特許第6982394号(P6982394)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6982394
(24)【登録日】2021年11月24日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】被加工物の処理装置、及び載置台
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20211206BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
   H01L21/302 101G
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-17846(P2017-17846)
(22)【出願日】2017年2月2日
(65)【公開番号】特開2018-125463(P2018-125463A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年9月9日
【審判番号】不服2021-3750(P2021-3750/J1)
【審判請求日】2021年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100208524
【弁理士】
【氏名又は名称】小曳 満昭
(72)【発明者】
【氏名】山口 伸
(72)【発明者】
【氏名】三ツ森 章祥
(72)【発明者】
【氏名】有田 毅彦
(72)【発明者】
【氏名】村上 幸一
【合議体】
【審判長】 河本 充雄
【審判官】 ▲吉▼澤 雅博
【審判官】 辻本 泰隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−009049(JP,A)
【文献】 特開2002−217178(JP,A)
【文献】 特開2014−011382(JP,A)
【文献】 特開2010−123809(JP,A)
【文献】 特開2001−068538(JP,A)
【文献】 特開2011−84770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物の処理装置であって、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体の内部に設けられ前記被加工物を載置する載置台と、
冷媒を前記載置台に出力するチラーユニットと、
を備え、
前記載置台は、
前記チラーユニットから出力される前記冷媒が流れる冷却台と、
前記冷却台の上に設けられた静電チャックと、
を備え、
前記冷却台は、第1の部分と第2の部分と第1の流路と第2の流路と第3の流路とを備え、
前記静電チャックは、前記第1の部分上に設けられ、
前記第1の部分は、前記第2の部分上に設けられ、
前記第1の流路は、第1の端部と第2の端部とを備え、前記第1の部分内に設けられ、
前記第2の流路は、第3の端部と第4の端部とを備え、前記第2の部分内に設けられ、
前記第3の流路は、前記第1の流路の前記第1の端部と前記第2の流路の前記第3の端部とに接続され、該第1の端部と該第3の端部との間に延在し、
前記チラーユニットは、前記第1の流路の前記第2の端部と前記第2の流路の前記第4の端部とに接続され、
前記第1の流路は、前記静電チャックに沿うように前記第1の部分内に延在し、該静電チャックの上から見て、前記第1の端部から該静電チャックに沿って渦巻き状に延びて前記第2の端部に至り、
前記第2の流路は、前記静電チャックに沿うように前記第2の部分内に延在し、
前記チラーユニットから出力される前記冷媒は、前記第1の流路の前記第2の端部に入力し、該第1の流路、前記第3の流路、前記第2の流路を順に流れて、該第2の流路の前記第4の端部から前記チラーユニットに入力し、
前記第3の流路は、前記静電チャックの上から見て、該静電チャックの中央部と重なるように、前記第1の部分内と前記第2の部分内との間で延在し、
前記第2の流路は、前記静電チャックの上から見て、前記第3の端部から前記静電チャックに沿って渦巻き状に延びて前記第4の端部に至る
処理装置。
【請求項2】
被加工物の処理装置であって、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体の内部に設けられ前記被加工物を載置する載置台と、
冷媒を前記載置台に出力するチラーユニットと、
圧力調節装置と、
を備え、
前記載置台は、
前記チラーユニットから出力される前記冷媒が流れる冷却台と、
前記冷却台の上に設けられた静電チャックと、
を備え、
前記冷却台は、第1の部分と第2の部分と第1の流路と第2の流路と第3の流路と伝熱空間とを備え、
前記静電チャックは、前記第1の部分上に設けられ、
前記第1の部分は、前記第2の部分上に設けられ、
前記第1の流路は、第1の端部と第2の端部とを備え、前記第1の部分内に設けられ、
前記第2の流路は、第3の端部と第4の端部とを備え、前記第2の部分内に設けられ、
前記第3の流路は、前記第1の流路の前記第1の端部と前記第2の流路の前記第3の端部とに接続され、該第1の端部と該第3の端部との間に延在し、
前記チラーユニットは、前記第1の流路の前記第2の端部と前記第2の流路の前記第4の端部とに接続され、
前記第1の流路は、前記静電チャックに沿うように前記第1の部分内に延在し、
前記第2の流路は、前記静電チャックに沿うように前記第2の部分内に延在し、
前記チラーユニットから出力される前記冷媒は、前記第1の流路の前記第2の端部に入力し、該第1の流路、前記第3の流路、前記第2の流路を順に流れて、該第2の流路の前記第4の端部から前記チラーユニットに入力し、
前記伝熱空間は、前記第1の部分と前記第2の部分との間において前記静電チャックに沿って延在し、該伝熱空間内の圧力を調節する圧力調節装置に接続される、
処理装置。
【請求項3】
