特許第6981940号(P6981940)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6981940
(24)【登録日】2021年11月22日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】画像診断支援装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20211206BHJP
   G16H 50/20 20180101ALI20211206BHJP
【FI】
   A61B6/03 360P
   A61B6/03 360D
   G16H50/20
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-159918(P2018-159918)
(22)【出願日】2018年8月29日
(65)【公開番号】特開2020-31803(P2020-31803A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2020年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤堀 貞登
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/001678(WO,A1)
【文献】 特開2009−230755(JP,A)
【文献】 特開2014−039595(JP,A)
【文献】 特開2016−005549(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/198977(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
A61B 5/055
A61B 8/00
G16H 10/00−80/00
G01T 1/161−1/166
G06T 1/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を含む画像データ群が単位検査毎に複数群記憶されたデータ保管部から、比較読影の対象となる第1の複数の画像データ群及び第2の複数の画像データ群を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記第1の複数の画像データ群と前記第2の複数の画像データ群との間で、各画像データ群間の類似度に基づいて、前記第1の複数の画像データ群の各画像データ群と前記第2の複数の画像データ群の各画像データ群とを対応付ける対応付け部と、
前記対応付け部によって前記第1の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第1の画像データ群と対応付けられた前記第2の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第2の画像データ群から、前記第1の画像データ群の少なくとも1枚の対象画像と対応する対応画像を抽出する画像抽出部と、
前記対象画像と前記対応画像との画像の組を対比可能なレイアウトで表示部に表示させる表示制御部と、
を含み、
前記対応付け部は、前記第1の複数の画像データ群において、前記第2の複数の画像データ群と画像面の方向が一致しているか否かを判別し、一致している場合に前記類似度を算出する画像診断支援装置。
【請求項2】
前記対応付け部は、前記画像面の方向が一致しない場合より高くなるように前記類似度を算出する請求項1に記載の画像診断支援装置。
【請求項3】
前記画像抽出部は、前記第1の複数の画像データ群に含まれる全ての前記対象画像について、前記対応画像を抽出する請求項1又は2に記載の画像診断支援装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、全ての前記対象画像及び前記対応画像との画像の組を表示させる請求項に記載の画像診断支援装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記画像の組を前記表示部の画面上に並列に表示させる請求項1からの何れか1項に記載の画像診断支援装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、全ての前記画像の組を前記表示部の画面上に一組ずつ切り替えて表示させる請求項に記載の画像診断支援装置。
【請求項7】
前記画像データ群が、複数のスライス画像で構成されたボリュームデータであり、
前記対応付け部は、前記ボリュームデータのピクセルデータ間における類似度に基づいて対応付けを行う請求項1からの何れか1項に記載の画像診断支援装置。
【請求項8】
前記対応付け部は、前記画像データ群に含まれる特定の解剖構造を含む領域における特徴量に基づいて対応付けを行う請求項1からの何れか1項に記載の画像診断支援装置。
【請求項9】
前記対応付け部は、前記第1の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群及び前記第2の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群の入力により、入力された画像データ群の組合せが対応するか否かを出力するように機械学習がなされた学習済みモデルを有する請求項1からの何れか1項に記載の画像診断支援装置。
【請求項10】
前記画像抽出部は、前記対象画像と前記第2の画像データ群の各画像との類似度に基づいて前記対応画像を抽出する請求項1からの何れか1項に記載の画像診断支援装置。
【請求項11】
前記第1の複数の画像データ群と前記第2の複数の画像データ群とが、同一の被検体に対して異なる撮影時期でそれぞれ撮影して取得された画像データ群である請求項1から10の何れか1項に記載の画像診断支援装置。
【請求項12】
複数の画像を含む画像データ群が単位検査毎に複数群記憶されたデータ保管部から、比較読影の対象となる第1の複数の画像データ群及び第2の複数の画像データ群を取得し、
前記第1の複数の画像データ群において、前記第2の複数の画像データ群と画像面の方向が一致しているか否かを判別し、一致している場合に、前記第1の複数の画像データ群と前記第2の複数の画像データ群との間で、各画像データ群間の類似度に基づいて、前記第1の複数の画像データ群の各画像データ群と前記第2の複数の画像データ群の各画像データ群とを対応付け、
前記第1の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第1の画像データ群と対応付けられた前記第2の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第2の画像データ群から、前記第1の画像データ群の少なくとも1枚の対象画像と対応する対応画像を抽出し、
