特許第6979910号(P6979910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6979910グロメット及びグロメット付ワイヤーハーネス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6979910
(24)【登録日】2021年11月18日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】グロメット及びグロメット付ワイヤーハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01B 17/58 20060101AFI20211202BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20211202BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20211202BHJP
   F16L 5/02 20060101ALI20211202BHJP
【FI】
   H01B17/58 C
   H01B7/00 301
   B60R16/02 622
   F16L5/02 A
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-56125(P2018-56125)
(22)【出願日】2018年3月23日
(65)【公開番号】特開2019-169351(P2019-169351A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2020年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】丸橋 卓也
【審査官】 神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−157574(JP,A)
【文献】 特開2015−188295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 17/58
H01B 7/00
B60R 16/02
F16L 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルに設けられた貫通孔に挿通されるワイヤーハーネスを内部に挿通するグロメット本体と、
該グロメット本体の端部に設けられ、前記貫通孔を覆うように前記パネルに取り付けられる取付部とで構成されたグロメットであって、
前記取付部は、
長円状に形成され、長円における長軸方向の一方側に連結された前記グロメット本体と一体化された取付基部と、
該取付基部の外周縁に沿って形成され、前記グロメット本体と逆側に突出する外周壁部と、
前記取付基部と前記外周壁部とを跨ぐ補強リブとで構成され、
前記補強リブは、
前記取付基部の前記グロメット本体よりも他方側において、前記取付基部の短軸方向に沿って前記外周壁部を連結するとともに、前記ワイヤーハーネスの挿通方向に対する前記外周壁部の長さと同じ長さとなるように前記挿通方向の先端側に延出した短軸方向補強リブと、
該短軸方向補強リブと前記取付部の前記他方側とを連結するとともに、前記取付部の前記他方側に向かうに伴い前記挿通方向の前記先端側と逆側である基端側に傾斜した傾斜補強リブとで構成された
グロメット。
【請求項2】
前記外周壁部の外周面には、前記貫通孔が嵌合するように窪ませた嵌合溝部が外周方向に沿って形成され、
前記外周壁部における前記他方側の内周面には、前記外周側に向けて窪ませた内側凹部が前記嵌合溝部よりも前記挿通方向の基端側に設けられ、
前記傾斜補強リブの前記他方側の端部が、前記内側凹部よりも前記挿通方向の基端側で連結されている
請求項1に記載のグロメット。
【請求項3】
前記傾斜補強リブが、前記グロメット本体の中心軸を通るとともに、前記長軸方向に沿って形成された
請求項1又は請求項2に記載のグロメット。
【請求項4】
前記取付基部の前記一方側における前記グロメット本体との連結部に、前記挿通方向の前記先端側に向けて立設する環状リブが設けられ、
前記環状リブの外周面から、外周方向に延設する外周延設リブが設けられた
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のグロメット。
【請求項5】
前記外周延設リブは、前記環状リブの外周面と前記短軸方向補強リブとを連結するとともに、
前記挿通方向に対する長さが、前記短軸方向補強リブよりも短く構成された
請求項4に記載のグロメット。
【請求項6】
前記外周延設リブが、前記長軸方向に沿って前記短軸方向補強リブと連結した
請求項4又は請求項5に記載のグロメット。
【請求項7】
前記取付基部の前記基端側に、
前記取付基部の前記他方側の外周縁を跨ぐよう前記取付基部と前記グロメット本体とを連結した外側リブが立設された
請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のグロメット。
【請求項8】
前記外側リブは、前記傾斜補強リブに沿って配置された
請求項7に記載のグロメット。
【請求項9】
前記外周壁部は、前記他方側に比べて前記一方側が、径方向に対して板厚に構成された
請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載のグロメット。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載のグロメットと、
