(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(メタ)アクリル酸(a)100質量部、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)2.5〜5質量部、およびエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(c)0.1質量部以下を含む単量体の共重合体であるアルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物と、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方とを含み、
前記アニオン系乳化剤の含有量が、0.1質量%〜0.5質量%(固形分)の範囲内にあり、pHが4〜5.6の範囲にあり、
前記ノニオン系乳化剤の含有量が、0.05質量%〜1質量%(固形分)の範囲内にあり、pHが4〜13の範囲にある、ジェル組成物。
前記エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(c)が、ペンタエリスリトールアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテルおよびポリアリルサッカロースからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載のジェル組成物。
(メタ)アクリル酸(a)100質量部、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)2.5〜5質量部、およびエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(c)0.1質量部以下を含む単量体の共重合体であるアルキル変性カルボキシル基含有重合体と、アルカリ成分とを混合して、前記アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物を調製する工程、及び
前記アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物と、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方とを混合する工程、
を備え、
前記アニオン系乳化剤の含有量が、0.1質量%〜0.5質量%(固形分)の範囲内にあり、pHが4〜5.6の範囲にあり、
前記ノニオン系乳化剤の含有量が、0.05質量%〜1質量%(固形分)の範囲内にあり、pHが4〜13の範囲にある、ジェル組成物の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、化粧料等の増粘剤として好適に使用できるジェル組成物、その製造方法、及び当該ジェル組成物を含む化粧料を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、(メタ)アクリル酸(a)100質量部、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)2.5〜5質量部、およびエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(c)0.1質量部以下を含む単量体の共重合体であるアルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物と、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方とを含むジェル組成物は、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方と混合する前後における粘度差が非常に大きいことを見出した。これにより、アニオン系乳化剤またはノニオン系乳化剤を混合する前の低粘度の状態で、所望の成分を均一性高く分散・溶解させることができ、その後に、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方を加えることにより、好適に高粘度のジェル組成物が得られることを見出した。当該ジェル組成物は、増粘性に優れ、化粧料等の増粘剤として好適に使用できる。
【0008】
すなわち、本発明は、下記の構成を備える発明を提供する。
項1. (メタ)アクリル酸(a)100質量部、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)2.5〜5質量部、およびエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(c)0.1質量部以下を含む単量体の共重合体であるアルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物と、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方とを含む、ジェル組成物。
項2. 前記アニオン系乳化剤の含有量が、0.05質量%〜1質量%(固形分)の範囲内にあり、pHが4〜5.6の範囲にある、項1に記載のジェル組成物。
項3. 前記ノニオン系乳化剤の含有量が、0.05質量%〜1質量%(固形分)の範囲内にあり、pHが4〜13の範囲にある、項1に記載のジェル組成物。
項4. 前記エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(c)が、ペンタエリスリトールアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテルおよびポリアリルサッカロースからなる群より選ばれた少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載のジェル組成物。