前記対象画像と前記対応画像との画像の組を対比可能なレイアウトで表示部に表示させる画像診断支援方法。
【請求項13】
複数の画像を含む画像データ群が単位検査毎に複数群記憶されたデータ保管部から、比較読影の対象となる第1の複数の画像データ群及び第2の複数の画像データ群を取得する手順と、
前記第1の複数の画像データ群において、前記第2の複数の画像データ群と画像面の方向が一致しているか否かを判別し、一致している場合に、前記第1の複数の画像データ群と前記第2の複数の画像データ群との間で、各画像データ群間の類似度に基づいて、前記第1の複数の画像データ群の各画像データ群と前記第2の複数の画像データ群の各画像データ群とを対応付ける手順と、
前記第1の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第1の画像データ群と対応付けられた前記第2の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第2の画像データ群から、前記第1の画像データ群の少なくとも1枚の対象画像と対応する対応画像を抽出する手順と、
前記対象画像と前記対応画像との画像の組を対比可能なレイアウトで表示部に表示させる手順とをコンピュータに実行させる画像診断支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像診断支援装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医用画像の分野においては、X線撮影装置の他、CT(Computed Tomography)装置、超音波(US)診断装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、及びSPECT(Single-Photon Emission Computed Tomography)装置等の様々な技術を用いた画像撮影装置(以下、モダリティという)が利用されている。このようなモダリティの高速化およびマルチスライス対応といった高性能化に伴い、1つのシリーズ(モダリティにより取得された撮影単位毎の複数枚の画像データである)において被検体の複数の部位の撮影を行い、数百から数千の高精細な断層画像を取得することが可能になってきている。
【0003】
一方、従来から、複数の医用画像を液晶ディスプレイ等の表示装置に表示させて、画像を比較しながら読影をする比較読影が行われている。例えば、被検体の現在検査の医用画像及び過去検査の医用画像を表示させて比較読影することにより、病変の進行度合いの確認、あるいは異常を早期に発見することができる。しかしながら、実際に読影する際に、どの画面にどのシリーズのどの断層画像を表示させるのかは、ユーザによる画面操作に基づいており、現在検査と過去検査とを比較する際に、ユーザはシリーズや断層画像を読影し易いように選択する操作に手間を要していた。
【0004】
そこで、このような比較読影を行い易くするために、医用画像を表示装置に表示させる様々な技術が提案されている。表示の具体的な方法として、例えば、特許文献1には、検査時の画像取得条件、及び検査に関連する他のシリーズ画像データを特定する特定情報を含むオブジェクトデータを参照し、今回のシリーズ画像データと関連する過去のシリーズ画像データの組み合わせ情報を表すサムネイル画像を生成して表示する技術が開示されている。また、特許文献2には、第2撮影時期のスライス画像における領域変化率と、第1撮影時期のスライス画像群に含まれるスライス画像毎における領域変化率との差が所定範囲内にある領域変化率をもつスライス画像を、第1撮影時期のスライス画像群から選択し、選択されたスライス画像及び上記第2撮影時期のスライス画像を表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−200139号公報
【特許文献2】特開2011−036684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば比較的に古い過去検査において取得されたシリーズには、上記オブジェクトデータが存在しない場合及び規格化されていない場合がある。上記オブジェクトデータが存在しない及び規格化されていないシリーズにおいては、オブジェクトデータを適切に参照できないため、比較読影の対象となるシリーズを適切に対応付けることはできない。そのため、特許文献1に記載の技術を適用することは困難である。また、特許文献2は、スライス画像間のスライス位置のマッチングを行うことはできるが、複数のスライス画像で構成された画像データ群すなわちシリーズ間でのマッチング方法についての記載はない。
【0007】
本開示は上記事情に鑑みなされたものであり、比較読影の対象となるシリーズの組を適切に対応付け、かつ対応付けられたシリーズの組間において対応する各画像を抽出して対比可能なレイアウトで表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示による画像診断支援装置は、複数の画像を含む画像データ群が単位検査毎に複数群記憶されたデータ保管部から、比較読影の対象となる第1の複数の画像データ群及び第2の複数の画像データ群を取得する取得部と、
取得部によって取得された第1の複数の画像データ群と第2の複数の画像データ群との間で、各画像データ群間の類似度に基づいて、第1の複数の画像データ群の各画像データ群と第2の複数の画像データ群の各画像データ群とを対応付ける対応付け部と、
対応付け部によって第1の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第1の画像データ群と対応付けられた第2の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第2の画像データ群から、第1の画像データ群の少なくとも1枚の対象画像と対応する対応画像を抽出する画像抽出部と、
対象画像と対応画像との画像の組を対比可能なレイアウトで表示部に表示させる表示制御部と、
を含む。
【0009】
なお、本開示による画像診断支援装置においては、画像抽出部は、第1の複数の画像データ群に含まれる全ての対象画像について、対応画像を抽出してもよい。
【0010】
また、本開示による画像診断支援装置においては、表示制御部は、全ての対象画像及び対応画像との画像の組を表示させてもよい。
【0011】
この場合、表示制御部は、画像の組を表示部の画面上に並列に表示させてもよいし、全ての画像の組を表示部の画面上に一組ずつ切り替えて表示させてもよい。
【0012】
また、本開示による画像診断支援装置においては、画像データ群が、複数のスライス画像で構成されたボリュームデータであり、
対応付け部は、ボリュームデータのピクセルデータ間における類似度に基づいて対応付けを行ってもよい。
【0013】
なお、本開示において、「ピクセルデータ」は、画像を構成する画素(ピクセル)の集まりをいう。
