特許第6978710号(P6978710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6978710
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】トレイ及び梱包体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/86 20060101AFI20211125BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20211125BHJP
【FI】
   B65D85/86 400
   H01L33/00 L
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-146944(P2020-146944)
(22)【出願日】2020年9月1日
【審査請求日】2021年9月8日
(31)【優先権主張番号】特願2020-116686(P2020-116686)
(32)【優先日】2020年7月6日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神田 厚
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−030917(JP,A)
【文献】 特開2016−150789(JP,A)
【文献】 特開2013−060204(JP,A)
【文献】 特開2006−089046(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0226711(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/86
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状光源を収容可能な凹状の収容部を備えるトレイであって、
前記収容部は、第1方向と前記第1方向と直交する第2方向に広がる底面を有し、
前記面状光源は、可撓性を有する基板と、前記基板上に固定され、前記第1方向に第1発光モジュールと第2発光モジュールとを含む複数の発光モジュールと、を備え、
前記第1発光モジュールは、前記第1方向において前記第1発光モジュールの中心部を挟む第1A領域と第1B領域を有し、
前記第2発光モジュールは、前記第1方向において前記第2発光モジュールの中心部を挟む第2A領域と第2B領域を有し、
前記第1方向において、前記収容部の底面は、第1底面と、前記第1底面を挟み、前記第1底面よりも高さが低い第2底面と、を有し、
前記第1底面は、前記第1発光モジュールが配置される部分であって、前記第1A領域と前記第1B領域の下方に位置する前記基板の下面と対向される部分であり、
前記第2底面は、前記第1発光モジュールと隣り合う前記第2発光モジュールが配置される部分であって、前記第2A領域と前記第2B領域の下方に位置する前記基板の下面と対向される部分であるトレイ。
【請求項2】
前記第1底面は、前記底面の中央に配置される請求項1に記載のトレイ。
連続と
【請求項3】
平面視において、前記第1方向と垂直な第2方向における前記第1底面の幅は、前記第1発光モジュールの幅よりも広い請求項1又は2に記載のトレイ。
【請求項4】
平面視において、前記第2方向における前記第1底面の幅は、前記面状光源の幅よりも広い請求項3に記載のトレイ。
【請求項5】
前記底面は、前記第1方向の幅が、前記第2方向の幅よりも広い請求項3又は4に記載のトレイ。
【請求項6】
前記第2方向において、前記第1底面及び前記第2底面が配列されている請求項3〜5のいずれか1つに記載のトレイ。
【請求項7】
前記収容部の底面が、前記第1底面及び前記第2底面を含む曲面である請求項1又は2に記載のトレイ。
【請求項8】
前記収容部の底面は、前記第1方向における曲率が前記第2方向における曲率よりも大きい請求項7記載のトレイ。
【請求項9】
