(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981516
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】画像形成装置、制御端末、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20211202BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20211202BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20211202BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20211202BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20211202BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 350
H04N1/00 127A
G03G21/00 390
B41J29/38 203
G06F3/12 322
G06F3/12 338
G06F3/12 392
G06F21/31
【請求項の数】19
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-178261(P2020-178261)
(22)【出願日】2020年10月23日
(62)【分割の表示】特願2019-191943(P2019-191943)の分割
【原出願日】2005年8月23日
(65)【公開番号】特開2021-36685(P2021-36685A)
(43)【公開日】2021年3月4日
【審査請求日】2020年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】桜井 直人
(72)【発明者】
【氏名】坂上 淳
(72)【発明者】
【氏名】小川 雅也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 弘司
【審査官】
橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−166033(JP,A)
【文献】
特開2004−234632(JP,A)
【文献】
特開2002−133303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
G06F 21/30−21/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を備える画像形成装置であって、
ユーザを識別するユーザ識別情報に、記憶媒体に記憶された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を関連付けて記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記記憶媒体識別情報と、前記ユーザが保有する記憶媒体から取得した記憶媒体識別情報とに基づいて認証処理を行う認証処理手段と、
前記認証処理に用いられた前記記憶媒体識別情報に基づいて特定されたユーザ識別情報によって、前記ユーザが使用可能な機能を特定する特定手段と、
前記特定した使用可能な機能を操作する操作画面を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記ユーザが使用可能な機能を、前記情報記憶手段に記憶された前記ユーザに対応する設定に基づいて特定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ユーザに対応する設定は、前記ユーザが使用可能な前記画像形成装置の機能に対応する使用可能機能情報であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
新たなユーザのユーザ識別情報に、前記使用可能機能情報と、記憶媒体識別情報とを関連付けて前記情報記憶手段に記憶する登録手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記憶媒体はICカードであり、
前記登録手段は、ICカードリーダーにより読み出されたICカードの情報を記憶媒体識別情報として前記情報記憶手段に記憶する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記情報記憶手段において前記ユーザが使用可能な機能として設定可能な前記複数の機能のうち、前記ユーザが使用可能な機能として設定されている機能を操作する機能操作ボタンを前記操作画面に表示し、前記ユーザが使用可能な機能として設定
されていない機能を操作する機能操作ボタンを前記操作画面に表示しないことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記特定手段によって特定される前記ユーザが使用可能な機能は、前記画像形成装置において前記ユーザの使用が許可される機能であって、
