特許第6976631号(P6976631)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976631
(24)【登録日】2021年11月12日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】熱電モジュールおよび熱電発電装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 35/32 20060101AFI20211125BHJP
   H01L 35/16 20060101ALI20211125BHJP
   H01L 35/08 20060101ALI20211125BHJP
   H02N 11/00 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   H01L35/32 A
   H01L35/16
   H01L35/08
   H02N11/00 A
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-524185(P2019-524185)
(86)(22)【出願日】2018年8月20日
(65)【公表番号】特表2020-502781(P2020-502781A)
(43)【公表日】2020年1月23日
(86)【国際出願番号】KR2018009541
(87)【国際公開番号】WO2019035702
(87)【国際公開日】20190221
【審査請求日】2019年5月9日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0105104
(32)【優先日】2017年8月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ドン・シク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ビョン・キュ・イム
(72)【発明者】
【氏名】ジェキ・イ
(72)【発明者】
【氏名】チョル・ヒ・パク
【審査官】 西出 隆二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−192694(JP,A)
【文献】 特開2014−086623(JP,A)
【文献】 特開2003−092435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 35/32
H01L 35/16
H01L 35/08
H02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極が設けられた第1基板と、
前記第1基板に対向するように配置されて第2電極が設けられた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置されて前記第1電極と前記第2電極とに電気的に接続される複数の熱電素子とを含み、
前記熱電素子は、
銀(Ag)で構成される接合層で焼結接合されて前記第1基板と前記第2基板との間に電気的に接続され、前記第1電極に電気的に接続されるスクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と、前記第2電極に電気的に接続されて前記スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子に前記接合層で接続されるBiTe系熱電素子とを含み、
前記接合層は、前記第1電極と前記スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子を電気的に接続する第1接合層と、前記スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と前記BiTe系熱電素子を電気的に接続する第2接合層と、前記BiTe系熱電素子と前記第2電極を電気的に接続する第3接合層とを含み、
前記熱電素子は、
前記第1基板と前記第2基板との間に電気的に接続される第1熱電素子と、
前記第1基板と前記第2基板との間で前記第1熱電素子に離隔した状態で電気的に接続される第2熱電素子とを含み、
前記第1熱電素子は、少なくとも2個以上が前記接合層で互いに接続され、
前記第1熱電素子は、
前記第1電極に電気的に接続される第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と、前記第2電極に電気的に接続されて前記第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子に前記第2接合層で接続される第1BiTe系熱電素子とを含み、
前記第1熱電素子はp型熱電半導体であり、前記第2熱電素子はn型熱電半導体であり、
前記第1接合層と前記第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子との間、前記第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と前記第1BiTe系熱電素子との間、および前記第1BiTe系熱電素子と前記第3接合層との間には拡散防止層が位置し、
前記拡散防止層は、
ハフニウム(Hf)、窒化チタン(TiN)、ジルコニウム(Zr)およびMo-Tiからなる群より選ばれた1種以上を含む、熱電モジュール。
【請求項2】
前記第1熱電素子の両側は、前記第1電極と前記第2電極とにそれぞれ前記接合層で電気的に接続される、請求項1に記載の熱電モジュール。
【請求項3】
前記第2熱電素子は、少なくとも2個以上が前記接合層で互いに接続される、請求項1に記載の熱電モジュール。
【請求項4】
前記第2熱電素子は、
前記第1電極に電気的に接続される第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と、前記第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子に前記接合層で接続されて前記第2電極に電気的に接続される第2BiTe系熱電素子とを含む、請求項3に記載の熱電モジュール。
【請求項5】
前記第2熱電素子の両側は、前記第1電極と前記第2電極とにそれぞれ前記接合層で電気的に接続される、請求項3に記載の熱電モジュール。
【請求項6】
前記第1基板と前記第1熱電素子との間に位置する拡散防止層をさらに含む、請求項1に記載の熱電モジュール。
【請求項7】
前記第2基板と前記第2熱電素子との間に位置する拡散防止層をさらに含む、請求項6に記載の熱電モジュール。
【請求項8】
