(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の筒状可撓性シールド部材が、前記電磁シールド管の周方向の略半周で固定され、前記第2の筒状可撓性シールド部材が、前記電磁シールド管の周方向の他の略半周で固定されることを特徴とする請求項1記載の電磁シールド構造。
前記第1の筒状可撓性シールド部材は、前記電磁シールド管の外周に被せられ、前記第1の筒状可撓性シールド部材には、前記電磁シールド管の外周に被せられる箇所の一部に対応して孔が設けられ、
前記第2の筒状可撓性シールド部材は、前記孔の位置に被せられ、
前記孔に対応する部位で、前記かしめ材で前記第1の筒状可撓性シールド部材と、前記第2の筒状可撓性シールド部材とが前記電磁シールド管に固定されることを特徴とする請求項1記載の電磁シールド構造。
前記第1の筒状可撓性シールド部材および前記第2の筒状可撓性シールド部材は、筒状の端部がシート状に形成され、前記第1の筒状可撓性シールド部材の端部と、前記第2の筒状可撓性シールド部材の端部が、前記電磁シールド管の周方向の異なる位置に配置されて、前記かしめ材で前記第1の筒状可撓性シールド部材と、前記第2の筒状可撓性シールド部材とが前記電磁シールド管に固定されていることを特徴とする請求項1記載の電磁シールド構造。
前記電磁シールド管の端部側で、前記第1の筒状可撓性シールド部材が前記第1のかしめ材で固定され、前記第2の筒状可撓性シールド部材は、前記第1のかしめ材の外周を通って、前記電磁シールド管の基部側で、前記第2のかしめ材で固定され、前記第1のかしめ材と前記第2の筒状可撓性シールド部材との間に、保護部材が設けられることを特徴とする請求項6記載の電磁シールド構造。
前記電磁シールド管の端部側で、前記第1の筒状可撓性シールド部材が前記第1のかしめ材で固定され、前記第2の筒状可撓性シールド部材は、前記第1のかしめ材の外周を通って、前記電磁シールド管の基部側で、前記第2のかしめ材で固定され、前記第2の筒状可撓性シールド部材は、前記第1のかしめ材の突出部を避けて配置されることを特徴とする請求項6記載の電磁シールド構造。
前記第1の筒状可撓性シールド部材が、前記第2の筒状可撓性シールド部材を貫通し、前記第1の筒状可撓性シールド部材と前記第2の筒状可撓性シールド部材の端部が、それぞれの部位で、前記電磁シールド管の周方向の略全周で固定されることを特徴とする請求項6記載の電磁シールド構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のような電磁シールド構造は、編組線と電磁シールド管との接続部において、高圧用電線が挿通される編組線と、低圧用電線が挿通される編組線とが重なる部分があり、この重なり部の両側に、重なり部と厚みの異なる部位が生じる。したがって、被かしめ体である編組線の厚みの変化部の段差において、被かしめ体の保持力が低下するおそれがある。
【0008】
例えば、熱サイクルや、繰り返しの曲げや引っ張り力などによって、編組線の重ね部の両側の保持力が低下し、編組線のずれや脱落、リングの脱落などが生じるおそれがある。このため、編組線とシールド管との通電状態やかしめの保持力などの安定性が懸念される。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、可撓性シールド部材と電磁シールド管との安定した通電状態を確保し、かつ可撓性シールド部材の保持力を長期にわたって維持できる電磁シールド構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、第1の発明は、電磁シールド管と、前記電磁シールド管に挿通され、前記電磁シールド管の端部から露出する、複数のケーブルと、前記電磁シールド管の端部から露出する複数の前記ケーブルを覆う複数の筒状可撓性シールド部材と、を具備し、複数の前記筒状可撓性シールド部材は、いずれも前記電磁シールド管の外周にかしめ材で固定され、前記かしめ材が配置された部位における前記電磁シールド管の長手方向に垂直な断面において、複数の前記筒状可撓性シールド部材は、いずれも、それぞれの外周面の全面が前記かしめ材によって外周側から押圧されて
おり、複数の前記筒状可撓性シールド部材は、少なくとも第1の筒状可撓性シールド部材と、第2の筒状可撓性シールド部材とを有し、前記第1の筒状可撓性シールド部材と、前記第2の筒状可撓性シールド部材とは、前記電磁シールド管の長手方向の同一の位置において、前記電磁シールド管の外周に前記かしめ材で固定されており、前記電磁シールド管の長手方向に垂直な断面において、前記第1の筒状可撓性シールド部材と、前記第2の筒状可撓性シールド部材とが、周方向に重なり合わずに前記かしめ材で固定されていることを特徴とする電磁シールド構造である。
【0012】
前記第1の筒状可撓性シールド部材が、前記電磁シールド管の周方向の略半周で固定され、前記第2の筒状可撓性シールド部材が、前記電磁シールド管の周方向の他の略半周で固定されてもよい。
【0013】
前記第1の筒状可撓性シールド部材は、前記電磁シールド管の外周に被せられ、前記第1の筒状可撓性シールド部材には、前記電磁シールド管の外周に被せられる箇所の一部に対応して孔が設けられ、前記第2の筒状可撓性シールド部材は、前記孔の位置に被せられ、前記孔に対応する部位で、前記かしめ材で前記第1の筒状可撓性シールド部材と、前記第2の筒状可撓性シールド部材とが前記電磁シールド管に固定されていてもよい。
【0014】
前記第1の筒状可撓性シールド部材および前記第2の筒状可撓性シールド部材は、筒状の端部がシート状に形成され、前記第1の筒状可撓性シールド部材の端部と、前記第2の筒状可撓性シールド部材の端部が、前記電磁シールド管の周方向の異なる位置に配置されて、前記かしめ材で前記第1の筒状可撓性シールド部材と、前記第2の筒状可撓性シールド部材とが前記電磁シールド管に固定されてもよい。
【0015】
第2の発明は、電磁シールド管と、前記電磁シールド管に挿通され、前記電磁シールド管の端部から露出する、複数のケーブルと、前記電磁シールド管の端部から露出する複数の前記ケーブルを覆う複数の筒状可撓性シールド部材と、を具備し、複数の前記筒状可撓性シールド部材は、いずれも前記電磁シールド管の外周にかしめ材で固定され、前記かしめ材が配置された部位における前記電磁シールド管の長手方向に垂直な断面において、複数の前記筒状可撓性シールド部材は、いずれも、それぞれの外周面の全面が前記かしめ材によって外周側から押圧されており、複数の前記筒状可撓性シールド部材は、前記電磁シールド管の長手方向の同一の位置において、前記かしめ材で固定されており、前記電磁シールド管の長手方向に垂直な断面において、複数の前記筒状可撓性シールド部材が、周方向に全周にわたって重なり合った状態で前記かしめ材で固定されてい
