【実施例】
【0113】
以下、試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。なお、本試験例においては、被験試料として4−ビニルカテコール(Toronto Research Chemicals社製,試料1)を使用した。
【0114】
〔試験例1〕グルタチオン産生促進作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてグルタチオン産生促進作用を試験した。
【0115】
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有α−MEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10
5 cells/mLの細胞密度になるように10%FBS含有α−MEM培地で希釈した後、48ウェルプレートに1ウェル当たり200μLずつ播種し、一晩培養した。
【0116】
培養後、1%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表1を参照)を各ウェルに200μL添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、被験試料無添加の1%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、各ウェルから培地を除去し、400μLのPBS(−)緩衝液にて洗浄した後、150μLのM−PER(PIERCE社製)を使用して細胞を溶解した。
【0117】
このうちの100μLを使用して総グルタチオンの定量を行った。すなわち、96ウェルプレートに、溶解した細胞抽出液100μL、0.1mol/Lリン酸緩衝液50μL、2mmol/L NADPH25μL、およびグルタチオンレダクターゼ25μL(終濃度17.5 unit/mL)を加え、37℃で10分間加温した後、10mmol/L 5,5'-dithiobis(2-nitrobenzoic acid)25μLを加え、5分後までの波長412nmにおける吸光度を測定し、ΔOD/minを求めた。総グルタチオン濃度は、酸化型グルタチオン(和光純薬社製)を使用して作成した検量線をもとに算出した。得られた値を総タンパク量当たりのグルタチオン量に補正した後、下記式によりグルタチオン産生促進率(%)を算出した。
【0118】
グルタチオン産生促進率(%)=B/A×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:試料無添加における総タンパク量当たりのグルタチオン量
B:被験試料添加における総タンパク量当たりのグルタチオン量
結果を表1に示す。
【0119】
【表1】
【0120】
表1に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたグルタチオン産生促進作用を有していると認められた。
【0121】
〔試験例2〕ラミニン5産生促進作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてラミニン5産生促進作用を試験した。
【0122】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、80cm
2 フラスコにて正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて37℃・5%CO
2 −95%airの条件下にて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.0×10
5 cell/mLの細胞密度となるようにKGMからBPEを除いた培地(KGM−BPE)で希釈した後、24ウェルプレートに1ウェルあたり500μLずつ播種し、37℃・5%CO
2 −95%airの条件下で二日間培養した。
【0123】
培養終了後、培地を除去し、KGM−BPE培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表2を参照)を各ウェルに500μLずつ添加し、37℃・5%CO
2 −95%airの条件下で48時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM−BPE培地を用いて同様に培養した。培養終了後、上清100μLをELISAプレートに移し換え、37℃で2時間プレートに吸着させた後、吸着させたラミニン5の量を、モノクローナル抗ヒトラミニン5抗体(マウスIgG)(ケミコン社製)を用いたELISA法により測定した。得られた測定結果から、下記式によりラミニン5産生促進率(%)を算出した。
【0124】
ラミニン5産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのラミニン5量
B:試料無添加でのラミニン5量
結果を表2に示す。
【0125】
【表2】
【0126】
表2に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は優れたラミニン5産生促進作用を有することが確認された。
【0127】
〔試験例3〕MMP−1活性阻害作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてMMP−1活性阻害作用を試験した。
【0128】
蓋付試験管にて、20mmol/Lの塩化カルシウムを含有する0.1mol/L Tris−HCl緩衝液(pH7.1)に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表3を参照)50μL、MMP−1溶液(Sigma社製,COLLAGENASE Type IV from Clostridium histolyticum)50μL、およびPzペプチド溶液(BACHEM Feinchemikalien AG社製,Pz-Pro-Leu-Gly-Pro-D-Arg-OH)400μLを混合し、37℃にて30分反応させた後、25mmol/Lのクエン酸溶液1mLを加え反応を停止した。
【0129】
その後、酢酸エチル5mLを加え、激しく振とうした。これを遠心(1600×g,10分)し、酢酸エチル層の波長320nmにおける吸光度を測定した。また、同様にして空試験を行い補正した。得られた結果から、下記式によりMMP−1活性阻害率(%)を算出した。
【0130】
MMP−1活性阻害率(%)={1−(C−D)/(A−B)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:試料無添加・酵素添加での波長320nmにおける吸光度
