【文献】
Highly Efficient Photovoltaic Polymers Based on Benzodithiophene and Quinoxaline with Deeper HOMO Levels,Macromolecules,2015年,Vol.48,p.5172-5178
【文献】
Fluorinated and Alkylthiolated Polymeric Donors Enable both Efficient Fullerene and Nonfullerene Polymer Solar Cells,Advanced Functional Materials,2018年01月15日,Vol.28,1706404
【文献】
A feasible random copolymer approach for high-efficiency polymeric photovoltaic cells,Journal of Materials Chemistry A,2016年,Vol.4,p.11439-11445
【文献】
Selenium-substituted polymers for improved photovoltaic performance,Physical Chemistry Chemical Physics,2016年,Vol.18,p.7978-7986
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0012】
本明細書において、「単位」とは、重合体の単量体に含まれる繰り返し構造であって、単量体が重合によって重合体内に結合した構造を意味する。
【0013】
本明細書において、「単位を含む」の意味は、重合体内の主鎖に含まれるという意味である。
【0014】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0015】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0016】
本明細書において、エネルギー準位は、エネルギーの大きさを意味するものである。したがって、真空準位からマイナス(−)方向にエネルギー準位が表示される場合にも、エネルギー準位は、該当エネルギー値の絶対値を意味すると解釈される。例えば、HOMOエネルギー準位とは、真空準位から最高占有分子オービタル(highest occupied molecular orbital)までの距離を意味する。また、LUMOエネルギー準位とは、真空準位から最低非占有分子オービタル(lowest unoccupied molecular orbital)までの距離を意味する。
【0017】
本明細書の一実施態様は、前記化学式1で表される第1単位;前記化学式2で表される第2単位;および前記化学式3または4で表される第3単位を含む重合体を提供する。
【0018】
具体的には、前記化学式1で表される第1単位にハロゲン基、好ましくは、フッ素が置換されていてもよいが、これによって、HOMOエネルギー準位が低くなり、開放電圧が向上する効果を得ることができる。
【0019】
本明細書において、置換基の例示は以下に説明するが、これに限定されるものではない。
【0020】
前記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子が置換される位置すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定せず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0021】
本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアリール基;および置換もしくは非置換のヘテロ環基からなる群より選択された1個以上の置換基で置換されているか、前記例示された置換基のうち2以上の置換基が連結された置換基で置換されるか、もしくはいずれの置換基も有しないことを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であってもよい。すなわち、ビフェニル基は、アリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基と解釈されてもよい。
【0022】
本明細書において、ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素がある。
【0023】
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1〜50のものが好ましい。具体例としては、メチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチル−ブチル、1−エチル−ブチル、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、1−エチル−プロピル、1,1−ジメチル−プロピル、イソヘキシル、2−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、および5−メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書において、シクロアルキル基は特に限定されないが、炭素数3〜60のものが好ましく、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、3,4,5−トリメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルなどがあるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書において、前記アリール基が単環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数6〜25のものが好ましい。具体的には、単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、およびターフェニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
本明細書において、前記アリール基が多環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数10〜24のものが好ましい。具体的には、多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、およびフルオレニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
本明細書において、前記フルオレニル基は置換されていてもよいし、隣接した置換基が互いに結合して環を形成してもよい。
【0028】
本明細書において、アリーレン基は、アリール基に結合位置が2つあるもの、すなわち2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることは除けば、前述したアリール基の説明が適用可能である。
【0029】
本明細書において、前記アルコキシ基は、直鎖、分枝鎖もしくは環鎖であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1〜20のものが好ましい。具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、i−プロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
本明細書において、前記アルキルチオ基は、−S−R(Rは、アルキル基)で表される置換基を意味し、直鎖、分枝鎖もしくは環鎖であってもよい。アルキルチオ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1〜20のものが好ましい。具体的には、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、i−プロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、sec−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、ネオペンチルチオ、イソペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、3,3−ジメチルブチルチオ、2−エチルブチルチオ、n−オクチルチオ、n−ノニルチオ、n−デシルチオ、ベンジルチオ、およびp−メチルベンジルチオなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
