特許第6981602号(P6981602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981602
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月15日
(54)【発明の名称】二次電池及びその二次電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/184 20210101AFI20211202BHJP
   H01M 50/191 20210101ALI20211202BHJP
   H01M 50/193 20210101ALI20211202BHJP
   H01M 50/198 20210101ALI20211202BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20211202BHJP
   H01M 50/105 20210101ALN20211202BHJP
   H01M 50/152 20210101ALN20211202BHJP
【FI】
   H01M50/184 D
   H01M50/191
   H01M50/193
   H01M50/198
   H01M10/0587
   !H01M50/105
   !H01M50/152
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-530140(P2019-530140)
(86)(22)【出願日】2018年3月23日
(65)【公表番号】特表2020-514950(P2020-514950A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(86)【国際出願番号】KR2018003407
(87)【国際公開番号】WO2018190530
(87)【国際公開日】20181018
【審査請求日】2019年7月11日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0048646
(32)【優先日】2017年4月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、ド ギュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、サン スク
(72)【発明者】
【氏名】リー、ビョン クク
(72)【発明者】
【氏名】シン、ハン スー
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ゲオン ウー
(72)【発明者】
【氏名】リー、ビョン グ
(72)【発明者】
【氏名】キム、チャン ベ
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−126545(JP,A)
【文献】 特開平06−260211(JP,A)
【文献】 特許第3621678(JP,B2)
【文献】 国際公開第2008/041451(WO,A1)
【文献】 特開平11−021516(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0139357(KR,A)
【文献】 特開平09−120806(JP,A)
【文献】 特開平10−289729(JP,A)
【文献】 特開2008−097965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10
H01M 10/058
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成される缶部材と、
前記開口部を密封するトップキャップ組立体と、
前記開口部と前記トップキャップ組立体の間を絶縁するガスケットと、
前記ガスケットの表面に塗布されるホットメルトとを含み、
前記ホットメルトは、所定の温度以上では流動性及び粘性が発生し、前記所定の温度未満では固まり、
前記ホットメルトはカップリングエージェント(coupling agent)を含み、前記カップリングエージェントは、ビニルシランであ
前記ホットメルトは粘着付与剤を含み、前記粘着付与剤は、カーボン系樹脂及びロジン系樹脂のうち何れか一つ以上である、二次電池。
【請求項2】
前記所定の温度は、ガラス転移温度(Tg)である請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記所定の温度は、60℃である請求項1又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記ホットメルトは、前記所定の温度以上で粘着性を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項5】
前記ホットメルトは、
