(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つのエキソビニレン−シクロカルボナート単位と少なくとも1つのアセタール基を有する化合物を、ジオールおよびポリオールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させる、請求項1または2記載の化合物の製造方法。
前記二成分組成物は、前記エキソビニレン−シクロカルボナート基と前記硬化剤の官能基との反応の触媒作用のための少なくとも1つの触媒を含むことを特徴とする、請求項5記載の使用。
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上のエキソビニレン−シクロカルボナート単位を有する化合物に関し、ここで、エキソビニレン−シクロカルボナート単位は、少なくとも1つの有機の、シロキサン不含の連結基を介して互いに結合されていて、この連結基はエキソビニレン二重結合とは直接結合されておらず、かつ(メタ)アクリルモノマーの重合により形成された連結基は除外される。化合物の製造方法、この化合物を含む二成分結合剤、およびこの化合物の使用も記載されている。
【0002】
被覆材料として頻繁に、イソシアナート成分がポリオール成分と反応して高分子量のポリウレタンポリマーになる二成分系が使用される。これらの系は、溶媒不含でかつ水不含の反応性の百パーセント系として適用されるか、または有機溶媒中に溶けた被覆材料として適用される。被覆材料は、適切な塗布システムを用いて第一の基材に塗布され、かつ次いで、場合により溶媒の蒸発後に硬化される。慣用の被覆材料中に含まれる反応性イソシアナートは、毒物学的危険を示す。これは、一方で、この被覆材料を適用する際のこの被覆材料の加工に関係する、というのも、イソシアナートは、原則として高い毒性および高いアレルギー誘発性を有するためである。他方で、可撓性基材の場合に完全には反応しない芳香族イソシアナートが基材を通過してマイグレーションし、かつそこで水分により加水分解されて発がん性の芳香族アミンになる危険性がある。したがって、室温ですでにできる限り良好な硬化特性を有する硬化可能な被覆組成物用のイソシアナート不含の二成分系が望ましい。
【0003】
国際公開第2011/157671号(WO 2011/157671)は、エキソビニレン−シクロカルボナートともいわれる、環系に直接1つの二重結合を有する環状カルボナート化合物を開示している。2つ以上のエキソビニレン−シクロカルボナート化合物を有する化合物は記載されていない。
【0004】
米国特許第3,541,087号明細書(US 3,541,087)には、ビニレン基の間で直接結合により互いに結合している2つのエキソビニレン−シクロカルボナート基を有する化合物が記載されている。国際公開第2015/010924号(WO 2015/010924)には、シロキサン基を介して互いに結合している少なくとも2つの環状エキソビニレン−カルボナート基を有する化合物を含む被覆材料が記載されている。国際公開第2013/144299号(WO 2013/144299)には、重合がエチレン系不飽和基を介して行われ、このエチレン系不飽和基は、アルキリデン基にスペーサーを介した置換基として存在する、重合可能なアルキリデン−1,3−ジオキソラン−2−オンが記載されている。国際公開第2015/039807号(WO 2015/039807)には、とりわけ、少なくとも2つのアルキリデン−1,3−ジオキソラン−2−オン基を有するオリゴマーまたはポリマーの化合物を含む被覆材料組成物が記載されている。ジオキソランの結合は、この場合、アルキリデン基を介して行われる。
【0005】
国際公開第2015/164703号(WO 2015/164703)および国際公開第2015/164692号(WO 2015/164692)には、ポリシクロカルボナート化合物およびこの化合物から製造されたポリマーが記載されている。実施可能な開示は、2つのポリシクロカルボナート基を有する化合物についてのみ記載されている。
【0006】
エキソビニレン−シクロカルボナートは、室温でアミンと反応しウレタンになり、したがってイソシアナート/アルコール反応によるポリウレタン形成のための潜在的な代替物である。出願番号15164849.0の公開前の欧州特許出願には、エキソビニレン−シクロカルボナート基を含むアクリラートモノマーが記載されている。このモノマーからなる多官能性誘導体(コポリマー)は、出願番号15172703.9の公開前の欧州特許出願に記載されている。しかしながら、この誘導体およびモノマーは、明らかに収率の損失を伴ういくつかの段階で合成されなければならない。
【0007】
本発明の主題は、できる限り簡単な前駆体から、1つより多くのエキソ−ビニレンシクロカルボナート基を含みかつ、できる限り室温ですでに硬化することができるイソシアナート不含の2成分被覆材料用の反応構成成分として利用することができる化合物を合成することにあった。
【0008】
本発明の主題は、2つ以上のエキソビニレン−シクロカルボナート単位を有する化合物であり、ここでこのエキソビニレン−シクロカルボナート単位は、少なくとも1つの有機の、シロキサン不含の連結基を介して相互に結合されていて、この連結基はエキソビニレン基の間には存在せず、かつ(メタ)アクリルモノマーの重合により形成された連結基は除外される。この連結基は、本発明による化合物が2つのエキソビニレン−シクロカルボナート単位を有する場合に、少なくとも1つのアセタール基を有する。この連結基は、本発明による化合物が2より多いエキソビニレン−シクロカルボナート単位を有する場合に、この連結基中に、好ましくは少なくとも1つのアセタール基を有する。
【0009】
好ましくは、エキソビニレン−シクロカルボナート単位は、一般式(I)
【化1】
の5−ビニリデン−1,3−ジオキソラン−2−オン単位であり、ここで、少なくとも1つの有機の、シロキサン不含の連結基は、5−ビニリデン−1,3−ジオキソラン−2−オン単位の4位の間に存在し、かつR
1〜R
3は、互いに無関係に、水素または有機基を意味する。
【0010】
好ましくは、R
1およびR
2は、互いに無関係に、C
1〜C
10−アルキル基、C
1〜C
6−アルキル基、C
1〜C
3−アルキル基、メチル基、または特に好ましくは、H原子を表す。好ましくは、R
3はC
1〜C
10−アルキル基、C
1〜C
6−アルキル基、C
1〜C
3−アルキル基、またはH原子、特に好ましくはメチル基を表す。特に好ましくは、R
1、R
2およびR
3は水素を表すか、またはR
1およびR
2は水素を表しかつR
3はメチル基を表す。
【0011】
適切な本発明による化合物は、例えば、式(II)
【化2】
[式中、R
1〜R
3は、式(I)の場合と同じ意味を有し、
nは、2以上の、好ましくは2〜10または3〜10の数であり、
かつAは、(メタ)アクリルモノマーの重合により形成された連結基を除外した、シロキサン不含の有機連結基を意味する]の化合物である。
【0012】
好ましくは、−Aは、−B−Qの意味を有し、ここで、Bは、スペーサー基、例えば二価の炭化水素基、ことに好ましくは1〜6のC原子を有するアルキレン基、例えば、ブチレン、プロピレン、エチレン、または特に好ましくはメチレンを意味し;かつここで、Qは、エーテル基、ポリエーテル基、エステル基、ポリエステル基、アミド基、ポリアミド基、ウレタン基、ポリウレタン基、尿素基、ポリ尿素基、アセタール基およびポリアセタール基から選択される少なくとも1つの官能基を含む有機基であり、ここで、エーテル基、ポリエーテル基、アセタール基またはポリアセタール基が特に好ましい。
【0013】
例えば、式(III)
【化3】
[式中、R
1〜R
6は、互いに無関係に、それぞれ水素または有機基を意味する]の化合物が適している。R
1〜R
3は、好ましくは、式(I)の場合と同じ意味を有する。R
5およびR
6は、好ましくは、R
1およびR
2と同じ意味を有し、R
4は、好ましくはR
3と同じ意味を有する。Aは、(メタ)アクリルモノマーの重合により形成された連結基を除外した、シロキサン不含の有機連結基である。
【0014】
好ましくは、−A−は、−B−Q−B−の意味を有し、ここで、Bは、スペーサー基、例えば二価の炭化水素基、ことに好ましくは1〜6のC原子を有するアルキレン基、例えば、ブチレン、プロピレン、エチレン、または特に好ましくはメチレンを意味し;かつここで、Qは、エーテル基、ポリエーテル基、エステル基、ポリエステル基、アミド基、ポリアミド基、ウレタン基、ポリウレタン基、尿素基、ポリ尿素基、アセタール基およびポリアセタール基から選択される少なくとも1つの官能基を含む有機基であり、ここで、エーテル基、ポリエーテル基、アセタール基またはポリアセタール基が特に好ましい。
【0015】
例えば、式(IV)
【化4】
の化合物、または式(IVa)
【化5】
の化合物も適しており、
式中、R
1〜R
6、A、BおよびQは、式(III)の場合と同じ意味を有し、
かつR
7は、水素、OH基または有機基、例えば1〜10のC原子を有する、例えばアルキル基、アルコキシ基またはヒドロキシアルキル基を意味し、
かつ、nは、1以上、好ましくは1〜10、または2〜10の数を意味する。
【0016】
例えば、式(V)
【化6】
の化合物、または式(Va)
【化7】
の化合物も適しており、
式中、R
1〜R
3、A、BおよびQは、式(III)の場合と同じ意味を有し、
かつR
7およびR
8は、互いに無関係に、水素、OH基または有機基、例えば1〜10のC原子を有する、例えばアルキル基、アルコキシ基またはヒドロキシアルキル基を意味し、かつR
7および/またはR
8は、1つのエキソビニレン基を含んでいてよく、
