(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザから印刷ジョブの蓄積指示を受け付ける利用者端末、前記蓄積指示に応じて印刷ジョブを蓄積する複数のプリントサーバ装置、前記複数のプリントサーバ装置を管理する管理サーバ装置及び前記ユーザからの印刷指示により前記プリントサーバ装置から前記印刷ジョブを取得して印刷を行う印刷装置、がネットワークを介して接続されたプリントシステムであって、
前記プリントサーバ装置の識別情報と、該プリントサーバ装置が所属するグループのグループ識別情報とを対応付けて記憶するプリントサーバ情報記憶手段と、
同一の前記グループに所属する前記プリントサーバ装置が前記印刷ジョブの情報の共有に利用する共有情報記憶手段と、
同一の前記グループに所属する前記プリントサーバ装置が前記印刷ジョブのデータの共有に利用する共有データ記憶手段と、
前記印刷ジョブのリストの取得要求を前記印刷装置から受け付けた前記プリントサーバ装置が、所属する前記グループの前記印刷ジョブの情報を前記共有情報記憶手段から取得して前記印刷装置に前記ユーザの印刷ジョブのリストを提供する印刷ジョブリスト処理手段と、
を有するプリントシステム。
前記プリントサーバ装置は起動時、前記共有情報記憶手段から所属する前記グループのグループ識別情報を取得し、取得した前記グループ識別情報と前記プリントサーバ装置の識別情報とを対応付けて、前記プリントサーバ情報記憶手段に記憶させる手段、
を更に有することを特徴とする請求項1記載のプリントシステム。
前記印刷装置は、接続する前記プリントサーバ装置が複数設定されており、設定されている前記プリントサーバ装置との接続に失敗した場合に、自動的に、次に設定されている前記プリントサーバ装置との接続を試みること
を特徴とする請求項1乃至4何れか一項記載のプリントシステム。
ユーザから印刷ジョブの蓄積指示を受け付ける利用者端末、前記蓄積指示に応じて印刷ジョブを蓄積する複数のプリントサーバ装置、前記複数のプリントサーバ装置を管理する管理サーバ装置及び前記ユーザからの印刷指示により前記プリントサーバ装置から前記印刷ジョブを取得して印刷を行う印刷装置、がネットワークを介して接続されたプリントシステムにおいて実行されるジョブリスト提供方法であって、
前記プリントサーバ装置の識別情報と、該プリントサーバ装置が所属するグループのグループ識別情報とを対応付けて記憶するステップと、
同一の前記グループに所属する前記プリントサーバ装置が前記印刷ジョブの情報の共有に利用する共有情報記憶手段に前記印刷ジョブの情報を記憶するステップと、
前記印刷ジョブのリストの取得要求を前記印刷装置から受け付けた前記プリントサーバ装置が、所属する前記グループの前記印刷ジョブの情報を、前記共有情報記憶手段から取得して前記印刷装置に前記ユーザの印刷ジョブのリストを提供するステップと、
を有するジョブリスト提供方法。
ユーザから印刷ジョブの蓄積指示を受け付ける利用者端末、前記蓄積指示に応じて印刷ジョブを蓄積する複数のプリントサーバ装置、前記複数のプリントサーバ装置を管理する管理サーバ装置及び前記ユーザからの印刷指示により前記プリントサーバ装置から前記印刷ジョブを取得して印刷を行う印刷装置、がネットワークを介して接続されたプリントシステムに含まれるプリントサーバ装置であって、
前記プリントサーバ装置の識別情報と、該プリントサーバ装置が所属するグループのグループ識別情報とを対応付けたプリントサーバ情報を記憶するプリントサーバ情報記憶手段から、前記プリントサーバ情報を取得する取得手段と、
前記印刷ジョブのリストの取得要求を前記印刷装置から受け付け、自機が所属する前記グループの前記印刷ジョブの情報を、同一の前記グループに所属する前記プリントサーバ装置が前記印刷ジョブの情報の共有に利用する共有情報記憶手段から取得して前記印刷装置に前記ユーザの印刷ジョブのリストを提供する印刷ジョブリスト処理手段と、
を有するプリントサーバ装置。
ユーザから印刷ジョブの蓄積指示を受け付ける利用者端末、前記蓄積指示に応じて印刷ジョブを蓄積する複数のプリントサーバ装置、前記複数のプリントサーバ装置を管理する管理サーバ装置及び前記ユーザからの印刷指示により前記プリントサーバ装置から前記印刷ジョブを取得して印刷を行う印刷装置、がネットワークを介して接続されたプリントシステムに含まれるプリントサーバ装置を、