ることを特徴とする電磁シールド構造である。
【0016】
第3の発明は、電磁シールド管と、前記電磁シールド管に挿通され、前記電磁シールド管の端部から露出する、複数のケーブルと、前記電磁シールド管の端部から露出する複数の前記ケーブルを覆う複数の筒状可撓性シールド部材と、を具備し、複数の前記筒状可撓性シールド部材は、いずれも前記電磁シールド管の外周にかしめ材で固定され、前記かしめ材が配置された部位における前記電磁シールド管の長手方向に垂直な断面において、複数の前記筒状可撓性シールド部材は、いずれも、それぞれの外周面の全面が前記かしめ材によって外周側から押圧されており、複数の前記筒状可撓性シールド部材は、少なくとも第1の筒状可撓性シールド部材と、第2の筒状可撓性シールド部材とを有し、前記第1の筒状可撓性シールド部材と、前記第2の筒状可撓性シールド部材は、前記電磁シールド管の長手方向の異なる位置で、前記電磁シールド管の外周にそれぞれ第1のかしめ材と第2のかしめ材で固定されてい
ることを特徴とする電磁シールド構造である。
【0017】
前記第1の筒状可撓性シールド部材と前記第2の筒状可撓性シールド部材の少なくとも一方が、前記電磁シールド管の周方向の略半周で固定されてもよい。
【0018】
前記電磁シールド管の端部側で、前記第1の筒状可撓性シールド部材が前記第1のかしめ材で固定され、前記第2の筒状可撓性シールド部材は、前記第1のかしめ材の外周を通って、前記電磁シールド管の基部側で、前記第2のかしめ材で固定され、前記第1のかしめ材と前記第2の筒状可撓性シールド部材との間に、保護部材が設けられてもよい。
【0019】
前記電磁シールド管の端部側で、前記第1の筒状可撓性シールド部材が前記第1のかしめ材で固定され、前記第2の筒状可撓性シールド部材は、前記第1のかしめ材の外周を通って、前記電磁シールド管の基部側で、前記第2のかしめ材で固定され、前記第2の筒状可撓性シールド部材は、前記第1のかしめ材の突出部を避けて配置されてもよい。
【0020】
前記第1の筒状可撓性シールド部材が、前記第2の筒状可撓性シールド部材を貫通し、前記第1の筒状可撓性シールド部材と前記第2の筒状可撓性シールド部材の端部が、それぞれの部位で、前記電磁シールド管の周方向の略全周で固定されてもよい。
【0021】
第1の発明によれば、複数の筒状可撓性シールド部材のいずれもが、その外周面の全面にわたってかしめ材によって外周側から押圧されて、電磁シールド管に固定されるため、全ての筒状可撓性シールド部材の固定部において、その保持力の弱い部分が生じない。このため、筒状可撓性シールド部材のずれや通電不良などが生じにくい。
【0022】
また、第1の筒状可撓性シールド部材と第2の筒状可撓性シールド部材とが、電磁シールド管の長手方向の同一の位置において重ならずにかしめ材で固定されれば、かしめ部(前述の筒状可撓性シールド部材の固定部を指す。以下同じ)における筒状可撓性シールド部材の厚み変化が小さい。このため、筒状可撓性シールド部材のずれや通電不良などが生じにくい。
【0023】
また、この場合において、第1の筒状可撓性シールド部材と第2の筒状可撓性シールド部材とを、それぞれ電磁シールド管の略半周ずつを覆うように配置して、かしめ材で固定することで、各筒状可撓性シールド部材と電磁シールド管との接触面積を確保することができる。また、筒状可撓性シールド部材のない部位を最小限にすることができるため、各筒状可撓性シールド部材のずれが生じることを抑制することができる。
【0024】
また、一部に孔を形成した第1の筒状可撓性シールド部材を電磁シールド管の外周に被せ、当該孔に対応する部位に第2の筒状可撓性シールド部材を被せてかしめることで、各筒状可撓性シールド部材がかしめ部で重なり合うことを防止することができる。
【0025】
また、
第2の発明によれば、筒状の第1の筒状可撓性シールド部材と第2の筒状可撓性シールド部材の端部をシート状に成形して、それぞれシート状の各筒状可撓性シールド部材を電磁シールド管の周方向の異なる位置に配置することで、各筒状可撓性シールド部材が重ならないようにかしめることができる。
【0026】
また、
第3の発明によれば、電磁シールド管の長手方向の同一の位置において、各筒状可撓性シールド部材が筒状に全周にわたって重ねてかしめられれば、かしめ部に筒状可撓性シールド部材の厚み変化がない。このため、筒状可撓性シールド部材のずれや通電不良などが生じにくい。
【0027】
また、第1の筒状可撓性シールド部材と第2の筒状可撓性シールド部材とが、電磁シールド管の長手方向の異なる部位でそれぞれのかしめ材で固定されれば、それぞれのかしめ部において各筒状可撓性シールド部材が重ならない。このため、筒状可撓性シールド部材のずれや通電不良などが生じにくい。
【0028】
また、この場合において、第1の筒状可撓性シールド部材と第2の筒状可撓性シールド部材との少なくとも一方を、電磁シールド管の略半周を覆うように配置すれば、各筒状可撓性シールド部材と電磁シールド管との接触面積を確保することができる。
【0029】
また、筒状可撓性シールド部材とかしめ材の突出部との間に保護部材を挟み込むことで、筒状可撓性シールド部材がかしめ材の突出部で損傷することを防止することができる。
【0030】
また、電磁シールド管の基部側に固定する筒状可撓性シールド部材を、かしめ材の突出部を避けて配置することで、筒状可撓性シールド部材がかしめ材の突出部で損傷することを防止することができる。
【0031】
また、それぞれの筒状可撓性シールド部材をそれぞれ略全周にわたって配置して固定することで、筒状可撓性シールド部材と電磁シールド管の接触面積を確保することができる。
【0032】
第
4の発明は、第1
から第3の発明にかかる電磁シールド構造を有し、前記電磁シールド管の内部に配置された複数の前記ケーブルを有することを特徴とするワイヤハーネスである。
【0033】
第
4の発明によれば、第1
から第3の発明の電磁シールド構造を有するワイヤハーネスにより、第1