被加工物の処理装置であって、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体の内部に設けられ前記被加工物を載置する載置台と、
冷媒を前記載置台に出力するチラーユニットと、
圧力調節装置と、
伝熱空間と、
を備え、
前記載置台は、
前記チラーユニットから出力される前記冷媒が流れる冷却台と、
前記冷却台の上に設けられた静電チャックと、
を備え、
前記冷却台は、第1の部分と第2の部分と第1の流路と第2の流路と第3の流路とを備え、
前記静電チャックは、前記第1の部分上に設けられ、
前記第1の部分は、前記第2の部分上に設けられ、
前記第1の流路は、第1の端部と第2の端部とを備え、前記第1の部分内に設けられ、
前記第2の流路は、第3の端部と第4の端部とを備え、前記第2の部分内に設けられ、
前記第3の流路は、前記第1の流路の前記第1の端部と前記第2の流路の前記第3の端部とに接続され、該第1の端部と該第3の端部との間に延在し、
前記チラーユニットは、前記第1の流路の前記第2の端部と前記第2の流路の前記第4の端部とに接続され、
前記第1の流路は、前記静電チャックに沿うように前記第1の部分内に延在し、
前記第2の流路は、前記静電チャックに沿うように前記第2の部分内に延在し、
前記チラーユニットから出力される前記冷媒は、前記第1の流路の前記第2の端部に入力し、該第1の流路、前記第3の流路、前記第2の流路を順に流れて、該第2の流路の前記第4の端部から前記チラーユニットに入力し、
前記伝熱空間は、前記静電チャックと前記冷却台との間に設けられ、該静電チャックに沿って延在し、該伝熱空間内の圧力を調節する圧力調節装置に接続され、
前記第3の流路は、前記静電チャックの上から見て、該静電チャックの中央部と重なるように、前記第1の部分内と前記第2の部分内との間で延在し、
前記第1の流路は、前記静電チャックの上から見て、前記第1の端部から該静電チャックに沿って渦巻き状に延びて前記第2の端部に至り、
前記第2の流路は、前記静電チャックの上から見て、前記第3の端部から前記静電チャックに沿って渦巻き状に延びて前記第4の端部に至る、
処理装置。
【請求項4】
前記伝熱空間は、複数の第1の領域に気密に分離され、
前記圧力調節装置は、前記複数の第1の領域のそれぞれに接続され、該複数の第1の領域のそれぞれの内部の圧力を調節する、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項5】
被加工物の処理装置であって、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体の内部に設けられ前記被加工物を載置する載置台と、
冷媒を前記載置台に出力するチラーユニットと、
圧力調節装置と、
伝熱空間と、
を備え、
前記載置台は、
前記チラーユニットから出力される前記冷媒が流れる冷却台と、
前記冷却台の上に設けられた静電チャックと、
を備え、
前記冷却台は、第1の部分と第2の部分と第1の流路と第2の流路と第3の流路とを備え、
前記静電チャックは、前記第1の部分上に設けられ、
前記第1の部分は、前記第2の部分上に設けられ、
前記第1の流路は、第1の端部と第2の端部とを備え、前記第1の部分内に設けられ、
前記第2の流路は、第3の端部と第4の端部とを備え、前記第2の部分内に設けられ、
前記第3の流路は、前記第1の流路の前記第1の端部と前記第2の流路の前記第3の端部とに接続され、該第1の端部と該第3の端部との間に延在し、
前記チラーユニットは、前記第1の流路の前記第2の端部と前記第2の流路の前記第4の端部とに接続され、
前記第1の流路は、前記静電チャックに沿うように前記第1の部分内に延在し、
前記第2の流路は、前記静電チャックに沿うように前記第2の部分内に延在し、
前記チラーユニットから出力される前記冷媒は、前記第1の流路の前記第2の端部に入力し、該第1の流路、前記第3の流路、前記第2の流路を順に流れて、該第2の流路の前記第4の端部から前記チラーユニットに入力し、
前記伝熱空間は、前記静電チャックと前記冷却台との間に設けられ、該静電チャックに沿って延在し、該伝熱空間内の圧力を調節する圧力調節装置に接続され、
前記伝熱空間は、複数の第2の領域に気密に分離され、
前記圧力調節装置は、前記複数の第2の領域のそれぞれに接続され、該複数の第2の領域のそれぞれの内部の圧力を調節し、前記複数の第2の領域のそれぞれの圧力調節によって静電チャックから冷却台への熱量を調節することにより抜熱の速さを該複数の第2の領域のそれぞれにおいて調節する、
処理装置。
【請求項6】
前記第3の流路は、前記静電チャックの上から見て、該静電チャックの中央部と重なるように、前記第1の部分内と前記第2の部分内との間で延在し、
前記第1の流路は、前記静電チャックの上から見て、前記第1の端部から該静電チャックに沿って渦巻き状に延びて前記第2の端部に至り、
前記第2の流路は、前記静電チャックの上から見て、前記第3の端部から前記静電チャックに沿って渦巻き状に延びて前記第4の端部に至る、
請求項2、請求項4、請求項5の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項7】
前記第1の流路は、断面積の大きさが略一定の領域を含む、
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の処理装置。
【請求項8】
被加工物を載置する載置台であって、
チラーユニットから出力される冷媒が流れる冷却台と、
前記冷却台の上に設けられた静電チャックと、
を備え、
前記冷却台は、第1の部分と第2の部分と第1の流路と第2の流路と第3の流路と伝熱空間とを備え、
前記静電チャックは、前記第1の部分上に設けられ、
前記第1の部分は、前記第2の部分上に設けられ、
前記第1の流路は、第1の端部と第2の端部とを備え、前記第1の部分内に設けられ、