前記プリントサーバ装置の識別情報と、該プリントサーバ装置が所属するグループのグループ識別情報とを対応付けたプリントサーバ情報を記憶するプリントサーバ情報記憶手段から、前記プリントサーバ情報を取得する取得手段、
前記印刷ジョブのリストの取得要求を前記印刷装置から受け付け、自機が所属する前記グループの前記印刷ジョブの情報を、同一の前記グループに所属する前記プリントサーバ装置が前記印刷ジョブの情報の共有に利用する共有情報記憶手段から取得して前記印刷装置に前記ユーザの印刷ジョブのリストを提供する印刷ジョブリスト処理手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係るプリントシステムの一例の構成図である。
図1のプリントシステム1は、インターネット等のネットワーク22を介して管理サーバ装置10、プリントサーバ装置12、共有DB装置14、共有フォルダ装置16、利用者端末18及び複合機20が接続されている。
【0010】
プリントサーバ装置12はプルプリントのジョブを蓄積し、複合機20からの要求に応じてジョブリストやジョブデータを送信する。管理サーバ装置10はプリントシステム1のシステム管理を行う。管理サーバ装置10はプリントサーバ情報、ロケーション情報等を管理する。プリントサーバ情報は、プリントサーバ装置12が、どのグループに所属しているかを示す。例えば
図1はプリントサーバ名「DS#1」のプリントサーバ装置12とプリントサーバ名「DS#2」のプリントサーバ装置12とがグループ「A」に所属している例である。また、
図1はプリントサーバ名「DS#3」のプリントサーバ装置12がグループ「B」に所属している例である。ロケーション情報は、どのプリントサーバ装置12が、どのユーザのジョブを蓄積しているかを示す。
【0011】
さらに、管理サーバ装置10は共有DB情報、共有フォルダ情報等を管理する。共有DB情報はプリントサーバ装置12が参照すべき共有DB装置14を示す。共有フォルダ情報はプリントサーバ装置12が参照すべき共有フォルダ装置16を示す。管理サーバ装置10は認証サーバとしての役割も果たし、ユーザ認証を行う。管理サーバ装置10は上記の機能を複数のサーバ装置に分離して実現してもよい。
【0012】
共有DB装置14は一台以上のプリントサーバ装置12が所属するグループ毎に設けられている。共有DB装置14は同一のグループに所属するプリントサーバ装置12に蓄積されるジョブのジョブ情報と、グループのグループ識別情報の一例であるグループIDとを記憶する。なお、プリントサーバ装置12に蓄積されるジョブのジョブ情報には、実際に印刷されるジョブデータ以外のメタ情報であるジョブ所有者、ジョブ名、登録日時、印刷パラメータ(カラー、両面、ページ数、部数など)が保存される。
【0013】
共有フォルダ装置16は同一のグループに所属するプリントサーバ装置12に蓄積されるジョブのジョブデータを記憶する。例えば共有フォルダ装置16はファイルサーバ等により実現され、同一のグループに所属するプリントサーバ装置12からアクセスできる状態にある。
【0014】
利用者端末18はユーザが操作するPC等である。利用者端末18はアプリケーションの一例である文書作成アプリが搭載されており、その文書作成アプリにより印刷するための文書の作成や印刷指示をユーザから受け付ける。複合機20はプリントサーバ装置12に蓄積されたジョブを取得して印刷する印刷装置の一例である。複合機20にはプリントサーバ装置12からジョブリストを取得して表示する処理や、ジョブリストからユーザが選択したジョブのジョブデータを取得して印刷を実行する処理を行うアプリケーションの一例であるプリンタアプリが搭載されている。
【0015】
例えば
図1のプリントシステム1ではグループ「A」に所属するプリントサーバ名「DS#1」及び「DS#2」のプリントサーバ装置12に蓄積されたジョブのジョブ情報がグループ「A」に所属する共有DB装置14に記憶される。また、
図1のプリントシステム1ではプリントサーバ名「DS#1」及び「DS#2」のプリントサーバ装置12に蓄積されたジョブのジョブデータがグループ「A」に所属する共有フォルダ装置16に記憶される。
【0016】
また、
図1のプリントシステム1ではグループ「B」に所属するプリントサーバ名「DS#3」のプリントサーバ装置12に蓄積されたジョブのジョブ情報がグループ「B」に所属する共有DB装置14に記憶される。さらに、