前記収容部の底面は、第2方向における開口幅が前記発光モジュールの幅よりも狭い複数の凹部を有する、請求項1〜8のいずれか1つに記載のトレイ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1つに記載のトレイの収容部に面状光源が収容された梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トレイ及び梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子を用いた発光装置は、液晶ディスプレイのバックライトやディスプレイ等の各種の光源として広く利用されている。このような発光装置としては、基板の上に複数の発光素子を載置した構造が提案されている。例えば下記の特許文献1は、基板の上に複数の導光板と、各導光板に光を入射する複数の発光素子と、を有する発光装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−40192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、発光装置のさらなる薄型化が求められている。発光装置が薄型になるほど、撓み易くなる。本開示は、面状光源の反りを抑えて収容可能なトレイ及び梱包体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様のトレイは、面状光源を収容可能な凹状の収容部を備えるトレイであって、前記収容部は、第1方向と前記第1方向と直交する第2方向に広がる底面を有し、前記面状光源は、可撓性を有する基板と、前記基板上に固定され、前記第1方向に第1発光モジュールと第2発光モジュールとを含む複数の発光モジュールと、を備え、前記第1発光モジュールは、前記第1方向において前記第1発光モジュールの中心部を挟む第1A領域と第1B領域を有し、前記第2発光モジュールは、前記第1方向において前記第2発光モジュールの中心部を挟む第2A領域と第2B領域を有し、前記第1方向において、前記収容部の底面は、第1底面と、前記第1底面を挟み、前記第1底面よりも高さが低い第2底面と、を有し、前記第1底面は、前記第1発光モジュールが配置される部分であって、前記第1A領域と前記第1B領域の下方に位置する前記基板の下面と対向される部分であり、前記第2底面は、前記第1発光モジュールと隣り合う前記第2発光モジュールが配置される部分であって、前記第2A領域と前記第2B領域の下方に位置する前記基板の下面と対向される部分である。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、面状光源の反りを抑えて収容可能なトレイ及び梱包体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るトレイの概略上面図である。
図2】実施形態に係るトレイの図1のII−II線における概略断面図である。
図3】実施形態に係るトレイの図1のIII−III線における概略断面図である。
図4】実施形態に係るトレイに面状光源を収容する梱包体を示す概略上面図である。
図5】収容部の底面を拡大して示す概略断面図である。
図6A】収容部における第1底面の例を示す概略平面図である。
図6B】収容部における第1底面の他の例を示す概略平面図である。
図7】収容部の底面を拡大して示す概略断面図である。
図8】実施形態に係るトレイの概略上面図である。
図9図8のトレイを2枚重ねた状態を示す概略断面図である。
図10】他の実施形態に係るトレイの概略上面図である。
図11】実施形態に係る面状光源を示す概略部分断面図である。
図12】実施形態に係る発光モジュールを示す概略平面図である。
図13】実施形態に係る発光モジュールの図12のXIII−XIII線における概略断面図である。
図14A図12に示す発光モジュールを導光板の上面とは反対側から見たときの例示的な外観を模式的に示す平面図である。
図14B】実施形態に係る発光モジュールを導光板の上面とは反対側から見たときの外観の他の例を示す模式的な平面図である。
図14C図14Bに示す配線層上に絶縁層を追加した例を示す模式的な平面図である。
図15】実施形態に係る光源の一例を示す概略断面図である。
図16】実施形態に係る面状光源を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
【0009】
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光モジュールを例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0010】
図1は、本実施形態に係るトレイの概略上面図である。図2及び図3は、本実施形態に係るトレイの概略断面図である。図4は、本実施形態に係るトレイと、トレイに収容された面状光源と、を含む梱包体1を示す概略上面図である。
【0011】
図4に示す梱包体1は、面状光源10と、面状光源10を収容するトレイ100と、を備えている。
【0012】
トレイ100は、面状光源10を収容して、保管、運搬し易くするための部材である。トレイ100は、図1に示すように、上面視において外形が略矩形であって、面状光源10を収容可能な凹状の収容部110を備える。収容部110は、第1方向と、第2方向に広がる底面を有している。第1方向は、第2方向と直交している。トレイ100は、複数の収容部110を有し得る。
