(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記援助制御手段は、前記視聴者ユーザによる選択操作指示に従って、前記視聴者ユーザの保有オブジェクトの中から前記援助オブジェクトを選択して前記競技者ユーザへ付与する制御を行う、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
前記特典付与制御手段は、前記援助オブジェクトが使用された場合に、当該援助オブジェクトが前記援助制御手段によって付与されたタイミングに応じて、前記特典の内容を変更する、
請求項1〜4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
前記援助制御手段は、前記競技者ユーザが、1回の前記使用操作で、纏めて、又は、断続的若しくは連続的な自動使用となる1以上の前記援助オブジェクトのパッケージを単位として前記援助指示を受け付けて前記競技者ユーザへ付与し、
前記選択表示制御手段は、前記援助オブジェクトのパッケージを単位として前記表示順位を可変に制御する、
請求項7又は8に記載のコンピュータシステム。
前記特典付与制御手段は、前記援助オブジェクトが使用された場合に、当該援助オブジェクトを付与した前記視聴者ユーザと前記競技者ユーザとの前記親密度を向上させることを前記特典として付与する、
請求項12に記載のコンピュータシステム。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を適用した実施形態の一例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0042】
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成の一例を示す図である。本実施形態のゲームシステム1000は、eスポーツ視聴システムを兼ねたシステムであって、通信回線9に接続することで相互にデータ通信が可能なサーバシステム1100及び複数のユーザ端末1500(1500a,1500b,…)を含む。つまり、オンラインゲームと、eスポーツの視聴という大きく2つのコンテンツを提供するコンテンツ提供システムである。
【0043】
ここで言う「eスポーツ視聴」とは、エレクトロニック・スポーツの略称であり、あるゲームタイトルに係る登録ユーザのうち、「競技者」(参加者やクランなどと呼ばれる場合もある。)とされる単数又は複数のユーザ2(
図1の例では、2a,2b)がゲームプレイする様子を、「視聴者」として設定された単数又は複数のユーザ2(
図1の例では、2c,2d,2e)が視聴することである。
本実施形態のゲームシステム1000は、このeスポーツ視聴に必要な情報の収集と生成、配信をしてその実現を提供するeスポーツ視聴システムとしての機能を兼ね備えている。
【0044】
通信回線9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0045】
サーバシステム1100は、eスポーツの主体となるゲームタイトルをオンラインゲームとして提供するゲームサーバとして機能するゲームサーバ部1101と、ストレージ1140と、eスポーツ視聴に必要な情報の収集・生成・配信をしてその実現を提供する配信サーバ部1102と、を有するコンピュータシステムである。また、管理者向けのキーボード1106と、タッチパネル1108と、を有する。
【0046】
ゲームサーバ部1101は、制御基板1150を搭載する。制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153が搭載されている。なお、制御基板1150の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0047】
そして、ゲームサーバ部1101は、制御基板1150が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、1)ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、2)ユーザ端末1500(1500a,1500b,…)でゲームプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500(1500a,1500b,…)でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、3)ゲームで利用可能な様々なアイテムをオンラインでユーザに販売するオンラインショッピング機能と、を有する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
【0048】
eスポーツ視聴に係る機能としては、ゲームサーバ部1101は、4)競技者及び視聴者の設定登録機能と、5)視聴者のユーザ端末1500にてeスポーツ視聴を実現するための視聴用データ(又は視聴用データを生成するために必要とされる基礎データ)を用意する視聴用データ準備機能と、6)視聴対価の徴収や、競技対価の支払を行う会計機能と、を実現する。なお、ゲームサーバ部1101で実現される機能はこれらに限定されず、適宜追加・省略が可能である。
【0049】
配信サーバ部1102は、サーバシステム1100の制御基板1150に相当する制御基板を搭載し、所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、視聴用データを視聴者のユーザ端末1500へ配信する機能と、ユーザ端末1500からの各種リクエストを収集してゲームサーバ部1101へ送信する機能と、を実現する。配信サーバ部1102の機能はこれに限らず、適宜省略・追加が可能である。例えば、ゲームサーバ部1101から提供される基礎データに基づいて視聴用データを配信サーバ部1102で生成する機能を加えてもよい。
【0050】
なお、サーバシステム1100は、単体の装置として実現することとしてもよいし、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であっても良い。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であっても良い。
図1では、ゲームサーバ部1101と配信サーバ部1102とを別体として表しているが、それぞれにブレードサーバを用意して、装置としては一体として設置・管理する構成も可能である。
【0051】
ユーザ端末1500(1500a,1500b,…)は、競技者や視聴者となる登録済ユーザがゲームプレイや視聴のために個別に使用するコンピュータシステムであって、通信回線9を介してサーバシステム1100にアクセスしてオンラインゲームを実行できる電子装置(電子機器)である。競技者が使用するユーザ端末1500は競技者端末、視聴者が使用するユーザ端末1500は視聴者端末、ということになる。
【0052】
本実施形態のユーザ端末1500は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、携帯型ゲーム装置や、ゲームコントローラ、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、業務用ゲーム装置などでもよい。
【0053】
図2は、本実施形態におけるユーザ端末1500の構成例を示す正面図である。
ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、スピーカ1510と、内蔵バッテリー1509と、マイク1512と、イメージセンサユニット1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。その他、図示されていない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。また、ゲームプレイの対価の支払いが可能なICカード型のクレジットカードやプリペイドカードに対して非接触にデータの読み書きが行えるICカード読取装置などを設けるとしてもよい。
【0054】
制御基板1550は、CPU1551やGPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557などを搭載する。
【0055】
インターフェース回路1557には、タッチパネル1506のドライバ回路、方向入力キー1502及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、イメージセンサユニット1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、などが含まれている。
【0056】
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、ゲームプレイ用端末としての機能と、eスポーツ視聴用端末としての機能と、を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
【0057】
なお、本実施形態では、ユーザ端末1500はクライアントプログラムや各種設定データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、別途入手したメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
【0058】
[ゲームの説明]
図3は、本実施形態におけるコンテンツであるeスポーツ視聴の概要を説明するための図であって、eスポーツ視聴に関連する画面表示例を示す図である。
【0059】
本実施形態のゲームシステム1000が提供するゲームコンテンツは、プレーヤであるユーザが、使用操作に基づいてゲームで使用することで所与の効果を発揮する所与のオブジェクトを使用してプレイするオンラインゲームである。
