【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)少なくとも一実施形態に係る冷風発生装置は、
外気を空気冷媒として断熱圧縮する圧縮機と、前記圧縮機から吐出された前記空気冷媒を冷却するための冷却部と、前記冷却部で冷却された前記空気冷媒を断熱膨張してさらに冷却する膨張機と、を備える空気冷媒冷凍機と、
被冷却物を冷却するための冷却空間を有するフリーザと、
前記膨張機で冷却された前記空気冷媒を前記冷却空間に供給するための供給路と、
前記フリーザ内の前記空気冷媒を外気に排出するための排出部と、
を備え、
前記フリーザは、前記供給路から受け取った前記空気冷媒をそのまま前記被冷却物の冷却に供するように構成される。
なお、ここで「冷却」とは0℃以上の温度で被冷却物を冷却する場合と、0℃以下の温度で被冷却物を冷凍する場合とを含むものとする。
【0008】
上記(1)の構成では、上記フリーザの冷却空間で被冷却物の冷却に供した後の空気冷媒を上記排出部から外気に排出し、特許文献2のように空気冷媒を循環して使用しない。従って、空気冷媒が冷却に供した被冷却物の臭い、成分又は夾雑物等を取り込んだとしても、その臭い、成分又は夾雑物等が他の被冷却物に取り込まれるおそれはない。
また、フリーザで被冷却物の冷却効果を高めるためには、冷却空間で冷気流を形成することが有効である。上記(1)の構成によれば、上記供給路から受け取った空気冷媒をそのまま被冷却物の冷却に供することで、膨張機から吐出された空気冷媒がもつ運動エネルギによってフリーザの冷却空間に冷気流を形成できる。従って、特許文献2に記載された二段圧縮式冷凍機のように、フリーザ内に送風機及びその駆動部、架台等を設ける必要がない。従って、フリーザを小型化できると共に、CIP洗浄などのメンテナンスが容易になると共に、フリーザ内の衛生状態を良好に保持できる。
【0009】
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記膨張機に入る前の前記空気冷媒を除湿するための除湿機を備える。
上記(1)の構成では、外気を空気冷媒として圧縮機に取り込むため、外気(特に湿度が高い夏季の外気)に含まれる水蒸気が膨張機吐出側などの低温領域で凝縮する問題がある。
これに対し、上記(2)の構成によれば、上記除湿機によって空気冷媒を除湿し、露点温度を低くすることで、この問題を解消できる。なお、吸着材を用いる除湿機では、0℃以下の環境下では吸着作用が低下するので、除湿機を空気冷媒の温度が低くない膨張機の上流側に設けることで、吸着機能の低下を抑制できる。
【0010】
(3)一実施形態では、前記(1)又は(2)の構成において、
前記圧縮機から吐出される前記空気冷媒の圧力が大気圧(吸い込み圧力)以上乃至200kPa以下となるように構成する。
上記(3)の構成によれば、圧縮機吐出側の空気冷媒の圧力を上記範囲とすることで、圧縮機吐出側の空気冷媒流路を耐圧構造とする必要がなくなり、設備費を低コスト化できる。また、200kPa以下の圧力は高圧ガス保安法の適用対象外となるため、メンテナンスに要する人的又は設備上の負担を軽減できる。
【0011】
(4)一実施形態では、前記(3)の構成において、
前記膨張機に入る前記空気冷媒の温度を−40℃以下とするように構成する。
膨張機入口側の空気冷媒の温度を−40℃以下とすることで、膨張機吐出側の空気冷媒の温度を−60℃以下の低温にすることができる。
圧縮機吐出側の空気冷媒の圧力が200kPa以下であるとき、膨張機において、圧縮機吐出圧力との圧力差を利用した温度降下があまり期待できない。そこで、上記冷却部(例えば、冷凍機など)で、膨張機入口の空気冷媒の温度を−40℃以下にする。これによって、膨張機出口の空気冷媒の温度を−60℃以下の低温にすることができる。
