【実施例】
【0078】
本発明を実施例に基づきさらに説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
まず、本発明における各指標の測定方法、評価方法を説明する。
【0079】
[メルトフローレート(MFR)]
温度=230℃、荷重=5kgfの条件で、JIS−K7210に準じて測定した。MFRの単位は「g/10min」である。
【0080】
[結果物(セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材)の形状]
混練後のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の外観を目視にて評価した。バルク(塊)の状態を合格品(○)とし、粒径2mm以下の粉体状であるもの、あるいは混練後著しく発火したものを不合格品(×)とした。粉体状のものは、かさ比重が小さいために空気中で容易に吸湿するなどの理由でブリッジングや容器壁面への付着を生じ、その後の成形の際に自重落下で成型機に投入することが困難である。
本実施例において、本発明の製造方法で得られる複合材は、いずれも上記合格品に該当するものである。
【0081】
[含水率]
製造後6時間以内に窒素雰囲気下において、23℃から120℃まで、+10℃/minの昇温速度で熱重量分析(TGA)を行った際の質量減少率(質量%)である。
【0082】
[消費電力量]
水を吸収したセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片からセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を連続的に作製した場合に、該複合材1kgを製造するまでに各装置(乾燥機、減容機、混練機)が消費した電力量の合計を求めた。
【0083】
[耐衝撃性]
射出成形で試験片(厚さ4mm、幅10mm、長さ80mm)を作製し、JIS−K7110に準じて、ノッチ有りの試験片を用いてアイゾット衝撃強度を測定した。耐衝撃性の単位は「kJ/m
2」である。
【0084】
[曲げ強度]
射出成形で試験片(厚さ4mm、幅10mm、長さ80mm)を作製し、支点間距離64mm、支点及び作用点の曲率半径5mm、試験速度2mm/minにて荷重の負荷を行い、JIS−K7171に準じて曲げ強度を算出した。曲げ強度の単位は「MPa」である。
【0085】
[セルロース有効質量比]
事前に大気雰囲気にて80℃×1時間の乾燥を行って乾燥状態にした試料(10mg)を用い、窒素雰囲気下において+10℃/minの昇温速度で、23℃から400℃まで熱重量分析(TGA)を行った結果に基づいて、次式により算出した。測定は5回行いその平均値を求めて、その平均値をセルロース有効質量比とした。
(セルロース有効質量比[%])=
(270〜390℃の質量減少[mg])×100/(試料質量[mg])
【0086】
[吸水率]
事前に含水率0.5質量%以下になるまで、80℃の温風乾燥機で乾燥した複合材を、プレスで100mm×100mm×1mmのシート状に成形して成形体を得、この成形体を23℃の水に20日間浸漬し、浸漬前後の重量の測定値に基づいて、下記〔式A〕により吸水率を算出した(但し、浸漬後の質量を測る際は、表面に付着した水滴等を乾いた布またはフィルター紙で拭き取った。)。合否判定は、算出した吸水率が下記の評価式〔式B〕を満たす場合を合格(○)とし、満たさない場合を不合格(×)とした。
〔式A〕(吸水率[%])=
(浸漬後質量[g]−浸漬前質量[g])×100/(浸漬前質量[g])
〔式B〕(吸水率)<(セルロース有効質量比)
2×0.01
【0087】
[吸水後耐衝撃残率]
射出成形で試験片(厚さ4mm、幅10mm、長さ80mm、ノッチ有り)を作製し、この試験片を23℃の水に20日間浸漬し、JIS−K7110に準じて測定した浸漬前後の耐衝撃性の測定値に基づいて、次の計算式で算出した(但し、浸漬後の耐衝撃性を測定する際は、水から取出した後、意図的に乾燥などを行うことなく、6時間以内に測定した。)。
(吸水後耐衝撃残率[%])=
(吸水後の耐衝撃性[kJ/m
2])×100/(吸水前の耐衝撃性[kJ/m
2])
【0088】
[セルロース繊維分散性]
事前に含水率0.5質量%以下になるまで、80℃の温風乾燥機で乾燥した複合材を、プレスで100mm×100mm×1mmのシート状に成形して成形体を得、この成形体を80℃の温水に20日間浸漬した後に、温水から取り出した成形体表面の任意の箇所に、40mm×40mmの正方形を書き、さらにその正方形内部に4mm間隔で40mmの線分を9本書いた。表面粗さ測定機を用いて、カットオフ値λc=8.0mmかつλs=25.0μmの条件の下、隣り合う2本の線分の中間線上の粗さを測定し、10本の粗さ曲線(JIS−B0601にて規定、評価長さ40mm)を得た。10本全ての粗さ曲線においてピークトップが30μm以上でかつ上側に(表面から外側に向けて)凸である山の個数を数えたとき、山の個数が合計20個以上である場合を不合格品(×)とし、山の個数が20個未満である場合を合格品(○)とした。
試料中にセルロース繊維が偏在している場合は局所的に吸水が起こり、その部分の表面が膨張するため、この方法でセルロース繊維の分散性を評価することができる。
【0089】
[分子量パターン]
複合材16mgにGPC測定溶媒(1,2,4−トリクロロベンゼン)5mlを加え、160℃〜170℃で30分間攪拌した。不溶物を0.5μmの金属フィルターでろ過して除去し、得られたろ過後の試料(可溶物)に対して、GPC装置(Polymer Laboratories製PL220、型式:HT−GPC−2)を用い、カラムは、ShodexHT−G(1本)、HT−806M(2本)を用い、カラム温度を145℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用い、流速1.0mL/minで、前記試料0.2mlを注入してGPCを測定した。これより、単分散ポリスチレン(東ソー製)、ジベンジル(東京化成工業製)を標準試料として、校正曲線を作成し、GPCデータ処理システム(TRC製)でデータ処理して分子量パターンを得た。GPC測定で得られた分子量パターンにおいて、下記(A)を満たすものを(○)、満たさないものを(×)とした。
(A)1.7>半値幅(Log(MH/ML))>1.0
ここで分子量パターンの半値幅は、GPCにおける分子量パターンのうち、最大ピークのピークトップ(最大頻度)周辺におけるスペクトルの広がり(分子量分布の度合い)を示す。すなわち、スペクトル中の強度がピークトップ(最大頻度)の半分となっているところ(それぞれ高分子量側をMH、低分子量側をMLとする)でのGPCスペクトル線の幅を半値幅とする(
図1参照)。なお、2つ以上のピークが観測される場合はピークトップの高さが最大のピークについての半値幅とする。
なお、本[実施例]において、本発明の複合材を構成するポリエチレン樹脂はいずれも、最大ピーク値を示す分子量が10000〜1000000の範囲にあり、また重量平均分子量Mwが100000〜300000の範囲にあった。
【0090】
[酸素指数(OI値)による燃焼性の試験]
JIS K7201−2に準拠し、酸素指数(Oxygen Index、OI値)による燃焼性の試験をした。なお、酸素指数とは、材料が燃焼を持続するのに必要な最低酸素濃度(容量%)のことである。