項5. 前記アニオン系乳化剤がアルキル硫酸塩であり、前記ノニオン系乳化剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルである、項1〜4のいずれかに記載のジェル組成物。
項6. 項1〜5のいずれかに記載のジェル組成物を含む、化粧料。
項7. (メタ)アクリル酸(a)100質量部、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)2.5〜5質量部、およびエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(c)0.1質量部以下を含む単量体の共重合体であるアルキル変性カルボキシル基含有重合体と、アルカリ成分とを混合して、前記アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物を調製する工程、及び
前記アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物と、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方とを混合する工程、
を備える、ジェル組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、化粧料等の増粘剤として好適に使用できるジェル組成物及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のジェル組成物は、(メタ)アクリル酸(a)100質量部、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)2.5〜5質量部、およびエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(c)0.1質量部以下を含む単量体の共重合体であるアルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物と、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方とを含むことを特徴とする。以下、本発明のジェル組成物、その製造方法、及び当該ジェル組成物を含む化粧料について、詳述する。
【0011】
なお、本発明において、「アクリル酸及びメタクリル酸」を総称して「(メタ)アクリル酸」という。また、本発明において、「中和粘稠液」とは、アルキル変性カルボキシル基含有重合体の水分散液のpHが所定値(通常、pHが3.5〜6.5程度)となるように、アルキル変性カルボキシル基含有重合体の水分散液にアルカリ成分(例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類等)を混合して、得られた粘性液体を意味する。また、「1質量%中和粘稠液」とは、アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物の割合が1質量%である中和粘稠液を意味する。
【0012】
本発明において、アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物は、アルキル変性カルボキシル基含有重合体が前述のようなアルカリ成分で部分中和または完全中和された化合物である。本発明のジェル組成物(特に、pHが3.5〜6.5程度の場合)においてアルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物は、通常、アルキル変性カルボキシル基含有重合体の部分中和物である。なお、アルキル変性カルボキシル基含有重合体を中和する前のpHは、通常、2.5〜3程度である。
【0013】
アルキル変性カルボキシル基含有重合体は、(メタ)アクリル酸(以下、成分(a)ということがある)100質量部と、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、成分(b)ということがある)2.5〜5質量部と、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(以下、成分(c)ということがある)0.1質量部以下との共重合体である。すなわち、本発明のアルキル変性カルボキシル基含有重合体は、少なくとも、成分(a)及び(b)が共重合されたものであり、必要に応じて成分(c)についても共重合されている。
【0014】
本発明において、(メタ)アクリル酸(成分(a))としては、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を使用することができる。
【0015】
アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(成分(b))は、(メタ)アクリル酸と、アルキル基の炭素数が18〜24である高級アルコールとのエステルである。成分(b)の具体例としては、(メタ)アクリル酸とステアリルアルコールとのエステル(すなわち、(メタ)アクリル酸ステアリル)、(メタ)アクリル酸とエイコサノールとのエステル(すなわち、(メタ)アクリル酸エイコサニル)、(メタ)アクリル酸とベヘニルアルコールとのエステル(すなわち、(メタ)アクリル酸ベヘニル)、(メタ)アクリル酸とテトラコサノールとのエステル(すなわち、(メタ)アクリル酸テトラコサニル)などを挙げることができる。これらの中でも、アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物と、化粧料などに配合されることの多いカチオン性ポリマーとの共存下においても、透明性の高いジェル組成物による増粘効果に優れていることから、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エイコサニル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸テトラコサニル等が好適に用いられる。
【0016】
