(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[FRP前駆体]
FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)は、ファイバー等の弾性率の高い材料を骨材とし、その骨材を、プラスチックのような母材(マトリックス)の中に入れて強度を向上させた複合材料である。FRPは、住宅機器、船舶、車両及び航空機等の構造材、並びに電子機器等の幅広い分野で使用可能である。電子機器に利用されるFRPとしては、プリント配線板用のプリプレグを含有する積層板等が挙げられる。ここで、プリント配線板用のFRP前駆体としては、プリプレグが挙げられる。
【0011】
本発明のFRP前駆体は、その両面において表面うねりが12μm以下である。該表面うねりは、ISO 4287(1997年)に従ってうねり曲線から得ることができる。ISO 4287(1997年)の代わりに、JIS B 0601(2001年)を利用してもよい。うねり曲線については、JIS B 0601(2001年)の3.1.7を参照できる。本発明における表面うねりは、表面粗さ測定器の「サーフテストSV−3200」(株式会社ミツトヨ製)を用いて測定した表面うねり(うねりパラメータとも称する。)である。また、特に断りが無くとも、表面うねりは、FRP前駆体の「両面」の表面うねりであり、たとえば、片面の表面うねりが12μm以下であっても、他方の面の表面うねりが12μmを超えているFRP前駆体は、本発明には含まれない。
本発明のFRP前駆体の表面うねりは、好ましくは10μm以下、より好ましくは9μm以下である。下限値に特に制限はないが、2μmであってもよく、4μmであってもよく、5μmであってもよく、6μmであってもよい。
表面うねりが12μm以下のFRP前駆体であることにより、たとえ後述する金属張積層板の金属箔の厚みが40μm以下であったとしても、金属張積層板の金属箔における光点の発生を抑制することができる。また、金属箔表面に押し傷が発生したり、金属箔が破れたりするおそれが小さい。
さらに、金属張積層板の金属箔の厚みが40μm以下というように薄い場合には、表面うねりが上記範囲でないと、金属箔がたわみ、テント性が低下することが分かった。これは、金属箔が十分に厚いと機械的強度が高いために生じない現象である。表面うねりを12μm以下にすることによって、金属箔との接点同士の距離が短くなり、金属箔のテント性を高め、その結果、金属箔の表面うねりが減少して光点の数が減少したのではないかと推察する。ここで、金属箔のテント性とは、金属箔が幾つかの支点で支えられているときに、金属箔の平らな状態を保持する性質のことであり、金属箔のテント性が高いということは、金属箔がたわまずに平らな状態を保持する性質が高いことを意味する。
さらに、本発明のFRP前駆体であれば、後述する積層板の製造時の加熱加圧工程を2段階に分ける必要性が無く、積層条件が工業的に有利となる。
【0012】
当該現象について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1の(a)は、本発明の金属張積層板の製造方法における、積層直前の状態を示す模式図である。
図1の(a)では、FRP前駆体(プリプレグ)の表面うねりが12μm以下になるように処理されたものを用いており、本発明に相当する。一方、
図2の(c)は、従来の金属張積層板の製造方法における、積層直前の状態を示す模式図である。
図2の(c)では、FRP前駆体(プリプレグ)は、従来法に従って作成されたものをそのまま用いているため、FRP前駆体(プリプレグ)の表面には若干の凹凸があり、比較用の模式図である。なお、いずれにおいても、金属箔は厚み12μmの薄いものを使用している。
これらを加熱加圧することによって金属張積層板を製造した結果が、それぞれ、
図1の(b)、
図2の(d)である。
図1の(b)では、金属箔の表面うねりが小さく、光点も発生していない。一方、
図2の(d)では、金属箔がFRP前駆体(プリプレグ)の凹凸へ追従した結果、光点が発生し易いと考えられる。
【0013】
[FRP前駆体の製造方法]
本発明のFRP前駆体(以下、FRP前駆体は、「プリプレグ」と読み替えることができる。)は、(1)FRP前駆体の両面の表面うねりを12μm以下に低減する工程[以下、工程(1)と称する。]を有するFRP前駆体の製造方法によって製造することができる。
工程(1)で使用する、表面うねりが12μm以下に低減される前のFRP前駆体は、従来の方法に従って製造できる。例えば、プリプレグであれば、後述する通常のプリプレグの製造方法に従って製造したものであれば、表面うねりが12μmを超えたものに相当する。
【0014】
