(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0020]理解を助けるため、可能な場合は図面に共通の同一要素を記号表示するのに同一の参照番号が使われている。追加の記載なしに他の実施形態に一実施形態の要素及び特徴を有益に組み込むことは可能であると考えられる。
【0010】
[0021]本開示は概して、基板のエッチング及び堆積等の基板のプラズマ処理に関する。エッチング及び堆積処理中に、2つの電極、たとえば基板支持体内に配置された第1の電極とシャワーヘッドの第2の電極との間に容量結合プラズマが生成される。基板支持電極はRF発生器に接続され、シャワーヘッド電極は電気接地又はRFリターンに接続される。処理チャンバ内で生成されたプラズマは、基板からの材料のエッチング又は基板への材料の堆積を促進する。
【0011】
[0022]本開示の態様は、RF信号の位相及び電圧を制御し、基板に対する堆積又はエッチングを同時に制御しながら、シャワーヘッド又は他の上部電極からの粒子生成(例えば、フレーキング)を低減させることに関する。さらに、本明細書の態様は、基板に対する堆積又はエッチングの増加を容易にする周波数間の位相差を識別する一方で、シャワーヘッド又は他の上部電極からの粒子生成(例えば、フレーキング)を低減させることに関する。
【0012】
[0023]処理チャンバのイオン衝撃処理中にシャワーヘッドからの粒子生成を低減させるための方法及びシステムが提供される。RF発生器から、処理チャンバに配置された基板支持体に埋め込まれた第1の電極に、第1のRF信号及び第2のRF信号が供給される。第2のRF信号は、第1及び第2のRF信号の測定された特性、例えば、第1のRF信号の第1の振幅及び第1の位相ならびに第2のRF信号の第2の振幅及び第2の位相に応じて第1のRF信号に対して調整される。上記の1又は複数の実施形態と組み合わせ得るいくつかの実施形態では、基板へのイオン衝撃が増加し、シャワーヘッドから生成される粒子の量が低減する。本明細書の方法及びシステムは、シャワーヘッドから生成されたデブリ粒子の量を低減しながら、イオン衝撃を利用してのエッチングを可能にする。さらに、RF整合器からの情報を組み合わせることにより、RF電圧/電流モニタの精度を高める方法についても説明する。
【0013】
[0024]
図1は、処理チャンバ101においてマルチ周波数バイアス工程を実施するための処理システム100を示す概略図である。処理システム100は、n周波数RF整合器102を介して複数のRF発生器108に接続された処理チャンバ101を含む。処理チャンバ101は、その内部に配置され且つ電気接地107(又はRFリターン)に接続されたシャワーヘッド103を含む。基板支持体104は、処理チャンバ101においてシャワーヘッド103に対向して配置される。基板137は、基板支持体104によって支持される。基板支持体104内に、電極105が埋め込まれる。電極105は、n周波数RF整合器102に接続される。n周波数RF整合器102は、各周波数(f
i)のそれぞれの電圧(V
i)と位相(φ
i)で電極105に電力を印加する。電極105とシャワーヘッド103により、容量結合プラズマ106の生成が促進される。
【0014】
[0025]上記の1又は複数の実施形態と組み合わせ得る一実施形態によれば、処理チャンバ101でマルチ周波数バイアス工程が実施される。処理中、電極105は、複数の周波数(たとえば、2つの異なる周波数)によってn周波数RF整合器102を介してバイアスされ、シャワーヘッド103(例えば、第2の電極)は、RFリターンを促進するために電気接地107に接続される。一例では、n周波数RF整合器102によって適用される周波数は、互いの整数倍であってよく、例えば、RFエネルギーは、13.56MHzの第1の周波数及び27.12MHzの第2の周波数の両方で適用され得る。上記の1又は複数の実施形態と組み合わせ得る幾つかの実施形態では、第1の周波数及び第2の周波数は高調波(調和した)周波数である。上記の1又は複数の実施形態と組み合わせ得るいくつかの実施形態では、第1の周波数及び第2の周波数は隣接する高調波周波数である。
【0015】
[0026]さらに、シャワーヘッド103の表面積は、基板支持体104の表面積よりも大きい。
【0016】
[0027]処理チャンバ101をマルチ高調波周波数で動作させる場合、基板支持体104に形成されたV
