(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記微細構造体から出射する特定波長の光の位相遅延量が隣接する微細構造体間で直線上にならぶように、分光素子における微細構造体の幅、屈折率、高さを定めることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像素子。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は一例に過ぎず、本発明はこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0027】
図1は、本発明の撮像装置の概略構成を示した側面図である。撮像素子10は、レンズ光学系11、CCDやCMOS等の光電変換素子を含む撮像素子12、および撮像素子12から出力される光電変換信号を処理して画像信号を生成する信号処理部13を備える。
【0028】
自然光や照明光等の光が物体1に入射し、これを透過/反射/散乱した光は、または、物体1から発する光は、レンズ光学系11により撮像素子12上に光学像を形成する。一般に、レンズ光学系11は、様々な光学収差を補正するため、光軸に沿って並んだ複数のレンズからなるレンズ群により構成されるが、
図1では図面を簡略化して単一のレンズとして示している。また、信号処理部13は、生成した画像信号を外部に送出する画像信号出力を備える。
【0029】
なお、本発明の撮像装置10は、赤外光カットの光学フィルタ、電子シャッタ、ビューファインダ、電源(電池)、フラッシュライトなどの公知の構成要素を備え得るが、それらの説明は本発明の理解に特に必要でないため省略する。また、以上の構成はあくまでも一例であり、本発明において、レンズ光学系11、撮像素子12、信号処理部13を除く構成要素には、公知の要素を適切に組み合わせて用いることができる。
【0030】
本発明の具体的な実施形態を説明する前に、本発明の実施形態における撮像素子12の概略を説明する。
【0031】
本発明の実施形態による撮像素子12は、光電変換素子を含むセル(画素)102が2次元状に複数配列された画素アレイと、微小分光素子101が2次元状に複数配列された分光素子アレイとを備える。
図2は、本発明の実施形態1に係る撮像素子の画素アレイおよび分光素子アレイの断面の一部を模式的に示す図である。分光素子アレイは画素アレイと対向しており、レンズ光学系からの光が入射する側に配置されている。各微小分光素子101は、厚み一定の複数の柱状構造体で構成されている。なお、微小分光素子101は、便宜上、4本の柱状構造体で表されているが、数や間隔、配列パターンに制限はなく、様々な配列形態をとり得る。
【0032】
撮像素子12に入射する光に含まれる可視光成分を、波長領域毎に第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分に分類する。なお、第1から第3の色成分の組み合わせは、一般に赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の組み合わせであるが、光を3つの波長域に分けるものであればこれに限定されない。
【0033】
本発明の実施形態における微小分光素子101は、後述する位相遅延効果およびその構造寸法依存性・波長依存性を利用することで、上述の第1から第3の色成分に応じて、入射した光の伝搬方向を変え、画素アレイ上において空間的に分離する機能を有する。すなわち、本発明の実施形態では、撮像素子に入射した光の少なくとも一部の光が、微小分光素子101によって、色成分に応じて伝搬方向を変え、複数の画素102に入射する。したがって、微小分光素子101と画素102との距離を適切に設定することで、3つの波長域に分離された光を、それぞれ異なった画素102で受けることが可能である。
【0034】
画素102に光が入射すると、光電変換素子によって入射した光の強度に応じた電気信号(光電変換信号)を出力するため、色成分に応じた信号(カラー情報)を、直接的に、または信号演算を用いて、取得することができる。以上の微小分光素子101および微小分光素子101に対応した複数の画素102が、2次元状に配置されているため、レンズ光学系11により形成される物体の光学像のカラー情報を取得することができる。
【0035】
後述する実施形態1および実施形態2については、マイクロレンズアレイを用いることで、入射光のほぼすべてが、分光素子アレイを構成するいずれかの微小分光素子101を透過するため、入射光のほぼすべてが3つの波長域に分離された状態で画素アレイに入射する。したがって、光電変換信号から、直接的に、または簡易な演算をもちいて、カラー情報を取得することができる。
【0036】
後述する実施形態3および実施形態4については、入射光の一部が、分光素子アレイを構成する微小分光素子101を透過するため、入射光の一部が3つの波長域に分離された状態で画素アレイに入射する。したがって、各画素102の一部は、3つの波長域に分離された状態の光と分離されていない状態の光の合算の光強度に応じた光電変換信号を出力する。出力された光電変換信号に対して、後述する適切な行列演算を用いることで、カラー情報を求めることができる。
