーが往復するたびに吸入と吐出をする単動のプランジャーポンプ、プランジャーの1往復ごとに吸入と吐出が行われる複動のプランジャーポンプがあり、それ以外には、流量を多くし、吐出量の変化を少なくするために、単動を2つ以上並列に連結したポンプもある。
【0046】
また、往復ポンプは、揚水量が少ないが構造が簡単であり、高揚程(高圧用)に適当である。しかし、往復運動で生じる送水圧の変動が激しいため、吐出量の変化があり、水量調節が難しい。
【0047】
また、回転ポンプは、1ないし3つの回転子(Rotor)の回転によって液体を圧送するポンプとして、構造が簡単で取り扱いが容易である。ポンプの特徴は、揚水量の変動が少なく、高圧を得るのが比較的簡単であり、油などの粘度が高い液体輸送に適する。回転子の形状や構造に応じて多くの種類があるが、代表的なもので、ベーンポンプ(Vane Pump)、歯車ポンプ(Gear Pump)、ねじポンプ(Screw Pump)などがある。
【0048】
本発明は、放熱素材のディスペンシング装置の決定方法と係る。
【0049】
放熱素材のディスペンシング装置の決定方法は、ディスペンシング装置から流出した放熱素材からディスペンシング装置の内部材質を検出する段階と、内部材質の検出量に基づいてディスペンシング装置の適合性を決定する段階を含む。ディスペンシング装置から流出した放熱素材とは、スタティックミキサーから流出した放熱素材を意味する。
【0050】
また、内部材質を検出する方法としてICP分析法が使用され得る。例えば、使用機器は、ICP−OES(Optima 8300DV)であり得、スタティックミキサーから流出した放熱素材0.2gを窒酸/過酸化水素で処理した後に、0.45μmのPTFE Syringeを用いてフィルタリングしてICP−OESで分析できる。
【0051】
前記分析結果を基づいて、適合性を決定する段階において、内部材質が所定量の以下に検出される場合は、ディスペンシング装置が適合したものと決定され得る。
【0052】
また、内部材質は、鉄(Fe)を含み得る。
【0053】
また、適合性を決定する段階において、鉄が30mg/kg以下に検出される場合は、ディスペンシング装置が適合したものと決定され得る。
【0054】
また、適合性を決定する段階において、好ましくは、鉄が10mg/kg以下に検出される場合は、ディスペンシング装置が適合したものと決定され得る。
【0055】
また、放熱素材は、ウレタン系の樹脂成分および熱伝導性フィラーを含み得る。
【0056】
また、放熱素材は、モース硬度8以上のフィラーを含み得る。
【0057】
また、放熱素材は、モース硬度8以上のフィラーがフィラー全体の80wt%以上であり得る。
【0058】
また、放熱素材は、フィラー重量がペースト全体の重量の70wt%以上であり得る。
【0059】
【表1】
【0060】
前記表1を参照すると、放熱素材は、モース硬度8以上のフィラーを含むことが好ましく、放熱素材は、モース硬度8以上のフィラーが全体のフィラーの80wt%以上であることが好ましい。また、第1および第2供給カートリッジ部は、ギアポンプタイプまたはプランジャーポンプタイプで構成され得る。
【0061】
一方、放熱素材は、熱伝導性樹脂組成物に関するものである。前記樹脂組成物は、樹脂成分と熱伝導性フィラーを含み得る。
【0062】
1つの例示において前記樹脂組成物は、接着剤組成物、例えば、硬化反応などを経て接着剤を形成できる組成物であり得る。これらの樹脂組成物は、溶剤型樹脂組成物、水系樹脂組成物または無溶剤型樹脂組成物であり得る。例えば、公知のアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、オレフィン系接着剤、EVA(エチレン酢酸ビニル;Ethylene Vinyl Acetate)系接着剤またはシリコーン系接着剤を形成できる樹脂組成物に後述する熱伝導性フィラーを取り合わせて前記樹脂組成物を製造できる。
【0063】
用語樹脂成分は、一般的に樹脂として知られた成分はもちろん、硬化反応や重合反応を経て樹脂に転換できる成分も含む意味として使用される。
【0064】
1つの例示において、前記樹脂成分としては、接着剤樹脂または接着剤樹脂を形成できる前駆体を適用できる。これらの樹脂成分の例としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、EVA(エチレン酢酸ビニル;Ethylene Vinyl Acetate)樹脂またはシリコーン樹脂や、ポリオールまたはイソシアネート化合物の前駆体などがあるが、これに制限されるものではない。
【0065】
樹脂組成物は、樹脂成分とともに熱伝導性フィラーを含み得る。用語熱伝導性フィラーは、熱伝導度が約1W/mK以上、約5W/mK以上、約10W/mK以上または約15W/mK以上である素材を意味する。熱伝導性フィラーの熱伝導度は、約400W/mK以下、約350W/mK以下または約300W/mK以下であり得る。熱伝導性フィラーの種類は、特に制限されないが、絶縁性などを考慮してセラミックフィラーを適用できる。例えば、アルミナ、AIN(窒化アルミニウム;Aluminum Nitride)、BN(窒化ホウ素;Boron Nitride)、窒化ケイ素(Silicon Nitride)、SiCまたはBeOなどのようなセラミック粒子が使用され得る。絶縁特性が確保できれば、グラファイト(Graphite)などの炭素フィラーの適用も考慮できる。