温度の昇降によって前記所定の温度以上で粘性が発生し、前記所定の温度未満で固まる状態を反復的に有し得る物質である請求項1から3のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記ホットメルトは、熱可塑性樹脂及び粘着付与剤(tackifier)の組合せでなる請求項1から3のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂である請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
缶部材、トップキャップ組立体、ガスケットを準備する準備段階と、
前記ガスケットの表面に有機溶媒に溶かしたホットメルトを塗布する塗布段階と、
前記塗布段階以後に前記ガスケットを乾燥させることによって前記有機溶媒を蒸発させる乾燥段階と、
前記乾燥段階以後、前記缶部材と前記トップキャップ組立体と前記ガスケットを互いに組立て二次電池を組立てる組立段階と、
前記二次電池を活性化する活性化段階とを含み、
前記活性化段階において、前記ホットメルトは温度変化により状態変化を経て、状態変化する前記ホットメルトによって前記ガスケットが前記缶部材及びトップキャップ組立体に気密に接着され、
前記ホットメルトはカップリングエージェント(coupling agent)を含み、前記カップリングエージェントは、ビニルシランであり、
前記ホットメルトは粘着付与剤を含み、前記粘着付与剤は、カーボン系樹脂及びロジン系樹脂のうち何れか一つ以上である、二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記活性化段階は、
前記二次電池を常温でエージングする常温エージング(aging)工程と、
前記常温エージングより高い温度である60℃以上の温度環境でエージングする高温エージング工程と、
前記高温エージング工程以後、前記高温エージング工程より温度が低い60℃未満の温度環境で前記二次電池を充放電する充放電工程とを含む請求項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記ホットメルトは、前記常温エージング工程時は固まっているが、
前記高温エージング工程時に流動性及び粘性を有する物質に状態変化し、
常温で再び固まる請求項に記載の二次電池の製造方法。
【請求項11】
前記有機溶媒は、トルエン(toluene)、キシレン(xylene)、メチルエチルケトン(methyl ethyle ketone)のうち少なくとも何れか一つ以上でなる物質である請求項から10のいずれか一項に記載の二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年4月14日付け韓国特許出願第2017−0048646号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、二次電池及びその二次電池の製造方法に関し、より詳しくは、シーリング特性が向上された二次電池及びその二次電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
物質の物理的反応や化学的反応を介して電気エネルギーを生成させ外部に電源を供給するようになる電池(cell、battery)は、各種電気電子機器で取り囲まれている生活環境によって、建物に供給される交流電源を獲得できない場合や直流電源が必要な場合に用いるようになる。
【0004】
このような電池のうち、化学的反応を利用する化学電池である一次電池と二次電池が一般的に多く用いられているが、一次電池は乾電池と通称されるものであって、消耗性電池である。また、二次電池は、電流と物質の間の酸化還元過程が多数繰り返し可能な素材を用いて製造される再充電式電池であって、電流によって素材に対する還元反応が行われれば電源が充電され、素材に対する酸化反応が行われれば電源が放電されるが、このような充電−放電が反復的に行われることで電気が生成されるようになる。
【0005】
一方、二次電池のうちリチウムイオン電池は、正極導電ホイルと負極導電ホイルにそれぞれ活物質を一定の厚さでコーティングし、前記両導電ホイルの間には分離膜が介在されるようにし、大略ゼリーロール(jelly roll) あるいは円筒形態で多数回巻取って製作した電極組立体を円筒型又は角形缶、パウチ等に収納しこれを密封処理して製作される。
【0006】
韓国公開特許第10−2010−0036316号公報には、従来の非水性電気化学電池用の耐透湿性密封部材が開示されている。
【0007】