次に、表面うねりを12μm以下に低減する方法としては、特に制限されるものではなく、当業者が考え得る方法を全て採用可能であるが、例えば、(i)FRP前駆体を上下から挟み、真空ラミネータ等によって加熱加圧する方法、(ii)FRP前駆体の両面に熱硬化性樹脂フィルムをラミネートする方法等が挙げられる。
方法(i)では、FRP前駆体を離型フィルムに挟み、その後、これを加熱加圧することによって、FRP前駆体の表面うねりを12μm以下に低減する。離型フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレン、ポリビニルフルオレート、ポリイミド等の有機フィルム;銅、アルミニウム、及びこれら金属の合金のフィルムか、これら有機フィルム又は金属フィルムの表面に離型剤で離型処理を行ったフィルムなどが挙げられる。
【0015】
前記方法(i)において、加熱加圧条件は特に制限されるものではなく、当業者が通常採用する範囲内で設定すればよい。具体的には、加熱温度としては、好ましくは80〜180℃、より好ましくは100〜150℃である。また、離型フィルムに挟まれたFRP前駆体を加圧する際の負荷圧力としては、好ましくは0.1〜5MPa、より好ましくは0.1〜2MPaである。加熱する時間としては、加圧前に好ましくは5〜60秒、より好ましくは5〜40秒であり、前記FRP前駆体を加圧しながら好ましくは10〜60秒、より好ましくは15〜45秒である。
なお、方法(i)は真空下に実施することが好ましい。真空度は、好ましくは−80kPa(G)以下、より好ましくは−90kPa(G)以下である。
【0016】
前記方法(ii)において、熱硬化性樹脂フィルムとしては、特に制限されるものではないが、後述する熱硬化性樹脂組成物を用いて形成したフィルムを使用できる。より具体的には、後述する熱硬化性樹脂組成物を乾燥させ、有機溶剤を除去すると共に、熱硬化性樹脂組成物を半硬化させることによって形成したフィルムを使用できる。
熱硬化性樹脂フィルムの厚み(熱硬化性樹脂部位の厚み)は、好ましくは3〜50μm、より好ましくは3〜30μm、さらに好ましくは3〜15μm、特に好ましくは3〜10μmである。
【0017】
前記方法(i)及び(ii)以外にも、熱硬化性樹脂組成物を離型フィルムに塗布し、不要な有機溶剤を除去してから熱硬化させてフィルム化し、ガラスクロスに加熱ラミネートしてFRP前駆体の作成と表面うねりの低減を同時に行う方法等も採用することができる。
【0018】
以下、FRP前駆体の1つであるプリプレグについて、具体的に説明する。
[プリプレグ]
プリプレグは、補強基材と熱硬化性樹脂組成物とを含有してなるものである。プリプレグの補強基材としては、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。補強基材の材質としては、紙、コットンリンターのような天然繊維;ガラス繊維及びアスベスト等の無機物繊維;アラミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、テトラフルオロエチレン及びアクリル等の有機繊維;これらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、難燃性の観点から、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維基材としては、Eガラス、Cガラス、Dガラス、Sガラス等を用いた織布又は短繊維を有機バインダーで接着したガラス織布;ガラス繊維とセルロース繊維とを混沙したものなどが挙げられる。より好ましくは、Eガラスを使用したガラス織布である。
これらの補強基材は、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット又はサーフェシングマット等の形状を有する。なお、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、1種を単独で使用してもよいし、必要に応じて、2種以上の材質及び形状を組み合わせることもできる。
プリプレグは、例えば、熱硬化性樹脂組成物を補強基材に含浸又は塗工し、有機溶剤の除去及び熱硬化等により半硬化(Bステージ化)させて製造することができる。半硬化(Bステージ化)させる際の加熱温度は、有機溶剤の除去も同時に行うため、有機溶剤の除去効率が良好である有機溶剤の沸点以上の温度、つまり、好ましくは80〜200℃、より好ましくは140〜180℃である。なお、本発明においては、半硬化(Bステージ化)させて得られたプリプレグは、未硬化のプリプレグと捉え、Cステージ化されたプリプレグを硬化後のプリプレグと捉える。
【0019】
〔熱硬化性樹脂組成物〕
