(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
毛髪用シャンプー、シャワー用ジェル、せっけん、合成洗剤、ウォッシングペースト、ウォッシングローション、スクラブ製剤、フォームバス、オイルバス、シャワーバス、シェービングフォーム、シェービングローション、シェービングクリーム及びデンタルケア製品の形態の化粧品のための、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物の使用。
硬質表面を清浄化するための低いpHを有する製品、例えば、浴槽及びトイレ洗浄剤などのための、並びにまた、衛生設備において使用するための洗浄及び/又はフレグランスゲルのための、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、以下に指定する特性を特徴とする水性界面活性剤組成物を提供することであった:
・良好な発泡能力
・泡の好ましい感覚的感触
・良好な皮膚適合性。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、最初に、
・一般式(I)
R
1CH(SO
3M
1)COOM
2 (I)
(式中、基R
1は、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M
1及びM
2は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上のα-スルホ脂肪酸二塩(A)、
・一般式(II)
R
31-O-CO-CH(SO
3M
16)-CH
2-COOM
17 (II)
(式中、基R
31は、6〜22個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基、或いは6〜22個の炭素原子を有するアルコキシル化された直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M
16及びM
17は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上のスルホコハク酸塩(B)、
・水
を含む水性界面活性剤組成物であって、以下の条件:
・水性界面活性剤組成物が、一般式(V)
R
2CH(SO
3M
7)COOR
3 (V)
(式中、基R
2は、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基R
3は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基R
3は、必然的に、
3個超の炭素原子のものだけアルケニル基であってよ
く又は分岐していてよく、基M
7は、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上のエステルスルホン酸塩(E)を含む場合、化合物(A)が、化合物(A)及び(E)の合計に対して50重量%以上の程度まで、特に90重量%以上の程度まで存在しなければならないが適用される、水性界面活性剤組成物を提供する。
【0006】
本発明による水性界面活性剤組成物は、以下の有利な特性を特徴とする:
・良好な発泡能力及び泡の好ましい感覚的感触。これについては、特に化粧品の分野において、発泡能力は様々な態様を意味することが理解され得るものであり、泡を評価するために、例えば、泡体積、泡安定性、泡弾力性、泡の水分含量、並びに泡の光学的特徴、例えば細孔の大きさのいずれかを使用できることに留意することができる。本発明による組成物は、発泡の間、大きい泡体積を有する。実際、初期発泡は、比較的短期間(数秒から1分)内に起こる。典型的には、初期発泡の間、手、皮膚及び/又は毛髪の間でこすることによって、シャワー用ジェル又はシャンプーは拡がり、発泡される。実験室において、界面活性剤水溶液の発泡挙動は、例えば、撹拌、振とう、ポンプ輸送、ガス流による泡立て又は他の仕方で比較的短期間内で溶液を撹拌することによって、評価することができる。泡の感覚的感触の主観的評価は、被験者によって行うことができる。このために、態様、例えば泡のクリーミーさ、弾力性、成形性を評価することができる。
・良好な皮膚及び粘膜適合性。これらは、当業者に公知のin vitroの方法(例えばRBC又はHET-CAM)によって、また被験者(例えばパッチテスト)によって検出することができる。
・皮膚及び毛髪への優れたケア性能。これは、例えば、主観的な皮膚の感触(滑らかさ、乾燥度など)又は処理した毛髪の触覚及び感触を参照することにより被験者で評価することができる。機械的な測定法、例えば、毛髪の櫛通りも使用することができる。
・良好な保存安定性。これは、水性組成物が任意の目に見える(例えば濁り、変色、相分離)又は測定可能な(例えばpH、粘度、活性物質含有量)変化を示さない場合に当てはまる。
・良好な適用性及び加工性。組成物は、水に導入する際に急速に熱を供給することなく溶解することができる。
・良好な明確な溶解度及び透明性。水性界面活性剤組成物は、沈殿又は濁る傾向がない。
・本発明において1000mPas以上の値(Brookfield RV実験室レオメーターを用いて23℃、12rpm、スピンドルセットRV 02〜07(粘度範囲に応じてスピンドルを選択)で測定)を意味すると理解される、十分に高い粘度。公知のように、「mPas」は、ミリパスカル秒を意味する。
・良好な洗浄性能。水性界面活性剤組成物は、固体又は織物表面から汚れ、特に脂肪又は油含有汚れを除去及び乳化するのに適している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