【0060】
ここで言う「オブジェクト」とは、ゲームプレイに係りユーザが保有し、ゲームに係る使用、売却、他者への付与などが可能なゲーム要素である。例えば、ゲームに登場するキャラクタや、アイテムがこれに該当する。ゲーム内容によっては、ゲームパラメータ、スキル、発動可能な技、なども含めることができる。例えば、時間経過に応じて自動的にプレーヤに付与・蓄積され、プレイ操作にともなってその対価として支払われる行動力や行動ポイントといったパラメータ値や、プレーヤキャラクタに係るパラメータ値(例えば、残耐久値、保有魔力、移動力など)を、オブジェクトとして扱うことができる。具体的には、「行動力ポイントの5ポイント」を1オブジェクトとして扱うとしてもよい。
【0061】
本実施形態のゲームコンテンツでは、オブジェクトとして、キャラクタと、アイテムを用いる。すなわち、本実施形態のゲームは、プレーヤであるユーザ2が、それぞれが保有するプレーヤキャラクタ4(4a,4b,…;キャラクタオブジェクト)を操作しつつ、保有するアイテム5(5a,5b,…;アイテムオブジェクト)を装備させたりプレイ中に使用しながら対戦する対戦ゲームである。本実施形態で視聴対象とされるゲームも同じゲームコンテンツである。
【0062】
なお、対戦ゲームを1対1の対戦形式と想定した例を示しているが、多対多のサバイバル形式や、チーム戦形式、であっても良い。対戦の内容も、格闘に限らず、リアルタイムストラテジー、シューティング、レース、等であっても良い。
【0063】
さて、視聴者のユーザ端末1500にて、eスポーツ視聴可能なスケジュールに併せて、ゲームクライアントプログラムを起動してeスポーツ視聴モードを選択すると、タッチパネル1506に視聴画面W3が表示される。
【0064】
視聴画面W3は、プレイ画面表示部20と、プレゼント操作部30と、プレゼント発生通知22と、競技者別のプレゼントストック表示部24と、が含まれる。勿論、これら以外の内容も適宜含めることができる。
【0065】
プレイ画面表示部20は、視聴の主体となる画像、すなわち競技者がゲームプレイしている様子を映したゲームプレイ画像が表示される。本実施形態では、プレイ開始前の状態からプレイ中の競技者別のプレーヤキャラクタ4の様子が表示される。プレイ開始前に、剣や槍などの武器のアイテム5を装備する様子は勿論、プレイ中の格闘の様子が表示される。
【0066】
プレイ画面表示部20で表示される画像の表示方法は、適宜選択可能である。例えば、ゲームサーバ部1101にて、3次元仮想空間であるゲーム空間内に、各プレーヤキャラクタ4のオブジェクトを配置して動作制御するとともに、所定の配信用視点から撮影した3次元仮想空間内の画像をリアルタイムに生成し、これをストリーミング配信することにより実現するとしてもよい。或いは、競技者の操作入力情報を視聴者のユーザ端末1500へ配信して、配信された操作入力情報に基づいて各ユーザ端末にてプレイ画像を生成するとしても良い。本実施形態では、前者のストリーミング配信により実現することとして説明する。
【0067】
そして、本実施形態のゲームシステム1000では、視聴者がプレイ前及びプレイ中に、意中の競技者(ゲーム内容によっては、意中の競技者チーム)へ援助を行うことができる。
【0068】
プレゼント操作部30は、視聴者が、競技者への援助を行うための各種情報を表示する。本実施形態では、視聴者が実行可能な援助として、視聴者が保有しているアイテム5(保有されているオブジェクト、保有アイテム;本実施形態における保有オブジェクト)を競技者へプレゼントすることを採用しており、プレゼント操作部30は、プレゼントを実行するための参考となる情報を提示し、プレゼントを実行するための選択操作指示を入力するための要素を表示する。
【0069】
具体的には、プレゼント操作部30は、推奨情報表示31と、保有状況表示33と、保有アイテムプレゼント実行操作アイコン35と、その場購入プレゼント実行操作アイコン37と、を有する。
【0070】
推奨情報表示31は、その時々のプレイ状況においてプレゼントの付与先とされるユーザにとって(競技者にとって)役立つと推定されるアイテムを提示する。具体的には、アイテムリストがお勧め順位上位から順にソートされて表示される。なお、限られたプレゼント操作部30にて全てのアイテムは表示しきれないが、当該操作部内でスライド操作すると表示されていないアイテムについても表示させることができる。
【0071】
保有状況表示33は、推奨情報表示31で表示されるアイテムと1対1で対応づけて表示され(
図3の例では、横方向に対応づけて表示され)、当該ユーザ端末を使用する視聴者が当該アイテムを保有している状況を表示する。本実施形態では、保有数を表示することとする。
【0072】
保有アイテムプレゼント実行操作アイコン35は、第1の援助指示の操作入力を受け付けるためのアイコンである。具体的には、対応する保有状況表示33で表示されている保有アイテムを援助品(援助オブジェクト)として競技者へプレゼントする手続きを開始するための選択操作指示の入力を受け付ける。そして、当該操作アイコンをタッチ操作すると、ユーザ端末1500には、プレゼント詳細設定画面W4が追加表示される。
【0073】
プレゼント詳細設定画面W4は、プレゼントの送り先、換言するとプレゼントの付与先となる競技者を指定する付与先指定部41と、プレゼントするアイテムの種類と提供数を設定する内容指定部43と、プレゼントの実行承認操作をするための承認操作アイコン45と、当該画面を閉じる或いはプレゼントをキャンセルするキャンセル操作アイコン47と、を有する。
【0074】
付与先指定部41には、競技者のプレーヤキャラクタ4(4a、4b)或いは競技者のアバターが表示され、視聴者が何れかをタッチしてプレゼントの付与先を設定することができる。
【0075】
内容指定部43には、保有アイテムプレゼント実行操作アイコン35が対応づけて表示された保有状況表示33の示す保有アイテムが、プレゼントとするアイテムとしてデフォルトとして表示される。視聴者は、提供数設定部49を操作して同時にプレゼントする数を選択・設定することができる。ここで指定された内容のプレゼント、すなわちプレゼントされるアイテムの種類と提供される数量とが、1つのパッケージとして扱われる。
【0076】
承認操作アイコン45を操作すると、その時点で指定されている付与先へ、指定されている内容のプレゼントが実行される。対して、キャンセル操作アイコン47を操作すると、その時点で指定されている付与先や内容の如何に係わらずプレゼントの実行はキャンセルされる。
【0077】
その場購入プレゼント実行操作アイコン37は、第2の援助指示の操作入力を受け付けるためのアイコンである。具体的には、対応づけられた保有状況表示33で表示されているアイテムを視聴者が保有していない場合に、保有アイテムプレゼント実行操作アイコン35に代わって表示される。そして、オンラインショッピング機能を利用して対応づけられた保有状況表示33で表示されているアイテムをその場で購入し、その場でプレゼントする手続き開始の操作入力を受け付ける。そして、当該操作アイコンをタッチ操作すると、ユーザ端末1500には、ショッピング画面W5が追加表示される。
【0078】
ショッピング画面W5は、プレゼントとするアイテムを購入操作するための画面であって、購入品には保有状況表示33で表示されているアイテムがデフォルト表示される。視聴者は、購入数設定部53を操作して購入数を選択・設定することができる。そして、購入承認操作アイコン55を操作すると、購入操作指示がなされたと見なされ、設定されている内容で購入が実行され、購入品をプレゼント品としてデフォルト設定されたプレゼント詳細設定画面W4が表示される。以降は、先の説明と同様であり、つまりはプレゼントが実行される。
【0079】
すなわち、(プレゼントの実行操作をした)視聴者が保有していた(或いはその場購入して追加保有した)アイテムが消去され、代わりに付与先とされた競技者へ当該アイテムが付与される。
【0080】
視聴者によるアイテムのプレゼントが実行されると、視聴画面W3にプレゼント発生通知22が新たに表示される。プレゼント発生通知22には、プレゼントを提供した視聴者の情報(例えば、ハンドルネームなど)と、プレゼント付与先の情報と、プレゼントされたアイテムの種類と数量、つまりは当該プレゼントとされたアイテムのパッケージ(援助オブジェクトのパッケージ)の内容とが含まれている。
また、視聴者によるアイテムのプレゼントが実行されると、各競技者が受領したプレゼントが、パッケージ別にプレゼントストック表示部24にて開示される。
【0081】
図4は、視聴者による競技者へのプレゼントに係るプレゼント提供者への特典付与について説明するための図である。競技者(
図4の例では、ユーザ2a)が受領したプレゼント品のパッケージ(
図4の例では、パッケージ7j、パッケージ7k)は、プレゼントキュー60にストックされて管理される。当該競技者には、プレゼントキュー60から先入れ先出し式の順番で、パッケージ単位でプレゼントされたアイテム5を使用するように表示されることとなる。
【0082】
パッケージ単位のプレゼントの使用は、1回の使用操作でパッケージされているプレゼント品を全てまとめて使用する(例えば消費する)としてもよいし、使用操作している間、連続的・断続的に使用するとしてもよい。或いは、使用操作毎に所定数毎に使用するとしてもよい。本実施形態では、使用操作毎に所定数毎に使用することとする。そして、そのパッケージの全てのプレゼント品が使用されると、当該パッケージは使用完了となりプレゼントキュー60から削除される。
【0083】
そして、プレゼントしたアイテムが、競技者により使用される(具体的には、パッケージが使用完了とされる)と、当該使用されたプレゼントの提供者である視聴者へ、特典が付与される。これを「提供者特典」と呼称する。