前記第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と前記第2BiTe系熱電素子との間には拡散防止層が位置する、請求項4に記載の熱電モジュール。
【請求項9】
請求項1に記載の前記熱電モジュールを含む、熱電発電装置。
【請求項10】
前記熱電モジュールに接続される少なくとも一つ以上の高温ブロックと、前記高温ブロックに対向する側面において前記熱電モジュールに接続される低温ブロックと、前記高温ブロックと前記低温ブロックとに設けられる放熱部材とを含む、請求項9に記載の熱電発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は2017年8月18日付韓国特許出願第10-2017-0105104号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は熱電モジュールの品質向上および熱的安定性が向上する熱電モジュールおよび熱電発電装置に関する。
【背景技術】
【0003】
固体状態の材料の両端に温度差がある場合、熱依存性を有するキャリア(電子あるいはホール)の濃度差が発生し、これは熱起電力(Thermo-electromotive force)という電気的な現象、つまり、熱電現象として現れる。
【0004】
このように熱電現象は、温度差と電気電圧の間の直接的なエネルギー変換を意味する。
【0005】
このような熱電現象は、電気的エネルギーを生産する熱電発電と、電気供給によって両端の温度差を誘発する熱電冷却/加熱に区分できる。
【0006】
熱電現象を示す熱電材料、つまり、熱電半導体は、発電と冷却過程で環境にやさしく、持続可能な長所があり、多くの研究が行われている。
【0007】
さらに、産業廃熱、自動車廃熱などで直接電力を生産することができ、燃費向上やCO減縮などに有用な技術であり、熱電材料に対する関心は増々高まっている。
【0008】
熱電モジュールは、ホールキャリア(hole carrier)によって電流が流れるp型熱電素子(thermoelectricelement:TE)と、電子(electron)によって電流が流れるn型熱電素子からなるp-n熱電素子の一対が基本単位をなす。また、熱電モジュールは、p型熱電素子とn型熱電素子との間を接続する電極を備え得る。
【0009】
熱電素子は、一般に棒型または柱型の構造で形成され、一端を高温に維持し、他端を低温に維持した状態で、温度差の自乗に比例した電力を得ることができる。
【0010】
このような熱電素子に用いる熱電材料は、性能を最適にする使用温度範囲があり、使用温度で発電出力または発電効率を最大にするために複数の熱電材料を温度差に応じるように接合して用いる。ここで、熱電材料を機械構造的にも電気的にも直列接合してなる素子をセグメント熱電素子と呼ぶ。
【0011】
一方、スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電材料とBiTe系熱電材料は、焼結温度が互いに異なるため、互いに接合して熱電素子に製造される過程における熱電モジュールの品質低下および熱的安定性の低下の問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の一実施形態は、熱電モジュールの出力および効率特性向上と熱的安定性が向上する熱電モジュールおよび熱電発電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態は、第1電極が設けられた第1基板と、第1基板に対向するように配置されて第2電極が設けられた第2基板と、第1基板と第2基板との間に配置されて第1電極と第2電極とに電気的に接続される複数の熱電素子とを含む。
【0014】
熱電素子は、銀(Ag)を含む接合層で焼結接合されて第1基板と第2基板との間に電気的に接続され、前記第1電極に電気的に接続されるスクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と、前記第2電極に電気的に接続されて前記スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子に前記接合層で接続されるBiTe系熱電素子とを含む。
【0015】
熱電素子は、第1基板と第2基板との間に電気的に接続される第1熱電素子と、第1基板と第2基板との間で第1熱電素子に離隔した状態で電気的に接続される第2熱電素子とを含み得る。
【0016】
第1熱電素子は、少なくとも2個以上が前記接合層で互いに接続され得る。
【0017】
第1熱電素子は、第1電極に電気的に接続される第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と、第2電極に電気的に接続されて第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子に接合層で接続される第1BiTe系熱電素子とを含み得る。
【0018】
第1熱電素子の両側は、第1電極と第2電極とにそれぞれ接合層で電気的に接続され得る。
【0019】
第2熱電素子は、少なくとも2個以上が接合層で互いに接続され得る。
【0020】
第2熱電素子は、第1電極に電気的に接続される第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と、第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子に接合層で接続されて第2電極に電気的に接続される第2BiTe系熱電素子とを含み得る。
【0021】
第2熱電素子の両側は、第1電極と第2電極とにそれぞれ接合層で電気的に接続され得る。
【0022】
第1熱電素子はp型熱電半導体であり、第2熱電素子はn型熱電半導体であり得る。
【0023】
第1基板と第1熱電素子との間に位置する拡散防止層をさらに含み得る。
【0024】
第2基板と第2熱電素子との間に位置する拡散防止層をさらに含み得る。
【0025】
第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と第1BiTe系熱電素子との間には拡散防止層が位置し得る。
【0026】
第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子と第2BiTe系熱電素子との間には拡散防止層が位置し得る。
【0027】
拡散防止層は、ハフニウム(Hf)、窒化チタン(TiN)、ジルコニウム(Zr)およびMo-Tiからなる群より選ばれた1種以上を含み得る。
【0028】
本発明の一実施形態の熱電発電装置は、熱電モジュールを含み得る。
【0029】