前記第2の流路は、第3の端部と第4の端部とを備え、前記第2の部分内に設けられ、
前記第3の流路は、前記第1の流路の前記第1の端部と前記第2の流路の前記第3の端部とに接続され、該第1の端部と該第3の端部との間に延在し、
前記チラーユニットは、前記第1の流路の前記第2の端部と前記第2の流路の前記第4の端部とに接続され、
前記第1の流路は、前記静電チャックに沿うように前記第1の部分内に延在し、
前記第2の流路は、前記静電チャックに沿うように前記第2の部分内に延在し、
前記チラーユニットから出力される前記冷媒は、前記第1の流路の前記第2の端部に入力し、該第1の流路、前記第3の流路、前記第2の流路を順に流れて、該第2の流路の前記第4の端部から前記チラーユニットに入力し、
前記伝熱空間は、前記第1の部分と前記第2の部分との間において前記静電チャックに沿って延在し、該伝熱空間内の圧力を調節する圧力調節装置に接続される、
載置台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、チャンバ内において被加工物を処理するための処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
比較的に大きな入熱源が存在する近年のプラズマエッチングプロセスにおいて、ウエハの温度を均一、低温且つ一定に保つために、高熱伝達を期待でき得る直膨式の温調システムが提案(特許文献1〜特許文献4)されている。このような高熱伝達を実現する直膨式の温調システムでは、蒸発器となる被加工物の載置台の内部の流路を流れる冷媒の圧力や乾き度等の制御が必要となる。
【0003】
特許文献1にはプラズマ処理装置に係る技術が開示されている。特許文献1に開示されているプラズマ処理装置は、電極ブロック、保持ステージ、冷却サイクルを備える。電極ブロックは、表面に誘電体膜を備え、内部に冷媒の流路が形成される。保持ステージでは、電極ブロック表面の誘電体膜を介して半導体ウエハを保持して温度制御する方式が用いられている。冷凍サイクルは、熱交換器および蒸発器を備える。熱交換器は、圧縮機と凝縮器と膨張弁とヒータとを内蔵する。このプラズマ処理装置では、電極ブロックが冷凍サイクルの蒸発器として用いられ、そして、電極ブロック内に冷媒を直接循環させて膨張させる直接膨張方式の温度制御装置によって電極ブロックの温度制御が行われる。
【0004】
特許文献2には、プラズマ処理装置に係る技術が開示されている。特許文献2に開示されているプラズマ処理装置では、静電吸着電極に設けられた冷媒流路を蒸発器とし、この冷媒流路と圧縮機、凝縮器、第一の膨張弁を接続することで直膨式の冷凍サイクルが構成されている。このプラズマ処理装置では、静電吸着電極と圧縮機との間の冷媒流路に第二の膨張弁を設けて冷媒の流量が調節され、冷媒流路が薄肉円筒構造となっている。
【0005】
特許文献3には、プラズマ処理装置に係る技術が開示されている。特許文献3に開示されているプラズマ処理装置は、処理ガスをプラズマ化し、プラズマにて試料台に載置された被加工試料の表面処理を行うプラズマ処理装置であって、試料台に設けられ冷却サイクルの蒸発器を構成する冷媒流路を有し、冷媒流路内に供給される冷媒のエンタルピを制御することによって冷媒流路すなわち試料台内の流動様式を気液二相流に保ち、よって、被加工試料の温度を面内均一に制御する。プラズマの入熱量等が増加するなどして冷媒流路内で冷媒のドライアウトが発生するような場合には、圧縮機の回転数を増加させ、冷媒流路内におけるドライアウトの発生を抑制する。また、冷媒流路に供給される冷媒が液状になっている場合には、熱交換水用の流量弁および温度制御水槽の制御により、冷媒流路内に供給される冷媒を気液二相状態に保つ。
【0006】
特許文献4には、プラズマ処理装置等に係る技術が開示されている。特許文献4に開示されているプラズマ処理装置では、試料台に環状の冷媒流路が形成されている。冷媒の熱伝達率および圧力損失は冷媒供給口から冷媒排出口に向けて乾き度と共に増加するので、これらの抑制が必要である。このために、特許文献4に開示されているプラズマ処理装置では、冷媒流路内で冷媒が完全に蒸発しないように供給冷媒量を制御し、且つ、冷媒流路の断面積を第一流路から第三流路に向けて順次拡大する構造が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−89864号公報
【特許文献2】特開2012−028811号公報
【特許文献3】特開2010−129766号公報
【特許文献4】特開2009−272535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
高熱伝達の直膨式の温調システムにおいて、高効率な熱の移動は冷媒の気化によって実現されるので、抜熱量が多いほど高効率な熱の移動が可能となる。抜熱量は冷媒の気化量に比例するので、抜熱量を増加させるには、流路の長さを増加させると共に流路の断面積を大きくすることが必要となる。従って、蒸発器となる被加工物の載置台の内部に設けられる冷媒の流路であって、冷媒の圧力の均一性と高い抜熱性とを実現する流路の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様においては、被加工物の処理装置が提供される。処理装置は、チャンバ本体と、チャンバ本体の内部に設けられ被加工物を載置する載置台と、冷媒を載置台に出力するチラーユニットと、を備える。載置台は、チラーユニットから出力される冷媒が流れる冷却台と、冷却台の上に設けられた静電チャックと、を備える。冷却台は、第1の部分と第2の部分と第1の流路と第2の流路と第3の流路とを備える。静電チャックは、第1の部分上に設けられ、第1の部分は、第2の部分上に設けられ、第1の流路は、第1の端部と第2の端部とを備え、第1の部分内に設けられ、第2の流路は、第3の端部と第4の端部とを備え、第2の部分内に設けられる。第3の流路は、第1の流路の第1の端部と第2の流路の第3の端部とに接続され、第1の端部と第3の端部との間に延在している。チラーユニットは、第1の流路の第2の端部と第2の流路の第4の端部とに接続されている。第1の流路は、静電チャックに沿うように第1の部分内に延在している。第2の流路は、静電チャックに沿うように第2の部分内に延在している。チラーユニットから出力される冷媒は、第1の流路の第2の端部に入力し、第1の流路、第3の流路、第2の流路を順に流れて、第2の流路の第4の端部からチラーユニットに入力する。