【0014】
また、本開示による画像診断支援装置においては、対応付け部は、画像データ群に含まれる特定の解剖構造を含む領域における特徴量に基づいて対応付けを行ってもよい。
【0015】
なお、本開示において、「特定の解剖構造」は、例えば脊髄及び心臓等の被検体を構成する特定の構造である。
【0016】
また、本開示による画像診断支援装置においては、対応付け部は、第1の複数の画像データ群の各画像データ群のうちの何れかの画像データ群及び第2の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群の入力により、入力された画像データ群の組合せが対応するか否かを出力するように機械学習がなされた学習済みモデルを有していてもよい。
【0017】
また、本開示による画像診断支援装置においては、画像抽出部は、対象画像と第2の画像データ群の各画像との類似度に基づいて対応画像を抽出してもよい。
【0018】
また、本開示による画像診断支援装置においては、第1の複数の画像データ群と第2の複数の画像データ群とが、同一の被検体に対して異なる撮影時期でそれぞれ撮影して取得された画像データ群であってもよい。
【0019】
本開示による画像診断支援方法は、複数の画像を含む画像データ群が単位検査毎に複数群記憶されたデータ保管部から、比較読影の対象となる第1の複数の画像データ群及び第2の複数の画像データ群を取得し、
第1の複数の画像データ群と第2の複数の画像データ群との間で、各画像データ群間の類似度に基づいて、第1の複数の画像データ群の各画像データ群と第2の複数の画像データ群の各画像データ群とを対応付け、
第1の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第1の画像データ群と対応付けられた第2の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第2の画像データ群から、第1の画像データ群の少なくとも1枚の対象画像と対応する対応画像を抽出し、
対象画像と対応画像との画像の組を対比可能なレイアウトで表示部に表示させる。
【0020】
なお、本開示による画像診断支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【0021】
本開示による他の画像診断支援装置は、コンピュータに実行させるための命令を記憶するメモリと、
記憶された命令を実行するよう構成されたプロセッサとを備え、プロセッサは、
複数の画像を含む画像データ群が単位検査毎に複数群記憶されたデータ保管部から、比較読影の対象となる第1の複数の画像データ群及び第2の複数の画像データ群を取得し、
第1の複数の画像データ群と第2の複数の画像データ群との間で、各画像データ群間の類似度に基づいて、第1の複数の画像データ群の各画像データ群と第2の複数の画像データ群の各画像データ群とを対応付け、
第1の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第1の画像データ群と対応付けられた第2の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第2の画像データ群から、第1の画像データ群の少なくとも1枚の対象画像と対応する対応画像を抽出し、
対象画像と対応画像との画像の組を対比可能なレイアウトで表示部に表示させる処理を実行する。
【発明の効果】
【0022】
本開示の画像診断支援装置、方法及びプログラムによれば、比較読影の対象となるシリーズの組を適切に対応付け、かつ対応付けられたシリーズの組間において対応する各画像を抽出して対比可能なレイアウトで表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の一実施形態である画像診断支援装置を適用した、診断支援システムの概要を示すハードウェア構成図
図2】検査とシリーズの一例を示す図
図3】本開示の一実施形態である画像診断支援装置の構成を示す概略ブロック図
図4】シリーズ間の対応付けを説明するための図
図5】シリーズ間の対応付けの一実施形態を説明するための図(その1)
図6】シリーズ間の対応付けの一実施形態を説明するための図(その2)
図7】シリーズ間の対応付けの一実施形態を説明するための図(その3)
図8】現在シリーズと過去シリーズとの間において、対応付けられた画像同士を結ぶ図
図9】表示部のレイアウトの一例を説明するための図
図10】表示部の画面の一例を説明するための図
図11】本開示の一実施形態において行われる処理を示すフローチャート
図12】本開示の一実施形態において行われるシリーズの対応付け処理を示すフローチャート
図13】ヒストグラムインターセクションから類似度を求める方法を説明するための図
図14】特定の解剖構造を含む領域を検出してシリーズ間の対応付けを行う方法を説明するための図(その1)
図15】特定の解剖構造を含む領域を検出してシリーズ間の対応付けを行う方法を説明するための図(その2)
図16】学習済みモデルを説明するための図
図17】シリーズ間の対応付けの正解データを説明するための図
図18】表示部のレイアウトの一例を説明するための図
図19】表示部の画面の一例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態による画像診断支援装置を適用した、診断支援システムの概要を示すハードウェア構成図である。図1に示すように、診断支援システムでは、本実施形態による画像診断支援装置1、3次元画像撮影装置2、及び画像保管サーバ3が、ネットワーク4を経由して通信可能な状態で接続されている。なお、画像保管サーバ3は、本発明のデータ保管部に対応する。
【0025】
3次元画像撮影装置2は、被検体の診断対象となる部位を撮影することにより、その部位を表す3次元画像を生成する装置であり、具体的には、CT装置、MRI装置、及びPET(Positron Emission Tomography)装置等である。この3次元画像撮影装置2により生成された、複数のスライス画像からなる3次元画像は単位検査毎に画像保管サーバ3に送信され、保存される。
【0026】
画像保管サーバ3は、各種データを保存して管理するコンピュータであり、大容量外部記憶装置及びデータベース管理用ソフトウェアを備えている。画像保管サーバ3は、有線あるいは無線のネットワーク4を介して他の装置と通信を行い、画像データ等を送受信する。具体的には3次元画像撮影装置2で生成された3次元画像の画像データを含む各種データをネットワーク経由で取得し、大容量外部記憶装置等の記録媒体に保存して管理する。なお、画像データの格納形式及びネットワーク4経由での各装置間の通信は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)等のプロトコルに基づいている。
【0027】