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含有する。該熱硬化性樹脂の他に、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材、有機充填材、カップリング剤、レベリング剤、酸化防止剤、難燃剤、難燃助剤、揺変性付与剤、増粘剤、チキソ性付与剤、可撓性材料、界面活性剤、光重合開始材等が挙げられ、これらから選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。
以下、熱硬化性樹脂組成物が含有する各成分について順に説明する。
【0020】
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。また、特にこれらに制限されず、公知の熱硬化性樹脂を使用できる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。これらの中でも、成形性及び電気絶縁性の観点から、エポキシ樹脂が好ましい。
【0021】
エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールT型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニル型エポキシ樹脂、テトラフェニル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレンジオールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、エチレン性不飽和基を骨格に有するエポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、絶縁信頼性及び耐熱性の観点から、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂の市販品としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂である「EPICLON(登録商標)N−660」(DIC株式会社製)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、「EPICLON(登録商標)840S」(DIC株式会社製)、「jER828EL」、「YL980」(以上、三菱化学株式会社製)等が挙げられる。
【0022】
ここで、エポキシ樹脂としては、特に制限されるわけではないが、柔軟性を付与する観点から、1分子中に2個以上のエポキシ基を有すると共に、アルキレン基の炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位を主鎖に有するエポキシ樹脂であってもよい。また、柔軟性をより向上させる観点からは、アルキレン基の炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位は、2個以上連続して繰り返していてもよい。
アルキレン基の炭素数3以上のアルキレングリコールとしては、アルキレン基の炭素数4以上のアルキレングリコールが好ましい。アルキレン基の炭素数の上限は、特に限定されないが、15以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がさらに好ましい。
また、エポキシ樹脂として、難燃性の観点から、ハロゲン化エポキシ樹脂を用いてもよい。
【0023】
(硬化剤)
硬化剤としては、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合は、フェノール系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、活性エステル基含有化合物等のエポキシ樹脂用硬化剤などが挙げられる。なお、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂以外の樹脂である場合、その熱硬化性樹脂用の硬化剤として公知のものを用いることができる。硬化剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
前記フェノール系硬化剤としては、特に制限されないが、クレゾールノボラック型硬化剤、ビフェニル型硬化剤、フェノールノボラック型硬化剤、ナフチレンエーテル型硬化剤、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤等が好ましく挙げられる。
フェノール系硬化剤の市販品としては、KA−1160、KA−1163、KA−1165(いずれもDIC株式会社製)等のクレゾールノボラック型硬化剤;MEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(いずれも明和化成株式会社製)等のビフェニル型硬化剤;フェノライト(登録商標)TD2090(DIC株式会社製)等のフェノールノボラック型硬化剤;EXB−6000(DIC株式会社製)等のナフチレンエーテル型硬化剤;LA3018、LA7052、LA7054、LA1356(いずれもDIC株式会社製)等のトリアジン骨格含有フェノール系硬化剤などが挙げられる。