前記特定手段によって前記使用可能な機能を特定することによって、前記ユーザに対応した前記画像形成装置における使用可能な機能を限定することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記特定手段によって特定される前記ユーザが使用可能な機能は、スキャナ機能、複写機能、ファクシミリ機能、印刷機能のうち少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記特定されたユーザ識別情報に関連付けられた印刷データが、前記特定された前記ユーザが使用可能な機能の範囲内で印刷されるように制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記情報記憶手段に記憶される前記記憶媒体識別情報が関連付けられた前記ユーザ識別情報は、前記ユーザ識別情報に対して前記記憶媒体から読み取った前記記憶媒体識別情報が関連付けられた情報であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記情報記憶手段に記憶される前記記憶媒体識別情報及び前記ユーザ識別情報は、前記画像形成装置にネットワークを介して接続された管理サーバが記憶する前記記憶媒体識別情報及び前記ユーザ識別情報に変更があった場合に更新される情報であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記特定した使用可能な機能を実行した処理の処理結果データを管理サーバに送信する送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記記憶媒体は、多用途共通カード技術方式を用いた記憶媒体であることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記認証処理手段は、ICカード、ICチップを備えた定期券、及び携帯端末のいずれかの記憶媒体から取得された記憶媒体識別情報に基づいて認証処理を行うことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記記憶媒体識別情報は、前記記憶媒体の固有なカード識別子データであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
複数の機能を備える画像形成装置に接続された制御端末であって、
ユーザを識別するユーザ識別情報に、記憶媒体に記憶された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を関連付けて記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記記憶媒体識別情報と、前記ユーザが保有する記憶媒体から取得した記憶媒体識別情報とに基づいて認証処理を行う認証処理手段と、
前記認証処理に用いられた前記記憶媒体識別情報に基づいて特定されたユーザ識別情報によって、前記ユーザが使用可能な前記画像形成装置の機能を特定する特定手段と、を有し、
前記特定した使用可能な機能を操作する操作画面を表示手段に表示させることを特徴と
する制御端末。
【請求項17】
複数の機能を備える画像形成装置を用いて実行する情報処理方法であって、
ユーザを識別するユーザ識別情報に、記憶媒体に記憶された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を関連付けて記憶する情報記憶ステップと、
前記情報記憶ステップで記憶されている前記記憶媒体識別情報と、前記ユーザが保有する記憶媒体から取得した記憶媒体識別情報とに基づいて認証処理を行う認証処理ステップと、
前記認証処理に用いられた前記記憶媒体識別情報に基づいて特定されたユーザ識別情報によって、前記ユーザが使用可能な機能を特定する特定ステップと、
前記特定した使用可能な機能を操作する操作画面を表示する表示ステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項18】
複数の機能を備える画像形成装置を、
ユーザを識別するユーザ識別情報に、記憶媒体に記憶された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を関連付けて記憶する情報記憶手段、
前記情報記憶手段に記憶されている前記記憶媒体識別情報と、前記ユーザが保有する記憶媒体から取得した記憶媒体識別情報とに基づいて認証処理を行う認証処理手段、
前記認証処理に用いられた前記記憶媒体識別情報に基づいて特定されたユーザ識別情報によって、前記ユーザが使用可能な機能を特定する特定手段、及び
前記特定した使用可能な機能を操作する操作画面を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
複数の機能を備える画像形成装置に接続された制御端末を、
ユーザを識別するユーザ識別情報に、記憶媒体に記憶された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を関連付けて記憶する情報記憶手段、
前記情報記憶手段に記憶されている前記記憶媒体識別情報と、前記ユーザが保有する記憶媒体から取得した記憶媒体識別情報とに基づいて認証処理を行う認証処理手段、及び
前記認証処理に用いられた前記記憶媒体識別情報に基づいて特定されたユーザ識別情報によって、前記ユーザが使用可能な前記画像形成装置の機能を特定する特定手段、
として機能させ、
前記特定した使用可能な機能を操作する操作画面を表示手段に表示させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