から第3の発明と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、可撓性シールド部材と電磁シールド管との安定した通電状態を確保し、かつ可撓性シールド部材の保持力を長期にわたって維持できる電磁シールド構造を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態にかかる電磁シールド管3について説明する。
図1aは電磁シールド管3の側面図である。電磁シールド管3は、金属層7と、その外周に設けられた樹脂製の外層5で構成される。なお、電磁シールド管3は、外層5を有しない金属管であってもよく、金属層7の内側または外側に他の層を有してもよい。
【0037】
なお、金属層7は、シールド効果を得ることが可能であれば材質は問わないが、例えばアルミニウム製(アルミニウム合金を含む)である。
【0038】
電磁シールド管3は、端部から所定の長さだけ、外層5が剥離される。すなわち、電磁シールド管3の端部には、所定の範囲だけ金属層7が露出する。露出した金属層7は、後述する筒状可撓性シールド部材が接続される接続部となる。
【0039】
電磁シールド管3には、第1のケーブルであるケーブル9aと第2のケーブルであるケーブル9bが挿通され、電磁シールド管3の端部から露出する。すなわち、電磁シールド管3の内部には、複数のケーブルが挿通される。なお、ケーブル9aは、例えば高圧用ケーブルであり、ケーブル9bは、例えば低圧用ケーブルである。なお、電磁シールド管3の内部において、例えば、ケーブル9bは図示を省略した筒状可撓性シールド部材に挿通される。筒状可撓性シールド部材としては、めっき銅線が編みこまれた筒状の編組線が好ましく、以下の説明は、筒状可撓性シールド部材として、筒状の編組線を例示して説明する。なお、筒状可撓性シールド部材は、筒状の編組線に限られないことは言うまでもない。
【0040】
図1bは、電磁シールド管3に設けられる電磁シールド構造1の側面図である。電磁シールド構造1は、電磁シールド管3と、ケーブル9a、9bと、編組線11a、11b等からなる。第1の筒状可撓性シールド部材である筒状の編組線11aは、電磁シールド管3の端部から露出するケーブル9aを覆う。第2の筒状可撓性シールド部材である筒状の編組線11bは、電磁シールド管3の端部から露出するケーブル9bを覆う。なお、このように、複数本のケーブル9a、9bの端部に端子(図示省略)を接続し、ワイヤハーネス20として利用することができる。
【0041】
図2aはケーブル9bに被せられた編組線11bの端部の平面図であって、
図2bのB矢視図、
図2bはケーブル9bに被せられた編組線11bの端部の側面図であって、
図2aのA矢視図である。なお、ケーブル9aに対する編組線11aも同様の形態であるため、図示を省略する。
【0042】
編組線11a、11bの端部(電磁シールド管3側の端部)は、筒形状がほどかれて広げられる。すなわち、編組線11a、11bの端部はシート状に形成される。編組線11aの端部におけるシート状の部位を、シート状部15aとする。また、編組線11bの端部におけるシート状の部位を、シート状部15bとする
【0043】
編組線11aの端部のシート状部15aは、電磁シールド管3の端部における金属層7の露出部でかしめ材13によってかしめられる。同様に、編組線11bの端部のシート状部15bは、電磁シールド管3の端部における金属層7の露出部で同一のかしめ材13によってかしめられる。すなわち、編組線11aと、編組線11bとは、電磁シールド管3の長手方向の同一の位置において、電磁シールド管3の外周にかしめ材13で固定される。
【0044】
図3aは、かしめ材13が配置された部位における、電磁シールド管3の長手方向に垂直な断面図である。電磁シールド管3の長手方向に垂直な断面において、編組線11a(シート状部15a)と、編組線11b(シート状部15b)とが、周方向の異なる位置でかしめ材13によって固定される。図示した例では、編組線11aが、電磁シールド管3の周方向の下方の略半周で固定され、編組線11bが、電磁シールド管3の周方向の他の略半周(図の上方)で固定される。
【0045】
なお、
図3bに示すように、編組線11aのシート状部15aおよび編組線11bのシート状部15bは、それぞれ電磁シールド管3の周方向の略半周で固定される必要はない。例えば、編組線11aの周長が編組線11bの周長より長い場合は、シート状部15aの幅をシート状部15bの幅より大きくしてもよい。
【0046】
このように、編組線11a、11bは、筒状の端部がほどかれて、端部にそれぞれシート状部15a、15bが形成される。編組線11a、11bの端部のシート状部15a、15bは、電磁シールド管3の周方向の異なる位置に配置され、かしめ材13で電磁シールド管3の金属層7に固定される。したがって、電磁シールド管3の長手方向に垂直な断面において、かしめ材13によってかしめられる部位においては、編組線11a、11bは、電磁シールド管3の周方向に重ならずに固定される。
【0047】
すなわち、複数の編組線11a、11bは、いずれも電磁シールド管3の外周にかしめ材13で固定される。この際、かしめ材13が配置された部位における電磁シールド管3の長手方向に垂直な断面において、複数の編組線11a、11bは、いずれも、それぞれの外周面の全面がかしめ材13によって外周側から押圧される。すなわち、電磁シールド管3の長手方向において、かしめ材13が配置された部位が、編組線11a、11bが外周から押圧されるかしめ部となる。
【0048】
なお、「それぞれの外周面の全面がかしめ材13によって外周側から押圧される」とは、全ての編組線11a、11bの外周面の全面が、かしめ材13によって直接的または間接的に外周側から押圧されることを意味する。例えば、編組線11a、11b同士が重なり合って、その一部に周方向に段差が生じると、当該段差の両側の編組線11a、11bのいずれかの一部において、かしめ材13で締め付けられることによる外周側からの押圧力が伝達されない部位が生じる。本発明では、このような押圧力が付与されない部位が生じることがない。すなわち、本発明では、編組線11a、11bの外周面の一部と、編組線11a、11bの外周側に配置されたかしめ材13(または、かしめ材13とそれぞれの編組線との間に配置された他の部材)との間には隙間が生じない。このため、編組線11a、11bの外周面の全面が、編組線11a、11bの外周側に配置された部材と密着する。なお、この「隙間」には、編組線11a、11bの外面凹凸によって、かしめ材13等との間に生じる微小な隙間は含まれない。なお、各編組線11a、11bがかしめ材13で締め付けられる際に、各編組線11a、11bに外周側からの押圧力が適切に伝達される観点から、かしめ材13が配置された部位におけるシート状部15a、15bの厚さは、ほぼ等しくなっていることが好ましい。