【0091】
[アルミニウムの粒度分布(アルミニウム長の判定)]
複合材をプレス加工して1mm厚のシート状の成形体を得た。この成形体の表面について顕微鏡を使用して拡大写真を撮影し、画像解析ソフトを使用して、5.1mm×4.2mmの範囲に存在するアルミニウムについて、これらのX−Y最大長の分布を求め、X−Y最大長0.005mm以上のアルミニウムの全個数に占めるX−Y最大長1mm以上のアルミニウムの個数の割合(%)を求めた。X−Y最大長1mm以上のアルミニウムの占める率が1%未満の場合を(○)、それ以外を(△)とした。△のなかでも、5mm以上のアルニウムが見られるものを(×)とした。画像解析ソフトには、株式会社イノテック製“かんたん画像寸法計測ソフト Pixs2000_Pro”を使用した。なお、アルミニウム長の判定が○であったものは、いずれもX−Y最大長の平均が0.02〜0.2mmの範囲内にあった。
【0092】
[熱伝導率]
熱伝導率計(京都電子工業株式会社製“QTM−500”)を使用し、厚さ3mmの複合材の加工シートについて熱伝導率を測定した。
【0093】
[引張強度]
射出成形で試験片を作製し、JIS−K7113に準拠し、2号試験片について引張強度を測定した。単位は「MPa」である。
【0094】
[セルロース繊維長]
複合材の成形シートから0.1〜1gを切だし試料とし、この試料を400メッシュのステンレスメッシュで包み、138℃のキシレン100mlに24時間浸漬する。次いで試料を引き上げ、その後試料を80℃の真空中で24時間乾燥させる。乾燥試料0.1gをエタノール50ml中に良く分散させ、シャーレに滴下し、顕微鏡にて15mm×12mmの範囲を観察した。繊維長1mm以上のセルロース繊維が観察されるものを(○)とし、それ以外を(×)とした。
【0095】
[曲げ弾性率]
JIS K7171に準拠しサンプル厚さ4mm、曲げ速度2mm/minにて曲げ弾性率を測定した。詳細には、射出成形で試験片(厚さ4mm、幅10mm、長さ80mm)を作製し、支点間距離64mm、支点及び作用点の曲率半径5mm、試験速度2mm/minにて荷重の負荷を行い、JIS−K7171に準じて曲げ試験を行ない、曲げ弾性率を測定した。
ここで、曲げ弾性率 Etは、
歪み0.0005(εf1)におけるたわみ量において測定した曲げ応力σf1
歪み0.0025(εf2)におけるたわみ量において測定した曲げ応力σf2
を求めて、これらの差を、それぞれの対応する歪み量の差で割ること、
すなわち、次式 Ef=(σf2―σf1)/(εf2―εf1)
で求めることができる。
このときの曲げ応力を求めるための、たわみ量Sは、
下記の式により求めることができる。
S=(ε・L
2)/(6・h)
S:たわみ
ε:曲げ歪み
L:支点間距離
h:厚さ
【0096】
[線膨張係数]
線膨張係数は、JIS K 7197に準拠して行った。
射出成形により、厚さ4mm、幅10mm、長さ80mmの成形体を得た。このときの樹脂の射出方向は長さ方向であった。この成形体から奥行き4mm、幅4mm、高さ10mmの四角柱形状の試験片を、長さ方向が高さ方向に合致するように切り出した。
得られた試験片を用いて、株式会社リガク製のTMA 8310によってTMA測定を、−50〜100℃の温度範囲、荷重5g(49mN)、窒素雰囲気にて行った。このときの昇温速度は5℃/minであった。なお、データ採取の前に一度試験片を今回の試験範囲の上限温度である100℃まで昇温し、成形によるひずみを緩和させた。得られたTMA曲線から、20〜30℃、および、−40〜100℃の温度領域における平均線膨張係数を求めた。
【0097】
[試験例1]
紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料容器から、パルパーによって紙部分を剥ぎ取り除去してセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、数cm
2〜100cm
2程度のさまざまな形状、大きさの小片に切断されており、紙部分の剥ぎ取り工程における水への浸漬により濡れた状態(水分を多量に吸収した状態)であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維と、アルミニウムとの質量比(乾燥後)は、[ポリエチレン樹脂]:[セルロース繊維]:[アルミニウム]=90:10:9であった。また、ポリエチレン樹脂中の低密度ポリエチレンの割合は99.5重量%であった。
このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とし、その後意図的に水を加えて、表1に示す「実施例1」〜「実施例3」及び「比較例1」の各欄に記載の水の質量部となるように、4種類の試料材料を調製した。
なお、本明細書の[実施例]全体において、配合する水のpHは、いずれも中性(pH7)である。また、乾燥させたセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片に水を混合した状態において、水はアルカリ性(pH7.5〜8.5)を示した。
次に、この4種類の試料材料を、別々にバッチ式閉鎖型混練装置(エムアンドエフ・テクノロジー株式会社製、MF式混合溶融装置、型式:MF5008 R)に投入し、混合溶融装置の撹拌羽根の先端の周速を40m/秒として高速攪拌して水を亜臨界状態にすると共に試料材料を混練し、4種類のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した。
なお、各試験例において、特に断りの無い限り、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を5秒とした。また、混合溶融装置の撹拌羽根の先端の周速は上記と同様に40m/秒とした。
各複合材の評価結果は表1に示すとおりである。
【0098】
【表1】
【0099】
表1の「比較例1」より、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片の溶融混練を、水の無い環境下で行った場合には、ポリエチレン樹脂中にセルロースとアルミニウムとが均一分散された複合材(塊)が得られないことが分かる。
他方、「実施例1」より、水/セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片(質量比)を、8/109として、水の配合量を少なくした場合でも、溶融混練時に水が共存していれば、吸水率が抑えられ、また他の機械強度にも優れたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材が得られることが分かる。また、「実施例3」より、水/セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片(質量比)を、100/109として、水の配合量を多くしても、得られるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の含水率を十分に低下させることができ、吸水性が低く、他の機械強度にも優れたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材が得られることが分かる。したがって、水の存在下で溶融混練を行う本発明の製造方法では、溶融混練時に水が存在していることが重要であり、水量は多くても少なくても良いことがわかる。なお、エネルギー効率を考慮すると、水量は多すぎない方が良い。