図1のプリントシステム1ではプリントサーバ名「DS#3」のプリントサーバ装置12に蓄積されたジョブのジョブデータがグループ「B」に所属する共有フォルダ装置16に記憶される。
【0017】
グループ「A」に所属するプリントサーバ名「DS#1」及び「DS#2」のプリントサーバ装置12は、グループ「A」に所属する共有DB装置14及び共有フォルダ装置16からジョブ情報及びジョブデータを取得できる。したがって、
図1のプリントシステム1ではプリントサーバ名「DS#1」のプリントサーバ装置12がプリントサーバ名「DS#2」のプリントサーバ装置12に蓄積されたジョブのジョブ情報及びジョブデータをグループ「A」に所属する共有DB装置14及び共有フォルダ装置16から取得できる。
【0018】
このような仕組みにより、
図1のプリントシステム1では例えばプリントサーバ名「DS#1」のプリントサーバ装置12が停止しても、停止したプリントサーバ装置12に蓄積されたジョブ情報及びジョブデータを、同一のグループ「A」のプリントサーバ名「DS#2」のプリントサーバ装置12が取得して複合機20に提供できる。
【0019】
一方、グループ「A」に所属するプリントサーバ名「DS#1」のプリントサーバ装置12は、例えばグループ「B」などの異なるグループに所属する共有DB装置14及び共有フォルダ装置16からジョブ情報及びジョブデータを取得できない。したがって、
図1のプリントシステム1ではプリントサーバ名「DS#1」のプリントサーバ装置12がプリントサーバ名「DS#3」のプリントサーバ装置12に蓄積されたジョブのジョブ情報及びジョブデータを、後述のようにプリントサーバ名「DS#3」のプリントサーバ装置12から取得する。
【0020】
なお、
図1に示すプリントシステム1の構成は一例である。例えば共有DB装置14及び共有フォルダ装置16の機能の少なくとも一部は同一のグループのプリントサーバ装置12に備えてもよいし、管理サーバ装置10に備えてもよい。また、例えば共有DB装置14及び共有フォルダ装置16は冗長化された構成であってもよい。
【0021】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1の管理サーバ装置10、プリントサーバ装置12、共有DB装置14、共有フォルダ装置16及び利用者端末18を実現する一台以上の情報処理装置は、例えば
図2に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
【0022】
図2はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図2のコンピュータ500は入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507及びHDD508などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0023】
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイ等を含み、コンピュータ500による処理結果を表示する。
【0024】
通信I/F507はコンピュータ500を各種ネットワークに接続するインタフェースである。これにより、コンピュータ500は通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0025】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェア(以下、単にアプリケーションと呼ぶ)などがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替え、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
【0026】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0027】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0028】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。管理サーバ装置10、プリントサーバ装置12、共有DB装置14、共有フォルダ装置16及び利用者端末18は例えば
図2に示すコンピュータ500のハードウェア構成により、後述するような各種処理を実現できる。