【0049】
なお、電磁シールド管3に挿通されるケーブルの本数は2本である場合には限られない。例えば、
図4に示すように、ケーブル9a、9bが、それぞれ1本ずつではなく、複数本であってもよい。このような場合でも、電磁シールド管3から露出するケーブル9a、9bに、それぞれに編組線11a、11bを被せて、編組線11a、11bを周方向の異なる位置でかしめればよい。
【0050】
この場合には、一つの編組線に複数本のケーブルを挿通してもよく、1本のケーブルごとにそれぞれ異なる編組線を用いてもよい。この場合でも、それぞれの編組線同士がかしめ部において重ならないように配置されればよい。例えば、ケーブル9aが高圧系のケーブルであり、ケーブル9bが低圧系のケーブルであって、ケーブルが2系統ある場合、一つの編組線にケーブルの1系統分を挿通するようにしてもよい。なお、通常は高圧系のケーブル、低圧系のケーブルとも、2本以上であることが多い。このため、高圧系のケーブルと低圧系のケーブルを、それぞれ系統ごとに編組線に挿通させることで、電磁シールド管3とコネクタとの間で、高圧系ケーブルと低圧系ケーブルとの間の遮蔽を図ることができる。
【0051】
また、電磁シールド管3に挿通されるケーブルは、ケーブル9a、9bの2系統には限られない。例えば、電磁シールド管3に挿通されるケーブルに3つ以上の系統がある場合や、三相交流電線の場合には、編組線も3つ以上用い、それぞれの編組線端部のシート状部同士が、電磁シールド管3の周方向の異なる位置で重ならないように配置されればよい。
【0052】
例えば、
図5aに示すように、3本のケーブル9a、9b、9cが電磁シールド管3に挿通される場合には、それぞれのケーブル9a、9b、9cに対して、それぞれ編組線11a、11b、11cを被せて、編組線11a、11b、11cを周方向の異なる位置で固定すればよい。この際、筒状の編組線11a、11b、11cのそれぞれの端部にシート状部15a、15b、15cが形成され、シート状部15a、15b、15cのそれぞれが、電磁シールド管3の周方向の異なる位置で電磁シールド管3の金属層7に固定される。
【0053】
この場合には、
図5aに示すように、シート状部15a、15b、15c(編組線11a、11b、11c)の周方向長さが、それぞれ周方向の長さの1/3ずつの略等分となるように配置されてもよい。または、
図5bに示すように、シート状部15a、15b、15c(編組線11a、11b、11c)の周方向長さが互いに異なるように配置されてもよい。いずれの場合でも、電磁シールド管3の長手方向に垂直な断面において、すべての編組線11a、11b、11cは、いずれも、それぞれの外周面の全面がかしめ材13によって外周側から押圧される。なお、以下の説明では、2本のケーブル9a、9bを有する場合について説明するが、いずれの実施形態においても、3本以上のケーブルを具備してもよい。また、各編組線11a、11b、11cがかしめ材13で締め付けられる際に、各編組線11a、11b、11cに外周側からの押圧力が適切に伝達される観点から、かしめ材13が配置された部位におけるシート状部15a、15b、15cの厚さは、ほぼ等しくなっていることが好ましい。
【0054】
次に、電磁シールド構造1の製造方法について説明する。まず、電磁シールド管3の端部の金属層7を露出させる。また、電磁シールド管3にケーブル9a、9bを挿通する。なお、この際、電磁シールド管3の内部におけるケーブル9aまたはケーブル9bの外周に、編組線を配置してもよい。
【0055】
次に、電磁シールド管3から露出するケーブル9aに、編組線11aを被せる。この際、編組線11aの端部(電磁シールド管3側)の筒状部をほどき、シート状部15aを所定長さ形成する。同様に、電磁シールド管3から露出するケーブル9bに、編組線11bを被せる。この際、編組線11bの端部(電磁シールド管3側)の筒状部をほどき、シート状部15bを所定長さ形成する。
【0056】
次に、編組線11a、11bの端部のシート状部15a、15bを金属層7の外周に配置する。この際、シート状部15a、15bが重ならないように、電磁シールド管3の周方向の異なる位置に配置する。この状態で、かしめ材13を用いて、編組線11a、11bを電磁シールド管3へかしめて固定する。なお、電磁シールド管3の端部(かしめ部)は、必要に応じてゴム部材等で被覆される。以上により電磁シールド構造1が形成される。
【0057】
以上、第1の実施の形態によれば、かしめ部において、編組線11a、11bが互いに重なり合わずに、電磁シールド管3の周方向の異なる位置でかしめられる。したがって、かしめ部において、編組線11a、11bの部分的な重なりによる厚み変化がない。このため、かしめ材13が配置された部位においては、編組線11a、11bは、いずれも、それぞれの外周面の全面がかしめ材13によって外周側から押圧され、かしめ材13による安定した保持力を確保することができる。
【0058】
また、編組線11a、11bが、電磁シールド管3の周方向のそれぞれ略半周に配置されるため、それぞれ十分な接触面積を確保することができる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図6a、
図6bは、第2の実施形態にかかる電磁シールド構造を形成する工程を示す図であり、
図6aは側面図、
図6bは平面図である。なお、以下の説明において、前述した実施形態と同様の効果を奏する構成については、
図1b等と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0060】
本実施形態では、まず、電磁シールド管3から露出するケーブル9aを編組線11aに挿通する。編組線11aの端部は、筒状のまま電磁シールド管3の端部(金属層7)に被せられる。したがって、本実施形態では、前述した実施形態とは異なり、編組線11aの端部にシート状部15aを形成する必要はない。
【0061】
なお、編組線11aは、編み込みを容易に広げることができるため、筒形状のまま、容易に筒の径を大きくすることができる。したがって、ケーブル9aのサイズに合わせた編組線11aを用いても、編組線11aの端部を広げて電磁シールド管3の外周に被せることができる。
【0062】
