【実施例】
【0019】
以下本発明の一実施例による可搬型撮影台について説明する。
図1は本実施例による可搬型撮影台の収納時を示す外観写真である。
本実施例による可搬型撮影台は、基台フレーム10と、被写体を載置する底板20と、一対の側板30A、30Bとを有する。
基台フレーム10の一方側部10Lには、4つのキャスター11を設けている。
基台フレーム10は、一方側部10Lに隣接する一対の基台側板10A、10Bと、一方側部10Lに対向する他方側部10Hとを備えている。
側板30Aの一端は基台側板10Aに蝶番12Aで開閉自在に、側板30Bの一端は基台側板10Bに蝶番12Bで開閉自在に設けている。
基台側板10Aには持ち手13Aを、基台側板10Bには持ち手13Bを、他方側部10Hには持ち手13Hを、それぞれ設けている。
基台フレーム10には、収納庫41を備えており、収納庫41は基台フレーム10の対角線方向に配置している。また、基台フレーム10には、第2収納庫42を備えている。
本実施例による可搬型撮影台は、基台フレーム10に対して底板20及び側板30A、30Bを折り畳むことができ、収納時には
図1に示すように立姿形で、キャスター11を設けているため、調査室等の狭いスペースへの移動・収納が可能であり、また、倒伏させた状態で搬送が可能である。
【0020】
図2及び
図3は本実施例による可搬型撮影台の組立方法を示す外観写真である。
図2(a)及び
図2(b)は、可搬型撮影台を倒伏させた状態(収納状態)を示している。
図2(a)及び
図2(b)に示すように、収納状態では、側板30Bは基台フレーム10の一つの面を覆い、側板30Aは側板30Bの一部を覆っている。すなわち、側板30Aと側板30Bとは同一幅寸法で、側板30Aは側板30Bより組立時の高さ寸法が小さい。一方、基台側板10Aは基台側板10Bより組立時の高さ寸法が大きく、側板30Aと基台側板10Aとの組立時の高さ寸法が、側板30Bと基台側板10Bとの組立時の高さ寸法と同一となる。
まず、
図2(c)に示すように側板30Aを開き、その後に
図2(d)に示すように側板30Bを開く。側板30Aは、自立棒31によって開状態を保持される。自立棒31は、根元31aを回動支点とし、先端31bに設けた留め具31cで側板30Aに固定する。側板30Bについても同様である。
一対の側板30A、30Bを開いて自立させた後に、
図2(e)に示すように底板20を開く。底板20の一端は他方側部10Hに蝶番12Hで開閉自在に設けている。
底板20には、スライドピン21を備えている。スライドピン21を、側板30A、30Bに形成した位置決め孔32に挿入することで、底板20の動きを規制する。
底板20を開くことで、
図2(f)に示すように、収納庫41からロール紙保持バー50、撮影機固定バー60、配置用定規70(
図6参照)、遮光バー80、カット用定規90を取り出すことができる。
収納庫41は、基台フレーム10の対角線方向に配置しているので、基台フレーム10の幅と同寸のロール紙保持バー50、撮影機固定バー60、配置用定規70、遮光バー80、カット用定規90を収納できるとともに、基台フレーム10の強度を高めることができる。
【0021】
図3(a)は第2収納庫42の蓋を取り外した状態を示している。第2収納庫42には、例えばラインレーザー100を収納している。
図3(b)から
図3(d)に示すように、撮影機固定バー60及び遮光バー80は、一対の側板30A、30Bの上端に取り付けられる。
また、ラインレーザー100を取り付けるラインレーザー固定バー101についても、撮影機固定バー60及び遮光バー80と同様に、側板30Aと側板30Bとに跨って取り付けられる。
一対の側板30A、30Bの後方端には、高さ方向に複数の溝33が形成されている。ロール紙保持バー50は、溝33によって保持される。溝33の高さによって、ロール紙保持バー50の高さを変更できる。
【0022】
図3(e)及び
図3(f)は、撮影機固定バー60を示している。
図3(e)は撮影機固定バー60の収納状態を、
図3(f)は撮影機固定バー60の設置状態を示している。
撮影機固定バー60は、固定バー本体61と、固定バー本体61の両端に回動自在に設けた脚部62と、脚部62の端部に設けた側板取付部63とからなる。
【0023】
図4は本実施例による可搬型撮影台の底板の角度変更を示す外観写真である。
図4(a)は底板20を水平状態、
図4(b)は底板20を水平から所定角度傾けた状態を示している。
一対の側板30A、30Bには、それぞれ複数の角度調整孔34を形成している。
図4(c)から
図4(e)に示すように、底板20にはスライドピン21を備えている。スライドピン21を側板30A、30Bに形成した角度調整孔34に挿入することで、底板20の動きを規制する。従って、高さ方向に異なる位置に形成した角度調整孔34を利用することで、底板20の角度を変更することができる。
なお、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、基台フレーム10の他方側部10Hには足先挿入用開口14を形成している。
【0024】
図5は本実施例による可搬型撮影台の使用状態を示す外観写真である。
本実施例による可搬型撮影台は、被写体Aが底板20に載置され、一対の側板30A、30Bが被写体Aの側方に位置し、被写体Aの後方にロール紙保持バー50が配置され、
