特許第6978865号(P6978865)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6978865流体制御装置、流体制御方法、及び、流体制御装置用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6978865
(24)【登録日】2021年11月16日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】流体制御装置、流体制御方法、及び、流体制御装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 7/06 20060101AFI20211125BHJP
   G05B 11/36 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   G05D7/06 Z
   G05B11/36 501G
   G05B11/36 N
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-131951(P2017-131951)
(22)【出願日】2017年7月5日
(65)【公開番号】特開2019-16096(P2019-16096A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2020年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000127961
【氏名又は名称】株式会社堀場エステック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】西里 洋
【審査官】 牧 初
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−134812(JP,A)
【文献】 実開昭60−128076(JP,U)
【文献】 国際公開第2008/041390(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/053839(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 7/00−7/06
G05D 16/00−16/20
G05B 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる流路に設けられた抵抗体と、
前記流路において前記抵抗体よりも下流側に設けられた第1バルブと、
前記流路において前記抵抗体と前記第1バルブとの間に設けられ、前記抵抗体と前記第1バルブとの間の内部容積における流体の圧力を測定する圧力センサと、
前記第1バルブを制御する制御機構と、を備え、
前記制御機構が、
前記第1バルブに対して所定のパルス高さ、及び、所定のパルス幅を有するパルス信号を入力するパルス信号生成器と、
前記圧力センサで測定される圧力値に基づいて、前記第1バルブが開放しているオン期間に前記内部容積において生じた圧力降下量の時間積分値をフィードバック値として算出するフィードバック値算出部と、
前記フィードバック値と、基準値との偏差に基づいて、前記パルス信号生成器から前記第1バルブに入力されるパルス信号を補正する信号補正部と、を備えた流体制御装置。
【請求項2】
前記基準値が、前記第1バルブを通過する流体の流量が目標流量となる場合における圧力降下量の時間積分値の実績値である請求項1記載の流体制御装置。
【請求項3】
前記信号補正部が、前記フィードバック値と前記基準値との偏差が小さくなるように前記パルス信号のパルス幅を一定にしたままパルス高さを変更するように構成された請求項1又は2記載の流体制御装置。
【請求項4】
前記信号補正部が、前記フィードバック値と前記基準値との偏差が小さくなるように前記パルス信号のパルス高さを一定にしたままパルス幅を変更するように構成された請求項1又は2記載の流体制御装置。
【請求項5】
前記抵抗体が、開度が制御可能な第2バルブであって、
前記制御機構が、
前記第1バルブを閉鎖させるオフ期間において、前記圧力センサで測定される圧力値と、設定圧力値との偏差が小さくなるように前記第2バルブを制御する第2バルブ制御部をさらに備えた請求項1乃至4いずれかに記載の流体制御装置。
【請求項6】
前記第1バルブが、その開度を測定する変位センサをさらに具備する請求項1乃至5いずれかに記載の流体制御装置。
【請求項7】
流体が流れる流路に設けられた抵抗体と、前記流路において前記抵抗体よりも下流側に設けられた第1バルブと、前記流路において前記抵抗体と前記第1バルブとの間に設けられ、前記抵抗体と前記第1バルブとの間の内部容積における流体の圧力を測定する圧力センサと、を備えた流体制御装置を用いた流体制御方法であって、