【0013】
トレイ100に収容される面状光源10は、可撓性を有する配線基板50と、配線基板50上に固定された複数の発光モジュール30と、を備えている。
【0014】
面状光源10は、上面視において、第1方向に長い長方形状の発光モジュール部11と、発光モジュール部11の一方の外縁から突出し、外部電源(図示せず)と接続する中継端子12と、を有する。発光モジュール部11には、複数の発光モジュール30が配置される。図5に示すように、複数の発光モジュール30は、第1発光モジュール31と第2発光モジュール32とを含む。第1発光モジュール31と第2発光モジュール32は、第1方向に互いに隣接して配置されている。第1発光モジュール31は、第1方向において第1発光モジュール31の中心部を挟む第1A領域31Aと第1B領域31Bを有している。第2発光モジュール32は、第1方向において第2発光モジュール32の中心部を挟む第2A領域32Aと第2B領域32Bを有している。
【0015】
トレイ100の収容部110は、面状光源10の発光モジュール部11と中継端子12のそれぞれに対応する発光モジュール収容部111と、端子収容部112とを有する。トレイ100の発光モジュール収容部111の底面121は、第1底面121Aと第2底面121Bとを有する。第1方向において、第2底面121Bは、第1底面121Aを挟む位置に配置されている。第1底面121Aは、面状光源10の第1発光モジュール31が配置される部分であって、第1発光モジュールの第1A領域31Aと第1B領域31Bの下方に位置する配線基板50の下面と対向される部分である。第2底面121Bは、第1発光モジュール31と隣り合う第2発光モジュール32が配置される部分であって、第2発光モジュール32の第2A領域32Aと第2B領域32Bの下方に位置する配線基板50の下面と対向される部分である。第2底面121Bは、第1底面121Aよりも高さが低い。このように第1底面121A及び第2底面121Bを配置することによって、面状光源10の第1発光モジュール31と第2発光モジュール32との間の配線基板50が下方に撓んで第1発光モジュール31と第2発光モジュール32が接触することを防止することができる。
【0016】
図4に示す面状光源10においては、特に長手方向である第1方向において上下に撓み易くなる。面状光源10の運搬時や保管時に、配線基板50の下面側が凸になるように撓むと、隣り合う発光モジュール30の側面同士が押し合うことによって発光モジュール30が破損してしまうことが考えられる。図1に示すトレイ100は、第1方向において第1底面121Aを挟む位置に配置する第2底面121Bを、第1底面121Aよりも高さを低くすることによって、面状光源10の配線基板50の下面側が凸になるように撓むことを抑制し、面状光源10の破損を防止することができる。
【0017】
(トレイ100)
トレイ100は、上面に収容部110を配置することが可能なものであれば、その外形は特に限定されない。図1に示すトレイ100は、上面視において矩形の外形を有している。トレイ100の大きさは、収容する面状光源10の大きさにもよるが、上面視における第1方向の長さが100mm以上1000mm以下程度、第2方向の長さが100mm以上1200mm以下程度とすることができる。また、トレイ100の高さは、5mm以上100mm以下程度とすることができる。
【0018】
トレイ100は、透光性である場合、面状光源10が収容されていることを容易に確認することができるため好ましいが、これに限定されない。トレイ100は、例えば、光反射性を有していてもよい。トレイ100は、可撓性を有することが好ましい。特に、面状光源10より可撓性が低いことが好ましい。トレイ100の材料は、例えば樹脂などとする。好適には、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて構成される。
【0019】
(収容部110)
収容部110は、図2に示すように、トレイ100の上面側に開口部130を備えている。図8に示すトレイ100においては、収容部110は、第2方向に向かって複数配置されている。収容部110の大きさは、その内部に1つの面状光源10が収容できる大きさに設計される。図1の例では、発光モジュール収容部は上面視において第1方向に長い長方形状に形成されている。図5に示すように、収容部110の深さは、面状光源10を収容部110に完全に収容できるよう、収容部110の第1底面121Aから開口部130までの深さDが面状光源10の高さよりも大きい。収容部の側面は、上面に対して垂直な面とすることができる。また、面状光源が取り出し易いように、底面から開口部に向かって幅が広くなるように側面の角度を傾斜させてもよい。