【0100】
[試験例2]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片をバッチ式閉鎖型混練装置によって混練する時間の影響について試験した。
【0101】
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維と、アルミニウムとの質量比(乾燥後)は、[ポリエチレン樹脂]:[セルロース繊維]:[アルミニウム]=90:10:9であった。この濡れた状態の薄膜片において、ポリエチレン樹脂、セルロース繊維及びアルミニウムの合計100質量部に対する付着水の量は21.8質量部であった。即ち、ポリエチレン樹脂及びセルロース繊維の合計100質量部に対する付着水の量は20質量部であった。
【0102】
次に、このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、濡れた状態のままで、試験例1と同じバッチ式閉鎖型混練装置に投入し、高速攪拌して水を亜臨界状態にすると共に溶融混練し、混練時間を変更した4種類のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した。
具体的には、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点から装置を停止するまでの経過時間(表2中の「時間A」に相当)として、表2に示す時間Aとなるように複合材を作製した。
各試料の評価結果は表2に示すとおりである。
【0103】
【表2】
【0104】
表2に示される通り、時間Aを調節することにより得られる複合材のMFRを変化させることができ、異なる物性の複合材が得られることがわかる。実施例7は時間Aが長いためにMFRが特に高く40を越え、耐衝撃強度にやや劣る結果となったが、それでも十分な耐衝撃性を有していた。
【0105】
図1には実施例5における分子量パターンの半値幅を示す。
図1において、横軸は分子量(Molecular Weight)の対数値(logM)、縦軸は単位logM当たりの重量分率(dW/dlogM)を表している(ここでMは分子量、Wは重量を示す)。
図1の結果から、実施例5の分子量パターンは半値幅が1.48であり、本発明の規定を満足する。これにより、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維との相溶性が向上し、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維との界面の微細な空隙を減らして界面の脆弱性を改善し、耐衝撃性の低下や吸水率の増加を抑制していると考えられる。
【0106】
[試験例3]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜中のアルミニウムの質量比を変更した場合の影響について試験した。
アルミニウムの質量比を表3に示すように変更した4種類のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維の質量比(乾燥後)は、表3の通りであった。この濡れた状態の薄膜片の、ポリエチレン樹脂、セルロース繊維及びアルミニウムの合計100質量部に対する付着水の量は21.8質量部であった。即ち、ポリエチレン樹脂及びセルロース繊維の合計100質量部に対する付着水の量は20質量部であった。
【0107】
次に、このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、濡れた状態のままで、試験例1と同じバッチ式閉鎖型混練装置に投入し、高速攪拌して水を亜臨界状態にすると共に溶融混練し、混練時間を変更した4種類のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の試料を作製した。
なお、各例において、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を7秒とした。
各試料の評価結果は表3に示すとおりである。
【0108】
【表3】
【0109】
表3に示される通り、アルミニウムの量が変化しても、所望の物性を有するセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材が得られることが分かる。また、実施例8より、アルミニウムがポリエチレン樹脂とセルロースの合計100質量部に対して5質量部であっても、0.2W/m・K以上の高い熱伝導率を有することがわかる。
【0110】
[試験例4]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片のポリエチレン樹脂と、この薄膜に付着しているセルロース繊維との質量比を変更した場合の影響について試験した。
【0111】
ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の質量比を表4に示すように変更した、5種類のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。これらの薄膜片は、いずれも試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とし、その後、意図的に水を加えた。実施例12〜14についてはセルロース繊維とポリエチレンの合計100質量部に対して水が22質量部、実施例15及び比較例2についてはセルロース繊維とポリチレン樹脂の合計100質量部に対して水が44質量部となるように調整した。
次に、このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、濡れた状態のままで、試験例1と同じバッチ式閉鎖型混練装置に投入し、高速攪拌して水を亜臨界状態にすると共に溶融混練し、5種類のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の作製を試みた。
各複合材の評価結果は表4に示すとおりである。なお、各例において、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を起点とし、この起点から7秒後としている。
【0112】
【表4】
【0113】
表4の「比較例2」より、セルロース繊維とポリエチレン樹脂の合計量に対するセルロース繊維の量が多すぎると、成形性が悪化して目的の形状の複合材を得ることができなかった。(なお、比較例2は紙部分を全く除去しないポリエチレンラミネート加工紙を裁断し、吸水させたものを試料材料として用いた。)
【0114】
[試験例5]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練して複合材を作製し、得られた複合材の物性とポリエチレン樹脂の分子量の関係を調べた。
【0115】
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維との質量比(乾燥後)は、表5に示す通りであった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリチレン樹脂の合計100質量部に対する付着水の量は100質量部であった。