前記第1バルブを制御する制御ステップを備え、
前記制御ステップが、
前記第1バルブに対して所定のパルス高さ、及び、所定のパルス幅を有するパルス信号を入力するパルス信号生成ステップと、
前記圧力センサで測定される圧力値に基づいて、前記第1バルブを開放させるオン期間に前記内部容積において生じた圧力降下量の時間積分値をフィードバック値として算出するフィードバックステップと、
前記フィードバック値と、基準値との偏差に基づいて、前記第1バルブに入力されるパルス信号を補正する信号補正ステップと、を備えた流体制御方法。
【請求項8】
流体が流れる流路に設けられた抵抗体と、前記流路において前記抵抗体よりも下流側に設けられた第1バルブと、前記流路において前記抵抗体と前記第1バルブとの間に設けられ、前記抵抗体と前記第1バルブとの間の内部容積における流体の圧力を測定する圧力センサと、前記第1バルブを制御する制御機構と、を備え、前記制御機構がコンピュータと、前記第1バルブに対して所定のパルス高さ、及び、所定のパルス幅を有するパルス信号を入力するパルス信号生成器と、を備えた流体制御装置に用いられる流体制御プログラムであって、
前記圧力センサで測定される圧力値に基づいて、前記第1バルブを開放させるオン期間に前記内部容積において生じた圧力降下量の時間積分値をフィードバック値として算出するフィードバック値算出部と、
前記フィードバック値と、基準値との偏差に基づいて、前記パルス信号生成器から前記第1バルブに入力されるパルス信号を補正する信号補正部と、としての機能をコンピュータに発揮させる流体制御装置用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体製造装置において各種ガスの流体量をパルス制御するために用いられる流体制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体の成膜装置の一種である原子層堆積装置(ALD(Atomic Layer Deposition))においては、成分ガスと水蒸気ガスを交互に短時間だけ導入して、オングストローム単位の膜厚で成膜を実現する事が意図されている。
【0003】
このため、例えば1原子分の膜が成膜されるのに必要な流量の各種ガスを成膜チャンバ内へ導入できるように、成膜チャンバ内に導入される各種ガスの流量を制御するマスフローコントローラは、パルス制御によって駆動される(特許文献1)。
【0004】
このようなパルス制御で駆動されるマスフローコントローラは、流路に設けられた抵抗体と、前記抵抗体の下流側に設けられるバルブと、前記バルブを開放させるオン期間と、前記バルブを閉鎖させるオフ期間と、を交互に前記バルブに繰り返させる制御機構、とを備えている。より具体的には、前記マスフローコントローラは、オフ期間において前記抵抗体と前記バルブとの間の流路の内部容積に対してガスを流入させ、所定圧力となるようにチャージして、オン期間においては内部容積にチャージされたガスをバルブの下流側へと流す。
【0005】
さらに、前記バルブは、自身の開度を実測するための変位センサを具備しているとともに、前記制御機構は、前記オン期間においては、前記変位センサで測定される実測開度が、流すべきガスの流量に相当する設定開度と一致するように前記バルブの開度フィードバック制御を行うように構成されている。
【0006】
しかしながら、本願発明者が鋭意検討を行ったところ、上記のように開度フィードバック制御を行っても、特にパルス幅が短い場合には実際に前記バルブの下流側に流れる流量は想定されている流量に対して誤差が発生していることが見出された。すなわち、単純な開度フィードバックだけでは、例えば原子層堆積装置において要求されている流量精度を実現することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2017−509793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述したような問題を鑑みてなされたものであり、パルス制御において各オン期間にバルブを通過する流体の流量又は圧力について従来よりも高い制御精度を実現できる流体制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明に係る流体制御装置は、流体が流れる流路に設けられた抵抗体と、前記流路において前記抵抗体よりも下流側に設けられた第1バルブと、前記流路において前記抵抗体と前記第1バルブとの間に設けられ、前記抵抗体と前記第1バルブとの間の内部容積における流体の圧力を測定する圧力センサと、前記第1バルブを制御する制御機構と、を備え、前記制御機構が、前記第1バルブに対して所定のパルス高さ、及び、所定のパルス幅を有するパルス信号を入力するパルス信号生成器と、前記圧力センサで測定される圧力値に基づいて、