編組線11aの一部には、孔17a、19が形成される。なお、孔17aと孔19は、編組線11aの周方向の略同一方向に形成される。孔17a、19は、編組線11aの金属素線を両側に広げることで形成される。孔17aは、電磁シールド管3へ被せられる部位よりも編組線11aの基部側に形成される。孔17aは、ケーブル9bが貫通する部位である。したがって、編組線11aの端部からケーブル9aを挿通する際、ケーブル9bも同時に編組線11aに挿入し、孔17aから外部にケーブル9bが取り出される。
【0063】
孔19は、孔17aよりもさらに編組線11aの端部側に形成される。すなわち、孔19は、編組線11aの電磁シールド管3へ被せられる部位に形成される。より具体的には、図示したように、孔19が金属層7に位置するように編組線11aが電磁シールド管3の端部に被せられる。なお、孔17aおよび孔19は、連通していてもよい。
【0064】
図7a、
図7bは、さらにケーブル9bに編組線11bを被せた状態を示す図で、
図7aは側面図、
図7bは平面図である。編組線11bの端部には、シート状部15bが形成される。すなわち、編組線11aから露出するケーブル9bには、筒状の編組線11bが配置され、シート状部15bは編組線11aに重なるように配置される。
【0065】
この際、シート状部15bの一部は、編組線11aの孔19の位置に重ねられる。したがって、シート状部15bの一部は、孔19から露出する金属層7を覆うように配置される。この際、編組線11bの幅は、孔19の幅よりも狭い。このため、編組線11bが孔19からはみ出して、孔19における周方向で編組線11aと重なることがない。
【0066】
図8は、さらに、かしめ材13で編組線11a、11bを固定した電磁シールド構造1aを示す図で、
図9は、かしめ材13が配置された部位における断面図である。図示するように、孔19に対応するかしめ材13が配置された部位で、かしめ材13で編組線11a、11bが電磁シールド管3に固定される。
【0067】
以上のように、編組線11aの端部が筒状のまま電磁シールド管3の外周に被せられる。また、電磁シールド管3の外周に位置する編組線11aの一部に孔19が設けられ、編組線11bの端部のシート状部15bが孔19の位置に被せられる。さらに、孔19に対応する周方向の部位で、かしめ材13で編組線11a、11bが電磁シールド管3に固定される。このため、かしめ部においては、編組線11a、11bが電磁シールド管3の外周に部分的に重なり合うことがない。
【0068】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、かしめ部において、編組線11a、11bの部分的な重なりをなくすことで、編組線11a、11bは、いずれも、それぞれの外周面の全面がかしめ材13によって外周側から押圧され、保持力の安定性や通電状態の安定性を得ることができる。
【0069】
また、編組線11aに孔19を設けることで、編組線11aの端部をほどいてシート状部15aを形成する必要がない。なお、この場合でも、孔19のサイズを調整することで、編組線11a、11bを、電磁シールド管3の略半周ずつ覆うなどのように適切に配置することができる。なお、各編組線11a、11bがかしめ材13で締め付けられる際に、各編組線11a、11bに外周側からの押圧力が適切に伝達される観点から、かしめ材13が配置された部位における編組線11aの厚さとシート状部15bの厚さは、ほぼ等しくなっていることが好ましい。
【0070】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
図10aは、電磁シールド管3を示す側面図であり、
図10bは、第3の実施形態にかかる電磁シールド構造1bを示す側面図である。なお、
図10bは、編組線11a、11bの透視図であり、ケーブルの図示は省略する。
【0071】
本実施形態では、電磁シールド管3の端部近傍の外層5がすべて除去されるのではなく、先端部の一部に外層5が環状に残される。すなわち、金属層7の露出部は、外層5によって挟まれて環状に形成される。
【0072】
図10bに示すように、金属層7には、編組線11a、11bが、互いに重ならないように、かしめ材13によってかしめられる。したがって、編組線11a、11bは、確実に金属層7と接触して導通を得ることができる。なお、編組線11a、11bの配置は、部分的な重なりがなければ、いずれの態様であってもよい。
【0073】
この際、先端側の環状の外層5は、かしめ材13のかしめ位置よりも先端側に位置する。外層5は、金属層7の露出部よりも外径が大きい。したがって、電磁シールド管3に対して、かしめ材13のかしめ位置の先端側には、環状の外層5による大径部が設けられる。このため、編組線11a、11bが引っ張られて、かしめ材13が先端側にずれた場合でも、かしめ材13は外層5によって動きが規制される。したがって、かしめ材13が電磁シールド管3から抜け落ちることを抑制することができる。
【0074】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、かしめ材13が配置された部位において、編組線11a、11bの部分的な重なりをなくすことで、編組線11a、11bは、いずれも、それぞれの外周面の全面がかしめ材13によって外周側から押圧され、保持力の安定性や通電状態の安定性を得ることができる。なお、各編組線11a、11bがかしめ材13で締め付けられる際に、各編組線11a、11bに外周側からの押圧力が適切に伝達される観点から、かしめ材13が配置された部位におけるシート状部15a、15bの厚さは、ほぼ等しくなっていることが好ましい。
【0075】
また、環状に設けられた外層5が、かしめ材13の抜け止め部として機能するため、外層5によって、かしめ材13が電磁シールド管3から抜け落ちることを抑制することができる。なお、外層5に代えて、樹脂などの他の部材を環状に金属層7の外周部に接着して、かしめ位置の先端側に大径部を形成してもよい。
【0076】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
図11a、
図11bは、第4の実施形態にかかる電磁シールド構造を形成する工程を示す図であり、
図11aは側面図、
図11bは平面図である。
【0077】