【0025】
前記シアネートエステル系硬化剤としては、特に制限はないが、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等が挙げられる。
前記酸無水物系硬化剤としては、特に制限はないが、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
前記アミン系硬化剤としては、特に制限はないが、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族アミン;メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族アミンなどが挙げられる。
また、硬化剤としては、ユリア樹脂等も用いることができる。
【0026】
熱硬化性樹脂組成物が硬化剤を含有する場合、その含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは20〜150質量部、より好ましくは20〜100質量部、さらに好ましくは40〜100質量部である。
なお、熱硬化性樹脂組成物が硬化剤を含有する場合、その含有量は、官能基当量を用いて表してもよく、また、そうすることが好ましい。具体的には、(熱硬化性樹脂の質量/官能基当量)≒(硬化剤の質量/熱硬化性樹脂と反応し得る官能基当量)×定数Cとなるように硬化剤を含有させることが好ましい。定数Cは、硬化剤の官能基の種類によって変化し、該官能基がフェノール性水酸基の場合には0.8〜1.2が好ましく、アミノ基の場合には0.2〜0.4が好ましく、活性エステル基の場合には0.3〜0.6が好ましい。
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合には、前記式は、(エポキシ樹脂の質量/エポキシ基当量)≒(硬化剤の質量/エポキシ基と反応し得る官能基当量)×定数Cとなる。
【0027】
(硬化促進剤)
硬化促進剤としては、前記熱硬化性樹脂の硬化に用いられる一般的な硬化促進剤を使用することができる。例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化促進剤としては、イミダゾール化合物及びその誘導体;リン系化合物;第3級アミン化合物;第4級アンモニウム化合物等が挙げられる。硬化反応の促進の観点から、イミダゾール化合物及びその誘導体が好ましい。
イミダゾール化合物及びその誘導体の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−1−メチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−エチル−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4'−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン等のイミダゾール化合物;1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等の、前記イミダゾール化合物とトリメリト酸との塩;前記イミダゾール化合物とイソシアヌル酸との塩;前記イミダゾール化合物と臭化水素酸との塩などが挙げられる。イミダゾール化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】
熱硬化性樹脂組成物が硬化促進剤を含有する場合、その含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.5〜6質量部である。
【0029】
(無機充填材)
無機充填材により、熱膨張率の低減及び塗膜強度を向上させることができる。
無機充填材としては、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、マイカ、カオリン、ベーマイト、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化アルミニウム、ジルコニア、ムライト、マグネシア、酸化亜鉛、酸化チタン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、焼成クレー等のクレー、ガラス短繊維、ガラス粉及び中空ガラスビーズ等が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく使用される。ガラスとしては、Eガラス、Tガラス、Dガラス等が好ましく挙げられる。これらの中でも、熱膨張率の低減、比誘電率及び誘電正接の低減の観点から、シリカ、アルミナが好ましく、シリカがより好ましい。