B:試料無添加・酵素無添加での波長320nmにおける吸光度
C:被験試料添加・酵素添加での波長320nmにおける吸光度
D:被験試料添加・酵素無添加での波長320nmにおける吸光度
結果を表3に示す。
【0131】
【表3】
【0132】
表3に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたMMP−1活性阻害作用を有していると認められた。
【0133】
〔試験例4〕AGEs分解促進作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにして最終糖化生成物(AGEs)の分解促進作用を試験した。
【0134】
96ウェルのI型コラーゲンコートプレート(旭硝子社製)に、PBS(−)緩衝液にて調製した0.2MD (−)−リボース溶液100μLを添加し、37℃で2週間静置し、AGEsを形成させた。なお、陰性対照としてPBS(−)緩衝液のみ添加したものを同様に静置した。2週間後、PBS(−)緩衝液にて調製した被験試料(試料1,試料濃度は下記表4を参照)100μLずつ添加し、さらに37℃で2週間静置した。なお、陽性対照としてPBS(−)緩衝液のみ、および陰性対照として引き続きPBS(−)緩衝液のみを、それぞれ同様に静置した。2週間後、抗AGEs抗体(トランスジェニック社製)を用いたELISA法によりAGEs量を測定し、AGEs分解促進作用を評価した。得られた結果から、下記式によりAGEs分解促進率(%)を算出した。
【0135】
AGEs分解促進率(%)={(B−C)/(B−A)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:陰性対照での波長405nmにおける吸光度
B:試料無添加(陽性対照)での波長405nmにおける吸光度
C:被験試料添加での波長405nmにおける吸光度
結果を表4に示す。
【0136】
【表4】
【0137】
表4に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は優れたAGEs分解促進作用を示した。
【0138】
〔試験例5〕AGEs形成抑制作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにして最終糖化生成物(AGEs)の形成抑制作用を試験した。
【0139】
96ウェルのI型コラーゲンコートプレート(旭硝子社製)に、PBS(−)緩衝液にて調製した0.2M D(−)−リボースおよび被験試料(試料1,試料濃度は下記表5を参照)の混合液100μLを添加した後、37℃で2週間静置し、AGEsを形成させた。なお、陰性対照としてPBS(−)緩衝液のみ、および陽性対照としてPBS(−)緩衝液にて調製した0.2M D(−)−リボース溶液を、それぞれ同様に静置した。2週間後、抗AGEs抗体(トランスジェニック社製)を用いたELISA法によりAGEs量を測定し、AGEs形成抑制作用を評価した。得られた結果から、下記式によりAGEs形成抑制率(%)を算出した。
【0140】
AGEs形成抑制率(%)={(B−C)/(B−A)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:陰性対照での波長405nmにおける吸光度
B:試料無添加(陽性対照)での波長405nmにおける吸光度
C:被験試料添加での波長405nmにおける吸光度
結果を表5に示す。
【0141】
【表5】
【0142】
表5に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は優れたAGEs形成抑制作用を示した。
【0143】
〔試験例6〕I型コラーゲン産生促進作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてI型コラーゲン産生促進作用を試験した。
【0144】
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.6×10
5 cells/mLの細胞密度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルマイクロプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
【0145】
培養終了後、培地を除去し、0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表6を参照)を各ウェルに150μLずつ添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養後、各ウェルの培地中のI型コラーゲン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式によりI型コラーゲン産生促進率(%)を算出した。
【0146】
I型コラーゲン産生促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのI型コラーゲン量
B:試料無添加でのI型コラーゲン量
結果を表6に示す。
【0147】
【表6】
【0148】
表6に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたI型コラーゲン産生促進作用を有することが確認された。
【0149】
〔試験例7〕MMP−2活性阻害作用試験
MMP−2は、特開2007−217352号公報に記載の方法により調製したものを用いた。すなわち、MMP−2タンパク質を、C末端にヒスチジン6残基を持つ組換え体proMMPタンパク質として大腸菌遺伝子発現系を用い大量発現させ、Ni−NTA樹脂を用いた精製およびリフォールディングを行った後、活性型へ移行させた。これを酵素標品とし、適宜希釈し酵素溶液を調製した。
得られた酵素溶液を用い、4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてMMP−2活性阻害作用を試験した。
【0150】
蛍光強度測定用96ウェルプレートを用い、被験試料(試料1,試料濃度は下記表7を参照)20μL、酵素溶液40μLおよび緩衝液(0.05mol/L Tris,150mmol/L NaCl,10mmol/L CaCl
2 ,50μmol/L ZnSO
4 ,0.02% NaN
3 ,0.05% Brij35(pH7.5))20μLを混合し、37℃にて15分静置した。その後、4.16μmol/Lに調製した蛍光基質ペプチド(MOCAc/DNP peptide)120μLを添加し、直ちに励起波長340nm、蛍光波長420nmにおける蛍光強度を測定し、これを基質添加直後の蛍光強度とした。測定後直ちに37℃で120分反応させ、この間、励起波長340nm、蛍光波長420nmにおける蛍光強度を15分毎に測定し、これらを基質添加後の蛍光強度とした。また同様の方法で空試験を行い補正した。得られた結果から、下記式によりMMP−2活性阻害率(%)を算出した。