図4の例では、パッケージ7jが使用完了となったので、当該パッケージのプレゼントを提供したユーザ2jに提供者特典が付与されている。
【0084】
「提供者特典」の内容は適宜設定可能である。例えば、アイテムやキャラクタの付与、ゲームコンテンツのプレイ対価やオンラインショッピングなどの電子決済に利用される決済用媒体(例えば、仮想通貨ポイントや、特定種類のアイテム、など)の付与、プレーヤキャラクタ4の能力向上やスキルの付与、有料/無料の抽選券の付与、新しいゲームステージの開放権の付与、クーポン券の付与、プレゼントを貰った競技者とプレゼントを提供した視聴者との間に設定される関係度合の向上、などを設定できる。
【0085】
ここで言う「関係度合」は、例えば、両者がフレンド登録している場合の友好度、を設定することができる。友好度の利用方法は適宜設定可能である。例えば、両者がマルチプレイする場合に適用され、その数値が高いほどプレーヤにとって有利にゲームを進められるとしてもよい。具体的には、両者が同チームでFPSをプレイする場合ならば、敵からの被弾率が友好度に応じて低減される、などといった利用が考えられる。
【0086】
なお、本実施形態では、プレゼントキュー60は、プレゼント品とされるアイテムの種類別に用意することとして説明するが、プレゼントキュー60の数を限定してプレゼント品とされるアイテムを複数の種類を混在させるとしてもよい。
【0087】
図5は、プレゼントキュー60におけるキュー順位の設定について説明するための図である。前述のようにプレゼントキュー60は、先入れ先出しのデータ管理方式を採用するので、基本的には、新たなプレゼントは、キュー順位が最下位(最後尾)に設定される。
【0088】
しかし、本実施形態ではこのキュー順位を設定・変更する仕組みがある。
具体的には、所与の初期値設定用パラメータ値に基づいて新たなプレゼントに適用されるキュー順位の初期値が設定され、更に所与の変更用パラメータ値に基づいて、その初期値が順位を上げるように変更され、変更・補正されたキュー順位に従って、新たなプレゼントがプレゼントキュー60に割り込み登録される。
【0089】
具体的には、
図6に示すように、プレゼント品とされ得るアイテムの種類別に予め初期キュー順位定義データ540が用意されており、当該定義データにて、初期値設定用パラメータ値条件542と、初期順位543とが、対応づけて定義されている。
【0090】
「初期値設定用パラメータ値」としては、新たなプレゼントの提供者と付与先との関係度合や、新たなプレゼントであるアイテムの能力パラメータ値(例えば、レアリティ、アイテムレベル、購入価格、攻撃向上率、使用頻度、など)、新たなプレゼントの提供数、新たなプレゼントの提供者が過去に実施したプレゼントの回数や数量、プレゼントを実行した頻度、等を採用することができる。そして、それらの値が大きいほど、キュー順位の初期値が高くなるように設定されている。
【0091】
また、キュー順位変更・補正用のキュー順位変更関数データ548(548a,548b,…)が用意されており、当該関数データに従ってキュー順位の初期値が変更されて、適用されるキュー順位が決定する。
【0092】
キュー順位変更関数データ548は、「変更用パラメータ値」毎に用意されており、パラメータ値が高いほど順位アップ量が大きくなるように設定されている。なお、変更用パラメータ値は、初期値設定用パラメータ値と同様の内容を適宜採用することができる。
【0093】
図7は、視聴者による競技者へのプレゼントに係る競技者への追加特典の付与について説明するための図である。本実施形態では、前述のように競技者が使用したプレゼントの提供者に特典が付与されるが、更に、所定の特典付与条件が満たされると、競技者(
図7の例では、ユーザ2a)にも特典が付与される。この第1の追加特典を「競技者特典」と呼ぶ。
【0094】
ここで言う「特典付与条件」は、当該競技者が受領したプレゼントの総数や、受領したプレゼントの使用率、視聴者の総数、視聴者総数に対するプレゼント提供者の比率、当該競技者の競技成績、などの単数又は複数のAND又はORとして記述される。勿論、これら以外の内容を、特典付与条件を記述する要素として利用することもできる。
【0095】
そして、「競技者特典」は適宜設定可能である。例えば、競技者が使用したプレゼントの提供者への特典と、同様に考えることができる。
【0096】
図8は、視聴者による競技者へのプレゼントに係る視聴者への追加特典の付与について説明するための図である。本実施形態では、前述のように競技者が使用したプレゼントの提供者に特典が付与されるが、更に、所定の特典付与条件が満たされると、プレゼント提供者以外も含めた視聴者(
図8の例では、ユーザ2c、2j、2k、…)にも特典が付与される。この第2の追加特典を「視聴者特典」と呼ぶ。
【0097】
「視聴者特典」は、適宜設定可能である。例えば、競技者が使用したプレゼントの提供者への特典と、同様に考えることができる。
【0098】
視聴者特典の対象は、全視聴者としてもよいし、競技者が使用したプレゼントの種類と同じ種類のアイテムを提供した視聴者に限定するとしてもよい。
【0099】
図9は、競技者のユーザ端末1500(競技者端末)にて競技者用に表示される競技画面W9の例を示す図である。競技画面W9は、ゲームプレイ画面70と、アイテムのカテゴリーに対応づけられた複数のプレゼントキュー表示タグ72(72a,72b,…)と、プレゼント発生通知78とを含む。
【0100】
ゲームプレイ画面70は、競技者向けのプレイ画面である。本実施形態では、視聴画面W3(
図3参照)の内容と同じとするが、ゲーム内容によっては当該競技者専用の視点から見たゲーム空間の様子を表示するとしてもよい。
【0101】
プレゼントキュー表示タグ72は、アイテムのカテゴリー別のプレゼントキュー毎に対応づけて用意されており、これをタッチ操作(或いは、各タグに対応づけられたボタンスイッチ1504(
図2参照)への所定操作)により、対応づけられているアイテムのカテゴリー別のプレゼントキュー60(
図4参照)の内容を示すプレゼント選択ウィンドウ73を表示させることができる。
【0102】
プレゼント選択ウィンドウ73は、対応づけられているプレゼントキュー60に登録されているプレゼントのパッケージを、各キュー順位に従って配列表示する。具体的には、パッケージ別に、プレゼント品とされるアイテムの画像75と当該パッケージにおける未使用残数76とが対応づけて表示される。デフォルトでは、最も最上位のキュー順位のパッケージのプレゼントが、使用可能枠74内に表示される。プレゼント選択ウィンドウ73に表示可能なパッケージの数は限られている。そのため、所定操作によって、キュー順位に従って配列されたパッケージをスクロール表示させることができる。
【0103】
競技者のプレゼント使用操作は、例えば、1)プレゼントキュー表示タグ72を操作してプレゼント選択ウィンドウ73を表示し、2)配列されたパッケージをスクロール表示させて使用可能枠74に位置するパッケージを設定し、3)所定の使用可能枠74内に表示されているプレゼントの使用承認操作をする(例えば、使用可能枠74の内側をダブルタップ操作する。)、で構成することができる。
【0104】
競技者がプレゼント使用操作をしたとき、この使用可能枠74内に表示されているプレゼントが、競技者が選択して使用することになる。使用操作をする毎に、当該パッケージのアイテムを1つずつ使用することができる。当然、使用毎に当該パッケージの未使用残数76も更新される。そして、未使用残数76に表示されている全てのプレゼントが使用し尽くされると、当該パッケージの使用が終了となり、次のキュー順位のプレゼントが使用可能枠74に繰り上げ表示される。
【0105】
プレゼント発生通知78は、視聴画面W3(
図3参照)におけるプレゼント発生通知22と同様の目的を有する表示であるが、プレゼントが発生すると表示され一定時間で消える。プレゼント発生通知78は、プレゼントを受けた競技者の競技者端末における競技画面W9にて表示されるのは勿論のこと、当該プレゼントを受けなかった他の競技者の競技者端末における競技画面においても同じ内容で表示させてもよい。
【0106】
[機能構成の説明]
図10は、本実施形態におけるサーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態におけるサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0107】
操作入力部100sは、サーバの管理のための各種操作を入力するための手段である。
図1のキーボード1106がこれに該当する。
【0108】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。
図1の例では、ゲームサーバ部1101や配信サーバ部1102が搭載する制御基板1150がこれに該当する。
【0109】
そして、サーバ処理部200sは、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500から受信したデータに基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
【0110】
そして、本実施形態のサーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、eスポーツ視聴管理部210と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sとを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0111】