第4の実施形態も、第2の実施形態と同様に、まず、電磁シールド管3から露出するケーブル9aを編組線11aに挿通する。なお、電磁シールド管3は、第3の実施形態に様に、外層5を先端部に設けてもよい。編組線11aの端部は、筒状のまま電磁シールド管3の端部(金属層7)に被せられる。
【0078】
編組線11aの一部には、孔17aが形成される。前述したように、孔17aは、ケーブル9bが貫通する部位である。したがって、編組線11aにケーブル9aを挿通する際、ケーブル9bも編組線11aに挿通し、孔17aから外部に取り出す。なお、孔17aは、編組線11aの筒形状を開いて形成してもよい。
【0079】
図12a、
図12bは、さらにケーブル9bに編組線11bを被せた状態を示す図で、
図12aは側面図、
図12bは平面図である。編組線11bの端部には、シート状部15bが形成されずに筒状のままである。編組線11bには、編組線11a(ケーブル9a)が貫通する孔17bが形成される。なお、孔17bは、編組線11bの筒形状を開いて形成してもよい。
【0080】
この場合には、まず、編組線11bの端部から、編組線11a(ケーブル9a)とケーブル9bの両方を挿入し、孔17bから編組線11a(ケーブル9a)のみを編組線11bの外部に取り出し、ケーブル9bをそのまま編組線11bに挿通すればよい。
【0081】
編組線11bの端部は、編組線11aとともに電磁シールド管3の端部に被せられる。すなわち、電磁シールド管3の金属層7の外周には、全周にわたって編組線11aが配置され、編組線11aの外周に編組線11bが略全周にわたって配置される。
【0082】
図13は、さらにかしめ材13で編組線11a、11bを固定した電磁シールド構造1cを示す図で、
図14は、かしめ部における断面図である。図示するように、金属層7において、かしめ材13で編組線11a、11bが電磁シールド管3に固定される。
【0083】
以上のように、編組線11a、11bの端部は、筒状のまま電磁シールド管3の外周に被せられる。この際、筒状の編組線11a、11bは、電磁シールド管3の全周にわたって配置されるため、かしめ部においては、編組線11a、11bが電磁シールド管3の外周の全周にわたって重なり合う。すなわち、電磁シールド管3の周方向において、一部のみに編組線11a、11bの重なり部が形成されるのではなく、全周にわたって重なり合う。したがって、かしめ部において、編組線の厚み変化がない。
【0084】
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、かしめ部において、編組線11a、11bの部分的な重なりによる段差が形成されない。このため、かしめ材13が配置された部位において、編組線11bは、外周面の全面がかしめ材13によって外周側から押圧され、編組線11aは、外周面の全面が編組線11aを介して間接的にかしめ材13によって外周側から押圧されるため、保持力の安定性や通電状態の安定性を得ることができる。なお、各編組線11a、11bがかしめ材13で締め付けられる際に、各編組線11a、11bに外周側からの押圧力が適切に伝達される観点から、かしめ材13が配置された部位における各編組線11a、11bの厚さは、それぞれ周方向にほぼ変化がないことが好ましい。
【0085】
このように、本発明においては、編組線11a、11bの両方がそれぞれ全周にわたって重ねられることで、かしめ部において、編組線の厚み変化を防止することができる。このため、編組線の部分的な重なりによる段差部による影響を受けることがない。
【0086】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
図15aは、電磁シールド管3に設けられる電磁シールド構造1dの側面図であり、
図15bは平面図である。電磁シールド構造1dは、電磁シールド管3と、ケーブル9a、9bと、編組線11a、11bと、かしめ材13a、13b等からなる。
【0087】
編組線11aの端部は、電磁シールド管3の端部の金属層7の外周に筒状のまま被せられる。編組線11aは、かしめ材13aによって、電磁シールド管3の外周に固定される。一方、編組線11bの端部は、編組線11aおよびかしめ材13aの外周に配置される。
【0088】
編組線11bの端部のシート状部15bは、電磁シールド管3の端部における金属層7の露出部であって、編組線11aよりも基部側に配置され、かしめ材13bによってかしめられる。すなわち、編組線11aと、編組線11bとは、電磁シールド管3の長手方向の異なる位置において、電磁シールド管3の外周にかしめ材13a、13bで固定される。図示した例では、電磁シールド管3の端部側で、編組線11aがかしめ材13aで固定され、編組線11bは、かしめ材13aの外周を通って、電磁シールド管3の基部側で、かしめ材13bで固定される。
【0089】
図16aは、
図15bのC−C線断面図、
図16bは、
図15bのD−D線断面図である。電磁シールド管3の長手方向に垂直な断面において、編組線11aは、かしめ材13aによってかしめられて固定される。図示した例では、編組線11aが、電磁シールド管3の周方向の全周にわたって固定される。この際、編組線11aと外層5との間には隙間が形成される。すなわち、編組線11aの先端側には、金属層7が露出する。また、かしめ材13a、13bには、ヘッド部14が設けられる。ヘッド部14は、かしめ材13a、13bにおいて、外方に向かって突出する突出部である。突出部は、直線状、曲線状、折り返し状等の形状である。なお、
図16a、
図16bに示されるかしめ材13a、13bは、突出部であるヘッド部14が、根元が締め付けられて折り返し状の形状である例を示す。
【0090】
編組線11bの端部のシート状部15bは、かしめ材13aの外周に被せられ、シート状部15bの端部近傍が、編組線11aの先端から露出する金属層7の外周に配置されて、かしめ材13bで固定される。図示した例では、編組線11bが、電磁シールド管3の周方向の上方の略半周で固定される。なお、
図15a、
図15b、
図16aにおいて、編組線11aは筒状のまま電磁シールド管3の外周に配置されているが、編組線11aの配置はこれに限られることはなく、例えば編組線11aの端部にもシート状部15bと同様の形状のシート状部を設けて、電磁シールド管3の周方向の略半周に配置してもよい。
【0091】
このように、編組線11a、11bは、電磁シールド管3の長手方向の異なる位置に配置され、かしめ材13a、13bで電磁シールド管3の金属層7にそれぞれ固定される。すなわち、かしめ材13a、13bが配置される部位においては、編組線11a、11bは、電磁シールド管3のそれぞれのかしめ材13a、13bで重ならずにかしめられて固定される。