【0037】
本発明の実施形態における撮像素子12によれば、減色型の色フィルタを用いることなく、微小分光素子101を用いた3色への低損失な光分離により、カラー情報を得ることができる。したがって、色フィルタを用いた撮像素子と比較して、画素アレイに到達する光総量を増加させることができ、撮像感度を高めることが可能となる。さらに、微小分光素子101は作製が簡易な厚み一定の構造体から構成されており、かつ、構造体上面・底面の対称性から偏光依存性が生じないことから、非特許文献1で開示された従来技術における色分離機能に偏光依存性が存在するという課題を解決することができる。
【0038】
以下、図面を参照しながら、本発明のより具体的な実施形態を説明する。
【0039】
(実施形態1)
以下、本実施形態1における撮像素子の構成の概略について説明する。
【0040】
図3(a)は、本発明の実施形態1に係る撮像素子の一部の概略構成の上面図であり、
図3(b)はその断面図である。本実施形態1における撮像素子100は、光電変換素子を含む画素102がアレイ状になるように配列された2次元画素アレイ上に、SiO
2等からなる低屈折率の透明層111、複数のマイクロレンズ103が積層されている。低屈折率の透明層111の内部には、透明層111の屈折率よりも高い屈折率を有するSiN等の材料から形成された複数の厚み(2次元画素アレイに対して垂直方向の長さ)一定の微細構造体からなる微小分光素子101が埋め込まれている。便宜上、以下の説明において、2次元画素アレイの法線方向をz軸、2次元画素アレイに平行で、画素ユニット110を構成する3つの画素102が並ぶ方向をx軸、2次元画素アレイに平行でx軸と直交する方向をy軸とするxyz直交座標系を設定する。
【0041】
図に示されているように、マイクロレンズ103、微小分光素子101、画素102はxy平面上において格子状に配置されており、各マイクロレンズ103の中心軸上に1つの微小分光素子101が配置されている。x軸方向に隣り合う3つの画素を1つの画素ユニット110とすると、x軸方向に隣り合う各マイクロレンズ103はそれぞれ画素ユニット110と一対一で対応し、各マイクロレンズ103の中心軸は対応する画素ユニットの中央の画素102のほぼ中心を通過する。すなわち、x軸方向に隣り合う3つの画素102に対して1つのマイクロレンズ103および1つの微小分光素子101が対応しており、上記のマイクロレンズ103、微小分光素子101、画素ユニット110を1つの撮像素子ユニットとすると、その撮像素子ユニットがxy平面上において格子状に配列されている。
【0042】
なお、上述の説明では、一例として、直交格子状に配列された2次元画素アレイの場合について説明したが、画素102の配列、形状、サイズなどはこの図の例に限られず、公知のどのような配列、形状、サイズであってもよい。また、
図3(a)、(b)では省略しているが、2次元画素アレイと微細構造体との間に、内部マイクロレンズとして動作し、微小分光素子101からの光を画素102内の光電変換素子へと導く働きをなすSiN等からなる高屈折率の凹凸構造を備え得る。
図3(a)、(b)に示される構造は、公知の半導体製造技術により作製され得る。
【0043】
なお、
図3(a)、(b)に示される撮像素子100は、配線層112の反対側から受光する裏面照射型の構造であるが、本実施形態ではこのような構造に限定されず、配線層112の側から受光する表面照射型の構造を有していてもよい。
【0044】
以下、本実施形態における撮像素子100の各構成要素の働きについて説明する。
【0045】
撮像素子100に入射する白色の光は、まずマイクロレンズアレイによって集光され、ほぼすべての光が各マイクロレンズ103に対応した微小分光素子101を通過する。各微小分光素子101によって、光はxz面内で3波長域に空間的に分離され、各微小分光素子101の直下にある3画素102によりそれぞれ受光される。
図3(b)に示す例では、各微小分光素子101によって、第1色成分の光(R)が第1の方向(右)へ、第2色成分の光(G)が第2の方向(直進)へ、第3色成分の光(B)が第3の方向(左)へ伝搬しているため、各微小分光素子101直下の3画素102D
R(右)、D
G(中央)、D
B(左)がそれぞれR、G、Bのカラー情報の検出に対応する。
【0046】
なお、上述は一例であって、各微小分光素子101の構成によっては、色成分と伝搬方向の組み合わせは自由に変更可能であり、それに伴って、RGBそれぞれに対応する画素102D
R、D
G、D
Bも変更される。
【0047】
このように3波長域に空間的に分離された光が3画素102によりそれぞれ受光されると、各画素102内の光電変換素子によって光電変換がなされ、カラー情報を含む画像信号が出力される。
【0048】
なお、各微小分光素子101の直下にある3画素102D