DCの時間平均自己バイアスDC電圧で、V
plaの時間平均バルクプラズマ電位を有するプラズマ106が生成される。デュアル周波数プラズマ生成を使用する場合、|V
pla−V
DC|によって定義される基板137へのイオン衝撃が、特定の位相値(φ)においてほぼ最大になると考えられる。同時に、|V
pla|によって定義されるプラズマ106(たとえば、シャワーヘッド103)の接地側でのイオン衝撃がほぼ最小になる。したがって、処理チャンバを動作させることにより、基板137のエッチングを最大にすると同時に、シャワーヘッド103からの粒子生成を最小にすることができる。以下において、|V
pla−V
DC|をほぼ最大値に調整しながら|V
pla|をほぼ最小値に調整することをRF調整電圧と称する。
【0017】
[0028]電極105は、n周波数RF整合器102を介して、それぞれf
1、f
2、...f
nの周波数でRF発生器108
1、108
2、108
nに接続される。一般に、基板支持体104におけるRF電圧は、式1によって表される。
ここで、V
iとφ
iはそれぞれ
における電圧と位相であり、ω
iは角周波数である。相応のRF周期を維持するために、周波数f
iは基本周波数f
iのi番目の高調波周波数である。
f
i=i・f
1 ここでi=1、2....n (2)
式(2)により、ハードウェアにおけるタイミングクロックの実装が促進される。
【0018】
[0029]処理チャンバ101では、プラズマ106は、V
plaの時間平均バルクプラズマ電位で生成される。処理チャンバ101内でのプラズマ生成の結果として、V
DCの時間平均自己バイアスDC電圧が基板137の表面に形成される。
【0019】
[0030]モデリングによる説明のために、式(1)を次の形式でさらに仮定する。
【0020】
[0031]さらに、式(3)がn=2に制限されている場合は以下のようになる。
【0021】
[0032]式3では、高調波の振幅は基本高調波の振幅によって正規化されている。高調波次数が増加すると振幅が減少し、たとえば、n番目の高調波の振幅は基本高調波の1/nである。|V
pla−V
DC|がほぼ最大値であり、|V
pla|がほぼ最小値であるRF調整電圧条件を満たすために、処理用の基本高調波と他の高調波を調整された項として主に操作することが有利であると考えられる。
【0022】
[0033]デュアル周波数システムでは、たとえば、f
1=13.56MHz及びf
2=27.12MHzの場合、2つの周波数間の位相差は次のように定義される。
φ≡φ
2−φ
1 (5)
【0023】
[0034]
図2及び
図3に、例に従って計算されたRF電圧形態を示す。
図1の形状にV
1=200V及びφ
1=0でセルフコンシステントプラズマモデリングを適用すると、
図2及び
図3の正規化された時間の関数としてのφ=0°、90°、180°、270°における電圧波形の結果が得られる。
【0024】
[0035]
図4Aに、例に従って計算されたDC自己バイアス電圧形態を示す。
図1に示す基板支持体104に形成された計算されたV
DCは、
図4Aのφの関数として示されている。計算されたV
plaは、
図4Bのφの関数として示されている。
図4A及び
図4Bに示すように、|V
pla|の最小値は約60Vであり、|V
pla−V
DC|の最大値は約φ=100°で約360Vである。
【0025】
[0036]電極105及びシャワーヘッド103へのイオン衝撃電圧は、|V
pla−V
DC|及び|V
pla|によってそれぞれ与えられるため、φ=100°でのプラズマ処理により、シャワーヘッド103でのイオン衝撃がほぼ最小になり、シャワーヘッド103からの粒子生成が低減し、基板支持体104上の基板137への衝撃がほぼ最大になり、基板のイオンエッチング137が促進される。言い換えると、φ=100°で動作させることで、基板137でのエッチング速度が最大になると同時に、シャワーヘッド103からの粒子生成が最小になる。したがって、シャワーヘッド103からの粒子生成は、デュアル周波数プラズマ処理工程中に位相差φを変化させることによって最小化される。
【0026】
[0037]プラズマ処理は、2つより多くの異なる周波数を使用するn周波数RF整合器102、又は第1の周波数の整数倍である第2の周波数で行われ得ると考えられ、ここで整数倍は2以上である。たとえば、高次の高調波f