【0151】
MMP−2活性阻害率(%)={1−(C−D)/(A−B)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:試料無添加・基質添加120分後での波長420nmにおける蛍光強度
B:試料無添加・基質添加直後での波長420nmにおける蛍光強度
C:被験試料添加・基質添加120分後での波長420nmにおける蛍光強度
D:被験試料添加・基質添加直後での波長420nmにおける蛍光強度
結果を表7に示す。
【0152】
【表7】
【0153】
表7に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたMMP−2活性阻害作用を有することが確認された。
【0154】
〔試験例8〕セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)mRNA発現促進作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてSPTmRNA発現促進作用を試験した。
【0155】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、80cm
2 フラスコにて正常ヒト表皮角化細胞長期培養用増殖培地(EpiLife−KG2)を用いて37℃・5%CO
2 −95%airの条件下にて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を20×10
4 cells/mLの細胞密度になるようにEpilife−KG2培地で希釈した後、35mmシャーレ(FALCON社製)に2mLずつ播種し(40×10
4 cells/シャーレ)、37℃・5%CO
2 −95%airの条件下で24時間培養した。
【0156】
培養後、培地を除去し、Epilife−KG2培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表8を参照)を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%CO
2 −95%airの条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のEpilife−KG2培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-02501)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
【0157】
この総RNAを鋳型とし、SPTおよび内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用い、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。SPTの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりSPT mRNA発現促進率(%)を算出した。
【0158】
SPT mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表8に示す。
【0159】
【表8】
【0160】
表8に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたSPTmRNA発現促進作用を有することが確認された。
【0161】
〔試験例9〕アクアポリン3(AQP3)mRNA発現促進作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてAQP3mRNA発現促進作用を試験した。
【0162】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、80cm
2 フラスコにて正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用い、37℃・5%CO
2 −95%airの条件下にて前培養し、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を20×10
4 cells/mLの細胞密度になるようにKGM培地で希釈した後、35mmシャーレ(FALCON社製)に2mLずつ播種し(40×10
4 cells/シャーレ)、37℃・5%CO
2 −95%airの条件下で24時間培養した。
【0163】
培養後に培地を除去し、KGM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表9を参照)のKGM培地を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃・5%CO
2 −95%airの条件下にて24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地を用いて同様に培養した。培養後、培地を除去し、ISOGEN(ニッポンジーン社製,Cat. No. 311-02501)にて総RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるように総RNAを調製した。
【0164】
この総RNAを鋳型とし、AQP3および内部標準であるGAPDHについて、mRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置Smart Cycler(Cepheid社製)を用いて、TaKaRa SYBR Prime Script RT-PCR kit(Perfect Real Time)(タカラバイオ社製,code No. RR063A)によるリアルタイム2Step RT−PCR反応により行った。AQP3mRNAの発現量は、「被験試料添加」および「試料無添加」にてそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求めた。得られた値から、下記式によりAQP3mRNA発現促進率(%)を算出した。
【0165】
AQP3 mRNA発現促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加での補正値
B:試料無添加での補正値
結果を表9に示す。
【0166】
【表9】
【0167】