本発明の一実施形態の熱電発電装置は、熱電モジュールに接続される少なくとも一つ以上の高温ブロックと、高温ブロックに対向する側面から熱電モジュールに接続される低温ブロックと、高温ブロックと低温ブロックとに設けられる放熱部材を含み得る。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施形態によれば、銀(Ag)を含むペーストを使用し、第1熱電素子と第2熱電素子とを焼結接合することによって、熱電モジュールの出力および効率特性と熱的安定性が向上することができる。
【0031】
また、本発明の一実施形態によれば、熱電モジュールの出力および効率特性の向上により熱電発電装置の発電出力と発電効率の向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態による熱電モジュールのuni-coupleを概略的に示す凹部断面図である。
図2】本発明の一実施形態による熱電モジュールの出力特性を概略的に示す図である。
図3】本発明の一実施形態による熱電モジュールの効率特性を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、様々な相違する形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0034】
図面において本発明を明確に説明するために説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては、同一の参照符号を付ける。
【0035】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「接続」されているという時、これは「直接的に接続」されている場合のみならず、他の部材を挟んで「間接的に接続」される場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとする時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0036】
明細書全体において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「〜上に」あるという時、これは他の部分の「真上に」ある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。そして「〜上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準に上側に位置することを意味するものではない。
【0037】
図1は本発明の一実施形態による熱電モジュールのuni-coupleを概略的に示す凹部断面図である。
【0038】
図1に示すように、本発明の一実施形態による熱電モジュールのuni-couple100は、第1基板10と、第1電極11が設けられた第1基板10と、第1基板10に対向するように配置されて第2電極21が設けられた第2基板20と、第1基板10と第2基板20との間に配置されて第1電極11と第2電極21とに電気的に接続される複数の熱電素子30とを含む。ここで、熱電素子30は、銀(Ag)を含む接合層40で接合され得る。
【0039】
また、熱電素子30は、前記第1電極11に電気的に接続されるスクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31a、33aと、前記第2電極に電気的に接続されて前記スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31a、33aに前記接合層40で接続されるBiTe系熱電素子31b,33bとを含み得る。
【0040】
スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31a、33aは、第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31aおよび第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子33aを含み得、BiTe系熱電素子31b,33bは、第1BiTe系熱電素子31bおよび第2BiTe系熱電素子33bを含み得る。
【0041】
一方、第1基板10と第2基板20は、熱電素子30を挟んで両側にそれぞれ配置されて熱電素子を支持するように設けられ得る。
【0042】
第1基板10は、本実施形態で高温部として適用され得る。このような第1基板10は、熱電素子30と対面する方向が平らに形成されて熱電素子30を安定的に支持できる。
【0043】
第1基板10は、アルミナ、AINなどのセラミック材質で形成され得る。
【0044】
第2基板20は、本実施形態で低温部として適用され得る。このような第2基板20は、熱電素子30を挟んで第1基板10に対向する位置に設けられるものであり、第1基板10と共に熱電素子30を安定的に支持できる。
【0045】
第2基板20は、アルミナ、AINなどのセラミック材質で形成され得る。
【0046】
このような第2基板20には、放熱効率の向上のために放熱部材(図示せず)が形成されることも可能である。
【0047】
一方、熱電素子30は、第1電極11と第2電極21とによって第1基板10と第2基板20との間に電気的に接続された状態で配置され得る。
【0048】
このような熱電素子30は、第1基板10と第2基板20との間に電気的に接続される第1熱電素子31と、第1基板10と第2基板20との間で第1熱電素子31に離隔した状態で電気的に接続される第2熱電素子33とを含み得る。
【0049】
第1熱電素子31は、少なくとも2個以上が接合層40で互いに接合された状態で第1基板10と第2基板20との間に設けられ得る。
【0050】
第1熱電素子31は、両側の第1電極11と第2電極21とに接続される部分が接合層40で電気的に接続されることも可能である。
【0051】
このような第1熱電素子31は、p型熱電半導体で形成されるものであり、第1電極11に電気的に接続される第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31aと、第2電極21に電気的に接続される第1BiTe系熱電素子31bとを含み得る。
【0052】
つまり、第1熱電素子31は、第1基板10に電気的に接続される部分に相対的に高温領域で性能効率が極大化する第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31aが位置し得る。
【0053】
そして、第1熱電素子31は、第2基板20に電気的に接続される部分に相対的に低温領域で性能効率が極大化する第1BiTe系熱電素子31bが位置し得る。
【0054】