2は、式4の13.56MHzであるf
1の3番目の高調波に置き換えられ得る(つまり、f
2=40.68MHz)。
【0027】
[0038]
図5は、上記の1又は複数の実施形態と組み合わせ得る本開示の実施形態に係る処理システム500を示す概略図である。処理システム500は、処理システム100と同様であるが、単一のn周波数発生器508、n周波数RF発生器508に連結され且つその下流にあるn周波数RF整合器502、及びn周波数RF整合器502に連結され且つその下流にある電圧モニタ509を含む。単一のRF発生器508を示したが、複数のRF発生器を処理システム500で用いることができると考えられる。
【0028】
[0039]電圧モニタ509は、処理パラメータのより正確な制御と調整を促進するために、n周波数RF整合器502の下流の電圧を検出する。この電圧は、処理チャンバ501の幾何学的構造によって決定される線形関係によって電極105に印加される電圧に対応する(以下に説明する)。n周波数RF整合器502の下流の電圧を検出することにより、処理チャンバ501内の条件のより正確な表示が得られ、したがって、処理パラメータに対して行われる調整が改善される。
【0029】
[0040]処理制御を促進するために、n周波数RF発生器508は、接続部510を介して電圧モニタ509から信号を受信する。それに応じて、RF発生器508は、電極105及び103でのRF調整電圧の条件動作を満たすために、各周波数でRF電力信号を生成する。n周波数RF発生器508は、接続部512を介してRF整合器502から信号を受信することもできる。
【0030】
[0041]上記のように、位相と振幅の調整を決定するには、基板支持体104で定義されているパラメータV
i及びφ
i(i=1、2、…n)を用いる。ただし、処理システム500では、RF電圧と位相はV
im及びφ
im(i=1、2、…n)としてポスト整合(つまり、RF整合器502の下流)である必要がある。このため、式(1)の導出値V
i及びφ
iは、V
im及びφ
imとして定義されるポストRF整合器502の値に変換され、以下の変換行列によって計算される。
ここで、すべての値は複素数として定義されている。このため、式(1)の値は次の形式に変換される。
【0031】
[0042]
は基板支持体104において定義され、一例として
図2、3、4A及び4Bに示すモデリングに基づいて計算される。ABCD行列は、処理チャンバ501の形状寸法から計算でき、より具体的には、一連の伝送線路と、コンデンサとインダクタのいくつかの組み合わせである。φ
1には任意性があることに留意されたい。したがって、φ
1は、汎用性を失うことなくφ
1=0として定義され得る。工程中、RF電圧パラメータV
i及びφ
iのポストRF整合502は、n周波数RF電圧モニタ509によって測定され、測定値はV
ime及びφ
imeとして示される。RF電圧パラメータの実験決定により、RF調整電圧の決定が可能になる。
【0032】
[0043]
図6は、ターゲットRF電圧パラメータV
im及びφ
imを達成することによってRF調整電圧を識別するアルゴリズムを示すフロー図である。幾つかの実施形態では、V
im及びφ
imはユーザ定義のターゲットパラメータである。他の実施形態では、V
im及びφ
imは、第2のRF信号の測定パラメータである。工程620中に、実験パラメータV
ime及びφ
imeはn周波数RF電圧モニタ509によって測定される。工程621中に、測定された実験パラメータV
ime及びφ
imeが式(8)及び(9)の条件を満たすかどうかが決定される。
【0033】
[0044]測定されたパラメータV
ime及びφ
imeがユーザ定義の許容範囲内で式(8)及び(9)を満たす場合、n周波数RF発生器508での調整は実行されない。ユーザ定義の許容範囲は、通常、実験を基礎としている。振幅比(式8)のユーザ定義の許容範囲は、約5%、たとえば約3%から約7%、たとえば約4%から約6%である。ユーザ定義の相対角度の許容範囲(式9)は、約3度から約8度の間、例えば、約4度から約6度の間である。ただし、工程621のアルゴリズムがV
imeとφ
imeの測定値によって満たされない場合、シードRF電圧の振幅A´
iと位相θ´
i(
図7を参照)が、工程622に示すように、マイクロ制御ユニット(MCU)の内部で実行される負のフィードバック制御、例えば比例積分偏差(PID)コントローラを介してn周波数RF発生器508の内部で生成される。言い換えると、PIDとMCUは、測定値V