化合物(A)
本発明においてα-スルホ脂肪酸二塩と称する化合物(A)は、本発明による水性界面活性剤組成物に必須である。それらは上記で指定した式(I)
R
1CH(SO
3M
1)COOM
2 (I)
を有し、式中、基R
1は、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M
1及びM
2は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。
【0008】
一実施形態では、基R
1がアルケニル基である水性界面活性剤組成物中の化合物(A)の割合が、化合物(A)の全量に対してが3重量%以下であるという条件が適用される。
【0009】
好ましい実施形態では、式(I)の基R
1は、10〜16個の炭素原子を有する飽和直鎖状アルキル基であり、化合物(A)に関して、基R
1がデシル及び/又はドデシル基である化合物(A)の割合が化合物(A)の全量に対して70重量%以上、好ましくは90重量%以上である。
【0010】
好ましくは、式(I)の基M
1及びM
2は、H(水素)及びNa(ナトリウム)を含む群から選択される。
【0011】
化合物(A)は、当業者に適切に公知であるすべての方法によって調製することができる。ここで、特に好ましい調製方法は、対応するカルボン酸の硫酸化である。ここで、対応するカルボン酸、特に対応する脂肪酸をガス状三酸化硫黄と反応させる。この三酸化硫黄は、好ましくは、脂肪酸に対するSO
3のモル比が1.0:1〜1.1:1の範囲となるような量で使用される。次いで、酸性の硫酸化生成物であるこの方法で得られる粗生成物を、部分的に又は完全に中和する。水性NaOHで完全に中和することが好ましい。望むなら、精製ステップ及び/又は漂白(生成物の望ましい浅い色を調整するために)を施すことも可能である。
【0012】
特に好ましい実施形態では、化合物(A)は工業用グレードの形態で使用する。これは、対応するカルボン酸、特に天然の脂肪酸がガス状三酸化硫黄で硫酸化され、その結果として、得られる酸性の硫酸化生成物の部分的又は完全な中和に続いて、化合物(A)、(C)及び(D)の混合物がもたらされることを意味する。反応パラメーター(特に、カルボン酸と三酸化硫黄のモル比、また反応温度も)の対応する調整によって、化合物(A)、(C)及び(D)の比を制御することができる。化合物(C)及び(D)は、以下の「好ましい実施形態」の章で説明する。
【0013】
本発明において、以下の組成:
・ (A)の含量は60〜100重量%の範囲であり、
・ (C)の含量は0〜20重量%の範囲であり、
・ (D)の含量は0〜20重量%の範囲である、
を有するα-スルホ脂肪酸二塩のそれらの工業用グレード混合物が好ましい。但し、この混合物中の成分(A)、(C)及び(D)の合計は100重量%である。
【0014】
化合物(B)
本発明においてスルホコハク酸塩と称する化合物(B)は、本発明による水性界面活性剤組成物に必須である。それらは、上記で指定した式(II)
R
31-O-CO-CH(SO
3M
16)-CH
2-COOM
17 (II)
を有し、式中、基R
31は、6〜22個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基、或いは6〜22個の炭素原子を有するアルコキシル化された直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M
16及びM
17は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される。
【0015】
化合物(B)は、当業者に公知であるすべての関連方法によって調製することができる。化合物(B)に対する重要な手法は以下の通りである:2段階プロセスでは、無水マレイン酸は、最初にアルコール又はアルコールアルコキシレートでエステル化され、これはエチレンオキシドのアルコールへの付加生成物として理解されたい。この場合に得られたマレイン酸エステルは、続いて亜硫酸水素ナトリウム水溶液中でスルホン化される。
【0016】
一実施形態では、基R
31がアルケニル基である水性界面活性剤化合物中の化合物(B)の割合が、化合物(B)の全量に対して3重量%以下であるという条件が適用される。
【0017】
一実施形態では、式(II)の基R
31は、12〜18個の炭素原子を有する飽和直鎖状アルキル基であり、化合物(B)に関して、基R
31がドデシル及び/又はテトラデシル基である化合物(B)の割合が化合物(B)の全量に対して70重量%以上、好ましくは90重量%以上である。
【0018】
一実施形態では、式(II)の基R
31は、8〜18個、特に12〜18個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である。
【0019】
さらに好ましい実施形態では、式(II)の基R
31は、-(CH
2-CH
2-O)
p-R
5基であり、ここでpは、1〜4の範囲の数であり、基R
5は、12〜18個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である。
【0020】
INCI名がラウレススルホコハク酸二ナトリウム及びラウリルスルホコハク酸二ナトリウムである化合物(B)が特に好ましい。
【0021】
式(II)の基M
16及びM
17は、好ましくはH(水素)及びNa(ナトリウム)を含む群から選択される。
【0022】
好ましい実施形態
一実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)及び水の他に、一般式(III)
R
4COOM
5 (III)