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理及びユーザアカウントに紐付けられる各ユーザのデータの管理を行う。本実施形態では、ユーザ管理部202は、1)登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与と、2)ユーザアカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理と、3)課金要素(本実施形態ではオンラインショッピングとプレイ対価)の支払いで消費される電子決済媒体の帳簿管理と、4)照会要求の履歴を管理するプレイ履歴管理と、の各機能を有する。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理機能も適宜含めることができる。
【0112】
オンラインショッピング管理部204は、オンラインショッピングに関する制御を担い、公知のオンラインショッピング技術を適宜流用して実現できる。本実施形態では、プレーヤは、オンラインショッピングによって、ゲーム内で使用するアイテム等を購入することができる。オンラインショッピングにおける販売対象は、これら以外にも適宜設定可能である。
【0113】
eスポーツ視聴管理部210は、eスポーツ視聴に係る各種制御を行う。具体的には、eスポーツ視聴管理部210は、競技者登録部212と、視聴者登録部214と、視聴用データ生成部216と、視聴用データ配信制御部218と、推奨情報提供制御部220と、援助制御部222と、通知制御部224と、ゲーム進行制御部226と、選択リスト制御部228と、特典付与制御部230と、を備える。
【0114】
競技者登録部212は、登録ユーザのうち競技者ユーザの登録を行う。具体的には、ユーザ端末1500にて所定の競技者登録操作が入力されると、当該端末のユーザを競技者として登録する。
【0115】
視聴者登録部214は、登録ユーザのうち視聴者ユーザの登録を行う。具体的には、ユーザ端末1500にて所定の視聴登録操作が入力されると、当該端末のユーザを視聴者として登録する。
【0116】
視聴用データ生成部216は、視聴者のユーザ端末1500(視聴者端末)にて、eスポーツ視聴を可能とするためのデータすなわち視聴用データを生成する。本実施形態では、視聴画面W3(
図3参照)を表示させるためのデータの準備に係る処理がこれに該当する。
【0117】
視聴用データ配信制御部218は、生成された視聴用データを視聴者のユーザ端末1500(視聴者端末)へ配信する制御を行う。
【0118】
推奨情報提供制御部220は、eスポーツ視聴の対象とされるゲームの進行状況に基づいて、競技者が使用するとゲーム進行に有利となるオブジェクトを援助オブジェクトとして推奨する推奨情報を前記視聴者端末に提供する制御を行う。より具体的には、プレゼント操作部30における推奨情報表示31に係る表示制御がこれに該当する。
【0119】
援助制御部222は、視聴者から競技者へオブジェクトを付与することで競技者を援助する援助指示を視聴者端末から受け付けて、当該援助に係るオブジェクト(援助オブジェクト)を、単数又は複数、競技者へ付与する制御を行う。より具体的には、アイテム5のプレゼントを実行する制御がこれに該当する。
【0120】
具体的には、援助制御部222は、視聴者による選択操作指示に従って、視聴者の保有オブジェクトの中から援助オブジェクトを選択して競技者へ付与する制御を行う。また、視聴者による購入操作指示に従って、視聴者が援助オブジェクトを購入して競技者へ付与する制御を行うことができる。より具体的には、プレゼント操作部30の推奨情報表示31で示されているアイテムと対応付けられた保有アイテムプレゼント実行操作アイコン35又はその場購入プレゼント実行操作アイコン37への操作に応じてプレゼントが実行されることに該当する。
【0121】
また、援助制御部222は、付与にあたり、競技者が、1回の使用操作で、纏めて、又は、断続的若しくは連続的な自動使用となる1以上の援助オブジェクトのパッケージを単位として援助指示を受け付けて競技者へ付与する。
【0122】
通知制御部224は、援助オブジェクトが競技者へ付与される度に、競技者の競技者端末に、その旨の通知を行う制御を行う。より具体的には、プレゼント発生通知78(
図9参照)がこれに該当する。
【0123】
ゲーム進行制御部226は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、本実施形態のゲーム進行制御部226は、ユーザ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。
【0124】
そして、eスポーツ視聴に係り、ゲーム進行制御部226は、競技者による使用操作に基づいて援助オブジェクトを使用して、ゲームの進行制御を行うことができる。その際、当該使用した援助オブジェクトが付与されたタイミングに応じて異なる効果を発揮させてゲームを進行制御することができる。
【0125】
選択リスト制御部228は、競技者がゲームで使用する援助オブジェクトを選択する際の選択リストに表示される援助オブジェクトの表示順位を可変に制御する。具体的には、援助オブジェクトのパッケージを単位として、援助オブジェクトのパッケージの内容に応じて表示順位を可変に制御する。より具体的には、競技画面W9(
図9参照)のプレゼント選択ウィンドウ73にて、プレゼントキュー60に登録されているキュー順位に基づくプレゼントの配列表示を行う制御がこれに該当する。
【0126】
加えて、選択リスト制御部228は、援助オブジェクトを付与した視聴者と、競技者とが所定の関係か否かに応じて、また、援助オブジェクトを付与した視聴者と、競技者との親密度に応じて、表示順位を可変に制御することができる。
【0127】
特典付与制御部230は、競技者による援助オブジェクトの使用の有無に基づいて、当該援助オブジェクトを付与した視聴者及び/又は競技者に特典を付与する制御を行う。より具体的には、提供者特典、競技者特典、視聴者特典の付与制御がこれに該当する。視聴者特典については、eスポーツ視聴の対象とされたゲームプレイにおいて使用された援助オブジェクトと同じ援助オブジェクトを付与した視聴者に限定して特典を付与することができる。
【0128】
また、特典付与制御部230は、援助オブジェクトが使用された場合に、1)当該援助オブジェクトが競技者へ付与されたタイミング、2)付与された援助オブジェクトの数(同時提供数)、3)スポーツ視聴の対象とされたゲームプレイにおけるゲームの結果、4)eスポーツ視聴の対象とされたゲームプレイにおいて使用された援助オブジェクトの種類及び/又は数、等に基づいて特典の内容を変更することができる。
【0129】
そして、特典付与制御部230は、提供者特典については、援助オブジェクトが使用された場合に、当該援助オブジェクトを付与した視聴者と競技者との親密度を向上させることを特典として付与することができる。
【0130】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0131】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理やゲームプレイに係る操作音やBGMなどの音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390sへ出力する。
【0132】
音出力部390sは、音声信号を放音する。
図1の例ではゲームサーバ部1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(非図示)がこれに該当する。
【0133】
画像生成部292sは、サーバシステム1100のシステム管理に関する画像や、ゲーム画像(又はゲーム画像をユーザ端末1500で表示させるためのデータ)等を生成することができる。そして、システム管理に関する画像は画像表示部392sへ出力することができる。
【0134】
画像表示部392sは、画像生成部292sから入力される画像信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1の例ではタッチパネル1108が該当する。
【0135】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0136】
通信部394sは、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信装置1153が該当する。
【0137】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図1の例ではゲームサーバ部1101や配信サーバ部1102が搭載する制御基板のICメモリやハードディスクなどの記憶媒体、及びストレージ1140がこれに該当する。
【0138】
図11は、本実施形態におけるサーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。
本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバプログラム503と、配信用ゲームクライアントプログラム505と、販売品管理データ509と、ゲーム初期設定データ510と、推奨プレゼント定義データ530と、初期キュー順位定義データ540(
図6参照)と、キュー順位変更関数データ548(
図6参照)と、提供者特典定義データ550と、競技者特典定義データ560と、視聴者特典定義データ570と、を記憶する。
【0139】
また、サーバ記憶部500sは、逐次生成・管理されるデータとして、ユーザ管理データ600と、配信管理データ700と、現在日時800と、を記憶する。その他、タイマや、カウンタ、各種フラグなどの情報を適宜記憶できる。
【0140】
サーバプログラム503は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、ユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、eスポーツ視聴管理部210としての機能を実現させるためのプログラムである(
