【実施例1】
【0020】
本発明の第1の実施例について、
図1乃至
図4を用いて説明する。
図1に示すように、封止金型の一方となる上型4には、フィルム9を吸引する吸引孔7とこの吸引孔7に連通し、外部に設けた減圧装置(図示省略)と繋がった減圧ライン8が設けてある。上型4と対になる封止金型の他方となる下型5側には、半導体素子1を実装し、ワイヤ2等によって基材3に接続された基材3(半導体素子搭載基材に相当)を載置する。この基材3を固定するために、下型5の中に減圧ラインとそれに通じる吸引孔を設けてもよい。
【0021】
基材3は、複数の半導体素子が搭載できるリードフレーム、有機基板、セラミック基板等が用いられる。
図1又は
図2では、上型4に2列のキャビティ6が形成されている。
【0022】
フィルム9を上型4に密着させる際には、例えば160℃に加熱した上型4にフィルム9を当接させて、フィルム9を軟化状態にしながら、減圧ライン8を通じて吸引孔7から吸引することにより、フィルム9を上型4の内面側の形状に追従させて密着させることができる。
【0023】
上記工程において用いるフィルム9は、上型4への追従性、熱可塑性や樹脂封止工程における耐熱性等の熱特性、フィルムが破断しない等の機械特性、または半導体素子1への電気的破壊を生じさせない電気絶縁性等を有することが好ましい。さらには、上型4または封止樹脂部12との離型性をも併せ持つシリコーン系やフッ素樹脂系のフィルムが好ましい。
【0024】
吸引孔7は、ブロック状の部材を組み合わせて上型4を形成すると、直線状に延出する形状とすることができる。例えば、
図1に示すように列状にキャビティ6を形成する場合、キャビティ6内の延出方向に沿って、略平行に連続して開口する吸引孔7を形成すればよい。
【0025】
特に本発明では、フィルム9は上型4の内面側の形状に追従して密着し、吸引孔7の中にフィルム9が入り込んで、フィルム凸部10を形成する。このフィルム凸部10は、フィルム9の厚さ、軟化する温度、フィルム強度や吸引孔7の開口寸法等を適宜選択することにより、所望の高さ、幅に設定することができる。例えば、30μmの厚さのフィルム9を160℃に加熱した上型4に当接させ、吸引孔7の開口寸法を20μmとすることにより、高さ20μm程度、幅50μm程度のフィルム凸部10を形成することができる。なお、フィルム凸部10は、後述する樹脂封止工程において封止樹脂が充填され、半導体装置に樹脂突起部を形成するために形成するので、単に吸引孔7に入り込み、フィルム凸部10の高さがほとんどない状態となることは好ましくない。
【0026】
次に、フィルム9を介して上型4と下型5で、半導体素子1を搭載し、ワイヤ2で接続を形成した基材3を挟持する。
図2に示すように、フィルム凸部10は、半導体装置が形成される領域に配置されている。
【0027】
続いて、キャビティ6に封止樹脂を注入し、圧縮成形を行う。このときに、フィルム凸部10の中にも封止樹脂が入り込む。その結果、
図3に示すように樹脂封止部12の上面に、樹脂突起部13が一体形成される。
【0028】
本実施例では、樹脂突起部13の形状が2本の連続する直線状となっている。樹脂突起部13の形状は、種々変更可能で、
図3に示す形状に限定されず、2列に限らず、また連続する形状とせずに断続的な形状としてもよいし、直線状とせず湾曲等していても構わない。ただし、後述するように、搬送時に半導体装置111の表面と搬送用の吸着コレット16表面との間に間隙20が生じることにより、密閉空間を形成しない形状とするのが好ましい。
【0029】
必要に応じて半導体装置中間体110の樹脂封止部12の上面にマーキングを行う。半導体装置中間体110の上面に形成された樹脂突起部13は、高さが20μm程度となる。また、樹脂突起部13は、樹脂封止部12の端部からそれぞれ575μm程度の位置に形成可能であるので、従来通りのレーザーによるマーキングを行うことができる。
【0030】
その後、半導体装置中間体110の封止樹脂部12と基材3を周知の方法により切断し、個片化し、半導体装置が完成する。
図4(A)は、2列の樹脂封止部12の両端の基材3を切断した状態を示しており、各樹脂封止部12をダイシングソー15を用いて図面矢印方向に切断することで、個々の半導体装置に個片化できる。なお、14はダイシングシートである。また、個片化の方法は、ダイシングソーを用いる代わりにレーザー光を照射して切断する等、変更可能である。
【0031】
以上説明したように、本発明の半導体装置111は、樹脂封止部12の上面に樹脂突起部13を備えた形状となる。このような形状の半導体装置は、次のように搬送することが可能となる。
【0032】
吸着コレット16を用いて半導体装置111を搬送する場合、吸着コレット16は、封止樹脂部12の上面に形成された突起樹脂部13に当接する(
図4B)。突起樹脂部13があることで、吸着コレット16と封止樹脂部12との間に間隙20が生じる。この間隙20が開いた状態でコレット16によって半導体装置111を吸引する場合、コレット吸引孔17に間隙20を通って常に外気を入り込む構造となる。このような状態では大型の半導体装置を搬送することは難しい。しかしながら、小型化、軽量化された半導体装置は、十分に搬送することが可能である。特に小型化、軽量化された半導体装置では、間隙20が開いた状態で吸引を停止すると、吸着コレット16との接着面積が小さく、自然に半導体装置を離脱させることができ、有効な搬送方法となる。また、半導体装置を離脱させるために過剰な気体を送り込む必要がないので、所定の位置に確実に搬送可能となる。
【実施例2】
【0033】
次に第2の実施例について説明する。上記第1の実施例では、樹脂封止部12が2列とした半導体装置の製造方法について説明したが、樹脂封止部12は、列状に分離している必要はない。
【0034】
図5は本発明の第2の実施例の説明図であり、1個のキャビティ6内に複数の半導体素子1を配置する構成としている。
図5に示すように、上記第1の実施例の
図2で説明した状態を示している。
【0035】
このように複数の半導体装置を一括して樹脂封止する場合も、それぞれの半導体形成予定領域に吸引孔7が配置するようにすると、その後個片化して完成する半装置装置に樹脂突起部13を形成することが可能となる。
【0036】
以上説明したように本発明によれば、封止金型に吸引孔を形成して、フィルムを吸引し、フィルム凸部を形成することにより、封止樹脂部の上面に一体となる樹脂突起部を形成することができる。樹脂突起部は、吸引孔の形状、フィルムの厚さ等の条件により所望の形状を制御性良く形成することが可能となる。さらに、封止樹脂部の上面に形成された樹脂突起部により、搬送工程における吸着コレットから容易に離脱する構造となり、小型化、軽量化した半導体装置において特に有効になる。
【0037】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。例えば、半導体素子の搭載形状として、2列のものを図示したが、2列以上のものを使用しても構わない。また、樹脂突起部として、半導体装置の上面に略平行に2列に配置するものを図示したが、2列に配置する場合に限らず、半導体装置の上面に交差する構造としてもよい。さらに、樹脂突起部が連続した形状とせず、断続的な形状とする等種々変更可能である。