【0092】
なお、前述したように、編組線11bは、かしめ材13aのヘッド部14の外部を通って、電磁シールド管3の端部側から基部側に配設されるため、編組線11bの配置によっては、編組線11bがヘッド部14との接触によって損傷する懸念がある。このため、外側に配置される編組線11bとヘッド部14との間に、保護部材21を配置してもよい。すなわち、電磁シールド管3の端部側において、編組線11aがかしめ材13aで固定され、編組線11bは、かしめ材13aの外周を通って、電磁シールド管3の基部側で、かしめ材13bで固定される場合において、かしめ材13aと編組線11bとの間に保護部材21を設けてもよい。保護部材21は、例えば、編組線11a、11bと同一の部材を用いることができる。
【0093】
なお、編組線11bとヘッド部14との接触を避けるために、編組線11b(シート状部15b)の周方向の配置を、ヘッド部14と異なる位置としてもよい。すなわち、電磁シールド管3の端部側において、編組線11aがかしめ材13aで固定され、編組線11bは、かしめ材13aの外周を通って、電磁シールド管3の基部側で、かしめ材13bで固定される場合において、編組線11bは、かしめ材13aのヘッド部14を避けて配置される。
【0094】
図17aは、この場合におけるかしめ材13aにおける断面図、
図17bはかしめ材13bにおける断面図である。電磁シールド管3の基部側に固定される編組線11bを、かしめ材13aのヘッド部14と重ならない周方向位置で、電磁シールド管3の端部側から基部側に配設することで、編組線11bとヘッド部14とが接触することを防止することができる。このため、編組線11bがヘッド部14との接触によって損傷することを防止することができる。
【0095】
なお、前述したように、電磁シールド管3に挿通されるケーブルの本数は2本である場合には限られない。例えば、かしめ材13a、13bが配置された部位における断面図である
図18a、
図18bに示すように、ケーブル9a、9bが、それぞれ1本ずつではなく、複数本であってもよい。このような場合でも、電磁シールド管3から露出するケーブル9a、9bに、それぞれに編組線11a、11bを被せて、編組線11a、11bを電磁シールド管3の長手方向の異なる位置でかしめればよい。
【0096】
また、電磁シールド管3に挿通されるケーブルは、ケーブル9a、9bの2系統には限られない。例えば、電磁シールド管3に3本以上のケーブルが挿通される場合には、編組線およびかしめ材もそれぞれ3つ以上用い、それぞれの編組線同士が、それぞれのかしめ部において重ならないように、電磁シールド管3の長手方向に互いに異なる位置で、それぞれ電磁シールド管3に固定されればよい。
【0097】
次に、電磁シールド構造1dの製造方法について説明する。まず、電磁シールド管3の端部の金属層7を露出させる。また、電磁シールド管3にケーブル9a、9bを挿通する。なお、この際、電磁シールド管3の内部におけるケーブル9aまたはケーブル9bの外周には、編組線を配置してもよい。
【0098】
図19a、
図19bは、電磁シールド管3から露出するケーブル9aに、編組線11aを被せた状態を示す図で、
図19aは側面図、
図19bは平面図である。編組線11aの端部は、筒状のまま電磁シールド管3の端部(金属層7)に被せられる。この際、編組線11aの端部と外層5の端部との間に、金属層7が露出するように、編組線11aの被覆代を調整する。
【0099】
なお、編組線11aは、編み込みを容易に広げることができるため、筒形状のまま、容易に筒の径を大きくすることができる。したがって、ケーブル9aのサイズに合わせた編組線11aを用いても、編組線11aの端部を広げて電磁シールド管3の外周に被せることができる。
【0100】
編組線11aの一部には、孔17aが形成される。孔17aは、編組線11aの金属素線を両側に広げることで形成される。孔17aは、電磁シールド管3へ被せられる部位よりも編組線11aの基部側に形成される。孔17aは、ケーブル9bが貫通する部位である。したがって、編組線11aの端部からケーブル9aを挿通する際、ケーブル9bも同時に編組線11aに挿入し、孔17aから外部にケーブル9bが取り出される。なお、孔17aは、編組線11aの筒形状を開いて形成してもよい。
【0101】
次に、
図20に示すように、編組線11aを電磁シールド管3の端部における金属層7にかしめ材13aによってかしめて固定する。したがって、編組線11aは、金属層7の全周にわたって配置された状態で固定される。
【0102】
図21a、
図21bは、電磁シールド管3(編組線11a)から露出するケーブル9bに、編組線11bを被せた状態を示す図で、
図21aは側面図、
図21bは平面図である。編組線11bの端部(電磁シールド管3側)の筒状部をほどき、シート状部15bを所定長さ形成する。
【0103】
編組線11bの端部のシート状部15bを、編組線11aおよびかしめ材13aの外部に配設して、編組線11aと外層5との間に露出する金属層7の外周に配置する。この状態で、かしめ材13bを用いて、編組線11bを電磁シールド管3へかしめて固定する。この際、かしめ材13bで編組線11bをかしめる部位には、編組線11aが重ならないようにする。この状態で、電磁シールド管3の端部(かしめ部)は、必要に応じてゴム部材等で被覆される。以上により電磁シールド構造1dが形成される。
【0104】
以上、第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、それぞれのかしめ部において、編組線11a、11bが互いに重なり合わずに、電磁シールド管3の長手方向の異なる位置でそれぞれかしめられる。したがって、かしめ材13a、13bが配置された部位であるかしめ部において、編組線11a、11bの重なり部がなく、編組線11a、11bは、いずれも、それぞれの外周面の全面がかしめ材13a、13bによって外周側から押圧され、かしめ材13a、13bによる安定した保持力を確保することができる。
【0105】
また、編組線11aは、電磁シールド管3の周方向の略全周に配置され、編組線11bが、電磁シールド管3の周方向の略半周に配置されるため、それぞれ金属層7との十分な接触面積を確保することができる。
【0106】