の1種以上の化合物(C)を追加的に含む。
【0023】
式(III)では、基R
4は、7〜19個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M
5は、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。
【0024】
一実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)及び水の他に、一般式(IV)
(M
6)
2SO
4 (IV)
(式中、M
6は、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上の硫酸の無機塩(D)を追加的に含む。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。
【0025】
好ましい実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)、(C)及び(D)を含む。この場合、化合物(A)の基M
1及びM
2、化合物(B)の基M
16及びM
17、化合物(C)の基M
5並びに化合物(D)の基M
6が、H(水素)及びNa(ナトリウム)を含む群から選択される場合が特に好ましい。
【0026】
一実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)及び水の他に、一般式(VI)
R
6CH
2-CO-CHR
7(SO
3M
8) (VI)
(式中、基R
6及びR
7は、互いに独立に、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基であり、基M
8は、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上の化合物(F)を追加的に含む。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。
【0027】
本発明において、化合物(F)は、モノスルホケトンと称する。
【0028】
好ましい実施形態では、式(VI)の基R
6及びR
7は、互いに独立に、10〜16個の炭素原子を有する飽和直鎖状基であり、化合物(F)に関して、基R
6及びR
7がデシル及び/又はドデシル基である化合物(F)の割合が化合物(F)の全量に対して70重量%以上、好ましくは90重量%以上である。好ましくは、式(VI)の基M
8は、H及びNaを含む群から選択される。
【0029】
一実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)及び水の他に、一般式(VII)
(SO
3M
9)R
8CH-CO-CHR
9(SO
3M
10) (VII)
(式中、基R
8及びR
9は、互いに独立に、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基であり、基M
9及びM
10は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上の化合物(G)を追加的に含む。この関連で、特に好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンである。
【0030】
本発明において、化合物(G)は、ジスルホケトンと称する。
【0031】
好ましい実施形態では、式(VII)の基R
8及びR
9は、互いに独立に、10〜16個の炭素原子を有する飽和直鎖状基であり、化合物(G)に関して、基R
8及びR
9がデシル及び/又はドデシル基である化合物(G)の割合が化合物(G)の全量に対して70重量%以上、好ましくは90重量%以上である。好ましくは、式(VII)の基M
9及びM
10は、H及びNaを含む群から選択される。
【0032】
化合物(F)及び(G)の調製には任意の特定の制限はなく、それらは、当業者に公知であるすべての方法によって調製することができる。
【0033】
一実施形態では、ドイツ公開明細書DE-A-42,20,580に記載されているように、化合物(F)及び(G)は、対応するケトンをガス状三酸化硫黄でスルホン化することによって調製される。
【0034】
別の実施形態では、化合物(F)及び(G)の調製は、脂肪酸から開始する。この場合には、二塩(A)に加えて、化合物(F)及び(G)も形成されるように、液体脂肪酸のガス状三酸化硫黄による硫酸化が行われ、以下のように硫酸化を実施した結果として達成することができる:異なる鎖長の脂肪酸の混合物の形態でも使用できる脂肪酸原料と三酸化硫黄の比は、脂肪酸(複数可)1モル当たり1.0〜1.5mol、特に1.0〜1.25molのSO
3が使用されるように調整される。脂肪酸は、70〜100℃の範囲の貯槽温度で反応器に導入される。硫酸化後、得られた液体硫酸化生成物は、温度制御後反応コイル中でこの温度で5〜20分間維持及び熟成させる。次いで中和は、一般に5〜10、特に5〜7のpH範囲で、水性塩基、好ましくは水酸化ナトリウムで行う。続いて、過酸化水素で酸性漂白(ここのpHは7以下の値に調整される)を実施してもよい。
【0035】
一実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)及び(F)を含む。この場合、化合物(A)の基M
1及びM
2並びに化合物(B)の基M
16及びM
17が、H(水素)及びNa(ナトリウム)を含む群から選択される場合が特に好ましい。この場合、化合物(A)の量が化合物(F)の量よりも大きくなければならないという条件が適用される。
【0036】