従来の二次電池において、ガスケット(gasket)部のシーリング(sealing)は、ガスケットを缶部材の上端と共に物理的な力で圧縮しシーリングする方式で、部品の寸法又は組立工程の偏差によって液漏れが発生するか、水分浸透によって性能が低下する問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の課題は、シーリング特性が向上された二次電池及びその二次電池の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態による二次電池は、開口部が形成される缶部材と、前記開口部を密封するトップキャップ組立体と、前記開口部と前記トップキャップ組立体の間を絶縁するガスケット及び前記ガスケットの表面に塗布されるホットメルトとを含み、前記ホットメルトは、所定の温度以上では流動性及び粘性が発生し、前記所定の温度未満では固まることを特徴とする。
【0010】
前記所定の温度は、ガラス転移温度(Tg)であってよい。
【0011】
前記所定の温度は、60℃であってよい。
【0012】
前記ホットメルトは、前記所定の温度以上で粘着性を有し得る。
【0013】
前記ホットメルトは、温度の昇降によって前記所定の温度以上で粘性が発生し、前記所定の温度未満で固まる状態を反復的に有し得る物質であってよい。
【0014】
前記ホットメルトは、熱可塑性樹脂及び粘着付与剤(tackifier)の組合せであってよい。
【0015】
前記ホットメルトは、カップリングエージェント(coupling agent)をさらに含んでよい。
【0016】
前記熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂であってよい。
【0017】
前記粘着付与剤は、フェノール系樹脂、カーボン系樹脂及びロジン系樹脂のうち何れか一つ以上であってよい。
【0018】
前記カップリングエージェントは、シリコン系であるアミノシラン、ビニルシランのうち何れか一つ以上であってよい。
【0019】
本発明の一実施形態による二次電池の製造方法は、缶部材、トップキャップ組立体、ガスケットを準備する準備段階と、前記ガスケットの表面に有機溶媒に溶かしたホットメルトを塗布する塗布段階と、前記塗布段階の以後に前記ガスケットを乾燥させることによって前記有機溶媒を蒸発させる乾燥段階と、前記乾燥段階の以後に前記缶部材と前記トップキャップ組立体と前記ガスケットを互いに組立て二次電池を組立てる組立段階と、前記二次電池を活性化する活性化段階とを含み、前記活性化段階において、前記ホットメルトは温度変化により状態変化を経て、状態変化する前記ホットメルトによって前記ガスケットが前記缶部材及びトップキャップ組立体に気密に接着されることを特徴とする。
【0020】
前記活性化段階は、前記二次電池を常温でエージングする常温エージング(aging)工程と、前記常温エージングより高い温度である60℃以上の温度環境でエージングする高温エージング工程と、前記高温エージング工程の以後、前記高温エージング工程より温度が低い60℃未満の温度環境で前記二次電池を充放電する充放電工程とを含んでよい。
【0021】
前記ホットメルトは、前記常温エージング工程時は固まっているが、前記高温エージング工程時に流動性及び粘性を有する物質に状態変化し、常温で再び固まり得る。
【0022】
前記有機溶媒は、トルエン(toluene)、キシレン(xylene)、メチルエチルケトン(methyl ethyle ketone)のうち少なくとも何れか一つ以上でなる物質であってよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ガスケットが缶部材とトップキャップ組立体に接着され、シーリング特性が向上される効果がある。
【0024】
本発明によれば、ガスケットに塗布されるホットメルトにカップリングエージェントを含み、接着性向上及び防水特性を強化する効果がある。
【0025】
本発明によれば、ガスケットにホットメルトを塗布して耐化学性を増加させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態による二次電池を示した斜視図である。
図2図1をA−A線に沿って切開し示した断面図である。
図3図2において、ガスケットがトップキャップ組立体と缶部材に接着する重要部を一部拡大し示した一部拡大図である。
図4】本発明の一実施形態による二次電池の製造方法を示した流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態による二次電池及びその二次電池の製造方法に対して詳しく説明する。
【0028】
本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最も最善の方法によって説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に即し、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁する訳ではないため、本出願時点において、これらを代替できる多様な均等物があり得ることを理解しなければならない。
【0029】