【0020】
収容部110の寸法は、収容する面状光源10の寸法に応じて設計される。例えば発光モジュール収容部111の第1方向の幅を100mm以上900mm以下、第2方向の幅を20mm以上500mm以下とすることができる。また、端子収容部112の第1方向の幅を20mm以上800mm以下、第2方向の幅を10mm以上100mm以下とすることができる。収容部110の第1底面121Aから開口部130までの深さは、2mm以上30mm以下とすることができる。
【0021】
図5に示す例は、収容部110の底面121が第1方向において第1底面121A及び第2底面121Bを含む曲面として設けられている。収容部110の底面121において、第1底面121Aの高さが他の部分と比べて最も高いことが好ましい。第1方向において、第1底面121Aの両側に配置される第2底面121Bは、外側に向かって高さが低くなる。収容部110の底面121において、第2底面121Bの外側には、第2底面121Bよりも高さが高い底面やトレイ100の上面または最下面100aと平行な面が存在しないことが好ましい。収容部110の底面121の全体を、第1底面121Aから第1方向の外側に向かって高さが低くなる曲面として設けることができる。図5に示す例では、第1方向において、第1底面121Aは、底面121の中央に配置されている。第1底面121Aを配置する位置は、第1方向において、両側に第2底面121Bを配置することができる位置であれば、特に限定されない。第1底面121Aは、第1方向の幅が、第1発光モジュールの第1A領域31A(第1B領域31B)の幅よりも広いことが好ましい。図5に示す例では、第1底面121Aの上に1つの第1発光モジュール31が配置されているが、これに限定されない。第1底面121Aの上に複数の第1発光モジュール31が配置されていてもよい。この場合、複数の第1発光モジュール31を同じ高さで設けることができる。
第1方向における底面の曲率半径は、10000mm以上20000mm以下とすることができる。また、収容部110の底面は、第2方向においても上述した第1底面121A及び第2底面121Bを配置することができる。この場合、第1方向における曲率が第2方向における曲率よりも大きいことが好ましい。
【0022】
図6Aに示す例においては、第1底面121Aは、第2方向における収容部110の底面の一部であって、発光モジュール収容部111の略中央に設けている。この例においては、第2方向において、第1底面121A及び第2底面121Bが配列されている。第1底面121Aは、平面視における第2方向の幅が、第1発光モジュールの幅よりも広いことが好ましい。また、第1底面121Aは、平面視における第2方向の幅を面状光源の幅よりも広く設けてもよい。図6Bに示すように、第1底面121Aを第2方向における収容部110の底面の全体に設けてもよい。
【0023】
図7に示す例においては、第1底面121A及び第2底面121Bが、高さが異なる複数の平坦な面として設けられている。図7に示すように、第1底面121Aと第2底面121Bは第1方向及び第2方向と垂直な方向において離隔するように配置することができる。
【0024】
(凹部)
収容部110の底面は、凹部140を有することができる。面状光源10を収容した状態において、面状光源10は、収容部110の底面121に接触し、凹部140の底面140aには接触しない。ここで、上述した第2底面121Bは面状光源10が載置される面であるのに対して、この凹部140の底面140aは、面状光源10が載置されない面であって、本発明における第2底面121Bには含まれない。凹部140の底面140aの反対側に位置するトレイ100の下面は、トレイ100の最下面100Aを構成している。このような凹部140を設けることで、面状光源10が配置される収容部110の底面121をトレイ100の最下面100Aから離隔することができるため、面状光源10に外部から加わる衝撃を低減することができる。また、例えば、トレイ100の縁部に下方に延びる延伸部を設け、その延伸部によってトレイ100の最下面を構成してもよい。この場合、上述した凹部140を省略することができる。
【0025】
