(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るカメラ充電システムを示すブロック図である。本実施形態に係るカメラ充電システムは、
図1に示すように、充電対象であるデジタルカメラ200(以下、単にカメラ200という。)と、カメラ200を充電するための充電装置100とから構成されている。なお、
図1においては、信号の流れを破線で、電力の流れを実線で表している。
【0012】
カメラ200は、
図1に示すように、カメラ本体210と、該カメラ本体210に着脱可能なモニター装置220とから構成されている。ここで、
図2は、本実施形態に係るカメラ200を示す正面図であり、
図3は、本実施形態にカメラ200、および、該カメラ200を構成するカメラ本体210およびモニター装置220を示す背面図である。また、
図4は、本実施形態に係るカメラ200、および、該カメラ200を構成するカメラ本体210およびモニター装置220を示す上面図であり、
図5は、本実施形態に係るカメラ200、および、該カメラ200を構成するカメラ本体210およびモニター装置220を示す側面図である。
【0013】
なお、
図3においては、カメラ本体210に内蔵されている第1受電コイル211、および、モニター装置220に内蔵されている第2受電コイル221を破線で示している(後述する
図13においても同様である。)。同様に、
図4および
図5においては、カメラ本体210に内蔵されている第1受電コイル211、および、モニター装置220に内蔵されている第2受電コイル221および表示部229を破線で示している。
【0014】
図2に示すように、カメラ200を構成するカメラ本体210の正面には、被写体からの光が入射する撮像レンズが設けられており、また、
図3(A)、
図4(A)、および
図5(A)に示すように、カメラ本体210の背面には、モニター装置220が装着されている。また、上述したように、カメラ200を構成するカメラ本体210とモニター装置220とは着脱可能に構成されており、カメラ本体210からモニター装置220を取り外して、
図3(B)、
図4(B)、および
図5(B)に示すカメラ本体210と、
図3(C)、
図4(C)、および
図5(C)に示すモニター装置220とを別々に用いることが可能となっている。
【0015】
ここで、カメラ本体210の各構成について説明する。カメラ本体210は、
図1に示すように、第1受電コイル211、整流部212、安定化電源部213、本体用充電制御部214、本体用バッテリ215、カメラ制御部216、および本体用通信部217を備えている。
【0016】
第1受電コイル211は、第1受電コイル211の面積を広くすることで本体用バッテリ215の充電効率を向上させるため、
図3(B)、
図4(B)、
図5(B)に示すように、カメラ本体210を形成する面のうち、被写体からの光が入射する撮像レンズが設けられているカメラ本体210の正面を除く、最も面積が広いカメラ本体210の背面に設けられている。
【0017】
第1受電コイル211は、たとえば、カメラ本体210が充電装置100の第1充電部120に載置された場合に、
図1に示すように、第1充電部120の第1送電コイル121と磁気結合し、第1充電部120の第1送電コイル121から送電された電力を受電する。
【0018】
第1受電コイル211により受電された電力は、整流部212によって交流電力から直流電力へと変換され、安定化電源部213により充電用の電圧(たとえば、+5V)とされた後、本体用充電制御部214へと送られ、本体用充電制御部214により、本体用バッテリ215に充電される。なお、本体用充電制御部214は、本体用バッテリ215の充電時間や本体用バッテリ215の充放電量を検出することで、本体用バッテリ215の充電の制御も行う。また、本実施形態に係る本体用バッテリ215は、充放電可能な電源であり、たとえば、リチウムイオンやニッケル水素などの二次電池から構成することができる。
【0019】
カメラ制御部216は、撮像素子(不図示)から画素信号を読み出して、読み出した画素信号に基づいて画像データを生成する。カメラ制御部216により生成された画像データは、本体用メモリ218に一時的に記憶された後、たとえば、本体用通信部217により、モニター装置220に送信され、モニター装置220の表示部229に表示される。また、カメラ制御部216は、画像データの補正、焦点調節状態、および絞り調節状態の検出など、カメラ本体210全体の制御も司る。
【0020】