図10参照)。
【0141】
配信用ゲームクライアントプログラム505は、ユーザ端末1500へ提供されるゲームクライアントプログラムのオリジナルである。本実施形態では、eスポーツ観戦は、ゲームクライアントの一機能として実現されるので、当該プログラムは「配信用eスポーツ観戦クライアントプログラム」を含んでいると言える。
【0142】
販売品管理データ509は、オンラインショッピングによる販売品を定義・管理するためのデータを格納する。例えば、購入可能なアイテムと、在庫数、その課金対価(本実施形態では決済媒体からの引き落とし額に相当)とを対応づけて格納している。本実施形態では、プレーヤキャラクタ4(4a,4b,…)や、アイテム5(5a,5b,…)などが販売品に含まれている(
図3参照)。
【0143】
ゲーム初期設定データ510には、eスポーツ視聴のベースとなるオンラインゲームを実行するための各種初期設定データが含まれている。本実施形態では、例えば
図12に示すように、ゲームに登場するキャラクタ種類別のキャラクタ初期設定データ512と、保有可能アイテム初期設定データ520と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0144】
保有可能アイテム初期設定データ520は、ユーザ2が保有可能なアイテム5の種類毎、換言するとプレゼントとするこのできるアイテム5の種類毎に用意される。1つの保有可能アイテム初期設定データ520は、当該設定データの適用先を示すアイテム種類521と、アイテムカテゴリー522と、初期能力パラメータ値定義テーブル523と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0145】
初期能力パラメータ値定義テーブル523は、当該種類のアイテムがプレゼントされたタイミングの区分(提供タイミング区分524)と、プレゼントが使用されたタイミングの区分(使用タイミング区分525)との組み合わせ別に、使用時に適用される当該種類のアイテムの能力、換言すると作用効果を定義する初期能力パラメータ値リスト526を格納する。本実施形態では、提供タイミング区分524及び使用タイミング区分525をともに競技開始前/競技中の2区分としているが、区分の種類数は適宜設定可能である。例えば、使用タイミング区分525を、競技開始からの経過時間に応じて複数に分割することもできる。更には、プレゼント付与先となる競技者のプレーヤキャラクタ4がダメージを受けた直後から所定時間としたり、競技者のプレーヤキャラクタ4がコンボを決めてから所定時間といった、ゲーム内での出来事を基準とした時間で区分を設定することもできる。
【0146】
図11に戻って、提供者特典定義データ550は、提供者特典(
図4参照)を定義するデータであって、提供者特典を付与する条件(特典付与条件)と、どのような特典が付与されるかを定義する各種データを格納する。1つの提供者特典定義データ550は、例えば
図13に示すように、固有の提供者特典定義ID551と、特典付与条件データ552と、特典内容データ554と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0147】
特典付与条件データ552は、単数又は複数のサブ条件のAND又はORとして記述される。サブ条件は適宜設定可能であるが、本実施形態では、
1)視聴者数に関する要件を定義する視聴者サブ条件552aと、
2)使用されたプレゼントの種類に関する要件である使用プレゼント種類サブ条件552bと、
3)使用されたプレゼントが提供されたときに同時提供された数量に関する要件である使用プレゼントの同時提供数量サブ条件552cと、
4)使用されたプレゼントが提供された提供タイミング区分(本実施形態では、競技開始前、競技中の何れか一方又は両方)に関する要件である提供タイミング区分サブ条件552dと、
5)使用した競技者の競技成績(例えば、勝敗結果、獲得したポイント、レースタイムなどゲーム内容に応じて適宜設定可。)に関する要件を定義する競技者成績サブ条件552eと、
を含む。勿論、これらのサブ条件それぞれは「設定なし」とすることも可能である。また、採用するサブ条件はこれら全てに限らず、適宜省略したり、その他の内容のサブ条件を採用することができる。
【0148】
特典内容データ554は、使用されたプレゼントの提供者であるユーザへ付与する特典を定義する。例えば、プレゼントを使用した競技者と提供者との間に設定される関係度合の設定値を変更する関係度合向上量554aや、付与する特典アイテムの種類や数量を定義する特典アイテム種類リスト554b、付与する仮想通貨ポイントの数量を定義する特典仮想通貨ポイント数量554c、など単数又は複数の種類を設定することができる。勿論、特典内容はこれら以外の内容も適宜設定可能である。
【0149】
図11に戻って、競技者特典定義データ560は、競技者特典(
図7参照)を定義するデータであって、競技者特典を付与する条件(特典付与条件)と、どのような特典が付与されるかを定義する各種データを格納する。1つの競技者特典定義データ560は、例えば
図14に示すように、固有の競技者特典定義ID561と、特典付与条件データ562と、特典内容データ564と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0150】
特典付与条件データ562は、単数又は複数のサブ条件のAND又はORとして記述される。サブ条件は適宜設定可能であるが、本実施形態では、
1)視聴者数に関する要件を定義する視聴者サブ条件562aと、
2)全視聴者数に対するプレゼント提供者となった視聴者の比率に関する要件であるプレゼント提供者比率サブ条件562bと、
3)プレゼント総数に関する要件であるプレゼント総数サブ条件562cと、
4)提供されたプレゼントのうち、実際に使用されたプレゼントの比率(又は使用数)に関する要件であるプレゼント使用率サブ条件562dと、
5)使用した競技者の競技成績に関する要件を定義する競技者成績サブ条件562eと、
を含む。
勿論、これらのサブ条件それぞれは「設定なし」とすることも可能である。また、採用するサブ条件はこれら全てに限らず、適宜省略したり、その他の内容のサブ条件を採用することができる。
【0151】
特典内容データ564は、使用されたプレゼントの提供者であるユーザへ付与する特典を定義する。例えば、付与する特典アイテムの種類や数量を定義する特典アイテム種類リスト564a、付与する仮想通貨ポイントの数量を定義する特典仮想通貨ポイント数量564b、など単数又は複数の種類を設定することができる。勿論、特典内容はこれら以外の内容も適宜設定可能である。
【0152】
図11に戻って、視聴者特典定義データ570は、視聴者特典(
図8参照)を定義するデータであって、視聴者特典を付与する条件(特典付与条件)と、どのような特典が付与されるかを定義する各種データを格納する。1つの視聴者特典定義データ570は、例えば
図15に示すように、固有の視聴者特典定義ID571と、特典付与条件データ572と、特典内容データ574と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0153】
特典付与条件データ572は、単数又は複数のサブ条件のAND又はORとして記述される。サブ条件は適宜設定可能であるが、本実施形態では、1)視聴者サブ条件572aと、2)プレゼント提供者比率サブ条件572bと、3)プレゼント総数サブ条件572cと、4)プレゼント使用率サブ条件572dと、5)競技者成績サブ条件572eと、
を含む。勿論、これらのサブ条件それぞれは「設定なし」とすることも可能である。また、採用するサブ条件はこれら全てに限らず、適宜省略したり、その他の内容のサブ条件を採用することができる。
【0154】
特典内容データ574は、視聴者特典を定義する。例えば、付与する特定アイテムの種類や数量を定義する特定アイテム種類リスト574a、付与する仮想通貨ポイントの最低付与数を定義する特典仮想通貨ポイント基底数量574b、視聴者全員で山分けする仮想通貨ポイントの数量を定義する特典仮想通貨ポイント山分け総数量574c、など単数又は複数種類を設定することができる。勿論、特典内容はこれら以外の内容も適宜設定可能である。
【0155】
なお、特典仮想通貨ポイント山分け総数量574cの山分け方法は、適宜設定可能である。均等分け、異なる配分率を視聴者別に割り当てるランダム分け、その視聴者がプレゼントした合計数に応じた比例配分分け、などである。本実施形態では、比例配分分けとする。
【0156】
図11に戻って、ユーザ管理データ600は、登録ユーザ毎に用意され、固有の識別情報であるアカウントと紐付けられる各種データを格納する。1つのユーザ管理データ600は、例えば
図16に示すように、ユーザ登録時に設定された固有のユーザアカウント601と、決済媒体帳簿データ603と、プレイ履歴データ605と、フレンド別関係度合データ607と、セーブデータ610と、カテゴリー別プレゼントキューデータ620と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0157】
決済媒体帳簿データ603は、当該ユーザに紐付けられる電子決済用の決済媒体(例えば、仮想通貨ポイント、ゲーム内通貨、特定のアイテム、行動力などの特定のパラメータ値など)の補充/消費の量と、補充/消費の事由と、変更日時と、の情報を対応づけて格納する所謂帳簿である。課金履歴データ或いは課金情報と読み替えることができる。
【0158】
プレイ履歴データ605は、過去に何時ゲームプレイしたかを記述するデータを、プレイした時系列に格納するデータであって、ログイン/ログアウトのタイミングで自動的に更新される。どのような操作入力をしたかの操作入力ログも適宜含めることができる。
【0159】