【0029】
《複合機》
図1の複合機20は、例えば
図3に示すようなハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
図3は複合機の一例のハードウェア構成図である。
図3に示す複合機20はコントローラ601、操作パネル602、外部I/F603、通信I/F604、プリンタ605及びスキャナ606などを備える。
【0030】
コントローラ601はCPU611、RAM612、ROM613、NVRAM614及びHDD615などを備える。ROM613は、各種プログラムやデータが格納されている。RAM612はプログラムやデータを一時保持する。NVRAM614は、例えば設定情報等が格納されている。また、HDD615は各種プログラムやデータが格納されている。
【0031】
CPU611は、ROM613やNVRAM614、HDD615などからプログラムやデータ、設定情報等をRAM612上に読み出し、処理を実行することで、複合機20全体の制御や機能を実現する。
【0032】
操作パネル602は、ユーザからの入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部とを備えている。外部I/F603は外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体603aなどがある。これにより、複合機20は外部I/F603を介して記録媒体603aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体603aにはICカード、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
【0033】
通信I/F604は、複合機20をネットワーク22に接続させる為のインタフェースである。これにより、複合機20は通信I/F604を介してデータ通信を行うことができる。プリンタ605は印刷データを被搬送物に印刷するための印刷装置である。例えば被搬送物は、紙、コート紙、厚紙、OHP、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔など、紙に限定されない。スキャナ606は原稿から画像データ(電子データ)を読み取るための読取装置である。
【0034】
<ソフトウェア構成>
《管理サーバ装置》
図4は管理サーバ装置の一例の機能構成図である。
図4の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
図4の管理サーバ装置10は、共有DB情報記憶部31、共有フォルダ情報記憶部32、プリントサーバ情報記憶部33、情報提供部34、ロケーション情報記憶部35、認証部36を有する構成である。
【0035】
共有DB情報記憶部31は共有DB情報を記憶し、管理する。共有フォルダ情報記憶部32は共有フォルダ情報を記憶し、管理する。プリントサーバ情報記憶部33はプリントサーバ情報を記憶し、管理する。ロケーション情報記憶部35はロケーション情報を記憶し、管理する。情報提供部34はプリントサーバ装置12からの要求に基づき、共有DB情報、共有フォルダ情報、プリントサーバ情報又はロケーション情報を提供する。認証部36はユーザ認証を行う。
【0036】
《プリントサーバ装置》
図5はプリントサーバ装置の一例の機能構成図である。
図5の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
図5のプリントサーバ装置12は、インストーラ41、スプーラ42、スプーラフッカー43、プリントモジュール44、認証要求部45、ジョブリスト提供部46、ロケーション情報取得部47、プリントサーバ情報取得部48、ジョブリスト取得部49、ジョブリストマージ部50、ジョブデータ取得部51及びジョブデータ提供部52を有する構成である。
【0037】
インストーラ41は本実施形態に係るプリントシステム1の各種環境設定や必要ファイル群のコピーなどの作業を行う。スプーラ42は利用者端末18から送信された印刷処理要求であるジョブを一時的に保存する。スプーラフッカー43はスプーラ42にジョブが保存されたことを検知する。
【0038】