【0010】
高効率な熱の移動は冷媒の気化によって実現されるので、抜熱量が多いほど高効率な熱の移動が可能となる。上記方法では、冷却台内に流す冷媒の流路が二段構成(第1の流路および第2の流路)となっているので、流路が設けられる冷却台の内部の容積に制限(上限)があっても、十分に大きな流路断面積と十分に長い流路長とが共に確保され、よって、比較的に多くの抜熱量が実現され得る。更に、冷却台内に流す冷媒の流路が二段構成となっているので、冷媒の流路において冷媒の流入する流入口と流出する流出口とを一の平面内に(例えば、第1の流路のみにおいて)設ける必要が無いので、流入口と流出口とを当該一の平面内に設けるために必要となる流路の折り返し(流路において比較的に大きな曲率(R)を伴う箇所であり、例えば管継手(ベンド))や絞りの必要となる箇所が低減されるので、冷却台内に流す冷媒の流路の全体にわたって局所的な圧力(流れ)の変動が低減され、圧力の均一性が改善され得る。
【0011】
一実施形態では、第1の流路は、断面積の大きさが略一定の領域を含み得る。冷媒の気化温度は圧力に応じて変化するので、冷却台内における圧力の変動は少ないほどよい。この圧力の変動は、流路の長さよりも流路の断面積の変動に依存し、断面積の変動が小さいと圧力変動も低減される。従って、一実施形態において、第1の流路は断面積の大きさが略一定となっている領域を含み得るので、第1の流路の一端から他端までの間における局所的な圧力変動が低減され第1の流路内の冷媒の圧力の均一性がより確保され得ることとなり、よって、圧力に応じた冷媒の気化温度もより均一となり得る。
【0012】
一実施形態において、第3の流路は、静電チャックの上から見て、静電チャックの中央部と重なるように、第1の部分内と第2の部分内との間で延在している。第1の流路は、静電チャックの上から見て、第1の端部から静電チャックに沿って渦巻き状に延びて第2の端部に至る。第2の流路は、静電チャックの上から見て、第3の端部から静電チャックに沿って渦巻き状に延びて第4の端部に至る。このように、二段構成となっている流路(第1の流路および第2の流路)は、いずれも、静電チャックの上から見て、平面視で、静電チャックに沿って渦巻き状に延びているので、冷却台の内部の容積が制限されている場合であっても、十分に長い流路長が確保され得る。
【0013】
一実施形態では、処理装置は、圧力調節装置を更に備える。冷却台は、第1の伝熱空間を更に備える。第1の伝熱空間は、第1の部分と第2の部分との間において、静電チャックに沿って延在している。圧力調節装置は、第1の伝熱空間に接続され、第1の伝熱空間内の圧力を調節する。このように、第1の伝熱空間は、冷却台において、第1の流路と第2の流路との間に設けられている構成となっており、第1の流路および第2の流路と同様に静電チャックに沿って延在しているので、第1の部分から伝導され得る第2の流路に対する熱量が、第1の伝熱空間内の圧力の調節によって、調節され得る。従って、抜熱の速さ(量と時間)が詳細に調節され得る。
【0014】
一実施形態では、第1の伝熱空間は、複数の第1の領域に気密に分離されている。圧力調節装置は、複数の第1の領域のそれぞれに接続され、複数の第1の領域のそれぞれの内部の圧力を調節する。このように、第1の伝熱空間が複数の第1の領域に気密に分離されており、各第1の領域に圧力調節装置が接続されているので、第1の伝熱空間内の圧力が、第1の伝熱空間の第1の領域ごとに調節され得る。従って、抜熱の速さ(量と時間)が、第1の伝熱空間の第1の領域ごとに詳細に調節され得る。
【0015】
一実施形態では、第2の伝熱空間を更に備え、第2の伝熱空間は、静電チャックと冷却台との間に設けられ、静電チャックに沿って延在し、圧力調節装置は、第2の伝熱空間に接続され、第2の伝熱空間内の圧力を調節することができる。従って、静電チャックから伝導され得る冷却台に対する熱量が、第2の伝熱空間内の圧力の調節によって、調節され得る。従って、抜熱の速さ(量と時間)が詳細に調節され得る。
【0016】
一実施形態では、第2の伝熱空間は、複数の第2の領域に気密に分離され、圧力調節装置は、複数の第2の領域のそれぞれに接続され、複数の第2の領域のそれぞれの内部の圧力を調節することができる。従って、第2の伝熱空間内の圧力が、第2の伝熱空間の第2の領域ごとに調節され得るので、抜熱の速さ(量と時間)が、第2の伝熱空間の第2の領域ごとに詳細に調節され得る。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、蒸発器となる被加工物の載置台の内部に設けられる冷媒の流路であって、冷媒の圧力の均一性と高い抜熱性とを実現する流路が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、一実施形態に係る処理装置を概略的に示す図である。
図2図2は、一実施形態に係る冷却台に設けられた冷媒の流路および断熱層の構成を模式的に示す図である。
図3図3は、(a)部および(b)部を含み、図3の(a)部は、一実施形態に係る図1および図2に示す流路の上段側の部分の平面形状を模式的に示す図であり、図3の(b)部は、当該流路の下段側の部分の平面形状を模式的に示す図である。
図4図4は、一実施形態に係る処理装置の他の例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0020】