本明細書において、アリールオキシ基、アリールチオ基、およびアリールスルホキシ基中のアリール基は、前述したアリール基の例示の通りである。具体的には、アリールオキシ基としては、フェノキシ、p−トリルオキシ、m−トリルオキシ、3,5−ジメチル−フェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシ、p−tert−ブチルフェノキシ、3−ビフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、4−メチル−1−ナフチルオキシ、5−メチル−2−ナフチルオキシ、1−アントリルオキシ、2−アントリルオキシ、9−アントリルオキシ、1−フェナントリルオキシ、3−フェナントリルオキシ、9−フェナントリルオキシ、ベンジルオキシ、およびp−メチルベンジルオキシなどがあり、アリールチオ基としては、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基などがあり、アリールスルホキシ基としては、ベンゼンスルホキシ基、p−トルエンスルホキシ基などがあるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書において、アルキルチオ基およびアルキルスルホキシ基中のアルキル基は、前述したアルキル基の例示の通りである。具体的には、アルキルスルホキシ基としては、メチルスルホキシ基、エチルスルホキシ基、プロピルスルホキシ基、ブチルスルホキシ基などがあるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書において、前記アルケニル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2〜40のものが好ましい。具体例としては、ビニル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、1,3−ブタジエニル、アリル、1−フェニルビニル−1−イル、2−フェニルビニル−1−イル、2,2−ジフェニルビニル−1−イル、2−フェニル−2−(ナフチル−1−イル)ビニル−1−イル、2,2−ビス(ジフェニル−1−イル)ビニル−1−イル、スチルベニル基、およびスチレニル基などがあるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書において、アミン基は、炭素数は特に限定されないが、1〜30のものが好ましい。アミン基は、N原子に、アリール基、アルキル基、アリールアルキル基、およびヘテロ環基などで置換されていてもよいし、アミン基の具体例としては、メチルアミン基、ジメチルアミン基、エチルアミン基、ジエチルアミン基、フェニルアミン基、ナフチルアミン基、ビフェニルアミン基、アントラセニルアミン基、9−メチル−アントラセニルアミン基、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、およびトリフェニルアミン基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0035】
本明細書において、ヘテロ環基は、炭素でない原子、異種原子を1以上含むものであって、具体的には、前記異種原子は、O、N、Se、およびSなどからなる群より選択される原子を1以上含むことができる。ヘテロ環基の炭素数は特に限定されないが、炭素数2〜60のものが好ましい。ヘテロ環基の例としては、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジン基、トリアゾール基、アクリジル基、ピリダジン基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリン基、キノキサリニル基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン(phenanthroline)基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、フェノチアジニル基、ジベンゾフラニル基、およびセレナジアゾリル基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0036】
本明細書の一実施態様において、前記X1〜X5は、それぞれSである。
【0037】
本明細書の一実施態様において、前記X6は、NRであり、前記Rは、炭素数1〜20のアルキル基である。
【0038】
本明細書の一実施態様において、前記X6は、NRであり、前記Rは、エチルヘキシルである。
【0039】
本明細書の一実施態様において、前記X6は、NRであり、前記Rは、2−エチルヘキシルである。
【0040】
本明細書の一実施態様において、前記A1〜A4は、それぞれフッ素である。
【0041】
本明細書の一実施態様において、前記Cy1およびCy2は、それぞれ炭素数2〜10のヘテロ環基である。
【0042】
本明細書の一実施態様において、前記Cy1およびCy2は、それぞれチオフェン基である。
【0043】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、ヘテロ環基である。
【0044】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、アルキル基またはアリール基で置換されたヘテロ環基である。
【0045】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、ヘテロ原子としてS、Se、および/またはNを含むヘテロ環基である。
【0046】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、ピラジニル基である。
【0047】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、アルキル基またはアリール基で置換されたピラジニル基である。
【0048】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、セレナジアゾール基である。
【0049】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、1,2,5−セレナジアゾリル基である。
【0050】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、チアジアゾリル基である。
【0051】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、1,2,5−チアジアゾリル基である。
【0052】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、トリアゾール基である。
【0053】
本明細書の一実施態様において、前記Cy3は、アルキル基またはアリール基で置換されたトリアゾール基である。
【0054】
本明細書の一実施態様において、前記Q1およびQ2は、それぞれOである。
【0055】
本明細書の一実施態様において、前記Q1およびQ2は、それぞれSである。
【0056】
本明細書の一実施態様において、前記R1〜R6は、それぞれ水素である。
【0057】
本明細書の一実施態様において、前記R7およびR8は、それぞれ置換もしくは非置換のアルコキシ基である。
【0058】
本明細書の一実施態様において、前記R7およびR8は、それぞれ炭素数1〜20のアルコキシ基である。
【0059】
本明細書の一実施態様において、前記R7およびR8は、それぞれドデシルオキシである。
【0060】
本明細書の一実施態様において、前記R7およびR8は、それぞれ(エチルヘキシル)オキシである。
【0061】
本明細書の一実施態様において、前記R7およびR8は、それぞれ(2−エチルヘキシル)オキシである。
【0062】
本明細書の一実施態様において、前記R7およびR8は、それぞれハロゲン基である。
【0063】
本明細書の一実施態様において、前記R7およびR8は、それぞれフッ素である。
【0064】
本明細書の一実施態様において、前記R7およびR8は、それぞれ水素である。
【0065】
本明細書の一実施態様において、前記R11およびR12は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基である。
【0066】
本明細書の一実施態様において、前記R11およびR12は、それぞれ炭素数5〜15のアルキル基である。