次に、このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、濡れた状態のままで、試験例1と同じバッチ式閉鎖型混練装置に投入し、高速攪拌して水を亜臨界状態にすると共に溶融混練し、4種類のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した。
なお、各例において、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(表5中の「時間A」に相当)を実施例16、17については7秒後、実施例18については15秒後、実験例1については60秒後としている。
各複合材の評価結果は表5に示すとおりである。
【0116】
【表5】
【0117】
実験例1の分子量パターンは半値幅が2.0とやや大きい。実験例1の衝撃特性は低いものとなっている。実験例1の分子量パターンの半値幅が広く低分量成分が多くなっていることが衝撃特性の低下につながっていると考えられる。
【0118】
[試験例6]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練する方法(装置)の影響について試験した。
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維との質量比(乾燥後)は、表6〜7に示す通りであった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリチレン樹脂の合計100質量部に対する付着水の量は100質量部であった。
この濡れた状態のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、上記バッチ式閉鎖型混練装置を用いて亜臨界状態の水の存在下で溶融混練した場合(実施例19)と、濡れた状態のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を乾燥してからニーダーを用いて溶融混練した場合(比較例3)と、上記濡れた状態の薄膜片を直接モウルド成形したもの(比較例4)とを用いて、表6に記載した評価を行った。
なお、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を7秒としている。
各複合材の評価結果は表6に示すとおりである。
【0119】
【表6】
【0120】
表6の実施例19より、実施例1と同じく水の存在下で溶融混練して得たセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材は、含水率、耐衝撃性、吸水率、及びセルロース繊維の分散性に優れていることが分かる。また、実施例19はポリエチレン樹脂の分子量パターンが○であり、この分子量パターンも、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維との相溶性の向上に寄与し、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維との界面の微細な空隙を減らして界面の脆弱性を改善し、耐衝撃性の低下や吸水率の増加を抑制していると考えられる。
【0121】
他方、乾燥処理した薄膜片を、ニーダーを用いて混練した場合(比較例3)は、乾燥処理が必要なため複合材を得るためのトータルの消費電力は大きい。また、得られた複合材の吸水率は高く、セルロース繊維の分散性にも劣っていた。
濡れた状態の薄膜片を直接モウルド成形したもの(比較例4)では、水分を十分に除去することができなかった。また、得られた複合材は吸水率が高く、セルロース繊維の分散性にも劣っていた。
【0122】
さらに、容器リサイクル法により回収され再生された市販の再生樹脂(株式会社グリーンループ製PEリッチ品:比較例5)を用いて表6に記載される通り、二軸押出機を用いて成形し、評価した。本発明の製造方法で作製したセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材は、市販の再生樹脂と比較して吸水後に耐衝撃性が向上していることが分かる。
【0123】
[試験例7]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練する前に減容固化を行う影響について試験した。
【0124】
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維と、アルミニウムとの質量比(乾燥後)は、[ポリエチレン樹脂]:[セルロース繊維]:[アルミニウム]=65:35:5であった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリエチレン樹脂の合計100質量部に対する付着水の量は50質量部であった。
次に、この薄膜片を、表7に示すとおり、試験例1と同じバッチ式閉鎖型混練装置を用いて、亜臨界状態の水の存在下で溶融混練してセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した(実施例20)。
また別に、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片をバッチ式閉鎖型混練装置に投入する前に、減容固化機(小熊鉄工所社製、二軸式廃プラスチック減容固化機、型式:DP−3N)を用いて減容して固化し、その後バッチ式閉鎖型混練装置に投入してセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した(実施例21)。
また別に、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を二軸押出機に投入する前に、80℃に設定した乾燥機で含水率が1質量%未満になるまで乾燥させ、その後二軸押出機(株式会社日本製鋼所製、TEX30を使用)に投入し、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した(比較例6)。
各複合材の評価結果は表7に示すとおりである。
【0125】
【表7】
【0126】
表7の実施例20より、バッチ式閉鎖型混練装置を用いて亜臨界状態の水の存在下で溶融混練して得たセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材は、含水率が0.2であるにもかかわらず、その作製に必要な消費電力量が低くエネルギー効率に優れていた。またセルロース分散性に優れ、吸水性も低いことが分かる。また、溶融混練前に減容処理を施した実施例21では、消費電力をさらに大幅に低減できることもわかる。
さらに、実施例20及び21は、ポリエチレン樹脂の分子量パターンが○となった。
他方、二軸押出機により混練した場合には、得られる複合材の含水率が高く、セルロースの分散性に劣り、吸水性も高かった。二軸押出機による混練法を採用する場合、混練前にセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を乾燥処理に付すことにより、得られる複合材の含水率を0質量%近くとすることができる。しかしこの場合には、消費電力量が数倍に膨れ上がり、エネルギー効率に劣る結果となった(比較例6)。