本体用通信部217は、モニター装置220に備えられたモニター用通信部227と無線通信を行う。たとえば、本体用通信部217は、カメラ本体210で撮像され、カメラ本体210の本体用メモリ218に記憶された画像データを、無線通信により、モニター装置220に送信する。また、本体用通信部217は、モニター装置220から、モニター装置220の表示部229に備えるタッチパネルを介して、カメラ200のユーザにより入力された操作情報を受信し、受信した操作情報をカメラ制御部212に送信する。なお、本体用通信部217による無線通信方法は特に限定されず、たとえば、赤外線通信、Wi−Fi通信、Bluetooth(登録商標)通信により行うことができる。
【0021】
続いて、モニター装置220の構成について説明する。モニター装置220は、カメラ本体210に着脱可能に結合しており、
図1に示すように、第2受電コイル221、整流部222、安定化電源部223、モニター用充電制御部224、モニター用バッテリ225、モニター制御部226、モニター用通信部227、モニター用メモリ228、および表示部229を備えている。
【0022】
第2受電コイル221は、
図4(C)、
図5(C)に示すように、モニター装置220の主面のうち、表示部229が設置されている面と反対側の面に設けられており、たとえば、
図1に示すように、モニター装置220を第2充電部130に載置させた場合に、第2充電部130の第2送電コイル131と磁気結合し、第2充電部130から伝送された電力を受電する。そして、第2受電コイル221により受電された電力は、整流部222によって交流電力から直流電力へと変換されて、安定化電源部223により所定の電圧(たとえば、+5V)とされた後、モニター用充電制御部224によってモニター用バッテリ225に充電される。
【0023】
モニター制御部226は、モニター装置220による画像の表示などの制御を行う。たとえば、モニター制御部226は、カメラ本体210により撮像された画像の画像データを、モニター用通信部227によりカメラ本体210から受信し、モニター用メモリ228に一時的に記憶するとともに、モニター用メモリ228に記憶した画像データを読み出し、読み出した画像データに基づく画像を表示部229に表示させる。また、モニター制御部226は、カメラ本体210で撮影された画像データに加えて、撮影に関する各種情報を、モニター用通信部227を介してカメラ210から受信し、表示部229に表示させる。
【0024】
表示部229は、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELディスプレイから構成されており、
図4(A)、
図5(A)に示すように、モニター装置220の主面のうち、カメラ本体210の反対側の面に設けられることで、カメラ本体210により撮像された画像などの表示を行う。また、表示部229には、タッチパネルが設けられており、カメラ200のユーザは、表示部229に備えたタッチパネルを介して、モニター装置220およびカメラ本体210の操作を行うことができるようになっている。
【0025】
次に、充電対象であるカメラ200を非接触充電方式により充電する充電装置100について説明する。ここで、
図6は、本実施形態に係る充電装置100を示す斜視図である。また、
図7(A)は、
図6に示す充電装置100を示す側面図であり、
図7(B)は、
図7(A)に示す充電装置100を折り畳んだ場面を示す側面図である。なお、
図6および
図7においては、第1充電部120に内蔵される第1送電コイル121、および第2充電部130に内蔵される第2送電コイル131を破線で示している(後述する
図8、
図11においても同じ)。
【0026】
充電装置100は、
図6および
図7に示すように、第1充電部120と、該第1充電部120に接合する第2充電部130とを備えており、
図6に示すように、ACケーブル101およびACプラグ102を介して、たとえば室内の壁面に設けられたコンセントに電気的に接続することで、商用AC電源を利用することが可能となっている。また、充電装置100は、
図7(A)、
図7(B)に示すように、第2充電部130が、第1充電部120に対して回動することで、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度が変更できるように構成されている。
【0027】
たとえば、充電装置100は、カメラ200の充電を行う際には、
図7(A)に示すように、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度θが90°以上となるように、第1充電部120に対して第2充電部130を回動させることで、第1充電部120および第2充電部130により、カメラ本体210およびモニター装置220を充電することができる。また、カメラ200を充電しない場合には、
図7(B)に示すように、第1充電部120に対して第2充電部材130を回動させることで、充電装置100を折り畳んでおくことができる。なお、充電装置100による充電方法については、後述する。
【0028】
充電装置100の構成について説明する。受電装置100は、