被写体Aの上方に撮影機固定バー60が配置される。
一対の側板30A、30Bの内面上部には照明具120を備えている。照明具120を備えることで、屋内でも十分な光量を得ることができ、色鮮やかに撮影を行える。照明具120には、白色で光量調整が可能なLEDライトが適している。
【0025】
ロール紙保持バー50にはロール紙111が保持される。ロール紙111は、底板20まで引き出し、底板20にロール紙111を敷いて被写体Aを載置する。
被写体Aに応じて底板20の角度を変更できるので、撮影機64と被写体Aとを正対させて撮影できる。
撮影機64を固定する撮影機固定バー60は、一対の側板30A、30Bの上端より上方に配置しているため、被写体Aと撮影機64との距離を確保でき、側板30A、30Bの高さを低くして可搬型撮影台をコンパクトにできる。
【0026】
図5(a)に示すように、被写体Aが葉である場合には、底板20を水平方向とし、ロール紙保持バー50を低くしてロール紙111を底板20だけに敷いて撮影を行う。
ラインレーザー100は、被写体Aの上方に配置する。ラインレーザー100は、X軸方向とY軸方向を示すクロスラインレーザーが好ましい。ラインレーザー100としてクロスラインレーザーを用いた場合には、
図5(c)に示すように、底板20に敷いたロール紙111にレーザーによるクロスラインを示すことができる。
ラインレーザー100を用いることで、同時撮影する複数の被写体Aを整列して並べやすく、複数回に分けた撮影の場合にも被写体Aを同一位置に配置できる。
また、所定間隔で色分けされている配置用定規70を、底板20の周囲に載置することで、同時撮影する複数の被写体Aを整列して並べやすく、複数回に分けた撮影の場合にも被写体Aを同一位置に配置できる。
【0027】
図5(d)は、ロール紙保持バー50を示している。
ロール紙保持バー50は、両端に抜け止め51を備えるとともに、ロール紙111の幅より若干広い間隔で一対の位置決め部52を備えている。
位置決め部52は、外方(抜け止め51側)を大径、内方を小径とした円錐台形状をしている。ロール紙111は、位置決め部52によってロール紙保持バー50の中央部に常に位置する。
【0028】
図6は本実施例による可搬型撮影台の他の使用状態を示す外観写真である。
図6に示すように、被写体Bが立姿形の鉢物である場合には、底板20を水平方向とし、ロール紙保持バー50を高くし、底板20から被写体B背面までをロール紙111によって同一色の背景色として撮影を行う。このように、周囲環境や被写体Bに応じて被写体Bの後方にロール紙111を配置できる。
【0029】
図6(a)に示すように、配置用定規70は、それぞれ所定間隔で色分けされている第1部材71と第2部材72とからなり、第1部材71と第2部材72とは、端部で回動自在に接続されている。第1部材71と第2部材72とを直交する方向に展開し、底板20の周囲に載置して用いる。
このような配置用定規70を用いることで、複数回に分けた撮影の場合にも被写体Bを同一位置に配置できる。
【0030】
図7は本実施例による可搬型撮影台の更に他の使用状態を示す外観写真である。
図7(a)に示すように、基台フレーム10の他方側部10Hに形成している足先挿入用開口14によって撮影時の足先の映り込みを防止できる。
また
図7(b)に示すように、配置用定規70を用いることで、同時撮影する複数の被写体Cを整列して並べやすい。
【0031】
図8は本実施例による可搬型撮影台の更に他の使用状態を示す外観写真である。
図8(a)は、ロール紙保持バー50に保持されるロール紙112を遮光バー80まで引き出し、ロール紙保持バー50から遮光バー80までをロール紙112で遮光している。このように底板20の上方に遮光バー80を設けてロール紙112で遮光することで、周囲環境に応じて遮光を行え、例えば屋外での光量過多や屋内での天井照明の映り込みを防止できる。なお、遮光用のロール紙112には黒色ロール紙が適している。
【0032】
図8(b)は、複数のロール紙111、112を用いた場合を示している。例えば黒色のロール紙112を保持するロール紙保持バー50よりも白色のロール紙111を保持するロール紙保持バー50を高い位置に配置し、黒色のロール紙112を底板20の手前まで引き出し、黒色のロール紙112の一部が露出するように、白色のロール紙111を引き出すことで、
図8(b)の状態とすることができる。
このように、複数のロール紙保持バー50を配置することで、異なる色のロール紙111、112を組み合わせて背景色とすることができ、例えば被写体Dとしての茎葉の背景には白色のロール紙111を配置し、被写体Eとしての根の背景には黒色のロール紙112を配置することができる。
【0033】
図9は本実施例による可搬型撮影台として備えるカット用定規を示す写真である。
図9(a)は同カット用定規の外観を示す写真、
図9(b)及び
図9(c)は同カット用定規の機能を示す写真、
図9(d)は同カット用定規の使用状態を示す写真である。
カット用定規90は、2枚の板材90A、90Bで構成され、一方の板材90Aにスリット91を形成している。カット用定規90は、2枚の板材90A、90Bでロール紙111を挟み込み、スリット91に沿ってカッター95を動かしてロール紙111を切り取る。このようなカット用定規90を用いることで、ロール紙111を簡便で綺麗に裁断できる。