一実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)及び(G)を含む。この場合、化合物(A)の基M
1及びM
2並びに化合物(B)の基M
16及びM
17が、H及びNaを含む群から選択される場合が特に好ましい。この場合、化合物(A)の量が化合物(G)の量よりも大きくなければならないという条件が適用される。
【0037】
一実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)、(F)及び(G)を含む。この場合、化合物(A)の基M
1及びM
2並びに化合物(B)の基M
16及びM
17が、H及びNaを含む群から選択される場合が特に好ましい。この場合、化合物(A)の量が化合物(F)及び(G)の量の合計よりも大きくなければならないという条件が適用される。
【0038】
一実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)、(C)、(D)及び(F)を含む。この場合、化合物(A)の基M
1及びM
2、化合物(B)の基M
16及びM
17、化合物(C)の基M
5並びに化合物(D)の基M
6が、H及びNaを含む群から選択される場合が特に好ましい。この場合、化合物(A)の量が化合物(F)の量よりも大きくなければならないという条件が適用される。
【0039】
一実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)、(C)、(D)及び(G)を含む。この場合、化合物(A)の基M
1及びM
2、化合物(B)の基M
16及びM
17、化合物(C)の基M
5並びに化合物(D)の基M
6が、H及びNaを含む群から選択される場合が特に好ましい。この場合、化合物(A)の量が化合物(G)の量よりも大きくなければならないという条件が適用される。
【0040】
一実施形態では、本発明による水性界面活性剤組成物は、化合物(A)、(B)、(C)、(D)、(F)及び(G)を含む。この場合、化合物(A)の基M
1及びM
2、化合物(B)の基M
16及びM
17、化合物(C)の基M
5並びに化合物(D)の基M
6が、H及びNaを含む群から選択される場合が特に好ましい。この場合、化合物(A)の量が化合物(F)及び(G)の量の合計よりも大きくなければならないという条件が適用される。
【0041】
望むなら、本発明による水性界面活性剤組成物は、構造に関して、上記化合物(A)、(B)、(D)、(E)、(F)又は(G)に属さない1種以上の他の界面活性剤を追加的に含むことができる。これらの界面活性剤はアニオン性、カチオン性、ノニオン性又は両性の界面活性剤であってよい。
【0042】
組成物の使用
本発明の他の主題は、化粧品のため、また、洗剤及び洗浄剤のための上記組成物の使用である。
【0043】
化粧品に関しては、ここでとりわけ、毛髪用シャンプー、シャワー用ジェル、せっけん、合成洗剤、ウォッシングペースト、ウォッシングローション、スクラブ製剤、フォームバス、オイルバス、シャワーバス、シェービングフォーム、シェービングローション、シェービングクリーム及びデンタルケア製品(例えば練り歯磨き、口腔洗浄薬など)の形態で存在するものが特に好ましい。
【0044】
洗浄剤に関しては、ここで特に、硬質表面を清浄化するための低いpHを有する製品、例えば、浴槽及びトイレ洗浄剤など並びにまた、衛生設備において使用するための洗浄ゲル及び/又はフレグランスゲルが好ましい。
【実施例】
【0045】
使用した物質
DM水=脱塩水
SFA:純粋C
12/14脂肪酸をベースとした工業用グレード品質のα-スルホ脂肪酸二塩;組成:74重量%2-スルホラウリン酸二ナトリウム、13重量%ラウリン酸ナトリウム、11重量%硫酸ナトリウム、2重量%水。この場合、「ラウリン酸塩」という呼称は、それらがベースとする純粋脂肪酸の混合物のC
12/14重量比が70:30であることを示す。
SB3:Texapon SB3、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム(INCI名)、33重量%有効成分、BASF PCNの市販品
【0046】
測定及び試験方法
発泡能力の判定:
発泡挙動を試験(ローター発泡法)するために、市販の測定装置を使用した(Sita泡試験器R-2000)。まず界面活性剤水溶液を以下のように調製した:試験しようとする各試料の1gの有効成分(試料として、SFA若しくはSB3又はこれらの物質の混合物を使用した。以下を参照されたい;SFAの場合-上述したように-有効成分含量は、二塩含量を意味するものと理解される)を、20℃で1リットルのDM水に溶解した。溶液のpHをクエン酸で5.5に調整した。このように調製した溶液を30℃で温度制御した。
【0047】
測定:温度制御されたストックから、250mlを測定装置に移し、1300回転/分の回転速度で10秒間発泡させ、存在する泡の体積(mlで)を決定し、次いでさらに10秒間発泡させ、存在する泡体積(mlで)を決定等し、すなわち発泡の間10秒ごとに泡の高さを決定した。80秒間の発泡時間の後、測定を終了した。測定を、各試料について3回繰り返し、それぞれ同じバッチからの新鮮な溶液を用いて、80秒後の測定の結果をこれらの3回の測定による平均値として示した(表を参照されたい)。
【0048】
実施例
E1=実施例1(本発明):
SFAとTexapon SB3の混合物を使用し、SFA及びSB3のそれぞれの有効成分の重量比を2:1の値に設定した。「発泡能力の判定」のもとで上記のように実験を実施した。実験データは表1に見ることができる。
【0049】
E2=実施例2(本発明):
SFAとTexapon SB3の混合物を使用し、SFA及びSB3のそれぞれの有効成分の重量比を1:1の値に設定した。