図1に示すように、AC/DCコンバータ110と、第1充電部120と、第2充電部130と備えている。
【0029】
AC/DCコンバータ110は、商用電源であるAC電源から供給された交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を、第1充電部120および第2充電部130に供給する。
【0030】
第1充電部120は、
図1に示すように、第1送電コイル121、DC/ACコンバータ122、および第1制御部123を備えており、非接触充電方式により、カメラ200の充電を行う。なお、第1充電部120では、
図7に示すように、第1充電部120の主面124に、第1送電コイル121が設けられており、第1充電部120は、第1充電部120の主面124に、カメラ本体210またはモニター装置220を載置することで、これらの充電を行うことができる。
【0031】
たとえば、
図1に示すように、第1充電部120の主面124にカメラ本体210が載置された場合に、第1充電部120は、第1制御部123により、第1送電コイル121と、カメラ本体210の第1受電コイル211との電磁結合を検出し、これにより、充電対象であるカメラ本体210を検出する。充電対象であるカメラ本体210を検出できた場合には、第1充電部120は、DC/ACコンバータ122に、たとえば、数10Vの高電圧の交流電圧を生成させ、たとえば、100kHz程度の周波数の交流電圧を送電コイル121に通電させることで、第1送電コイル121に電磁誘導のための磁界を発生させる。これにより、第1充電部120の第1送電コイル121とカメラ本体210の第1受電コイル211との相互誘導により、カメラ本体210に電力を給電することができ、カメラ本体210に備える本体用バッテリ215の充電を行うことができる。なお、第1制御部123は、たとえば、カメラ200の充電の開始および終了、カメラ200に給電される電力の大きさなどの充電制御も行う。第1制御部123による充電方法の詳細については、後述する。
【0032】
また、第2充電部130は、
図1に示すように、第2送電コイル131、DC/ACコンバータ132、および第2制御部133を備えており、第1充電部120と同様に、非接触充電方式によりカメラ200の充電を行う。なお、第2充電部130では、
図7に示すように、第2充電部130の主面134に、第2送電コイル131が設けられており、第2充電部130は、第2充電部130の主面134に、カメラ本体210またはモニター装置220を載置することで、これらの充電を行うことができる。
【0033】
たとえば、第2充電部130は、
図1に示すように、第2充電部130の上面にモニター装置220が載置された場合には、第2制御部133により、第2充電部130の第2送電コイル131とモニター装置220の第2受電コイル221との電磁結合を検出し、これにより、充電対象であるモニター装置220を検出する。そして、第2充電部130は、第1充電部120と同様に、DC/ACコンバータ132により生成した交流電圧により、第2送電コイル131に電磁誘導のための磁界を発生させ、磁気誘導により、第2送電コイル131からモニター装置220へと電力を給電することで、モニター装置220に備えるバッテリ225の充電を行う。また、第2制御部133は、第1制御部123と同様に、たとえば、カメラ200の充電の開始および終了、カメラ200に給電される電力の大きさなどの充電制御も行う。第2制御部123による充電方法の詳細についても、後述する。
【0034】
次に、
図8および
図9を参照して、本実施形態に係るカメラ200の充電方法について説明する。
図8および
図9は、本実施形態のカメラ200の充電方法を説明するための図である。なお、
図9においては、説明の便宜のため、第1充電部120に内蔵されている第1送電コイル121、第2充電部130に内蔵されている第2送電コイル131、カメラ本体210に内蔵されている第1受電コイル211、モニター装置220に内蔵されている第2受電コイル221および表示部229を破線で示している(後述する
図11においても同様。)。
【0035】
まず、カメラ200の充電を行うために、
図7(B)に示すように、充電装置100が折り畳まれている場合には、
図7(A)に示すように、第1充電部120に対して第2充電部130を回動させ、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度を90°以上にする。
【0036】
そして、
図8および
図9に示すように、カメラ本体210を、第1送電コイル121が配置されている第1充電部120の主面124に載置する。カメラ本体210の第1受電コイル211は、カメラ本体210の背面に配置されているため、
図8および