本実施形態においては、画像保管サーバ3には、同一被検体に対して異なる時期に行われた検査毎に取得された被検体の3次元画像と付帯画像とが保管されている。図2は検査とシリーズの一例を示す図である。図2に示すように、腹部CT及び頭部MRI等の単位検査毎に取得されたシリーズ1、シリーズ2、シリーズ3、、、等の複数のシリーズが保管サーバ3に保管されている。本開示において「複数のシリーズ」は「複数の画像データ群」に対応し、「シリーズ」は「画像データ群」に対応する。シリーズは、1回の撮影で取得されるボリュームデータであり、ボリュームデータは例えばCT装置、MRI装置等の断層撮影装置が出力する複数枚のスライス画像データを再構成して得た3次元画像である。
【0028】
1検査として、例えば頭部CT検査が行われた場合には、図2に一例として示すように、被検体に造影剤を投与せずに取得した非造影CTのボリュームデータをシリーズ1、被検体に造影剤を投与して予め定められた規定時間内に取得した動脈相のボリュームデータをシリーズ2、被検体に造影剤を投与して上記規定時間よりも長い時間経過した後で取得した動脈相のボリュームデータをシリーズ3等とする。
【0029】
また、1検査として、例えば頭部MRI検査が行われた場合には、図2に一例として示すように、異なる撮影プロトコルで取得したボリュームデータ、例えば拡散強調画像で構成されたボリュームデータをシリーズ1、ADC(Apparent Diffusion Coefficient)マップで構成されたボリュームデータをシリーズ2、FLAIR(FLuid Attenuation Inversion Recovery)法を用いて取得されたFLAIR画像で構成されたボリュームデータをシリーズ3等とする。なお、ADCマップは、ADCを画素ごとに算出して、拡散強調画像の画素位置に対応して配列した画像である。
【0030】
また、付帯情報には、例えば、個々の画像を識別するための画像ID(identification)、被検体を識別するための患者ID、検査を識別するための検査ID、医用画像ごとに割り振られるユニークなID(UID:unique identification)、その医用画像が生成された検査日、検査時刻、その医用画像を取得するための検査で使用されたモダリティの種類、患者氏名と年齢と性別などの患者情報、検査部位(撮影部位)、撮影条件(造影剤の使用有無または放射線量など)、および、1回の検査で複数の断層画像を取得したときのシリーズ番号などの情報が含まれる。
【0031】
画像診断支援装置1は、1台のコンピュータに、本開示の画像診断支援プログラムをインストールしたものである。コンピュータは、診断を行う医師が直接操作するワークステーション又はパーソナルコンピュータでもよいし、それらとネットワークを介して接続されたサーバコンピュータでもよい。画像診断支援プログラムは、DVD(Digital Versatile Disc)あるいはCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体に記録されて配布され、その記録媒体からコンピュータにインストールされる。又は、ネットワークに接続されたサーバコンピュータの記憶装置、もしくはネットワークストレージに、外部からアクセス可能な状態で記憶され、要求に応じて医師が使用するコンピュータにダウンロードされ、インストールされる。
【0032】
図3は、コンピュータに画像診断支援プログラムをインストールすることにより実現される本開示の一実施形態である画像診断支援装置の概略構成を示す図である。図3に示すように、画像診断支援装置1は、標準的なワークステーションの構成として、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12及びストレージ13を備えている。また、画像診断支援装置1には、液晶ディスプレイ等からなる表示部14、並びにキーボード及びマウス等からなる入力部15が接続されている。表示部14は、後述する比較読影の対象となる画像の組が対比可能なレイアウトで表示される。入力部15は、ユーザによる種々の設定入力を受け付けるものであり、例えば患者の識別情報の設定入力及び後述する対象画像の選択等を受け付ける。なお、タッチパネルを用いることによって表示部14と入力部15とを兼用するようにしてもよい。
【0033】
ストレージ13は、ハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)等からなる。ストレージ13には、ネットワーク4を経由して画像保管サーバ3から取得した、被検体の検査画像及び処理に必要な情報を含む各種情報が記憶されている。
【0034】
また、メモリ12には、画像診断支援プログラムが記憶されている。画像診断支援プログラムは、CPU11に実行させる処理として、複数の画像を含む画像データ群が単位検査毎に複数群記憶されたデータ保管部(画像保管サーバ3)から、比較読影の対象となる第1の複数の画像データ群及び第2の複数の画像データ群を取得する取得処理、第1の複数の画像データ群と第2の複数の画像データ群との間で、各画像データ群間の類似度に基づいて、第1の複数の画像データ群の各画像データ群と第2の複数の画像データ群の各画像データ群とを対応付ける対応付け処理、第1の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第1の画像データ群と対応付けられた第2の複数の画像データ群のうちの何れかの画像データ群である第2の画像データ群から、第1の画像データ群の少なくとも1枚の対象画像と対応する対応画像を抽出する画像抽出処理、対象画像と対応画像との画像の組を対比可能なレイアウトで表示部に表示させる表示制御処理を規定する。
【0035】
そして、CPU11がプログラムに従いこれらの処理を実行することで、コンピュータは、取得部21、対応付け部22、画像抽出部23、及び表示制御部24として機能する。
【0036】
取得部21は、入力部15を用いてユーザによって入力された患者の識別情報に基づいて、その識別情報を有する同一の被検体に対して異なる撮影時期でそれぞれ撮影して取得された複数のシリーズを画像保管サーバ3から読み出して取得する。なお、複数のシリーズが既にストレージ13に保存されている場合には、取得部21は、ストレージ13から複数のシリーズを取得するようにしてもよい。
【0037】
取得部21は、今回の検査(以下、現在検査という)により取得された複数のシリーズを現在シリーズSc、現在検査よりも以前の検査(以下、過去検査という)により取得された複数のシリーズを過去シリーズSpとして取得する。ここで現在シリーズScは、本開示の第1の複数の画像データ群に、過去シリーズSpは本開示の第2の複数の画像データ群にそれぞれ対応する。なお、現在シリーズSc及び過去シリーズSpの各シリーズは、CT装置またはMRI装置で撮影された複数枚のスライス画像で構成される。また、現在シリーズSc及び過去シリーズSpは同一の撮影原理の3次元画像撮影装置2により取得された画像とする。また、シリーズとしては、アキシャル断層画像、サジタル断層画像及びコロナル断層画像等の断層画像からなるボリュームデータを取得する。