表9に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたAQP3mRNA発現促進作用を有することが確認された。
【0168】
〔試験例10〕チロシナーゼ活性阻害作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてチロシナーゼ活性阻害作用を試験した。
【0169】
48ウェルプレートに、Mcllvaine緩衝液(pH6.8)0.2mL、0.3mg/mLチロシン溶液0.06mL、25%DMSO溶液に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表10を参照)0.18mLを加え、37℃で10分間静置した。これに、800units/mLチロシナーゼ溶液0.02mLを加え、引き続き37℃で15分間反応させた。反応終了後、波長475nmにおける吸光度を測定した。
【0170】
また、ブランクとして、酵素溶液を添加しない場合についても同様の操作および吸光度の測定を行った。さらに、コントロールとして、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。得られた測定結果から、下記式によりチロシナーゼ活性阻害率(%)を算出した。
【0171】
チロシナーゼ活性阻害率(%)={1−(St−Sb)/(Ct−Cb)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
St:被験試料添加・酵素添加での波長475nmにおける吸光度
Sb:被験試料添加・酵素無添加での波長475nmにおける吸光度
Ct:試料無添加・酵素添加での波長475nmにおける吸光度
Cb:試料無添加・酵素無添加での波長475nmにおける吸光度
結果を表10に示す。
【0172】
【表10】
【0173】
表10に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたチロシナーゼ活性阻害作用を有していると認められた。
【0174】
〔試験例11〕B16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑制作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてB16メラノーマ細胞に対するメラニン産生抑制作用を試験した。
【0175】
B16メラノーマ細胞を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を24.0×10
4 cells/mLの細胞密度になるように10%FBSおよび1mmol/Lテオフィリン含有ダルベッコMEM培地で希釈した後、48ウェルプレートに1ウェルあたり300μLずつ播種し、6時間培養した。
【0176】
培養終了後、10%FBSおよび1mmol/Lテオフィリン含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表11を参照)を各ウェルに300μL添加し、4日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の10%FBSおよび1mmol/Lテオフィリン含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、培地を除去し、2mol/L NaOH溶液200μLを添加して超音波破砕機により細胞を破壊し、波長475nmにおける吸光度を測定した。測定した吸光度の値から、合成メラニン(SIGMA社製)を用いて作成した検量線をもとにメラニン量を算出した。
【0177】
また、細胞生存率を測定するために、上記と同様にして培養した後、培地を除去し400μLのPBS(−)緩衝液で洗浄して、終濃度0.05mg/mLで10%FBS含有ダルベッコMEMに溶解したニュートラルレッドを各ウェルに200μL添加し、2.5時間培養した。培養後、ニュートラルレッド溶液を除去し、エタノール・酢酸溶液(エタノール:酢酸:水=50:1:49)を各ウェルに200μL添加し、色素を抽出した。抽出後、波長540nmにおける吸光度を測定した。得られた結果から、下記式により細胞生存率により補正したメラニン産生抑制率(%)を算出した。
【0178】
メラニン産生抑制率(%)={1−(B/D)/(A/C)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:試料無添加におけるメラニン量
B:被験試料添加におけるメラニン量
C:試料無添加での波長540nmにおける吸光度
D:被験試料添加での波長540nmにおける吸光度
結果を表11に示す。
【0179】
【表11】
【0180】
表11に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたメラニン産生抑制作用を有していると認められた。
【0181】
〔試験例12〕テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を試験した。
【0182】
蓋付V底試験管にて、プロピレングリコールで調製した4.2mg/mLテストステロン(和光純薬工業社製)溶液20μLと、1mg/mL NADPHを含有する5mmol/L Tris−HCl(pH7.13)緩衝液825μLとを混合した。
【0183】
さらに、50%エタノールにて調製した被験試料(試料1,試料濃度は下記表12を参照)溶液80μLと、S−9(オリエンタル酵母工業社製,ラット肝臓ホモジネート)75μLとを加えて混合し、37℃にて30分間インキュベートした。その後、塩化メチレン1mLを加えて反応を停止させた。これを遠心分離し(1600×g,10分間)、塩化メチレン層を分取して、分取した塩化メチレン層について、下記の条件にてガスクロマトグラフィー分析に供し、3α−アンドロスタンジオール、5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)およびテストステロンの濃度を定量した。なお、コントロールとして、被験試料溶液の代わりに試料溶媒を同量(80μL)用いて同様に処理し、ガスクロマトグラフィー分析に供した。
【0184】
<ガスクロマトグラフィー条件>
使用装置:Shimadzu GC−2010(島津製作所社製)
カラム:DB−1701(内径:0.53mm,長さ:30m,膜厚:1.0μm)(J&W Scientific社製)
カラム温度:240℃
注入口温度:300℃
検出器:FID
試料注入量:1μL
スプリット比:1:2
キャリアガス:窒素ガス
キャリアガス流速:3mL/min
【0185】