アルキル変性カルボキシル基含有重合体において、単量体を構成している成分(b)は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。成分(b)を2種類以上用いて共重合するときは、例えば、日本油脂株式会社製の商品名ブレンマーVMA−70(メタクリル酸ステアリルが10質量部〜20質量部、メタクリル酸エイコサニルが10質量部〜20質量部、メタクリル酸ベヘニルが59質量部〜80質量部及びメタクリル酸テトラコサニルが1質量部以下の混合物)を用いることが出来る。
【0017】
アルキル変性カルボキシル基含有重合体における成分(b)の割合は、(メタ)アクリル酸(成分(a))100質量部に対して、2.5質量部〜5質量部である。アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方の共存下において、ジェル組成物の粘度を効果的に高める観点からは、成分(b)の割合は、成分(a)100質量部に対して、好ましくは1質量部〜3質量部が挙げられる。なお、成分(b)の割合が、成分(a)100質量部に対して2.5質量部未満である場合には、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方の共存下において、ジェル組成物の粘度が低くなりやすく、一方、5質量部を越える場合にも、ジェル組成物の粘度が低くなりやすい。
【0018】
エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(成分(c))は、重合性を有するエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物である。本発明において、成分(c)は、必要に応じて、アルキル変性カルボキシル基含有重合体の単量体を構成する。成分(c)の好ましい具体例としては、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル等のペンタエリスリトールのポリアリルエーテル(これらのそれぞれ及び2種以上の混合物を「ペンタエリスリトールアリルエーテル」と総称する)や、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリアリルサッカロース等が挙げられる。アルキル変性カルボキシル基含有重合体において、必要に応じて単量体を構成する成分(c)は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
【0019】
アルキル変性カルボキシル基含有重合体における成分(c)の割合としては、(メタ)アクリル酸(成分(a))100質量部に対して、0.1質量部以下、好ましくは0.0001〜0.05質量部、より好ましくは0.001〜0.044質量部が挙げられる。成分(c)の割合が、0.1質量部を超えると、ジェル組成物の粘度が低下しやすく、当該ジェル組成物を用いた化粧料の安定性が劣化するおそれがある。
【0020】
本発明のアルキル変性カルボキシル基含有重合体には、前述の成分(a)〜(c)以外の単量体(成分(a)〜(c)の少なくとも1種と共重合可能な他の単量体)が共重合されていてもよい。例えば、(メタ)アクリル酸ラウリルを成分(a)〜(c)の総量100質量部に対して0質量部を超え1質量部以下の割合で使用することもできる。また、本発明において、アルキル変性カルボキシル基含有重合体を構成する単量体における、成分(a)〜(c)の合計割合としては、特に制限されないが、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%〜100質量%程度、さらに好ましくは90質量%〜100質量%程度、特に好ましくは95質量%〜100質量%程度が挙げられる。当該合計割合は、実質的に100質量%であってもよい。
【0021】
アルキル変性カルボキシル基含有重合体の製造方法としては、特に制限されず、少なくとも前述の成分(a)及び成分(b)を含む原料、並びに重合開始剤を溶媒に添加した溶液を、不活性ガス雰囲気下で攪拌しながら加熱して、重合する方法等がある。
【0022】
不活性ガス雰囲気とするための不活性ガスとしては、特に制限されないが、窒素ガス、アルゴンガスなどがある。
【0023】
また、溶媒は、少なくとも成分(a)及び成分(b)は溶解するが、生成するアルキル変性カルボキシル基含有重合体は溶解せず、共重合反応を阻害しなければ、特に限定されない。溶媒の具体例としては、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒などがある。溶媒は、1種類で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの溶媒の中でも、ノルマルヘキサン、ノルマルへプタン、酢酸エチルなどが好適に用いられる。
【0024】
溶媒の使用量は、攪拌操作性の向上と、経済性の観点から、成分(a)100質量部に対して、300質量部〜5,000質量部とすることが好ましい。
【0025】
重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤が好ましい。重合開始剤の具体例としては、α、α’−アゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレート)などがある。これらの中でも、高分子量のアルキル変性カルボキシル基含有重合体が得られやすい観点から、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレート)が好ましい。重合開始剤は、1種類で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0026】
重合開始剤の使用量としては、反応速度を適度に保つ観点から、成分(a)1モルに対して、好ましくは0.00003モル〜0.002モル程度である。重合開始剤の使用量が0.00003モル以上であることにより、反応速度が遅くなりすぎず、経済的である。また、重合開始剤の使用量が0.002モル以下であることにより、重合が急激に進行することを抑制し、重合反応の制御が容易となる。