前記第1バルブを開放させるオン期間に前記内部容積において生じた圧力降下量の時間積分値をフィードバック値として算出するフィードバック値算出部と、前記フィードバック値と、基準値との偏差に基づいて、前記パルス信号生成器から前記第1バルブに入力されるパルス信号について補正する信号補正部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本願発明者が初めて見出した知見によると、従来のようにバルブの開度を実測し、開度フィードバックにより、前記第1バルブをパルス制御した場合と比較して、オン期間における圧力降下量の時間積分値をフィードバックして前記第1バルブをパルス制御したほうが、実現される流量又は圧力の制御精度を向上させることができる。
【0011】
また、オン期間における圧力降下量の時間積分値と、前記第1バルブを通過する流体の流量とは良い線形性を示し、制御量として開度よりも扱いやすい。
【0012】
このような制御特性が得られるのは、開度をフィードバックしている場合には前記第1バルブの上流側の圧力が変動していても、そのような情報や実際に流れている流量に関連している値がフィードバックされず、誤差が発生するのに対して、圧力降下量の時間積分値であれば実際に流れている流量に関連する値であるため発生している流量誤差をフィードバックし補正できるからであると考えられる。
【0013】
各オン期間において目標流量ができる限り保たれるようにするには、前記基準値が、前記第1バルブを通過する流体の流量が目標流量となる場合における圧力降下量の時間積分値の実績値であればよい。
【0014】
例えば、ALD等においてレシピが終了するまでの時間については変更せずに、各パルスが入力された時に流れる流体の流量を一定にして、生成される膜厚が一定になるようにするには、前記信号補正部が、前記フィードバック値と前記基準値との偏差が小さくなるように前記パルス信号のパルス幅を一定にしたままパルス高さを変更するように構成されたものであればよい。このようなものであれば、成膜プロセスに係る時間は予定通りにして単位時間当たりの処理数を保ったまま高品質の成膜を実現できる。
【0015】
各オン期間において前記第1バルブを通過する流体の流量又は圧力を一定に保つための別の制御態様としては、前記信号補正部が、前記フィードバック値と前記基準値との偏差が小さくなるように前記パルス信号のパルス高さを一定にしたままパルス幅を変更するように構成されたものが挙げられる。
【0016】
前記第1バルブの上流側である前記内部容積での流体の圧力を各オン期間が開始される前に所定の圧力で保たれるようにして、各オン期間において前記第1バルブを通過する流体の流量又は圧力の変動がより生じにくくするには、前記抵抗体が、開度が制御可能な第2バルブであって、前記制御機構が、前記第1バルブを閉鎖させるオフ期間において、前記圧力センサで測定される圧力値と、設定圧力値との偏差が小さくなるように前記第2バルブを制御する第2バルブ制御部をさらに備えたものであればよい。また、このようなものであれば、より広い流量レンジに対して、圧力降下量の時間積分値は高い線形性を示すようになるので、1つの校正曲線だけでも制御レンジを広く取ることが可能となる。
【0017】
前記第1バルブがパルス制御により想定されている通りに動作しているかどうかをモニタリングできるようにするには、前記第1バルブが、その開度を測定する変位センサをさらに具備するものであればよい。
【0018】
本発明に係る別の態様の流体制御装置としては、流体が流れる流路に設けられた抵抗体である第2バルブと、前記流路において前記抵抗体よりも下流側に設けられた第1バルブと、前記流路において前記抵抗体と前記第1バルブとの間に設けられ、前記抵抗体と前記第1バルブとの間の内部容積における流体の圧力を測定する圧力センサと、前記第1バルブを開放させるオン期間と、前記第1バルブを制御する制御機構と、を備え、前記第1バルブが、その開度を測定する変位センサをさらに具備し、前記制御機構が、前記第1バルブを閉鎖させるオフ期間において、前記圧力センサで測定される圧力値と、設定圧力値との偏差が小さくなるように前記第2バルブを制御する第2バルブ制御部と、前記第1バルブに対して所定のパルス高さ、及び、所定のパルス幅を有するパルス信号を入力するパルス信号生成器と、前記第1バルブを開放させるオン期間において前記変位センサで測定される測定開度と、予め定められた設定開度との偏差に基づいて、前記パルス信号生成器から前記第1バルブに入力されるパルス信号を補正する信号補正部と、を備えたものが挙げられる。
【0019】
このようなものであれば、開度フィードバックにより前記第1バルブをパルス制御する場合であっても、前記内部容積の圧力が前記オフ期間において所定の圧力で保たれるように流体がチャージされるので、オン期間に前記第1バルブを通過する流体の流量又は圧力の制御精度を従来よりも向上させることができる。