フレンド別関係度合データ607は、当該ユーザがフレンドと認定し登録手続きをした他ユーザいわゆる「フレンド」別に用意され、それぞれフレンド登録した他ユーザのユーザアカウントと、当該他ユーザとの関係度合のパラメータ値を対応づけたデータである。
【0160】
セーブデータ610は、当該ユーザによる前回のゲームプレイ時までのゲーム進行の状態を記述する各種データを格納する。例えば、1)当該ユーザがゲームプレイする時間や内容に応じて消費される行動力ポイントの残数値を格納する残行動力ポイント611と、2)保有するキャラクタそれぞれのデータセーブ時点における状態を記述する保有キャラクタ管理データ613と、3)保有するアイテムそれぞれのデータセーブ時点における状態を記述する保有アイテム管理データ615と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0161】
カテゴリー別プレゼントキューデータ620は、当該ユーザが競技者とされる場合に、eスポーツ視聴に係り作成されるデータであって、当該ユーザを付与先として実行されたプレゼントのプレゼントキュー60(
図4参照)を定義する。
【0162】
1つのカテゴリー別プレゼントキューデータ620は、例えば、アイテムカテゴリーと、キュー順位別にプレゼントIDを配列したキュー順プレゼントIDリストと、キュー順位がそのとき最上位のキュー順位のプレゼントのパッケージにおける残数である使用可能プレゼントパッケージ残数と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0163】
図11に戻って、配信管理データ700は、eスポーツ視聴の配信番組毎に用意され、配信管理に関する各種データを格納する。1つの配信管理データ700は、例えば
図17に示すように、固有の配信管理ID701と、競技者登録データ710と、プレイ制御データ716と、競技成績データ718と、視聴者登録データ720と、視聴用データ722と、プレゼント提供履歴データ740と、プレゼント使用履歴データ750と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0164】
競技者登録データ710は、競技者別に用意される。1つの競技者登録データ710は、競技者とされるユーザのユーザアカウントである競技者アカウント711と、当該競技者のプレーヤキャラクタ4の競技開始時点における設定データである競技者キャラクタ管理データ715と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0165】
プレイ制御データ716は、競技のゲームプレイ状況を記述する各種データを格納する。本実施形態では、競技者毎のプレーヤキャラクタ4の最新の状況(例えば、残耐久値、攻撃力といった能力パラメータ値のリスト、麻痺状態などのステータス異常の情報、攻撃コンボ数、など)、競技残時間、などを含む。勿論、これら以外の情報も適宜含めることができる。
【0166】
視聴者登録データ720は、視聴者として登録されたユーザ毎に用意され、当該ユーザを特定する情報(例えば、視聴者とされるユーザのユーザアカウントである視聴者アカウント)と、当該ユーザが使用するユーザ端末1500と通信接続するための情報と、を格納する。
【0167】
視聴用データ722は、視聴者のユーザ端末1500にてeスポーツ視聴を実現するための視聴画面W3(
図3参照)を表示させるためのデータである。本実施形態では、プレイ画面表示用データ724と、視聴者別視聴画面制御データ726と、を含む。
【0168】
プレイ画面表示用データ724は、視聴画面W3(
図3参照)のプレイ画面表示部20で表示される競技の様子をユーザ端末1500で実現するためのデータである。データの内容は、eスポーツ視聴を実現する方法によって適宜設定可能である。例えば、ライブストリーミング配信方式を採用する場合には、コンテナデータなどがこれに該当する。プレイ画面表示部20で表示される競技の様子をユーザ端末1500でレンダリングさせる場合には、競技者別の操作入力の内容を示す操作入力データなどがこれに該当する。
【0169】
視聴者別視聴画面制御データ726は、視聴者別に用意され、視聴画面W3(
図3参照)の表示内容を個別に制御するための各種データを格納する。1つの視聴者別視聴画面制御データ726は、視聴者アカウントと対応づけて、プレゼント操作部30や、プレゼント発生通知22、プレゼントストック表示部24、プレゼント詳細設定画面W4、ショッピング画面W5、などを表示させるためのデータを格納することができる。
【0170】
プレゼント提供履歴データ740は、プレゼント実行操作に応じて作成され、実行されたプレゼントの内容を定義する各種データを格納する。1つのプレゼント提供履歴データ740は、例えば
図18に示すように、固有のプレゼントID741と、当該プレゼントを提供した視聴者を示す提供者アカウント742と、当該プレゼントを受領した競技者を示す付与先アカウント743と、プレゼントのパッケージを示すプレゼント品アイテム種類744及び提供数量745と、提供日時746と、提供タイミング区分747と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0171】
図17に戻って、プレゼント使用履歴データ750は、プレゼントの使用操作に応じて作成され、誰がどのようなタイミングで使用したかに関する各種データを格納する。具体的には、使用日時と、使用タイミング区分と、使用した競技者のアカウントである使用者アカウントと、使用されたプレゼントIDと、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0172】
図19は、本実施形態におけるユーザ端末1500の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態のユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0173】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を端末処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール、などによって実現できる。
図2の方向入力キー1502や、ボタンスイッチ1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0174】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。
図2の制御基板1550がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、ユーザ端末演算部260と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294と、を備える。
【0175】
ユーザ端末演算部260は、操作信号送信制御部261と、ゲーム画面表示制御部262とを含む。
【0176】
操作信号送信制御部261は、操作入力部100へ為された操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1100へ送信するための処理を実行する。
【0177】
ゲーム画面表示制御部262は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、自機でゲームプレイする場合(自機のユーザが競技者の場合を含む。)はそのゲームプレイ画面を表示するための制御を行い、自機でeスポーツ視聴を行う場合は、視聴画面W3(
図3参照)を表示するための制御を行う。本実施形態では、プレイ画面表示部20(
図3参照)やゲームプレイ画面70(
図9参照)で表示する画像(例えば、3DCG画像など)をサーバシステム1100にて生成する構成とするが、当該画像をユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部262は、例えば3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を含むこととなる。
【0178】
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム画面表示制御部262による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。
【0179】
音出力部390は、音生成部290から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。
図2のスピーカ1510がこれに該当する。
【0180】
画像生成部292は、例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。
【0181】
そして、画像生成部292は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面の画像を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部392に出力する。
【0182】
画像表示部392は、画像生成部292から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、
図2のタッチパネル1506がこれに該当する。
【0183】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。通信部394は、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、
図2の無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0184】