画像形成装置
、制御端末、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、企業等の組織内において、複数のコンピュータ端末とスキャナ等の画像読取装置とをネットワークで接続し、画像読取装置を共用することがある。このような環境においては、画像データの機密性を確保するために、画像データを送信する宛先毎にパスワード等を設定し、認証する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この特許文献1に記載の技術では、宛先毎にユーザ名、パスワード、配信先情報及び宛先のユーザが他に利用可能な宛先情報を、宛先情報記憶手段に設定登録する。そして、一の宛先におけるユーザ認証に成功したユーザは、そのユーザが利用可能な他の宛先を、その宛先毎のパスワード入力を省略して利用できる。従って、ユーザの利便性を向上することができるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この特許文献1に記載の技術は、スキャナにより読み取った原稿の画像データを宛先に転送するため、ユーザがユーザ名、パスワードを入力して認証する認証方法が開示されているのみである。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、複合機等の印刷機能を備える機器の利用において、ICカード等の記憶媒体を用いてセキュリティを維持しながら利便的なユーザ認証ができる
画像形成装置
、制御端末、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、本発明に係る
画像形成装置は、
複数の機能を備える画像形成装置であって、
ユーザを識別するユーザ識別情報
に、記憶媒体に記憶された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を関連付け
て記憶す
る情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記記憶媒体識別情報と、前記ユーザが保有する記憶媒体から
取得した記憶
媒体識別情報とに基づいて認証処理を行う認証
処理手段と、
前記認証処理に用いられた前記記憶媒体識別情報に基づいて特定されたユーザ識別情報によって、前記ユーザが使用可能な機能を特定する
特定手段と、
前記特定した使用可能な機能を操作する操作画面を表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る制御端末は、複数の機能を備える画像形成装置に接続された制御端末であって、ユーザを識別するユーザ識別情報に、記憶媒体に記憶された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を関連付けて記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶されている前記記憶媒体識別情報と、前記ユーザが保有する記憶媒体から取得した記憶媒体識別情報とに基づいて認証処理を行う認証処理手段と、前記認証処理に用いられた前記記憶媒体識別情報に基づいて特定されたユーザ識別情報によって、前記ユーザが使用可能な前記画像形成装置の機能を特定する特定手段と、を有し、前記特定した使用可能な機能を操作する操作画面を表示手段に表示させることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る
情報処理方法は、
複数の機能を備える画像形成装置を用いて実行する情報処理方法であって、ユーザを識別するユーザ識別情報に、記憶媒体に記憶された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を関連付けて記憶する情報記憶ステップと、前記情報記憶ステップで記憶されている前記記憶媒体識別情報と、前記ユーザが保有する記憶媒体から取得した記憶媒体識別情報とに基づいて認証処理を行う認証処理ステップと、前記認証処理に用いられた前記記憶媒体識別情報に基づいて特定されたユーザ識別情報によって、前記ユーザが使用可能な機能を特定する特定ステップと、前記特定した使用可能な機能を操作する操作画面を表示する表示ステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
本発明に係
るプログラムは、
複数の機能を備える画像形成装置
を、ユーザを識別するユーザ識別情報
に、記憶媒体に記憶された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を関連
付け
て記憶す
る情報記憶手
段、前記情報記憶手段に記憶されている前記記憶媒体識別情報と、前記ユーザが保有する記憶媒体から
取得した記憶
媒体識別情報とに基づいて認証処理を行う認証
処理手段
、前記認証処理に用いられた前記記憶媒体識別情報に基づいて特定されたユーザ識別情報によって、前記ユーザが使用可能な機能を特定する
特定手段