前記グロメットの前記グロメット本体に挿通させたワイヤーハーネスとで構成された
グロメット付ワイヤーハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ドアパネルなどのパネルに設けた貫通孔に挿通させるワイヤーハーネスを保護するグロメット及び前記グロメットにワイヤーハーネスを挿通させたグロメット付ワイヤーハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両本体とドアとの間などにワイヤーハーネスを配索する場合、特許文献1に開示されているような、管状のグロメット本体の両端に設けられた取付部の一方をドア側のパネル(ドアパネル)に取り付けるとともに、他方を車両本体側のパネルに取り付けるグロメットに、ワイヤーハーネスを挿通させて配索している。
【0003】
一般的に、一方の取付部をドアパネルに取り付ける場合、他方の取付部とグロメット本体をドアパネルに設けた貫通孔にドア側から車両本体側に向けて挿通させたのちに、一方の取付部の一部を貫通孔に当接させてグロメット本体を車両本体側に引っ張り、当接部位を枢動軸として取付部を枢動させて貫通孔に嵌合させている。
【0004】
しかしながら、例えばグロメット本体の端部が取付部の中心から偏った位置で連結されている場合、グロメット本体を引っ張ることにより作用させた引張力が前記取付部に偏って伝わって、取付部の形状が変形するため、取付部を貫通孔に確実に嵌合させることが困難となり、パネルに取付部を正しく取り付けられないおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−202847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述した問題を鑑み、パネルに容易かつ正しく取り付けることができるグロメット及び、該グロメットにワイヤーハーネスを挿通させたグロメット付ワイヤーハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、パネルに設けられた貫通孔に挿通されるワイヤーハーネスを内部に挿通するグロメット本体と、該グロメット本体の端部に設けられ、前記貫通孔を覆うように前記パネルに取り付けられる取付部とで構成されたグロメットであって、前記取付部は、長円状に形成され、長円における長軸方向の一方側に連結された前記グロメット本体と一体化された取付基部と、該取付基部の外周縁に沿って形成され、前記グロメット本体と逆側に突出する外周壁部と、前記取付基部と前記外周壁部とを跨ぐ補強リブとで構成され、前記補強リブは、前記取付基部の前記グロメット本体よりも他方側において、前記取付基部の短軸方向に沿って前記外周壁部を連結するとともに、前記ワイヤーハーネスの挿通方向に対する前記外周壁部の長さと同じ長さとなるように前記挿通方向の先端側に延出した短軸方向補強リブと、該短軸方向補強リブと前記取付部の前記他方側とを連結するとともに、前記取付部の前記他方側に向かうに伴い前記挿通方向の前記先端側と逆側である基端側に傾斜した傾斜補強リブとで構成されたことを特徴とする。
またこの発明は、上記のグロメットと、前記グロメットの前記グロメット本体に挿通させたワイヤーハーネスとで構成されたグロメット付ワイヤーハーネスであることを特徴とする。
【0008】
前記長円状とは、線対称又は非線対称である小判型形状や楕円形状で構成されている場合を含む。
前記外周壁部は、前記外周縁から前記取付基部の外側及び前記挿通方向の先端側に向けて延出するように構成されている。すなわち、前記取付基部の短軸方向から視て、前記先端側に向かって円弧状に形成されるように前記外周縁から前記外周壁部が延出するような構成や、前記外周壁部が前記取付基部に対して鈍角を形成するように前記外周縁から延出するような構成を含む。
【0009】
前記短軸方向補強リブは、前記取付基部における短軸方向と平行に形成されている場合や、短軸方向と交差するように形成されている場合を含む。
前記傾斜補強リブは、前記短軸方向補強リブから前記他方側に向けて延出する一本又は複数本のリブで構成されている場合を含む。また、前記傾斜補強リブの一端は、前記短軸方向補強リブの中央部分や中央部分以外の部分と連結している構成を含む。
【0010】
この発明により、前記パネルに設けられた前記貫通孔に容易かつ正しく取り付けることができる。
詳述すると、前記取付基部において前記短軸方向補強リブ及び前記傾斜補強リブを設けることにより、前記取付部の剛性を向上させることができる。また、前記傾斜補強リブが前記短軸方向補強リブから前記他方側に向かうに伴い前記挿通方向の基端側に向けて先細りするように傾斜するように構成されたことにより、前記グロメット本体との連結部分から離れている前記取付部の前記他方側の剛性を向上させることができるとともに、前記他方側の剛性の向上に伴う変形性の低下を抑制することができる。
【0011】
このため、前記取付部の前記一方側を前記貫通孔に当接させて、前記グロメット本体に前記挿通方向の基端側に向けた引張力を作用させた場合に、前記取付部の変形を抑えて枢動軸として固定できる。したがって、前記取付部の前記一方側を枢動軸として前記取付部を引き起こして、前記取付部の前記他方側を前記貫通孔の前記他方側に誘導させることができる。
【0012】
また、前記グロメット本体に作用させた引張力により、前記取付部の前記他方側を変形させることができるため、前記取付部の前記他方側が前記貫通孔に嵌まり込みやすくなる。したがって、前記取付部を前記パネルに容易かつ正しく取り付けることができる。
【0013】