【0067】
本明細書の一実施態様において、前記R11およびR12は、それぞれヘキシルである。
【0068】
本明細書の一実施態様において、前記R11およびR12は、それぞれエチルヘキシルである。
【0069】
本明細書の一実施態様において、前記R11およびR12は、それぞれ2−エチルヘキシルである。
【0070】
本明細書の一実施態様において、前記R11およびR12は、それぞれブチルヘキシルである。
【0071】
本明細書の一実施態様において、前記R11およびR12は、それぞれ2−ブチルヘキシルである。本明細書の一実施態様において、前記第1単位は、下記化学式1−1で表されてもよい。
[化学式1−1]
【化5】
【0072】
前記化学式1−1において、
R1、R2、R11、R12、X1、X2、A1およびA2は、前記化学式1で定義したものと同じであり、
X7およびX8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、NR、O、SiRR'、PR、S、GeRR'、Se、またはTeである。
【0073】
本明細書の一実施態様において、前記X7およびX8は、それぞれSである。
【0074】
本明細書の一実施態様において、前記第1単位は、下記化学式1−2で表されてもよい。
[化学式1−2]
【化6】
【0075】
前記化学式1−2において、
R11、R12、A1およびA2は、前記化学式1で定義したものと同じである。
【0076】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1−2において、A1およびA2は、それぞれフッ素である。
【0077】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1−2において、A1およびA2は、それぞれ塩素である。
【0078】
本明細書の一実施態様において、前記第1単位は、下記化学式1−2−1または1−2−2で表されてもよい。
[化学式1−2−1]
【化7】
[化学式1−2−2]
【化8】
【0079】
本明細書の一実施態様において、前記第2単位は、下記化学式2−1で表されてもよい。
[化学式2−1]
【化9】
【0080】
前記化学式2−1において、
R3〜R6、A3およびA4は、前記化学式2で定義したものと同じである。
【0081】
本明細書の一実施態様において、前記第3単位は、下記化学式3−1〜3−3のうちのいずれか1つで表されてもよい。
[化学式3−1]
【化10】
[化学式3−2]
【化11】
[化学式3−3]
【化12】
【0082】
前記化学式3−1〜3−3において、
R7、R8、Q1およびQ2は、前記化学式3および4で定義したものと同じであり、
X9は、CRR'、NR、O、SiRR'、PR、S、GeRR'、Se、またはTeであり、
Y1〜Y4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、CR"、N、SiR"、P、またはGeR"であり、
R、R'、R"、R9、R10およびR19は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアリールチオ基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基である。
【0083】
本明細書の一実施態様において、前記X9は、Sである。
【0084】
本明細書の一実施態様において、前記X9は、Seである。
【0085】
本明細書の一実施態様において、前記X9は、NRであり、前記Rは、置換もしくは非置換のアルキル基である。
【0086】
本明細書の一実施態様において、前記X9は、NRであり、前記Rは、炭素数1〜20のアルキル基である。
【0087】
本明細書の一実施態様において、前記X9は、NRであり、前記Rは、エチルヘキシルである。
【0088】
本明細書の一実施態様において、前記X9は、NRであり、前記Rは、2−エチルヘキシルである。
【0089】
本明細書の一実施態様において、前記Y1〜Y4は、それぞれNである。
【0090】
本明細書の一実施態様において、前記R19は、置換もしくは非置換のアルキル基である。
【0091】
本明細書の一実施態様において、前記R19は、炭素数1〜30のアルキル基である。
【0092】
本明細書の一実施態様において、前記R19は、炭素数1〜15のアルキル基である。
【0093】
本明細書の一実施態様において、前記R19は、エチルヘキシルである。
【0094】
本明細書の一実施態様において、前記R19は、2−エチルヘキシルである。
【0095】
本明細書の一実施態様において、前記R9およびR10は、それぞれ置換もしくは非置換のアリールオキシ基である。
【0096】
本明細書の一実施態様において、前記R9およびR10は、それぞれ置換もしくは非置換の(オクチルオキシ)フェニルである。
【0097】
本明細書の一実施態様において、前記R9およびR10は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基である。
【0098】
本明細書の一実施態様において、前記R9およびR10は、それぞれ炭素数5〜15のアルキル基である。
【0099】
本明細書の一実施態様において、前記R9およびR10は、それぞれオクチルである。
【0100】
本明細書の一実施態様において、前記第3単位は、下記化学式3−4〜3−9のうちのいずれか1つで表されてもよい。
[化学式3−4]
【化13】
[化学式3−5]
【化14】
[化学式3−6]
【化15】
[化学式3−7]
【化16】
[化学式3−8]
【化17】
[化学式3−9]
【化18】
【0101】
前記化学式3−4〜3−9において、
R7〜R10およびR19は、前記化学式3−1〜3−3で定義したものと同じである。
【0102】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、下記化学式5で表される単位を含むことができる。
[化学式5]
【化19】
【0103】
前記化学式5において、
lは、モル分率であって、0<l<1の実数であり、
mは、モル分率であって、0<m<1の実数であり、
l+m=1であり、
Aは、前記化学式1で表される第1単位であり、
Bは、前記化学式2で表される第2単位であり、
CおよびC'は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、前記化学式3または化学式4で表される第3単位であり、
nは、単位の繰り返し数であって、1〜10,000の整数である。
【0104】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、下記化学式5−1または5−2で表される単位を含むことができる。
[化学式5−1]
【化20】
[化学式5−2]
【化21】
【0105】
前記化学式5−1および5−2において、
X1〜X6は、A1〜A4、Cy1〜Cy3、Q1、Q2、R、R'、R"、R1〜R8、R11およびR12は、前記化学式1〜4で定義したものと同じであり、
1、mおよびnは、前記化学式5で定義したものと同じであり、
X15およびX16は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、CRR'、NR、O、SiRR'、PR、S、GeRR'、Se、またはTeであり、
Cy13は、置換もしくは非置換のヘテロ環基であり、
Q11およびQ12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、OまたはSであり、
R17およびR18は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオ基;置換もしくは非置換のアリールチオ基;置換もしくは非置換のアルキルスルホキシ基;置換もしくは非置換のアリールスルホキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロ環基である。
【0106】
本明細書の一実施態様において、前記Q11およびQ12は、それぞれOである。
【0107】
本明細書の一実施態様において、前記Q11およびQ12は、それぞれSである。
【0108】
本明細書の一実施態様において、前記R17およびR18は、それぞれ置換もしくは非置換のアルコキシ基である。
【0109】
本明細書の一実施態様において、前記R17およびR18は、それぞれ炭素数1〜20のアルコキシ基である。
【0110】
本明細書の一実施態様において、前記R17およびR18は、それぞれドデシルオキシである。
【0111】