かつnは、基R
7とR
8との少なくとも一方が少なくとも1つのエキソビニレン基を含む場合に、1以上の数を意味し、かつnは、基R
7とR
8とのいずれもがエキソビニレン基を含まない場合には、2以上、好ましくは2〜10または3〜10の数を意味する。
【0017】
式(II)〜(V)、(IVa)および(Va)の化合物において、R
1、R
2、R
5およびR
6は、互いに無関係に、好ましくはC
1〜C
10−アルキル基、C
1〜C
6−アルキル基、C
1〜C
3−アルキル基、または特に好ましくはH原子を表す。R
3およびR
4は、好ましくは、互いに無関係に、C
1〜C
10−アルキル基、C
1〜C
6−アルキル基、C
1〜C
3−アルキル基またはH原子、特に好ましくはメチル基を表す。
【0018】
式(II)〜(V)、(IVa)および(Va)の化合物において、R
1、R
2、R
5およびR
6は、特に好ましくは、互いに無関係に、それぞれH原子を表し、R
3およびR
4は、互いに無関係に、メチルまたはH原子を表し、かつR
7、R
8およびAは、互いに無関係に、2〜12のC原子を有する多価アルコールの基を表し、この基は、また−O−、−S−または−NR
2−基により中断されていてもよく、ここで、Rは、HまたはC
1〜C
12−アルキルを表す。
【0019】
好ましくは、式(II)〜(V)の化合物中の連結基A、および化合物(II)、(III)、(IVa)および(Va)中の基Qは、少なくとも1つのアセタール基を有する。好ましくは、Aは、合計で最大24のC原子、ことに最大18のC原子、特に好ましくは最大14のC原子を有する有機基を表す。R
1は、酸素の他に、窒素または硫黄のような他のヘテロ原子を含んでいてよい。
【0020】
好ましくは、式(III)の化合物中の−A−は、式
【化8】
の構造要素を表し、
式中、Rは、炭化水素基、例えばC
1〜C
10−アルキル基または好ましくは水素を表し、かつm、n、pおよびqは、1〜10の数を表し、ここで、mおよびqは、好ましくは1であり、かつnおよびpは、好ましくは4〜10の数を意味する。
【0021】
好ましい化合物は、式(Vb)
【化9】
の化合物であり、
式中、Bは、好ましくは1〜6のC原子を有するアルキレン基、例えばブチレン、プロピレン、エチレンまたは特に好ましくはメチレンを意味し、
Qは、ポリオールから誘導された基を意味し、ここでポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシ基を有するアルコールであり、
かつ、nは、2以上、好ましくは2〜10または3〜10の数である。
【0022】
ポリオールから誘導される基として、ことに下記のアルコール系硬化剤から誘導される基、好ましくはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ビス−ヒドロキシメチル−シクロヘキサン、1,6−ビス−ヒドロキシメチル−シクロヘキサン、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ−THF、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット、糖アルコール、例えばソルビットおよびマンニットから選択される基が適している。
【0023】
好ましい化合物は、式(Vc)
【化10】
の化合物でもあり、
式中、B、Qおよびnは、式(Vb)の場合と同じ意味を有する。
【0024】
好ましい化合物は、式(IVb)
【化11】
の化合物でもあり、
式中、BおよびQは、式(Vb)の場合と同じ意味を有し、かつ
nは、1以上、好ましくは1〜10または2〜10の数である。
【0025】
好ましい化合物は、式(VI)
【化12】
の化合物でもあり、
式中、BおよびQは、式(Vb)の場合と同じ意味を有し、かつ
nは、0以上、好ましくは0〜10または1〜5の数である。
【0026】
本発明による化合物の例として、次の好ましい化合物が挙げられる:
式(VIa):
【化13】
の化合物。
式(VIc):
【化14】
[式中、n=1、2または3]の化合物。
式(Vd):
【化15】
[式中、nは2以上、好ましくは2または3である]の化合物。
式(Ve):
【化16】
[式中、nは2以上、好ましくは2または3である]の化合物。
【0027】
ここで、式VIa、IVc、VdおよびVe中の−O−Q−O−は、それぞれ、二価アルコールの基、好ましくはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ビス−ヒドロキシメチル−シクロヘキサン、1,6−ビス−ヒドロキシメチル−シクロヘキサン、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ−THF、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット、糖アルコール、例えばソルビットおよびマンニットから選択される基を表す。
【0028】
本発明による化合物は、例えば、式(VII)
【化17】
のエキソビニレン−シクロカルボナートのトランスアセタール化により製造することができ、
式中、R
1〜R
3およびR
9は、互いに無関係に、水素または有機基を意味し、R
10およびR
11は、互いに無関係に、有機基を意味し、かつBは、有機連結基(スペーサー)を意味する。R
1〜R
3は、好ましくは、式(I)の場合と同じ意味を有する。R
9は、好ましくはC
1〜C
10−アルキル基、C
1〜C
6−アルキル基、C
1〜C
3−アルキル基、メチル基、または特に好ましくはH原子を表す。R
10およびR
11は、好ましくは、C
1〜C
10−アルキル基、C
1〜C
6−アルキル基またはC
1〜C
3−アルキル基、特に好ましくはメチル基を表す。好ましくは、式(VII)の化合物において、R
1およびR
2は、それぞれH原子を表し、R
3およびR
9は、互いに無関係に、メチルまたはH原子を表し、R
10およびR
11は、互いに無関係に、炭化水素基、ことにC
1〜C
10−アルキル基または1〜4のC原子を有するアルキル基、特に好ましくはメチル基を表す。Bは、好ましくは1〜4のC原子を有するアルキレン基、ことにメチレンを表す。
【0029】
特に、式(VIIa)
【化18】
の化合物が好ましい。
【0030】
トランスアセタール化のために適したエキソビニレン−シクロカルボナートは、例えば、
− 第一段階で、末端三重結合を有する化合物を、アセタール基を含むアルカノンまたはアルカナールと反応させ、ここで、三重結合は、ヒドロキシ化合物の形成下で、アルカノンまたはアルカナールのカルボニル基に付加され、
− 第二段階で、二酸化炭素により閉環を行い、カルボナート基にされる
方法により製造されてよい。
【0031】
段階1について
第一段階の反応は、三重結合のカルボニル基への自体公知の付加である。末端三重結合を有する適切な化合物は、ことに、式(VIII)
Y−CH≡CH
[式中、Yは、H原子、1〜10のC原子を有する炭化水素基、例えばアルキル基またはアリール基または最大10のC原子を有する保護基を表す]の化合物である。Yが保護基ではない限り、Y置換C原子の置換基が、式(I)〜(V)中の後の基R
1、R
2、R
5およびR
6を決定する。したがって、式(VIII)から出発して、式(I)〜(V)中の基R
1もしくはR
2の一方、または基R
5もしくはR
6の一方は、H原子であり、かつそれぞれ他方はYである。したがって、Yの好ましい意味は、R
1、R
2、R
5およびR
6の上述の好ましい意味に対応する。
【0032】
しかしながら、Yは、保護基を表してもよい。保護基は、次の合成の間またはその後に再び脱離されるので、この場合、式(I)〜(V)および(VII)中の後の基R
1およびR
2またはR
5およびR
6は、それぞれH原子を表す。適切な保護基は、例えばトリメチルシリル基(省略してTMS)である。
【0033】
付加反応の実施のために、様々な方法が公知である。好ましくは、出発化合物を、強塩基の存在で反応させる。好ましい強塩基は、金属アルコラートである。これは、好ましくは脂肪族アルコールの金属塩、ことにC
1〜C
8−アルコール、好ましくはC
2〜C
6−アルコール、例えばエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールの金属塩である。金属アルコラートの金属カチオンは、好ましくはアルカリカチオン、例えばナトリウムまたはカリウムのカチオンである。好ましい金属アルコラートとして、例えばカリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、カリウムイソプロピラート、およびナトリウムイソプロピラートが挙げられる。
【0034】
この反応は、好ましくは溶媒の存在で実施される。溶媒として、出発化合物と反応する反応性基を含まない不活性溶媒が好ましい。特に、不活性の、極性の非プロトン性溶媒が好ましい。このような溶媒として、例えば環状エーテル化合物、ことにTHFが挙げられる。この反応は、一般に発熱性であり、したがって反応の際に好ましくは冷却される。反応混合物の温度は、好ましくは最大50℃、ことに最大25℃であり、この温度は好ましくは0〜25℃の間にある。
【0035】
得られた生成物混合物の後処理のために、水、場合により酸および場合により無極性有機溶媒を添加することができる。第1段階の有用生成物がすでに、独立の有機相を形成する限り、有機溶媒を省くことができる。2つの相が形成され、このうちの有機相は、第1段階の生成物(付加生成物)を含む。有機相は、水の除去のために乾燥されてもよい。溶媒は、蒸留により容易に分離することができる。生成物は、真空蒸留により純粋な形で得ることができる。あるいは、後処理は、ことに第1段階の生成物が極めて高い沸点を有する場合、晶出または抽出の通常の方法によって行ってもよい。