R、D
G、D
Bのx軸方向の幅w
d1、w
d2、w
d3は、同一であっても異なっていても良い。また、これに伴って、マイクロレンズ103のx軸方向の幅w
lxとy軸方向の幅w
lyは同一であっても異なっていても良い。
図3の例では、3画素102D
R、D
G、D
Bのx軸方向の幅w
d1、w
d2、w
d3が同一であり、マイクロレンズ103はw
lxとw
lyは異なっている。
【0049】
また、画素ユニット110と微小分光素子101との間には、内部マイクロレンズとして動作するSiN等からなる高屈折率の凹凸構造を備え得るが、後述する微小分光素子101は形成する位相遅延分布によっては、レンズ機能を有することが可能であるため、内部マイクロレンズを省略することも可能である。
【0050】
以下、本実施形態における微小分光素子について説明する。
【0051】
本実施形態1における微小分光素子101は、複数の微細な柱状構造体121から構成される。
図4(a)は、本発明の実施形態1に係る撮像素子の微小分光素子を構成する柱状構造体の上面図であり、
図4(b)は、その断面図である。柱状構造体121は、透明層111の屈折率n
0よりも高い屈折率n
1を有するSiN等の材料から形成されており、構造の厚みhは一定である。
【0052】
また、柱状構造体121の底面および上面は正方形である。この柱状構造体121は、透明層111との屈折率差から、光を構造内に閉じ込めて伝搬させる光導波路として機能する。したがって、上面側から光を入射すると、光は柱状構造体121内に強く閉じ込められながら伝搬し、光導波路の実効的な屈折率n
effにより決定される位相遅延効果を受けて、底面側から出力される。具体的に、透明層111を柱状構造体121の厚み分の長さを伝搬した光の位相を基準とした際、柱状構造体121による位相遅延量φは、光の真空中での波長をλとおくと、
φ=(n
eff−n
0)×2πh/λ (1)
で表わされる。この位相遅延量は光の波長λによって異なるため、同一の柱状構造体121に入射した光に対して波長域(色成分)に応じて異なる位相遅延量を与えることができる。また、柱状構造体121の底面および上面が正方形であるため、偏光方向を変化させた場合においても、位相遅延効果を含む光学特性に変化はない。さらに、n
effは構造寸法の関数であることが知られており、n
0<n
eff<n
1の値をとる。したがって、
図4(a)、(b)に示す例では、柱状構造体121の幅wを変化させることで、任意の位相遅延量を設定することが可能である。
【0053】
図5(a)の断面図は、x軸方向に上述の柱状構造体121−1、121−2を2つ並べて構成した、本実施形態1における微小分光素子101の一例である。なお、y軸方向には、波長以下の間隔で、上述の柱状構造体121−1、121−2が複数並んでいる。
【0054】
図5(a)に示すように、x軸方向に隣接する柱状構造体121−1、121−2の幅wが異なっている。この幅wの差異により、微小分光素子101を透過した光に対して、波長領域毎に異なる位相遅延分布を与えることが可能となり、光波面を変化させることができる。光の伝搬方向(偏向方向)はこの光波面によって決定されるため、微小分光素子101を透過した光を波長域(色成分)に応じて空間的に分離することが可能となる。すなわち、本実施形態1における微小分光素子101は、複数の柱状構造体121を配置し、隣接する柱状構造体121−1、121−2の光の伝搬方向と直交する面における寸法wを変化させることで、入射光の波長領域に応じて異なる光波面を与え、色成分を空間的に分離する。
【0055】
例えば、
図5(a)に示す構造の場合、
図5(b)に示すように、3波長(例えば、RGBに対応する波長)に応じて異なる位相遅延分布を与えることができる。この例では、第1色成分の光(R)に対応する波長の位相遅延分布は位相量が0から+2πまで線形増加する直線上に沿っており、第2色成分の光(G)に対応する波長の位相遅延分布は空間的な変化はなく、第3色成分の光(B)に対応する波長の位相遅延分布は位相量が0から−2πまで線形減少する直線上に沿っている。この場合、微小分光素子101を透過した光は、
図5(a)に示すように、第1色成分の光(R)が第1の方向(右)へ、第2色成分の光(G)が第2の方向(直進)へ、第3色成分の光(B)が第3の方向(左)へそれぞれ効率よく伝搬することができる。
【0056】
なお、上述の説明は一例であって、各柱状構造体121の寸法によっては、色成分と偏向方向の組み合わせは自由に変更可能である。例えば、第1色成分の光(R)が第2の方向(直進)へ、第2色成分の光(G)が第1の方向(右)へ、第3色成分の光(B)が第3の方向(左)へそれぞれ効率よく伝搬することができる。
【0057】
本実施形態における微小分光素子101のより詳細な一例を説明する。
【0058】
図6(a)は、本発明の実施形態1に係る撮像素子の微小分光素子の一例の上面図であり、
図6(b)は、その断面図である。x軸方向には互い異なる幅w
1、w