【0020】
流体が流れる流路に設けられた抵抗体と、前記流路において前記抵抗体よりも下流側に設けられた第1バルブと、前記流路において前記抵抗体と前記第1バルブとの間に設けられ、前記抵抗体と前記第1バルブとの間の内部容積における流体の圧力を測定する圧力センサと、を備えた流体制御装置を用いた流体制御方法であって、前記第1バルブを制御する制御ステップを備え、前記制御ステップが、前記第1バルブに対して所定のパルス高さ、及び、所定のパルス幅を有するパルス信号を入力するパルス信号生成ステップと、前記圧力センサで測定される圧力値に基づいて、前記第1バルブを開放させるオン期間に前記内部容積において生じた圧力降下量の時間積分値をフィードバック値として算出するフィードバックステップと、前記フィードバック値と、基準値との偏差に基づいて、前記フィードバック値が算出された後に前記パルス信号生成器から前記第1バルブに入力されるパルス信号を補正する信号補正ステップと、を備えた流体制御方法を用いれば、開度フィードバックにより第1バルブをパルス制御した場合よりも高い精度で流量又は圧力を制御することができる。
【0021】
既存の流体制御装置についてプログラムをアップデートするだけで、本発明に係る流体制御装置と同様の効果を奏し得るようにするには、流体が流れる流路に設けられた抵抗体と、前記流路において前記抵抗体よりも下流側に設けられた第1バルブと、前記流路において前記抵抗体と前記第1バルブとの間に設けられ、前記抵抗体と前記第1バルブとの間の内部容積における流体の圧力を測定する圧力センサと、前記第1バルブを開放させるオン期間と、前記第1バルブを制御する制御機構と、を備え、前記制御機構がコンピュータと、前記第1バルブに対して所定のパルス高さ、及び、所定のパルス幅を有するパルス信号を入力するパルス信号生成器と、を備えた流体制御装置に用いられる流体制御プログラムであって、前記圧力センサで測定される圧力値に基づいて、前記第1バルブを開放させるオン期間に前記内部容積において生じた圧力降下量の時間積分値をフィードバック値として算出するフィードバック値算出部と、前記フィードバック値と、基準値との偏差に基づいて、前記フィードバック値が算出された後に前記パルス信号生成器から前記第1バルブに入力されるパルス信号を補正する信号補正部と、としての機能をコンピュータに発揮させる流体制御装置用プログラムを用いればよい。
【0022】
なお、流体制御装置用プログラムは、電子的に配信されるものであってもよいし、CD、DVD,HDD、フラッシュメモリ等のプログラム記憶媒体に記憶されたものであっても構わない。
【発明の効果】
【0023】
このように本発明に係る流体制御装置によれば、オン期間における圧力降下量の時間積分値に基づいて前記第1バルブの開度がパルス制御されるので、開度そのものをフィードバックしてパルス制御する場合と比較して、オン期間に前記第1バルブを通過する流体の流量又は圧力の制御精度を向上させることができる。したがって、各オン期間において各種ガスを必要な微小量だけ成膜チャンバに正確に供給することが可能となり、例えばALD等において高精度の成膜を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態に係る流体制御装置、及び、この流体制御装置が用いられた原子層堆積装置を示す模式図。
図2】第1実施形態における流体制御装置のハードウェア、及び、ソフトウェアの構成を示す模式図。
図3】第1実施形態において第1バルブに入力されるパルス信号を示す模式的グラフ。
図4】第1実施形態におけるパルス制御による第1バルブ、及び、内部容積にある流体の圧力変化と、圧力降下量の時間積分値について示す模式的グラフ。
図5】第1実施形態における流体制御装置の動作を示すフローチャート。
図6】従来の流体制御装置と第1実施形態の流体制御装置の制御精度を示すグラフ。
図7】本発明の第2実施形態に係る流体制御装置のハードウェア、及び、ソフトウェアの構成を示す模式図。
図8】第2実施形態における流体制御装置の動作を示すフローチャート。
図9】本発明の第3実施形態に係る流体制御装置のハードウェア、及び、ソフトウェアの構成を示す模式図。
図10】第3実施形態における流体制御装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態の構成>
本発明の第1実施形態に係る流体制御装置100について図1乃至図5を参照しながら説明する。第1実施形態の流体制御装置100は、図1に示すように、原子層堆積装置200(ALD)の成膜チャンバCHに対して各種ガスをパルス制御によって間欠的に供給するものである。前記流体制御装置100は、成膜チャンバCHに連通する第1ガス供給流路L1と、第2ガス供給流路L2にそれぞれ1つずつ設けてある。第1ガス供給流路L1は、例えばプリカーサと呼ばれるTMA等の成分ガスを前記成膜チャンバCH内に供給するためのものであり、第2ガス供給流路L2は、例えば水蒸気ガスを前記成膜チャンバCH内に供給するためものである。