図1に示す例においては、凹部140の開口形状は、矩形である。ただし、凹部140の開口形状は、多角形や円形であってもよい。図1に示す例においては、凹部140が第1方向及び第2方向に複数設けられている。複数の凹部140は、収容部110の底面において等間隔に設けられている。第1方向における凹部140の開口幅は、例えば、10mm以上200mm以下とすることができる。第2方向における凹部140の開口幅は、第1底面121Aの幅よりも狭いことが好ましい。また、発光モジュール30の幅よりも狭いことが好ましい。また、第2方向における凹部140の開口幅は、例えば、10mm以上30mm以下とすることができる。また、第2凹部140同士の間隔は、第1発光モジュール31の第1A領域31A(第1B領域31B)及び第2発光モジュール32の第2A領域32A(第2B領域32B)のそれぞれの幅より広いことが好ましい。
【0026】
図8に示す例においては、トレイ100は、第2方向に2つの収容部(第1収容部110Aと第2収容部110B)が配置されている。この例においては、2つの収容部の端子収容部112同士が繋がっている。発光モジュール収容部111の第2方向における略中央に配置される凹部140cは、発光モジュール収容部111の第2方向の中心線Xから第2方向にずれるように配置されている。図9は、図8に示すトレイを2枚重ねた状態を示している。凹部140は、2枚のトレイ100を互いに180度回転させて重ねた場合に、上側のトレイ100の凹部141と下側のトレイ100の凹部142がずれるようになる。このようにすることで、トレイ100が面状光源10の上面及び下面に加える圧力が偏ることを防止することができる。
【0027】
(張り出し部150)
図1に示すように、収容部110の側面に、収容部110の幅が部分的に幅広となるように上面視において凹状に設けられる張り出し部150を形成することができる。面状光源10の収容部110への収容や収容部110からの取り出しを容易にし易いように、面状光源10の保持位置として形成している。面状光源10を収容する際に、張り出し部150から空気を逃がすことができるため、面状光源10を容易に収容することが可能となる。
【0028】
張り出し部150は、上面視において第1方向に長い長方形状の発光モジュール収容部111に対して、第2方向の辺に設けられている。第1方向に長い面状光源10は、第1方向に撓み易くなるため、第2方向の辺に張り出し部150を設けることで、面状光源10のトレイ100からの取り出しが容易になる。
【0029】
張り出し部150の形状は、上面視において長方形状に設けられている。張り出し部150の形状は、これに限らず、円弧状、台形状等とすることができる。図8に示す例においては、張り出し部150は、第1収容部及び第2収容部110Bの第2方向の辺に一つずつ設けている。張り出し部150は、収容部110の長さ方向に沿って複数形成することができる。
【0030】
図8に示すトレイ100においては、第2収容部110Bが第1収容部に対して180度回転した向きに設けられている。このようにすることで、トレイ100を180度回転させても2つの収容部の向きが同じであるため好ましい。
【0031】
図10に示すトレイ100においては、第1収容部110Aと第2収容部110Bが第2方向に同じ向きに並ぶように配置されている。このようにすることで、第1収容部110A及び第2収容部110Bのそれぞれに収容された面状光源をトレイ100から同じ向きに取り出すことができるため好ましい。
【0032】
(面状光源10)
【0033】
次に、面状光源10について説明する。
【0034】
図11に示すように、面状光源10においては、配線基板50と、配線基板50の上に配置される複数の発光モジュール30を備えている。一例では、発光モジュールは128個設けられており、図4に示すように、第1方向に16個、第2方向に8個配列されている。
【0035】
図12は、本実施形態における発光モジュール30を示す平面図である。図13は、図12に示すXIII−XIII線による断面図である。
【0036】
図12及び図13に示すように、各発光モジュール30においては、複数の発光領域Rが設定されている。一例では、各発光モジュール30においては16の発光領域Rが設定されており、第1方向に4つ、第2方向に4つ配列されている。
【0037】
各発光モジュール30は1つの導光板21を備えており、各発光領域Rは1つの光源を有している。したがって、図12及び図13に示す例では、1つの発光モジュール30に1つの導光板21と16個の光源22を備えている。隣接する光源22の中心間の距離Dは、1mm以上10mm以下とすることが好ましく、例えば、6mmである。
【0038】
発光モジュール30においては、導光板21の下面21aには、凹部21cを備え、凹部21cに光源22が配置されている。凹部21cの側壁と、光源22の側面との間には、第1透光性部材23が配置されている。この第1透光性部材23によって、光源22は導光板21に固定されている。