【0127】
[試験例8]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練する方法(装置)の影響について試験した。
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維の質量比(乾燥後)は、表8に示す通りであった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリチレン樹脂の合計100質量部に対する付着水の量は19質量部であった。
この濡れた状態のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、上記バッチ式閉鎖型混練装置を用いて亜臨界状態の水の存在下で溶融混練した場合(実施例22)と、濡れた状態のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を乾燥してからニーダーを用いて混練した場合(比較例7)について、表8に記載した評価を行った。
なお、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を7秒としている。
各複合材の評価結果は表8に示すとおりである。
【0128】
【表8】
【0129】
表8の実施例22より、試験例1と同じく水の存在下で溶融混練して得たセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材は、含水率、耐衝撃性、吸水率、及びセルロース繊維の分散性に優れていることが分かる。また、実施例22はポリエチレン樹脂の分子量パターンが○である。これにより、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維との相溶性が向上し、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維との界面の微細な空隙を減らして界面の脆弱性を改善し、耐衝撃性の低下や吸水率の増加を抑制していると考えられる。
【0130】
他方、乾燥処理した薄膜片を、ニーダーを用いて混練した場合(比較例7)は、乾燥処理が必要なため複合材を得るためのトータルの消費電力は大きい。また、得られた複合材の吸水率も高く、セルロース繊維の分散性にも劣っていた。
【0131】
[試験例9]
材料として出所の異なる使用済み飲料容器の回収物を使用して複合材を試作した。
使用済み紙製飲料容器として、出所の異なる回収物を使用した以外は上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片の集合物の乾燥後の成分の比率は表に示す通りであった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリチレン樹脂の合計量100質量部に対する付着水の量は100質量部であった。
次に、このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片の集合物を、濡れた状態のままで、試験例1と同じバッチ式閉鎖型混練装置に投入し、高速攪拌して水を亜臨界状態にすると共に溶融混練し、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の試料を作製した。
なお、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を7秒としている。
【0132】
各複合材の評価結果は表9に示すとおりである。
【0133】
【表9】
【0134】
表9より、実施例1と同じく水の存在下で溶融混練して得たセルロース繊維とアルミニウムが分散されたポリエチレン樹脂複合材は、含水率、耐衝撃性、吸水率、及びセルロース繊維の分散性に優れていることが分かる。
【0135】
[試験例10]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練するに当たり、再生高密度ポリエチレン(再生HDPE)を添加することによる影響について試験した。
【0136】
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレンと、それに付着しているセルロース繊維、アルミニウムの質量比(乾燥後)は、65:35:5であった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリチレンの合量100質量部に対する付着水の量は50質量部であった。
次に、この薄膜片に対し、表7に示す再生HDPEの所定量を添加し、試験例1と同じバッチ式閉鎖型混練装置を用いて亜臨界状態の水の存在下で溶融混練して、実施例25〜27の3種類の複合材を得た。
各複合材の評価結果は10に示すとおりである。
【0137】
【表10】
【0138】
表10に示す通り、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練する際に、再生HDPEを加えても、物性的に問題が生ずることはなかった。
【0139】
[試験例11]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片をバッチ式混練装置によって水の存在下で混練する場合のセルロース繊維の量の影響について試験した。
【0140】
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、数cm
2〜100cm
2程度のさまざまな形状、大きさの小片に切断されており、紙部分の剥ぎ取り工程において水に浸漬されたことで濡れた状態(水分を多量に吸収した状態)であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレンと、それに付着しているセルロース繊維、アルミニウムの質量比(乾燥後)は、表11に示すとおりであった。
このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とし、その後意図的に水を加えて、表11に示す実施例28〜実施例31の各欄に記載の水の質量部となるように、4種類の試料材料を調製した。
次に、この4種類の試料材料を、別々にバッチ式混練装置であるニーダーに投入し、溶融混練し、4種類のセルロース繊維とアルミニウムが分散されたポリエチレン樹脂複合材を作製した。
各複合材の評価結果は表11に示すとおりである。
【0141】
【表11】
【0142】
表11に示す通り、水の存在下、ニーダーを用いて溶融混練して得られた複合材は、吸水率が低い(吸水率合否判定○)ことがわかる。また、セルロース繊維が多い程、引張強度が高まる傾向があった。
【0143】
[試験例12]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片をバッチ式混練装置によって水を添加せずに混練する場合のセルロース繊維の量の影響について試験した。
【0144】
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、数cm
2〜100cm
2程度のさまざまな形状、大きさの小片に切断されており、紙部分の剥ぎ取り工程において水に浸漬されたことで濡れた状態(水分を多量に吸収した状態)であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレンと、それに付着しているセルロース繊維、アルミニウムの質量比(乾燥後)は、表12に示すとおりであった。
このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とした。
次に、この3種類の試料材料を、別々に試験例11で用いたのと同じニーダーに投入し、溶融混練し、3種類のセルロース繊維とアルミニウムが分散されたポリエチレン樹脂複合材を作製した。
各複合材の評価結果は表12に示すとおりである。
【0145】
【表12】
【0146】
表12の結果を表11の結果と比較すれば明らかな通り、水を添加せずに、ニーダーを用いた溶融混練して得られた複合材は、セルロース繊維の分散性に劣る結果となり、吸水率も高かった(吸水率合否判定×)。また、表11の結果との比較から明らかなように、セルロース繊維の量のわりには引張強度が低かった。
【0147】
[試験例13]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片をニーダーによって混練する場合のアルミニウムの量の影響について試験した。
【0148】
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレンと、それに付着しているセルロース繊維の質量比(乾燥後)は、表13の通りであった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリエチレン樹脂の合計100質量部に対する付着水の量は15質量部であった。
次に、このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、濡れた状態のままで、試験例11で用いたのと同じニーダーに投入し、溶融混練して4種類のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の試料を作製した。
【0149】
【表13】
【0150】
表13に示される通り、アルミニウムの量を変化させても、優れた特性を有するセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材が得られることが分かる。また、実施例33の結果から、ポリエチレンとセルロースの合計100質量部に対してアルミニウムが5質量部であれば、酸素指数21以上の難燃性と0.2W/m・K以上の熱伝導率を有することがわかる。
【0151】
[試験例14]
バッチ式混練装置に投入する原料の形態の影響について試験した。
【0152】
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維とアルミニウムの質量比(乾燥後)は、[ポリエチレン樹脂]:[セルロース繊維]:[アルミニウム]=75:25:12であった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維、ポリエチレン樹脂、アルミニウムの合計100質量部に対する付着水の量は20質量部であった。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とし、試作材料(実施例36)を調製した。
【0153】
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、数cm
2〜100cm
2程度のさまざまな形状、大きさの小片に切断されたものであった。得られた薄膜片から、目視により明らかにセルロース繊維が付着していると認められるものは除去した。残りの薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているアルミニウムの質量比(乾燥後)は、[ポリエチレン樹脂]:[アルミニウム]=75:12であった。
この薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とした。その後、セルロース粉末(KCフロック 日本製紙製)を配合してセルロースを25質量部含む試作材料(実施例37)を調製した。
【0154】
使用済みのポリエチレンラミネート加工紙(アルミニウム薄膜層を有さない)からなる飲料容器から、パルパーによって紙部分を剥ぎ取り除去してセルロース付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、数cm
2〜100cm
2程度のさまざまな形状、大きさの小片に切断されており、紙部分の剥ぎ取り工程において水に浸漬されたことで濡れた状態(水分を多量に吸収した状態)であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維の質量比(乾燥後)は、[ポリエチレン樹脂]:[セルロース繊維]=75:25であった。このセルロース付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とした。その後、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の合計100質量部に対してアルミニウムが25質量部となるようにアルミ箔の細断物を添加して試作材料(比較例11)を調製した。
各試作材料に、ポリエチレン樹脂、セルロース繊維の合計100質量部に対して水が15質量部となるように水を混合した。この水を混合した試作材料を、試験例1で用いたのと同じバッチ式閉鎖型混練装置に投入し、溶融混練し、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の作製を試みた。
【0155】
【表14】
【0156】
アルミ箔の細断物を添加した比較例11は、溶融混練してもアルミ箔の大きな塊が残り一体性に乏しく、試験に供しなかった。セルロースとしてセルロース粉を添加した実施例37は、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片のみを使用した実施例36よりも、引張強度及び曲げ強度にやや劣るものであった。実施例36で得られた複合材については、その断面を顕微鏡で観察すると繊維長1mm以上のセルロース繊維が見られるのに対して、実施例37では繊維長1mm以上のセルロース繊維が確認できなかった。
【0157】
[試験例15]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片をニーダーによって混練する場合の水の量についてさらに試験した。
【0158】
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維の質量比(乾燥後)は、表14の通りであった。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とし、その後、表14に示す実施例38〜実施例40の各欄に記載の水の質量部となるように水を加えて、4種類の試料材料を調製した。
次に、この4種類の試料材料を、別々にニーダーに投入し、溶融混練し、4種類のセルロース繊維とアルミニウムが分散されたポリエチレン樹脂複合材を作製した。
各複合材の評価結果は表15に示すとおりである。
【0159】
【表15】
【0160】