前記シリカとしては、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられる。乾式法シリカとしては、さらに、製造法の違いにより、破砕シリカ、フュームドシリカ、溶融シリカ(溶融球状シリカ)が挙げられる。
無機充填材は、耐湿性を向上させるためにシランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理されていてもよく、分散性を向上させるために疎水性化処理されていてもよい。
【0030】
無機充填材は、目的に応じて適宜選択できる。微細配線を形成し易くする観点から、無機充填材の比表面積は、好ましくは20m
2/g以上、より好ましくは30〜250m
2/g、さらに好ましくは100〜250m
2/gである。無機充填材の比表面積は、当業者が通常行う測定方法で求めることができ、例えば、BET法により測定することができる。BET法は、粉体粒子表面に、吸着占有面積の分かった分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法である。比表面積分析で、最もよく利用されているのが、窒素等の不活性気体によるBET法である。
【0031】
無機充填材としては、平均一次粒子径が100nm以下の無機充填材を含有することが好ましく、平均一次粒子径がより好ましくは1〜80nm、さらに好ましくは1〜50nm、さらに好ましくは5〜30nmの無機充填材、特に好ましくは10〜30nmの無機充填材を含有することが好ましい。ここで、「平均一次粒子径」とは、凝集した粒子の平均径、つまり二次粒子径ではなく、凝集していない単体での平均粒子径を指す。当該一次平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計で測定して求めることができる。また、該平均一次粒子径は、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めた時、ちょうど体積50%に相当する点の粒子径である。
平均一次粒子径が100nm以下の無機充填材の市販品としては、AEROSIL 200(比表面積=200±25m
2/g、平均一次粒子径≒15〜16nm、カタログ値)、AEROSIL R972(比表面積=110±20m
2/g、平均一次粒子径≒16nm、カタログ値)、AEROSIL R202(比表面積=100±20m
2/g、平均一次粒子径≒14nm、カタログ値)[以上、日本アエロジル株式会社製、商品名];PL−1(比表面積=181m
2/g、平均一次粒子径=15nm、カタログ値)及びPL−7(比表面積=36m
2/g、平均一次粒子径=75nm、カタログ値)[以上、扶桑化学工業株式会社製、商品名];AL−A06(比表面積=55m
2/g、カタログ値)[CIKナノテック株式会社製、商品名];「SO−C1」(球状シリカ、比表面積=17m
2/g、カタログ値)[株式会社アドマテックス製、商品名]等がある。
【0032】
無機充填材としては、前記の平均一次粒子径が100nm以下の無機充填材と共に、さらに、平均一次粒子径が0.1〜50μmの無機充填材を含有していてもよい。該無機充填材の平均一次粒子径は、より好ましくは0.1〜30μm、さらに好ましくは0.5〜15μm、特に好ましくは0.5〜7μmである。
【0033】
熱硬化性樹脂組成物が無機充填材を含有する場合、その含有量は、添加目的によっても異なるが、0.1〜65体積%が好ましい。着色及び不透過目的では0.1体積%以上であれば十分効果を発揮できる傾向にある。一方、増量目的で添加するときは、65体積%以下に抑えることによって、接着力が低下するのを抑制できる傾向にあり、且つ、樹脂成分配合時の粘度が高くなり過ぎず、作業性が低下するのを抑制し易い傾向にある。同様の観点から、無機充填材の含有量は、より好ましくは5〜50体積%、さらに好ましくは10〜40体積%である。
【0034】
(カップリング剤)
カップリング剤を含有させることにより、無機充填材及び有機充填材の分散性の向上、及び補強基材及び金属箔への密着性の向上効果がある。カップリング剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カップリング剤としては、シラン系カップリング剤が好ましい。