3α−アンドロスタンジオール、5α−DHTおよびテストステロンの濃度の定量は、下記の方法により行った。
3α−アンドロスタンジオール、5α−DHTおよびテストステロンの標準品を塩化メチレンに溶解し、当該溶液をガスクロマトグラフィー分析に供し、これらの化合物の濃度(μg/mL)およびピーク面積から、ピーク面積と化合物の濃度との対応関係を予め求めておいた。そして、テストステロンとS−9との反応後の3α−アンドロスタンジオール、5α−DHTおよびテストステロンのそれぞれのピーク面積あたりの濃度を、予め求めておいた対応関係を利用して、下記式(1)に基づいて求めた。
【0186】
A=B×C/D・・・(1)
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:3α−アンドロスタンジオール、5α−DHTまたはテストステロンの濃度
B:3α−アンドロスタンジオール、5α−DHTまたはテストステロンのピーク面積
C:標準品の濃度
D:標準品のピーク面積
【0187】
式(1)に基づいて算出された化合物濃度を用いて、下記式(2)に基づき、変換率(テストステロン5α−レダクターゼによりテストステロンが還元されて生成した3α−アンドロスタンジオールおよび5α−DHTの濃度と、テストステロンの初期濃度との濃度比)を算出した。
【0188】
変換率=(E+F)/(E+F+G)・・・(2)
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
E:3α−アンドロスタンジオールの濃度(μg/mL)
F:5α−DHTの濃度(μg/mL)
G:テストステロンの濃度(μg/mL)
【0189】
式(2)に基づいて算出された変換率を用いて、下記式(3)に基づき、テストステロン5α−レダクターゼ阻害率(%)を算出した。
テストステロン5α−レダクターゼ阻害率(%)=(1−H/I)×100・・・(3)
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
H:被検試料添加での変換率
I:試料無添加での変換率
結果を表12に示す。
【0190】
【表12】
【0191】
表12に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたテストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を有することが確認された。
【0192】
〔試験例13〕毛乳頭細胞増殖促進作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにして毛乳頭細胞増殖促進作用を試験した。
【0193】
正常ヒト頭髪毛乳頭細胞(HFDPC,男性頭頂部由来)を、1%FCSおよび増殖添加剤を含有する毛乳頭細胞用増殖培地(PCGM,東洋紡績社製)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を、10%FBS含有DMEM培地を用いて1.0×10
4 cells/mLの細胞密度になるように希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェルあたり200μLずつ播種し、3日間培養した。
【0194】
その後、培地を除去し、無血清DMEM培地に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表13を参照)200μLを各ウェルに添加し、さらに4日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の無血清DMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、MTTアッセイにより毛乳頭細胞増殖促進作用を測定した。すなわち、培地を除去し、無血清DMEM培地で調製した0.4mg/mL MTT200μLを添加し、さらに2時間培養した後、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール100μLで抽出した。この抽出液について、ブルーホルマザンの吸収極大点がある570nmの吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。測定結果から、下記式に基づいて、毛乳頭細胞増殖促進率(%)を算出した。
【0195】
毛乳頭細胞増殖促進率(%)=A/B×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加でのブルーホルマザン生成量
B:試料無添加でのブルーホルマザン生成量
結果を表13に示す。
【0196】
【表13】
【0197】
表13に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れた毛乳頭細胞増殖促進作用を有していると認められた。
【0198】
〔試験例14〕ヒアルロニダーゼ活性阻害作用試験
0.1mol/L酢酸緩衝液(pH3.5)に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表14を参照)0.2mLに、ヒアルロニダーゼ溶液(SIGMA社製,Type IV-S,from bovine testes,400 NF units/mL)0.1mLを加え、37℃で20分間静置した。さらに、活性化剤として2.5mmol/L塩化カルシウム0.2mLを加え、37℃で20分間静置した。これに0.8mg/mLヒアルロン酸ナトリウム溶液(from rooster comb)0.5mLを加え、37℃で40分間反応した。その後、0.4mol/L水酸化ナトリウム0.2mLを加えて反応を止め冷却した後、各反応溶液にホウ酸溶液0.2mLを加え、3分間煮沸した。氷冷後、p−DABA試薬6mLを加え、37℃で20分間反応した。その後、波長585nmにおける吸光度を測定した。
【0199】
また、ブランクとして、酵素溶液を添加しない場合についても同様の操作および吸光度の測定を行った。さらに、コントロールとして、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。得られた結果から、下記式によりヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)を算出した。
ヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)={1−(St−Sb)/(Ct−Cb)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
St:被験試料添加・酵素添加での波長585nmにおける吸光度