図9に示すように、カメラ本体210の背面を第1充電部120に向けた状態で、カメラ本体210を第1充電部120の主面124に載置することで、第1充電部120の第1送電コイル121とカメラ本体210の第1受電コイル211との相互誘導により、第1充電部120からカメラ本体210に対して電力の伝送が行われ、カメラ本体210に備える本体用バッテリ225の充電が行われる。
【0037】
また、
図8および
図9に示すように、第2受電コイル221が配置されているモニター装置220の主面を第2充電部130に向けた状態で、モニター装置220を、第2送電コイル131が配置されている第2充電部130の主面134に載置する。これにより、第2充電部130の第2送電コイル131とモニター装置220の第2受電コイル221との相互誘導により、第2充電部130からモニター装置220に対して電力の伝送が行われ、モニター装置220に備えるモニター用バッテリ225の充電が行われる。
【0038】
さらに、このようにカメラ本体210およびモニター装置220の充電を行っている際に、カメラ本体210のカメラ制御部216は、カメラ本体210の本体用メモリ218に記憶されている画像データを、本体用通信部217からモニター装置220に無線通信で送信し、モニター装置220の表示部229に、送信した画像データに基づく画像を表示させることができる。これにより、カメラ本体210およびモニター装置220を充電しながら、たとえば、モニター装置220をデジタルフォトフレームのように用いて、カメラ200のユーザに、カメラ本体210で撮像された画像を、スライドショーで提供することができる。
【0039】
なお、画像データに基づく画像のスライドショーを提供するために、カメラ本体210の本体用メモリ218に記憶している画像データを、本体用通信部217からモニター装置220に送信する際には、非接触充電による電磁ノイズの影響を考慮して、カメラ本体210および/またはモニター装置220への電力の給電を一時的に中断させる構成としてもよい。
【0040】
次に、
図10を参照して、本実施形態に係る充電装置100の動作例を説明する。
図10は、本実施形態に係る充電装置100の動作を示すフローチャートである。なお、
図10に示す充電装置100の動作は、たとえば、充電装置100の電源がオンされることにより開始される。
【0041】
まず、ステップS101では、第1充電部120の第1制御部123および第2充電部130の第2制御部133により、充電対象の検出が行われる。たとえば、
図8および
図9に示すように、カメラ本体210およびモニター装置220が、第1充電部120および第2充電部130の上面にそれぞれ載置された場合に、第1制御部123は、第1送電コイル121と、カメラ本体210に備える第1受電コイル211との磁気結合を検出することで、充電対象となるカメラ本体210を検出し、また、第2制御部133は、第2送電コイル131と、モニター装置220に備える第2受電コイル221との磁気結合を検出することで、充電対象となるモニター装置220を検出する。充電対象が検出された場合には、ステップS102に進み、一方、充電対象が検出されない場合には、ステップS101で待機する。
【0042】
ステップS102では、第1充電部120の第1制御部123および第2充電部130の第2制御部133により、
図7(A)に示すように、第1充電部120に対する主面と第2充電部130の主面の角度θの検出が行われる。そして、ステップS103では、第1充電部120の第1制御部123および第2充電部130の第2制御部133により、ステップS102で検出された第1充電部120に対する主面と第2充電部130の主面の角度θが90°以上であるか否かの判断が行われる。たとえば、
図8および
図9に示すように、第1充電部120に対する主面と第2充電部130の主面の角度θが90°以上である場合には、ステップS104に進み、ステップS104で、第1制御部123により、第1充電部120による充電対象の充電が許可され、続くステップS105で、第2制御部133により、第2充電部130による充電対象の充電が許可される。一方、第1充電部120に対する主面と第2充電部130の主面の角度θが90°未満である場合には、ステップS106に進み、ステップS106で、第1制御部123により、第1充電部120による充電対象の充電が許可され、一方、続くステップS107で、第2制御部133により、第2充電部130による充電対象の充電が禁止される。
【0043】
すなわち、本実施形態では、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度が90°未満であるときに、第2充電部130の主面134,135のうち、第1充電部120に対向する第2充電部130の主面134に、第2送電コイル131が設けられている。そのため、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度が90°以上である場合には、