、及び前記特定した使用可能な機能を操作する操作画面を表示する表示手段、として機能させることを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、複数の機能を備える画像形成装置に接続された制御端末を、ユーザを識別するユーザ識別情報に、記憶媒体に記憶された前記記憶媒体を識別する記憶媒体識別情報を関連付けて記憶する情報記憶手段、前記情報記憶手段に記憶されている前記記憶媒体識別情報と、前記ユーザが保有する記憶媒体から取得した記憶媒体識別情報とに基づいて認証処理を行う認証処理手段、及び前記認証処理に用いられた前記記憶媒体識別情報に基づいて特定されたユーザ識別情報によって、前記ユーザが使用可能な前記画像形成装置の機能を特定する特定手段、として機能させ、前記特定した使用可能な機能を操作する操作画面を表示手段に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複合機等の印刷機能を備える機器の利用において、セキュリティを維持しながら効率的に処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】印刷データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【
図3】認証マスタデータ記憶部に記録されたデータの説明図。
【
図4】ログデータ記憶部に記録されたデータの説明図。
【
図5】複合機及びこの複合機を制御する制御端末の構成を示すブロック図。
【
図6】実施形態における処理手順を説明するための流れ図。
【
図7】機能表示段階においてタッチパネルに表示される画面。
【
図8】実施形態における処理手順を説明するための流れ図。
【
図9】概要表示段階においてタッチパネルに表示される画面。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を
図1〜
図9に基づいて説明する。本実施形態のシステムは、クライアント端末10、印刷データ記憶手段としての印刷サーバ20、管理サーバ30、複数の複合機40及び各複合機40に対応して設けられている制御端末50が、ネットワークNを介して接続されている。
【0012】
本実施形態では、複合機40を使用する場合には、非接触式のICカードを用いる。このICカードは、多用途共通カード技術方式、例えばFeliCa(登録商標)方式の情報記憶媒体であり、ユーザの定期券や社員証として用いられたり、ユーザが所有する携帯電話端末に付随されたりしている。このICカードは、公知のように、ICチップを備えており、このICチップ中にそのカードに固有なカード識別子データが記憶されている。
【0013】
一方、
図1に示すように、本実施形態のシステムに用いられるクライアント端末10は、印刷データを生成するためにユーザが用いるコンピュータ端末である。このクライアント端末10は、印刷指示や印刷ファイルを表示するためのディスプレイ、指示やファイルの選択を行なうキーボード及びマウスを備える。また、クライアント端末10は、ハードディスク等の内蔵メモリ(データ記憶部)を備えている。この内蔵メモリは、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、生成した印刷ジョブデータを一時的に蓄積する。
【0014】
印刷サーバ20は、印刷ジョブデータ210を記憶する印刷データ記憶部21を有している。印刷ジョブデータ210は、クライアント端末10からデータを受信すると生成され、印刷が完了した結果データを受信すると削除される。印刷ジョブデータ210は、
図2に示すように、印刷ジョブ識別子、ユーザ識別子、概要及び印刷に関するデータを含んで構成される。
【0015】
印刷ジョブ識別子データ領域には、この印刷ジョブを特定するための識別子データが記憶される。
ユーザ識別子データ領域には、この印刷ジョブの実行を指示したユーザを特定するための識別子データが記憶される。
【0016】
概要データ領域には、この印刷ジョブの概要データが記録される。この概要データは、後述するように印刷ジョブをユーザに選択させる際にその印刷ジョブの概要として表示するデータである。本実施形態では、この概要データには、そのファイル名、実行指示の時刻、容量などに関するデータを含む。
【0017】
印刷データ領域には、この印刷ジョブの印刷データが記録される。この印刷データ領域に記録されたデータに基づいて、複合機40は印刷を行なう。
管理サーバ30は、記憶媒体認証記憶手段及び使用可能機能範囲データ記憶手段としての認証マスタデータ記憶部31及びログデータ記憶手段としてのログデータ記憶部32を備えている。
【0018】
認証マスタデータ記憶部31は、認証マスタデータ310を記憶しており、各制御端末50に記憶される後述する認証データの管理を行なう。この認証マスタデータ310は、
図3に示すように、ユーザ登録が行われたときに記録され、変更があったときに更新される。認証マスタデータ310は、ユーザ識別子、使用可能機能識別子、ログインユーザ識別子、ログインパスワード及び、記憶媒体識別子としてのカード識別子に関するデータを含んで構成される。
【0019】
ユーザ識別子データ領域には、ユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
使用可能機能識別子データ領域には、このユーザが複合機40において使用できる機能範囲を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0020】
ログインユーザ識別子データ領域には、このユーザがクライアント端末10へのログイン時に用いるユーザ識別子データが記録される。
ログインパスワードデータ領域には、このユーザがクライアント端末10へのログイン時に用いるログインパスワードデータが記録される。このログインユーザ識別子データとログインデータによって、ユーザが特定されて、ユーザに応じた状態でクライアント端末10を使用することができる。