【0012】
(5)一実施形態では、前記(1)〜(4)の何れかの構成において、
前記膨張機から吐出された前記空気冷媒の温度が−60℃以下になるように構成する。
上記(5)の構成によれば、膨張機出口の空気冷媒の温度を−60℃以下とすることで、被冷却物を大温度差で冷却でき、熱交換効率を向上できる。これによって、フリーザに供給する空気冷媒の流量を低減できるため、被冷却物の冷却に供した後の空気冷媒を外気に排出しても熱効率の低下を抑制できる。
また、大温度差冷却を可能にすることで、被冷却物の冷却効果を高めることができる。さらに、大温度差冷却によって被冷却物の急速冷却が可能になるため、冷却時間を短縮できると共に、被冷却物が食品であるとき、食品の品質及び風味等を保持できる。
【0013】
(6)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの構成において、
前記冷却部は、CO
2で前記空気冷媒を冷却するNH
3/CO
2二元冷凍機を含む。
上記(6)の構成によれば、上記冷却部として、上記NH
3/CO
2二元冷凍機を含むことで、圧縮機吐出側の空気冷媒の温度を高効率で低減できる。これによって、圧縮機吐出側の空気冷媒の圧力を高くしなくても、膨張機に入る空気冷媒の温度を−40℃以下にでき、そのため、膨張機吐出側の空気冷媒の温度を−60℃以下の低温に冷却できる。
【0014】
(7)一実施形態では、前記(6)の構成において、
前記NH
3/CO
2二元冷凍機は、NH
3を冷却するための開放式冷却塔を含む。
上記(7)の構成によれば、NH
3を冷却するために開放式冷却塔を用いることで、NH
3の冷却効果を増すことができ、かつ低コスト化できる。
【0015】
(8)一実施形態では、前記(6)又は(7)の構成において、
前記冷却部は、
前記NH
3/CO
2二元冷凍機の上流側で前記空気冷媒を冷却するように配置され、冷却水と前記空気冷媒とを熱交換させる熱交換器、及び前記冷却水を冷却する冷却塔を有する予冷部と、
前記予冷部と前記NH
3/CO
2二元冷凍機との間で前記空気冷媒を冷却するように配置され、ブラインによって前記空気冷媒を冷却するNH
3/ブライン冷凍機と、
をさらに含む。
【0016】
上記(8)の構成によれば、NH
3/CO
2二元冷凍機以外に、上記予冷部及び上記NH
3/ブライン冷凍機を設けることで、圧縮機吐出側の空気冷媒を大温度差をもって冷却できる。これによって、圧縮機吐出側の空気冷媒の圧力を高くしなくても、膨張機に入る空気冷媒の温度を−40℃以下に冷却でき、かつ膨張機吐出側の空気冷媒の温度を−60℃以下の低温に冷却できる。
また、空気冷媒の流路に対し、冷却能力に応じて上流側から順に予冷部、NH
3/ブライン冷凍機及びNH
3/CO
2二元冷凍機で空気冷媒を冷却するように配置したので、空気冷媒を効率良く冷却できる。
【0017】
(9)一実施形態では、前記(8)の構成において、
前記予冷部の前記冷却塔は密閉式冷却塔であり、
前記NH
3/ブライン冷凍機において、NH
3冷媒を冷却するための開放式冷却塔を有する。
上記(9)の構成によれば、予冷部では密閉式冷却塔を有するため、冷却水の汚れを抑制でき、メンテナンスの頻度を低減できる。また、NH
3/ブライン冷凍機では開放式冷却塔を有するため、密閉式冷却塔と比べて低コスト化できる。
【0018】
(10)幾つかの実施形態に係る冷風発生方法は、
外気を取り入れ空気冷媒として圧縮機で圧縮する圧縮工程と、