シラン系カップリング剤としては、アミノシラン系カップリング剤[例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等]、エポキシシラン系カップリング剤[例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等]、フェニルシラン系カップリング剤、アルキルシラン系カップリング剤、アルケニルシラン系カップリング剤[例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン系カップリング剤など]、アルキニルシラン系カップリング剤、ハロアルキルシラン系カップリング剤、シロキサン系カップリング剤、ヒドロシラン系カップリング剤、シラザン系カップリング剤、アルコキシシラン系カップリング剤、クロロシラン系カップリング剤、(メタ)アクリルシラン系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、イソシアヌレートシラン系カップリング剤、ウレイドシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、スルフィドシラン系カップリング剤及びイソシアネートシラン系カップリング剤等が挙げられる。これらの中でも、エポキシシラン系カップリング剤が好ましい。
また、シラン部位がチタネートに置き換わった、いわゆるチタネート系カップリング剤を用いることもできる。
【0035】
熱硬化性樹脂組成物がカップリング剤を含有する場合、その含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.5〜6質量部である。
【0036】
(有機溶剤)
取り扱いを容易にする観点から、樹脂組成物へさらに有機溶剤を含有させてもよい。本明細書では、有機溶剤を含有する樹脂組成物を、樹脂ワニスと称することがある。
該有機溶剤としては、特に制限されないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブタノン、シクロヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶剤;ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤などが挙げられる。これらの中でも、溶解性及び塗布後の外観の観点から、ケトン系溶剤が好ましく、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンがより好ましく、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンがさらに好ましい。
有機溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
有機溶剤の含有量は、塗布容易性の観点から、例えば、樹脂組成物の不揮発分が好ましくは20〜85質量%、より好ましくは40〜80質量%となるように有機溶剤の使用量を調節する。
【0038】
一方、特性上問題がなければ、有機溶剤を用いずに、前記成分を粉末状にして混合する粉体混合を採用してもよいし、鹸濁化等の水溶液化を利用してもよい。また、熱硬化性樹脂組成物の硬化が著しく進行しない温度で、且つ熱硬化性樹脂組成物が液状化する温度にて直接攪拌混合してもよい。
【0039】
(熱硬化性樹脂組成物の調製方法)
前記熱硬化性樹脂組成物の調製方法に特に制限はなく、従来公知の調製方法を採用できる。
例えば、前記溶媒中に、熱硬化性樹脂及び必要に応じてその他の成分を加えた後、各種混合機を用いて混合・攪拌することにより、樹脂ワニスとして調製することができる。混合機としては、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式及び自転公転式分散方式等の混合機が挙げられる。
【0040】
[積層板及び金属張積層板] 本発明は、前記FRP前駆体(プリプレグ)を含有する積層板と共に、該積層板上に金属箔を有する金属張積層板も提供する。
本発明の積層板は、
(1)FRP前駆体の両面の表面うねりを12μm以下に低減する工程、及び
(2)前記工程(1)で得たFRP前駆体を2枚以上積層させる工程、
とを有する積層板の製造方法によって製造できる。
また、本発明の金属張積層板は、
(1)FRP前駆体の両面の表面うねりを12μm以下に低減する工程、
(2)前記工程(1)で得たFRP前駆体を2枚以上積層させる工程、及び
(3)前記工程(2)で得た積層板に金属箔を設ける工程、
とを有する金属張積層板の製造方法によって製造できる。
【0041】
より具体的には、前記FRP前駆体(プリプレグ)を2枚以上、好ましくは2〜20枚重ねた状態で積層成形することにより、積層板を製造することができる。FRP前駆体(プリプレグ)の間に内層回路加工を行ってある基板を挟んでもよい。
また、前記FRP前駆体(プリプレグ)を2枚以上、好ましくは2〜20枚重ね、その片面又は両面、好ましくは両面に、金属箔を配置した構成で積層成形することにより、金属張積層板を製造することができる。
前記工程(2)における積層条件としては、積層板の製造に利用される公知の条件を採用することができる。例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力0.2〜10MPa、加熱時間0.1〜5時間で積層する条件を採用できる。