2をもつ厚さ(2次元画素アレイに対して垂直方向の長さ)が一定の柱状構造体121−1、121−2が2つ並んでおり、y軸方向には同じ柱状構造体121−1、121−2が3つ並んでおり、以上を1つの微小分光素子101とする。なお、柱状構造体121−1、121−2を構成する材料はSiN(n
1=2.03)を想定し、透明層を構成する材料はSiO
2(n
0=1.45)を想定し、底面および上面が正方形の場合を示している。また、すべての柱状構造体121−1、121−2の厚みhを1200nm、パターン左側の柱状構造体121−1の幅w
1を145nm、パターン右側の柱状構造体121−2の幅w
2を340nmとし、x軸およびy軸方向のおける柱状構造体121−1、121−2の間隔pは450nmとした。
【0059】
図7(a)、(b)に、上述の構造において、柱状構造体121−1、121−2の上面から平行光を入射した際、微小分光素子101の出射端から3方向(
図6(b)のR、G、Bの各方向)に分離して伝搬する効率(入射光強度に対する各伝搬方向の光強度の比)の波長依存性(厳密結合波理論に基づく計算結果)を示す。
図7(a)は、
図6(a)中の縦の偏光をもつ光、
図7(b)は
図6(a)中の横の偏光をもつ光をそれぞれ入射した際の結果である。なお、計算の際、上述の微小分光素子101がx軸およびy軸方向においてPの間隔(P=3p)で並んでいると仮定したが、単体の微小分光素子101における光学機能との差異はほとんどないことを確認している。また、3方向のそれぞれの偏向角θ
R、θ
G、θ
Bは、光の回折に基づいており、R:sinθ
R=λ/P、G:θ
G=0(直進)、B:sinθ
B=λ/Pとした。
【0060】
また、
図7(a)、(b)に示した特性は、従来の撮像装置における色フィルタの分光感度特性に相当する。
図7(a)、(b)に示す結果は、第1の方向(R)における効率は600nm以上の赤色波長域でピークをなし、第2の方向(G)における効率は500−600nmの緑色波長域でピークをなし、第3の方向(B)における効率は500nm以下の青色波長域でピークをなしていることを示している。また、40〜60%という良好な分光性能を示しており、かつ特性に大きな偏光依存性はみられない。なお、曲線R、G、Bの総和、すなわち総透過率は、95%以上であり、散乱や反射による光損失はほとんど生じない。
【0061】
以上の結果は、本実施形態1における微小分光素子101を用いることで、色成分の高効率な空間的な分離が可能であることを示している。さらに、上述の例では、単体の微小分光素子101のサイズは1.35μm角であり、一般的なCCDおよびCMOSセンサの最小ピクセルサイズと同等である。したがって、最小ピクセルサイズをもつ画素ユニット110に対応した微小分光素子101の形成が可能である。なお、柱状構造体121のサイズや数、配列パターンによって、異なるサイズの微小分光素子101を形成することも可能である。
【0062】
微小分光素子101を構成する柱状構造体121の材料、数、形状、サイズ、配列パターンなどを適切に設計することにより、所望の分光特性を与えることが可能である。その結果、上述したように、個々の光電変換素子に所望の波長域の光のみを分離して入射させることが可能となり、各光電変換素子から出力される光電変換信号から、色成分に対応する信号を取得することができる。
【0063】
また、上述の通り、微小分光素子101による光損失はほとんど生じないため、従来技術の色フィルタを用いた撮像素子と比較して、画素アレイに到達する光総量を飛躍的に増加させることができ、撮像感度を高めることが可能となる。なお、各微小分光素子101の分光性能が上述した理想的な性能と多少異なっていても、性能の差異の程度に応じて、取得した信号を補正・演算することによって良好な色情報を得ることが可能である。
【0064】
また、上述の各柱状構造体121の配置において、周期的な構造に起因する不要な回折光が発生することを防ぐため、光の波長以下の間隔で配置することが望ましい。
【0065】
上述の例では、柱状構造体の底面および上面が正方形の場合について説明したが、この形状に限定されない。すなわち、底面および上面の中心を通る軸を対称軸として4回回転対称となる形状面であれば、分光機能の偏光に対する依存性が生じることはなく、位相遅延効果をもたらす光導波路としての動作も失われることはない。したがって、
図8(a)〜(h)に示すような正方形、中空正方形、円形、中空円形、十字形状といった4回回転対称となる面をもつ柱状構造体を採用することが望ましい。
【0066】
なお、微小分光素子101による色成分の分離後において、画素ユニット110上の各光空間分布が互いに十分に分離するためには、微小分光素子101の出力端と画素102の光電変換素子との間が1μm以上の間隔であることが好ましい。一方で、撮像素子100の薄膜化および材料費・プロセス時間の節約のため、上述の微小分光素子101の出力端と画素102の光電変換素子との間隔は、可能な限り短い方が好ましい。
【0067】