プリントモジュール44は、ジョブの蓄積に必要な情報を管理サーバ装置10から取得して、スプーラ42に保存されたジョブのジョブ情報を共有DB装置14に記憶させると共に、ジョブデータを共有フォルダ装置16に記憶させる。なお、プリントモジュール44はスプーラ42に保存されたジョブが、そのジョブ所有者の1件目のジョブである場合に後述のロケーション情報を管理サーバ装置10に送信し、記憶させる。
【0039】
認証要求部45は管理サーバ装置10にユーザ認証を要求し、認証結果を得る。ジョブリスト提供部46はジョブリストを複合機20に送信する。ロケーション情報取得部47は管理サーバ装置10からロケーション情報を取得する。プリントサーバ情報取得部48は管理サーバ装置10からプリントサーバ情報を取得する。
【0040】
ジョブリスト取得部49は後述のように同一のグループの共有DB装置14や異なるグループのプリントサーバ装置12からジョブ情報(ジョブリスト)を取得する。ジョブリストマージ部50は取得したジョブリストをマージする。ジョブデータ取得部51は後述のように同一のグループの共有フォルダ装置16や異なるグループのプリントサーバ装置12からジョブデータを取得する。ジョブデータ提供部52は取得したジョブデータを要求元の複合機20に提供する。
【0041】
《共有DB装置》
図6は共有DB装置の一例の機能構成図である。
図6の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
図6の共有DB装置14は、DBテーブル記憶部61、グループIDテーブル記憶部62、グループID提供部63、ジョブ情報記憶部64を有する構成である。
【0042】
DBテーブル記憶部61は共有DBとして機能するために必要なDBテーブルや索引を記憶する。グループIDテーブル記憶部62は、所属するグループのグループIDを記憶する。グループID提供部63はプリントサーバ装置12からグループIDの取得要求を受け付け、グループIDテーブル記憶部62からグループIDを読み出して、取得要求元のプリントサーバ装置12に提供する。ジョブ情報記憶部64は所属するグループのプリントサーバ装置12に蓄積されたジョブのジョブ情報を記憶する。
【0043】
《利用者端末》
図7は利用者端末の一例の機能構成図である。
図7の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
図7の利用者端末18は、文書作成アプリ71、プリンタドライバ72を有する構成である。
【0044】
文書作成アプリ71は印刷するための文書(ドキュメント)の作成機能をユーザに提供する。また、文書作成アプリ71はユーザから文書の印刷操作を受け付ける。プリンタドライバ72は、文書作成アプリ71がユーザから印刷操作を受け付けた文書のジョブを生成し、指定されたプリントサーバ装置12のスプーラ42にジョブを送信する。
【0045】
《複合機》
図8は複合機の一例の機能構成図である。
図8の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
図8の複合機20は、プリンタアプリ81、印刷部82を有する構成である。プリンタアプリ81は、プリントサーバ装置12からジョブリストを取得して表示する処理、ジョブリストからユーザが選択したジョブのジョブデータを取得する処理などを行う。印刷部82は取得したジョブデータの印刷を実行する。
【0046】
<処理>
図9はプリントサーバ装置のインストール時の動作の一例のシーケンス図である。
図9のシーケンス図はプリントサーバ装置12のインストール中にグループを指定する部分を記載したものである。プリントサーバ装置12のインストール中には
図9のシーケンス図に示す以外にもファイルやデータのインストールが実行される。また、
図9のシーケンス図はインストール処理のウィザード画面に設定を入力しながら進める例を示したが、必要な設定を行えるのであればバッチ形式でもよい。
【0047】
ステップS11において例えばシステム管理者がインストーラ41を起動し、グループ利用をオン「On」としてインストールを進める。ステップS12においてインストーラ41は各種環境設定や必要ファイル群のコピーなどのインストール作業を行う。
【0048】
ステップS13に進み、システム管理者はジョブ共有設定を開始する操作を行う。インストーラ41は
図10に示すような設定画面を表示装置502に表示する。
図10はインストール時の設定画面の一例のイメージ図である。
図10(A)は共有DB設定画面の一例のイメージ図である。