本明細書の一実施態様において、前記R17およびR18は、それぞれ(エチルヘキシル)オキシである。
【0112】
本明細書の一実施態様において、前記R17およびR18は、それぞれ(2−エチルヘキシル)オキシである。
【0113】
本明細書の一実施態様において、前記R17およびR18は、それぞれハロゲン基である。
【0114】
本明細書の一実施態様において、前記R17およびR18は、それぞれフッ素である。
【0115】
本明細書の一実施態様において、前記R17およびR18は、それぞれ水素である。
【0116】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、ヘテロ環基である。
【0117】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、アルキル基またはアリール基で置換されたヘテロ環基である。
【0118】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、ヘテロ原子としてS、Se、および/またはNを含むヘテロ環基である。
【0119】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、ピラジニル基である。
【0120】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、アルキル基またはアリール基で置換されたピラジニル基である。
【0121】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、セレナジアゾール基である。
【0122】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、1,2,5−セレナジアゾリル基である。
【0123】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、チアジアゾリル基である。
【0124】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、1,2,5−チアジアゾリル基である。
【0125】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、トリアゾール基である。
【0126】
本明細書の一実施態様において、前記Cy13は、アルキル基またはアリール基で置換されたトリアゾール基である。
【0127】
本明細書の一実施態様において、前記X15は、Sである。
【0128】
本明細書の一実施態様において、前記X16は、NRであり、前記Rは、炭素数1〜20のアルキル基である。
【0129】
本明細書の一実施態様において、前記X16は、NRであり、前記Rは、エチルヘキシルである。
【0130】
本明細書の一実施態様において、前記X16は、NRであり、前記Rは、2−エチルヘキシルである。
【0131】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、下記化学式5−3〜5−9のうちのいずれか1つである。
[化学式5−3]
【化22】
[化学式5−4]
【化23】
[化学式5−5]
【化24】
[化学式5−6]
【化25】
[化学式5−7]
【化26】
[化学式5−8]
【化27】
[化学式5−9]
【化28】
【0132】
前記化学式5−3〜5−9において、
A1、A2、R11およびR12は、前記化学式1で定義したものと同じであり、
R107およびR108は、互いに同一または異なり、それぞれ水素;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基またはハロゲン基であり、R109、R110およびR119は、互いに同一または異なり、それぞれ水素;または置換もしくは非置換のアルキル基であり、
lは、モル分率であって、0<l<1の実数であり、
mは、モル分率であって、0<m<1の実数であり、
l+m=1であり、
nは、単位の繰り返し数であって、1〜10,000の整数である。
【0133】
本明細書の一実施態様において、前記A1およびA2は、それぞれフッ素または塩素である。
【0134】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれ炭素数1〜30のアルキル基である。
【0135】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれ炭素数5〜15のアルキル基である。
【0136】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれドデシル(dodecyl)基である。
【0137】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれオクチル(octyl)基である。
【0138】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれエチルヘキシル(ethylhexyl)基である。
【0139】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれ2−エチルヘキシル(2−ethylhexyl)基である。
【0140】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれ炭素数1〜30のアルコキシ基である。
【0141】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれ炭素数5〜15のアルコキシ基である。
【0142】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれドデシルオキシ((dodecyl)oxy)基である。
【0143】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれオクチルオキシ((octyl)oxy)基である。
【0144】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれエチルヘキシルオキシ((ethylhexyl)oxy)基である。
【0145】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれ2−エチルヘキシルオキシ((2−ethylhexyl)oxy)基である。
【0146】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれフッ素である。
【0147】
本明細書の一実施態様において、前記R107およびR108は、それぞれ水素である。
【0148】
本明細書の一実施態様において、前記R109およびR110は、それぞれ炭素数1〜30のアルキル基である。
【0149】
本明細書の一実施態様において、前記R109およびR110は、それぞれ炭素数5〜15のアルキル基である。
【0150】
本明細書の一実施態様において、前記R109およびR110は、それぞれオクチル(octyl)基である。
【0151】
本明細書の一実施態様において、前記R119は、炭素数1〜30のアルキル基である。
【0152】
本明細書の一実施態様において、前記R119は、炭素数1〜15のアルキル基である。
【0153】
本明細書の一実施態様において、前記R119は、エチルヘキシル(ethylhexyl)基である。
【0154】
本明細書の一実施態様において、前記R119は、2−エチルヘキシル(2−ethylhexyl)基である。
【0155】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、下記化学式6−1〜6−30のうちのいずれか1つであってもよい。
[化学式6−1]
【化29】
[化学式6−2]
【化30】
[化学式6−3]
【化31】
[化学式6−4]
【化32】
[化学式6−5]
【化33】
[化学式6−6]
【化34】
[化学式6−7]
【化35】
[化学式6−8]
【化36】
[化学式6−9]
【化37】
[化学式6−10]
【化38】
[化学式6−11]
【化39】
[化学式6−12]
【化40】
[化学式6−13]
【化41】
[化学式6−14]
【化42】
[化学式6−15]
【化43】
[化学式6−16]
【化44】
[化学式6−17]
【化45】
[化学式6−18]
【化46】
[化学式6−19]
【化47】
[化学式6−20]
【化48】
[化学式6−21]
【化49】
[化学式6−22]
【化50】
[化学式6−23]
【化51】
[化学式6−24]