【0036】
使用されるアルカノンまたはアルカナールは、アセタール基を含む。アセタール基を有する好ましいアルカノンまたはアルカナールは、式IX
【化19】
のアルカノンまたはアルカナールであり、
式中、R
3は、H原子またはC
1〜C
10−アルキル基を表し、mは、0または1〜10の整数を表す。mは0または1〜10の整数を表す。好ましくは、mは、1〜10の整数、ことに1〜6の整数を表し、全く特に好ましくはmは、1を表す。基
【化20】
は、アセタール基を表し、ここで、R
10およびR
11は、炭化水素基、ことにC
1〜C
10−アルキル基または1〜4のC原子を有するアルキル基、特に好ましくはメチル基を表す。R
3は、式I〜VおよびVII中のR
3またはR
4に相応し、かつ相応する意味および好ましい意味を有し;好ましい実施形態の場合に、R
3はメチル基である。
【0037】
付加反応の実施のために、様々な方法が公知である。好ましくは、出発化合物を、強塩基の存在で反応させる。好ましい強塩基は、金属アルコラートである。これは、好ましくは脂肪族アルコールの金属塩、ことにC
1〜C
8−アルコール、好ましくはC
2〜C
6−アルコール、例えばエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールの金属塩である。金属アルコラートの金属カチオンは、好ましくはアルカリカチオン、例えばナトリウムまたはカリウムのカチオンである。好ましい金属アルコラートとして、例えばカリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、カリウムイソプロピラート、およびナトリウムイソプロピラートが挙げられる。
【0038】
この反応は、好ましくは溶媒の存在で実施される。溶媒として、出発化合物と反応する反応性基を含まない不活性溶媒が好ましい。特に、不活性の、極性の非プロトン性溶媒が好ましい。このような溶媒として、例えば環状エーテル化合物、ことにTHFが挙げられる。この反応は、一般に発熱性であり、したがって反応の際に好ましくは冷却される。反応混合物の温度は、好ましくは最大50℃、ことに最大25℃であり、この温度は好ましくは0〜25℃の間にある。
【0039】
得られた生成物混合物の後処理のために、水、場合により酸および場合により無極性有機溶媒を添加することができる。第1段階の有用生成物がすでに、独立の有機相を形成する限り、有機溶媒を省くことができる。2つの相が形成され、このうちの有機相は、第1段階の生成物(付加生成物)を含む。有機相は、水の除去のために乾燥されてもよい。溶媒は、蒸留により容易に分離することができる。生成物は、真空蒸留により純粋な形で得ることができる。あるいは、後処理は、ことに第1段階の生成物が極めて高い沸点を有する場合、晶出または抽出の通常の方法によって行ってもよい。
【0040】
段階2につて
段階2において、環状カルボナート基の形成のために、二酸化炭素を用いて閉環が行われる。第二段階の生成物は、環状カルボナート基とアセタール基とを有する化合物である。このために、二酸化炭素を、好ましくはガス状で、または超臨界状態で、加圧下で出発化合物と接触させる。したがって、この反応は、好ましくはオートクレーブ中で実施される。二酸化炭素は、不活性ガスとの混合物の形で使用されてもよい。
【0041】
この反応は、好ましくは触媒の存在で行われる。この反応は、好ましくは、触媒として塩基の存在で、または特に好ましくは塩基と金属塩とからなる触媒系の存在で行われる。塩基として、少なくとも1つの第三級アミノ基を有する、例えば1〜3つの第三級アミノ基を有する化合物が好ましい。この種の塩基は公知である。塩基は、通常では、500g/mol未満、ことに300g/mol未満の分子量を有する。ことに、これは、脂肪族または脂環式化合物である。
【0042】
塩基として、例えば、
TMTACN(N,N′,N″−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)
PMDETA(ペンタメチルジエチレントリアミン)
TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)
DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)または
DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン)
が挙げられる。
【0043】
金属塩は、好ましくは、1〜3価のカチオン、ことにCu、AgまたはAuのカチオンとの塩である。金属塩のアニオンは、好ましくはカルボキシラート、ことにC
1〜C
6−カルボキシラートである。好ましい金属塩として、酢酸銀または酢酸銅が挙げられる。
【0044】
触媒として、ホスファンも挙げられる。ことに、これは、トリアルキルホスファンまたはトリアリールホスファンである。これらは、単独でまたは同様に金属塩と組み合わせても使用することができる。
【0045】
この反応は、好ましくは1〜100bar、ことに5〜70barの圧力で実施される。反応混合物の温度は、好ましくは10〜100℃、ことに10〜80℃である。この反応は、例えばガスクロマトグラフィーにより監視されてよい。
【0046】
冷却および放圧後に、得られた生成物は後処理されてよい。有機溶媒、好ましくは不活性の疎水性有機溶媒、例えばジクロロメタンまたはトルエン、および水性の酸、例えば水性HClが添加されてよいので、二相が形成される。有機相は所望の生成物を含む。有機相から乾燥により水を除去することができる。溶媒は蒸留により除去することができる。生成物は蒸留により精製することができる。温和な、したがって好ましい蒸留は、例えば薄膜蒸発器中での蒸留である。ことに、このためワイパーシステムを備えた薄膜蒸発器が適している。あるいは、第二段階の生成物が高い沸点である場合、晶出または抽出による後処理および精製も考慮される。
【0047】
トランスアセタール化:
例えば段階2の反応生成物のトランスアセタール化は、ルイス酸またはプロトン酸による触媒作用下でアルコールを用いて実施することができ、ここで後者のプロトン酸がより良好な収率をもたらす。酸性触媒は、例えば酸性の無機触媒、金属有機触媒または有機触媒、またはいくつかの酸性の無機触媒、金属有機触媒もしくは有機触媒の混合物である。酸性の無機触媒として、例えば硫酸、硫酸塩および硫酸水素塩、例えば硫酸水素ナトリウム、リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸、硫酸アルミニウム水和物、ミョウバン、酸性ケイ酸ゲル(pH≦6、ことに≦5)および酸性酸化アルミニウムが挙げられる。さらに、例えば一般式Al(OR
1)
3のアルミニウム化合物および一般式Ti(OR
1)
4のチタン酸塩が、酸性の無機触媒として使用可能であり、ここで、基R
1は、それぞれ同じまたは異なってよく、かつ互いに無関係に、C
1〜C
20−アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシルまたはn−オクタデシル;C
3〜C
12−シクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシルおよびシクロドデシル;好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルから選択される。好ましい酸性の金属有機触媒は、例えばジアルキルスズ酸化物R
12SnOまたはジアルキルスズエステルR
12Sn(OR
2)
2から選択され、ここで、R
1は、上述のように定義され、かつ同じまたは異なっていてよい。R
2は、R
1の場合と同じ意味を有し、かつ付加的にC
6〜C
12−アリール、例えばフェニル、o−、m−またはp−トルイル、キシリルまたはナフチルであってよい。R
2は、それぞれ同じまたは異なってよい。有機スズ触媒の例は、n−オクタン酸スズ(II)、2−エチルヘキサン酸スズ(II)、ラウリン酸スズ(II)、酸化ジブチルスズ、酸化ジフェニルスズ、二塩化ジブチルスズ、二酢酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジマレイン酸ジブチルスズまたは二酢酸ジオクチルスズである。酸性の金属有機触媒の特に好ましい代表物は、酸化ジブチルスズ、酸化ジフェニルスズおよびジラウリン酸ジブチルスズである。
【0048】
好ましい酸性の有機触媒は、例えばホスファート基、スルホン酸基、スルファート基またはホスホン酸基を有する酸性の有機化合物である。酸性イオン交換体、例えば約2mol%のジビニルベンゼンで架橋されているスルホン酸基含有ポリスチレン樹脂も、酸性の有機触媒として使用することができる。特に、スルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸またはメタンスルホン酸、ならびにトリフルオロ酢酸が適している。これらの触媒は、均一系または不均一系または担持型であってよい。比較的強い酸は、反応生成物を変色させる傾向があり、比較的弱い酸は、比較的高い温度を必要とする。
【0049】
アルコールは、第一級、第二級または第三級であってよく、この場合、第一級アルコールが好ましい。ジオールが特に好ましい、というのもジオールは線状オリゴマーを生じるためである。3つ以上のヒドロキシ基を有するポリオールを使用する場合、分子量および分枝度の調節のため、モノオールも付加的に併用されてよい。アルコールの混合物も同様に可能である。ジオールの分子量は、好ましくは62〜5000g/mol、特に好ましくは90〜2000g/molである(ポリマーの場合:末端基分析からの数平均分子量Mn)。