【0021】
カード識別子データ領域には、このユーザが保有するICカードのカード識別子が記録される。ここで、本実施形態では、ユーザが保有する複数の多用途共通カード技術方式を用いた情報記憶媒体を登録することができる。例えば、FeliCa(登録商標)が搭載された定期券や携帯電話等をユーザが保有している場合には、これら定期券のFeliCa(登録商標)のカード識別子や携帯電話のFeliCa(登録商標)のカード識別子を、カード識別子として複数、登録することができる。
【0022】
ログデータ記憶部32は、各複合機40において行われた処理についてのログデータ320を記録する。このログデータ320は、複合機40において何らかの処理が行われたときに記録される。このログデータ320は、
図4に示すように、複合機識別子、処理時刻、処理識別フラグ、ユーザ識別子及び処理状況に関するデータを含んで構成されている。
【0023】
複合機識別子データ領域には、処理を行った複合機40を特定するための識別子に関するデータが記録される。
処理時刻データ領域には、複合機40において処理を行った時刻に関するデータが記録される。
【0024】
処理識別フラグデータ領域には、複合機40において行われた処理を識別するためのフラグが記録される。
ユーザ識別子データ領域には、複合機40において処理を行ったユーザを特定するためのフラグが記録される。
【0025】
処理状況フラグデータ領域には、複合機40において行われた処理の状況を識別するためのフラグデータが記録される。このフラグデータから、処理が完了したとか、処理が中止したなどの状況を把握することができる。
【0026】
一方、複合機40は、
図5に示すように、スキャナ機能手段42、複写機能手段43、ファクシミリ機能手段44、印刷機能手段45、表示手段46及び指示入力手段47等を有する。スキャナ機能手段42は、スキャナを機能させる。複写機能手段は、コピーを行なう。ファクシミリ機能手段44は、紙媒体に書かれた文字や画像を読み取って電子データに変換し通信回線により送信する。印刷機能手段45は、印刷データに基づいて印刷を行なう。表示手段46は、ユーザに対して指示選択等のための表示を行ない、指示入力手段47は、ユーザの指示を受け入れる。本実施形態では、複合機40には、タッチパネルが設けられており、このタッチパネルが表示手段46及び指示入力手段47となる。具体的には、表示手段46はタッチパネルに所定の画面を表示し、指示入力手段47は、タッチパネル上でユーザが選択された事項を、ユーザからの指示と特定する。
【0027】
制御端末50は、複合機40毎に一対一で対応して設けられており、対応する複合機40を外部から制御を行なう。この制御端末50は、それぞれの複合機40に、直接接続されているとともに、ネットワークNを介して複合機40、クライアント端末10、印刷サーバ20及び管理サーバ30に接続されている。制御端末50は、制御手段51を備える。この制御手段51は、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(特定段階、表示段階及び印刷処理実行段階等を含む処理)を行なう。これにより、制御手段51は、特定手段、表示手段及び印刷処理実行手段等として機能する。
【0028】
ここで、特定手段は、記憶媒体識別子読取手段を介して取得した記憶媒体識別子に基づいて、記憶媒体認証記憶手段に記憶されたユーザ識別子を特定し、このユーザ識別子に基づいて複合機の使用可能機能範囲を、使用可能機能範囲データ記憶手段に記憶されたデータを用いて特定する。表示手段は、特定したユーザの使用可能機能範囲に対応する複合機の機能を稼動させるための操作画面を前記表示手段に出力する。印刷処理実行手段は、複合機の印刷機能を使用するユーザのユーザ識別子を特定し、このユーザ識別子に関連付けられた印刷データを印刷データ記憶手段から取得し、この印刷データに基づいて前記複合機に印刷処理を実行させる。
【0029】
更に、制御端末50は、認証データ記憶部52を備える。この認証データ記憶部52は、カード識別子に関連付けてユーザの複合機40の使用可能機能範囲を特定する認証データが記録されている。具体的には、この認証データは、上記認証マスタデータ記憶部31におけるユーザ識別子、使用可能機能識別子及びカード識別子に関するデータを含んで構成されている。この認証データは、認証マスタデータ記憶部31の認証マスタデータ310のデータが更新されたとき又は定期的に更新される。
【0030】
また、制御端末50は、記憶媒体識別子読取手段としてのカードリーダ装置55に接続されている。このカードリーダ装置55は、読み取り部にICカードをかざすことにより、このICカードのカード識別子データを読み取る。そして、カードリーダ装置55は、読み取ったカード識別子データを制御端末50に送信する。
【0031】
次に、上述した管理システムにおける処理について、
図6を用いて説明する。
まず、ユーザが複合機40の使用に先立って行われるカード識別子データの登録処理について説明する。この登録処理においては、まず、本システムの利用を希望するユーザに対してユーザ識別子を付与する。そして、このユーザ識別子に関連付けて、このユーザが用いるログインデータとログインパスワードデータを認証マスタデータ記憶部31に記録する。
【0032】