【0026】
第1ガス供給流路L1と、第2ガス供給流路L2に設けられている各流体制御装置100は、パルス制御のタイミングがずらしてあり、成膜チャンバCH内に成分ガスと水蒸気ガスが交互に供給する。また、各流体制御装置100は、1パルスにより前記成膜チャンバCH内に1原子分の厚みの層が形成されるのに必要十分な流量の各種ガスが供給されるように構成してある。
【0027】
各流体制御装置100はほぼ同じ構成を有しているので、以下では1つの流体制御装置100に注目して、その詳細について図2を参照しながら説明する。
【0028】
前記流体制御装置100は、流路に対して上流側から順番に抵抗体1、圧力センサ2、第1バルブ3が設けてあり、さらに前記圧力センサ2の出力に基づいて前記第1バルブ3をパルス制御する制御機構Cと、を備えたものである。
【0029】
前記抵抗体1は、例えば流路内に流路抵抗を発生させるオリフィス等である。なお、第1実施形態では、オリフィスの内径は固定されており、流路抵抗が固定されるようにしてある。
【0030】
前記圧力センサ2は、流路において前記抵抗体1と前記第1バルブ3との間の部分である内部容積5にある流体の圧力を測定するものである。
【0031】
前記第1バルブ3は、例えばピエゾアクチュエータにより弁体を駆動し、弁体と弁材との間の隙間である開度を変更可能に構成してある。この第1バルブ3はさらに変位センサ4を内蔵しており、前記弁体の変位量を実測して開度を測定できるように構成してある。
【0032】
前記制御機構Cは、前記第1バルブ3を制御するものであり、前記第1バルブ3を開放させるオン期間と、前記第1バルブ3を閉鎖させるオフ期間とを交互に前記第1バルブ3に繰り返させるものである。より具体的には、前記制御機構Cは、CPU、メモリ、A/D・D/Aコンバータ、入出力手段等を備えたいわゆるコンピュータであって、前記メモリに格納されている流体制御装置100用プログラムが実行されて、各種機器が協業することにより少なくともパルス信号生成器6、フィードバック値算出部7、信号補正部8としての機能を発揮するように構成してある。
【0033】
前記パルス信号生成器6は、前記第1バルブ3に対して所定のパルス高さ、及び、所定のパルス幅を有するパルス信号を入力する。第1実施形態では、前記パルス信号生成器6は、前記第1バルブ3のピエゾアクチュエータに対して、図3に示すような、所定周期ごとに電圧のパルス信号を入力するように構成してある。すなわち、前記パルス信号生成器6がパルス信号を前記第1バルブ3に対して入力している間は前記第1バルブ3が開放されるオン期間になり、各パルス信号の間であり前記第1バルブ3に対してパルス信号が入力されていない間は第1バルブ3が閉鎖されるオフ期間となる。また、パルス信号のパルス高さについては後述する補正部により逐次変更可能に構成してあるが、パルス幅、及び、パルス信号の周期については固定してある。パルス幅については例えば10msecオーダに設定してあり、周期については100msecオーダに設定してある。なお、パルス幅、パルス信号の周期については一例を示すものであり、用途に応じて適宜、任意の値に設定してもよい。
【0034】
前記フィードバック値算出部7は、前記圧力センサ2で測定される圧力値に基づいて、オン期間に前記内部容積5において生じた圧力降下量の時間積分値をフィードバック値として算出する。すなわち、図4のグラフに示すように、前記第1バルブ3に対してパルス信号が入力され、前記第1バルブ3が開放されると内部容積5にチャージされているガスが前記第1バルブ3を通過し、内部容積5のガスの量が減少するため圧力降下が生じる。この圧力降下はパルス信号の入力が開始されて前記第1バルブ3が開放されてから、パルス信号の入力が終了して前記第1バルブ3が閉鎖されるまで継続する。第1実施形態ではフィードバック値は図4のグラフにおいてハッチング部分に相当する面積であり、例えば区分求積法によりこの圧力降下量の時間積分値は算出される。
【0035】
より具体的には、前記フィードバック値算出部7は、前記圧力センサ2で測定される圧力値を逐次記憶する圧力値記憶部71と、前記圧力値記憶部71に記憶されている圧力値に基づいて、圧力降下量の時間積分値を算出する積分値算出部72とを備えている。
【0036】
前記圧力値記憶部71は、例えば前記パルス信号生成器6により前記第1バルブ3に対してパルス信号が入力された時点から終了する時点までの圧力値の時系列データを記憶するものである。
【0037】