【0050】
アセタール基のOR基対OH基の比率は、4:1〜1:4、好ましくは2:1〜1:2、全く特に好ましくは1.5:1〜1:1.5であってよい。
【0051】
この反応は、様々な溶媒中で実施されてよく、極性溶媒、例えばアセトニトリルが好ましい。反応温度は、室温(20℃)〜100℃、好ましくは<80℃、特に好ましくは<60℃である。特に好ましくは、この反応は、メタノールを平衡から効果的に除去するために、真空中で実施される。このために、反応を広い区間にわたり溶媒なしで行う場合が特に好ましい。例えば、反応混合物を、より良好な均質化のために、最初は溶媒中に調製し、次いでこの溶媒を真空中で除去することができる。この溶媒は、回収されかつ再使用されてもよい。
【0052】
本発明による反応生成物(オリゴマーのエキソビニレン−シクロカルボナートアセタール)の後処理は、触媒を簡単に洗い落とすことによって行うことができる。触媒が担持型である場合、濾過される必要がある。比較的高い純度は、水、緩衝液または非常に弱い塩基を用いた振盪、および乾燥剤を用いた乾燥により生じる。水および非溶媒中での沈降も可能であり、この場合、アセタール基は加水分解されないように留意される。
【0053】
本発明によるエキソビニレン−シクロカルボナートは、ゲル浸透クロマトグラフィー(THF中のGPC;標準ポリスチレン)により測定して、好ましくは500〜50 0000g/mol、特に好ましくは1000〜10 000g/molの重量平均分子量Mwを有する。粘度は、好ましくは0.5〜5000Pa sである(ゼロ粘度として測定)。ゼロ粘度は、限りなく低い剪断速度で粘度パラメータの極限値である。このゼロ粘度は、プレート/プレート形状でAnton Paar Rheometer MCR 100(US 200評価ソフトウェア)を用いて測定される。試料は、10%の小さな剪断振幅での振動剪断で、かつ23℃の温度で、角振動数log 100−0.1 1/sで、測定間隔0.5mmで、Carreau-Gahleitner Iによる評価で、25mmのピストン直径で測定される。
【0054】
本発明によるエキソビニレン−シクロカルボナートは、エキソビニレンカルボナート環を破壊することなしに、イソシアナート、酸塩化物、および/または酸無水物で鎖長延長することができる。このエキソビニレン−シクロカルボナートは、開環しながら、ポリアミンと反応してポリウレタンになることもできる。このエキソビニレン−シクロカルボナートは、開環しながら、他のポリオールおよび強塩基性触媒と反応してポリカルボナートにすることもできる。
【0055】
本発明の主題は、1つのエキソビニレン−シクロカルボナート単位と少なくとも1つのアセタール基とを有する化合物を、トランスアセタール化反応で、ジオールおよびポリオールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させる、2つ以上のエキソビニレン−シクロカルボナート単位を有する化合物の製造方法でもある。この反応は、好ましくはルイス酸またはプロトン酸による触媒作用下で実施される。
【0056】
本発明の主題は、この方法の反応生成物でもある。
【0057】
本発明の主題は、本発明による化合物の、被覆材料、塗料、ペイント、インク、建材、エラストマー、発泡体の構成成分としての、または繊維および/または粒子の結合のための使用でもある。
【0058】
本発明による化合物と多官能性硬化剤成分との混合物は、二成分結合剤として使用することができる。したがって、本発明の主題は、第一成分中に少なくとも1つの本発明による化合物を含み、かつ第二成分中に、第一級アミノ基、第二級アミノ基、ヒドロキシ基、ホスフィン基、ホスホナート基およびメルカプタン基からなる群から選択される少なくとも2つの官能基を有する少なくとも1つの多官能性硬化剤を含む二成分結合剤の使用でもある。好ましくは、二成分結合剤は、エキソビニレン−シクロカルボナート基と硬化剤の官能基との反応の触媒作用のための少なくとも1つの触媒を含む。二成分結合剤は、有機溶媒中の溶液として、または溶媒不含でかつ水不含の百パーセント系として適用することもできる。
【0059】
好ましくは、硬化剤の官能基は、脂肪族ヒドロキシル基、脂肪族第一級アミノ基、脂肪族第二級アミノ基、脂肪族ホスフィン基、脂肪族ホスホナート基および脂肪族メルカプタン基から選択される。
【0060】
二成分結合剤(2K結合剤)とは、結合形成下で互いに反応しかつこの場合にポリマーの網目構造を形成する少なくとも2つの多官能性結合剤成分を含む結合剤であると解釈される。本発明によるポリマーは、ここに存在するアルキリデン−1,3−ジオキソラン−2−オン基に基づき、結合形成下で多数の求核性基と反応することができる。このような求核性基の例は、とりわけ、脂肪族ヒドロキシル基、脂肪族第一級および第二級アミノ基、ホスフィン基、ことに脂肪族ホスフィン基、ホスホナート基、ことに脂肪族ホスホナート基、ならびに類似のリン化合物、さらにメルカプタン基、ことに脂肪族メルカプタン基である。
【0061】
したがって、2K結合剤組成物は、少なくとも1つの本発明によるポリマーの他に、好ましくはさらに、脂肪族ヒドロキシル基、脂肪族第一級アミノ基、脂肪族第二級アミノ基、脂肪族ホスフィン基、脂肪族ホスホナート基など、および脂肪族メルカプタン基から選択される少なくとも2個の官能基F、例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10個の官能基Fを有する少なくとも1つの化合物を含む。これらの化合物は、以後、硬化剤ともいわれる。好ましい官能基Fは、脂肪族ヒドロキシル基および脂肪族第一級アミノ基および脂肪族第二級アミノ基である。好ましくは、硬化剤の量は、式Iの官能性アルキリデン−1,3−ジオキソラン−2−オン基の、硬化剤中の官能基Fに対するモル比が、1:10〜10:1の範囲内、ことに5:1〜1:5の範囲内、特別に1:2〜2:1の範囲内にあるように選択される。
【0062】
硬化剤は、低分子量の、つまり分子量が500g/mol未満の物質、または500g/molを超える数平均分子量を有するオリゴマーまたはポリマーの物質であってよい。
【0063】
本発明による好ましい硬化剤には、アミン系硬化剤、つまり少なくとも2つの第一級または第二級アミノ基を有する硬化剤、およびアルコール系硬化剤、つまり少なくとも2つのヒドロキシル基を有する化合物が属する。
【0064】
アミン系硬化剤(以後、アミン硬化剤という)には、例えば脂肪族および脂環式ポリアミン、芳香族および芳香脂肪族ポリアミン、ならびにポリマーのアミン、例えばアミノプラストおよびポリアミドアミンが含まれる。アミン硬化剤は、ポリアミンの第一級または第二級アミノ官能基と、カルボナートポリマーの1,3−ジオキソラン−2−オン基とのウレタン官能基の形成下での反応により架橋して、1,3−ジオキソラン−2−オン基を有するポリマー(以後、カルボナートポリマーともいう)になる。好ましいポリアミン硬化剤は、1分子当たり平均して少なくとも2つの第一級または第二級アミノ基、例えば1分子当たり2、3または4つの第一級または第二級アミノ基を有する。この硬化剤は、さらに1つ以上の第三級アミノ基を含んでいてもよい。適切なポリアミンは、例えば
− 脂肪族ポリアミン、例えばエチレンジアミン、1,2−および1,3−プロパンジアミン、ネオペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1−(3−アミノプロピル)−3−アミノプロパン、1,3−ビス−(3−アミノプロピル)プロパン、4−エチル−4−メチルアミノ−1−オクチルアミンなど、
− 脂環式ジアミン、例えば1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,2−、1,3−、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−メチル−2,4−ジアミノシクロヘキサン、N−シクロヘキシルプロピレン−1,3−ジアミン、4−(2−アミノプロパン−2−イル)−1−メチルシクロヘキサン−1−アミン、イソホロンジアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン(Dicykan)、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,8−ジアミノ−トリシクロ[5.2.1.0]デカン、ノルボルナンジアミン、メンタンジアミン、メンテンジアミンなど、
− 芳香族ジアミン、例えばトルイレンジアミン、キシリレンジアミン、ことにメタ−キシリレンジアミン(MXDA)、ビス(4−アミノフェニル)メタン(MDAまたはメチレンジアニリン)、ビス(4−アミノフェニル)スルホン(DADS、DDSまたはDapsonとしても公知)など、
− 環状ポリアミン、例えばピペラジン、N−アミノエチルピペラジンなど、