【化52】
[化学式6−25]
【化53】
[化学式6−26]
【化54】
[化学式6−27]
【化55】
[化学式6−28]
【化56】
[化学式6−29]
【化57】
[化学式6−30]
【化58】
【0156】
前記化学式6−1〜6−30において、
lは、モル分率であって、0<l<1の実数であり、
mは、モル分率であって、0<m<1の実数であり、
l+m=1であり、
nは、単位の繰り返し数であって、1〜10,000の整数である。
【0157】
本明細書の一実施態様において、前記lおよびmは、それぞれ0.5である。
【0158】
本明細書の一実施態様は、第1電極と、前記第1電極に対向して備えられる第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に備えられ、光活性層を含む1層以上の有機物層とを含み、前記光活性層は、前記重合体を含むものである有機太陽電池を提供する。
【0159】
本明細書の一実施態様において、前記光活性層は、電子供与体および電子受容体を含み、前記電子供与体は、前記重合体を含む。
【0160】
本明細書の一実施態様において、前記電子受容体は、非フラーレン系化合物を含む。
【0161】
本明細書の一実施態様において、前記非フラーレン系化合物は、下記化学式Aで表されてもよい。
[化学式A]
【化59】
【0162】
前記化学式Aにおいて、
Ra〜Rfは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;または置換もしくは非置換のアルキル基であり、
La〜Ldは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換の2価のヘテロ環基であり、
MaおよびMbは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、ハロゲン基;または置換もしくは非置換のアルキル基であり、
pおよびqは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、0〜2の整数であり、
pまたはqが2の場合、括弧内の構造は、互いに同一である。
【0163】
本明細書の一実施態様において、Ra〜Rdは、それぞれアルキル基である。
【0164】
本明細書の一実施態様において、Ra〜Rdは、それぞれ炭素数1〜30のアルキル基である。
【0165】
本明細書の一実施態様において、Ra〜Rdは、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基である。
【0166】
本明細書の一実施態様において、Ra〜Rdは、それぞれヘキシルである。
【0167】
本明細書の一実施態様において、ReおよびRfは、それぞれ水素である。
【0168】
本明細書の一実施態様において、La〜Ldは、それぞれアリーレン基である。
【0169】
本明細書の一実施態様において、La〜Ldは、それぞれ炭素数6〜25のアリーレン基である。
【0170】
本明細書の一実施態様において、La〜Ldは、それぞれフェニレン基である。
【0171】
本明細書の一実施態様において、MaおよびMbは、それぞれ水素である。
【0172】
本明細書の一実施態様において、MaおよびMbは、それぞれアルキル基である。
【0173】
本明細書の一実施態様において、MaおよびMbは、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基である。
【0174】
本明細書の一実施態様において、MaおよびMbは、それぞれメチル基である。
【0175】
本明細書の一実施態様において、MaおよびMbは、それぞれハロゲン基である。
【0176】
本明細書の一実施態様において、MaおよびMbは、それぞれフッ素である。
【0177】
本明細書の一実施態様において、pおよびqは、それぞれ0である。
【0178】
本明細書の一実施態様において、pおよびqは、それぞれ1である。
【0179】
本明細書の一実施態様において、pおよびqは、それぞれ2である。
【0180】
本明細書の一実施態様において、前記電子受容体は、下記化学式A−1〜A−6のうちのいずれか1つであってもよい。
[化学式A−1]
【化60】
[化学式A−2]
【化61】
[化学式A−3]
【化62】
[化学式A−4]
【化63】
[化学式A−5]
【化64】
[化学式A−6]
【化65】
【0181】
本明細書の一実施態様において、前記非フラーレン(non−fullerene)系化合物は、フラーレン系化合物より熱安定性が高い。
【0182】
本明細書の一実施態様において、前記電子供与体は、前記化学式5−1または5−2で表される単位を含む重合体であり、前記電子受容体は、前記化学式Aで表される化合物である。
【0183】
本明細書の一実施態様において、前記電子供与体と電子受容体との質量比は、2:1〜1:5である。好ましくは1:1〜1:5であり、さらに好ましくは1:1〜1:3である。
【0184】
本明細書の一実施態様において、前記電子供与体および電子受容体は、バルクヘテロジャンクション(BHJ)を構成することができる。バルクヘテロジャンクションとは、光活性層で電子供与物質と電子受容物質とが互いに混ざっていることを意味する。
【0185】
本明細書の一実施態様において、前記電子供与体は、p型有機物層であってもよく、前記電子受容体は、n型有機物層であってもよい。
【0186】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、ランダム重合体である。また、ランダム重合体の場合に溶解度が向上して、素子の製造工程上、時間費用的に経済的な効果がある。
【0187】
本明細書の一実施態様において、前記重合体の末端基は、ヘテロ環基またはアリール基である。
【0188】
本明細書の一実施態様において、前記重合体の末端基は、4−(トリフルオロメチル)フェニル基(4−(trifluoromethyl)phenyl)である。
【0189】
本明細書の一実施態様において、前記重合体の末端基は、ブロモチオフェン基(bromo−thiophene)である。
【0190】
本明細書の一実施態様において、前記重合体の末端基は、トリフルオロ−ベンゼン基(trifluoro−benzene)である。
【0191】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、末端がキャッピング(capping)されていない状態であってもよい。
【0192】
本明細書の一実施態様において、前記重合体の数平均分子量は、5,000g/mol〜1,000,000g/molが好ましい。一定以上の溶解度を有して溶液塗布法の適用を有利にするために、数平均分子量は100,000g/mol以下のものが好ましい。
【0193】
本明細書の一実施態様において、前記重合体は、1〜10の分子量分布を有することができる。好ましくは、前記重合体は、1〜3の分子量分布を有する。分子量分布は低いほど、数平均分子量は大きくなるほど、電気的特性と機械的特性がより良くなる。
【0194】
本明細書の一実施態様において、分子量分布は、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で割った数値、すなわち、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)を意味し、前記重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、クロロベンゼンを溶媒として、GPC(Gel Permeation Chromatography)で測定した。
【0195】
前記重合体は、各単位の単量体を、クロロベンゼンを溶媒として、Pd
2(dba)
3およびP(o−tolyl)
3と共に入れて、マイクロウェーブ反応器で重合して製造される。
【0196】
本明細書に係る重合体は、多段階の化学反応で製造することができる。アルキル化反応、グリニャール(Grignard)反応、スズキ(Suzuki)カップリング反応、およびスティル(Stille)カップリング反応などによりモノマーを製造した後、スティルカップリング反応などの炭素−炭素カップリング反応により最終重合体を製造することができる。導入しようとする置換基がボロン酸(boronic acid)またはボロン酸エステル(boronic ester)化合物の場合には、スズキカップリング反応により製造することができ、導入しようとする置換基がトリブチルチン(tributyltin)またはトリメチルチン(trimethyltin)化合物の場合には、スティルカップリング反応により製造することができるが、これに限定されるものではない。