端末記憶部500は、端末処理部200にユーザ端末1500を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
図2の制御基板1550が搭載するICメモリ1552やメモリカード1540がこれに該当する。
【0185】
本実施形態の端末記憶部500は、ゲームクライアントプログラム504と、ログイン時に入力された自機のユーザを示すユーザアカウント508とを記憶する。勿論、これら以外のプログラムやデータも適宜記憶することができる。
【0186】
ゲームクライアントプログラム504は、端末処理部200が読み出して実行することによってユーザ端末演算部260としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトウェアである。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム505(
図11参照)のコピーとする。
【0187】
なお、ゲームクライアントプログラム504は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じて専用のクライアントプログラムであっても良いし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグインなどにより構成するとしても良い。
【0188】
[動作の説明]
次に、サーバシステム1100における処理の流れについて説明する。ここで説明する処理の流れは、サーバ処理部200sがサーバプログラム503を実行することにより実行される。
【0189】
図20は、本実施形態のサーバシステム1100における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0190】
なお、前提として、競技者と視聴者の登録は完了しているものとする。競技者と視聴者の登録手続きは、公知のeスポーツ視聴と同様に実現することができる。
【0191】
本実施形態では、競技者のユーザ端末1500では、ゲームクライアントプログラム504が実行されており、ログインの後に所定の競技者登録操作が入力されると、サーバシステム1100へ所定の競技者登録リクエストとともにユーザアカウントが送信される。サーバシステム1100は、当該リクエストを受信すると、リクエスト元のユーザ端末1500のユーザの競技者登録データ710を作成する(
図17参照)。
【0192】
視聴者のユーザ端末1500でも、ゲームクライアントプログラム504が実行されているが、ログインの後に所定のeスポーツ視聴操作が入力されると、サーバシステム1100へ所定の視聴者登録リクエストとともに自機のユーザのユーザアカウントが送信される。サーバシステム1100は、当該リクエストを受信すると、リクエスト元のユーザ端末1500のユーザの視聴者登録データ720を作成する(
図17参照)。
【0193】
さて、所定のeスポーツ開催タイミングが到来すると、サーバシステム1100は、まだ競技すなわち視聴対象とされるゲームプレイは開始されていないが、視聴用データ722(
図17参照)の生成と配信を開始して、競技者端末では競技画面W9の表示を開始させ、視聴者端末では視聴画面W3の表示を開始させる(ステップS10)。そして、プレゼントの受け付けを開始する(ステップS12)。
【0194】
次いで、サーバシステム1100は、プレゼント処理を実行する(ステップS14)。
プレゼント処理は、本実施形態における視聴者が意中の競技者(ゲームによっては競技者チーム)へ援助オブジェクトを付与する制御である。
【0195】
図21は、プレゼント処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同所において、サーバシステム1100は、視聴者端末にて、視聴画面W3(
図3参照)の保有アイテムプレゼント実行操作アイコン35が操作されると、視聴者が保有するアイテムをプレゼントする援助操作指示がなされたと判断する(ステップS30のYSE)。そして、プレゼント提供履歴データ740(
図17、
図18参照)を新たに作成し(ステップS36)、プレゼント詳細設定画面W4を当該視聴者端末にて表示させて、プレゼント内容の詳細設定を受け付け、設定操作の結果をプレゼント提供履歴データ740に格納する(ステップS38)。
【0196】
視聴者端末にて、視聴画面W3(
図3参照)のその場購入プレゼント実行操作アイコン37が操作された場合は(ステップS32のYES)、サーバシステム1100は、オンラインショッピング処理を実行して、プレゼントするアイテムのその場購入を実現してから(ステップS34)、プレゼント提供履歴データ740の作成と(ステップS36)、プレゼント内容の詳細設定の受け付けを行う(ステップS38)。
【0197】
プレゼント詳細設定画面W4にてキャンセル操作アイコン47が操作されると(ステップS40のNO)、サーバシステム1100は、ステップS36で作成したプレゼント提供履歴データ740を破棄して(ステップS42)、プレゼント処理を終了する。
【0198】
一方、プレゼント詳細設定画面W4にて承認操作アイコン45が操作されると、サーバシステム1100は、プレゼント実行の承認が得られたと判断して(ステップS40のYES)、初期キュー順位定義データ540(
図6参照)を参照して、今回のプレゼント向けの初期キュー順位を決定する(ステップS44)。次いで、キュー順位変更関数データ548を参照して、決定した初期キュー順位を補正して、適用されるキュー順位を決定する(ステップS46)。
【0199】
そして、サーバシステム1100は、今回のプレゼントとされるアイテム5を指定された提供数まとめて1パッケージとして、プレゼント付与先とされる競技者のプレゼントキューに、適用するキュー順位となるように割り込みさせて追加登録する(ステップS48)。
【0200】
具体的には、付与先とされる競技者のユーザ管理データ600(
図16参照)のカテゴリー別プレゼントキューデータ620のうち、今回のプレゼント品とされたアイテムのカテゴリーに適合するキューデータを検索する。そして、そのキュー順プレゼントIDリストに、今回のプレゼントのプレゼントIDを、適用されるキュー順位となるように挿入する。そして、挿入後のリストに基づいて、使用可能プレゼントパッケージ残数も適宜更新する。
【0201】
次いで、サーバシステム1100は、今回プレゼントされるアイテム5を提供数だけ、その提供者である視聴者の保有アイテムから削除する(ステップS50)。これで実質的にプレゼントの付与が完了したことになる。
【0202】
次いで、サーバシステム1100は、全ての競技者のユーザ端末1500(競技者端末)にて、プレゼント発生通知78(
図9参照)を表示させる(ステップS52)。なお、プレゼント発生通知78を表示させる対象を、今回プレゼントを受け取る競技者のユーザ端末1500(競技者端末)に限定することもできる。
そして、サーバシステム1100は、全視聴者のユーザ端末1500(視聴者端末)にて、プレゼント発生通知22(
図3参照)を表示させて(ステップS54)、プレゼント処理を終了する。
【0203】
図20に戻って、競技者端末にて所定のプレゼント使用操作を検出すると(ステップS70のYES)、使用されるプレゼントであるアイテムの種類に適合する保有可能アイテム初期設定データ520(
図12参照)を参照して、使用されるプレゼントの作用効果を決定してこれを適用する(ステップS72)。そして、プレゼント使用履歴データ750(
図17参照)を作成し、使用されるプレゼントが登録されていたカテゴリー別プレゼントキューデータ620(
図16参照)を更新する(ステップS74)。
【0204】
こうした競技開始前における視聴者によるプレゼントの提供と、競技者によるプレゼントの使用は、競技開始されるまで実行可能である(ステップS80のNO)。
【0205】
予定されていた競技開始タイミングが到来すると(ステップS80のYES)、サーバシステム1100は、競技者をプレーヤとするゲーム進行制御を開始するとともに、推奨プレゼント定義データ530(
図11参照)に基づいて、視聴画面W3(
図3参照)にて推奨情報表示31の表示制御を開始する(ステップS82)。これ以降、プレゼント操作部30では、その時々の競技の状況に応じて、競技者にとってより有益と推定されるアイテムがより上位となるように表示されることになる。当然、推奨情報表示31の表示順の並び替えに対応して、保有状況表示33や保有アイテムプレゼント実行操作アイコン35、その場購入プレゼント実行操作アイコン37などの表示も逐次更新される。
【0206】
次いで、サーバシステム1100は、競技が終了するまで、競技中における視聴者によるプレゼントの提供と、競技者によるプレゼントの使用に係る処理を実行する。
すなわち、プレゼント処理を実行し(ステップS84)、競技者端末でのプレゼント使用操作入力に応じたプレゼントの使用とその履歴の記憶とを行う(ステップS90〜S94)。
【0207】
競技が終了すると(ステップS100のYES)、サーバシステム1100は、競技結果を発表する制御を行い(ステップS102)、特典付与処理を実行する(ステップS104)。
【0208】
図22は、特典付与処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、サーバシステム1100は、プレゼント提供履歴データ740毎にループAを実行する(ステップS120〜S128)。
【0209】
ループAでは、処理対象とされるプレゼント提供履歴データ740におけるプレゼントが使用されたかを判定する(ステップS122)。本実施形態ではプレゼントは単数又は複数のアイテムのパッケージで管理されるので、当該ステップでは、当該パッケージに含まれる全てのアイテムが使用されたことをもって肯定判定するとしても良いし、パッケージに含まれるアイテムが1つでも使用されることをもって肯定判定するとしてもよい。本実施形態では、前者つまりパッケージの使用完了をもって肯定判定する。