次に、ユーザが保有するICカードのカード識別子データを読み取る。ここでは、多用途共通カード技術方式を利用している媒体であれば、定期券、携帯電話端末等、どのようなものであってもよい。そして、管理サーバ30は、読み取ったカード識別子データを、ユーザ識別子と関連付けて、認証マスタデータ記憶部31に記録する。
【0033】
更に、管理サーバ30は、そのユーザに対応する使用可能機能識別子データを認証マスタデータ記憶部31に記録する。そして、管理サーバ30は、クライアント端末10を介してそのユーザが使用できる複合機40の機能を設定する指示を受け付け、その使用できる機能に対応する使用可能機能識別子のフラグを記録する。
【0034】
その後、ユーザが多用途共通カード技術方式を搭載している機器やカードを取得した場合には、追加登録することも可能である。具体的には、管理サーバ30は、ユーザが新たに取得した機器やカードからICカードのカード識別子データを読み取り、そのICカードのカード識別子データをユーザ識別子と関連付けて、そのユーザの新たなICカードのカード識別子データとして追加する。
【0035】
そして、制御端末50の認証データ記憶部52に記憶している認証データを更新する。具体的には、認証マスタデータ記憶部31のデータに変更があった場合、管理サーバ30は、複合機40の制御端末50の認証データ記憶部52に記憶している認証データを、新たに変更された認証マスタデータ310を用いて更新する。なお、制御端末50が、認証マスタデータ310に基づいて、認証データ記憶部52に記憶している認証データを所定時間毎に更新することも可能である。以上により、カード識別子データの登録処理が完了する。
【0036】
次に、複合機40の処理について、
図6及び
図7を用いて説明する。
複合機40の待機時には、制御端末50は、複合機40の表示手段46に初期画面を表示する(ステップS1−1)。具体的には、制御端末50の制御手段51は、複合機40の表示手段46のタッチパネルに、制御端末50のカードリーダ装置55にユーザのICカードをかざす指示を表示する。
【0037】
そして、ユーザは、複合機40を使用するため、ユーザのカードをかざす。具体的には、ユーザは、複合機40と対応した制御端末50のカードリーダ装置55に、ICカードが付加されている定期券や携帯電話機等をかざす。カードリーダ装置55は、所定範囲内に、非接触式のICカードが至ったことを検知すると、そのICカードのメモリから、そのカード識別子データを読み出して、制御端末50に送信する。制御端末50は、受信したカード識別子データを読み取る(ステップS1−2)。
【0038】
次に、制御端末50は、認証処理を行なう(ステップS1−3)。具体的には、制御端末50は、読み取ったカード識別子データに一致するカード識別子データを、認証データ記憶部52から検索する。そして、一致するカード識別子データがあった場合には、ユーザを特定して認証処理が完了する。
【0039】
次に、制御端末50は、機能表示を行なう(ステップS1−4)。具体的には、制御端末50は、特定したユーザの使用可能機能識別子を特定し、この使用可能機能識別子に対応する機能操作ボタンを含む操作画面データを生成する。そして、制御端末50は、生成した操作画面データに基づく画面を複合機40の表示手段46に表示する。
【0040】
例えば、ユーザが、スキャナ機能手段42、複写機能手段43、ファクシミリ機能手段44、印刷機能手段45を使用できる場合には、複合機40の表示手段46に、
図7に示すように、これらを動作させるファクシミリボタン501、コピーボタン502、プリントボタン503及びスキャナボタン504を含む操作画面500を表示させる。また、ユーザがファクシミリ機能手段44のみを使用できる場合には、
図7の複写機能を操作させるファクシミリボタン501を含む操作画面が表示される。ここで、ユーザは、例えば
図7に示された操作画面500に表示されたボタンを選択して、複合機40に所望の処理を行なわせる。
【0041】
具体的には、制御端末50は、複合機40の表示手段46を介して取得したユーザからの指示に基づいて、通常処理を行なう(ステップS1−5)。例えば、ユーザがファクシミリを使用する場合には、ファクシミリボタン501が選択されるので、制御端末50の制御手段51は複合機40のファクシミリ機能手段44を稼動させる。これにより、複合機40は、原稿をスキャンして電子データを生成する。
【0042】
そして、通常処理が終了すると、制御端末50は、処理結果データを管理サーバ30に送信する(ステップS1−6)。例えば、制御端末50は、ファクシミリ処理が完了した場合には、この複合機40の識別子、その処理を行った処理時刻、その処理がファクシミリであることを示すフラグ、その処理を行なうときに認証したユーザ識別子及び処理が完了したことを示すフラグを、ネットワークNを介して管理サーバ30に送信する。なお、途中で処理が中断された場合には、処理が中断したことを示す処理フラグを含んだ処理結果データを管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、受信したデータをログデータ320としてログデータ記憶部32に記録する。
【0043】
(印刷処理)
次に、例えば複合機40を用いて印刷を実行する処理について、
図8及び
図9を用いて説明する。
【0044】