この発明の態様として、前記外周壁部の外周面には、前記貫通孔が嵌合するように窪ませた嵌合溝部が外周方向に沿って形成され、前記外周壁部における前記他方側の内周面には、前記外周側に向けて窪ませた内側凹部が前記嵌合溝部よりも前記挿通方向の基端側に設けられ、前記傾斜補強リブの前記他方側の端部が、前記内側凹部よりも前記挿通方向の基端側で連結されている。
前記内側凹部は、前記取付部における他方側の前記外周壁部の内周面の全部または一部に設けられている場合を含み、その形状は、断面視においてV字形状やU字形状、凹形状などを含む。
【0014】
この発明により、前記嵌合溝部の形状の変化を抑制しつつ、前記取付部の前記他方側の形状を変形しやすくできる。
詳述すると、前記グロメット本体に対して前記挿通方向の基端側へ向けて引張力を作用させることで、前記外周壁部及び前記傾斜補強リブに引張力が伝達する。この前記外周壁部及び前記傾斜補強リブに伝達された引張力により、前記嵌合溝部よりも前記挿通方向の基端側に配置された前記内側凹部が広がるように変形するため、前記取付部の前記他方側が前記グロメット本体との連結部側に向かって変形することとなる。また、前記嵌合溝部よりも前記挿通方向の基端側に設けられた前記内側凹部が変形することにより前記引張力を吸収するため、前記嵌合溝部の変形を抑制できる。
【0015】
したがって、前記取付部の前記基端側は前記貫通孔に容易に挿通でき、また引張力を解除することにより、前記嵌合溝部に嵌った貫通孔の縁部を、前記内側凹部の外周部分が前記基端側から挟み込むことができ、前記取付部の前記先端側を確実に前記貫通孔に嵌合させることができる。
【0016】
またこの発明の態様として、傾斜補強リブが、前記グロメット本体の中心軸を通るとともに、前記長軸方向に沿って形成されてもよい。
前記中心軸は、前記グロメット本体を長手方向から視て中央を通る前記長手方向に沿った軸をさすが、中央に限定するものでなく前記長手方向と直交する方向に幅を有していてもよい。また、上述の前記グロメット本体の中心軸を通るとは、前記傾斜補強リブの延長線上に前記グロメット本体の中心軸が配置されていることをさす。
【0017】
この発明により、前記グロメット本体に作用させた前記引張力を、前記他方側に確実に伝達し、前記取付部の前記他方側を確実に変形させることができる。したがって、より容易かつ確実に前記取付部を前記貫通孔に取り付けることができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記取付基部の前記一方側における前記グロメット本体との連結部に、前記挿通方向の前記先端側に向けて立設する環状リブが設けられ、前記環状リブの外周面から、外周方向に延設する外周延設リブが設けられてもよい。
【0019】
前記環状リブは、前記グロメット本体の長手方向から視て外形が円形状や矩形状のものを含み、また前記グロメット本体の先端と同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
前記外周延設リブは、前記取付基部と連結している又は連結していない構成を含む。また、前記外周延設リブは、前記環状リブの外周面から延設する一又は複数のリブで構成されている場合や、前記環状リブの外周面から放射線状に延設するリブで構成されている場合を含む。
【0020】
この発明により、前記取付部の前記一方側の剛性を向上させることができるため、前記グロメット本体に引張力を作用させた場合に、前記取付部の前記一方側の変形を確実に抑制でき、前記取付部の前記他方側を前記貫通孔の前記他方側に確実に誘導させることができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記外周延設リブは、前記環状リブの外周面と前記短軸方向補強リブとを連結するとともに、前記挿通方向に対する長さが、前記短軸方向補強リブよりも短く構成されてもよい。
この発明により、前記外周延設リブが過度に前記短軸方向補強リブを補強しないため、前記取付部の前記他方側の変形を過度に抑制することを防止できる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記外周延設リブが、前記長軸方向に沿って前記短軸方向補強リブと連結してもよい。
この発明により、前記取付部の一方側を補強することができるとともに、前記グロメット本体を前記基端側へ引っ張る引張力を、前記外周延設リブを介して前記取付部の前記他方側に確実に伝達することができる。これにより、前記取付部の一方側の変形をより確実に抑制できるとともに、前記取付部の前記他方側を確実に変形させることができ、より容易かつ確実に前記取付部を前記パネルに取り付けることができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記取付基部の前記基端側に、前記取付基部の前記他方側の外周縁を跨ぐよう前記取付基部と前記グロメット本体とを連結した外側リブが立設されてもよい。
前記外側リブは、一又は複数立設された場合を含む。
【0024】
この発明により、前記グロメット本体に作用させた引張力を前記取付部の前記他方側に伝達できるため、前記取付部の前記他方側を確実に変形させることができる。したがって、前記取付部を前記パネルに確実に取り付けることができる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記外側リブは、前記傾斜補強リブに沿って配置されてもよい。
上述の前記傾斜補強リブに沿って配置とは、前記外側リブが前記長手方向から視て傾斜補強リブと重なるように配置されて状態をさし、部分的に重なっている場合も含む。
【0026】