また、この場合、短い伝搬距離で、画素ユニット110上の各光空間分布が色成分に応じて互いにはっきり分離する必要があるため、微小分光素子101によって光の波面を大きく傾けて、偏向する(曲がる)角度を大きくすることが好ましい。偏向する角度を大きくするには、微小分光素子101により形成される各波長域における位相遅延分布がそれぞれ0から2πまで変化する形が適しているため、それぞれの波長域において、柱状構造体121による位相遅延量の可変範囲は、2π以上有していることが好ましい。したがって、式(1)から、分離する波長域の最も長波長側の波長域における所望の中心波長をλ
rとすると、柱状構造体121の厚みhは、h=λ
r/(n
1−n
0)の近傍に設定することが望ましい。
【0068】
以上のような分光機能をもつ微小分光素子101は、公知の半導体製造技術により、薄膜堆積およびパターニングを実行することにより作製することができる。本実施形態1の微小分光素子101は、複数の厚さ一定の柱状構造体121から構成されるため、非特許文献1で開示されている階段状構造等と比較して、安価で容易に作製できる。
【0069】
以下、本実施形態の撮像素子のおける微小光学素子および画素の配置について説明する。
【0070】
図3に示した一例では、x軸方向に沿って配置された微小分光素子101の行が、x軸方向にずれることなくy軸方向に沿って繰り返し配置されており、その結果y軸方向に沿って微小分光素子101のパターンが連続的に配置されている。この場合、x軸方向においては、各微小分光素子101直下の色成分に対応する3画素102D
B、D
G、D
Rが左からこの順に並び、この並びが繰り返して配置されている。
【0071】
さらに、画素102についても同様に、x軸方向に沿って配置された画素102の行が、x軸方向にずれることなくy軸方向に沿って繰り返し配置されており、その結果y軸方向に沿って3画素102D
B、D
G、D
Rがそれぞれ連続的に配置されている。
【0072】
図9(a)〜(c)は、本発明の実施形態1に係る撮像素子の色成分に対応する画素の配置を模式的に表したものである。x軸方向に隣り合う3つの画素102D
B、D
G、D
Rを1つのカラー画素ユニットUとすると、
図9(a)に示すカラー画素ユニットU
1、および、カラー画素ユニットU
1に対して単一画素だけx軸方向にシフトしたカラー画素ユニットU
2は、どちらもR、G、Bに対応する画素を必ず1つずつ含むことになる。すなわち、カラー画素ユニットUをxy平面において単一画素ずつシフトしながら、カラー情報取得すれば、RGB3色の情報をほぼ画素数分だけ得ることができる。このことは、撮像素子の解像度を画素数の程度まで高めることができることを意味している(いわゆるベイヤー配置と同等である)。したがって、本実施形態1の撮像素子は、高感度であることに加えて、単一画素サイズの高解像度でカラー情報を生成することができる。
【0073】
上述のような単一画素サイズの解像度を実現する微小光学素子および画素の配置は、
図9(a)に限定されず、種々に変更することができる。
図9(b)および
図9(c)は、別の例を示しており、x軸方向沿って構成される微小分光素子101およびカラー画素ユニットUの行が、
図9(b)では1画素サイズ分、
図9(c)では2画素サイズ分、x軸方向にシフトしながら、順次y軸方向に配置されている。このような配置についても、
図9(a)と同様に単一画素サイズの解像度でカラー情報を生成することができる。
【0074】
図10(a)〜(c)は、
図9(a)〜(c)とは別の配置の例を示しており、行毎に3画素D
B、D
G、D
Rの順番が反転する構成であり、x軸方向にシフトについては上述の
図9(a)〜(c)とそれぞれ同様である。この場合についても、
図9(a)と同様に単一画素サイズの解像度でカラー情報を生成することができる。なお、3画素D
B、D
G、D
Rの順番の反転を行うには、上述の微小分光素子101の柱状構造体121−1、121−2を、x軸において、左右反転させたパターンを用いればよい。
【0075】
上述した
図9(a)〜(c)および
図10(a)〜(c)に示す画素配置は、入射光が各微小分光素子101の機能によって、第1色成分の光(R)が第1の方向(右)へ、第2色成分の光(G)が第2の方向(直進)へ、第3色成分の光(B)が第3の方向(左)へ伝搬し、各微小分光素子101直下の3画素102D
R(右)、D
G(中央)、D
B(左)がそれぞれR、G、Bのカラー情報の検出に対応すると想定した際のものである。上述したように、微小分光素子101の構成によっては、微小分光素子101直下の画素102がRGB3色のいずれに対応したものになるか変わるが、基本的にはカラー画素ユニットU内の順番が変更されるだけである。そのような場合についても、
図9および
図10に示したカラー画素ユニットUの配置規則に従って、配置を設定すれば、同様に単一画素サイズの解像度でカラー情報を生成することができる。
【0076】
以上の説明では、微小分光素子101のみを用いた場合の撮像素子100について述べた。次に、減色型の色フィルタを併用した際の変形例について説明する。