図1図3を参照して、一実施形態に係る処理装置の構成を説明する。図1は、一実施形態に係る処理装置を概略的に示す図である。図2は、一実施形態に係る冷却台における冷媒の流路の構成と断熱層の構成とを模式的に示す図である。図3は、(a)部および(b)部を含み、図3の(a)部は、一実施形態に係る図1および図2に示す流路の上段側の部分の平面形状を模式的に示す図であって図1に示す平面(図1に示す静電チェックの表面に平行な面(平面MA))に沿った第1の流路の断面が示されており、図3の(b)部は、当該流路の下段側の部分の平面形状を模式的に示す図であって図1に示す平面(図1に示す静電チェックの表面に平行な面(平面MB))に沿った第2の流路の断面が示されている。図1図3に示す処理装置10は、容量結合型のプラズマ処理装置である。処理装置10は、被加工物(被加工物Wという場合がある)を処理する処理装置である。処理装置10は、チャンバ本体12、載置台14、上部電極16、配管24、ガスソース26、流量制御器28、バルブ30、排気装置32、高周波電源42、高周波電源44、整合器46、整合器48、直流電源60、ヒータ電源62、フィルタ64、制御部MCU、チラーユニットTU、バルブVLA1、バルブVLA2、圧力調節装置GU、複数のバルブVLB1、複数のバルブVLB2、複数のねじPKを備える。チャンバ本体12は、開口12p、支持部材18、天板20、ガス吐出孔20a、支持体22、連通孔22a、ガス拡散室22b、ポート22c、ゲートバルブGVを備える。載置台14は、冷却台34、静電チャック36、支持部材38、給電体40、吸着用電極54、ヒータ56、フォーカスリング84、絶縁性部材86を備える。冷却台34は、第1の流路FLA、第2の流路FLB、接続流路FLC(第3の流路)、接続流路FLDを備える。冷却台34は、更に、伝熱空間TL(第1の伝熱空間)を備える。冷却台34は、更に、伝熱空間TL内に設けられた複数の弾性部材LNGを備える。
【0021】
チャンバ本体12は、略円筒形状を有しており、被加工物Wを処理するチャンバ本体12の内部空間として処理空間Sを提供している。チャンバ本体12は、例えば、アルミニウムから構成されている。チャンバ本体12の内部空間側の表面には、アルマイト膜、および/または、酸化イットリウムといった耐プラズマ性を有するセラミックス製の皮膜が形成されている。チャンバ本体12は、電気的に接地されている。チャンバ本体12の側壁には、被加工物Wを処理空間Sに搬入し、更に、処理空間Sから搬出するための開口12pが形成されている。開口12pは、ゲートバルブGVによって開閉することが可能となっている。被加工物Wは、ウエハのように円盤形状を有している。
【0022】
載置台14は、被加工物Wを載置する構造を有しており、チャンバ本体12の内部に設けられている。載置台14は、被加工物Wを処理空間S内で支持するよう構成されている。載置台14は、被加工物Wを吸着する機能、被加工物Wの温度を調節する機能、および、静電チャック36を搭載する冷却台34に高周波を伝送する構造を有している。載置台14の詳細については、後述する。
【0023】
上部電極16は、チャンバ本体12の上部開口内に配置されており、後述する載置台14の下部電極と略平行に配置されている。上部電極16とチャンバ本体12との間には、絶縁性の支持部材18が介在している。
【0024】
天板20は、略円盤状形状を有している。天板20は、導電性を有し得る。天板20は、例えば、シリコン、または、アルミニウムから形成されており、天板20の表面には、耐プラズマ性のセラミックス皮膜が形成されている。天板20には、多数のガス吐出孔20aが形成されている。ガス吐出孔20aは、略鉛直方向(天板20から載置台14に向かう方向)に延びている。
【0025】
支持体22は、天板20を着脱自在に支持している。支持体22は、例えば、アルミニウムから形成されている。支持体22には、ガス拡散室22bが形成されている。ガス拡散室22bからは、ガス吐出孔20aにそれぞれ連通する多数の連通孔22aが延びている。ガス拡散室22bには、ポート22cを介して配管24が接続されている。配管24には、ガスソース26が接続されている。配管24の途中には、マスフローコントローラといった流量制御器28およびバルブ30が設けられている。
【0026】
排気装置32は、ターボ分子ポンプ、ドライポンプといった一以上のポンプ、および、圧力調節弁を含んでいる。排気装置32は、チャンバ本体12に形成された排気口に接続されている。
【0027】
処理装置10の使用時には、被加工物Wが、載置台14上に載置されて、載置台14によって保持される。ガスソース26からの処理ガスがチャンバ本体12内に供給され、排気装置32が作動されて、チャンバ本体12内の処理空間S内の圧力が減圧される。上部電極16と載置台14の下部電極との間に高周波電界が形成される。これにより、処理ガスが解離し、処理ガス中の分子および/または原子の活性種によって被加工物Wが処理される。このような処理において、処理装置10の各部は、制御部MCUにより制御される。
【0028】
載置台14は、冷却台34および静電チャック36を有している。静電チャック36は、冷却台34の上に設けられている。冷却台34は、チャンバ本体12の底部から上方に延びる支持部材38によって支持されている。支持部材38は、絶縁性の部材であり、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)から形成されている。支持部材38は、略円筒形状を有している。
【0029】
給電体40は、冷却台34に接続されている。給電体40は、例えば給電棒であり、冷却台34の下面に接続されている。給電体40は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。給電体40は、チャンバ本体12の外部に設けられた高周波電源42および高周波電源44に電気的に接続されている。高周波電源42は、プラズマ生成用の第1の高周波を発生する電源である。第1の高周波の周波数は、例えば、40[MHz]の程度である。高周波電源44は、イオン引き込み用の第2の高周波を発生する電源である。第2の高周波の周波数は、例えば、13.56[MHz]の程度である。