【0197】
図1は、本明細書の一実施態様に係る有機太陽電池を示す図であり、第1電極101上に、電子輸送層102、光活性層103、および正孔輸送層104、および第2電極105が順次に積層された構造であるが、本明細書の有機太陽電池の構造はこれに限定されない。
【0198】
本明細書の一実施態様において、前記有機太陽電池は、付加的な有機物層をさらに含んでもよい。前記有機太陽電池は、様々な機能を同時に有する有機物を用いて有機物層の数を減少させることができる。
【0199】
本明細書の一実施態様において、前記第1電極は、アノードであり、前記第2電極は、カソードである。もう一つの実施態様において、前記第1電極は、カソードであり、前記第2電極は、アノードである。
【0200】
もう一つの実施態様において、前記有機太陽電池は、アノード、正孔輸送層、光活性層、電子輸送層、およびカソードの順に配列されてもよく、カソード、電子輸送層、光活性層、正孔輸送層、およびアノードの順に配列されてもよいが、これに限定されない。
【0201】
本明細書の一実施態様において、前記有機太陽電池は、ノーマル(Normal)構造である。前記ノーマル構造では、基板、第1電極、正孔輸送層、光活性層を含む有機物層、電子輸送層、および第2電極の順に積層されてもよい。
【0202】
本明細書の一実施態様において、前記有機太陽電池は、インバーテッド(Inverted)構造である。前記インバーテッド構造では、基板、第1電極、電子輸送層、光活性層を含む有機物層、正孔輸送層、および第2電極の順に積層されてもよい。
【0203】
本明細書の一実施態様において、前記有機太陽電池は、タンデム(tandem)構造である。この場合、前記有機太陽電池は、2層以上の光活性層を含むことができる。本明細書の一実施態様に係る有機太陽電池は、光活性層が1層または2層以上であってもよい。
【0204】
本明細書の一実施態様に係る有機太陽電池は、光活性層が1層または2層以上であってもよい。
【0205】
もう一つの実施態様において、バッファ層が光活性層と正孔輸送層との間、または光活性層と電子輸送層との間に備えられる。この時、正孔注入層がアノードと正孔輸送層との間にさらに備えられてもよい。また、電子注入層がカソードと電子輸送層との間にさらに備えられてもよい。
【0206】
本明細書の一実施態様において、前記基板は、透明性、表面平滑性、取扱容易性および防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板になってもよいが、これに限定されず、有機太陽電池に通常用いられる基板であれば限定はない。具体的には、ガラス、PET(polyethylene terephthalate)、PEN(polyethylene naphthalate)、PP(polypropylene)、PI(polyimide)、およびTAC(triacetyl cellulose)などがあるか。これらに限定されるものではない。
【0207】
前記第1電極の材料は、透明で導電性の優れた物質になってもよいが、これに限定されない。例えば、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO
2:Sbのような金属と酸化物との組み合わせ;およびポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0208】
前記第1電極の形成方法は特に限定されないが、例えば、スパッタリング、E−ビーム、熱蒸着、スピンコーティング、スクリーンプリンティング、インクジェットプリンティング、ドクターブレード、またはグラビアプリンティング法を用いることができる。
【0209】
前記第1電極を基板上に形成する場合、これは、洗浄、水分除去および親水性改質過程を経ることができる。
【0210】
例えば、パターニングされたITO基板を洗浄剤、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次に洗浄した後、水分除去のために、加熱板にて、100℃〜150℃で1分〜30分間、好ましくは120℃で10分間乾燥し、基板が完全に洗浄されると、基板表面を親水性に改質する。
【0211】
前記のような表面改質により接合表面電位を光活性層の表面電位に適した水準に維持することができる。また、改質時、第1電極上に高分子薄膜の形成が容易になり、薄膜の品質が向上することもできる。
【0212】
第1電極の前処理技術としては、a)平行平板型放電を利用した表面酸化法、b)真空状態でUV紫外線を用いて生成されたオゾンを通して表面を酸化する方法、およびc)プラズマによって生成された酸素ラジカルを用いて酸化する方法などがある。
【0213】
第1電極または基板の状態によって、前記方法のうちの1つを選択することができる。ただし、どの方法を利用しても、共通して、第1電極または基板表面の酸素離脱を防止し、水分および有機物の残留を最大限に抑制することが好ましい。この時、前処理の実質的な効果を極大化することができる。
【0214】
具体例として、UVを用いて生成されたオゾンを通して表面を酸化する方法を用いることができる。この時、超音波洗浄後、パターニングされたITO基板を加熱板(hot plate)にてベーキング(baking)してよく乾燥させた後、チャンバに投入し、UVランプを作用させて、酸素ガスがUV光と反応して発生するオゾンによって、パターニングされたITO基板を洗浄することができる。
【0215】
しかし、本明細書におけるパターニングされたITO基板の表面改質方法は特に限定させる必要はなく、基板を酸化させる方法であれば、いずれの方法でも構わない。
【0216】
前記第2電極は、仕事関数の小さい金属になってもよいが、これに限定されない。具体的には、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛のような金属、またはこれらの合金;またはLiF/Al、LiO
2/Al、LiF/Fe、Al:Li、Al:BaF
2、Al:BaF
2:Baのような多層構造の物質になってもよいが、これに限定されるものではない。
【0217】
前記第2電極は、5×10
−7torr以下の真空度を示す熱蒸着器の内部で蒸着されて形成されるが、この方法にのみ限定されるものではない。
【0218】
前記正孔輸送層および/または電子輸送層物質は、光活性層で分離された電子と正孔を電極に効率的に伝達させる役割を担い、物質を特に限定しない。
【0219】
前記正孔輸送層物質は、PEDOT:PSS(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene)doped with poly(styrenesulfonic acid))、モリブデン酸化物(MoO
x);バナジウム酸化物(V
2O
5);ニッケル酸化物(NiO);およびタングステン酸化物(WO
x)などになってもよいが、これらにのみ限定されるものではない。
【0220】
前記電子輸送層物質は、BCP(bathocuproine)または電子抽出金属酸化物(electron−extracting metal oxides)になってもよいし、具体的には、BCP(bathocuproine)、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体;Alq3を含む錯体;Liqを含む金属錯体;LiF;Ca;チタン酸化物(TiO
x);亜鉛酸化物(ZnO);およびセシウムカーボネート(Cs
2CO
3)などになってもよいが、これらにのみ限定されるものではない。
【0221】
本明細書の一実施態様において、前記光活性層を形成する方法としては、真空蒸着法または溶液塗布法を用いることができ、溶液塗布法とは、電子供与体および/または電子受容体のような光活性物質を有機溶媒に溶解させた後、溶液をスピンコーティング、ディップコーティング、スクリーンプリンティング、スプレーコーティング、ドクターブレード、およびブラシペインティングなどの方法で塗布する方法を意味するが、これらの方法にのみ限定されるものではない。
【0222】
本明細書の一実施態様に係る化合物は、後述する製造方法で製造される。後述する製造例では代表的な例示を記載するが、必要に応じて、置換基を追加または除外することができ、置換基の位置を変更することができる。さらに、当技術分野で知られている技術に基づき、出発物質、反応物質および反応条件などを変更することができる。
【0223】
また、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本明細書の範囲が以下に詳述する実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【実施例】