【0077】
図11に、本発明の実施形態1の変形例である撮像素子の概略構成の断面図を示す。
図3との差異は、色成分に対応した画素102の上方に、画素102の色にそれぞれ対応した色フィルタ104を配置している点であり、その他は同一である。この構成の場合、従来技術の色フィルタのみの構成に比べて、光利用効率が向上し、かつ色再現性も向上する。
【0078】
例えば、
図7より、微小分光素子101のRGBへの分光効率は40〜60%とする。また、RGBの色フィルタ104の対応する波長域における透過率(分光効率)をそれぞれ90%とする。入射光がRGB1:1:1の比率の強度を有しているとする。この場合、微小分光素子101と色フィルタ104を併用した構成では、光が両者を透過して画素に入射するため、RGB3画素102に到達する光強度の総量は36〜54%となる。さらに、微小分光素子101および色フィルタ104の分光性能が掛け合わされ、不要な色成分が排除された状態で各画素102に入射するため、色再現性が大きく向上する。一方、色フィルタ104のみの構成の場合、3画素102に到達する光強度の総量は30%となり、色再現性も併用した構成に比べて悪い。したがって、微小分光素子101と色フィルタ104を併用した構成を用いることで、色再現性が向上した状態で、従来の色フィルタのみを使用した構成に比べて1.2〜1.8倍の感度向上が見込める。なお、微小分光素子101のみの構成に比べて、光利用効率は低下するが、色再現性が大幅に向上するため、この実施形態1の変形例は光利用率、すなわち感度と色再現性のバランスがよい構成といえる。
【0079】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る撮像素子について説明する。
【0080】
図12(a)は、本発明の実施形態2による撮像素子の一部の概略構成の上面図であり、
図12(b)はその断面図である。
図12(a)、(b)に示すように、本実施形態2の撮像素子300およびそれを用いた撮像装置は、実施形態1と比較して、x軸方向に沿って配置された複数の微小分光素子101の構造体パターンの向きが、交互に反転している点が異なる。
【0081】
また、x軸方向沿って構成される微小分光素子101およびカラー画素ユニットUの行が、2画素サイズ分x軸方向にシフトしながら、順次y軸方向に配置されており、その結果、y軸方向においても微小分光素子101の構造体パターンの向きが、交互に反転している。さらに、1つの微小分光素子101で分光された光を受光するx軸方向に沿って互いに隣接する3つの画素102のうち、両外側の2つの画素102は、隣接する他の2つの微小分光素子101で分光された光も受光する点も異なっている。なお、本実施形態2のその他の構成要素は、実施形態1の構成要素と同一である。以下、実施形態1との相違点を中心に説明し、重複する点は説明を省略する。
【0082】
図12(b)に示すように、x軸方向に沿って、微小分光素子101の構造体パターンの向きが、交互に反転しているため、色成分と偏向方向の組み合わせが交互に逆になっており、それに伴って、各微小分光素子101直下の色成分に対応する画素102が、左からD
R、D
G、D
B、D
G、D
R、D
G、D
B…という順番になっている。各微小分光素子101の直下には、画素102D
Gが配置されており、その両側の画素102D
RまたはD
Bは、隣接する2つの微小分光素子101で分光された光も受光する。
【0083】
撮像素子300に入射する白色の光は、まずマイクロレンズアレイによって集光され、ほぼすべての光が各マイクロレンズ103に対応した微小分光素子101を通過する。各微小分光素子101によって、光はxz面内で3波長域に空間的に分離され、各微小分光素子101に対応する3画素102によりそれぞれ受光される。この際、微小分光素子101の直下の画素102(D
G)の両側の画素102(D
R、D
B)は、隣接する2つの微小分光素子101から伝搬する光も受けるが、構造パターンの反転により、同じ波長域を受光することになる。
【0084】
なお、上述は一例であって、各微小分光素子101の構成によっては、色成分と伝搬方向の組み合わせは自由に変更可能であり、それに伴って、RGBそれぞれに対応する画素102も変更される。このように3波長域に空間的に分離された光が3画素102によりそれぞれ受光されると、各画素102内の光電変換素子によって光電変換がなされ、カラー情報を含む画像信号として出力される。
【0085】
図13は、本発明の実施形態2に係る撮像素子の画素の配置を模式的に表したものである。1つのD
R、2つのD
G、および1つのD
Bを含む4つの画素102を1つのカラー画素ユニットUとする。この場合、図中に示すカラー画素ユニットU
1に対して単一画素だけx軸方向またはy軸方向にシフトしても、1つのD
R、2つのD
G、および1つのD
Bを含むカラー画素ユニットU