実施例38の結果から、水の配合量を少なくした場合でも、溶融混練時に水が共存していれば、吸水率が抑えられ、また他の機械強度にも優れたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材が得られることが分かる。実施例29、実施例38、実施例39との比較、あるいは実施例30、実施例40との比較から、水量は多くても少なくても良いことがわかる。なお、エネルギー効率を考慮すると、水量は多すぎない方が良い。
【0161】
[試験例16]
実施例2と同様にしてセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材Aを得た。溶融混練時における水の量は、セルロース繊維とポリエチレン樹脂の合計100質量部に対して20質量部とした。得られたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材Aと炭酸カルシウム粉末(備北粉化工業社製、ソフトン1500)とを、表16に示す配合比でドライブレンドした後、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製、TEX30)に投入して混練して、炭酸カルシウムが分散されたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した。得られた、炭酸カルシウムが分散されたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の評価結果を表16に示す。
試験例1と同様にしてセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材Aを得た。溶融混練時における水の量は、セルロース繊維とポリエチレン樹脂の合計100質量部に対して20質量部とした。得られたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材Aと、水酸化マグネシウム粉末(新鉱工業社製、マグラックス)及び/又は炭酸カルシウム粉末(備北粉化工業社製、ソフトン1500)とを、表17、表18、表19に示す配合比でドライブレンドした後、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製、TEX30)に投入して混練して、水酸化マグネシウムと炭酸カルシウムが分散されたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した。作製した、水酸化マグネシウムと炭酸カルシウムとが分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の評価結果を表17、表18、表19に示す。
【0162】
【表16】
【0163】
【表17】
【0164】
【表18】
【0165】
【表19】
【0166】
表16、表17、表18、表19より、無機質材である炭酸カルシウムと水酸化カルシムの合計量をポリエチレン樹脂100質量部に対して20質量部以上とした場合、曲げ弾性率が500MPa以上の複合材が得られることがわかる。
また、無機質材である炭酸カルシウムと水酸化カルシウムの合計量をポリエチレン樹脂100質量部に対して100質量部以下とした場合、耐衝撃性が4kJ/m
2以上の複合材が得られ、また70質量部以下とすることにより、衝撃強度が5kJ/m
2以上の複合材が得られうることもわかる。
【0167】
[試験例17]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を試験例1とは別のバッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)によって混練する場合について試験した。
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレンと、それに付着しているセルロース繊維の質量比(乾燥後)は、表20の通りであった。この薄膜片を濡れた状態のままで使用するもの(実施例)、また比較として、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下としたもの(比較例)を準備した。濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリエチレン、アルミニウムの合計100質量部に対する付着水の量は表20に示す通りであった。
次に、このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片(実施例は濡れた状態のまま)を、試験例1で使用したのとは別のバッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)に投入し、混合溶融装置の撹拌羽根の回転速度を羽根の先端の周速で40m/秒として高速攪拌して水の存在下で試料材料の混練を開始し、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した。
なお、混練の終了は、バッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)に設置された温度計により測定される装置チャンバー内の材料温度が180℃に達した時点とした。
結果を下記表20に示す。
【0168】
【表20】
【0169】
比較例12の結果より、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片の溶融混練を、水の無い環境下で行った場合には、ポリエチレン樹脂中にセルロースとアルミニウムとが均一分散された複合材が得られないことが分かる。
他方、実施例59及び60の結果より、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片の溶融混練時に水が共存させた場合には、吸水率が抑えられ(吸水率合否判定○)、また機械強度にも優れたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材が得られることが分かる。また、セルロース繊維の量に応じて引張強度が高まる傾向も認められた。
【0170】
[試験例18]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練するに当たり、下記の通り、セルロース材として紙を添加して複合材を作製した。
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とした。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片に、表21に示す紙と水を配合して10種類の試料材料を調製した。なお、添加する紙は、新聞紙及びオフィス古紙についてはシュレッターにより裁断したものを用い、ダンボールについては回転刃式の粉砕機(ホーライ社製)により粉砕したものを用いた。
次に、試験例11と同じニーダーを用いて水の存在下で溶融混練して、実施例61〜70の10種類の複合材を得た。得られた複合材のポリエチレン、セルロース繊維、アルミニウムの質量比は表21とおりであった。
結果を表21に示す。
【0171】
【表21】
【0172】