Sb:被験試料添加・酵素無添加での波長585nmにおける吸光度
Ct:試料無添加・酵素添加での波長585nmにおける吸光度
Cb:試料無添加・酵素無添加での波長585nmにおける吸光度
結果を表14に示す。
【0200】
【表14】
【0201】
表14に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有することが確認された。また、ヒアルロニダーゼ活性阻害作用の程度は、4−ビニルカテコールの濃度によって調節できることが確認された。
【0202】
〔試験例15〕ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用を試験した。
【0203】
ラット好塩基球白血病細胞(RBL−2H3)を、15%FBS含有S−MEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を4.0×10
5 cells/mLの細胞密度になるように15%FBS含有S−MEM培地で希釈し、終濃度0.5μL/mLとなるようにDNP−specific IgEを添加した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
【0204】
培養後、培地を除去し、シラガニアン緩衝液100μLにて洗浄を2回行った。次に、同緩衝液に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表15を参照)10μLおよび同緩衝液30μLを各ウェルに添加し、37℃にて10分間静置した。なお、コントロールとして、試料無添加のシラガニアン緩衝液40μLを用いて同様の操作を行った。続いて、100ng/mL DNP−BSA溶液10μLを加え、37℃にて15分間静置し、ヘキソサミニダーゼを遊離させた。
【0205】
その後、96ウェルプレートを氷上に静置することにより遊離を停止した。各ウェルの細胞上清10μLを新たな96ウェルプレートに採取し、各ウェルに1mmol/L p−NAG(p−ニトロフェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド)溶液10μLを添加し、37℃で1時間反応させた。
【0206】
反応終了後、各ウェルに0.1mol/L Na
2CO
3 /NaHCO
3 250μLを加え、波長415nmおよび650nmにおける吸光度を測定し、415nmにおける吸光度から650nmにおける吸光度を減じた値を補正値とした。また、ブランクとして、細胞上清10μLと、0.1mol/L Na
2CO
3 /NaHCO
3 250μLとの混合液の波長415nmおよび650nmにおける吸光度を測定し、補正値を算出した。得られた測定結果から、下記式によりヘキソサミニダーゼ遊離抑制率(%)を算出した。
【0207】
ヘキソサミニダーゼ遊離抑制率(%)={1−(B−C)/A}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:試料無添加での補正値
B:被験試料添加での補正値
C:被験試料添加・p−NAG無添加での補正値
結果を表15に示す。
【0208】
【表15】
【0209】
表15に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用を有することが確認された。
【0210】
〔試験例16〕マウスマクロファージにおけるCOX−2活性阻害作用試験(PGE
2 産生抑制作用試験)
マウスマクロファージ細胞(RAW264.7)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、セルスクレーパーにより細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10
5 cells/mLの濃度になるように10%FBS含有ダルベッコMEM培地で希釈した後、96ウェルプレートに1ウェル当たり100μLずつ播種し、18時間培養した。
【0211】
培養終了後、既に存在するCOX−1および少量発現しているCOX−2をアセチル化し失活させるため、培地を500μmol/Lアスピリン含有培地に交換し4時間培養した。その後、細胞をPBS(−)緩衝液で3回洗浄し、終濃度0.5%DMSOを含む10%FBS含有ダルベッコMEM培地で溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表16を参照)を各ウェルに100μL添加した後、終濃度1μg/mLで10%FBS含有ダルベッコMEMに溶解したリポポリサッカライド(LPS)(DIFCO社製,E.coli 0111;B4)を100μL添加し、16時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の終濃度0.5%DMSOを含む10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、各ウェルの培養上清中のプロスタグランジンE
2 量を、PGE
2 EIA Kit(Cayman Chemical社製)を用いて定量した。得られた結果から、下記式によりCOX−2活性阻害率(%,PGE
2 産生抑制率)を算出した。
【0212】
マクロファージCOX−2活性阻害率(%)={1−(A−C)/(B−C)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加・LPS刺激でのプロスタグランジンE
2 量
B:試料無添加・LPS刺激でのプロスタグランジンE
2 量
C:試料無添加・LPS無刺激でのプロスタグランジンE
2 量
結果を表16に示す。
【0213】
【表16】
【0214】
表16に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、マクロファージにおいて優れたCOX−2活性阻害作用を有することが確認された。
【0215】
〔試験例17〕ケラチノサイトにおけるCOX−2活性阻害作用試験(PGE
2 産生抑制作用試験)
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を12.5×10
4 cells/mLの細胞密度になるようKGM培地で希釈した後、コラーゲンコートした48ウェルプレートに1ウェル当たり200μLずつ播種し(2.5×10
4 cells/ウェル)、一晩培養した。細胞が定着したことを確認した後、hydrocortisone(ハイドロコルチゾン)を抜いたKGM培地200μLにて、24時間培養した。
【0216】