図10(A)の共有DB設定画面はジョブ情報の記憶に利用するDB情報(アクセスするパス及び権限情報)の設定を行わせる画面イメージである。
図10(B)は共有フォルダ設定画面の一例のイメージ図である。
図10(B)の共有フォルダ設定画面はジョブデータの記憶に利用する共有フォルダ情報(パス)の共有フォルダ設定を行わせる画面イメージである。
【0049】
ステップS14に進み、システム管理者は
図10(A)の共有DB設定画面から共有DB設定を行い、
図10(B)の共有フォルダ設定画面から共有フォルダ設定を行う。インストーラ41はステップS15に進み、
図10(A)の共有DB設定画面から設定された共有DB情報を管理サーバ装置10に登録する。また、インストーラ41はステップS16に進み、
図10(B)の共有フォルダ設定画面から設定された共有フォルダ情報を管理サーバ装置10に登録する。
【0050】
ステップS17に進み、インストーラ41は共有DB情報に基づき、共有DB装置14にアクセスし、予め持っているDB作成スクリプトを実行して必要なDBテーブルや索引を生成し、ジョブ情報DBを作成する。ステップS18に進み、インストーラ41はDBテーブルの生成が完了すると、作成したグループIDテーブルに新しいグループIDを登録する。なお、グループIDは、他のグループのグループIDと重複できないため、UUID(Universally Unique Identifier)を用いて一意のIDとする。なお、グループIDは例えば管理サーバ装置10で管理して重複を防ぐようにしてもよい。
【0051】
ステップS19において、プリントサーバ装置12は起動時、管理サーバ装置10から共有DB情報を取得する。ステップS20に進み、プリントサーバ装置12は自分が所属するグループのグループIDを共有DB装置14から取得する。プリントサーバ装置12はステップS21に進み、ステップS19で取得した共有DB情報を利用し、ステップS20で取得したグループIDと、自分のサーバの情報(プリントサーバ名など)とを対応付けるプリントサーバ情報の登録を要求する。管理サーバ装置10は登録を要求されたプリントサーバ情報を登録する。
【0052】
図11はジョブ蓄積時の動作の一例のシーケンス図である。
図11は利用者端末18からプリントサーバ装置12に対してプルプリントのジョブを蓄積する場合のシーケンス図である。
【0053】
ステップS31において、ユーザは文書作成アプリ71を操作し、印刷するための文書を作成し、保存する。ステップS32に進み、ユーザは文書作成アプリ71を操作し、印刷メニューを選択する。ユーザは印刷メニューからプリントサーバ装置12のプリンタドライバ72を指定して印刷を実行する。ステップS33に進み、文書作成アプリ71はステップS32で指定されたプリンタドライバ72に印刷要求を行う。
【0054】
ステップS34に進み、印刷要求を受け付けたプリンタドライバ72は文書のジョブを生成し、プリントサーバ装置12のスプーラ42にジョブを送信する。ステップS35に進み、スプーラフッカー43はスプーラ42にジョブが投入されたことを検知し、ジョブを取得する。ステップS36に進み、スプーラフッカー43は取得したジョブの中身を解析し、プリントモジュール44にジョブの情報(ジョブデータのファイルパス、ジョブ属性値)を渡す。
【0055】
ステップS37に進み、プリントモジュール44は管理サーバ装置10からジョブの蓄積に必要な情報として共有DB情報と共有フォルダ情報とを取得する。ステップS38に進み、プリントモジュール44は、スプーラ42に保存されたジョブのジョブデータを共有フォルダ装置16に記憶させる。
【0056】
また、ステップS39に進み、プリントモジュール44は共有DB装置14から自分が所属するグループのグループIDを取得する。なお、グループIDは一度設定されるとプリントモジュール44の動作中に変更されることはないため、プリントモジュール44の起動時に取得して、そのまま記憶しておいてもよい。
【0057】
ステップS40に進み、プリントモジュール44はスプーラ42に保存されたジョブのジョブ情報(ジョブデータの保存パス、ジョブ所有者、印刷パラメータなど)を共有DB装置14に記憶させる。
【0058】
また、プリントモジュール44はスプーラ42に保存されたジョブが、そのジョブ所有者の1件目のジョブである場合、ステップS41に進み、
図12に示すロケーション情報を管理サーバ装置10に送信し、記憶させる。