前記積分値算出部72は、前記圧力値記憶部71に記憶されている圧力値の時系列データに基づいて、圧力降下量の時間積分値を算出する。例えば、前記積分値算出部72は、第1バルブ3にパルス信号が入力された時点での初期圧力値と、各時点で測定される圧力値との差にサンプリングタイムを乗じて区分求積法により図4のハッチング部分の面積を算出して、フィードバック値として出力する。
【0038】
前記信号補正部8は、前記フィードバック値と、基準値との偏差に基づいて、前記フィードバック値が算出された後に前記パルス信号生成器6から前記第1バルブ3に入力されるパルス信号について補正する。より具体的には、前記信号補正部8は、あるパルス信号が前記第1バルブ3に入力された際の圧力降下から算出されたフィードバック値と、基準値との偏差が小さくなるように、あるパルス信号の次に入力されるパルス信号のパルス高さを補正する。この際、前記信号補正部8は、前記パルス信号生成器6の設定を変更することで次回に出力されるパルス信号のパルス高さを変更する。つまり、前記信号補正部8によって前記パルス信号生成器6から出力されるパルス信号は、1回前に入力されたパルス信号により得られた圧力降下量の時間積分値によって逐次パルス高さが補正されることになる。
【0039】
ここで、前記基準値は、予め定められた値であって、前記第1バルブ3を通過する流体の流量が目標流量となる場合における圧力降下量の時間積分値の実績値である。すなわち、1回のオン期間において成膜チャンバCHへ流したい目標流量に相当する圧力降下量の時間積分値を基準値として予め実験等により取得してある。
【0040】
<第1実施形態の動作>
次に第1実施形態の流体制御装置100による流量のパルス制御に関する動作について図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0041】
まず、前記内部容積5に十分な圧力のガスがチャージされている状態から、前記流体制御装置100が、パルス制御による流量制御を開始する。すなわち、前記パルス信号生成器6は初期設定のパルス高さ、パルス幅でパルス信号を前記第1バルブ3に対して入力する(ステップS1)。
【0042】
前記第1バルブ3は、前記パルス信号のパルス幅分に相当する所定時間の間、開放される(ステップS2)。前記第1バルブ3が開放されている間は前記内部容積5にチャージされているガスは、前記第1バルブ3を通過して成膜チャンバCHへと流れる。したがって、内部容積5にあるガスの圧力はオン期間の間、図4のグラフに示すように低下し続ける(ステップS3)。前記第1バルブ3へのパルス信号の入力が終了すると、前記第1バルブ3が閉鎖された状態が所定時間保たれる(ステップS4)。前記第1バルブ3が閉鎖されている間は、上流側から新たなガスが前記抵抗体1を通過して前記内部容積5内にチャージされ、ガスの圧力が上昇することになる(ステップS5)。
【0043】
ステップS2からステップS7と並列して、前記フィードバック値算出部7は、前記第1バルブ3が開放されてから閉止されるまでのオン期間の間における圧力降下量の時間積分値をフィードバック値として算出する(ステップS6)。その後、前記信号補正部8は、フィードバック値と基準値との偏差に基づいて、前記パルス信号生成器6から次に出力されるパルス信号のパルス高さを補正する(ステップS7)。例えば、フィードバック値が基準値に対して小さい場合には、流量が足りないのでパルス高さが前回よりも高くなるように変更される。逆にフィードバック値が基準値に対して大きい場合には、流量が過剰な状態なので、パルス高さが前回よりも低くなるように変更される。
【0044】
次に前記パルス信号生成器6は、予め定められた規定数のパルス信号を出力したかどうかを判定し(ステップS8)、まだ規定数に到達していない場合には、ステップS8で補正されたパルス高さを有するパルス信号を前回と同じパルス幅で前記第1バルブ3に対して入力する(ステップS9)。
【0045】
以降は、パルス信号が前記第1バルブ3に対して規定数入力されるまでの間はステップS2〜S10の動作が繰り返される。すべてのサイクルが完了した後、前記流体制装置の動作が終了される。
【0046】
<第1実施形態の効果>
このように構成された第1実施形態の流体制御装置100によれば、オン期間における圧力降下量の時間積分値をフィードバック値として、前記第1バルブ3に入力されるパルス信号のパルス高さが逐次補正されるようにしているので、各オン期間において前記第1バルブ3を通過するガスの流量を目標流量で均一に保つことができる。
【0047】
より具体的には、図6のグラフに示すように、従来のように前記第1バルブ3の開度をフィードバックしてパルス制御する場合と比較して、第1実施形態のように圧力降下量の時間積分値をフィードバックしてパルス制御を行うと、フィードバックされる値と実際に流れる流量との間の線形性を従来よりも向上させることができる。したがって、従来のように開度を実測してフィードバックする場合と比較して、実際の流量の制御精度をより高めることができる。