この発明により、前記グロメット本体に作用させた引張力を前記傾斜補強リブに確実に伝達することができ、前記取付部の前記他方側を確実に変形させることができる。また、仮に前記傾斜補強リブ及び前記外側リブが前記長軸方向に沿って配置されている場合には、より確実に前記取付部の前記他方側を変形させることができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記外周壁部は、前記他方側に比べて前記一方側が径方向に対して板厚に構成されてもよい。
この発明により、前記取付部の前記一方側の変形をより抑制できる。
【発明の効果】
【0028】
この発明により、前記パネルに容易かつ正しく取り付けることができるグロメット及び、該グロメットにワイヤーハーネスを挿通させたグロメット付ワイヤーハーネスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】パネルに組み付けた状態のグロメット付ワイヤーハーネスの概略側面図。
図2】グロメット付ワイヤーハーネスの概略斜視図。
図3】グロメットの側面図。
図4】グロメットの背面側断面図。
図5】グロメットの正面図。
図6】グロメットの側方断面図。
図7】グロメットの側方断面図。
図8】グロメット付ワイヤーハーネスをパネルに取り付ける状態の説明図。
【0030】
以下、ワイヤーハーネス200を挿通させるグロメット1と、ワイヤーハーネス200をグロメット1に挿通させたグロメット付ワイヤーハーネス100について図1図8に基づき説明する。
【0031】
図1はドアパネルDに組み付けた状態のグロメット付ワイヤーハーネス100の概略側面図を示し、図2はグロメット付ワイヤーハーネス100をドア側から視た概略斜視図を示し、図3はグロメット1の側面図を示し、図4はグロメットの背面側断面図であり、図3におけるA−A断面図を示し、図5はグロメット1の正面図を示し、図6はグロメット1の側方断面図であり、図5におけるB−B断面図を示し、図7はグロメット1の側方断面図であり、図5におけるC−C断面図を示す。
なお、図2では、グロメット1の構成を明確にするために、ワイヤーハーネス200を破線で示すことで便宜上透過させて表示している。
【0032】
また、図8はグロメット付ワイヤーハーネス100をドアパネルDに取り付ける状態の説明図を示す。詳しくは、図8(a)はドアパネルDに取り付けられる前のグロメット付ワイヤーハーネス100における図6中のα部を示し、図8(b)はドアパネルDに取り付けられたグロメット付ワイヤーハーネス100における図6中のα部を示す。なお、図8(b)にはグロメット本体10に引張力を作用させて変形したグロメット付ワイヤーハーネス100を実線で示し、引張力を解除した通常状態のグロメット付ワイヤーハーネス100を破線で示す。
【0033】
なお、図2中において、グロメット本体10の長手方向を長手方向Xとし、図2中の上下方向を上下方向Zとし、長手方向X及び上下方向Zと直交する方向を幅方向Yとする。また、図2中において、長手方向Xに沿って左側を+X側とし、右側を−X側とする。すなわち車体側からドアパネルD側へと挿通されたワイヤーハーネス200の先端側を+X側、基端側を−X側とする。また、図2中の上方側を+Z側とし、下方側を−Z側とし、図2中の幅方向Yの左側を−Y側、右側を+Y側とする。
また、YZ平面において、長手方向Xに沿ったグロメット本体10の中心軸から外側へ向かう方向を径外方向、中心軸へ向かう方向を径内方向とする。
【0034】
車両におけるドアと車両本体との間に配策されるワイヤーハーネス200は、図1に示すように、ワイヤーハーネス200をグロメット1に挿通させたグロメット付ワイヤーハーネス100を、貫通孔Hを設けたドアパネルDと貫通孔を設けた車両本体のパネル(図示省略)とに取り付けることで配索される。
【0035】
このワイヤーハーネス200を挿通するグロメット1は、可撓性を有する樹脂で構成され、図1及び図2に示すように、ワイヤーハーネス200を挿通させるグロメット本体10と、ドアパネルDに設けた貫通孔Hに組み付けるドア側取付部20と、車両本体側のパネルに設けた貫通孔に取り付ける車体側取付部30とで構成されている。
【0036】
グロメット本体10は、中空状の円柱体であり、径外方向に隆起する隆起部11と、径内方向に凹んだ溝部12が長手方向Xに沿って交互に所定のピッチで配置された蛇腹構造で構成されている。
このグロメット本体10の先端側端部(+X側の端部)は、ドア側取付部20と一体となるように連結されており、基端側端部(−X側の端部)は車体側取付部30と一体となるように連結されている。
【0037】
ドア側取付部20は、長手方向Xから視て上下方向Zに長軸を有する小判型形状であり、図2乃至図6に示すように、グロメット本体10の先端側端部10aと一体になって構成された取付基部21と、取付基部21の外周縁から径外側に対して広がるとともに、先端側(+X側)に延出した外周壁部22とで構成された略有底状の略円筒体であり、開口されたドア側取付部20の先端側において取付基部21と外周壁部22とを補強リブ40が跨いでいる。
【0038】
取付基部21は、長手方向Xから視て上下方向Zに沿った長軸を有するとともに、幅方向Yに沿った短軸を有する小判型形状で構成され、図3及び図4に示すように、側面視において基端部側の面が上下方向Zに沿って略平面状に構成された連結部211と、側面視において+X側に屈曲するように、連結部211の上下方向Zの外周縁から延出する屈折面部212とが一体に構成されている。
【0039】