まず、ユーザは、クライアント端末10において印刷データを生成する。このとき、ユーザは、自分のログインデータ及びログインパスワードを用いてログインをした上で、クライアント端末10を使用する。そして、ユーザは、印刷を行なうファイルについて印刷実行を指示する。これにより、クライアント端末10は、選択されたファイルデータを印刷データに変換して生成する。続いて、クライアント端末10は、生成した印刷データ、印刷実行を指示したユーザのログインデータを印刷サーバ20に送信する。印刷サーバ20は、受信した印刷データに印刷ジョブ識別子を付与し、この印刷ジョブ識別子データとともに印刷データを印刷データ記憶部21に記録する。そして、印刷サーバ20は、受信したログインデータに基づいて、認証マスタデータ記憶部31から印刷実行をしたユーザ識別子データを特定し、印刷データ記憶部21に記録する。更に、印刷データのファイル名、大きさ等を概要データとして印刷データ記憶部21に記録する。
【0045】
その後、印刷実行を指示した印刷データの出力を行なう場合には、ユーザは、複合機40の設置場所に赴く。待機時には、この複合機40の表示手段46には、初期画面が表示されている(ステップS2−1)。そこで、ユーザが、制御端末50のカードリーダ装置55に、ICカードが付いている定期券や携帯電話機等をかざす。これにより、制御端末50は、カード識別子データをカードリーダ装置55から取得してカードデータを読み取り(ステップS2−2)、認証処理を行なう(ステップS2−3)。
【0046】
認証処理においてユーザの認証が完了した場合には、制御端末50は、
図7に示すような操作画面500をタッチパネルに表示して、機能表示を行なう(ステップS2−4)。
ここで、ユーザにより操作画面500において印刷を行なうプリントボタン503が選択されると、制御端末50は、複合機40から印刷出力指示を受ける(ステップS2−5)。これにより、制御端末50は、ユーザの印刷データの概要を表示する(ステップS2−6)。具体的には、制御端末50は、認証したユーザのユーザ識別子データを有し未印刷の印刷ジョブデータ210を、印刷データ記憶部21において特定する。そして、制御端末50は、特定した印刷ジョブを概要とともに列挙した印刷待ち一覧データを生成する。そして、制御端末50は、この印刷データに基づいて、複合機40の表示手段46のタッチパネルに、
図9に示すようなユーザのジョブ一覧画面600を表示する。
【0047】
このジョブ一覧画面600には、印刷ジョブ毎に対応するボタン610が表示されている。このボタン610には、印刷ジョブの概要(ファイル名、大きさ等)が表示されており、印刷ジョブ識別子が関連付けられている。そこで、ユーザが、ジョブ一覧画面600の中から1つのジョブを選択すると、複合機40は、選択された印刷ジョブの印刷ジョブ識別子データを制御端末50に送信する。これにより、制御端末50は、出力ジョブの指示を受ける(ステップS2−7)。
【0048】
そして、制御端末50は、選択された出力ジョブの印刷ジョブ識別子に基づいて、印刷サーバ20から印刷データを取得する(ステップS2−8)。具体的には、制御端末50は、指示を受けた出力ジョブの印刷ジョブ識別子データが付された印刷データを印刷サーバ20からネットワークNを介して取得する。制御端末50は、取得した印刷データを複合機40に送信して、複合機40に印刷を実行させる(ステップS2−9)。
【0049】
その後、複合機40において印刷が完了すると、複合機40は、印刷が完了した信号を制御端末50に送信する。制御端末50は、印刷処理結果が完了したことを示す処理結果データを管理サーバ30に送信する。ここで、制御端末50は、印刷を実行した複合機40の識別子、印刷を行った処理時刻、その処理が印刷であることを示すフラグ、その処理を行なうときに認証したユーザ識別子、印刷ジョブ識別子及び処理が完了したことを示すフラグを送信する。そして、管理サーバ30は、受信したデータをログデータ320としてログデータ記憶部32に記録する。更に、管理サーバ30は、この印刷ジョブ識別子データを印刷サーバ20に送信する。印刷サーバ20は、受信した印刷ジョブ識別子データを有する印刷ジョブデータ210を削除する。
【0050】
以上により、印刷処理が完了する。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
○ 本実施形態では、制御端末50は、認証データを記録した認証データ記憶部52を備える。認証データは、ユーザ識別子、使用可能機能識別子及びカード識別子に関するデータを含んで構成されている。複合機40の待機時には、制御端末50は、複合機40の表示手段46に、ユーザのICカードをかざす指示を含む初期画面を表示する(ステップS1−1)。ユーザがカードをかざすと、制御端末50は、受信したカード識別子データに基づいて認証処理を行ない(ステップS1−3)、特定したユーザの使用可能機能識別子に対応する機能操作ボタンを含む表示画面を、複合機40の表示手段46に表示する。従って、ユーザに対応して複合機の使用機能を限定することができるため、複合機における処理のセキュリティを高めることができる。
【0051】
○ 本実施形態では、制御端末50に記録される認証データは、認証マスタデータ記憶部31の認証マスタデータ310のデータが更新されたとき又は定期的に更新される。このため、ユーザ識別子データに関する情報は認証マスタデータ記憶部31において一元管理できるとともに、認証データを随時更新することができるので、より適切に複合機40の処理管理を行なうことができる。