− ポリエーテルアミン、ことにポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレンオキシド、ポリ(1,4−ブタンジオール)、ポリテトラヒドロフラン(ポリ−THF)またはポリペンチレンオキシドを基礎とする二官能性および三官能性の第一級ポリエーテルアミン、例えば4,7,10−トリオキサトリデカン−1,3−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン(XTJ-504、Huntsman社)、1,10−ジアミノ−4,7−ジオキサデカン(XTJ-590、Huntsman社)、1,12−ジアミノ−4,9−ジオキサドデカン(BASF SE社)、1,3−ジアミノ−4,7,10−トリオキサトリデカン(BASF SE社)、230の平均分子量を有する、ポリプロピレングリコールを基礎とする第一級ポリエーテルアミン、例えばポリエーテルアミンD 230(BASF SE社)またはJeffamine(登録商標)D 230(Huntsman社)、400の平均分子量を有する、ポリプロピレングリコールを基礎とする二官能性の第一級ポリエーテルアミン、例えばポリエーテルアミンD 400(BASF SE社)またはJeffamine(登録商標)XTJ 582(Huntsman社)、2000の平均分子量を有する、ポリプロピレングリコールを基礎とする二官能性の第一級ポリエーテルアミン、例えばポリエーテルアミンD 2000(BASF SE社)、Jeffamine(登録商標)D 2000またはJeffamine(登録商標)XTJ 578(それぞれHuntsman社)、4000の平均分子量を有する、プロピレンオキシドを基礎とする二官能性の第一級ポリエーテルアミン、例えばポリエーテルアミンD 4000(BASF SE社)、プロピレンオキシドとトリメチロールプロパンとの反応、引き続き末端OH基のアミノ化により製造された、403の平均分子量を有する三官能性の第一級ポリエーテルアミン、例えばポリエーテルアミンT 403(BASF SE社)またはJeffamine(登録商標)T 403(Huntsman社)、プロピレンオキシドとグリセリンとの反応、引き続き末端OH基のアミノ化により製造された、5000の平均分子量を有する三官能性の第一級ポリエーテルアミン、例えばポリエーテルアミンT 5000(BASF SE社)またはJeffamine(登録商標)T 5000(Huntsman社)、プロピレンオキシドでグラフトされたポリエチレングリコールから構築されていてかつ600の平均分子量を有する脂肪族ポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)ED-600もしくはJeffamine(登録商標)XTJ-501(それぞれHuntsman社)、プロピレンオキシドでグラフトされたポリエチレングリコールから構築されていてかつ900の平均分子量を有する脂肪族ポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)ED-900(Huntsman社)、プロピレンオキシドでグラフトされたポリエチレングリコールから構築されていてかつ2000の平均分子量を有する脂肪族ポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)ED-2003(Huntsman社)、プロピレンオキシドでグラフトされたジエチレングリコールのアミノ化により製造された、220の平均分子量を有する二官能性の第一級ポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)HK-511(Huntsman社)、1000の平均分子量を有する、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)とポリプロピレングリコールとのコポリマーを基礎とする脂肪族ポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)XTJ-542(Huntsman社)、1900の平均分子量を有する、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)とポリプロピレングリコールとのコポリマーを基礎とする脂肪族ポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)XTJ-548(Huntsman社)、1400の平均分子量を有する、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)とポリプロピレングリコールとのコポリマーを基礎とする脂肪族ポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)XTJ-559(Huntsman社)、400の平均分子量を有する、ブチレンオキシドでグラフトされた少なくとも三価のアルコールを基礎とするポリエーテルトリアミン、例えばJeffamine(登録商標)XTJ-566(Huntsman社)、219の平均分子量を有する、ブチレンオキシドでグラフトされたアルコールのアミノ化により製造された脂肪族ポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)XTJ-568(Huntsman社)、600の平均分子量を有する、ペンタエリトリットおよびプロピレンオキシドを基礎とするポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)XTJ-616(Huntsman社)、148の平均分子量を有する、トリエチレングリコールを基礎とするポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)EDR-148(Huntsman社)、176の平均分子量を有する、プロピレンオキシドでグラフトされたエチレングリコールのアミノ化により製造された二官能性の第一級ポリエーテルアミン、例えばJeffamine(登録商標)EDR-176(Huntsman社)、および250の平均分子量を有する、ポリテトラヒドロフラン(ポリ−THF)のアミノ化により製造されたポリエーテルアミン、例えばPolyTHF-Amin 350(BASF SE社)ならびにこれらのアミンの混合物、
− 二量体の脂肪酸(例えば二量体のリノール酸)と低分子量のポリアミン、例えばジエチレントリアミン、1−(3−アミノプロピル)−3−アミノプロパンまたはトリエチレンテトラアミンまたは他のジアミン、例えば上述の脂肪族または脂環式ジアミンとの反応により得られるポリアミドアミン(アミドポリアミン)、
− アミン、ことにジアミンと、不足量のエポキシ樹脂もしくは反応性希釈剤との反応により得られる付加物、ここで、好ましくはエポキシ基の約5〜20%がアミン、ことにジアミンと反応されている付加物が使用される、
− エポキシ化学から公知であるようなフェナルカミン、
− 例えばポリアミン、好ましくはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−および1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの、アルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドおよび少なくとも1つのアルデヒド反応性の環部位を有する一価以上のフェノール、例えば多様なクレゾールおよびキシレノール、p−tert−ブチルフェノール、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン、好ましくはフェノールによる縮合により製造されるマンニッヒ塩基、
ならびに上述のアミン硬化剤の混合物、ことに脂肪族、脂環式および芳香族アミンの群からの二官能性アミンの、上述のポリエーテルアミンとの混合物である。
【0065】
好ましいアミン系硬化剤は、脂肪族ポリアミン、ことに2,2−ジメチルプロピレンジアミン、芳香族ジアミン、ことにm−キシリレンジアミン(MXDA)、および脂環式ジアミン、ことにイソホロンジアミン、N−シクロヘキシルプロピレン−1,3−ジアミン、および4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン(Dicykan)である。例えばJeffamine(登録商標)D 230またはJeffamine(登録商標)T 403のようなポリプロピレングリコールを基礎とする二官能性または三官能性の第一級ポリエーテルアミンも好ましい。アミノ基周りでの高い移動度および低い立体障害が支配的であるポリアミン、例えば4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、PolyTHF Amin 350(BASF SE)が特に好ましい。
【0066】
好ましいとして挙げられたアミンの混合物、例えば2,2−ジメチルプロピレンアミンとイソホロンアミンとを含む混合物も好ましい。
【0067】
アルコール系硬化剤には、とりわけ、低分子量および高分子量の脂肪族および脂環式アルコールが含まれる。アルコール系硬化剤は、第一級または第二級アルコール官能基の、1,3−ジオキソラン−2−オン基との炭酸のジエステルの形成下での反応により架橋してカルボナートポリマーになる。好ましいアルコール系硬化剤は、1分子当たり平均して少なくとも2個の第一級または第二級ヒドロキシ基、例えば1分子当たり2、3または4個の第一級または第二級ヒドロキシ基を有する。適切な低分子量のアルコール系硬化剤は、例えば1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット、糖アルコール、例えばソルビットおよびマンニットである。
【0068】