図8および
図9に示すように、第2送電コイル131が設けられている第2充電部130の主面134に充電対象を載置し、充電対象を充電することができるため、第2制御部133は、第2充電部130の充電を許可するように制御を行う。一方、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度が90°未満である場合には、第2送電コイル131が設けられている第2充電部130の主面134にモニター装置220を載置することができないため、第2制御部133は、第2充電部130による充電対象の充電を禁止するように制御を行う。なお、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度が、たとえば30°未満である場合には、第2充電部130による充電に加えて、第1充電部120による充電も禁止する構成としてもよい。
【0044】
そして、ステップS108では、第1充電部120および第2充電部130による、充電対象の充電が開始される。なお、ステップS107で、第2充電部130による充電が禁止されている場合には、第2充電部130による充電は行われず、第1充電部120による充電対象の充電のみが行われる。
【0045】
続くステップS109〜S112は、第1充電部120および第2充電部130により、それぞれ独立して処理が行われる。たとえば、
図8および
図9に示すように、第1充電部120によりカメラ本体210に備える本体用バッテリ215の充電が行われており、第2充電部130によりモニター装置220に備えるモニター用バッテリ225の充電が行われている場合、ステップS109〜S112では以下のように処理が行われる。
【0046】
すなわち、第1充電部120は、ステップS109で、第1充電部120によりカメラ本体210に備える本体用バッテリ215が満充電であるか否かを判断し、本体用バッテリ215が満充電でない場合は、ステップS112に進み、第1制御部123により、たとえば、カメラ本体210から受信した本体用バッテリ215の残充電容量や充電完了時間などの充電情報を、第1充電部120に備えるディスプレイ(不図示)に表示する処理が行われる。また、第1充電部120は、本体用バッテリ215が満充電となった場合には、ステップS110で、カメラ本体210に対する電力の伝送を終了して、本体用バッテリ215の充電を完了し、続くステップS111で、本体用バッテリ225の充電が完了した旨の報知を行う。同様に、第2充電部130は、ステップS109で、第2充電部130によりモニター装置220に備えるモニター用バッテリ225が満充電であるか否かを判断し、モニター用バッテリ225が満充電でない場合は、充電情報を、たとえば、第1充電部120に備えるディスプレイ(不図示)に表示する。また、第2充電部130は、モニター用バッテリ225が満充電となった場合には、ステップS110で、モニター装置220に対する電力の伝送を終了して、モニター用バッテリ225の充電を完了し、続くステップS111で、モニター用バッテリ225の充電が完了した旨の報知を行う。
【0047】
なお、本実施形態では、カメラ本体210およびモニター装置220と、第1充電部120および第2充電部220とが通信可能となっており、カメラ本体210およびモニター装置220の充電を行っている際には、カメラ本体210およびモニター装置220から、第1充電部120および第2充電部220に対して、カメラ本体210およびモニター装置220の充電状態などの情報が所定間隔で送信される。これにより、第1充電部120および第2充電部130は、カメラ本体210およびモニター装置220から受信した充電状態などの情報に基づいて、本体用バッテリ215およびモニター用バッテリ225が満充電であるか否かの判断や、本体用バッテリ215およびモニター用バッテリ225の残充電容量や充電完了時間などの充電情報の表示を行うことができる。なお、カメラ本体210およびモニター装置220と、第1充電部120および第2充電部220との通信方法は、特に限定されず、たとえば、第1送電コイル121および第2伝送コイル131、第1受電コイル211および第2受電コイル221を介して情報を通信する構成としてもよいし、あるいは、赤外線通信やBluetooth通信などの無線通信により情報を通信する構成としてもよい。また、本体用バッテリ215およびモニター用バッテリ225の残充電容量や充電完了時間などの充電情報を、充電装置100からモニター装置220に送信し、これらの充電情報を、モニター装置220の表示部229で表示する構成としてもよい。
【0048】