【0030】
高周波電源42は、整合器46を介して給電体40に接続されている。整合器46は、高周波電源42の負荷側のインピーダンスを高周波電源42の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を有している。高周波電源44は、整合器48を介して給電体40に接続されている。整合器48は、高周波電源44の負荷側のインピーダンスを高周波電源44の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を有している。
【0031】
冷却台34は、導電性を有する金属、例えば、アルミニウムから形成されている。冷却台34は、略円盤形状を有している。冷却台34は、第1の部分34a、第2の部分34b、冷媒の流路FL(第1の流路FLA、第2の流路FLB)、接続流路FLCを備える。冷却台34は、伝熱空間TLを備える。静電チャック36は、第1の部分34a上に設けられる。第1の部分34aは、第2の部分34b上に設けられる。第2の部分34bは、給電体40上に設けられる。第1の部分34aと第2の部分34bとの間には、伝熱空間TLが設けられる。第2の部分34bは、支持部材38にねじPKによって固定されている。
【0032】
流路FLの第1の流路FLAは、端部FLA1(第1の端部)と端部FLA2(第2の端部)とを備える。第1の流路FLAは、第1の部分34a内に設けられる。第1の流路FLAは、静電チャック36に沿うように第1の部分34a内に延在する。第1の流路FLAは、断面積が略一定の領域を含むことができる。流路FLの第2の流路FLBは、端部FLB1(第3の端部)と端部FLB2(第4の端部)とを備える。第2の流路FLBは、第2の部分34b内に設けられる。第2の流路FLBは、静電チャック36に沿うように第2の部分34b内に延在する。一実施形態において第2の流路FLBは、第1の流路FLAと同様に、断面積が略一定の領域を含む場合があるが、これに限らない。チラーユニットTUは、バルブVLA1、接続流路FLDを順に介して第1の流路FLAの端部FLA2に接続され、且つ、バルブVLA2を介して第2の流路FLBの端部FLB2に接続される。
【0033】
接続流路FLCは、第1の流路FLAの端部FLA1と第2の流路FLBの端部FLB1とに接続され、端部FLA1と端部FLB1との間に延在する。接続流路FLCは、静電チャック36の上から見て、静電チャック36の中央部(冷却台34の中心軸CRを含む領域)と重なるように、第1の部分34a内と第2の部分34b内との間で延在する。接続流路FLDは、第1の部分34a内から第2の部分34b内に至るまで延びている。
【0034】
チラーユニットTUから出力される冷媒は、バルブVLA1、接続流路FLDを順に介して第1の流路FLAの端部FLA2に入力し、第1の流路FLA、接続流路FLC、第2の流路FLBを順に流れて、第2の流路FLBの端部FLB2からバルブVLA2を介してチラーユニットTUに入力する。このように、冷媒は、チラーユニットTUと、冷却台34(接続流路FLD、第1の流路FLA、接続流路FLC、第2の流路FLB)との間を循環し得る。チラーユニットTUから出力される冷媒は、一実施形態では、その気化によって吸熱し、冷却を行う冷媒である。この冷媒は、例えば、ハイドロフルオロカーボン系の冷媒であり得る。
【0035】
第1の流路FLAは、静電チャック36の上から見て、平面視で、端部FLA1から静電チャック36に沿って渦巻き状に延びて端部FLA2に至る。より具体的には、図3の(a)部に示されているように、図1に示す平面MAに沿った第1の流路FLAの断面において、第1の流路FLAは、静電チャック36の表面の上から見て、平面視で、第1の部分34a内において、静電チャック36の当該表面の略中央(平面視で、給電体40の位置)を通る冷却台34の中心軸CR上にある端部FLA1から、渦巻き状に二次元的に拡がるように、端部FLA2に至るまで延びている。中心軸CR上にある第1の流路FLAの端部FLA1は、接続流路FLCに接続されている。第1の流路FLAの端部FLA2は、第1の流路FLAにおいて中心軸CRから最も離れた位置にあり、接続流路FLDに接続されている。チラーユニットTUからバルブVLA1を介して出力された冷媒は、接続流路FLDを介して第1の流路FLA内を進む場合、第1の流路FLA内において、端部FLA2、断面CSA1、断面CSA2、断面CSA3、断面CSA4、断面CSA5、断面CSA6、断面CSA7を順に通過して、端部FLA1、接続流路FLCに順に至る。
【0036】
第2の流路FLBは、静電チャック36の上から見て、平面視で、端部FLB1から静電チャック36に沿って渦巻き状に延びて端部FLB2に至る。より具体的には、図3の(b)部に示されているように、図1に示す平面MBに沿った第2の流路FLBの断面において、第2の流路FLBは、静電チャック36の表面の上から見て、平面視で、第2の部分34b内において、静電チャック36の当該表面の略中央(平面視で、給電体40の位置)を通る冷却台34の中心軸CR上にある端部FLB1から、渦巻き状に二次元的に拡がるように、端部FLB2に至るまで延びている。中心軸CR上にある第2の流路FLBの端部FLB1は、接続流路FLCに接続されている。第2の流路FLBの端部FLB2は、第2の流路FLBにおいて中心軸CRから最も離れた位置にあり、バルブVLA2を介してチラーユニットTUに接続されている。第1の流路FLA内を進んだ冷媒は、第1の流路FLAの端部FLA1から接続流路FLCを介して第2の流路FLB内を進む場合、第2の流路FLB内において端部FLB1、断面CSB1、断面CSB2、断面CSB3、断面CSB4、断面CSB5、断面CSB6を順に通過し、端部FLB2から、バルブVLA1を介してチラーユニットTUに至る。