金属箔の厚みとしては、本発明の効果を顕著に発現する観点から、好ましくは40μm以下、より好ましくは1〜40μm、さらに好ましくは5〜40μm、特に好ましくは5〜35μm、最も好ましくは5〜25μm、特に好ましくは5〜17μmである。
金属箔の金属としては、導電性の観点から、銅、金、銀、ニッケル、白金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、タングステン、鉄、チタン、クロム、又はこれらの金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金であることが好ましい。合金としては、銅系合金、アルミニウム系合金、鉄系合金が好ましい。銅系合金としては、銅−ニッケル合金等が挙げられる。鉄系合金としては、鉄−ニッケル合金(42アロイ)等が挙げられる。これらの中でも、金属としては、銅、ニッケル、42アロイがより好ましく、入手容易性及びコストの観点からは、銅がさらに好ましい。
【0042】
[プリント配線板]
また、前記積層板に配線パターンを形成することによって、プリント配線板を製造することができる。配線パターンの形成方法としては特に限定されるものではないが、サブトラクティブ法、フルアディティブ法、セミアディティブ法(SAP:Semi Additive Process)又はモディファイドセミアディティブ法(m−SAP:modified Semi Additive Process)等の公知の方法が挙げられる。
【0043】
[半導体パッケージ]
本発明の半導体パッケージは、本発明のプリント配線板を含有するものであり、より詳細には、本発明のプリント配線板に半導体を搭載してなるものである。本発明の半導体パッケージは、本発明のプリント配線板の所定の位置に、半導体チップ、メモリ等を搭載して製造することができる。
【実施例】
【0044】
次に、下記の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は本発明をいかなる意味においても制限するものではない。なお、各例で製造したプリプレグ又は銅張積層板を用い、下記方法に従って、表面うねり及び光点の数を測定した。
【0045】
(1.表面うねり)
各例で作製した積層前のプリプレグ、又は銅張積層板を用い、ISO 4287(1997年)に従って、うねり曲線から得られる表面うねりを測定した。より具体的には、測定装置として表面粗さ測定器「サーフテストSV−3200」(株式会社ミツトヨ製)を使用して表面うねり(うねりパラメータ)を測定した。
なお、表面うねりは、両面について測定し、値の大きい方を採用した。
【0046】
(2.光点の数)
各例で得た銅張積層板を用いて、500mm×500mmの範囲内の光点の数を測定した。測定は、「IPC−TM−650 No.2.1.8(仕上がり性)」に準じた条件で行った。
光点が少ないほど外観が良好である。また、光点は、銅箔に無理な力がかかって発生しているため、光点が少ないほど、その部分の銅箔が割れている可能性が少なく好ましいと言える。
【0047】
[調製例1]熱硬化性樹脂組成物(熱硬化性樹脂ワニス1)の調製
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EPICLON(登録商標)N−660」(DIC株式会社製)100質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂「EPICLON 840S」(DIC株式会社製)10質量部、及びフェノールノボラック樹脂「フェノライト(登録商標)TD2090」(DIC株式会社製)60質量部へ、シクロヘキサノン30質量部及びメチルエチルケトン120質量部を加え、良く撹拌して溶解した。そこへ、水酸化アルミニウム「CL−303」(住友化学株式会社製)120質量部、シリカ「FB−3SDC」(電気化学工業株式会社製)35質量部、ナノシリカ「AEROSIL200」(日本エアロジル株式会社製)3質量部、カップリング剤「A−187」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)2質量部、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール「IBMI−12」(硬化促進剤、三菱化学株式会社製)2質量部を加え、撹拌して溶解及び分散させ、不揮発分70質量%の熱硬化性樹脂ワニス1(シリカ及びナノシリカの含有量:9体積%、水酸化アルミニウムの含有量:25体積%)とした。
【0048】
[実施例1]プリプレグ及び銅張積層板の製造(プリプレグの製造)
調製例1で得た熱硬化性樹脂ワニス1を、ガラスクロス(坪量48g/m