連結部211は、図4及び図5に示すように、長手方向Xに沿って所定の板厚を有する平面視矩形状に形成されている。この連結部211の−Z側端部中央部分には、グロメット本体10の先端側端部10aが連結しているとともに、グロメット本体10の内径と同径の挿通孔Iが形成されている。
【0040】
また、連結部211の先端側面(+X側の面)には、グロメット本体10の先端側端部と同径で構成され、グロメット本体10の先端と連続するように+X側に突出する円環リブ50が設けられている(図5図7参照)。
なお、+X側に突出している円環リブ50の長さは、後述する短軸方向補強リブの長手方向Xに対する長さの略半分となるように構成されている(図7参照)。
【0041】
屈折面部212は、平面視において、連結部211の上下方向Zの端部から連結部211の幅方向Yの長さと同じ長さの径を有する半円が延出しており、これにより取付基部21は平面視小判型形状をしている。また、この屈折面部212は、径外方向に向かうに伴い+X側に傾斜するように構成されている(図7参照)。
なお、屈折面部212の+Z側端部には、グロメット1をドアパネルDに取り付ける際に取り付ける方向が分かるように+Z方向を指す矢印形状をしたトップマークTが設けられている。
【0042】
また、取付基部21の基端側面には、グロメット本体10と外周壁部22とを跨って連結する外側リブ60が、上下方向Zに沿って形成されている。
この外側リブ60は、図3図6及び図7に示すように、グロメット本体10の先端側端部に形成された隆起部11から後述する嵌合用外周壁221に向けて形成されており、+Z側に形成される上方外側リブ61と、−Z側に形成される下方外側リブ62とで構成されている。
【0043】
外周壁部22は、取付基部21の外周縁から延出されており、取付基部21と連続して構成される嵌合用外周壁221と、ドアパネルDと当接する固定用外周壁222とで一体に構成されている。また、嵌合用外周壁221と固定用外周壁222との連結部位の外周側には嵌合溝23が外周の全周にわたって設けられている。
【0044】
嵌合用外周壁221は、図3図7に示すように、+X側に向かうに伴い取付基部21の外周縁から径外方向に広がるように構成されている。すなわち、嵌合用外周壁221は、側面視において長手方向Xに向けて円弧を描いて傾斜するように取付基部21の外周縁から径外側に向けて延出している。なお、嵌合用外周壁221の最外部分がドアパネルDに設けられた貫通孔Hよりも一回り大きくなるように構成されている。
【0045】
また図6に示すように、嵌合用外周壁221の+Z側の内周面のうち、嵌合用外周壁221の外径が最も大きくなる箇所に対応する位置には、径外方向に切り欠いた内側凹部24が+Z側の内周全体にわたって設けられている。換言すると、内側凹部24は嵌合溝23よりも−X側の内側に設けられている。このように嵌合用外周壁221の内周面に内側凹部24が設けられていることにより、嵌合用外周壁221の変形性を向上させている。
【0046】
固定用外周壁222は、嵌合用外周壁221の+X側端部から径外方向及び+X側に突出した、長手方向X及び上下方向Zに対して所定の板厚を有する筒状体である。この固定用外周壁222は、長手方向Xに対して十分な板厚を有している。
【0047】
また固定用外周壁222の−Z側は、+Z側に比べて径方向の板厚が厚くなるように内径側に突出している分厚部223が形成されている(図5参照)。このため、ドア側取付部20の−Z側は+Z側と比べて剛性が向上している。
【0048】
このように構成されていた嵌合用外周壁221と固定用外周壁222との径外側の連結部位には、図6及び図7に示すように、径内方向に切り欠いて窪ませるとともに、固定用外周壁222の基端側(―X側)の面を周方向に沿って切り欠いて形成された嵌合溝23が設けられている。なお、嵌合溝23が外周に沿って形成する外周縁はドアパネルDに設けた貫通孔Hよりもわずかに小さな相似形状となるように形成されており、貫通孔Hに嵌合可能に形成されている。
【0049】
上述のように取付基部21と外周壁部22とで構成されたドア側取付部20の先端側(+X側)において取付基部21及び外周壁部22を跨ぐ補強リブ40が設けられている。この補強リブ40は、図5図7に示すように、上下方向Zに沿った外周壁部22同士を幅方向Yに繋ぐ短軸方向補強リブ41と、短軸方向補強リブ41の幅方向Yの中央部分と外周壁部22とを上下方向Zに繋ぐ傾斜補強リブ42とで構成されている。また、取付基部21から+X側に突出する円環リブ50の外周面から放射方向に延出する外周延設リブ43が設けられている。
【0050】
短軸方向補強リブ41は、取付基部21の+Z側における連結部211と屈折面部212との連結部位(連結部211の+Z側端部)から+X側に立設するリブであり、対向する固定用外周壁222同士を繋ぐように幅方向Yに沿って設けられている。
【0051】
換言すると、短軸方向補強リブ41はグロメット本体10の連結部分よりも+Z側に配置されている。なお、短軸方向補強リブ41の先端部分(+X側端部)は、図6に示すように、固定用外周壁222の先端部分と略面一となるように構成されている。
【0052】
傾斜補強リブ42は、図5図7に示すように、短軸方向補強リブ41の幅方向Yの中央部分から上下方向Zに沿って+Z側に延びるとともに、+Z軸側に向かうに伴い−X側に向けて先細りするように傾斜した側面視略三角形状をしたリブである。なお、傾斜補強リブ42は屈折面部212から+X側に立設している。
【0053】
また、傾斜補強リブ42の一端は、上述のように短軸方向補強リブ41の中央部分と連結されており、他端は取付基部21の+Z側における嵌合用外周壁221の−Z側端部(屈折面部212と嵌合用外周壁221との連結部分)であって、嵌合溝23よりも径内側に連結している。