【0048】
これらのことから、各パルス信号により前記第1バルブ3を通過させて成膜チャンバCH内に流入する各ガスの流量を例えば原子1個分の膜を形成するのに必要十分な量に調整することができ、高品質の成膜をALDにおいて実現できる。
【0049】
また、前記信号補正部8はパルス高さのみを変更して前記第1バルブ3が開放されている状態において流れるガスの流量を調整し、パルス幅及び周期は固定しているので、例えば多数のサイクルを実施して、成膜チャンバCH内にガスを導入する場合でも開始から終了までにかかる時間は変化しない。すなわち、ALDにおいて設定されるレシピを流量の精度については高めつつ、プロセスタイムについては変化させず、高生産性を保つことができる。
【0050】
<第2実施形態の構成>
次に本発明の第2実施形態に係る流体制御装置100について図7及び図8を参照しながら説明する。
【0051】
第2実施形態の流体制御装置100は、第1実施形態と比較して、抵抗体1が第2バルブ1である点と、制御機構Cが前記第2バルブ1を制御する第2バルブ制御部9を備えている点が異なっている。具体的には、第2実施形態では前記第2バルブ1の開度を変更することにより内部容積5に対して流入する流体に対する流路抵抗を調整できるようにしてある。
【0052】
前記第2バルブ1は、前記第1バルブ3と同様にピエゾアクチュエータによって弁体を駆動し、弁座に対する弁体の位置である開度を変更可能に構成してある。
【0053】
前記第2バルブ制御部9は、前記圧力センサ2により測定される内部容積5内のガスの圧力値に基づいて、前記第2バルブ1の開度を制御する。具体的には、前記圧力センサ2で測定される圧力値と、予め定められた設定圧力値との偏差が小さくなるように前記第2バルブ1に印加する電圧を制御する。ここで、設定圧力値は、目標流量を実現するために前記第1バルブ3にパルス信号を入力して開放させる時点で前記内部容積5が保っているべき圧力値である。第2実施形態では、前記第2バルブ1を制御することで、前記第1バルブ3が少なくとも開放される直前において同じ圧力が前記内部容積5にチャージされるように構成してある。
【0054】
<第2実施形態の動作>
第2実施形態の流体制御装置100は、図8のフローチャートに示すように第1実施形態の流体制御装置100と同様のステップS1〜S9までの動作を行うが、ステップS1を実行する前の状態から全てのサイクルが完了するまでの間において、前記第2バルブ1を前記圧力センサ2で測定される圧力値が、設定圧力値となるように圧力フィードバックによる開度制御が継続される(ステップS0)。
【0055】
<第2実施形態の効果>
このように構成された流体制御装置100であれば、前記第1バルブ3に対してパルス信号を入力してオン期間を実施する前に前記第2バルブ1によって前記内部容積5におけるガスの圧力を設定圧力値に保たれるようにしているので、各オン期間の開始時において前記第1バルブ3の前後の差圧を常に一定保てる。このため、パルス高さ以外の制御対象ではない物理量を一定に保てるので、各サイクルにおいて前記第1バルブ3を通過するガスの流量の制御精度をさらに向上させることができる。
【0056】
次に本発明の第3実施形態に係る流体制御装置100について図9及び図10を参照しながら説明する。
【0057】
第3実施形態の流体制御装置100は、第2実施形態と比較して、第1バルブ3が圧力降下量の時間積分値をフィードバックするのではなく、変位センサ4で測定される実際の開度をフィードバックすることで制御される点が異なっている。
【0058】
より具体的には、第3実施形態の制御機構Cには第1及び第2実施形態におけるフィードバック値算出部7が省略してある。
【0059】
さらに前記信号補正部8は、前記変位センサ4で測定される実際の開度と、予め定められた設定開度との偏差に基づいて、前記パルス信号生成器6から出力されるパルス信号のパルス高さを補正するように構成してある。具体的には、前記信号補正部8はあるパルス信号が出力された時の前記第1バルブ3の開度を前記変位センサ4で測定しておき、その実際の開度に基づいて次回のパルス信号のパルス高さを設定開度に近づくように前記パルス信号生成器6の設定を変更するように構成してある。
【0060】
前記設定開度は、例えば前記第1バルブ3の上流側が設定圧力に保たれており、下流側がほぼ真空に保たれている状態において目標流量を流すために必要な開度の実績値である。
【0061】
<第3実施形態の流体制御装置100の動作>
第3実施形態の流体制御装置100の動作は、図8に示す第2実施形態の流体制御装置100の動作と比較して、ステップS6及びステップS7の動作のみが異なっている。すなわち、第3実施形態の流体制御装置100では、オン期間において前記第1バルブ3が実現している開度を前記変位センサ4で実測し(ステップS6’)、実際の開度と設定開度に基づいて次回に出力されるパルス信号のパルス高さの補正量を変更する。(ステップS7’)