以上のように、本実施形態にかかるカメラ充電システムは、カメラ本体210および該カメラ本体210に着脱可能なモニター装置220とからなるカメラ200と、第1充電部120および該第1充電部120に接合する第2充電部130とからなる充電装置100とから構成されている。そして、本実施形態では、カメラ200を構成するカメラ本体210において、外部からの電力を受電するための第1受電コイル211が、
図5(B)に示すように、カメラ本体110を形成する面のうち、撮像レンズが配置されているカメラ本体210の正面を除く、最も面積が広いカメラ本体210の背面に設けられている。これにより、本実施形態では、第1受電コイル211の面積を充分に大きくすることができるため、第1受電コイル211の巻き数を多くして、充電装置100による本体用バッテリ215の充電効率を向上させることができる。
【0049】
一方、従来のように、カメラ本体210の正面に第1受電コイル211を配置した場合には、
図2に示すように、カメラ本体210の正面には撮像レンズが設けられているため、第1受電コイル211の面積を充分に大きくすることができず、本体用バッテリ215の充電効率が低くなってしまう場合がある。また、
図2に示すように、カメラ本体210の正面にはグリップ部が形成されている場合もあり、この場合に、第1受電コイル211が配置されたカメラ本体210の正面を第1充電部120に向けた状態で、カメラ本体210を第1充電部120の主面124に載置すると、グリップ部の厚みにより、第1充電部120の第1送電コイル121に対して、カメラ本体210の第1受電コイル211が傾いてしまい、本体用バッテリ215の充電効率が低くなってしまう場合がある。さらに、第1受電コイル211をカメラ本体210の正面に設けた場合には、本体用バッテリ215を充電するためには、グリップ部を金属で装飾することができず、グリップ部のデザインが制限されてしまうという問題もある。加えて、従来のように、第1受電コイル211を、カメラ本体210の側面や本体用バッテリ215の蓋部に配置した場合も、第1受電コイル211の面積を充分に大きくすることができず、本体用バッテリ215の充電効率が低くなってしまう場合があった。
【0050】
これに対して、本実施形態では、第1受電コイル211を、カメラ本体210を形成する面のうち、被写体からの光が入射する撮像レンズが設けられているカメラ本体210の正面を除く、最も面積が広いカメラ本体210の背面に設けることで、第1受電コイル211の面積を充分に大きくすることができ、本体用バッテリ215の充電効率を向上させることができる。特に本実施形態では、カメラ本体210からモニター装置220を着脱可能とすることで、カメラ本体210の背面において、第1受電コイル211の面積を大きくすることができる。
【0051】
また、本実施形態では、
図8および
図9に示すように、カメラ本体210を第1充電部120の主面124に載置するとともに、モニター装置220を第2充電部130の主面134に載置することで、第1充電部120によりカメラ本体210を、第2充電部130によりモニター装置220を、それぞれ同時に、電磁誘導による非接触充電方式により充電することができる。また、本実施形態では、カメラ本体210およびモニター装置220を充電しながら、カメラ本体210の本体用メモリ218に記憶している画像データを、本体用通信部217からモニター装置220に無線通信で送信し、モニター装置220の表示部229に、送信した画像データに基づく画像を表示させることにより、モニター装置220をデジタルフォトフレームのように用いて、カメラ200のユーザに、カメラ本体210で撮像された画像を、スライドショーで提供することができる。このように、本実施形態では、カメラ本体210の背面において、第1受電コイル211の面積を大きくするために、カメラ本体210から取り外したモニター装置220を、充電時に有効に利用することが可能となっている。なお、本実施形態では、第2充電部130が、第1充電部120に対して回動するため、カメラ200のユーザは、スライドショーを見やすいように、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度θを変更することができる。
【0052】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0053】