【0054】
外周延設リブ43は、ドア側取付部20の−Z側において、+X側に突出した円環リブ50の外周面から、径外方向に向けて放射線状に延びる8本のリブである。この外周延設リブ43の−X側端部は連結部211と一体に構成されており、それぞれの延出方向の端部は嵌合用外周壁221又は短軸方向補強リブ41と連結している。なお、8本の外周延設リブ43のうちの上下方向Zに沿って設けられている2本をそれぞれ外周延設リブ43a、43bとする。
【0055】
詳述すると、外周延設リブ43aは、円環リブ50の外周面から+Z側に向けて延びるリブであり、延出方向の端部は短軸方向補強リブ41の中央部分と連結している。
外周延設リブ43bは、グロメット本体10の外周面から−Z側に向けて延びるリブであり、外周延設リブ43aと一直線上に配置されている。すなわち、外周延設リブ43a,43bと傾斜補強リブ42とは正面から視て上下方向Zに沿って一直線上に並んで配置されている。
【0056】
車体側取付部30は、グロメット本体10の基端側に設けられており、車両本体のパネルに設けられた貫通孔に圧入して取り付けられる。なお、グロメット本体10は車体側取付部30の+Z側に連結されている。
【0057】
このように構成されたグロメット1に対してワイヤーハーネス200を挿通させたグロメット付ワイヤーハーネス100を、ドアパネルDに設けた貫通孔Hに取り付ける取付方法について、図8に基づき簡単に説明する。なお、図8においてワイヤーハーネス200の図示を省略する。
【0058】
はじめに、図8(a)に示すように、ドアパネルDに設けた貫通孔Hに車体側取付部30及びグロメット本体10を+X側から−X側に向かって挿通させる。次に、ドア側取付部20の嵌合溝23の−Z側端部を貫通孔Hに引掛けて配置し、グロメット本体10を基端側(−X側)に引っ張る。
【0059】
これにより、図8(b)に示すように、ドアパネルDに固定された−Z側の嵌合溝23を枢動軸としてドア側取付部20の+Z側が起き上がり、ドア側取付部20の+Z側の嵌合溝23を貫通孔Hに嵌合することができる。
【0060】
詳述すると、グロメット本体10を基端側に引っ張ることにより、グロメット本体10に作用した引張力Fが外側リブ60を介して取付基部21及び外周壁部22に伝達し、図8(a)中の矢印Rのように外周壁部22が−X側に引っ張られることとなる。
【0061】
ここで、外周壁部22の−Z側は、連結部211から+X側に立設する短軸方向補強リブ41と円環リブ50と、円環リブ50の外周面から放射状に延設する外周延設リブ43とが設けられているとともに、固定用外周壁222が平面視において径方向に十分な板厚を有するため、剛性が向上している。
【0062】
このため、ドア側取付部20の−Z側が変形することを抑止できるとともに、グロメット本体10を基端側に引っ張ることで貫通孔Hに引掛けたドア側取付部20の−Z側の嵌合溝23を枢動軸としてドア側取付部20を正しく枢動させることができる。
【0063】
一方で、外周壁部22の+Z側に設けられている傾斜補強リブ42の他端は、内側凹部24よりも−X側の位置で連結されているため、嵌合用外周壁221における内側凹部24が設けられた箇所は、傾斜補強リブ42により剛性が向上することがなく、他の箇所に比べて引張力Fにより変形しやすくなっている。
【0064】
より具体的には、図8(b)に示すように、引張力Fを作用させることにより、内側凹部24が広がるように変形するため、+Z側における嵌合用外周壁221の最外径部分が内径側に(図中の左側下方(−Z側かつ−X側))に変形することとなる。これにより、嵌合用外周壁221の+Z側を貫通孔Hに挿通させることができる。
【0065】
また、内側凹部24が変形することにより引張力Fを吸収することとなるため、内側凹部24よりも+X側に配置されている固定用外周壁222は、引張力Fによる影響をほとんど受けず、固定用外周壁222の変形を防止できる。したがって、固定用外周壁222が貫通孔Hを挿通することを防止できる。
【0066】
さらにまた、円環リブ50の外周面から延設されている外周延設リブ43aと傾斜補強リブ42とは、上下方向Zに沿って一直線上に配置されているため、グロメット本体10を−X側に引っ張ることにより、グロメット本体10に作用する引張力Fが外周延設リブ43aを介して傾斜補強リブ42に伝達することとなる。
【0067】
詳述すると、外周延設リブ43aが−X側に引っ張られることで、短軸方向補強リブ41を介して外周延設リブ43aと連結している傾斜補強リブ42が−Z側に引っ張られることとなり、内側凹部24が広がるように変形することを補助する。
【0068】
なお、外周延設リブ43bも同様にグロメット本体10を引っ張る引張力Fを嵌合用外周壁221の下端側に伝達するが、外周延設リブ43bが連結している嵌合用外周壁221は分厚部223が設けられている固定用外周壁222と一体構成されることで剛性が高くなっており、変形することを防止している。
【0069】
このようにドア側取付部20の−Z側は剛性を向上させているため、引張力Fにより容易に変形することがなく、形状を維持することができ、枢動するドア側取付部20の枢動軸として固定することができる。
【0070】
また、嵌合用外周壁221の内周面に内側凹部24が設けられるとともに、ドア側取付部20の+Z側に側面視略三角形状の傾斜補強リブ42の端部が内側凹部24よりも−X側において嵌合用外周壁221と連結するように設けられることにより、ドア側取付部20の+Z側を変形させることができ、嵌合用外周壁221を貫通孔Hに挿通させることができる。
【0071】