【0027】
重合温度としては、反応速度を適度に保つ観点から、好ましくは50℃〜90℃程度、より好ましくは55℃〜75℃程度である。
【0028】
重合時間は、重合温度などによって異なるが、通常、0.5時間〜5時間程度である。
【0029】
重合後の分散液から、乾燥時間を短くし、共重合体の塊状化を抑制する観点から、例えば80℃〜130℃に加熱して溶媒を除去することにより、アルキル変性カルボキシル基含有重合体を得ることができる。このときの加熱温度を80℃以上とすることにより、乾燥時間を短くすることができる。また、加熱温度を130℃以下とすることにより、アルキル変性カルボキシル基含有重合体の水への分散性の低下を好適に抑制することができる。
【0030】
アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方の共存下においても、ジェル組成物の粘度および透明性を高め、さらに、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤と混合する前後における粘度差を大きくする観点からは、アルキル変性カルボキシル基含有重合体(アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方の共存下にないもの)は、1質量%中和粘稠液とした場合の25℃下における粘度が5,000mPa・s以下であることが好ましく、100〜1000mPa・s程度であることがより好ましい。
【0031】
なお、本発明において、粘度は、実施例に記載された方法により測定された値を意味する。
【0032】
本発明のジェル組成物において、アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物の含有量としては、特に制限されないが、好ましくは0.1質量%〜2質量%程度、より好ましくは0.5質量%〜1.5質量%程度が挙げられる。
【0033】
アニオン系乳化剤としては、前述のアルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物との共存下において、ジェル組成物の粘度を高める観点からは、好ましくはポリオキシエチレン(以下POEと略す場合がある)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEイソデシルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;POEラウリルエーテルリン酸エステル、POEトリデシルエーテルリン酸エステル等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル;ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;ラウリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩などが挙げられる。これらの中でも、本発明のジェル組成物を化粧料に配合した際の泡立ちがよく、コンディショニング効果が得られる観点から、ラウリル硫酸ナトリウムなどのラウリル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウムなどのラウレス硫酸塩を用いることが好ましい。これらアニオン系乳化剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
また、ノニオン系乳化剤としては、前述のアルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物との共存下において、ジェル組成物の粘度を高める観点からは、好ましくはポリオキシエチレンラウリルエーテル、POEトリデシルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン(以下POPと略す場合がある)ラウリルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPステアリルエーテル等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル;POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンジステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;POEソルビットモノオレエート、POEソルビットモノステアレート、POEソルビットジステアレート等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;POEグリセリンモノオレエート、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンジステアレート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;POEモノオレエート、POEモノステアレート、POEジステアレート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル;POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノラウレート、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート等のポリオキシエチレンヒマシ油誘導体;POEラウリルアミン、POEステアリルアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン;ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、本発明のジェル組成物を化粧料に配合した際の泡立ちがよく、低刺激性でコンディショニング効果が得られる観点から、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどを用いることが好ましい。これらノニオン系乳化剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