【0038】
対応付け部22は、現在シリーズScと過去シリーズSpとの間で、各シリーズ間の類似度に基づいて、現在シリーズScの各シリーズと過去シリーズSpの各シリーズとを対応付ける。図4はシリーズ間の対応付けを説明するための図である。
【0039】
対応付け部22は、図4に示すように、現在検査で取得された現在シリーズScのシリーズ1、シリーズ2、及びシリーズ3を含む複数のシリーズの各々と、過去検査で取得された過去シリーズSpのシリーズ1、シリーズ2、及びシリーズ3を含む複数のシリーズの各々とを対応付ける。各シリーズを対応付ける際には、現在シリーズScの1つのシリーズに対して過去シリーズSpの2つ以上のシリーズが対応付けられないようにする。すなわち、現在シリーズScの1つのシリーズに対して対応付けられるのは過去シリーズSpの1つのシリーズとする。
【0040】
図5図6図7はそれぞれシリーズ間の対応付けの一実施形態を説明するための図である。なお、図5図6図7においては、便宜上、各シリーズを2次元画像として表しているが、実際には各シリーズは3次元画像すなわちボリュームデータである。対応付け部22は、現在検査Cにおいて取得された現在シリーズScのシリーズ毎に、過去検査Pにおいて取得された過去シリーズSpのシリーズの各々との類似度を算出して、シリーズ間の類似度が最も高いシリーズ同士を対応付ける。すなわち一例として図5に示すように、現在シリーズScが複数のシリーズSc1,Sc2,Sc3、、、過去シリーズSpが複数のシリーズSp1,Sp2,Sp3、、、をそれぞれ有する場合には、対応付け部22は、シリーズSc1に対して、シリーズSc1とシリーズSp1、シリーズSc1とシリーズSp2、シリーズSc1とシリーズSp3、、、の各シリーズ間の類似度を算出する。
【0041】
そして、対応付け部22は、シリーズSc1と最も類似度が高いシリーズを、シリーズSc1と対応付けるシリーズとして決定する。すなわち一例として図6に示すように、シリーズSc1とシリーズSp1との組み合わせが最も類似度が高い場合には、対応付け部22は、シリーズSc1とシリーズSp1とを対応付ける。
【0042】
対応付け部22は、他のシリーズSc2,Sc3、、、についても同様にして、対応付け処理を行い、一例として図7に示すように、現在シリーズScのシリーズSc1,Sc2,Sc3、、、と過去シリーズSpのシリーズSp1,Sp2,Sp3、、、とを対応付ける。なお、対応付け部22における類似度の算出方法については後で詳細に説明する。
【0043】
画像抽出部23は、現在シリーズScの対象画像と対応する対応画像を、現在シリーズScの上記対象画像が含まれるシリーズと対応付けられた過去シリーズSpのシリーズから抽出する。すなわち対応付けられたシリーズ間において一方のシリーズの対象画像と対応する対応画像を他方のシリーズから抽出する。図8は現在シリーズSc1と過去シリーズSp2との間において、対応付けられた画像同士を結ぶ図である。本開示においては、画像抽出部23は、図8に示すように、現在シリーズSc1を構成する各スライス画像a1,a2,a3、、、の各々に対応する対応画像を過去シリーズSp2を構成する各スライス画像b1,b2,b3、、、から抽出する。
【0044】
画像抽出部23は、対応付け部22によって対応付けられた全てのシリーズ間において、現在シリーズScに含まれるスライス画像(以下、対象画像という)全てに対して、各々対応する過去シリーズSpに含まれるスライス画像を対応画像として抽出する。なお、現在シリーズScのシリーズに含まれる対象画像の数が過去シリーズSpのシリーズに含まれるスライス画像の数より多い場合には、1枚のスライス画像が重複して抽出される。すなわち、画像抽出部23は、現在シリーズScのシリーズに含まれる対応画像に対して、必ず1枚の対応画像を抽出する。
【0045】
画像抽出部23は、具体的には、対応付け部22によって対応付けられた全てのシリーズ間において、各スライス画像の画素値(例えばCT値)を用いて、現在シリーズScに含まれる対象画像全てに対して、各々対応する過去シリーズSpに含まれるスライス画像の全ての組み合わせについて相関値を算出する。そして、画像抽出部23は、相関値が最も大きい値を有するスライス画像の組み合わせが、対応付けられるべき組み合わせであると判定して、対象画像に対して組み合わせられた過去シリーズSpのスライス画像を対応画像として抽出する。相関値の算出方法としては、例えば正規化相互相関(ZNCC:Zero-mean Normalized Cross-Correlation)を用いて算出するようにすればよい。ただし、これに限らず、その他の算出方法を用いるようにしてもよい。例えば、特願2017−083403号に記載されたスライス画像同士の対応付け方法を使用し、対象画像に対して対応付けられた過去シリーズSpのスライス画像を対応画像として抽出するようにしてもよい。また、3次元的な位置関係を公知の非剛体レジストレーションの技術を用いて求めて、3次元的な位置関係が最も一致するスライス画像同士を対応付けてもよい。
【0046】
表示制御部24は、現在シリーズScに含まれる各対象画像と、この対象画像と対応する過去シリーズSpに含まれる対応画像との画像の組を対比可能なレイアウトで表示部に表示させる。図9は表示部14のレイアウトの一例を説明するための図である。なお、便宜上、図9においては紙面上側を上方として、以下説明する。
【0047】
表示制御部24は、現在シリーズScに含まれる各対象画像と、この対象画像と対応する過去シリーズSpに含まれる対応画像との画像の組を表示部14の画面上に並列に表示させる。具体的には、対応付け部22によって現在検査CのシリーズSc1と過去検査PのシリーズSp2、現在検査CのシリーズSc2と過去検査PのシリーズSp3がそれぞれ対応付けられ、画像抽出部23によってシリーズSc1の対象画像a3に対してシリーズSp2の対応画像b2が、シリーズSc2の対象画像a3に対してシリーズSp3の対応画像b2がそれぞれ抽出された場合には、表示制御部24は、対象画像a3と対応画像b2との画像の組を対比可能なレイアウトとして、一例として図9に示すように、現在検査Cで取得された画像が上側、過去検査Pで取得された画像が下側に位置するように各画像の組を上下に並列に表示させる。
【0048】
図10は表示部14の画面の一例を説明するための図である。なお、便宜上、図10においては紙面左側を上方として、以下説明する。表示制御部24は、一例として図10に示すように、現在検査Cで取得した各対象画像と、この各対象画像に対応する過去検査Pで取得された対応画像とを表示部14の画面14A上に上下に並列に表示させる。なお、画面14A上に表示可能な画像の枚数は、ユーザによって適宜変更することができる。また、画面14Aの上方に表示される対象画像はユーザが入力部15を操作することにより適宜選択して配置することができる。表示制御部24は、ユーザが配置した対象画像に対応する対応画像を、対象画像の下方に並列に表示する。