【0052】
○ 本実施形態では、制御端末50は、複合機40毎に一対一で対応して設けられている。制御端末50は、この認証データ記憶部52に記録されている認証データを用いて、ユーザを特定する。このため、複合機40がネットワークNを介して管理サーバ30に接続できない場合や管理サーバ30が停止した場合であっても、ユーザに応じた処理を行なうことができる。
【0053】
○ 本実施形態では、ユーザを特定するために用いるICカードとして、ユーザが所有する携帯電話端末や定期券、社員証などに付随している多用途共通カード技術方式(例えばFeliCa(登録商標))の情報記憶媒体を用いる。この多用途共通カード技術方式は、定期券や携帯電話機など広く用いられているため、ユーザを特定するために、専用のICカードを別途用いる必要がない。また多用途共通カード技術方式の情報記憶媒体は、定期券や携帯電話機などに広く用いられているため、多用途共通カード技術方式の情報記憶媒体をユーザが何かしら常に所持している可能性が高い。従って、ユーザはICカードの不携帯により複合機が使用できない機会が少なくなり、利便性が向上する。
【0054】
○ 本実施形態では、制御端末50は、通常処理が終了すると、処理結果データを管理サーバ30に送信する(ステップS1−6)。管理サーバ30は、受信したデータをログデータ320としてログデータ記憶部32に記録する。すなわち、複合機40における処理の履歴をログデータ記憶部32に記録するため、複合機40において行われた処理を後からでも把握することができる。
【0055】
○ 本実施形態では、ユーザが、ログインデータ及びログインパスワードを用いてログインをした上で、クライアント端末10を使用して印刷実行を指示と、クライアント端末10は、選択されたファイルデータを印刷データに変換して生成し、この印刷データと、印刷実行を指示したユーザのログインデータを印刷サーバ20に送信する。印刷サーバ20は、印刷ジョブ識別子データとともに印刷データを印刷データ記憶部21に記録する。そして、印刷サーバ20は、受信したログインデータに基づいて、認証マスタデータ記憶部31から印刷実行をしたユーザ識別子データを特定し、印刷データ記憶部21に記録する。このため、ログインデータを用いてユーザを特定し、そのユーザのユーザ識別子と印刷データとを関連付けて記憶することができるので、ユーザの利便性を向上させて、印刷データのセキュリティを高めることができる。また、制御端末50は、印刷データを記憶している印刷サーバ20から印刷データを取得し(ステップS2−8)、複合機40に印刷を実行させる(ステップS2−9)。このため、複合機40は、印刷するときには印刷サーバ20から取得すればよいので、システムに接続される複合機40であれば、どの複合機40からでも印刷を行なうことができる。すなわち、ユーザは、印刷データを送信した後、複合機40の混雑状況やエラー状況などに応じて、印刷する複合機40を適宜、選択した上、出力を行なうことができる。
【0056】
○ 本実施形態では、クライアント端末10において生成された印刷データは、印刷サーバ20の印刷データ記憶部21に記録する。このため、各制御端末50は、ユーザの印刷データを印刷データ記憶部21から特定して印刷を実行することができる。従って、ユーザは、どの複合機40からも印刷データに基づく印刷を出力することができる。
【0057】
○ 本実施形態では、複合機40において印刷が完了すると、制御端末50は、印刷処理結果が完了したことを示す処理結果データを管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、受信したデータをログデータ320としてログデータ記憶部32に記録し、印刷ジョブ識別子データを印刷サーバ20に送信する。印刷サーバ20は、受信した印刷ジョブ識別子データを有する印刷ジョブデータ210を削除する。このため、印刷が完了すると印刷ジョブデータ210が削除されるので、印刷サーバ20のメモリを有効に利用することができる。
【0058】
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態においては、制御端末50は、複合機40の表示手段46によって表示をしたり、複合機40の指示入力手段47からユーザの指示を受けたりした。これに限らず、制御端末50に表示手段や指示入力手段を設け、制御端末50において表示を行なったりユーザからの指示を受けたりしてもよい。
【0059】
・上記実施形態においては、制御端末50を、複合機40とは別に設けた。これに限らず、制御端末50を複合機40と一体に設けてもよい。
・上記実施形態においては、ICカードとしてFeliCa(登録商標)技術方式の情報記憶媒体を用いた。ICカードは、これに限られることなく、他のICカードを用いてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…クライアント端末、20…印刷データ記憶手段としての印刷サーバ、30…管理サーバ、31…記憶媒体認証記憶手段及び使用可能機能範囲データ記憶手段としての認証マスタデータ記憶部、32…ログデータ記憶手段としてのログデータ記憶部、40…複合機、46…表示手段、51…制御手段、55…記憶媒体識別子読取手段としてのカードリーダ装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特開2004−222141号公報(第2頁〜第4頁)