【0039】
さらに、発光モジュール30は、導光板21の下面側における光源22の周辺に第1光反射性部材24が設けられている。第1光反射性部材24は、第1透光性部材23の下方、および光源22の側面に設けられている。光源22及び第1光反射性部材24の下面に配線層25が設けられている。配線層25は所定の形状にパターニングされている。第1光反射性部材24の上面には、発光領域R毎に湾曲した凹面を有している。光源22は配線層25に接続されている。また、第1光反射性部材24の上面のうち、隣り合う発光領域Rの境界に相当する部分に、稜線を有している。
【0040】
また、導光板21の上面21bにおける光源22の直上域に相当する領域には、凹部21dを備え、凹部21d内には、光調整部材26が設けられている。凹部21dの形状は、例えば、円錐台形である。光調整部材26は例えば光拡散材を含む樹脂材料であり、入射した光の一部を反射し、他の一部を透過させる。
【0041】
発光モジュール30において、導光板21は単層で形成することができるが、複数の層として形成してもよい。また、導光板21を用いずに、第1光反射部材24の上に光源22を配置してもよい。
【0042】
図14Aは、図12に示す発光モジュール30を導光板21の上面21bとは反対の下面側から見たときの外観の一例を示す。なお、図14Aでは、わかり易さのために複数の発光領域Rの間の境界を点線により示しているが、複数の発光領域Rの間に明確な境界が形成されていることは本開示の実施形態において必須ではない。
【0043】
図14Aに例示する構成において、配線層25は、各発光領域Rの光源22を電気的に接続している。この例では、各光源22は、平面視において矩形状を有しており、配線層25のうち各光源22の正極および負極に接続する一対の部分は、光源22の矩形状の対角方向に延伸するように形成されている。この例では、それぞれが、4行4列に配置された光源22のうちの2つの直列接続を含む8つの直列回路を並列に接続している。複数の光源の電気的接続は、この例に限定されず、例えば、発光モジュール30中の複数の光源22を2以上のグループに分け、これらのグループの単位で駆動するように回路を構成してもよい。
【0044】
図14Bは、発光モジュール30Bを導光板の上面とは反対側から見たときの外観の他の例を模式的に示す。図14Bに示す発光モジュール30Bは、上述の発光モジュール30と同様に、4行4列に配列された、合計16個の光源を含んでいる。この例では、16個の光源が4つのグループに分けられている。各グループは、2行2列に配列された4個の光源を含む。配線層25は、ここでは、発光モジュール30Bに含まれる光源がこれらのグループの単位で駆動するような回路を構成する。図14Bに示す例では、4個の光源を含むグループごとに正極251および負極252の組が配置されている。ここでは、正極251および負極252は、それぞれが4個の発光素子を含む直列回路を挟むように形成されている。
【0045】
図14Cは、配線層25の表面に絶縁層を形成した例を模式的に示す。図14Cに例示するように、配線層25の表面に絶縁層27を配置することにより、絶縁層27によって水分、埃等から配線層25を保護することができる。図14Cに例示する構成において、絶縁層27は、導光板21側の第1層27aと、第1層27aの表面に配置される第2層27bとを含む2層構造を有している。絶縁層27の第1層27aは、配線層25の正極251および負極252に重なる位置に開口27a5を有する。また、絶縁層27の第2層27bも、配線層25の正極251および負極252に重なる位置に開口27b5を有している。第2層27bは、さらに、各光源22と重なる位置に開口27b2を有する。
【0046】
絶縁層27は、図14Cに示すように2層であってもよいが、単層であってもよい。ま
た、絶縁層27は、無色でもよいし、有色(例えば、青色)でもよい。なお、図14A
示す例においても、配線層25上に絶縁層27を配置してもよい。この場合もやはり絶縁層27は、2層であってもよいし、単層であってもよい。
【0047】
配線基板50は、面状光源10の下面側、すなわち、導光板21の上面21bとは反対側に位置し、発光モジュール30の配線層25に接続される。図11に例示する構成において、配線基板50は、絶縁基材51と、絶縁基材51上の配線層52と、被覆層53と、複数のビア54と、保護部材55とを有する。配線層52は、絶縁基材51の主面のうち、発光モジュール30とは反対側の主面上に位置する。被覆層53は、所定の厚さで配線層52の少なくとも一部を覆っており、配線層52を保護する機能を有する。