2を構成できる。すなわち、カラー画素ユニットUをxy平面において単一画素ずつシフトしながら、カラー情報取得すれば、RGB3色の情報をほぼ画素数分だけ得ることができる。このことは、撮像素子の解像度を画素数の程度まで高めることができることを意味している。したがって、本実施形態2の撮像素子300は、高感度であることに加えて、単一画素サイズの高解像度でカラー情報を生成することができる。
【0086】
以上より、本実施形態2の構成のおいても、実施形態1と同様な機能を実現できる。また、本実施形態2は、上記実施形態1との相違点以外は実施形態1と同様であり、それら共通する構成要素は実施形態1で説明したものと同様の効果を有し、また、同様の変更が可能である。
【0087】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る撮像素子について説明する。
【0088】
図14(a)は、本発明の実施形態3に係る撮像素子の一部の概略構成の上面図であり、
図14(b)は、その断面図である。
図14(a)、(b)に示すように、本実施形態3の撮像素子400および撮像装置は、実施形態1と比較して、マイクロレンズが各画素に一対一で対応するように配置されている点が異なる。また、カラー情報の取得に、各画素102からの光電変換信号を用いた行列演算を用いる点が異なっている。なお、その他の構成要素は実施形態1と同一である。以下、実施形態1との相違点を中心に説明し、重複する点は説明を省略する。
【0089】
図14(b)に示すように、マイクロレンズ103が各画素102に一対一で対応して配置されている。それに伴って、撮像素子400に入射する白色の光のうち、各微小分光素子101に入射し色分離される光は、微小分光素子101の直上に位置するマイクロレンズ103により集光された光のみであり、その他の光は、各マイクロレンズ103を介して、各マイクロレンズ直下の画素に直接入射する。
【0090】
ここで、単一のマイクロレンズ103へ入射する白色光の強度をWで表し、白色光を構成するRGB3色の強度をそれぞれR、G、Bとすると、3つのマイクロレンズ103を介して画素102D
R、D
G、D
Bに入射する光は、それぞれW+R、G、W+Bで表される強度の光である。なお、上述は一例であって、各微小分光素子101の構成によっては、色成分と伝搬方向の組み合わせは自由に変更可能であり、それに伴って、画素102D
R、D
G、D
Bにそれぞれ入射する色成分の構成も変更される。以下の説明では、画素102D
R、D
G、D
BにそれぞれW+R、G、W+Bの強度の光が入射した際のおける行列演算によるカラー情報取得について述べるが、微小分光素子101の構成および分光性能によっては、行列演算子の数値は種々変更可能であることはいうまでもない。
【0091】
各画素102へそれぞれ入射したW+R、G、W+Bの強度の光は、光電変換素子によって光電変換がなされ、光電変換信号として出力される。ここで、RGB3色および白色光Wの光強度に対応する光電変換信号をS
R、S
G、S
B、S
Wとし、W+R、G、W+Bの強度の光が入射した各画素102によって出力される光電変換信号をそれぞれS
W+R、S
G、S
W+Bとする。なお、S
WはS
W=S
R+S
G+S
Bで表され、S
W+R、S
W+Bはそれぞれ、S
W+R=S
W+S
R、S
W+B=S
W+S
Bの関係式で表すことができる。また、画素102D
Gに入射する光は、微小分光素子101によって分光されたGの成分であるため、S
Gがそのまま出力される。
【0092】
以上より、S
R、S
G、S
Bは、以下のS
W+R、S
G、S
W+Bを用いた行列演算で取得できる。
【0094】
したがって、各画素D
R、D
G、D
Bから出力される3つの光電変換信号S
W+R、S
G、S
W+Bを用いた信号演算によって3つの色成分の強度情報であるS
R、S
G、S
Bを求めることができる。
【0095】
以上より、本実施形態3の構成のおいても、実施形態1と同様な機能を実現できる。本実施形態3は、上記実施形態1との相違点以外は実施形態1と同様であり、それら共通する構成要素は実施形態1で説明したものと同様の効果を有し、また、同様の変更が可能である。なお、色フィルタとの併用を用いた変形例においては、微小分光素子101直下の画素102上にのみ、対応する色成分の色フィルタを配置することが望ましい。
【0096】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る撮像素子について説明する。
【0097】
図15(a)は、本発明の実施形態4に係る撮像素子の一部の概略構成の上面図であり、
図15(b)は、その断面図である。
図15(a)、(b)に示すように、本実施形態4の撮像素子500およびそれを用いた撮像装置は、実施形態2と比較して、マイクロレンズ103が各画素102に一対一で対応して配置されている点が異なる。また、カラー情報の取得に、各画素102からの光電変換信号を用いた行列演算を用いる点が異なっている。なお、その他の構成要素は実施形態2と同一である。以下、実施形態2との相違点を中心に説明し、重複する点は説明を省略する。