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片と紙と水を配合して得られるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材は、吸水性が低く、機械強度にも優れることが分かる。
【0173】
[試験例19]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練するに当たり、セルロース材として表22に示すペーパースラッジ、再生パルプ、ラミネート紙の損紙(耳ロス)を添加して複合材を作製した。より詳細に説明する。
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とした。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片に、表22に示すセルロース材と水を配合し10種類の試料材料を調製した。なお添加する損紙については回転刃式の粉砕機(ホーライ社製)にて粉砕したものを用いた。
次に、試験例11と同じニーダーを用いて水の存在下で溶融混練して、実施例71〜80の10種類の複合材を得た。得られた複合材のポリエチレン、セルロース繊維、アルミニウムの質量比は表22とおりであった。
結果を表22に示す。
【0174】
【表22】
【0175】
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片とセルロース材と水を配合して得られるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材は、吸水性が低く、機械強度にも優れることが分かる。
【0176】
[試験例20]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練するに当たり、下記の通り、紙パックのラミネート紙の粉砕物を添加して複合材を作製した。
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とした。各々用意したセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片に表23に示すセルロース材を配合し、水を配合したものと水を配合しないものの計6種類の試料材料を調製した。添加する紙パックのラミネート紙は、回転刃式の粉砕機(ホーライ社製)により粉砕したものを用いた。
次に、試験例11と同じニーダーを用いて、実施例81〜84、比較例13及び14の複合材を得た。得られた複合材のポリエチレン、セルロース繊維、アルミニウムの質量比は表23とおりであった。
結果は表23に示す。
【0177】
【表23】
【0178】
実施例81〜84の結果より、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片に紙パックのラミネート紙の粉砕物を配合し、水の存在下で溶融混練して得たセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材は、含水率、機械特性、吸水率、及びセルロース繊維の分散性に優れていることが分かる。他方、水を添加せずに溶融混練して得られたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材(比較例13、14)は、セルロース繊維の分散性に劣る結果となり、吸水率も高かった。また、セルロース繊維の量のわりには引張強度が低かった。
また、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の合計量100質量部に対してセルロース繊維を10質量部以上含む場合には、線膨張係数がより抑えられることがわかる。
【0179】
[試験例21]
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、バッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)を用いて混練するに当たり、下記の通り、セルロース材としてラミネート紙の損紙(耳ロス)を添加して複合材を作製した。
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、実施例1と同じく、数cm
2〜100cm
2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とした。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片に、表24に示すセルロース材と水を配合し試料材料を調製した。添加する損紙は、回転刃式の粉砕機(ホーライ社製)により粉砕したものを用いた。
次に、試験例17と同じバッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)を用いて水の存在下で溶融混練して、実施例85及び86の複合材を得た。なお、混練の終了は、バッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)に設置された温度計により測定される装置チャンバー内の材料温度が180℃に達した時点とした。得られた複合材のポリエチレン、セルロース繊維、アルミニウムの質量比は表24とおりであった。
結果は表24に示す。
【0180】
【表24】
【0181】
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片と損紙と水を配合して得られるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材は、吸水性が低く、機械強度にも優れることが分かる。
【0182】
従来、使用済み飲料容器などのポリエチレンラミネート加工紙をパルパー等の処理に付して紙部分を剥ぎ取り除去した後、除去しきれなかった紙成分が不均一にポリエチレン樹脂に付着した状態で、形状、大きさもまちまちで、さらに水を多量に吸収した状態のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片は、樹脂組成物として有効に再利用するための、コスト面、品質面において実用性の高い技術がなく、いわばゴミ同然に埋め立てられて廃棄処分されるか、又は単に燃料としての使用が一般的であった。本発明は、上記実施例に示される通り、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、そのままの状態で(水分調節等を要さずに)簡単な処理に付し、樹脂材料として甦らせる技術に関する発明である。
本発明は、大きさ、形状、セルロース繊維の付着状態が不均一な、セルロース繊維とアルミニウムとポリエチレン樹脂の不均一な混合体としてのセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片から、均一な物性のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を製造することを可能にした技術に係る発明である。
【0183】
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
【0184】
本願は、2016年12月5日に日本国で特許出願された特願2016−236283に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。