【0037】
接続流路FLDは、第2の部分34b内から伝熱空間TLを介して第1の部分34a内に至るまで延びており、接続流路FLDの二つの端部のうちの一端は、第1の流路FLAの端部FLA2に接続されている。接続流路FLDの他端(接続流路FLDの二つの端部のうち第1の流路FLAに接続されていない端部)は、チラーユニットTUにバルブVLA1を介して接続されている。
【0038】
伝熱空間TLは、第1の部分34aと第2の部分34bとの間において、静電チャック36に沿って延在する。一実施形態において、伝熱空間TLは、複数の領域DS(複数の第1の領域)に気密に分離され得る。圧力調節装置GUは、伝熱空間TLに接続され、伝熱空間TL内の圧力を調節する。より詳細には、圧力調節装置GUは、複数の領域DSのそれぞれに接続され、これらの複数の領域DSのそれぞれの内部の圧力を個別に調節し得る。圧力調節装置GUは、伝熱空間TL(特に、複数の領域DSのそれぞれ)に対するガスの供給・吸引によって、伝熱空間TL内(特に、複数の領域DS内のそれぞれ)の圧力を調節する。
【0039】
伝熱空間TL内において、複数の領域DSのそれぞれは、複数の弾性部材LNGによって画定される。弾性部材LNGは、Oリングである。弾性部材LNGは、第1の部分34aと第2の部分34bとに密着し、領域DSの気密性が実現される。なお、伝熱空間TL内における接続流路FLCの領域も、二つの弾性部材LNGによって画定され、伝熱空間TL内における接続流路FLDの領域も、二つの弾性部材LNGによって画定される。なお、伝熱空間TL内における領域DSの数や形状は、種々の条件等に応じて自在に設けられ得る。
【0040】
伝熱空間TL内(特に、複数の領域DS内のそれぞれ)における断熱性能は、圧力が低いほど、高い。従って、冷却台34上の被加工物Wに対する急激な抜熱を行う場合には、伝熱空間TL内(特に、複数の領域DS内のそれぞれ)の圧力を比較的に高くして断熱性能を下げ、冷却台34上の被加工物Wの温度をプラズマ入熱によって上昇させる場合には、伝熱空間TL内(特に、複数の領域DS内のそれぞれ)の圧力を比較的に低くして断熱性能を上げる。
【0041】
静電チャック36は、冷却台34上に設けられている。冷却台34は、下部電極を構成している。冷却台34は、導電性を有している。冷却台34は、例えば、窒化アルミニウムまたは炭化ケイ素に導電性を付与したセラミックス製であることができ、または、金属(例えば、チタン)製であることができる。静電チャック36は、静電チャック36と冷却台34とを接着させることで、冷却台34に結合されている。静電チャック36は、略円盤形状を有しており、酸化アルミニウム(アルミナ)等のセラミックスから形成されている。
【0042】
静電チャック36は、吸着用電極54を内蔵している。吸着用電極54は電極膜であり、吸着用電極54には、直流電源60が電気的に接続されている。直流電源60からの直流電圧が吸着用電極54に与えられると、静電チャック36はクーロン力といった静電力を発生し、当該静電力によって被加工物Wを保持する。静電チャック36は、ヒータ56を更に内蔵している。ヒータ56は、静電チャック36に設けられている。ヒータ56は、ヒータ電源62に接続されている。一実施形態では、ヒータ56とヒータ電源62との間には、ヒータ電源62への高周波の侵入を防止するために、フィルタ64が設けられている。
【0043】
ヒータ56は、静電チャック36上の被加工物Wの温度を被加工物Wの部分毎に(例えば、被加工物Wが中心軸CRを含む中心部と外縁部と中間部とを含み、中間部が外縁部と中心部との間にある場合において、被加工物Wの中心部、中間部、外縁部の三つの部分毎に、または、被加工物Wの上方からみて領域DS毎に)上昇させることが可能である。このように、ヒータ56は、制御部MCUの制御によって、静電チャック36上の被加工物Wの温度を被加工物Wの全体にわたって詳細に均一にし得る。
【0044】
フォーカスリング84は、静電チャック36を囲むように設けられている。フォーカスリング84は、静電チャック36の表面(被加工物Wの表面)に沿って、延在している。
【0045】
載置台14の冷却台34等は、外周側において一以上の絶縁性部材86によって覆われている。一以上の絶縁性部材86は、例えば、酸化アルミニウムまたは石英から形成されている。
【0046】
制御部MCUは、処理装置10の各部を制御するよう、構成されている。例えば、制御部MCUは、プロセッサ、および、メモリといった記憶装置を備えるコンピュータ装置であり得る。制御部MCUは、記憶装置に記憶されたプログラムおよびレシピに従って動作することにより、処理装置10の各部を制御することができる。特に、制御部MCUは、チラーユニットTU、圧力調節装置GU、バルブVLA1、バルブVLA2、バルブVLB1、バルブVLB2を制御して、冷却台34による抜熱処理を制御する。
【0047】
以上説明した一実施形態の処理装置10における高効率な熱の移動は冷媒の気化によって実現されるので、抜熱量が多いほど高効率な熱の移動が可能となる。処理装置10では、冷却台34内に流す冷媒の流路が二段構成(第1の流路FLAおよび第2の流路FLB)となっているので、流路が設けられる冷却台34の内部の容積に制限(上限)があっても、十分に大きな流路断面積と十分に長い流路長とが共に確保され、よって、比較的に多くの抜熱量が実現され得る。更に、冷却台34内に流す冷媒の流路が二段構成となっているので、冷媒の流路において冷媒の流入する流入口と流出する流出口とを一の平面内に(例えば、第1の流路FLAのみにおいて)設ける必要が無いので、流入口と流出口とを当該一の平面内に設けるために必要となる流路の折り返し(流路において比較的に大きな曲率(R)を伴う箇所であり、例えば管継手(bend))や絞りの必要となる箇所が低減されるので、冷却台34内に流す冷媒の流路の全体にわたって局所的な圧力(流れ)の変動が低減され、圧力の均一性が改善され得る。