そして、嵌合用外周壁221を貫通孔Hに挿通させた後に、グロメット本体10に作用させた引張力Fを解除することで、変形した嵌合用外周壁221が元の形状に戻り、貫通孔Hに嵌合溝23が嵌合することとなる(図8(b)中の破線で表示)。このようにして、ドア側取付部20をドアパネルDに取り付けることができる。
【0072】
なお、傾斜補強リブ42を設けることにより取付基部21の径外側が捲れるようにドア側取付部20が変形することを抑制できるため、ドアパネルDにドア側取付部20を取り付けた状態において、意図しない+Z側への外力がドア側取付部20に作用することで、ドア側取付部20がドアパネルDから外れることを防止することができる。
さらにまた、ドア側取付部20に設けたトップマークTを+X側に押すことでドア側取付部20がドアパネルDに設けた貫通孔Hに正しく嵌合しているかを確認することができる。
【0073】
このように、ドアパネルDに設けられた貫通孔Hに挿通されるワイヤーハーネス200を内部に挿通するグロメット本体10と、グロメット本体10の端部に設けられ、貫通孔Hを覆うようにドアパネルDに取り付けられるドア側取付部20とで構成されたグロメット1は、ドア側取付部20が、長円状に形成され、グロメット本体10と一体化された取付基部21と、取付基部21の外周縁に沿って形成された外周壁部22と、取付基部21と外周壁部22とを跨ぐ補強リブ40とで構成され、補強リブ40は、取付基部21の長軸方向の一方側(−Z側)に連結されたグロメット本体10よりも他方側(+Z側)において、取付基部21の短軸方向に沿って外周壁部22を連結するとともに、ワイヤーハーネス200の挿通方向に対する外周壁部22の長さと同じ長さとなるように取付基部21から挿通方向の先端側に延出した短軸方向補強リブ41と、短軸方向補強リブ41とドア側取付部20の他方側(+Z側)とを連結するとともに、ドア側取付部20の他方側(+Z側)に向かうに伴い挿通方向の基端側に傾斜した傾斜補強リブ42とで構成されたことにより、ドアパネルDに設けられた貫通孔Hにドア側取付部20を容易かつ正しく取り付けることができる。
【0074】
詳述すると、取付基部21において短軸方向補強リブ41を設けることにより、ドア側取付部20の剛性を向上させることができるため、引張力Fを作用させても、ドア側取付部20が上下方向Zに潰れることを防止できる。また、傾斜補強リブ42を短軸方向補強リブ41から他方側(+Z側)に向かうに伴い挿通方向の基端側に向けて先細りするように傾斜した構成とすることで、グロメット本体10との連結部分から離れているドア側取付部20の他方側(+Z側)の剛性を向上させることができるとともに、ドア側取付部20の他方側(+Z側)に変形性を持たすことができる。
【0075】
このため、ドア側取付部20の一方側(−Z側)を貫通孔Hに当接させて、グロメット本体10に挿通方向の基端側に向けた引張力Fを作用させた場合に、ドア側取付部20の変形を抑えて枢動軸として固定できる。したがって、ドア側取付部20の一方側(−Z側)を回転軸としてドア側取付部20を引き起こして、ドア側取付部20の他方側(+Z側)を貫通孔Hの他方側(+Z側)に誘導させることができる。
【0076】
また、グロメット本体10に作用させた引張力Fにより、ドア側取付部20の他方側(+Z側)を変形させることができるため、ドア側取付部20の他方側(+Z側)が貫通孔Hに嵌まり込みやすくなる。したがって、ドア側取付部20をドアパネルD正しく取り付けることができる。
【0077】
また、外周壁部22の外周面には、貫通孔Hが嵌合するように窪ませた嵌合溝23が外周方向に沿って形成され、外周壁部22における他方側(+Z側)の内周面には、他方側(+Z側)に向けて切り欠いた内側凹部24が嵌合溝23よりも挿通方向の基端側(−X側)に設けられ、傾斜補強リブ42の他方側(+Z側)の端部が、内側凹部24よりも挿入方向の基端側(−X側)で連結されていることにより、嵌合溝23の形状の変化を抑制しつつ、ドア側取付部20の他方側(+Z側)の形状を変形しやすくできる。
【0078】
詳述すると、グロメット本体10に対して挿通方向の基端側へ向けて引張力Fを作用させることで、外周壁部22及び傾斜補強リブ42に引張力Fが伝達する。この外周壁部22及び傾斜補強リブ42に伝達した引張力Fにより、嵌合溝23よりも挿通方向の基端側に配置された内側凹部24が広がるように変形するため、ドア側取付部20の他方側(+Z側)において外周壁部22がグロメット本体10との連結部側に向かって変形することとなる。また、内側凹部24が変形することにより引張力Fを吸収することとなるため、内側凹部24より先端側に配置されている嵌合溝23の変形を抑制できる。
【0079】
このように、ドア側取付部20の他方側(+Z側)を容易に変形させることができるとともに、嵌合溝23の変形を抑制できるため、ドア側取付部20の他方側(+Z側)を貫通孔Hに容易に挿通でき、ドア側取付部20の先端側を貫通孔Hに嵌合させることができる。
【0080】
また、傾斜補強リブ42が、グロメット本体10の幅方向Yの中心を通るとともに、長軸に沿って形成されていることにより、グロメット本体10に作用させた引張力Fを、他方側(+Z側)に確実に伝えることができるため、ドア側取付部20の他方側(+Z側)を確実に変形させることができ、より容易かつ確実にドア側取付部20を貫通孔Hに取り付けることができる。
【0081】