図面において、各構成要素又はその構成要素を成す特定部分の大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたり、省略されたり、又は概略的に示されている。したがって、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全面的に反映するものではない。関連する公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合、そのような説明は省略する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態による二次電池を示した斜視図であり、図2は、図1をA−A線に沿って切開し示した断面図である。
【0031】
図1から図2に示された通り、本発明の一実施形態による二次電池は、開口部11が形成される缶部材10、前記開口部11を密封するトップキャップ組立体20、前記開口部11と前記トップキャップ組立体20の間を絶縁するガスケット30及び前記ガスケット30の表面に塗布されるホットメルト40を含む。
【0032】
缶部材10は、円形又は角形のリチウムイオン2次電池において、大略上側が開放された形状を有する金属材質の容器であり、軽くて腐食に対処が容易なアルミニウム(Al)又はスチール(steel)にニッケル(Ni)をメッキした素材であってよい。
【0033】
そして、缶部材10は、電極組立体と電解液の容器となり、電極組立体が缶部材10の開放された上端、すなわち、上端の開口部11を介して缶部材10に挿入された後、缶部材10上端の開口部11はトップキャップ組立体20によって封じられる。
【0034】
ガスケット30は、絶縁性素材で形成され、缶部材10とトップキャップ組立体20の間を絶縁するために内側周りがトップキャップ組立体20と密着され、外側周りは缶部材10の開口部と密着されてよい。
【0035】
そして、缶部材10は、缶部材10の開口部を封じるトップキャップ組立体20を固定するために、缶部材10の上端である開口部側の周りをベンディング(bending)するクリンピング部10aをさらに含んでよい。
【0036】
この時、ガスケット30は、缶部材10の開口部11とトップキャップ組立体20の間に設置され、クリンピング部10aによってトップキャップ組立体20と共に缶部材10に圧縮固定されてよい。
【0037】
ホットメルト40は、ガスケット30の表面に塗布され、且つ、ガスケット30の表面全体又は表面一部に選択的に塗布されてよい。
【0038】
ホットメルト40は、熱可塑性樹脂及び粘着付与剤(tackifier)の組合せで形成され、且つ、接着性向上及び防水特性強化のためにカップリングエージェント(coupling agent)をさらに含んでよい。
【0039】
熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂等で形成されてよい。
【0040】
粘着付与剤は、フェノール系樹脂、カーボン系樹脂及びロジン系樹脂等のうち何れか一つ以上であってよく、粘着性又は接着性を有する特性がある。
【0041】
カップリングエージェントは、シリコン系であるアミノシラン、ビニルシラン等のうち何れか一つ以上であってよく、金属表面のオキサイド(oxide)と結合できる物質である。金属の缶部材10の内部表面でのオキサイド結合は、接着性と気密性を顕著に向上させることができる。
【0042】
ホットメルト40は、ガラス転移温度(Tg)である60℃以上で溶けつつ流動性と粘性を有する特性がある。
【0043】
ホットメルト40は、常温で固まった状態を維持し、所定の温度である前記ガラス転移温度で溶けつつ粘着性を有するようになり得る。
【0044】
また、ホットメルト40は、温度の昇降によって前記ガラス転移温度の以上で粘性が発生し、前記ガラス転移温度の未満で固まる状態を反復的に有し得る物質特性を有してよい。
【0045】
図3は、図2において、ガスケットがトップキャップ組立体と缶部材に接着する重要部を一部拡大し示した一部拡大図である。
【0046】
図3に示された通り、ホットメルト40が粘着性を有するようになれば、ガスケット30の内側周りはトップキャップ組立体20と接着され、ガスケット30の外側周りは缶部材10と接着されてよい。
【0047】
ホットメルト40によってガスケット30が接着される原理を説明すれば、次の通りである。
【0048】
常温でホットメルト40は、ガスケット30の表面にコーティングされていてよい。常温でホットメルト40が流動性と粘着性がないため、単にガスケット30の表面にコーティングされているだけなので、ガスケット30の接着力に大きい影響を与えないことがある。固まったホットメルト40がコーティングされたままで、ガスケット30は缶部材10とトップキャップ組立体20の間に組立設置されてよい。組立て後、ガスケット30が圧縮された状態で活性化工程に投入されてよい。
【0049】
活性化工程に投入された後、温度がガラス転移温度(Tg)である60℃以上に上がってから再び常温に下る過程を経るようになるが、このような過程上においてガスケットと缶部材等の接着は完成され得る。
【0050】