適切なアルコール系硬化剤は、高分子量の、ポリマーのポリオール、例えばポリエステルポリオール、ポリカルボナートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリラートポリオールおよびポリビニルアルコールでもある。適切なポリマーのポリオール硬化剤は、好ましくは少なくとも1.5molでかつ特に少なくとも1.8、例えば1.5〜10の範囲内、ことに1.8〜4の範囲内の平均OH官能価を有する。平均OH官能価とは、ポリマー鎖1つ当たりのOH基の平均数であると解釈される。典型的なポリマーのポリオール成分は、好ましくは、約250〜50000g/mol、好ましくは約500〜10000g/molの数平均分子量を有する。好ましくは、ポリマーのポリオール成分中に含まれるヒドロキシル基の少なくとも50mol%は第一級ヒドロキシル基である。
【0069】
好ましくは、ポリエステルポリオールは、ポリマー主鎖中にエステル基を有し、ポリマー鎖の末端に遊離ヒドロキシル基を有する線状または分枝状のポリマーの化合物である。好ましくは、これは、場合により多価アルコール(例えば3、4、5または6価のアルコール)および/または多価ポリカルボン酸の存在での二価アルコールと二価カルボン酸との重縮合により得られるポリエステルである。遊離ジカルボン酸もしくはポリカルボン酸の代わりに、相応するジカルボン酸無水物もしくはポリカルボン酸無水物、または低級アルコールの相応するジカルボン酸エステルもしくはポリカルボン酸エステル、またはこれらの混合物を、ポリエステルポリオールの製造のために使用してもよい。ジカルボン酸またはポリカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族または複素環式であってよく、好ましくは2〜50、ことに4〜20のC原子を有し、かつ場合により、例えばハロゲン原子により置換されていてよくかつ/または不飽和であってよい。これについての例として、スベリン酸、アゼライン酸、フタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、無水マレイン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、および二量体の脂肪酸が挙げられる。ポリエステルポリオールの製造のために、ジオールとしてことに、好ましくは2〜40、ことに2〜20のC原子を有する脂肪族および脂環式ジオール、例えばエチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ブテン−1,4−ジオール、ブチン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ネオペンチルグリコール、ビス−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、例えば1,4−ビス−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、メチルペンタンジオール、さらにジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、およびポリブチレングリコールが挙げられる。一般式HO−(CH
2)
x−OH[式中、xは、2〜20の数、好ましくは2〜12の偶数である]のアルコールが好ましい。これについての例は、エチレングリコール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、オクタン−1,8−ジオール、およびドデカン−1,12−ジオールである。さらに、ネオペンチルグリコールおよびペンタン−1,5−ジオールが好ましい。
【0070】
アルコール系硬化剤として、ラクトンを基礎とするポリエステルポリオールも適しており、この場合、ラクトンの単独重合体または共重合体、好ましくはラクトンの適切な二官能性スターター分子への、末端にヒドロキシル基を有する付加生成物である。ラクトンとして、好ましくは、一般式HO−(CH
2)
z−COOHの化合物から誘導されるものが挙げられ、この場合、zは、1〜20の数であり、メチレン単位のH原子は、C
1〜C
4−アルキル基に置き換えられていてもよい。例は、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトンおよび/またはメチル−ε−カプロラクトン、ならびにこれらの混合物である。適切なスターター分子は、例えば、ポリエステルポリオールのための構成成分として上述に挙げられた低分子量の二価アルコールである。ε−カプロラクトンの相応する重合体が特に好ましい。低級のポリエステルジオールまたはポリエーテルジオールを、ラクトン重合体の製造のためのスターターとして使用してもよい。ラクトンの重合体に代えて、ラクトンに相応するヒドロキシカルボン酸の、化学的に等価の相応する重縮合体を使用してもよい。
【0071】
適切なポリエステルポリオールの例は、例えばUllmanns Enzyklopaedie der Technischen Chemie、第4版、第19巻、第62〜65頁から公知のポリエステルポリオールである。
【0072】
さらに、例えばホスゲンと、ポリエステルポリオール用の構成成分として挙げられる過剰量の低分子量のアルコールとの反応により得ることができるようなポリカルボナートポリオールも挙げられる。
【0073】
ポリエーテルポリオールは、ことに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド、またはエピクロロヒドリンと、それら自体とを、例えばBF
3の存在で重合することによるか、またはこれらの化合物を、場合により混合した形でまたは連続して、反応性水素原子を有する二官能性または多官能性の開始成分、例えばポリオールまたは多官能性アミン、例えば水、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビット、エタノールアミン、またはエチレンジアミンへ付加することにより製造することができるポリエーテルポリオールである。スクロースポリエーテル(独国特許出願公開第1176358号明細書(DE 1176358)および独国特許出願公開第1064938号明細書(DE 1064938)参照)ならびにフォルミット(Formit)またはフォルモース(Formose)で開始されるポリエーテル(独国特許出願公開第2639083号明細書(DE 2639083)および独国特許出願公開第2737951号明細書(DE 2737951)参照)も挙げられる。
【0074】
同様に、ポリヒドロキシオレフィン、好ましくは2つの末端のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシオレフィン、例えばα,ω−ジヒドロキシポリブタジエンが適している。
【0075】
同様に、ポリヒドロキシポリアクリラートも適していて、この場合、ヒドロキシル基は、ペンダント状にまたは末端に配置されていてよい。これについての例は、OH基含有調節剤、例えばメルカプトエタノールまたはメルカプトプロパノールの存在でのアクリル酸および/またはメタクリル酸のアルキルエステルの単独重合または共重合、および引き続き低分子量のポリオール、例えばアルキレングリコール、例えばブタンジオールを用いるエステル交換により得られるα,ω−ジヒドロキシポリ(メタ)アクリルエステルである。このようなポリマーは、例えば欧州特許出願公開第622378号明細書(EP-A 622 378)から公知である。これについての例は、さらに、アクリル酸および/またはメタクリル酸のアルキルエステルと、エチレン系不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、例えばヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシブチルアクリラート、ヒドロキシエチルメタクリラート、ヒドロキシプロピルメタクリラートまたはヒドロキシブチルメタクリラートとの共重合により得られるポリマーである。
【0076】
好ましくはポリビニルエステル、ことにポリ酢酸ビニルの完全なまたは部分的なけん化により得ることができるポリビニルアルコールも適している。ポリビニルエステル、好ましくはポリ酢酸ビニルが部分的にけん化されて存在している限り、好ましくはヒドロキシル基として、エステル基の最大50〜95%がけん化されて存在する。ポリビニルエステル、好ましくはポリ酢酸ビニルが完全にけん化されて存在している限り、一般にヒドロキシル基として、エステル基の95%超〜100%がけん化されて存在する。
【0077】
高分子量のポリマーのポリオールの中で、好ましくはアルコール系硬化剤は、ことに、例えばBASF SE社の商品名Joncryl(登録商標)で得られるポリアクリラートポリオール、例えばJoncryl(登録商標)945である。
【0078】
適切な硬化剤は、アミノ酸、例えばリシン、アルギニン、グルタミン、およびアスパラギン、およびこれらの立体異性体およびこれらの混合物でもある。
【0079】
もちろん、多様な硬化剤の混合物、例えば1つ以上のアミン系硬化剤と1つ以上のアルコール系硬化剤との混合物、1つ以上のアミン系硬化剤と1つ以上のアミノ酸との混合物、または1つ以上のアルコール系硬化剤と1つ以上のアミノ酸との混合物を使用してもよい。
【0080】
本発明による結合剤組成物中で、硬化剤の全体量は、エキソビニレン−シクロカルボナート化合物+使用した硬化剤の全体量を基準として、好ましくは0.1質量%〜50質量%、頻繁に0.5〜40質量%、ことに1〜30質量%である。
【0081】
結合剤組成物の硬化は、本発明によるポリマーと硬化剤との混合物を、混合温度を越える温度に加熱することにより熱的に行うことができる。硬化は、比較的低い温度で行ってもよい。典型的には、本発明による結合剤組成物の硬化は、−10℃〜150℃の範囲内、好ましくは0〜100℃の範囲内、ことに10〜70℃の範囲内の温度で行われる。20〜30℃の温度での硬化が特に好ましい。どの温度が適しているのかは、その都度の硬化剤および所望の硬化速度に依存し、かつ個別の場合に当業者により例えば簡単な予備試験に基づいて突き止めることができる。大抵の支配的な周囲温度に相当する低い温度範囲(5〜約35℃)では、もちろん、本発明によるポリマーと硬化剤とを混合することにより十分である。あるいは、硬化は、好ましくはマイクロ波により誘導されて行われる。