培養終了後、既に存在するCOX−1および少量発現しているCOX−2をアセチル化し失活させるため、500μmol/Lアスピリン含有KGM培地(ハイドロコルチゾン抜き)を200μL加え、4時間培養した。培養後、細胞をPBS(−)緩衝液で3回洗浄し、100μLのPBS(−)緩衝液を加えUV−B照射(50mJ/cm
2 )を行い、その後KGM培地(ハイドロコルチゾン抜き)に溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表17を参照)を各ウェルに400μLずつ添加し、37℃・5%CO
2 条件下で24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のKGM培地(ハイドロコルチゾン抜き)を用いて同様に培養した。培養終了後、各ウェルの培養上清中のプロスタグランジンE
2 量を、PGE
2 EIA Kit(Cayman Chemical社製)を用いて定量した。得られた結果から、下記式によりCOX−2活性阻害率(%,PGE
2 産生抑制率)を算出した。
【0217】
ケラチノサイトCOX−2活性阻害率(%)={1−(A−C)/(B−C)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:被験試料添加・紫外線照射でのプロスタグランジンE
2 量
B:試料無添加・紫外線照射でのプロスタグランジンE
2 量
C:試料無添加・紫外線未照射でのプロスタグランジンE
2 量
結果を表17に示す。
【0218】
【表17】
【0219】
表17に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、ケラチノサイトにおいて優れたCOX−2阻害作用を有することが確認された。
【0220】
〔試験例18〕サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を試験した。
【0221】
5mmol/Lの塩化マグネシウムを含有する50mmol/L Tris−HCl緩衝液(pH7.5)0.2mLに、2.5mg/mLウシ血清アルブミン溶液0.1mL、0.1mg/mLサイクリックAMPホスホジエステラーゼ溶液0.1mL、および被験試料溶液(試料1,試料濃度は下記表18を参照)0.05mLを加え、37℃にて5分間静置した。その後、0.5mg/mLサイクリックAMP溶液0.05mLを加え、37℃で60分間反応させた。反応終了後、3分間沸騰水浴上で煮沸することにより反応を停止させ、これを遠心(2260×g,10分間,4℃)し、上清中の反応基質であるサイクリックAMPを、下記の高速液体クロマトグラフィー条件にて分析した。また、コントロールとして、試料無添加の溶媒のみを加えて同様の操作を行った。
【0222】
<高速液体クロマトグラフィー条件>
製品名:Chromatocorder 12(SYSTEM INSTRUMENTS社製)
固定相:Wakosil C
18−ODS 5μm(和光純薬工業社製)
カラム長:250mm
移動相:1mmol/L TBAP in 25mmol/L KH
2PO
4 :CH
3CN=90:10
移動相流速:1.0mL/min
検出:260nm
【0223】
次に、サイクリックAMP標準品のピーク面積(A)、試料無添加時におけるサイクリックAMP標準品とサイクリックAMPホスホジエステラーゼとの反応溶液の上清のピーク面積(B1)および被験試料添加時におけるサイクリックAMP標準品とサイクリックAMPホスホジエステラーゼとの反応溶液の上清のピーク面積(B2)を求めた。得られた結果から、下記式により試料無添加時のサイクリックAMP標準品の分解率(C)および被験試料添加時のサイクリックAMP標準品の分解率(D)を算出した。
【0224】
試料無添加での標準品分解率(C,%)=(1−B1/A)×100
被験試料添加での標準品の分解率(D,%)=(1−B2/A)×100
【0225】
その後、上記式により算出した各分解率(C,D)に基づいて、下記式によりサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害率(%)を算出した。
cAMPホスホジエステラーゼ活性阻害率(%)=(1−D/C)×100
結果を表18に示す。
【0226】
【表18】
【0227】
表18に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたサイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有することが確認された。
【0228】
〔試験例19〕ヒト正常肝細胞を用いたグルタチオン低下抑制作用試験
正常ヒト肝細胞を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を10×10
4 cells/mLの細胞密度になるよう10%FBS含有ダルベッコMEM培地で希釈した後、48ウェルプレートに1ウェル当たり200μLずつ播種し、一晩培養した。
【0229】
培養終了後、1%FBS含有ダルベッコMEMに溶解した被験試料(試料1,試料濃度は下記表19を参照)200μLと、終濃度5mMのガラクトサミン塩酸塩200μLとを各ウェルに添加し、さらに24時間培養した。また、同様に細胞播種した後、ガラクトサミン塩酸塩を処理しない細胞および細胞播種後ガラクトサミン塩酸塩を処理し被験試料を添加しない細胞についても同様に測定し、それぞれ非処理群と処理群とした。培養終了後、各ウェルから培地を除去し、400μLのPBS(−)緩衝液にて洗浄後、150μLのM−PER(PIERCE社製)を用いて細胞を溶解した。
【0230】
このうちの50μLを用いて総グルタチオンの定量を行った。すなわち、96ウェルプレートに、溶解した細胞抽出液50μL、0.1Mリン酸緩衝液100μL、2mM NADPH25μL、およびグルタチオンレダクターゼ25μL(終濃度17.5 unit/mL)を加え、37℃で10分間加温した後、10mM 5,5’-dithiobis(2-nitrobenzoic acid)25μLを加え、5分後までの波長412nmにおける吸光度を測定し、ΔOD/minを求めた。総グルタチオン濃度は、酸化型グルタチオン(和光純薬社製)を用いて作成した検量線をもとに算出した。得られた値を総タンパク量当たりのグルタチオン量に補正した後、下記式に従いグルタチオン低下抑制率を算出した。
【0231】
グルタチオン低下抑制率(%)={(Nt−C)−(Nt−Sa)}/(Nt−C)×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
Nt:ガラクトサミン塩酸塩非処理(非処理群)のにおける総タンパク量当たりのグルタチオン量