【0049】
なお、表示制御部24は、全ての対応画像と対象画像との画像の組を表示部14に表示させてもよい。対象画像の枚数が多い場合には、例えばユーザが入力部15を操作することによって、対象画像と対応画像との画像の組を同時に左右方向にスクロールさせることにより、上記画像の組を表示させてもよい。
【0050】
また、本開示の技術において表示制御部24は、対応画像と対象画像を上下に並列に表示させるものに限られず、例えば対応画像と対象画像とを左右に並列に表示させてもよい。
【0051】
次いで、本実施形態において行われる処理について説明する。図11は本開示の一実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。
【0052】
先ず、取得部21は、ユーザによる患者の識別情報などの入力に基づいて、その患者を異なる撮影時期でそれぞれ撮影して取得した第1の複数のシリーズ及び第2の複数のシリーズを取得する(ステップST1)。本開示においては、現在シリーズSc及び過去シリーズSpをそれぞれ第1の複数のシリーズ及び第2の複数のシリーズとして取得する。
【0053】
次に、対応付け部22は、取得部21によって取得された現在シリーズScと過去シリーズSpとの間で、各シリーズ間の類似度に基づいて対応付けるシリーズの対応付け処理を行う(ステップST2)。
【0054】
ここで、対応付け部22によるシリーズの対応付け処理について説明する。対応付け部22は、上述したシリーズ間の対応付けにおいて使用されるピクセルデータ間の類似度を計算する。具体的には、類似度は相互相関やヒストグラムインターセクションなどの公知の技術を用いて取得することができる。しかしながら、ピクセルデータだけでは正確な類似度が算出し難い場合もある。例えば、アキシャル断面とサジタル断面のように異なる画像面の方向のシリーズ間でも、ピクセルデータ間の類似度が高くなる場合がある。そこで本開示においては、シリーズの種類や撮影情報に関わるDICOMタグ情報をさらに考慮した上で類似度を計算する。具体的には、DICOMタグなどの付帯情報を参照して画像面の方向を判定し、画像面の方向が一致する場合は、類似度は高くなり、画像面の方向が一致しない場合は、類似度は低くなるように類似度を算出する。
【0055】
本開示においては、一例として、DICOMタグ情報に含まれる「Image Orientation」を参照し、画像面の方向を判断した上で、ピクセルデータ間の類似度を算出する方法を使用する。ここで、「Image Orientation」は、画像の「first row」と「first column」の方向を、被検体を基準に定義したものである。なお、画像面の方向は、「Image Orientation」に基づいて判断する。「Image Orientation」は、例えば、http://dicom.nema.org/medical/dicom/current/output/chtml/part03/sect_C.7.6.2.html#sect_C.7.6.2.1.1(検索日:2018年8月23日)の記載に基づいて定義することができる。例えば、画像が被検体の体軸に垂直なアキシャル断面の場合、「Image Orientation」の「first row」は(1,0,0)、「first column」は(0,1,0)にほぼ一致するので、「Image Orientation」を参照して得られる2つのベクトルと、(1,0,0)及び(0,1,0)との一致度を、内積演算を使って求めることにより、画像における画像面の方向を判断することができる。
【0056】
図12は本開示の一実施形態において行われるシリーズの対応付け処理を示すフローチャート、図13はヒストグラムインターセクションから類似度を求める方法を説明するための図である。
【0057】
対応付け部22は、一例として図12に示すように、先ず、現在シリーズScのシリーズSc1において、過去シリーズSpのシリーズSp1と画像面の方向が同じか否かを判別する(ステップST21)。シリーズSc1及びシリーズSp1の画像面の方向は、それぞれ上述したようにDICOMタグの「Image Orientation」の記述に基づいて判断することができる。シリーズSc1及びシリーズSp1の画像面の方向が一致している場合には(ステップST21;Yes)、ピクセルデータ間の類似度を算出する(ステップST22)。
【0058】
図13はヒストグラムインターセクションから類似度を求める方法を説明するための図である。ヒストグラムインターセクションは、図13に示すように、シリーズSc1のヒストグラムh1とシリーズSp1のヒストグラムh2のそれぞれのヒストグラムの共通部分の割合を指す。この共通部分の割合から類似度が導出される。具体的には、共通部分の割合が100%の場合には類似度は1となり、共通部分の割合が0%の場合には類似度は0となる。このように対応付け部22は、シリーズSc1及びシリーズSp1すなわちボリュームデータ全体のピクセルデータを用いることにより、ボリュームデータ全体の類似度を算出することができる。ここで算出された類似度は0以上1.0以下の値となる。
【0059】
なお、シリーズSc1及びシリーズSp1のおおまかな構図を反映させるために、例えば、シリーズSc1及びシリーズSp1の縦方向、横方向及び高さ方向をそれぞれ3つに等分し、3×3×3区画すなわち27区画に区分したそれぞれの区画でヒストグラムインターセクションを求め、その平均値をシリーズSc1及びシリーズSp1各々の類似度とするようにしてもよい。なお、区分の数は27区画に限られるものではなく、必要とする対応付けの精度に基づいて適宜変更することができる。
【0060】
一方、ステップST21にて、シリーズSc1及びシリーズSp1の画像面の方向が同じでない場合には(ステップST21;No)、対応付け部22は、ピクセルデータ間の類似度を−1とする(ステップST23)。
【0061】
次に、対応付け部22は、現在シリーズSc及び過去シリーズSpの各々のシリーズの全ての組合せの類似度を算出したか否かを判別する(ステップST24)。対応付け部22が全ての組合せの類似度を算出したと判別した場合には(ステップST24;YES)、対応付け部22は、現在シリーズSc及び過去シリーズSp間において、最も類似度が高いシリーズ同士を対応付ける(ステップST25)。
【0062】
一方、ステップST24にて、対応付け部22が全ての組合せの類似度を算出していないと判別した場合には(ステップST24;NO)、対応付け部22はステップST21に処理を移行して、現在シリーズSc及び過去シリーズSp各々のシリーズの全ての組合せの類似度を算出するまでステップST21移行の処理を繰り返し行う。