たとえば、上述した実施形態に加えて、カメラ本体210の第1受電コイル211と、モニター装置220の第2受電コイル221とが磁気結合し、カメラ本体210の本体用バッテリ215と、モニター装置220のモニター用バッテリ225との間で電力の授受が行われてしまうことを有効に防止するため、本体用充電制御部214は、カメラ本体210の第1受電コイル211とモニター装置220の第2受電コイル221とが近接しているか否かを検出し、カメラ本体210の第1受電コイル211とモニター装置220の第2受電コイル221とが近接している場合には、第1受電コイル211と本体用バッテリ215との間の電力の授受を禁止するように制御を行う構成としてもよい。たとえば、カメラ本体210にモニター装置220が装着されており、かつ、カメラ本体210の第1受電コイル211とモニター装置220の第2受電コイル221とが近接した場合には、モニター装置220に備える部材によって機械的に押下されるスイッチ機構を、カメラ本体210に備えておくことで、本体用充電制御部224は、このスイッチ機構が押下された場合に、カメラ本体210の第1受電コイル211とモニター装置220の第2受電コイル221とが近接していると検出することができる。また、本体用充電制御部224に、図示しないリレーを備えておくことで、本体用充電制御部224は、カメラ本体210の第1受電コイル211とモニター装置220の第2受電コイル221とが近接した場合に、このリレーにより第1受電コイル211と本体用バッテリ215とを電気的に切断することで、第1受電コイル211と本体用バッテリ215との間の電力の授受を禁止することができる。同様に、メラ本体210の第1受電コイル211とモニター装置220の第2受電コイル221とが近接した場合に、モニター用充電制御部224により、第2受電コイル221とモニター用バッテリ225との間の電力の授受を禁止する構成としてもよい。
【0054】
さらに、カメラ本体210の第1受電コイル211とモニター装置220の第2受電コイル221とが近接している場合に、たとえば、モニター装置220に備えるモニター用バッテリ225の残容量が少なくなった場合には、カメラ本体210からモニター装置220に電力を伝送し、モニター用バッテリ225の充電を行う構成としてもよい。同様に、カメラ本体210に備える本体用バッテリ215の残容量が少なくなった場合には、モニター装置220からカメラ本体210に電力を伝送し、本体用バッテリ215の充電を行う構成としてもよい。なお、この場合、カメラ本体210とモニター装置220との電力の授受は、カメラ本体210およびモニター装置220に備える電気接点を介して行うことができる。
【0055】
また、上述した実施形態では、
図8に示すように、第2充電部130の主面134が平面である構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、
図11に示すように、第2充電部130に、モニター装置220の形状に合わせた凹部を形成する構成としてもよい。この場合、モニター装置220を、第2充電部130の凹部に固定することで、モニター装置220の充電中に、モニター装置220の位置を固定することができるとともに、第2充電部130の第2送電コイル131と、モニター装置220の第2受電コイル221とを、電磁誘導に適切な位置で合わせすることができ、モニター装置220のモニター用バッテリ225の充電効率をより向上させることができる。また、第1充電部120に、カメラ本体210の形状に合わせた凹部を形成する構成としてもよいし、あるいは、第2充電部130に凸部を設けることで、モニター装置220の位置を、充電に適した第2充電部130の位置で固定する構成としてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、第2充電部130の主面134に、第2送電コイル131が設けられている構成を例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、
図12に示すように、第2充電部130aの主面134と反対側の主面135に、第2送電コイル131を設ける構成としてもよい。この場合において、第1充電部120の主面に対する第2充電部130aの主面の角度θが90°未満である場合には、第2充電部130aの主面135に充電対象を載置し、充電対象を充電することができるため、第1制御部123により第1充電部120による充電対象の充電が許可されるとともに、第2制御部133により、第2充電部130aによる主面135での充電対象の充電が許可される。一方、第1充電部120に対する主面と第2充電部130aの主面の角度θが90°以上である場合には、第2充電部130aの主面135にモニター装置220を載置することができないため、第1制御部123により、第1充電部120による充電対象の充電が許可され、第2制御部133により、第2充電部130aによる主面135での充電対象の充電が禁止される。なお、
図12は、他の実施形態に係る充電装置を示す図である。
【0057】