【0098】
図15(b)に示すように、マイクロレンズ103が各画素102に一対一で対応して配置されている。それに伴って、撮像素子500に入射する白色の光のうち、各微小分光素子101に入射し色分離される光は、微小分光素子101の直上に位置するマイクロレンズ103により集光された光のみであり、その他の光は、各マイクロレンズ103を介して、各マイクロレンズ103直下の画素102に直接入射する。
【0099】
ここで、実施形態3の説明と同様に、単一のマイクロレンズ103へ入射する白色光の強度をWで表し、白色光を構成するRGB3色の強度をそれぞれR、G、Bとすると、5つのマイクロレンズ103を介して画素102D
R、D
G、D
Bに入射する光は、それぞれW+2R、G、W+2Bで表される強度の光である。なお、上述は一例であって、各微小分光素子101の構成によっては、色成分と伝搬方向の組み合わせは自由に変更可能であり、それに伴って、画素102D
R、D
G、D
Bにそれぞれ入射する色成分の構成も変更される。以下の説明では、画素102D
R、D
G、D
BにそれぞれW+2R、G、W+2Bの強度の光が入射した際のおける行列演算によるカラー情報取得について述べるが、微小分光素子101の構成および分光性能によっては、行列演算子の数値は種々変更可能であることはいうまでもない。
【0100】
各画素102へそれぞれ入射したW+2R、G、W+2Bの強度の光は、光電変換素子によって光電変換がなされ、光電変換信号として出力される。ここで、実施形態3の説明と同様に、RGB3色および白色光Wの光強度に対応する光電変換信号をS
R、S
G、S
B、S
Wとし、W+2R、G、W+2Bの強度の光が入射した各画素102によって出力される光電変換信号をそれぞれS
W+2R、S
G、S
W+2Bとする。なお、S
WはS
W=S
R+S
G+S
Bで表され、S
W+2R、S
W+2Bはそれぞれ、S
W+2R=S
W+2S
R、S
W+2B=S
W+2S
Bの関係式で表すことができる。また、画素102D
Gに入射する光は、微小分光素子101によって分光されたGの成分であるため、S
Gがそのまま出力される。
【0101】
以上より、S
R、S
G、S
Bは、以下のS
W+2R、S
G、S
W+2Bを用いた行列演算で取得できる。
【0103】
したがって、各画素D
R、D
G、D
Bから出力される3つの光電変換信号S
W+2R、S
G、S
W+2Bを用いた信号演算によって3つの色成分の強度情報であるS
R、S
G、S
Bを求めることができる。
【0104】
以上より、本実施形態4の構成のおいても、実施形態2と同様な機能を実現できる。本実施形態4は、上記実施形態2との相違点以外は実施形態2と同様であり、それら共通する構成要素は実施形態2で説明したものと同様の効果を有し、また、同様の変更が可能である。なお、色フィルタとの併用を用いた変形例においては、微小分光素子101直下の画素上にのみ、対応する色成分の色フィルタを配置することが望ましい。
【0105】
上述した実施形態1〜実施形態4は本発明の好適な具体例に過ぎず、本発明はこれらに限定されず、種々の変更が可能である。
【0106】
上述した実施形態1〜実施形態4では、微小分光素子101の材料としてSiNを想定した例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の撮像素子を光の波長が380〜800nmの範囲の可視光領域で用いる場合は、微小分光素子の材料には、SiN、SiC、TiO
2、GaN等の材料が、屈折率が高く、吸収損失が少ないため適している。また、波長が800〜1000nmの範囲の近赤外光に対しては、これらの光に対して低損失な材料として、Si、SiC、SiN、TiO
2、GaAs、GaN等の材料が適している。さらに長波長体の近赤外領域(通信波長である1.3μmや1.55μm等)では、上述の材料に加えて、InP等を用いることができる。さらに、貼り付け、塗布して微小分光素子を形成する場合、フッ素化ポリイミド等のポリイミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、光硬化性樹脂、UVエポキシ樹脂、PMMA等のアクリル樹脂、レジスト全般などのポリマー等が材料として挙げられる。
【0107】
同様に、上述した実施形態1〜実施形態4では、透明層111の材料としてSiO
2を想定した例を示したが、本発明はこれに限定されない。一般的なガラス材料、SiO
2、空気層等、屈折率が微小分光素子材料の屈折率より低く、入射光の波長に対して低損失なものであれば何でもよい。
【0108】
上述した実施形態1〜実施形態4では、微小分光素子101が対応する3波長域の光として、赤、緑、青の3原色の光である場合を説明したが、3波長域のうちの少なくとも1つが3原色以外の波長の光(例えば赤外光や紫外光)であっても良い。
【0109】
以上、本発明を具体的な実施の形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。