【0048】
図15は本実施形態における光源22の一例を示す概略断面図である。図15に示すように、光源22は、発光素子41、第2光反射性部材45、及び、第3透光性部材46を備えている。発光素子41は、半導体構造体42、一対の電極43を有している。発光素子41は、第2光反射性部材45内に配置されている。第3透光性部材46は第2光反射性部材45上に配置されている。
【0049】
半導体構造体42においては、p型層、発光層、及び、n型層が積層されている。一対の電極43は、半導体構造体42の下面に配置されており、半導体構造体42のp型層及びn型層にそれぞれ接続されている。一対の電極43は、第2光反射性部材45の下面から露出している。一対の電極43が配線基板50の配線層52に接続されている。第2光反射性部材45は、第3透光性部材46の下面に接すると共に、半導体構造体42の側面を覆っている。
【0050】
第3透光性部材46は蛍光体を含有し得る。この場合、第3透光性部材46は、入射した光を他の波長の光に変換する光変換部材として機能する。なお、第3透光性部材46は蛍光体を含有していなくてもよい。この場合は、面状光源10の上方に、蛍光体シートを設けることができる。
【0051】
図16は、面状光源210の他の例を示す断面図である。
【0052】
面状光源210においては、配線基板50上に第1光反射性部材24が設けられており、その上に導光板21が設けられている。導光板21は上面21b及び下面21aを有する。導光板の上面21b及び下面21aは、例えば、平坦である。導光板21の下面21aは第1光反射性部材24に接している。配線基板50の下面には配線層52が設けられている。配線層52は所定の形状にパターニングされている。
【0053】
導光板21には、上面21bから下面21aに貫通した貫通孔21eが形成されている。貫通孔21eの開口形状は、例えば円形状である。ただし、貫通孔21eの開口形状は、四角形、八角形等の多角形状であってもよい。貫通孔21e内には、光源22が設けられている。光源22の直下に、第1光反射性部材24及び配線基板50を上面から下面に貫通したビアホール50eが設けられ、ビアホール50e内に導電性材料が充填されている。光源22はビアホール50e内に配置された導電性材料によって配線層52に接続されている。貫通孔21e内には、光源22を覆うように、第1透光性部材23が設けられている。第1透光性部材23上には、光調整部材26が設けられている。光調整部材26は例えば光拡散材を含む樹脂材料であり、入射した光の一部を乱反射し、他の一部を透過させる。光調整部材26の平面視における形状は、例えば、円形である。導光板21の上面21bにおける発光領域Rの境界に相当する領域には、溝が形成され得る。これにより、隣り合う発光領域R同士を光学的に区画することができる。本実施形態における上記以外の構成及び効果は、第1の実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0054】
1 梱包体
10、210 面状光源
21 導光板
22 光源
23 第1透光性部材
24 第1光反射性部材
25 配線層
26 光調整部材
30 発光モジュール
41 発光素子
42 半導体構造体
43 電極
45 第2光反射性部材
46 第3透光性部材
50 配線基板
51 絶縁基材
52 配線層
53 被覆層
54 ビア
55 保護部材
100 トレイ
110 収容部
111 発光モジュール収容部
112 端子収容部
121A 第1底面
121B 第2底面
130 開口部
140 凹部
150 張り出し部
【要約】      (修正有)
【課題】面状光源の反りを抑えて収容可能なトレイ及び梱包体を提供する。
【解決手段】面状光源を収容可能な収容部110を備えるトレイ100であって、面状光源は、第1、第2発光モジュールとを含む複数の発光モジュールとを備え、第1発光モジュールは、第1方向において第1発光モジュールの中心部を挟む第1A領域と第1B領域を有し、第2発光モジュールは、第1方向において第2発光モジュールの中心部を挟む第2A領域と第2B領域を有し、第1方向において、収容部の底面は、第1底面と、第1底面よりも高さが低い第2底面とを有し、第1底面は、第1発光モジュールが配置される部分であって、第1A領域と第1B領域の下方に位置する基板の下面と対向される部分であり、第2底面は、第1発光モジュールと隣り合う第2発光モジュールが配置される部分であって、第2A領域と第2B領域の下方に位置する基板の下面と対向される部分であるトレイ。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16