imeとφ
imeに応じて、n周波数RF発生器508の調整を促進し、RF整合器502の下流で所望の電圧と位相を実現する。フィードバック制御は各周波数f
iに対して実行され、ここでi=2、3、...nであり、A´
1とθ´
1は定数である。
【0034】
[0045]一例では、工程620の後に工程621が続く。工程621が満たされると、基板の処理は電圧及び位相の調整なしに進行する。工程621が満たされない場合、工程622が実行され、工程621が満たされるまで、工程620〜622が繰り返される。
【0035】
[0046]いくつかの例では、RF整合器502の下流のRF電圧及び電流の両方が比較的高く、これら2つの間の位相角が90度に近いため、n周波数RF電圧モニタ509は、40MHzを超える周波数では十分に正確ではない可能性がある。約90度の位相角では、たとえば1度等の小さな差により電力に大きな違いが生じ、RF電圧及び/又は電流の誤った読み取りにつながる可能性がある。このような場合、複素数値インピーダンスZ
ime(
図7に示す)は
によって決定される。ここで、Y
imeは、周波数f
iでのアドミタンスであり、n周波数RF整合502内部のRF整合条件から導出され、式(10)のV
imeの計算に使用され得る。
ここで、P
imeは、周波数f
iで、
図5に示す処理チャンバ501等の処理チャンバに供給される電力である。Z
imeの測定値は、RF整合器502に配置されたベクトルネットワークアナライザ(図示せず)によって較正される。したがって、式(10)は非常に正確である。
【0036】
[0047]n周波数RF電圧モニタ509は、位相角の絶対値を測定するときに系統的誤差を含む位相角φ
imeを測定するために使用されることに留意されたい。ただし、系統的誤差は式(9)の減算によって解消する。さらに、時間平均変数を使用することにより、導出された値の統計的誤差が低減し、したがって、導出された結果の精度が向上する。その結果、式(9)の誤差の影響が軽減され得る。
【0037】
[0048]
図7は、
図5に示すn周波数RF発生器508のブロック図である。n周波数RF発生器508は、位相ロックループ(PLL)回路720、分周器722、MCU724、ユーザインターフェース726、1又は複数の発生器728a〜728c(3つを示す)、及びそれぞれの発生器728a〜728cに各々接続された1又は複数の電力増幅器711(3つを示す)を含む。PLL回路720は、水晶発振器又は外部クロック発生器710から信号を受信し、CLK=N・f
nのクロック信号を生成する。ここで、Nは任意の整数、例えば、2
2〜2
6である。CLK信号は分周器722に送信され、1セットのCLK信号CLKi(i=1、...n)を生成し、これらはそれぞれ、f
iの周波数で振幅及び位相を生成するように構成されたそれぞれの発生器728a〜728cに送信される。
【0038】
[0049]CLK信号は、f
iでV
imeとφ
imeを測定するn周波数RF電圧モニタ(n周波数RF電圧モニタ509等)にも送信される。式(10)に示すように、V
imeは、n周波数RF整合器502での電圧測定値に置き換えることが可能である。V
imeとφ
imeの値はMCU724に提供され、MCU724は、
図6に示すように、PIDコントローラを介してユーザインターフェース726でユーザが入力した測定値V
ime、φ
ime及びターゲット値V
im、φ
imからシードRF電圧の振幅A´
iと位相θ´
iを計算する。振幅A´
iと位相θ´
iとは、V
imeとφ
imeの測定値の調整を表している。V
imeとφ
imeの測定値がそれぞれV
imとφ
imのターゲット値と一致すると、RF信号は
図1及び
図5に示す電極105に適用される。
【0039】
[0050]
図8は、上記の1又は複数の実施形態と組み合わせ得る本開示の一実施形態に係る、振幅及び位相発生器728aを示すブロック図である。発生器728b及び728cは同様の構成であることを理解されたい。
図7に示すMCU724から受信したA´
icosθ´
i及びA´
isinθ´
iの情報を使用して、CLKi=N・f
iにおける同相−直交位相(IQ)変調工程により、
のデジタルシード信号が合成され、ここでp=0、1、...N−1であり、デジタルアナログコンバータ(DAC)830において最終的にデジタルシード信号がA´