【0082】
2K−結合剤組成物は、硬化のために1つ以上の適切な触媒を含んでいてもよく、この触媒は、公知のように反応性官能基Fの種類に依存する。これらの触媒は、所望の場合に、式Iの官能性アルキリデン−1,3−ジオキソラン−2−オン基を有する本発明によるポリマーと硬化剤との全体量を基準として0.01質量%〜約10質量%の割合で使用される。一実施態様の場合には、ことに、官能基としてアミノ基を有する硬化剤の場合には触媒は必要なく、つまり、組成物中での触媒の含有率は、0.01質量%未満である。触媒は、好ましくは、硬化剤が、アミノ基とは異なる反応性基Fを有する場合に、ことに硬化剤がヒドロキシル基を有する場合に使用される。
【0083】
好ましくは使用される触媒は、塩基性触媒、特に好ましくは有機アミンおよび有機ホスフィンである。有機アミンの中で、アミジン塩基、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)および1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、モノ−C
1〜C
6−アルキルアミン、ジ−C
1〜C
6−アルキルアミン、およびトリ−C
1〜C
6−アルキルアミン、ことにトリエチルアミンおよびtert−ブチルアミンが好ましい。有機ホスフィンの中で、トリアルキルホスフィンおよびトリアリールホスフィンが好ましく、例えばトリ−n−ブチルホスフィンおよびトリフェニルホスフィンが好ましい。触媒は、もちろん混合物として、場合によりトリ−C
1〜C
6−アルキルアンモニウムハロゲン化物と銅塩との組合せた形で、例えばトリフェニルホスフィンをトリ−C
1〜C
6−アルキルアンモニウムハロゲン化物と銅塩、例えば塩化銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(II)または硫酸銅(II)との組合せた形で使用されてもよい。
【0084】
上述の成分の他に、2K−結合剤組成物は、これについて通常の添加物を含んでよい。本発明による組成物のために適切な慣用の添加物の選択は、2K−結合剤組成物のその都度の使用目的に依存し、かつ個々の場合に当業者により決定されてよい。
【0085】
適切な添加物は、例えば酸化防止剤、UV吸収剤/光安定剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、補強剤、充填剤、防曇剤、発泡剤、殺生物剤、可塑剤、滑剤、乳化剤、染料、顔料、レオロジー調節剤、耐衝撃性改良剤、接着調節剤、蛍光増白剤、難燃剤、滴下防止剤、核生成剤、湿潤剤、増粘剤、保護コロイド、消泡剤、粘着付与剤、溶媒および反応性希釈剤、ならびにこれらの混合物を含む。
【0086】
充填剤は、有機および無機であってよく、好ましい無機充填剤は、液体および気体に対して増強されたバリア作用を有する層に整列することができる小板の形で存在する。この例は、例えば国際公開第2011/089089号(WO 2011/089089)、国際公開第2012/175427号(WO 2012/175427)または国際公開2012/175431号(WO 2012/175431)に記載されたようなモンモリロナイト、およびヘクトライトのような層状ケイ酸塩である。少なくとも50、少なくとも400、または少なくとも1000、ことに10000以上のアスペクト比を有する層状ケイ酸塩が好ましい。層厚は、例えば約1nmである。層状ケイ酸塩は天然起源または合成起源であってよい。適切な層状ケイ酸塩は、例えばモンモリロナイト、ベントナイト、カオリナイト、雲母、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、サポナイト、バイデライト、ノントロナイト、ステベンサイト、バーミキュライト、フルオロバーミキュライト、ハロイサイト、ヴォルコンスコイト(Volkonskoit)、スコナイト(Suconit)、マガディアイト、ソーコナイト、スチベンサイト(Stibensit)、スチプルジャイト(Stipulgit)、アタパルジャイト、イライト、ケニヤアイト、スメクタイト、アレヴァルダイト(Allevardit)、白雲母、パリゴルスカイト、セピオライト、シリナアイト(Silinait)、グルマニタイト(Grumantit)、レブダイト、ゼオライト、フラー土、天然もしくは合成タルクまたは雲母、またはパームチットであってよい。特に、モンモリロナイト(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、ヘクトライト(ケイ酸マグネシウムリチウム)、合成フルオロヘクトライトおよび剥離した、有機変性されたスメクタイトが好ましい。層状ケイ酸塩は、変性されていてもまたは未変性でもよい。カチオン変性された層状ケイ酸塩が好ましい。カチオン変性されたとは、層状ケイ酸塩の無機カチオンが、例えばイオン交換法により、少なくとも部分的に有機カチオンに置き換えられていることを意味する。有機カチオンは、少なくとも1つのカチオン基、例えば第四級アンモニウム基、ホスホニウム基、ピリジニウム基など、またはカチオン性アミン塩を有する有機化合物である。
【0087】
場合により使用される光安定剤/UV吸収剤、酸化防止剤、および金属不活性化剤は、好ましくは高いマイグレーション安定性および温度耐久性を有する。これらは、例えば、a)〜t)の群から選択される。a)〜g)およびi)の群の化合物は、光安定剤/UV吸収剤であり、j)〜t)の化合物は安定剤として作用する。
a) 4,4−ジアリールブタジエン、
b) ケイ皮酸エステル、
c) ベンゾトリアゾール、
d) ヒドロキシベンゾフェノン、
e) ジフェニルシアノアクリラート、
f) オキサミド、
g) 2−フェニル−1,3,5−トリアジン、
h) 酸化防止剤、
i) ニッケル化合物、
j) 立体障害アミン、
k) 金属不活性化剤、
l) ホスフィットおよびホスホニット、
m) ヒドロキシルアミン、
n) ニトロン、
o) アミンオキシド、
p) ベンゾフラノンおよびインドリノン、
q) チオ相乗剤
r) 過酸化物分解性化合物、
s) ポリアミド安定剤、および
t) 塩基性補助安定剤。
【0088】
二成分結合剤は、好ましくはイソシアナート不含であり、つまり好ましくは硬化剤としてイソシアナート化合物を含まない。二成分結合剤は、好ましくは有機溶媒中の溶液の形で存在するか、または溶媒不含である。溶媒不含とは、有機溶媒または水を5質量%未満、特に好ましくは2質量%未満で含むか、または含まないことを意味する。
【0089】
本発明による二成分結合剤は、短時間でかつことにアミン硬化剤を用いてすでに室温で高い結合力を構築することができる。
【0090】
実施例
実施例1:エキソビニレン−シクロカルボナート−ジメチルアセタールの合成
この製造は二段階で行われる。
【化21】
【0091】
1.)4,4−ジメトキシブタン−2−オンのエチニル化:
TMS−アセチレン(982g、10mol)をTHF(17L、モレキュラーシーブで乾燥)中にアルゴン下で装入し、−68℃に冷却する。攪拌しながら1h内に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、4L)を−68℃で滴加し、1h後攪拌する。30min内で、次いでケトン(1.319kg、10mol)を、−68℃〜−54℃で滴加し、引き続き15min後攪拌する。その後、9℃に温め、水(2.9L)を1回で添加する。この場合、温度は、約17℃に上昇する。反応混合物を、45℃/8トルで入念に濃縮する。GC分析により、TMS保護された生成物がもはや含まれていないことが保証される。残留物を、ジエチルエーテル(750ml)中に懸濁させ、濾過し、濾過残滓をもう一度ジエチルエーテルで洗浄する。濾液を真空中で濃縮する。約1.2kgの粗製材料が、褐色の液体として残留する。これから、真空蒸留(5mbar)により、64〜68℃で、約1.1kg(7mol、70%)のエチニル化生成物が無色の油状物として得られる。
純度:>96%(GC面積%)
【0092】
2.)CO
2を用いた閉環:
段階1で得られたアセチレンアルコール(1233g;7.79mol)をアセトニトリル(1.2L)中に装入し、攪拌オートクレーブ中でPMDETA(ペンタメチルジエチレントリアミン;138.9g;0.8mol)およびAgOAc(12.9g;0.078mol)を加える。50barでCO
2を圧入し、2.5h攪拌する。温度は75℃にまで上昇する。反応混合物を室温に冷却後に常圧に放圧し、濾過し、100℃/5mbarで濃縮する。約1.5kgの粗製材料が褐色の液体として残留する。これから、5mbarでの真空蒸留により、114〜115℃で、約1.39kgのカルボナートがオレンジ色の油状物として得られ、これを(場合により、いくつかの種結晶の添加後に)一晩中結晶化させた。結晶材料を、シクロヘキサン(1.34L)と共に攪拌し、吸引濾過し、残留物をもう一度シクロヘキサン(0.45L)で後洗浄する。真空での乾燥後に、1.29kg(6.38mol、64%)のほぼ無色の固体が得られる。
純度:>99%(GC面積%)
【0093】
実施例2:1,6−ヘキサンジオールでのトランスアセタール化