【0048】
更に、冷媒の気化温度は圧力に応じて変化するので、冷却台34内における圧力の変動は少ないほどよい。この圧力の変動は、流路の長さよりも流路の断面積の変動に依存し、断面積の変動が小さいと圧力変動も低減される。従って、一実施形態において、第1の流路FLAは断面積の大きさが略一定となっている領域を含み得るので、第1の流路FLAの一端から他端までの間(より具体的には、第1の流路FLAにおいて接続流路FLDに接続されている第1の流路FLAの一端と接続流路FLCに接続されている第1の流路FLAの他端との間)における局所的な圧力変動が低減され第1の流路FLA内の冷媒の圧力の均一性がより確保され得ることとなり、よって、圧力に応じた冷媒の気化温度もより均一となり得る。
【0049】
更に、二段構成となっている流路(第1の流路FLAおよび第2の流路FLB)は、いずれも、静電チャック36の上から見て、平面視で、静電チャック36に沿って渦巻き状に延びているので、冷却台34の内部の容積が制限されている場合であっても、十分に長い流路長が確保され得る。
【0050】
更に、伝熱空間TLは、冷却台34において、第1の流路FLAと第2の流路FLBとの間に設けられている構成となっており、第1の流路FLAおよび第2の流路FLBと同様に静電チャック36に沿って延在しているので、第1の部分34aから伝導され得る第2の流路FLBに対する熱量が、伝熱空間TL内の圧力の調節によって、調節され得る。従って、抜熱の速さ(量と時間)が詳細に調節され得る。
【0051】
更に、伝熱空間TLが複数の領域DSに気密に分離されており、各領域DSに圧力調節装置GUが接続されているので、伝熱空間TL内の圧力が、伝熱空間TLの領域DSごとに調節され得る。従って、抜熱の速さ(量と時間)が、伝熱空間TLの領域DSごとに詳細に調節され得る。
【0052】
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。従って、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
【0053】
例えば、図4に示すように、一実施形態に係る処理装置10では、冷却台34と静電チャック36との間に伝熱空間TL1(第2の伝熱空間)が設けられた構成も可能である。図4は、一実施形態に係る処理装置10の他の例を概略的に示す図である。図4に示す処理装置10は、伝熱空間TL1を更に備える。伝熱空間TL1は、静電チャック36と冷却台34との間に設けられ、静電チャック36に沿って延在する。
【0054】
更に、図4に示す処理装置10は複数の弾性部材LNG1を更に備え、図4に示す処理装置10の伝熱空間TL1は、複数の弾性部材LNG1によって、複数の領域DS1(複数の第2の領域)に気密に分離される。伝熱空間TL1内において、複数の領域DS1のそれぞれは、複数の弾性部材LNG1によって画定される。弾性部材LNG1は、Oリングである。伝熱空間TL1内における領域DS1の数や形状は、種々の条件等に応じて自在に設けられ得る。圧力調節装置GUは、複数の領域DS1のそれぞれに接続され、複数の領域DS1のそれぞれに対するガスの供給・吸引によって、複数の領域DS1内のそれぞれの圧力を調節する。
【0055】
伝熱空間TL1内(具体的には、複数の領域DS1内のそれぞれ)における断熱性能は、圧力が低いほど、高い。従って、冷却台34上の被加工物Wに対する急激な抜熱を行う場合には、伝熱空間TL1内(具体的には、複数の領域DS1内のそれぞれ)の圧力を比較的に高くして断熱性能を下げ、冷却台34上の被加工物Wの温度をプラズマ入熱によって上昇させる場合には、伝熱空間TL1内(具体的には、複数の領域DS1内のそれぞれ)の圧力を比較的に低くして断熱性能を上げる。
【0056】
このように、図4に示す処理装置10の場合、静電チャック36から伝導され得る冷却台34に対する熱量が、伝熱空間TL1内の圧力の調節によって調節され得る。従って、抜熱の速さ(量と時間)が詳細に調節され得る。さらに、伝熱空間TL1内の圧力が、伝熱空間TL1の領域DS1ごとに調節され得るので、抜熱の速さ(量と時間)が、伝熱空間TL1の領域DS1ごとに詳細に調節され得る。
【符号の説明】
【0057】
10…処理装置、12…チャンバ本体、12p…開口、14…載置台、16…上部電極、18…支持部材、20…天板、20a…ガス吐出孔、22…支持体、22a…連通孔、22b…ガス拡散室、22c…ポート、24…配管、26…ガスソース、28…流量制御器、30…バルブ、32…排気装置、34…冷却台、34a…第1の部分、34b…第2の部分、36…静電チャック、38…支持部材、40…給電体、42…高周波電源、44…高周波電源、46…整合器、48…整合器、54…吸着用電極、56…ヒータ、60…直流電源、62…ヒータ電源、64…フィルタ、84…フォーカスリング、86…絶縁性部材、CR…中心軸、CSA1…断面、CSA2…断面、CSA3…断面、CSA4…断面、CSA5…断面、CSA6…断面、CSA7…断面、CSB1…断面、CSB2…断面、CSB3…断面、CSB4…断面、CSB5…断面、CSB6…断面、DS…領域、DS1…領域、FL…流路、FLA…第1の流路、FLA1…端部、FLA2…端部、FLB…第2の流路、FLB1…端部、FLB2…端部、FLC…接続流路、FLD…接続流路、GU…圧力調節装置、GV…ゲートバルブ、LNG…弾性部材、LNG1…弾性部材、MCU…制御部、PK…ねじ、S…処理空間、TL…伝熱空間、TL1…伝熱空間、TU…チラーユニット、VLA1…バルブ、VLA2…バルブ、VLB1…バルブ、VLB2…バルブ、W…被加工物。
図1
図2
図3
図4