C :試料無添加・ガラクトサミン塩酸塩処理(処理群)における総タンパク量当たりのグルタチオン量
Sa:被験試料添加・ガラクトサミン塩酸塩処理における総タンパク量当たりのグルタチオン量
結果を表19に示す。
【0232】
【表19】
【0233】
表19に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は、優れたグルタチオン低下抑制作用を有することが確認された。
【0234】
〔試験例20〕DPPIV活性阻害作用試験
4−ビニルカテコール(試料1)について、以下のようにしてジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)阻害作用を試験した。
【0235】
96ウェルプレートにて、25mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)にて調製した被験試料(試料1,終濃度は下記表20を参照)25μLと、上記緩衝液にて調製した0.4μg/mL DPPIV(R&Dシステム社製,rhCD26)溶液25μLとを混合し、37℃にて5分間プレインキュベーションした。その後、上記緩衝液にて調製した0.5mM Gly−Pro−p−NA・Tos(ペプチド研究所社製)50μLを添加し、37℃にて90分間反応させた。反応終了後、波長415nmにおける吸光度を測定した。得られた結果から、下記式によりDPPIV阻害率(%)を算出した。
【0236】
DPPIV阻害率(%)={1−(C−D)/(A−B)}×100
式中の各項はそれぞれ以下を表す。
A:試料無添加・酵素添加での波長415nmにおける吸光度
B:試料無添加・酵素無添加での波長415nmにおける吸光度
C:被験試料添加・酵素添加での波長415nmにおける吸光度
D:被験試料添加・酵素無添加での波長415nmにおける吸光度
結果を表20に示す。
【0237】
【表20】
【0238】
表20に示すように、4−ビニルカテコール(試料1)は優れたDPPIV阻害作用を示した。
【0239】
〔配合例1〕
下記組成の乳液を常法により製造した。
4−ビニルカテコール 0.01g
ホホバオイル 4.00g
1,3−ブチレングリコール 3.00g
アルブチン 3.00g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
オリーブオイル 2.00g
スクワラン 2.00g
セタノール 2.00g
モノステアリン酸グリセリル 2.00g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
グリチルリチン酸ステアリル 0.10g
黄杞エキス 0.10g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
イチョウ葉エキス 0.10g
コンキオリン 0.10g
オウバクエキス 0.10g
カミツレエキス 0.10g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0240】
〔配合例2〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
4−ビニルカテコール 0.05g
クジンエキス 0.1g
オウゴンエキス 0.1g
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
スクワラン 10.0g
セタノール 3.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
油溶性甘草エキス 0.1g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0241】
〔配合例3〕
下記組成の美容液を常法により製造した。
4−ビニルカテコール 0.01g
カミツレエキス 0.1g
ニンジンエキス 0.1g
キサンタンガム 0.3g
ヒドロキシエチルセルロース 0.1g
カルボキシビニルポリマー 0.1g
1,3−ブチレングリコール 4.0g
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
グリセリン 2.0g
水酸化カリウム 0.25g
香料 0.01g
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
エタノール 2.0g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0242】
〔配合例4〕
下記組成のヘアトニックを常法により製造した。
4−ビニルカテコール 0.4g
酢酸トコフェロール 適量
セファラチン 0.002g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.15g
グリセリン 15.0g
エタノール 15.0g
香料 適量
キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
防腐剤(ヒノキチオール) 適量
可溶化剤(ポリオキシエチレンセチルエーテル) 適量
精製水 残部(全量を100gとする)
【0243】
〔配合例5〕
下記組成のシャンプーを常法により製造した。
4−ビニルカテコール 0.5g
マジョラム抽出物 1.0g
ウメ果実部抽出物 0.2g
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0g
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 10.0g
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0g
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0g
プロピレングリコール 2.0g
香料 適量
精製水 残部(全量を100gとする)
【0244】
〔配合例6〕
常法により、以下の組成を有する錠剤を製造した。
4−ビニルカテコール 5.0mg
ドロマイト(カルシウム20%、マグネシウム10%含有) 83.4mg
カゼインホスホペプチド 16.7mg
ビタミンC 33.4mg
マルチトール 136.8mg
コラーゲン 12.7mg
ショ糖脂肪酸エステル 12.0mg
【0245】
〔配合例7〕
常法により、以下の組成を有する経口液状製剤を製造した。
<1アンプル(1本100mL)中の組成>
4−ビニルカテコール 0.3質量%
ソルビット 12.0質量%
安息香酸ナトリウム 0.1質量%
香料 1.0質量%
硫酸カルシウム 0.5質量%
精製水 残部(100質量%)