具体的に、ガスケット30が圧縮された状態でガラス転移温度(Tg)である60℃以上の温度になれば、ホットメルト40に所定の温度と圧力が同時に加えられ、流動性を有して結合面の微細な隙間に浸透し満たされ得る。隙間は、結合部位の微細な隙や缶部材の開口部10の結合表面上に形成されている微細な隙10b、ホーム、スクラッチ、凹凸等であってよい。この場合、ホットメルト40は、粘着性を有するため、ガスケット30とトップキャップ組立体20又はガスケット30と缶部材10の間を粘っこく媒介し得る。
【0051】
以後、ガラス転移温度(Tg)である60℃未満に温度が下がれば、ホットメルト40は、再び固まるようになる。ホットメルト40が結合面の隙間に浸透した以後に固まった状態になり得る。したがって、この場合、ホットメルト40の存在によってガスケット30とトップキャップ組立体20の間、又はガスケット30と缶部材10の間は、非常に気密で強い結合が形成され得る。
【0052】
もし、ホットメルト40にカップリングエージェントがさらに含まれた場合であれば、オキサイド結合を追加で得られるため、接着性向上及び防水特性強化という付加的な効果も得られる。
【0053】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態による二次電池の製造方法を詳しく説明する。
【0054】
図4は、本発明の一実施形態による二次電池の製造方法を示した流れ図である。
【0055】
図4に示された通り、本発明の一実施形態による二次電池の製造方法は、準備段階(S1)、塗布段階(S2)、乾燥段階(S3)、組立段階(S4)及び活性化段階(S5)を含んでよい。
【0056】
準備段階(S1)は、缶部材10、トップキャップ組立体20、ガスケット30を準備する段階であってよい。
【0057】
塗布段階(S2)は、ガスケット30の表面にホットメルト40を塗布する段階であり、且つ、固まっているホットメルト40を常温でガスケット30の表面に塗布するために、ホットメルト40をトルエン(toluene)、キシレン(xylene)、メチルエチルケトン(methyl ethyle ketone)等のうち少なくとも何れか一つ以上でなる有機溶媒で溶かしてよい。溶かした状態の溶液をガスケットの表面に塗布してよい。
【0058】
乾燥段階(S3)は、前記塗布段階(S2)以後にガスケット30を乾燥させ、前記有機溶媒を蒸発させるための段階である。前記有機溶媒を蒸発させれば、ガスケット30の表面にはホットメルト40だけが残るようになり、ホットメルト40のコーティング層がガスケットの表面に形成されるものである。
【0059】
組立段階(S4)は、乾燥段階(S3)以後、内部に電極組立体と電解液が収容された缶部材10に、トップキャップ組立体20とガスケット30を互いに組立て二次電池を組立てる段階である。
【0060】
活性化段階(S5)は、前記組立てられた二次電池を活性化する段階である。
【0061】
ここで、活性化段階(S5)は、二次電池を常温でエージング(aging)する常温エージング工程と、常温エージングより高い温度である60℃以上の温度環境で二次電池をエージングする高温エージング工程と、高温エージング工程以後に高温エージング工程より温度が低い60℃未満の温度環境で二次電池を充放電する充放電工程とを含んでよい。
【0062】
ホットメルト40は、前記常温エージング工程時に固まっているが、前記高温エージング工程時に流動性及び粘性を有する物質に状態変化し、前記充放電工程及び常温で再び固まり得る。
【0063】
このような過程上において、ガスケットと缶部材等の接着は完成され得る。温度変化によって接着が完成される過程は、前記で説明した通りであるため、ここでは省略する。
【0064】
本発明の一実施形態による二次電池の組立方法は、別途の追加工程なく二次電池の活性化段階(S5)を経つつガスケット30に塗布されたホットメルト40が缶部材10とトップキャップ組立体20に強く接着され、シーリング特性が向上されるとの点で大きい利点を有し得る。活性化段階は、既存にある工程であるため、ガスケット接着のための加熱工程を別途行わなくてもよい。
【0065】
上述の通り、本発明によれば、ガスケットが缶部材とトップキャップ組立体に接着され、シーリング特性が向上される効果がある。
【0066】
本発明によれば、ガスケットに塗布されるホットメルトにカップリングエージェントを含み、接着性向上及び防水特性を強化する効果がある。
【0067】
本発明によれば、ガスケットにホットメルトを塗布し水分浸透等を完全に遮断でき、腐食を顕著に防止できるため、耐化学性を増加させる効果がある。
【0068】
以上の通り、本発明による二次電池及びその二次電池の製造方法を例示の図面を参照し説明したが、本発明は、以上で説明された実施形態と図面によって限定されず、特許請求の範囲内で本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者等によって多様な実施が可能である。
図1
図2
図3
図4