【0050】
E3=実施例3(本発明):
SFAとTexapon SB3の混合物を使用し、SFA及びSB3のそれぞれの有効成分の重量比を1:2の値に設定した。
【0051】
E4=実施例4(本発明):
SFAとTexapon SB3の混合物を使用し、SFA及びSB3のそれぞれの有効成分の重量比を1:5の値に設定した。
【0052】
C1=比較例1:
SFAだけを使用した。
【0053】
C2=比較例2:
SB3だけを使用した。
【0054】
【表1】
【0055】
SFA単独では不十分な泡体積(比較例1)を示すが、SFAとSB3のすべての混合物(驚くべきことに著しく過剰なSFAを含む実施例1でも)は、SB3に匹敵する非常に高い泡体積を示す。
(付記)
(付記1)
・一般式(I)
R1CH(SO3M1)COOM2 (I)
(式中、基R1は、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M1及びM2は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上のα-スルホ脂肪酸二塩(A)、
・一般式(II)
R31-O-CO-CH(SO3M16)-CH2-COOM17 (II)
(式中、基R31は、6〜22個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基、或いは6〜22個の炭素原子を有するアルコキシル化された直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M16及びM17は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上のスルホコハク酸塩(B)、
・水
を含む水性界面活性剤組成物であって、以下の条件:
・水性界面活性剤組成物が、一般式(V)
R2CH(SO3M7)COOR3 (V)
(式中、基R2は、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基R3は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基R3は、必然的に、3個超の炭素原子のものだけアルケニル基であってよく又は分岐していてよく、基M7は、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上のエステルスルホン酸塩(E)を含む場合、化合物(A)が、化合物(A)及び(E)の合計に対して50重量%以上の程度まで存在しなければならない
が適用される、前記水性界面活性剤組成物。
(付記2)
式(I)における基R1が、10〜16個の炭素原子を有する飽和直鎖状アルキル基であり、化合物(A)に関して、基R1がデシル又はドデシル基である化合物(A)の割合が、化合物(A)の全量に対して90重量%以上である、付記1に記載の組成物。
(付記3)
基M1及びM2が、H(水素)及びNa(ナトリウム)を含む群から選択される、付記1又は2に記載の組成物。
(付記4)
一般式(III)
R4COOM5 (III)
(式中、基R4は、7〜19個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル又はアルケニル基であり、基M5は、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上の化合物(C)を追加的に含む、付記1から3のいずれか一項に記載の組成物。
(付記5)
一般式(IV)
(M6)2SO4 (IV)
(式中、M6は、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上の硫酸の無機塩(D)を追加的に含む、付記1から4のいずれか一項に記載の組成物。
(付記6)
一般式(VI)
R6CH2-CO-CHR7(SO3M8) (VI)
(式中、基R6及びR7は、互いに独立に、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基であり、基M8は、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上のモノスルホケトン(F)を追加的に含む、付記1から5のいずれか一項に記載の組成物。
(付記7)
一般式(VII)
(SO3M9)R8CH-CO-CHR9(SO3M10) (VII)
(式中、基R8及びR9は、互いに独立に、6〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基であり、基M9及びM10は、互いに独立に、H、Li、Na、K、Ca/2、Mg/2、アンモニウム及びアルカノールアミンを含む群から選択される)
の1種以上のジスルホケトン(G)を追加的に含む、付記1から6のいずれか一項に記載の組成物。
(付記8)
化粧品のための並びにまた洗剤及び洗浄剤のための、付記1から7のいずれか一項に記載の組成物の使用。
(付記9)
毛髪用シャンプー、シャワー用ジェル、せっけん、合成洗剤、ウォッシングペースト、ウォッシングローション、スクラブ製剤、フォームバス、オイルバス、シャワーバス、シェービングフォーム、シェービングローション、シェービングクリーム及びデンタルケア製品の形態の化粧品のための、付記1から7のいずれか一項に記載の組成物の使用。
(付記10)
硬質表面を清浄化するための低いpHを有する製品、例えば、浴槽及びトイレ洗浄剤などのための、並びにまた、衛生設備において使用するための洗浄及び/又はフレグランスゲルのための、付記1から7のいずれか一項に記載の組成物の使用。