【0059】
図12は管理サーバ装置に記憶されるロケーション情報の一例の構成図である。
図12のロケーション情報はジョブを蓄積したプリントサーバ装置12のプリントサーバ名、アドレス、グループID及びオーナIDを項目として有する。
図12のロケーション情報により、ジョブを蓄積したプリントサーバ装置12はグループIDと対応付けられてユーザごとに登録される。
【0060】
図13はジョブ印刷時の動作の一例のシーケンス図である。
図13は蓄積されたジョブを複合機20が取得して印刷する場合のシーケンス図である。複合機20は接続するプリントサーバ装置12が予め設定されている。なお、複合機20は接続先のプリントサーバ装置12を複数設定しておき、一のプリントサーバ装置12が停止している場合に別のプリントサーバ装置12へフェイルオーバーしてもよい。
【0061】
ステップS51に進み、複合機20のプリンタアプリ81はユーザからログイン操作を受け付ける。ログイン操作はユーザIDとパスワードをキー入力してもよいし、カード認証、指紋などの生体認証で行ってもよい。
【0062】
ステップS52、S53に進み、プリンタアプリ81は入力された認証情報を自分のグループのプリントサーバ装置12(DS#1)を経由して管理サーバ装置10へ送信して認証結果を受け取る。
【0063】
認証が成功すると、プリンタアプリ81はステップS54に進み、接続しているプリントサーバ装置12(DS#1)にユーザIDを指定してジョブリストを要求する。プリントサーバ装置12(DS#1)は指定されたユーザIDを元に、ロケーション情報を管理サーバ装置10に要求し、取得する。
【0064】
ステップS56に進み、プリントサーバ装置12(DS#1)は取得したロケーション情報から、自分と同じグループIDを持つプリントサーバ装置12を除外し、自分と異なるグループIDを持つプリントサーバ装置12を選択する。自分と同じグループIDを持つプリントサーバ装置12を除外する理由は、自分でジョブを取得できる為である。プリントサーバ装置12(DS#1)はロケーション情報から取得した自分と異なるグループIDのうち、一のグループIDに所属するプリントサーバ装置12のプリントサーバ情報を管理サーバ装置10から取得する。
【0065】
ステップS57に進み、プリントサーバ装置12(DS#1)は一のグループIDに所属する全てのプリントサーバ装置12に対してジョブリストを要求し、ジョブリストを取得する。
図13ではプリントサーバ装置12(DS#1)がプリントサーバ装置12(DS#3)に対してジョブリストを要求し、ジョブリストを取得する。ステップS56〜S57の処理はロケーション情報に含まれる自分のグループIDと異なる全てのグループIDに対して行う。
【0066】
ステップS58に進み、プリントサーバ装置12(DS#1)は得られたジョブリストをマージする。なお、同じグループに所属するプリントサーバ装置12に要求して取得したジョブリストは一番初めに返ってきた一のプリントサーバ装置12のジョブリストのみをマージの対象とする。この理由は、同じグループに所属する複数のプリントサーバ装置12からは同じジョブリストが取得できる為である。
【0067】
プリントサーバ装置12(DS#1)はマージが終了したジョブリストをジョブリストの要求元のプリンタアプリ81に返す。ステップS59に進み、ユーザは複合機20の操作パネル602等に表示されたジョブリストから印刷したいジョブを選択して例えば印刷ボタンを押すことで印刷要求を行う。ここでは、プリントサーバ装置12が蓄積しているジョブが選択された例を説明する。
【0068】
ステップS60に進み、プリンタアプリ81は選択されたジョブを蓄積しているプリントサーバ装置12(DS#1)に対してジョブデータを要求する。プリントサーバ装置12(DS#1)は共有DB装置14に記憶されたジョブ情報からジョブデータのファイルパスを取り出し、共有フォルダ装置16からジョブデータを取得してプリンタアプリ81に返す。ステップS62に進み、複合機20は取得したジョブデータを印刷して用紙に出力する。
【0069】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。なお、プリントサーバ情報記憶部33は特許請求の範囲に記載したプリントサーバ情報記憶手段の一例である。共有DB装置14は共有情報記憶手段の一例である。共有フォルダ装置16は共有データ記憶手段の一例である。