また、グロメット本体10の先端側端部10aが設けられた取付基部21の一方側(−Z側)に、挿通方向の先端側(+X側)に向けて立設する円環リブ50が設けられ、円環リブ50の外周面から、外周方向に延設する外周延設リブ43が設けられていることにより、ドア側取付部20の一方側(−Z側)の剛性を向上できるため、グロメット本体10に引張力Fを作用させた場合に、ドア側取付部20の一方側(−Z側)の変形を確実に抑制でき、ドア側取付部20の他方側(+Z側)を貫通孔Hの他方側(+Z側)に確実に誘導させることができる。
【0082】
さらにまた、外周延設リブ43は、円環リブ50の外周面と短軸方向補強リブ41とを連結するとともに、挿通方向に対する長さが、短軸方向補強リブ41よりも短く構成されることにより、外周延設リブ43が過度に短軸方向補強リブ41を補強しないため、ドア側取付部20の他方側(+Z側)の変形を過度に抑制することを防止できる。
【0083】
また、外周延設リブ43が、長軸に沿って短軸方向補強リブ41と連結していることにより、ドア側取付部20の一方側(−Z側)を補強することができるとともに、グロメット本体10を基端側へ引っ張る引張力Fを外周延設リブ43を介してドア側取付部20の他方側(+Z側)に確実に伝達することができる。これにより、ドア側取付部20の一方側(−Z側)の変形をより確実に抑制できるとともに、ドア側取付部20の他方側(+Z側)を確実に変形させることができるため、より容易かつ確実にドア側取付部20をドアパネルDに取り付けることができる。
【0084】
また、取付基部21の挿通方向の基端側に、取付基部21の他方側(+Z側)の外周縁を跨ぐよう取付基部21とグロメット本体10とを連結した上方外側リブ61が立設されることにより、グロメット本体10に作用させた引張力Fをドア側取付部20の他方側(+Z側)に伝達できる。このため、ドア側取付部20の他方側(+Z側)を確実に変形させることができ、ドア側取付部20をドアパネルDに確実に取り付けることができる。
【0085】
また、上方外側リブ61は、傾斜補強リブ42に沿って配置されることにより、グロメット本体10に作用させた引張力Fを傾斜補強リブ42に確実に伝達することができ、ドア側取付部20の他方側(+Z側)を確実に変形させることができる。また、傾斜補強リブ42及び外側リブ60が長軸方向に沿って配置されているため、より確実にドア側取付部20の他方側(+Z側)を変形させることができる。
【0086】
また、外周壁部22を構成する固定用外周壁222は、他方側(+Z側)に比べて一方側(−Z側)の方が径方向に対して板厚に構成されていることにより、ドア側取付部20の一方側(−Z側)の変形をより抑制できる。
【0087】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
パネルは、ドアパネルDに対応し、
補強リブは、短軸方向補強リブ41及び傾斜補強リブ42に対応し、
取付部は、ドア側取付部20に対応し、
グロメットは、グロメット1に対応し、
嵌合溝部は、嵌合溝23に対応し、
環状リブは、円環リブ50に対応し、
外側リブは上方外側リブ61に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0088】
例えば、本実施形態においてドア側取付部20は平面視において小判型形状としているが、例えば楕円形状としてもよいし、卵型のように上下方向Z及び幅方向Yで対称形状とならない形状としてもよい。
【0089】
また、本実施形態において、嵌合用外周壁221は側面視で円弧を描くように屈折面部212の外周縁から延出しているが、例えば側面視で屈折面部212に対して鈍角を描くように屈折面部212の外周縁から嵌合用外周壁221が延出してもよい。
【0090】
また、短軸方向補強リブ41は必ずしも幅方向Yに沿って形成されている必要はなく、幅方向Yに対して交差していてもよい。
さらに傾斜補強リブ42は、短軸方向補強リブ41の幅方向Yの中央部分と連結しているが、中央部分以外と連結していてもよいし、また、複数本の傾斜補強リブが設けられていてもよい。しかしながら、傾斜補強リブ42は、短軸方向補強リブ41の幅方向Yの中央部分と連結していることにより、外周延設リブ43を介して引張力Fを確実に傾斜補強リブ42に伝達でき、ドア側取付部20を変形させることができる、中央部分に連結していることが好ましい。
【0091】
さらにまた、本実施形態において、8本の外周延設リブ43が円環リブ50の外周面から放射線状に延出しているが、外周延設リブ43の本数は適宜変更することができる。また、外周延設リブ43aのように、必ずしも短軸方向補強リブ41の中央部分と連結する必要もないが、外周延設リブ43は傾斜補強リブ42と上下方向Zに沿って一直線上にあることが好ましい。換言すると、1又は複数設けられた外周延設リブ43のうちの少なくとも一本は、上下方向Zに沿った傾斜補強リブ42の一端が短軸方向補強リブ41と連結した連結部と連結することが好ましい。
【0092】
また、本実施形態において、円環リブ50は長手方向Xから視てグロメット本体10の先端端部と同形状としているが、必ずしも同形状である必要はなく、例えば、長手方向Xから視て楕円形状や矩形状のものとしてもとよく、またグロメット本体10の内径と異なる内径の円環形状としてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 グロメット、
10 グロメット本体
20 ドア側取付部
21 取付基部
22 外周壁部
40 補強リブ
41 短軸方向補強リブ
42 傾斜補強リブ
23 嵌合溝
24 内側凹部
50 円環リブ
43 外周延設リブ
60 外側リブ
100 グロメット付ワイヤーハーネス
200 ワイヤーハーネス
D ドアパネル
H 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8