【0063】
以上のようにして対応付け部22によるシリーズの対応付け処理が終了すると、図11に戻り、画像抽出部23が上述のようにして、現在シリーズScの各シリーズに含まれる対応画像に対して、ステップST2において対応付けられた過去シリーズSpのシリーズに含まれるスライス画像から、1枚の対応画像を抽出する対応画像の抽出処理を行う。
【0064】
次に、表示制御部24が上述のようにして、一例として図10に示すように、現在検査Cで取得した各対象画像と、この各対象画像に対応する過去検査Pで取得された対応画像とを表示部14の画面14A上に上下に並列に表示させて(ステップST4)、一連の処理が終了する。
【0065】
このように、本開示の上記実施形態によれば、画像保管サーバ3から、比較読影の対象となる現在シリーズSc及び過去シリーズSpを取得し、現在シリーズScと過去シリーズSpとの間で、各シリーズ間の類似度に基づいて、現在シリーズScの各シリーズと過去シリーズSpの各シリーズとを対応付け、現在シリーズScのうちの何れかのシリーズであるシリーズSc1と対応付けられた過去シリーズSpのうちの何れかのシリーズであるシリーズSp2から、シリーズSc1の少なくとも1枚の対象画像と対応する対応画像を抽出し、対象画像と対応画像との画像の組を対比可能なレイアウトで表示部に表示させる。従って、比較読影の対象となるシリーズの組を適切に対応付け、かつ対応付けられたシリーズの組間において対応する各スライス画像を抽出して対比可能なレイアウトで表示することができる。これにより、現在検査のスライス画像に対して対応する過去検査のスライス画像を自動的に追従させて表示することができるので、現在検査と過去検査を比較する際に、ユーザはシリーズやスライス画像を読影し易いように選択する操作に要する手間を低減することができる。
【0066】
なお、上記実施形態において対応付け部22は、一例としてシリーズを対応付ける際に使用した、シリーズのボリュームデータ間における類似度の算出において、対応付け部22は、図12に示すステップST21で、画像面の方向が同じか否かを判別したが、本開示の技術はこれに限られない。例えば、DICOMタグなどの付帯情報に、画像面の方向に関する情報が存在しない場合には、ステップST21及びステップST23の処理を省略して、ピクセルデータのみで類似度を算出してもよい。
【0067】
また、対応付け部22によるシリーズ間の対応付け方法は、上記実施形態に限られるものではなく、例えば、特願2018−074188号に記載された対応付け方法を使用することができる。
【0068】
また、上記実施形態において画像抽出部23は、一例として対応付け部22によって対応付けられた全てのシリーズ間において、現在シリーズScに含まれる対象画像全てに対して、各々対応する過去シリーズSpに含まれるスライス画像を対応画像として抽出したが、本開示の技術はこれに限られない。例えば、図10に示す画面14Aにおいて画面14Aの上方に配置する現在検査Cで取得された画像が、現在シリーズScのうちのシリーズSc1のみであることが予め画像診断支援装置1において設定されている場合には、画像抽出部23は、シリーズSc1に含まれる対象画像についてのみ対応画像を抽出してもよい。
【0069】
なお、上記実施形態において対応付け部22は、一例としてシリーズを対応付ける際に、シリーズのボリュームデータ間における類似度を算出したが、本開示の技術はこれに限られない。対応付け部22は、現在シリーズSc及び過去シリーズSpに含まれる各シリーズから特定の解剖構造を含む領域を検出して、検出した領域の特徴量として画素値分布を比較することにより、類似度を算出してもよい。図14及び図15はそれぞれ特定の解剖構造を含む領域を検出してシリーズ間の対応付けを行う方法を説明するための図である。
【0070】
一般的に、T1強調画像は、おもに縦緩和によってコントラストのついた核磁化分布を画像にしたものであり、T2強調画像はおもに横緩和によってコントラストのついた核磁化分布を画像にしたものである。T2強調画像においては、水、血液、及び脂肪などが高信号(白)となり、出血、石灰化、線維組織、及びメラニンなどが低信号(黒)となる。
【0071】
そこで、対応付け部22は、一例として図14に示すように、各シリーズすなわち各ボリュームデータから脊髄を含む領域を検出して、検出した脊髄を含む領域の画素値分布つまりヒストグラムを比較する。図14に示すように、T2強調像G2においては、脊髄領域Tが高信号を示すが、T1強調像G1においては、脊髄領域Tは高信号を示さない。従って、検出した脊髄を含む領域のヒストグラムを比較することにより、T2強調像G2とT1強調像G1等の他の画像とを区別することができる。
【0072】
具体的には、対応付け部22は、図15に示すように、現在シリーズSc1のシリーズSc1の脊髄を含む領域に対して、過去シリーズSpに含まれる全てのシリーズの脊髄を含む領域とヒストグラムの比較を行うことにより、シリーズ間での対応付けを決定する。なお、ヒストグラムの比較を行う領域は脊髄を含む領域に限られず、特定の解剖構造を含む領域であればよい。特定の解剖構造は、現在検査C及び過去検査Pにより撮影された被検体の種類に基づいて決定される。このように特定の解剖構造を含む領域のヒストグラムを比較することによりシリーズ間での対応付けを決定することができる。
【0073】
なお、対応付け部22は、現在シリーズScの各シリーズの入力により、入力されたシリーズと最も類似度が高い過去シリーズSpのシリーズを出力するように機械学習がなされた学習済みモデルを有していてもよい。シリーズ間の対応づけの正解データを多数用意することで、上記において図12から図15で示して説明したシリーズを対応付ける方法と機械学習とを組み合わせることができる。本開示において学習済みモデルMは、一例としてSiamese Networkを用いる。図16は学習済みモデルを説明するための図、図17はシリーズ間の対応付けの正解データを説明するための図である。
【0074】
学習済みモデルMは、一例として、図16に示す構造を有するネットワークであるSiamese Networkを用いる。Siamese Networkは、2つの入力X1、X2に対するConvolutional Network出力Gw(X1)、Gw(X2)の距離が、X1とX2を対応づけたい場合には近づくように、対応づけたくない場合には遠ざかるように学習させることができる。なお、具体的には、S. Chopra, R. Hadsell, Y. LeCun, “Learning a Similarity Metric Discriminatively, with Application to Face Verification”, International Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR), 2005.に記載された技術を使用することができる。