【0066】
樹脂組成物は、前記樹脂成分の100重量部に対して約600重量部以上の前記熱伝導性フィラーを含み得る。他の例示において、前記フィラーの割合は、前記樹脂成分の100重量部に対して650重量部以上または700重量部以上であり得る。前記の割合は、前記樹脂成分の100重量部に対して約2、000重量部以下、約1、500重量部以下または約1、100重量部以下であり得る。前記フィラーの割合の範囲内で目的する熱伝導度と絶縁性などの物性を確保できる。
【0067】
熱伝導度と絶縁性の確保のために前記のように過量のフィラーを適用すると、樹脂組成物の粘度が大きく上昇し、それに応じて取扱性が低下し、樹脂材料を形成した後にも、気泡ないし空隙を含むようになって熱伝導度が低下する可能性がある。
【0068】
これにより、樹脂組成物には、少なくとも3種の異なる粒径を有するフィラーが所定の割合で適用され得る。
【0069】
前記フィラーの形態は、特に制限されず、樹脂組成物の粘度およびチキソトロピー、組成物内での沈降の可能性、目的熱抵抗ないしは熱伝導度、絶縁性、充填効果または分散性などを考慮して選択し得る。例えば、充填される量を考慮すると、球状のフィラーを使用することが有利であるが、ネットワークの形成や伝導性、チキソトロピーなどを考慮して非球状のフィラー、例えば、針状や板状などのような形態のフィラーも使用し得る。
【0070】
樹脂組成物は、前記成分、すなわち樹脂成分と熱伝導性フィラーを基本的に含み、必要であれば他の成分も含み得る。例えば、樹脂組成物は、粘度の調節、例えば、粘度を高めるか、または低めるために、またはせん断力による粘度の調節のために、粘度調節剤、例えば、揺変性付与剤、希釈剤、分散剤、表面処理剤またはカップリング剤などを追加で含み得る。
【0071】
揺変性付与剤は、樹脂組成物のせん断力による粘度を調節してバッテリーモジュールの製造工程が効果的に行われるようにすることができる。使用できる揺変性付与剤としては、ヒュームドシリカなどが例示され得る。
【0072】
希釈剤または分散剤は、通常、樹脂組成物の粘度を低めるために使用されるもので、前記のような作用を示すことができるものであれば、業界で公知された多様な種類のものを制限なく使用し得る。
【0073】
表面処理剤は、樹脂組成物に導入されているフィラーの表面処理のためのものであり、前記のような作用を示すことができるものであれば、業界で公知された多様な種類のものを制限なく使用し得る。
【0074】
カップリング剤の場合は、例えば、アルミナのような熱伝導性フィラーの分散性を改善するために使用し得、前記のような作用を示すことができるものであれば、業界で公知された多様な種類のものを制限なく使用し得る。
【0075】
樹脂組成物は、難燃剤または難燃補助剤などを追加で含み得る。これらの樹脂組成物は、難燃性樹脂組成物を形成し得る。難燃剤としては、特別な制限なしに公知の多様な難燃剤を適用でき、例えば、固相のフィラー形態の難燃剤や液状の難燃剤などを適用できる。難燃剤としては、例えば、メラミンシアヌレート(Melamine Cyanurate)のような有機系難燃剤や水酸化マグネシウムのような無機系難燃剤などがあるが、これに制限されるものではない。
【0076】
樹脂組成物に充電されるフィラーの量が多い場合は、液状タイプの難燃材料(TEP、トリエチルホスフェート;Triethyl PhosphateまたはTCPP、トリス(1,3クロロ−2−プロピル)ホスフェート;tris(1,3−Chloro−2−Propyl)Phosphateなど)を使用し得る。また、難燃上昇剤の作用ができるシランカップリング剤が追加され得る。
【0077】
前記で説明された本発明の好ましい実施例は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明についての通常の知識を有する当業者であれば、本発明の思想と範囲内で多様な修正、変更、付加が可能であり、これらの修正、変更および付加は、下記の特許請求の範囲に属するものと見るべきである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上説明したように、本発明の一実施例と係る放熱素材のディスペンシング装置の決定方法によると、ディスペンシング装置から流出した放熱素材でディスペンシング装置の内部材質を検出することにより、ディスペンシング装置の適合性を決定できる。
【符号の説明】
【0079】
10 :ディスペンシング装置
10’:ディスペンシング装置
20 :ディスペンシング部
21 :第1供給カートリッジ部
22 :第2供給カートリッジ部
100 :スタティックミキサー
101 :流入部
102 :流出部
120 :スクリュー部
121 :エレメント
200 :第1外部機器又は第一バッテリーモジュール
210 :モジュールケース
211 :底面
212 :側面
213 :上部面
220 :バッテリーセル
230 :注入ホール
300 :第二外部機器又は第二バッテリーモジュール
A :直径
B :段
D :ミキサー内径
L :ミキサーの長さ
図1
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図8