また、編組線11bとかしめ材13aのヘッド部14との間に、保護部材21を配置することで、編組線11bが、ヘッド部14によって傷つくことを防止することができる。
【0107】
また、編組線11bを、かしめ材13aのヘッド部14を避けて、ヘッド部14と異なる周方向位置に配設することで、編組線11bが、ヘッド部14によって傷つくことを防止することができる。
【0108】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。
図22a、第6の実施形態にかかる電磁シールド構造を形成する工程を示す側面図である。
【0109】
第6の実施形態も、第5の実施形態と同様に、まず、
図22aに示すように、電磁シールド管3から露出するケーブル9aを編組線11aに挿通する。編組線11aの端部は、筒状のまま電磁シールド管3の端部(金属層7)に被せられる。この際、編組線11aと外層5との間に金属層7が露出する。
【0110】
編組線11aの一部には、孔17aが形成される。前述したように、孔17aは、ケーブル9bが貫通する部位である。したがって、編組線11aにケーブル9aを挿通する際、ケーブル9bも編組線11aに挿通し、孔17aからケーブル9bを外部に取り出す。この状態で、編組線11aは、金属層7にかしめ材13aで固定される。
【0111】
図22bは、さらにケーブル9bに編組線11bを被せた状態を示す側面図である。編組線11bの端部には、シート状部15bが形成されずに筒状のままである。編組線11bには、編組線11a(ケーブル9a)が貫通する孔17bが形成される。
【0112】
この場合には、まず、編組線11bの端部から、編組線11a(ケーブル9a)とケーブル9bの両方を挿入し、孔17bから編組線11a(ケーブル9a)のみを編組線11bの外部に取り出し、ケーブル9bをそのまま編組線11bに挿通すればよい。
【0113】
編組線11bの端部は、編組線11aおよびかしめ材13aの外部を通って、金属層7の露出部に被せられる。すなわち、電磁シールド管3の金属層7の外周には、全周にわたって編組線11aが配置され、編組線11aよりの電磁シールド管3の基部側の金属層7の外周の略全周にわたって編組線11bが配置される。
【0114】
図23は、さらにかしめ材13bで編組線11bを固定した電磁シールド構造1eを示す図であり、
図24aは、かしめ材13aが配置された部位における断面図、
図24bは、かしめ材13bが配置された部位における断面図である。図示するように、編組線11a、11bは、電磁シールド管3の長手方向の異なる位置において、電磁シールド管3の金属層7にかしめ材13a、13bで固定される。
【0115】
図24a、
図24bに示すように、編組線11a、11bの端部は、それぞれ筒状のまま電磁シールド管3の外周に被せられる。この際、筒状の編組線11a、11bは、それぞれ電磁シールド管3の全周にわたって配置されるため、それぞれのかしめ部においては、編組線11a、11bが電磁シールド管3の外周の全周にわたって固定される。
【0116】
第6の実施形態によれば、第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、編組線11a、11bを、電磁シールド管3の長手方向の異なる位置でそれぞれ固定することで、それぞれの編組線11a、11bの保持力の安定性や通電状態の安定性を得ることができる。
【0117】
また、編組線11aが、孔17bで編組線11bを貫通し、編組線11a、11bが、それぞれの部位で、電磁シールド管3の周方向の略全周で固定される。このように、編組線11a、11bの両方がそれぞれ全周にわたって金属層7と接触することで、編組線11a、11bと金属層7との接触面積を確保することができる。
【0118】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。
図25aは、電磁シールド管3を示す平面図であり、
図25bは、第7の実施形態にかかる電磁シールド構造1fを示す平面図である。なお、
図25bは、編組線11a、11bの透視図であり、ケーブルの図示は省略する。
【0119】
本実施形態では、電磁シールド管3の端部近傍の外層5がすべて除去されるのではなく、一部に外層5が環状に残される。すなわち、金属層7の露出部は、外層5によって区分され、それぞれの金属層7の露出部は、外層5によって挟まれて環状に形成される。
【0120】
図25bに示すように、それぞれの金属層7には、編組線11a、11bが、かしめ材13a、13bによってかしめられる。したがって、編組線11a、11bは、確実に金属層7と接触して導通を得ることができる。なお、編組線11aは、かしめ材13aによってかしめられて金属層7と接触する。編組線11bは、かしめ材13bによってかしめられて金属層7と接触し、編組線11aおよびかしめ材13aの外側に配置される。
【0121】
この際、先端側の環状の外層5は、かしめ材13aのかしめ位置よりも先端側に位置し、2番目の環状の外層5は、かしめ材13a、13bのそれぞれのかしめ位置の間に位置する。外層5は、金属層7の露出部よりも外径が大きい。したがって、電磁シールド管3に対して、かしめ材13a、13bのそれぞれのかしめ位置の先端側には、管状の外層5による大径部が設けられる。このため、編組線11a、11bが引っ張られて、かしめ材13a、13bが先端側にずれた場合でも、かしめ材13a、13bは外層5によって動きが規制される。したがって、かしめ材13a、13bが電磁シールド管3から抜け落ちることを抑制することができる。
【0122】
第7の実施形態によれば、第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、編組線11a、11bを、電磁シールド管3の長手方向の異なる位置でそれぞれ固定することで、それぞれの編組線11a、11bの保持力の安定性や通電状態の安定性を得ることができる。
【0123】
また、環状に設けられた外層5が、かしめ材13a、13bの抜け止め部として機能するため、外層5によって、かしめ材13a、13bが電磁シールド管3から抜け落ちることを抑制することができる。なお、外層5に変えて、樹脂などの他の部材を環状に金属層7の外周部に接着して、かしめ位置のそれぞれの先端側に大径部を形成してもよい。
【0124】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0125】
例えば、前述した実施形態は、互いに組み合わせることができる。