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物30g、1,6−ヘキサンジオール22.8g、p−トルエンスルホン酸0.5gを、アセトニトリル30g中に懸濁させ、45℃に加熱した。真空引きし、溶媒を留去し、合計で、45℃で8h、および室温で40h蒸留した。次いで、VE水150mlで3回洗浄し、デカントし、真空中で乾燥させた。
収量:40gの黄色の粘性の液体
23℃でのゼロ粘度:2Pa s
【0094】
実施例3:1,4−ブタンジオールでのトランスアセタール化
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物100g、1,4−ブタンジオール57.9gをアセトニトリル50g中に溶かした。p−トルエンスルホン酸1.5gを、アセトニトリル10g中に溶かし、このバッチに添加した。溶媒を留去し、室温で40h真空引きし、さらに45℃で8h蒸留した。次いで、VE水50mlで3回洗浄し、デカントし、真空中で乾燥させた。
収量:100gの褐色の粘性の液体
【0095】
実施例4:トリエチレングリコールでのトランスアセタール化
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物100g、トリエチレングリコール(モレキュラーシーブで乾燥)96.5g、p−トルエンスルホン酸1.36gを、アセトニトリル50g中に懸濁させ、45℃に加熱した。真空引きし、溶媒を留去し、さらに、45℃で8h、および室温で40h蒸留した。次いで、VE水150mlで3回洗浄し、デカントし、真空中で乾燥させた。
収量:153gの褐色の粘性の液体
【0096】
実施例5:1,6−ヘキサンジオールでのトランスアセタール化(緩衝し、乾燥することで後処理)
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物100g、1,6−ヘキサンジオール75.98g、p−トルエンスルホン酸1.7gを、アセトニトリル100g中に懸濁させ、45℃に加熱した。真空引きし、溶媒を留去し、合計で、45℃で8h、および室温で12h蒸留した。次いで、メチル−tert−ブチルエーテル200g中に収容し、pH7の緩衝溶液50mlで3回洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を回転蒸発させた。
収量:131gの黄色の粘性の液体
【0097】
実施例6:1,6−ヘキサンジオールでトランスアセタール化(不均一系触媒を用いる)
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物20g、1,6−ヘキサンジオール15.2g、Amberlyst 15乾燥、酸性(Sigma-Aldrich)2.5gを、アセトニトリル20g中に懸濁させ、45℃に加熱した。真空引きし、溶媒を留去し、合計で、45℃で8h、および室温で40h蒸留した。次いで、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)100g中に収容し、不均一系触媒を濾別し、溶媒を回転蒸発させた。
収量:19gの褐色の粘性の液体
【0098】
実施例7:ポリ−THFでのトランスアセタール化
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物20g、ポリ−THF 250 32g、p−トルエンスルホン酸0.34gを、アセトニトリル20g中に溶かし、45℃に加熱した。真空引きし、溶媒を留去し、その後、合計で、45℃で8h、および室温で40h蒸留した。次いで、メチル−tert−ブチルエーテル100g中に収容し、pH7の緩衝溶液50mlで3回洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を回転蒸発させた。
収量:37gの黄色の粘性の液体
【0099】
実施例8:3−メチルペンタンジオールでのトランスアセタール化
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物50g、3−メチルペンタンジオール−1,5 38g、p−トルエンスルホン酸0.85gを、アセトニトリル50g中に懸濁させ、45℃に加熱した。真空引きし、溶媒を留去し、合計で、45℃で8h、および室温で12h蒸留した。次いで、メチル−tert−ブチルエーテル100g中に収容し、pH7の緩衝溶液50mlで3回洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を回転蒸発させた。
収量:50.5gの黄色の粘性の液体
23℃でのゼロ粘度:40Pa s
【0100】
実施例9:1,6−シクロヘキサンジメタノールでのトランスアセタール化
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物20g、1,6−シクロヘキサンジメタノール18.5g、p−トルエンスルホン酸0.34gを、アセトニトリル20g中に懸濁させ、45℃に加熱した。真空引きし、溶媒を留去し、合計で、45℃で8h、および室温で12h蒸留した。次いで、メチル−tert−ブチルエーテル100g中に収容し、pH7の緩衝溶液50mlで3回洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を回転蒸発させた。
収量:27gの黄色の高粘性の液体
23℃でのゼロ粘度:425Pa s
【0101】
実施例10:メタノール中でブタンジオールでのトランスアセタール化
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物30g、1,4−ブタンジオール17.4gをメタノール30g中に溶かした。メタンスルホン酸0.51gを、メタノール10g中に溶かし、このバッチに添加した。溶媒を留去し、室温で40h真空引きし、さらに45℃で8h蒸留した。次いで、冷たいVE水150mlで3回および温かいVE水150mlで3回洗浄し、デカントし、真空中で乾燥させた。
収量:14gの褐色の粘性の液体
【0102】
実施例11:1,8−オクタンジオールでのトランスアセタール化
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物300g、1,8−オクタンジオール282g、p−トルエンスルホン酸2.5gを、アセトニトリル410g中に懸濁させ、55℃の外側温度に加熱した。真空引きし、溶媒を留去し、この際に、内部温度は50℃未満に下回るべきではない(合計で8h)。次いで、室温で15h真空引きし、もう一度50℃の外部温度で8h脱ガスした。次いで、メチル−tert−ブチルエーテル400g中に収容し、pH7の緩衝溶液150mlで3回洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を回転蒸発させた。
収量:457gの赤褐色の粘性の液体
23℃でのゼロ粘度:14Pa s
【0103】
実施例12:ジグリセリンでのトランスアセタール化
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物300g、ジグリセリン(CAS番号59113−36−9 Inovyn)123.3gをメタノール100g中に溶かした。p−トルエンスルホン酸2.5gを、メタノール10g中に溶かし、このバッチに添加した。溶媒を留去し、室温で8h蒸留した。次いで、pH8の緩衝溶液150mlと共に攪拌し、酢酸エチルエステル300ml中に収容し、pH7の緩衝溶液150mlと共に2回振盪し、MgSO
4で乾燥し、溶媒を留去した。
収量:298gの極めて暗色の極めて粘性の液体
23℃でのゼロ粘度:4298Pa s
【0104】
実施例13(比較例):ヒドロキシアルキルアクリラートコポリマーでのトランスアセタール化(連結基としてアクリラートポリマー)
攪拌機、温度計および真空接続部を備えた3頸フラスコ中で、実施例1の化合物7gを、85mg KOH/gのOH価を有するヒドロキシアルキルアクリラートコポリマー(Joncryl(登録商標)960, BASF)22.8gと一緒にアセトニトリル10g中に溶かした。メタンスルホン酸0.07gを、アセトニトリル5g中に溶かし、このバッチに添加した。溶媒を留去し、IRスペクトルにおいてOHバンドがもはや見られなくなるまで室温で48h真空引きした。この生成物は、極めて高粘性であり、それ以上ほとんど攪拌不能であった。次いで、VE水50mlで3回洗浄し、デカントし、真空中で乾燥させた。
収量:20gの黄色の極めて粘性のゲル、もはや攪拌不能
【0105】
二成分被覆材料
実施例3に記載された生成物10gを、硬化剤としてジアミンの4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン(DODA)2.0gと混合し、生じた反応性の二成分被覆材料を混合直後に3μmの層厚で印刷された36μmの厚みのポリエステルシートに塗布した。次いで、カレンダー中で、第二の36μmの厚みのポリエステルシートを、6.5barの圧力で、5m/minのカレンダー速度で被覆層に貼り合わせた。生じる積層体を15mmの幅のストリップに切断し、このストリップについて、4h後に室温(23℃で)剥離強さ[N/15mm]を測定した。このために、剥離機を使用し、かつ90°剥離角で剥離試験(T試験)を実施した。この結果は表1に示されている。
【0106】
同様に、実施例5に記載された生成物10gを、硬化剤としてDODA3.15gと混合し、加工して、調査した。
【0107】
表1:剥離強さの測定結果
【表1】
【0108】
4h後の1Nを越える剥離強さは、被覆材料の用途にとって、例えばフレキシブルな包装の製造のために十分であり、かつ工業的利用可能であるために十分に短時間内で生じる。