このような第1熱電素子31は、第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31aと第1BiTe系熱電素子31bとが接合層40によって接合され得る。
【0055】
つまり、接合層40は、銀(Ag)が含まれているペーストで形成された状態で第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31aと第1BiTe系熱電素子31bとを焼結接合し得る。
【0056】
ここで、第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31aと第1BiTe系熱電素子31bは、第1基板10と第2基板20とに電気的に接続される前に接合層40によって焼結接合され得る。
【0057】
一方、第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31aと第1BiTe系熱電素子31bとの間には拡散防止層50が位置することも可能である。拡散防止層50は、熱電材料が互いに拡散することを防止するように形成され得る。
【0058】
このような拡散防止層60は、ハフニウム(Hf)、窒化チタン(TiN)、ジルコニウム(Zr)およびMo-Tiからなる群より選ばれた1種以上を含んで形成され得る。
【0059】
拡散防止層50は、第1スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子31aと第1BiTe系熱電素子31bとの間の位置に形成されることに限定されず、第1基板10と第1熱電素子31との間及び第2基板20と第1熱電素子31との間の位置に形成されることも可能である。
【0060】
第2熱電素子33は、第1熱電素子31の形状と同一または類似する形状に形成され、第1熱電素子31から離隔した状態で第1基板10と第2基板20との間に位置し得る。第2熱電素子33は、発電効率の向上のために適切な大きさまたは形状に変更して適用することも勿論可能である。
【0061】
このような第2熱電素子33は、n型熱電半導体で形成されるものであり、第1電極11に電気的に接続される第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子33aと、第2電極21に電気的に接続される第2BiTe系熱電素子33bとを含み得る。
【0062】
つまり、第2熱電素子33は、第1基板10に電気的に接続される部分に相対的に高温領域で性能効率が極大化する第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子33aが位置し得る。
【0063】
そして、第2熱電素子33は、第2基板20に電気的に接続される部分に相対的に低温領域で性能効率が極大化する第2BiTe系熱電素子31bが位置し得る。
【0064】
このような第2熱電素子33は、第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子33aと第2BiTe系熱電素子33bとが接合層40によって接合され得る。
【0065】
つまり、接合層40は、銀(Ag)が含まれているペーストで形成された状態で第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子33aと第2BiTe系熱電素子33bとを焼結接合し得る。
【0066】
ここで、第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子33aと第2BiTe系熱電素子33bは、第1基板10と第2基板20とに電気的に接続される前に接合層40によって焼結接合され得る。
【0067】
一方、第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子33aと第2BiTe系熱電素子33bとの間には拡散防止層50が位置することも可能である。拡散防止層50は、熱電材料が互いに拡散することを防止するように形成され得る。
【0068】
拡散防止層50は、第2スクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子33aと第2BiTe系熱電素子33bとの間の位置に形成されるものに限定されず、第1基板10と第1熱電素子31との間及び第2基板20と第1熱電素子31との間の位置に形成されることも可能である。
【0069】
前述したように、本実施形態の熱電モジュールのuni-couple100は、銀(Ag)を含むペーストを使用し、第1熱電素子と第2熱電素子とを焼結接合することによって、熱電モジュールの出力および効率特性と熱的安定性が向上できる。
【0070】
図2は本発明の一実施形態による熱電モジュールの出力特性を概略的に示すグラフであり、図3は本発明の一実施形態による熱電モジュールの効率特性を概略的に示すグラフである。
【0071】
つまり、図2および図3は、熱電モジュールのuni-couple100 31pairで構成された熱電モジュールを製造した後、温度差に応じたセグメントモジュールの出力および効率特性を示すグラフである。
【0072】
具体的に図2のように高温部と低温部の温度差281℃、356℃、447℃でそれぞれ7.49W、11.52W、15.54Wの発電出力を得た。
【0073】
この時、各温度差でVoc(open circuit Voltage)は、3.06V、3.94V、4.73Vであった。
【0074】
また、図3に示すように発電効率を測定した結果、前記それぞれの温度差で8.99%、10.32%、10.72%の高効率を得ることが分かる。
【0075】
一般にスクッテルダイト(Skutterudite)系熱電素子の発電効率が6.5%水準であることを考慮すれば、前記セグメント熱電素子は非常に高い発電効率を有することが確認できる。
【0076】
一方、本発明の一実施形態による熱電発電装置は、熱電モジュールに接続される少なくとも一つ以上の高温ブロックと、高温ブロックに対向する側面から熱電モジュールに接続される低温ブロックと、低温ブロックに設けられる放熱部材とを含み得る。
【0077】
したがって、熱電モジュールの出力向上および効率特性が向上するので、熱電発電装置の発電効率の向上が可能である。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されず、請求範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施でき、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0079】
10:第1基板
11:第1電極
20:第2基板
30:熱電素子
31:第1熱電素子
33:第2熱電素子
40:接合層
50:拡散防止層
図1
図2
図3