【0224】
<製造例:重合体1〜8の合成>
製造例1.重合体1の合成
(1)化学式Kの合成
【化66】
2つの出発物質にトルエンを入れて、0.05当量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh
3)
4)を添加した後、80℃で15時間撹拌させると、反応溶液がますます黒色に変化した。これをワークアップ(Work up)し、硫酸マグネシウム(magnesium sulfate)で乾燥した後、再結晶化して、化学式K(白色パウダー、4.3g)を得た。
【0225】
合成された化学式KのNMRスペクトルを
図2に示した。
【0226】
(2)化学式K−1の合成
【化67】
製造された化学式Kをテトラヒドロフラン(THF)に溶かし、−78℃に温度を下げた後、n−ブチルリチウム(n−BuLi)を2.1当量添加し、30分間撹拌させた。この後、1時間室温で追加的に撹拌させると、溶液の色が黄色に変化した。再び−78℃に温度を下げて、2.1当量のトリメチルチンクロライド(trimethyltin chloride)を添加し、ゆっくり室温に温度を上げながら12時間撹拌した。12時間後、黄土色に溶液の色が変化し、ワークアップ(work up)後、再結晶化すると、光沢のある板状の、黄色固体形態の化学式K−1を得ることができた。
【0227】
合成された化学式K−1のNMRスペクトルを
図3に示した。
【0228】
(3)化学式Lの合成
【化68】
前記化学式Lの化合物は、JOURNAL OF POLYMER SCIENCE PART A:POLYMER CHEMISTRY2011、49、4387−4397 4389に基づいて合成した。
【0229】
(4)化学式Mの合成
【化69】
5500mLのテトラヒドロフラン(THF)に2−(2−エチルヘキシル)−3−フルオロチオフェン(2−(2−ethylhexyl)−3−fluorothiophene)10.0gを入れて溶かした後、−78℃まで温度を下げた。この温度でヘキサン(hexane)に溶けている2.5M n−ブチルリチウム(n−BuLi)24.0mLをゆっくり入れて、30分間撹拌した。この後、0℃まで温度を上げて、この状態で1時間撹拌後、4,8−デヒドロベンゾ[1,2−b:4,5−b']ジチオフェン−4,8−ジオン(4,8−dehydrobenzo[l,2−b:4,5−b']dithiophene−4,8−dione)3.3gを一度に入れて、50℃で3時間撹拌した。この溶液を常温に温度を下げた後、チン(II)クロライドジハイドレート(tin(II)chloride dihydrate、26g)と1MのHCl(56ml)を入れて、追加的に3時間撹拌した。この溶液に氷を注ぎ込み、ジエチルエーテル(Diethyl ether)で2回抽出した後、水で2回洗い、硫酸マグネシウム(MgSO
4、Magnesium sulfate)で残留水を除去した。残りの溶液を減圧して溶媒を除去し、シリカカラム(silica column)を通して、黄色高密度の、液体形態の化学式Mを得た。(収率:40%)
【0230】
(5)化学式M−1の合成
100mLのテトラヒドロフラン(THF)に前記化学式Mの化合物3gを入れて溶かした後、0℃まで温度を下げた。この温度でヘキサン(hexane)に溶けている1.6M n−ブチルリチウム(n−BuLi)2.1当量をゆっくり入れて、1時間常温で撹拌した。この溶液にTHFに溶けている1Mトリメチルチンクロライド(1M Trimethyltinchloride in THF)3当量を一度に入れて、2時間撹拌した。この溶液に水を注ぎ込み、ジエチルエーテル(Diethyl ether)で2回抽出した後、水で2回洗い、硫酸マグネシウム(MgSO
4、Magnesium sulfate)で残留水を除去した。残りの溶液を減圧して溶媒を除去し、エタノール(ethanol)で再結晶化して、薄黄色結晶の形態で化学式M−1を得た。(収率:60%)
【0231】
(6)重合体1の合成
前記で合成した化学式K−1、LおよびM−1の単量体を、クロロベンゼンを溶媒として、Pd
2(dba)
3およびP(o−tolyl)
3と共に入れて、マイクロウェーブ反応器で重合して、下記の重合体1を製造した。製造された重合体1のGPC(Gel Permeation Chromatography)分析の結果、数平均分子量(Mn)は59,800g/mol、重量平均分子量(Mw)は70,330g/mol、HOMOおよびLUMOエネルギー準位はそれぞれ5.3、3.45であり、UV edgeは670nmであった。
[重合体1]
【化70】
【0232】
製造例2.重合体2の合成
前記製造例1の(4)において反応物として下記の化合物を用いたことを除けば、前記製造例1と同様の過程で重合体2を製造した。製造された重合体2のGPC分析の結果、数平均分子量(Mn)は49,200g/mol、重量平均分子量(Mw)は65,980g/mol、HOMOおよびLUMOエネルギー準位はそれぞれ5.31、3.46であり、UV edgeは671nmであった。
【化71】
[重合体2]
【化72】
【0233】
製造例3.重合体3の合成
前記製造例2の(3)においてC
12H
25Brの代わりにC
8H
17Brを用いたことを除けば、前記製造例2と同様の過程で重合体3を製造した。製造された重合体3のGPC分析の結果、数平均分子量(Mn)は54,670g/mol、重量平均分子量(Mw)は68,990g/mol、HOMOおよびLUMOエネルギー準位はそれぞれ5.31、3.46であり、UV edgeは670nmであった。
[重合体3]
【化73】
【0234】
製造例4.重合体4の合成
前記製造例1の(3)においてC
12H
25Brの代わりに
【化74】
を用い、前記製造例1の(4)において反応物として下記の化合物を用いたことを除けば、前記製造例1と同様の過程で重合体4を製造した。製造された重合体4のGPC分析の結果、数平均分子量(Mn)は59,800g/mol、重量平均分子量(Mw)は70,330g/mol、HOMOおよびLUMOエネルギー準位はそれぞれ5.3、3.45であり、UV edgeは670nmであった。
【化75】
[重合体4]
【化76】
【0235】
製造例5.重合体5の合成
前記製造例1の(3)においてC
12H
25Brの代わりに
【化77】
を用いたことを除けば、前記製造例1と同様の過程で重合体5を製造した。製造された重合体5のGPC分析の結果、数平均分子量(Mn)は46,240g/mol、重量平均分子量(Mw)は62,380g/mol、HOMOおよびLUMOエネルギー準位はそれぞれ5.32、3.46であり、UV edgeは667nmであった。
[重合体5]
【化78】
【0236】
製造例6.重合体6の合成
(1)化学式Nの合成
【化79】
前記化学式Nの化合物は、Polymer Bulletin、2017、Vol.74、No.7、pp2755−2766に基づいて合成した。
【0237】
前記製造例1の化学式Lの代わりに前記化学式Nを用いたことを除けば、前記製造例1と同様の過程で重合体6を製造した。製造された重合体6のGPC分析の結果、数平均分子量(Mn)は38,290g/mol、重量平均分子量(Mw)は55,240g/mol、HOMOおよびLUMOエネルギー準位はそれぞれ5.3、3.45であり、UV edgeは670nmであった。
[重合体6]
【化80】
【0238】
製造例7.重合体7の合成
【化81】
前記化学式Mの化合物は、J.Am.Chem.Soc.2011、133、pp4625−4631に基づいて合成した。
【0239】
前記製造例1の化学式Lの代わりに前記化学式Mを用いたことを除けば、前記製造例1と同様の過程で重合体7を製造した。製造された重合体7のGPC分析の結果、数平均分子量(Mn)は35,960g/mol、重量平均分子量(Mw)は44,510g/mol、HOMOおよびLUMOエネルギー準位はそれぞれ5.29、3.42であり、UV edgeは663nmであった。
[重合体7]
【化82】
【0240】
製造例8.重合体8の合成
前記製造例1において
【化83】
の代わりに
【化84】
を用いて、下記の重合体8を製造した。製造された重合体8のGPC分析の結果、数平均分子量(Mn)は28,850g/mol、重量平均分子量(Mw)は51,350g/mol、PDIは1.78であり、HOMOおよびLUMOエネルギー準位はそれぞれ5.31および3.46、UV edgeは672nmであった。
【化85】
【0241】
<実施例:有機太陽電池の製造>
実施例1.