また、本発明においては、アニオン系乳化剤とノニオン系乳化剤とを併用してもよい。
【0036】
本発明のジェル組成物において、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の含有量としては例えば、本発明のジェル組成物のpHを低く設定(例えば、pHが4〜5.6程度の範囲)した場合にも、高粘度特性を発揮させる観点からは、アニオン系乳化剤の含有量としては、好ましくは0.05質量%〜1質量%(固形分)程度、より好ましくは0.1質量%〜0.5質量%(固形分)程度である。また、本発明のジェル組成物のpHを幅広い範囲に設定(例えば、pHが4〜13程度の範囲)した場合にも、高粘度特性を発揮させる観点からは、ノニオン系乳化剤の含有量としては、好ましくは0.05質量%〜1質量%(固形分)程度、より好ましくは0.1質量%〜0.5質量%(固形分)程度である。
【0037】
本発明のジェル組成物においては、例えばアニオン系乳化剤の量を0.05質量%〜1質量%(固形分)程度、より好ましくは0.1質量%〜0.5質量%(固形分)程度に設定することにより、pHが4〜5.6の範囲という低いpH下において、高粘度のジェル組成物とすることができ、化粧料等の増粘剤として好適に使用できる。また、本発明のジェル組成物は、このような低いpHの範囲において、アニオン系乳化剤を添加する前後における粘度差が特に大きいため、例えば、アニオン系乳化剤を添加する前の低粘度の状態で、種々の成分を均一に混合しておき、その後に、アニオン系乳化剤を添加することによって、低pHの範囲で好適に高粘度のジェル組成物とすることができる。
【0038】
また、本発明のジェル組成物においては、例えばノニオン系乳化剤の量を0.05質量%〜1質量%(固形分)程度、より好ましくは0.1質量%〜0.5質量%(固形分)程度に設定することにより、pHが4〜13の範囲という幅広いpH下において、高粘度のジェル組成物とすることができ、化粧料等の増粘剤として好適に使用できる。また、本発明のジェル組成物は、このような幅広いpHの範囲において、ノニオン系乳化剤を添加する前後における粘度差が特に大きいため、例えば、ノニオン系乳化剤を添加する前の低粘度の状態で、種々の成分を均一に混合しておき、その後に、ノニオン系乳化剤を添加することによって、低pHの範囲で好適に高粘度のジェル組成物とすることができる。
【0039】
本発明のジェル組成物は、pHが4〜5.6と小さい場合には、アニオン系乳化剤の含有量を0.05質量%〜1質量%(固形分)程度とすることで、粘度を例えば15,000mPa・s以上、さらには20,000mPa・s以上とすることができる。なお、この場合の粘度の上限値としては、通常、200,000mPa・s程度である。
【0040】
また、本発明のジェル組成物は、pHが4〜13と幅広い範囲において、ノニオン系乳化剤の含有量を0.05質量%〜1質量%(固形分)程度とすることで、粘度を例えば20,000mPa・s以上、さらには30,000mPa・s以上とすることができる。なお、この場合の粘度の上限値としては、通常、200,000mPa・s程度である。
【0041】
本発明のジェル組成物が、高い粘性を備えており、化粧料等に対する増粘剤として好適に使用できる機序の詳細は、必ずしも明らかではないが、例えば、次のように考えることができる。すなわち、本発明においては、ジェル組成物に含まれるアルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物が、前述の成分(a)〜(c)を上記所定量で共重合されたものであることにより、アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物と、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方が、水中において好適に会合体を形成して増粘するため、高い粘度を備えるジェル組成物になっているものと考えられる。
【0042】
本発明のジェル組成物は、成分(a)〜(c)以外にも、通常、水を含有する。本発明のジェル組成物における水の含有量は、特に限定されないが、91.4〜99.3質量%が好ましく、より好ましくは92.0〜99.0質量%である。
【0043】
また、本発明ジェル組成物は、その目的を損なわない範囲で、他の増粘剤、アルコール類、pH調整剤、保湿剤、油剤、塩類、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素および香料等の各種添加剤を含んでいてもよい。本発明のジェル組成物は、シャンプーなどのヘアケアや、ボディシャンプー、洗顔料などのスキンケア等に用いられる、粘稠液状やジェル状の化粧料の増粘剤として好適に使用できる。本発明の化粧料は、本発明のジェル組成物を含んでおり、化粧料に配合される各種美容成分をさらに含んでいてもよい。
【0044】
本発明のジェル組成物の製造方法としては、特に制限されないが、例えば、下記の工程を備える製造方法によって、好適に製造することができる。
(メタ)アクリル酸(a)100質量部、アルキル基の炭素数が18〜24である(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)2.5〜5質量部、およびエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(c)0.1質量部以下を含む単量体の共重合体である、前述のアルキル変性カルボキシル基含有重合体と、前述のアルカリ成分とを混合して、前記アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物を調製する工程