前記圧縮工程で圧縮された前記空気冷媒を冷却する前段冷媒冷却工程と、
前記前段冷却工程で冷却された前記空気冷媒を膨張機で断熱膨張させて冷却する後段冷媒冷却工程と、
前記膨張機から吐出された前記空気冷媒をフリーザの冷却空間に供給し、前記空気冷媒をそのまま被冷却物の冷却に供する被冷却物冷却工程と、
前記冷却空間で被冷却物の冷却に供された後の前記空気冷媒を外気に排出する排出工程と、
を含む。
【0019】
上記(10)の方法によれば、上記フリーザの冷却空間で被冷却物の冷却に供した後の空気冷媒を外気に排出し、特許文献2のように空気冷媒を循環して使用しない。従って、他の被冷却物の臭い、成分又は夾雑物等が空気冷媒を介して別な被冷却物に取り込まれるおそれはない。
また、膨張機から吐出された空気冷媒をそのまま被冷却物の冷却に供することで、空気冷媒がもつ運動エネルギによってフリーザの冷却空間に冷気流を形成できる。従って、特許文献2に記載された二段圧縮式冷凍機のように、フリーザ内に送風機及びその駆動部、架台等を設ける必要がない。従って、フリーザを小型化できると共に、CIP洗浄などのメンテナンスが容易になると共に、フリーザ内の衛生状態を良好に保持できる。
【0020】
(11)一実施形態では、前記(10)の方法において、
前記後段冷媒冷却工程の前で、前記空気冷媒を除湿する除湿工程を含む。
上記(11)の方法によれば、上記除湿工程を含むことで、外気に含まれる水蒸気が膨張機吐出側などの低温領域で凝縮する問題を解消できる。なお、吸着材を用いる除湿機では、吸着材の吸着作用が0℃以下の環境で低下するので、空気冷媒の温度が低下する後段冷媒冷却工程の前で除湿工程を行うことで、吸着機能の低下を抑制できる。
【0021】
(12)一実施形態では、前記(10)又は(11)の方法において、
前記圧縮工程において、
前記圧縮機から吐出される前記空気冷媒の圧力が、大気圧(吸い込み圧力)以上乃至200kPa以下である。
上記(12)の方法によれば、圧縮機吐出側の空気冷媒の圧力を上記範囲とすることで、圧縮機吐出側の空気冷媒流路を耐圧構造とする必要がなくなり、設備費を低コスト化できる。また、200kPa以下の圧力は高圧ガス保安法の適用対象外となるため、メンテナンスに要する人的又は設備上の負担を軽減できる。
【0022】
(13)一実施形態では、前記(10)〜(12)の何れかの方法において、
前記前段冷媒冷却工程において、
前記膨張機に入る前記空気冷媒の温度が−40℃以下である。
圧縮機吐出側の空気冷媒の圧力が200kPa以下であるとき、膨張機において、圧縮機吐出圧力との圧力差を利用した温度降下があまり期待できない。そこで、上記冷却部(例えば、冷凍機など)で、膨張機入口の空気冷媒の温度を−40℃以下にする必要がある。こうすることで、膨張機出口の空気冷媒の温度を−60℃以下の低温にできる。
【0023】
(14)一実施形態では、前記(10)〜(14)の何れかの方法において、
前記後段冷媒冷却工程において、
前記膨張機から吐出される前記空気冷媒の温度が−60℃以下である。
上記(14)の方法によれば、膨張機出口の空気冷媒の温度を−60℃以下とすることで、被冷却物を大温度差で冷却でき、熱交換効率を向上できるので、被冷却物の冷却効果を高めることができる。従って、フリーザに供給する空気冷媒の流量を低減できるため、被冷却物の冷却に供した後の空気冷媒を外気に排出しても熱効率の低下を抑制できる。
また、大温度差冷却を可能にすることで、被冷却物の冷却効果を高めることができる。さらに、大温度差冷却によって被冷却物の急速冷却が可能になるため、冷却時間を短縮できると共に、被冷却物が食品であるとき、食品の品質及び風味等を保持できる。