(1)複合溶液の製造
前記重合体1と化学式A−1(Solarmer Materials社)とを1:2の質量比でクロロベンゼン(Chlorobenzene、CB)2mLに溶かして、2.0wt%濃度の複合溶液(composit solution)を製造した。
[化学式A−1]
【化86】
【0242】
(2)有機太陽電池の製造
基板上に第1電極としてITOを形成し、ITO基板は蒸留水、アセトン、および2−プロパノールを用いて超音波洗浄し、ITO表面を10分間オゾン処理した。
【0243】
ITO上にZnOをスピンコーティング(spin−coating)して電子輸送層(厚さ40nm)を形成させた。次に、前記重合体1と化学式A−1との複合溶液を前記電子輸送層上にスピンコーティングして、光活性層を形成し(厚さ100nm)、前記光活性層上にMoO
3を10nmの厚さに蒸着して正孔輸送層を形成した。最後に、第2電極形成のために、3×10
−8torrの真空下、熱蒸発器(thermal evaporator)を用いて、100nmの厚さにAgを蒸着して有機太陽電池を製造した。
【0244】
実施例2.
実施例1において重合体1の代わりに前記重合体2を用いたことを除けば、前記実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0245】
実施例3.
実施例1において重合体1の代わりに前記重合体3を用いたことを除けば、前記実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0246】
実施例4.
実施例1において重合体1の代わりに前記重合体4を用いたことを除けば、前記実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0247】
実施例5.
実施例1において重合体1の代わりに前記重合体5を用いたことを除けば、前記実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0248】
実施例6.
実施例1において重合体1の代わりに前記重合体6を用いたことを除けば、前記実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0249】
実施例7.
実施例1において重合体1の代わりに前記重合体7を用いたことを除けば、前記実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0250】
実施例8.
実施例1において化学式A−1の代わりに下記化学式A−6(Solarmer Materials社)を用いたことを除けば、前記実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
[化学式A−6]
【化87】
【0251】
実施例9.
実施例8において重合体1の代わりに前記重合体8を用いたことを除けば、前記実施例8と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0252】
比較例1.
実施例1において前記重合体1の代わりに下記の比較重合体1を用いたことを除けば、前記実施例1と同様の方法で有機太陽電池を製造した。
[比較重合体1]
【化88】
【0253】
比較例2.
実施例2において前記重合体1の代わりに前記比較重合体1を用いたことを除けば、前記実施例8と同様の方法で有機太陽電池を製造した。
【0254】
比較例3.
実施例1において化学式A−1の代わりにPC
71BMを用いたことを除けば、前記実施例1と同様の過程で有機太陽電池を製造した。
【0255】
前記実施例および比較例で製造された有機太陽電池の光電変換特性を100mW/cm
2(AM1.5)の条件で測定し、下記表1にその結果を示した。
【表1】
【0256】
前記表1中、V
ocは開放電圧を、J
scは短絡電流を、FFはフィルファクター(Fill factor)を、ηはエネルギー変換効率を意味する。開放電圧と短絡電流は、それぞれ電圧−電流密度曲線の4つの象限におけるX軸およびY軸切片であり、この2つの値が高いほど、太陽電池の効率は好ましく高くなる。また、フィルファクター(Fill factor)は、曲線の内部に描ける長方形の広さを、短絡電流と開放電圧との積で割った値である。エネルギー変換効率(η)は、前記開放電圧(V
oc)、短絡電流(J
sc)およびフィルファクター(FF)の積を、入射した光の強度(P
in)で割ると求められ、この値が高いほど、好ましい。
【数1】
【0257】
前記表1中、同様に、電子受容物質として化学式A−1を用いた実施例1〜7と、比較例1とを比較すれば、実施例1〜7で開放電圧がより高く、エネルギー変換効率にも優れていることを確認することができる。
【0258】
また、同様に、電子受容物質として化学式A−6を用いた実施例8および9と、比較例2とを比較すれば、実施例8および9で開放電圧がより高く、エネルギー変換効率にも優れていることを確認することができる。
【0259】
すなわち、本明細書の一実施態様に係る重合体を電子供与物質として用いる場合、既存の他の電子供与物質に比べて、非フラーレン系電子受容物質との効率に優れていることが裏付けられた。
【0260】
また、実施例1と、比較例3との結果を比較することにより、本明細書の一実施態様に係る重合体は、PC
71BMのようなフラーレン系化合物を電子受容体として用いたものに比べて、非フラーレン系化合物を電子受容体として用いた時、はるかに性能に優れていることが分かる。