2、IPC#1080、基材幅530mm、日東紡績株式会社製)に乾燥後の樹脂分が62質量%になるように塗布した。次いで、有機溶剤の除去と共に熱硬化性樹脂ワニス1を半硬化させるため、160℃の熱風式乾燥機にて加熱し、プリプレグaを得た。
このプリプレグaを、離型アルミニウム箔「セパニウム202BC」(東洋アルミ千葉株式会社製)で上下を挟み、これを、真空ラミネータ「MVLP500」(株式会社名機製作所製)によって、120℃にて真空下で20秒放置した後、同温度のまま一方から加圧(負荷圧力:0.5MPa)して30秒保持することによって表面うねりの低減を行い、プリプレグAを作製した。前記方法に従って、該プリプレグAの表面うねりを求めた。結果を表1に示す。
(銅張積層板の製造)
次いで、得られたプリプレグAを4枚重ね、これを、厚み12μmの銅箔「GTS−12」(古河電気工業株式会社製)2枚を用いて挟み込み、下記積層条件1又は2にて銅張積層板を作製した。前記方法に従って、得られた銅張積層板の表面うねりと光点の数を測定した。結果を表1に示す。(積層条件1)
昇温速度3℃/分で25℃から185℃へ昇温し、185℃で90分保持後、30分冷却(計173分)
製品圧力(銅箔で挟まれた4枚のプリプレグAにかかる圧力):4MPa(昇温開始から冷却終了まで)
(積層条件2) 昇温速度3℃/分で25℃から130℃へ昇温し、130℃で15分保持後、昇温速度3℃/分で185℃へ昇温し、185℃で90分保持後、30分冷却(計188分)
製品圧力(銅箔で挟まれた4枚のプリプレグAにかかる圧力):0.5MPa(昇温開始から130℃保持終了まで)→4MPa(冷却終了まで)
【0049】
[実施例2]
実施例1において、厚み12μmの銅箔「GTS−12」(古河電気工業株式会社製)の代わりに、厚み35μmの銅箔「GTS−35MP」(古河電気工業株式会社製)を用いたこと以外は同様に操作を行い、銅張積層板を作製した。前記方法に従って、得られた銅張積層板の表面うねりと光点の数を測定した。結果を表1に示す。
【0050】
[比較例1]
実施例1において、銅張積層板を製造する際にプリプレグAの代わりにプリプレグaを用いたこと以外は同様にして操作を行なうことによって銅張積層板を作製し、得られた銅張積層板の表面うねりと光点の数を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
[比較例2]
比較例1において、厚み12μmの銅箔「GTS−12」(古河電気工業株式会社製)の代わりに、厚み35μmの銅箔「GTS−35MP」(古河電気工業株式会社製)を用いたこと以外は同様に操作を行い、銅張積層板を作製した。前記方法に従って、得られた銅張積層板の表面うねりと光点の数を測定した。結果を表1に示す。
【0052】
[実施例3]
調製例1で得た熱硬化性樹脂ワニス1を、580mm幅のPETフィルム「G−2」(帝人デュポンフィルム株式会社製)に塗布した。この際、塗布幅は525mmで、厚みは乾燥後5μmになるように塗布量を調整した。塗布後、乾燥させて、有機溶剤を除去すると共に、熱硬化性樹脂ワニス1を半硬化させることにより、熱硬化性樹脂フィルムA’を作成した。
該熱硬化性樹脂フィルムA’を実施例1で得たプリプレグaの両面にラミネートした。ラミネートの加圧ロール条件は、常圧下、ロール温度110℃、線圧0.25MPa、速度2.0m/分とした。
その後、冷却ロールで冷却して巻取り、プリプレグBを作成した。前記方法に従って、該プリプレグBの表面うねりを求めた。結果を表1に示す。
次いで、実施例1においてプリプレグAの代わりにプリプレグBを用いたこと以外は同様にして操作を行い、銅張積層板を作製した。前記方法に従って、得られた銅張積層板の表面うねりと光点の数を測定した。結果を表1に示す。
【0053】
[実施例4]
実施例3において、厚み12μmの銅箔「GTS−12」(古河電気工業株式会社製)の代わりに、厚み35μmの銅箔「GTS−35MP」(古河電気工業株式会社製)を用いたこと以外は同様に操作を行い、銅張積層板を作製した。前記方法に従って、得られた銅張積層板の表面うねりと光点の数を測定した。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
表1より、実施例1〜4では、プリプレグの表面うねりを12μm以下とすることで、銅張積層板の表面うねりが小さく、銅張積層板の光点が少なくなった。そのため、銅箔表面に押し傷が発生するおそれ、及び銅箔が突き破られるおそれも少なく、銅箔のテント性も高いと言える。このように、本発明によれば、非特許文献1のように積層板の製造時の加熱加圧工程を2段階に分けずとも、表面うねりを小さくし、且つ光点を低減できるため、工業的に非常に有利である。
一方、比較例1〜2では、銅張積層板の光点が多く、銅張積層板の表面うねりが大きくなった。