さらに、第2充電部130が、第2充電部130の主面134,135のいずれの面でも、充電対象の充電が可能である場合には、以下のように、第2充電部130による充電対象の充電を行うことができる。すなわち、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度が90°未満である場合には、第1充電部120による充電対象の充電、および、第2充電部130による主面134での充電対象の充電が許可され、第2充電部130による主面135での充電対象の充電は禁止される。また、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度θが90°以上である場合には、第1充電部120による充電対象の充電、および、第2充電部130による主面134での充電が許可され、第2充電部130による主面135での充電が禁止される。
【0058】
また、充電装置100を、第2充電部130の主面134,135が相互に入れ替わるように、第2充電部130を、水平面上で回転可能(ヨー方向に回転可能)に設ける構成としてもよい。この場合でも、上述したように、第1充電部120の主面に対する第2充電部130の主面の角度θに基づいて、第1充電部120および第2充電部130による充電対象の充電を制御することで、第1充電部120および第2充電部130による充電対象の充電を適切に行うことができる。
【0059】
さらに、上述した実施形態では、
図3に示すように、カメラ本体210の背面全体を覆うように、カメラ本体210にモニター装置220が装着される構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、
図13に示すように、カメラ本体210aの背面の一部を覆うように、モニター装置220aをカメラ本体210aに装着する構成としてもよい。この場合、モニター装置220aにより覆われていないカメラ本体210aの背面部分を、
図13(A)に示すように、操作部として構成してもよい。また、
図13(B)に示すように、カメラ本体210aの背面に、ファインダー(または電子ビューファインダー)を備えることで、モニター装置220がなくとも、カメラ本体210aで撮影を行える構成としてもよい。さらには、ファインダーをカメラ本体210aに外付け可能な構成としてもよい。なお、
図13に示すカメラ本体210aにおいても、カメラ本体210aの背面は平面に構成されており、カメラ本体210aの背面を充電装置100に向けた状態で、カメラ本体210aを充電装置100に載置することで、充電装置100によるカメラ本体210aの充電が適切に行われるようになっている。
【0060】
また、上述した実施形態では、電磁誘導により、第1充電部120および第2充電部130から、カメラ本体210およびモニター装置220に電力を伝送する構成を例示したが、この構成に例示されるものではなく、たとえば、磁界共鳴方式やマイクロ波伝送方式により、第1充電部120および第2充電部130から、カメラ本体210およびモニター装置220に電力を伝送する構成としてもよい。
【0061】
加えて、上述した実施形態では、カメラ本体210から送信された画像データを、一時的にモニター用メモリ228に記憶し、モニター制御部226により、モニター用メモリ228に記憶されている画像データを読み出すことで、モニター制御部226が、表示部229に、カメラ本体210から送信された画像データに基づく画像を表示させる構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、モニター制御部226は、カメラ本体210から送信された画像データを、モニター用メモリ228に記憶せずに、そのまま、表示部229に表示させる構成としてもよい。
【0062】
また、上述した実施形態では、カメラ本体210およびモニター装置220の充電を行っている際に、カメラ本体210で撮像した画像データを、カメラ本体210からモニター装置220に無線通信で送信することで、モニター装置220の表示部229に、カメラ本体210から送信された画像データに基づく画像を表示させる構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、充電装置100を介して、カメラ本体210で撮像した画像データを、カメラ本体210からモニター装置220に送信する構成としてもよい。たとえば、カメラ本体210で撮像された画像データを、第1受電コイル211および第1送電コイル121を介して、カメラ本体210から第1充電部120に画像データを送信し、さらに、第1充電部120から第2充電部に送信した後に、第2送電コイル131および第2受電コイル221を介して、第2充電部130からモニター装置220に送信する構成としてもよい。
【0063】
さらに、上述した実施形態では、モニター装置220が、カメラ本体210に着脱可能となっている構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、モニター装置220が、カメラ本体210に結合されており、カメラ本体210から取り外せない構成としてもよい。