前記アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物と、前記アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方とを混合する工程
【0045】
なお、上記の製造方法においては、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方を混合する前及び後の少なくとも一方において、アルカリ成分を添加して、ジェル組成物のpHを所望の値に調整することができる。
【0046】
本発明のジェル組成物の製造方法においては、さらに、各種添加剤を混合してもよい。各種添加剤は、前記アルキル変性カルボキシル基含有重合体の中和物と、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤の少なくとも一方とを混合する前後のいずれにおいても混合することができる。
【実施例】
【0047】
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
【0048】
(粘度測定)
BH型回転粘度計を用いて、25℃でスピンドルローターNo.7の回転速度を毎分20回転として1分後の粘度を測定した。
【0049】
(製造例1)
攪拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500mL容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(0.625モル)、ブレンマーVMA70(日本油脂株式会社製:メタクリル酸ステアリルが10〜20質量部、メタクリル酸エイコサニルが10〜20質量部、メタクリル酸ベヘニルが59〜80質量部およびメタクリル酸テトラコサニルの含有量が1質量部以下の混合物)1.4g、ペンタエリスリトールアリルエーテル(ペンタエリスリトールトリアリルエーテルとペンタエリスリトールテトラアリルエーテルの混合物)0.02g、ノルマルヘキサン150gおよび2,2’−アゾビスメチルイソブチレート0.081g(0.00035モル)を仕込んだ。その後、フラスコの内容物を均一に攪拌しながら、フラスコ内の酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。その後、攪拌と窒素ガスの吹き込みを続けた状態で、内容物を加熱するため、オイルバスの設定を60〜65℃に設定し、4時間保持した。その後、オイルバスの設定温度を90℃に設定して、ノルマルヘキサンを除去した。その後、フラスコの内容物を減圧乾燥機(Yamatho社製、バキュームドライオーブンDP33)に移し、オーブンの設定温度を110℃に設定し、設定圧力を10mmHgに設定して8時間乾燥し、白色微粉末状のアルキル変性カルボキシル基含有重合体(重合体1)45gを得た。
【0050】
(製造例2)
製造例1において、ブレンマーVMA70(日本油脂株式会社製)の使用量を1.125gに変更し、ペンタエリスリトールアリルエーテル(ペンタエリスリトールトリアリルエーテルとペンタエリスリトールテトラアリルエーテルの混合物)の使用量を0.02gから0.135gに変更したこと以外は製造例1と同様にして、白色微粉末状のアルキル変性カルボキシル基含有重合体(重合体2)45gを得た。
【0051】
<ジェル組成物のpHと粘度との関係の評価>
(参考例1)
ディスパー羽根(Φ40mm)をセットした超高速攪拌システムT.K.ロボミックス(プライミクス株式会社製)を使用して、蒸留水987.7gの入った2Lビーカーに、10gの重合体1を毎分5000回転の攪拌速度下、徐々に投入して分散させた。5000回転で10分間攪拌した後、攪拌速度を毎分3000回転に下げ、20分間攪拌継続した。その後、毎分1400回転の攪拌速度で18質量%水酸化ナトリウム水溶液2.3gを入れ、内容物が均一となるまで攪拌し、pH3.8程度の中和粘稠液を調製した。次に、18質量%水酸化ナトリウム水溶液を所定量加えて均一に攪拌することによって、表1に示されるようにpHを変化させて、中和粘稠液の各pHにおける粘度を測定した(表1の乳化剤含量0質量%)。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
(実施例1〜4)
参考例1と同様にして重合体1がpH3.8程度に調整された中和粘稠液144gを、200Lビーカーに小分けし、4枚パドル翼(Φ50mm)を用いて毎分500回転の攪拌速度下で、表2に記載の各含量(それぞれ、ラウリル硫酸ナトリウム含量またはラウレス硫酸ナトリウム含量が、0.1質量%(固形分)、0.50質量%(固形分))となるようにして、ラウリル硫酸ナトリウム(花王株式会社製のエマール10G、ラウリル硫酸ナトリウム98質量%)と蒸留水、ラウレス硫酸ナトリウム(花王株式会社製のエマール20C、ラウレス硫酸ナトリウム25質量%)と蒸留水(それぞれ、ジェル組成物が150gとなる量)をゆっくり添加し、攪拌速度を毎分1000回転に上げて1時間混合して、各ジェル組成物を調製した。次に、得られたジェル組成物に、18質量%水酸化ナトリウム水溶液を所定量加えて均一に攪拌することにより、表2に示されるようにpHを変化させて、中和粘稠液の各pHにおける粘度を測定した。結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