【0210】
そして、使用されたと肯定判定した場合(ステップS122のYES)、サーバシステム1100は、提供者特典定義データ550(
図13参照)を参照して、付与する特典の内容を決定し(ステップS124)、処理対象とされるプレゼント提供履歴データ740における提供者アカウント742の示す視聴者へ、決定した特典を付与する(ステップS126)。これに伴い、当該特典付与された視聴者の視聴者端末にて適宜、特典付与の通知を表示させると好適である。
【0211】
全てのプレゼント提供履歴データ740についてループAを実行したならば、サーバシステム1100は、次に、プレゼント使用履歴データ750(
図17参照)と競技者特典定義データ560(
図14参照)とを参照して、プレゼントの使用実績に応じた競技者特典の付与を行う(ステップS130)。これに伴い、特典が付与された競技者端末にて特典付与の通知を行うと好適である。
【0212】
更に、サーバシステム1100は、プレゼント使用履歴データ750(
図17参照)と視聴者特典定義データ570(
図15参照)とを参照して、プレゼントの使用実績に応じた視聴者特典の付与を行う(ステップS132)。これに伴い、特典が付与された視聴者端末にて特典付与の通知を行うと好適である。
そして、特典付与処理を終了する。
【0213】
図20に戻って、サーバシステム1100は、未使用のプレゼント品をそれぞれの提供者へ返却する(ステップS140)。返却に当たっては未使用分全てを返却するとしても良いし、一部を差し引いた分(例えば、未使用分の2割を差し引いた残り8割)を返却するとしても良い。或いは、プレゼント品を所定のレートで仮想通貨ポイントなどに変換して返却するとしてもよい。勿論、当該ステップそのものを省略して、返却をしない構成とすることも可能である。
【0214】
そして、サーバシステム1100は、視聴者端末における視聴画面W3(
図3参照)の表示と、競技者端末における競技画面W9(
図9参照)の表示を終了して(ステップS142)、一連の処理を終了する。
【0215】
以上、本実施形態によれば、eスポーツの視聴を実現しつつ、競技の開始前及び競技中にて、視聴者から意中の競技者への援助(本実施形態でいう所のプレゼント)が可能になる。これにより、視聴者に競技者と一緒に競技しているような一体感を与えたり、新しいeスポーツ視聴における応援する楽しさを提供することができる。
【0216】
また、視聴者にしてみれば、競技者へ援助を行うことで提供者特典や視聴者特典を受ける可能性ができるので援助のしがいもある。
しかも、プレゼントキューを用いたプレゼント品の使用制限を採用したことで、視聴者にしてみれば、援助内容(本実施形態でいうところのプレゼント内容)の設定如何によっては、プレゼントキューに設定される順位を上げ、他のプレゼント提供者よりもより早い段階で競技者に自分のプレゼント品を使用して貰える可能性を高めることができる。よって、援助内容の設定そのものが、他の視聴者とのある種の競い合いの要素を有することとなり、単なる競技者応援とはまたひと味違った応援の醍醐味が味わえる。
【0217】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した一実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0218】
[その1]
例えば、上記実施形態では、eスポーツ視聴のベースとなるゲームを、クライアント・サーバ型のコンピュータシステムにてオンラインゲームを実現する例を挙げたが、複数のユーザ端末1500をピアツーピア接続したコンピュータシステムにおいて実現するとしてもよい。その場合、何れかのユーザ端末1500に第1実施形態のサーバシステム1100としての機能を担わせる。或いは、複数のユーザ端末1500でゲーム進行制御部226が有する機能を分担して担う構成としてもよい。
【0219】
[その2]
また、上記実施形態では、eスポーツ視聴に係る視聴用データの配信を、クライアント・サーバ型のネットワーク構成で一元配信するとしたが、P2P型のネットワーク構成で配信するとしてもよい。
【0220】
[その3]
また、例えば、上記実施形態ではeスポーツ視聴のベースとなるゲームの内容を、格闘対戦ゲームとして例示したが、ベースとなるゲームジャンルと競技のあり方はこれに限らず適宜設定可能である。例えば、パズルゲームでパズル完成までの時間を競う、複数の競技者がチームに分かれてリアルタイム戦術シミュレーションゲームやシューティングゲームで対戦する、レースゲームでタイムを競う、音楽ゲームで同じ楽曲をプレイして特典を競う、などとすることもできる。対戦ゲームでなくてもよい。
【0221】
[その4]
また、上記実施形態では、提供者特典と、競技者特典と、視聴者特典との3種類の特典を付与する構成を例示したが、これらの特典の1つ又は2つを省略した構成も可能である。
【0222】
[その5]
また、上記実施形態では、1度提供されたプレゼントは、使用されない限りプレゼントキュー60(
図4参照)に残されたままとなるが、キューに残される制限時間を設ける構成とすることもできる。
【0223】
具体的には、プレゼント提供履歴データ740の提供日時746から制限時間が経過したプレゼントを検索して、該当するプレゼントをプレゼントキュー60から削除するステップを設ける。プレゼントキュー60から削除されたプレゼントは、そのまま消去するとしてもよいし、提供者とされる視聴者に返却するとしてもよい。つまり、当該構成におけるプレゼントの付与とは、一時的な貸与に相当する。このようにすることで、ゲーム状況に見合った、より新鮮なプレゼントがプレゼントキュー60に設定される(換言すると、古いプレゼントはプレゼントキュー60から削除される)こととなる。
【0224】
制限時間は、全てのプレゼントについて共通の所定値としてもよいが。適用されるキュー順位に比例して、順位が高いほど長くなるようにその都度設定するとしてもよい。その場合、プレゼント提供履歴データ740には設定された制限時間又は提供日時から制限時間経過した削除予定日時の情報を追加するとよい。或いは、制限時間を当該プレゼントの提供者が設定する構成も可能である。
【0225】
[その6]
また、上記実施形態では、競技者へのプレゼント(援助オブジェクト)の例としてアイテムを挙げたが、ゲーム内容によっては、例えば、キャラクタの行動に伴い消費される行動力や魔法力などのゲームパラメータ値、スキル、発動可能な攻撃技、等も設定可能である。ゲームパラメータ値をプレゼントした場合は、プレゼントを受ける競技者のプレーヤキャラクタに係る同ゲームパラメータ値をプレゼントされた分だけ更新する構成とすればよい。スキルや発動可能な技をプレゼントした場合は、プレゼントを受ける競技者のプレーヤキャラクタに、プレゼントされたスキルや技を付与すればよい。その際、プレゼントされたスキルや技は、競技終了後に剥奪するのが好適である。
【0226】
[その7]
また、上記実施形態では、提供されたプレゼントの内容は競技者に対して開示される構成であった。具体的には、
図9のプレゼント選択ウィンドウ73では、パッケージ別に、プレゼント品とされるアイテムの画像75と当該パッケージにおける未使用残数76とが対応づけて表示される。また、プレゼント発生通知78にてもプレゼントの内容が明らかとされる。
【0227】
しかし、これらを非開示とすることもできる。例えば、アイテムの画像75と当該パッケージにおける未使用残数76との表示を、「はてなマーク」や「宝箱」の意匠の画像で置き換えて、競技者からは内容が分からないようにしてもよい。勿論、全てのプレゼントを非開示にせず、プレゼントが提供されたタイミングで、ランダムに開示/非開示を抽選で決定するとしてもよい。
【0228】
また、プレゼントの使用操作に、競技者が選択したプレゼントの使用対象を、自分のプレーヤキャラクタとするか、他者(上記実施形態では対戦相手)のプレーヤキャラクタとするかを選択する操作入力を追加するとしてもよい。
【0229】
また、上記実施形態では、プレゼントとされるアイテムは、基本的に受領者にとって利益をもたらすアイテムと想定しているが、当該アイテムの使用対象にとって不利益をもたらすダメージアイテムを含めることもできる。例えば、投げつけた相手にダメージを負わせる爆弾アイテム、などである。
【0230】
そして、上述のプレゼントの内容の非開示の構成と、プレゼントの使用対象を競技者が選択できる構成と、ダメージアイテムもプレゼントとして選択可能とする構成と、の3つを一緒に実現することも可能である。
【0231】
この3つを一緒に実現した構成では、視聴者は、応援したい競技者に有益なアイテムをプレゼントする一方で、対戦相手の競技者にはダメージアイテムをプレゼントすることで、正の応援と負の応援の2通りを選択できるようになる。一方、競技者は、受け取ったプレゼントが有益なアイテムなのかダメージアイテムなのか分からないまま、自分に使うのか相手に使うのかをドキドキしながら選択して使用することになる。よって、eスポーツ配信に係る興趣を高めることができる。
【0232】
[その8]
また、上記実施形態及び上述の変形例に、視聴者がプレゼントを選択する際、当該視聴者が保有するアイテムのなかからプレゼントとして提供するものをランダムに選択可能にする構成を加えることができる。
【0233】
具体的には、プレゼント操作部30(
図3参照)に「ランダム選択」アイコンを追加して表示させ、当該アイコンが操作されると、視聴者が有するアイテムのなかからプレゼントするアイテムの種類とその数をランダムに選択するように制御する。この際、プレゼント詳細設定画面W4の内容指定部43の表示も所定の内容不明を表す表示とするか表示省略とすれば、視聴者自身にも何をプレゼントするか分からないようになり、一層興趣性が向上するだろう。