【0075】
学習用の正解データは、例えば図7に示すシリーズ間の対応付けを対応付けの正解とする場合には、2つのシリーズを入力とし、対応する又は対応しないを出力とする。図17に示すように、シリーズSc1及びシリーズSp1を入力とすると対応するが出力となり、シリーズSc1及びシリーズSp2を入力とすると対応しないが出力となり、シリーズSc1及びシリーズSp3を入力とすると対応しないが出力となる。なお、入力X1、X2は、シリーズ(ボリューム)全体のヒストグラムであってもよいし、特定の解剖構造を含む領域のヒストグラムであってもよいし、ピクセルデータそのものであってもよい。以上のように、対応付け部22は、学習済みモデルMを使用してシリーズ間の対応付けを行うことができる。
【0076】
なお、本開示の技術において学習済みモデルは、Siamese Networkを用いるものに限られない。学習済みモデルMは、例えば、1つの対象となるシリーズ、対象となるシリーズに対して対応するシリーズ、及び対象となるシリーズに対して対応しないシリーズの合計3つのシリーズを入力とするTriplet Network 等を用いてもよい。なお、Triplet Networkは、エラード・ホファー(Elad Hoffer),ニル・アイロン(Nir Ailon)著、「DEEP METRIC LEARNING USING TRIPLET NETWORK」、Accepted as a workshop contribution at ICLR 2015に記載された技術を使用することができる。
【0077】
また、上述した実施形態においては、表示制御部24は、対象画像と対応画像との画像の組を表示部14の画面14A上に並列に表示させたが、本開示の表示制御部24はこれに限られない。表示制御部24は、対象画像と対応画像との全ての画像の組を表示部14の画面14B上に一組ずつ切り替えて表示させてもよい。図18は表示部14のレイアウトの一例を説明するための図である。なお、便宜上、図18においては紙面上側を上方として、以下説明する
【0078】
表示制御部24は、現在シリーズScに含まれる各対象画像と、この対象画像と対応する過去シリーズSpに含まれる対応画像との画像の組を表示部14の画面14B上に一組ずつ切り替えて表示させる。具体的には一例として、対応付け部22によって現在検査CのシリーズSc1と過去検査PのシリーズSp2が対応付けられ、画像抽出部23によってシリーズSc1の対象画像a3に対してシリーズSp2の対応画像b2が抽出された場合には、表示制御部24は、対象画像a3と対応画像b2との画像の組を対比可能なレイアウトとして、一例として図18に示すように、現在検査Cで取得された画像が左側、過去検査Pで取得された画像が右側に位置するように各画像の組を左右に並列に表示させる。
【0079】
図19は表示部14の画面14Bの一例を説明するための図である。なお、便宜上、図19においては紙面上側を上方として、以下説明する。表示制御部24は、一例として図19に示すように、現在検査Cで取得した1枚の対象画像と、この対象画像に対応する過去検査Pで取得された対応画像とを表示部14の画面14B上に左右に並列に表示させる。表示制御部24は、例えば、ユーザが入力部15を操作する度に、画面14B上に表示される画像の組を切り替えて表示させる。表示制御部24は、全ての対応画像と対象画像との画像の組を順次切り替えて表示部14に表示させる。
【0080】
なお、画面14B上に順次表示する対象画像は、ユーザによって適宜変更することができる。すなわち、全ての対象画像であってもよいし、ユーザによって予め選択された対象画像のみであってもよい。どちらの場合であっても、順次表示される対象画像に対して画像抽出部23により抽出された対応画像が、対象画像と共に画面14Bに表示される。
【0081】
本開示の表示制御部24は、例えばユーザが入力部15を操作することにより、全画像表示機能及び全画面表示機能等が選択された場合に、図19に示す画面14Bの表示をさせ、全画像表示機能及び全画面表示機能等の選択が解除された場合に、図10に示す画面14Aの表示をさせるようにしてもよい。
【0082】
また、上述した実施形態においては、一例として各シリーズを3次元画像として説明したが、本開示の技術は3次元画像に限られず、例えば連続して撮影された複数の2次元画像及び4次元画像をシリーズとすることもできる。ここで4次元画像は、心臓の三次元動画を意味する。
【0083】
また、上述した実施形態においては、本開示の「第1の複数の画像データ群」及び「第2の複数の画像データ群」を同一の被検体に対して異なる時期でそれぞれ撮影して取得された現在シリーズSc及び過去シリーズSpとしたが、本開示の技術はこれに限られない。例えば、「第1の複数の画像データ群」を現在シリーズScとし、「第2の複数の画像データ群」を被検体の様々な解剖面に沿った断面画像を連続的に貼り合わせて作った地図であるアトラスの画像を複数含むシリーズとしてもよいし、「第2の複数の画像データ群」を「第1の複数の画像データ群」とは異なる被検体に対して撮影して取得された複数のシリーズとしてもよい。
【0084】
また、上述した実施形態において、例えば、取得部21、対応付け部22、画像抽出部23、及び表示制御部24といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、上述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device :PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0085】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせまたはCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0086】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアとの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0087】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0088】
1 画像診断支援装置
2 3次元画像撮影装置
3 画像保管サーバ
4 ネットワーク
11 CPU
12 メモリ
13 ストレージ
14 表示部
15 入力部
21 取得部
22 対応付け部
23 画像抽出部
24 表示制御部
C 現在検査
P 過去検査
Sc 現在シリーズ
Sp 過去シリーズ
a 対象画像(スライス画像)
b 対応画像(スライス画像)
T 脊髄領域
M 学習済みモデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19