表2に示される結果から明らかな通り、実施例1〜4においては、pHが4〜5.6程度という低いpH下において、高粘度のジェル組成物となることが分かる。さらに、アニオン系乳化剤を添加する前後における粘度差が非常に大きいため、アニオン系乳化剤を添加する前の低粘度の状態で、種々の成分を均一に混合し、その後に、アニオン系乳化剤を添加することによって、低pHの範囲で好適に高粘度のジェル組成物を作製できることが分かる。すなわち、低いpHの範囲において、アニオン系乳化剤を添加する前(表1の乳化剤含量0質量%(参考例1))では、組成物の粘度が非常に低く、各成分を容易に均一分散、溶解させることが可能であり、その後に、所定量のアニオン系乳化剤を加える(それぞれ、ラウリル硫酸ナトリウム含量またはラウレス硫酸ナトリウム含量が、0.1質量%、0.50質量%)ことにより、高粘度のジェル組成物が得られることが分かる。
【0056】
(参考例2)
重合体1の代わり重合体2を用いたこと以外は、参考例1と同様にして、pH3.8程度の中和粘稠液を調製した。次に、18質量%水酸化ナトリウム水溶液を所定量加えて均一に攪拌することによって、表3に示されるようにpHを変化させて、中和粘稠液の各pHにおける粘度を測定した(表3の乳化剤含量0質量%)。結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
(比較例1)
参考例2と同様にして重合体2(重合体1に比して、高架橋度の重合体)がpH3.8程度に調整された中和粘稠液144gを、200Lビーカーに小分けし、4枚パドル翼(Φ50mm)を用いて毎分500回転の攪拌速度下で、表4に記載の含量(ラウリル硫酸ナトリウム含量が0.1質量%(固形分))となるようにして、ラウリル硫酸ナトリウム(花王株式会社製のエマール10G、ラウリル硫酸ナトリウム98質量%)と蒸留水(ジェル組成物が150gとなる量=5.85g)をゆっくり添加し、攪拌速度を毎分1000回転に上げて1時間混合して、ジェル組成物を調製した。次に、得られたジェル組成物に、18質量%水酸化ナトリウム水溶液を所定量加えて均一に攪拌することにより、表4に示されるようにpHを変化させて、中和粘稠液の各pHにおける粘度を測定した。結果を表4に示す。
【0059】
【表4】
【0060】
表3、表4に示される結果から明らかな通り、参考例2のように重合体2(重合体1に比して、高架橋度の重合体)を用いた場合、pHが4〜5.6の範囲という低いpHの範囲において、アニオン系乳化剤を添加する前(表3の乳化剤含量0質量%(参考例2))の粘度が高いため、実施例1〜4と比較すると、各成分を均一に分散、溶解させにくいことが分かる。参考例2にさらにアニオン系乳化剤を添加した比較例1においても、ジェル組成物の粘度はそれほど上昇しないことが分かる。
【0061】
(実施例5,6)
参考例1と同様にして重合体1がpH3.8程度に調整された中和粘稠液144gを、200Lビーカーに小分けし、4枚パドル翼(Φ50mm)を用いて毎分500回転の攪拌速度下で、表5に記載の各含量(それぞれ、ポリオキシエチレンラウリルエーテル含量が、0.1質量%(固形分)、0.50質量%(固形分))となるようにして、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製のエマルゲン108、ポリオキシエチレンラウリルエーテル100質量%)と蒸留水(それぞれ、ジェル組成物が150gとなる量)をゆっくり添加し、攪拌速度を毎分1000回転に上げて1時間混合して、各ジェル組成物を調製した。次に、得られたジェル組成物に、18質量%水酸化ナトリウム水溶液を所定量加えて均一に攪拌することにより、表5に示されるようにpHを変化させて、中和粘稠液の各pHにおける粘度を測定した。結果を表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】
表5に示される結果から明らかな通り、実施例5,6においては、pHが4〜13程度という広い範囲において、高粘度のジェル組成物とすることができることが分かる。さらに、ノニオン系乳化剤を添加する前後における粘度差が非常に大きいため、ノニオン系乳化剤を添加する前の低粘度の状態で、種々の成分を均一に混合し、その後に、ノニオン系乳化剤を添加することによって、幅広いpHの範囲で好適に高粘度のジェル組成物を作製できることが分かる。すなわち、幅広いpHの範囲において、ノニオン系乳化剤を添加する前(表1の乳化剤含量0質量%(参考例1))では、組成物の粘度が非常に低く、各成分を容易に均一分散、溶解させることが可能であり、その後に、所定量のノニオン系乳化剤を加える(それぞれ、ポリオキシエチレンラウリルエーテル含量が、0.1質量%(固
形分)、0.50質量%(固形分))ことにより、高粘度のジェル組成物が得られることが
分かる。
【0064】
(比較例2)
参考例2と同様にして重合体2(重合体1に比して、高架橋度の重合体)がpH3.8程度に調整された中和粘稠液144gを、200Lビーカーに小分けし、4枚パドル翼(Φ50mm)を用いて毎分500回転の攪拌速度下で、表6に記載の含量(ポリオキシエチレンラウリルエーテル含量が0.50質量%(固形分))となるようにして、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製のエマルゲン108、ポリオキシエチレンラウリルエーテル100質量%)と蒸留水(ジェル組成物が150gとなる量=5.25g)をゆっくり添加し、攪拌速度を毎分1000回転に上げて1時間混合して、ジェル組成物を調製した。次に、得られたジェル組成物に、18質量%水酸化ナトリウム水溶液を所定量加えて均一に攪拌することにより、表6に示されるようにpHを変化させて、中和粘稠液の各pHにおける粘度を測定した。結果を表6に示す。
【0065】
【表6】
【0066】
表3、表6に示される結果から明らかな通り、参考例2のように重合体2(重合体1に比して、高架橋度の重合体)を用いた場合、pHが4〜12程度の幅広い範囲において、ノニオン系乳化剤を添加する前(表3の乳化剤含量0質量%(参考例2))の粘度が高いため、実施例5,6と比較すると、各成分を均一に分散、溶解させにくいことが分かる。ここにノニオン系乳化剤を加えると(比較例2)、pH4〜12の範囲において粘度が高くなるが、ノニオン系乳化剤を加える前の粘度が高すぎるため、利用しにくいジェル組成物といえる。