【0062】
<第3実施形態の流体制御装置100の動作>
このように構成された第3実施形態の流体制御装置100であれば、前記第2バルブ1により内部容積5の圧力を設定圧力で保たれるようにしているので、開度フィードバックで第1バルブ3をパルス制御しても、従来よりも流量の制御精度を向上させることができる。
【0063】
また、フィードバック値を算出するための積分等の演算を行わなくても良く、演算負荷が小さいので、パルス幅、及び、周期が短く、演算に掛けられる時間が短い場合でも十分に余裕を持って開度フィーバックができる。つまり、制御機構Cにおいて高速のCPU等を用いなくても各サイクルにおいて高精度に流量を制御できる。
【0064】
さらに、前記第2バルブ1により前記内部容積5におけるガスの圧力が一定に保たれるように制御されるので、前記第2バルブ1よりも上流側においてガスの圧力に変動が有ったとしても、そのような変動は前記第1バルブ3を通過するガスの流量の制御精度に対して影響がほとんど表れないようにできる。すなわち、流量制御のロバスト性を高くすることができる。加えて、広い流量レンジに対して開度と流量との間の線形性を実現できるので、例えば1つの校正曲線だけを同定するだけで、広いレンジにおいて流量制御を精度よく実現できる。
【0065】
その他の実施形態について説明する。
各実施形態では、パルス信号のパルス高さを補正することで、各サイクルにおいて第1バルブを通過する流体の流量が一定値に保たれるようにしていたが、例えばパルス信号のパルス幅を補正することで流量制御を行うようにしてもよい。また、パルス高さとパルス幅の両方を補正することで各サイクルでの流量が一定に保たれるようにしてもよい。
【0066】
信号補正部において用いられる基準値については、予め定めておくのではなく、パルス制御を開始してからの数パルスを調整用パルスとして使用して設定してもよい。具体的には、パルス制御開始後の数パルスにおいて実測される圧力降下量の時間積分値が目標流量に相当する値となった場合のものを基準値としてもよい。また、パルス制御開始時の数パルスにおいてのみ圧力降下量の時間積分値がフィードバックされて、基準値と同じ時間降下量の積分値が実現できたら、以降については信号補正部を動作させずに同じパルス高さ、パルス幅で動作し続けるようにしてもよい。
【0067】
前記実施形態では、信号補正部はあるパルス信号に対して1つ前に出力されたパルス信号によるオン期間において発生した圧力降下量の積分値に基づいてパルス高さ、又は、パルス幅を補正していたが、例えば2つ前、3つ前に出力するパルス信号によるオン期間において発生した圧力降下量の積分値に基づいて現在出力するパルス信号を補正するように構成してもよい。また、あるパルス信号によるオン期間において生じている圧力降下量の積分値に基づいて、同じオン期間中にパルス信号のパルス高さ、又は、パルス幅を補正するようにしてもよい。例えばオン期間の前半において得られた圧力降下量の積分値に基づいて、基準値と比較し、オン期間の後半のパルス信号について補正するようにしてもよい。また、例えば圧力降下量の積分値を逐次算出しながら、同時にパルス信号のパルス高さを逐次変更するようにしてもよい。
【0068】
流体制御装置は、第1バルブを通過する流体の流量を制御するものではなく、圧力を制御するものであっても構わない。
【0069】
本発明に係る流体制御装置は、ALDに限られず様々な用途において流体をパルス供給するために用いても構わない。
【0070】
第1バルブ、第2バルブについてはピエゾアクチュエータを用いたものに限られず、ソレノイド等の様々なアクチュエータにより弁体を駆動するものであっても構わない。
【0071】
抵抗体についても流路抵抗を形成するものであればよく、各実施形態に記載したものに限られない。
【0072】
圧力降下量の時間積分値を算出する方法については区分求積法に限られず、様々な方法で算出してもよい。例えば、オン期間の開始点と終了点における圧力値だけに基づき、三角形の領域の面積を圧力降下量の時間積分値の近似値として用いるようにしてもよい。
【0073】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の組み合わせや変形を行っても構わない。
【符号の説明】
【0074】
100・・・流体制御装置
1 ・・・抵抗体(第2バルブ)
2 ・・・圧力センサ
3 ・・・第1バルブ
4 ・・・変位センサ
5 ・・・内部容積
6 ・・・パルス信号生成器
7 ・・・フィードバック値算出部
71 ・・・圧力値記憶部
72 ・・・積分値算出部
8 ・・・信号補正部
9 ・・・第2バルブ制御部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10