isin(ω
it+θ´
i)のアナログシードに変換される。
図7に示すように、RF発生器からの信号A´
isin(ω
it+θ´
i)は、電力増幅器711によってA
isin(ω
it+θ
i)に増幅される。A
isin(ω
it+θ
i)の増幅された信号は、RF整合器の出力において増幅された信号をV
imesin(ω
it+φ
ime)に変換するn周波数RF整合器502に送信される。
【0040】
[0051]
図9は、n周波数RF発生器508からCLK=N・f
nの基本クロック信号を受信するn周波数RF電圧モニタ509の図である。アナログ電圧検出器902、例えば容量性分圧器は、V´
imesin(ω
it+φ
ime)の形態のnセットのRF電圧をf
i(i=1、....n)の周波数で測定し、V´
imeとV
imeは倍率によって関連付けられる。分周器722は、それぞれのIQ検出器936a〜936c(3つを示す)をf
iの周波数で動作させるために、nセットのCLKi(i=1、...n)を生成する。IQ検出器936a〜936cは、入力RF電圧V´
imesin(ω
it+φ
ime)からV
ime及びφ
imeを導出する。
【0041】
[0052]
図10は、周波数f
i(i=1、...n)でのIQ検出器936を示すブロック図である。アナログ・デジタル変換器(ADC)1038は、アナログ電圧検出器902からのV´
imesin(ω
it+φ
ime)のアナログ入力を
のデジタル値に変換する。デジタル値にROM1039からの
と
を乗算する。変換された信号は、ローパスフィルタ(LPF)1040に送信される。ローパスフィルタは、
の出力を生成する。ローパスフィルタの出力は、デジタル信号プロセッサ(DSP)1041に送信される。DSP1041は、座標回転デジタルコンピュータ(CORDIC)を含み得る。V
imeとφ
imeを導出するために、CORDICアルゴリズムと他のデジタル信号処理が用いられる。
【0042】
[0053]
図11は、上記の1又は複数の実施形態と組み合わせ得る本開示の一実施形態に係る、処理チャンバのイオン衝撃を制御する方法1100を示す図である。工程1110中に、RF発生器から第1の周波数、第1の振幅、及び第1の位相を有する第1のRF信号が処理チャンバの基板支持体に埋め込まれた電極に送信される。
【0043】
[0054]工程1120中に、RF発生器から第2の周波数、第2の振幅、及び第2の位相を有する第2のRF信号が電極に送信される。上記の1又は複数の実施形態と組み合わせ得る一実施形態では、第2のRF信号は、第1のRF信号の周波数の高調波周波数を有する。工程1130中に、第1の振幅、第1の位相、第2の振幅、及び第2の位相の測定に応じて、第1のRF信号に対して第2のRF信号が調整される。上記の1又は複数の実施形態と組み合わせ得る一実施形態では、上記のシードRF電圧の振幅及び位相は、第1のRF信号及び第2のRF信号の測定に基づいて決定される。シードRF電圧の振幅及び位相を使用して、第2のRF信号が調整され得る。工程1140において、基板へのイオン衝撃が増加し、チャンバに配置されたシャワーヘッドでの粒子生成がRF変調の結果として低減する。
【0044】
[0055]方法1100をプラズマ処理に用いれば、上記のように、|V
pla|がほぼ最小になる位相φ
im(i=2、...N)を識別することにより、シャワーヘッドから生成される粒子が低減する。φ
im(i=2、...n)において、|V
pla−V
DC|がほぼ最大になることも識別されるため、基板への堆積又はエッチングが最大になると同時に、シャワーヘッドからの粒子生成が低減する。|V
pla−V
DC|は、エッチング又は堆積中の基板へのイオン化粒子の衝撃に対応し、|V
pla|は、シャワーヘッドへのイオン化粒子の衝撃に対応する。したがって、基板支持体の電圧が最大になり、シャワーヘッドの電圧が最小になる位相を識別することにより、シャワーヘッドでのイオン化粒子の衝撃が最小になる(シャワーヘッドからの粒子のフレーキングが低減する)一方で、堆積及び/又はエッチングが、基板において又は基板に隣接した位置で増加する、及び/又は最大になる。
【0045】
[0056]以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。