(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983110
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】糖衣食品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23G 3/54 20060101AFI20211206BHJP
A23G 4/18 20060101ALI20211206BHJP
A23G 1/54 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
A23G3/54
A23G4/18
A23G1/54
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-103521(P2018-103521)
(22)【出願日】2018年5月30日
(65)【公開番号】特開2019-205407(P2019-205407A)
(43)【公開日】2019年12月5日
【審査請求日】2020年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006116
【氏名又は名称】森永製菓株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100086689
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100157772
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 武孝
(72)【発明者】
【氏名】下川 大達
(72)【発明者】
【氏名】大▲高▼ 陽子
【審査官】
戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−135798(JP,A)
【文献】
特開2007−020564(JP,A)
【文献】
特開2012−010645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 1/00−4/20
FSTA/CAplus/AGRICOLA/BIOSIS/
MEDLINE/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Google
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトキャンディ、グミキャンディ、チューインガム、チョコレート、キャラメルから選ばれた少なくとも1種である被糖衣物と、前記被糖衣物を覆うソフト糖衣層を備え、前記ソフト糖衣層は、油脂を含む糖衣用シラップと糖衣用粉末とからなり、前記ソフト糖衣層は、グリセリン及び/又はソルビトールを1.4〜5質量%の濃度で含むものであることを特徴とする糖衣食品。
【請求項2】
前記ソフト糖衣層は、グリセリンを1.4〜5質量%の濃度で含むものである、請求項1記載の糖衣食品。
【請求項3】
前記糖衣用シラップは、ゼラチンを含むものである、請求項1又は2に記載の糖衣食品。
【請求項4】
前記ソフト糖衣層は、テクスチャーアナライザーを用い、20℃の温度下で、直径10mmの円柱を0.1mm/秒の速度で押し込んだときに、ピーク後1mm貫入後の値がピーク値に対して90%以上である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の糖衣食品。
【請求項5】
ソフトキャンディ、グミキャンディ、チューインガム、チョコレート、キャラメルから選ばれた少なくとも1種である被糖衣物を回転釜に入れて回転させながら、糖衣用シラップと糖衣用粉末とを交互に付与して、前記被糖衣物を覆うソフト糖衣層を形成する糖衣食品の製造方法であって、前記糖衣用シラップとして、グリセリン及び/又はソルビトールを7〜25質量%含有し、かつ油脂を含有するものを用い、前記ソフト糖衣層中のグリセリン及び/又はソルビトールの含量が1.4〜5質量%となるように前記シラップを付与することを特徴とする糖衣食品の製造方法。
【請求項6】
前記糖衣用シラップとして、グリセリンを7〜25質量%含有するものを用い、前記ソフト糖衣層中のグリセリンの含量が1.4〜5質量%となるように前記シラップを付与する、請求項5記載の糖衣食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被糖衣物の外周を覆う糖衣層を備えた糖衣食品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナッツ類、キャンディ類、錠菓、ガム、チョコレートなどの被糖衣物の外周を、糖衣層で覆った糖衣食品が知られている。糖衣層としては、噛むとパリッと割れるハード糖衣と、噛むとグニャッとするソフト糖衣とが知られている。
【0003】
ソフト糖衣は、被糖衣物に、糖類、デキストリン、安定剤(ガム質、乳化剤)等を含むシラップを噴霧又は注加し、次いで砂糖、澱粉等を含む粉類を散布し、乾燥する工程を繰り返して形成されている。
【0004】
糖衣に関する従来技術として、下記特許文献1には、マルチトールを含む糖アルコール固形分の全量に対して、マルチトール結晶化抑制成分として3重量%を超え、6重量%以下の重合度3以上の糖アルコールを含有し、5〜12重量%のソルビトール、および82〜92重量%のマルチトールを含有するマルチトール水溶液で芯材を被覆する第一被覆工程、粉末マルチトール組成物で第一被覆工程処理後の芯材をさらに被覆する第二被覆工程、および乾燥工程を含むことを特徴とする糖衣方法が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献2には、多孔質原料を、糖質と油脂とを含む糖衣液の液掛けと、微粉末と粗粉末との粉掛けとによるソフト糖衣層で被覆する、ソフト糖衣食品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4664239号公報
【特許文献2】特開2015−126702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の糖衣層では、被糖衣物としてソフトキャンディ、グミなどの柔らかい素材を用いた場合に、被糖衣物と糖衣層とで食感の違和感が生じやすいという問題があった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、被糖衣層として柔らかい素材のものを用いた場合にも、糖衣層の食感に違和感が生じにくい糖衣食品及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究したところ、糖衣層にグリセリン及び/又はソルビトールを所定の濃度で含有させることにより、
被糖衣層として柔らかい素材のものを用いた場合にも、食感の違和感が少ない糖衣層が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
なお、本発明の糖衣層は、ソフト糖衣層である。
【0010】
すなわち、本発明の糖衣食品は、被糖衣物と、前記被糖衣物を覆う糖衣層を備え、前記糖衣層は糖衣用シラップと糖衣用粉末とからなり、前記糖衣層は、グリセリン及び/又はソルビトールを1.4〜5質量%の濃度で含むものであることを特徴とする。
【0011】
本発明の糖衣食品によれば、柔軟な食感の糖衣層を付与することができ、被糖衣層として柔らかい素材のものを用いた場合にも、糖衣層と被糖衣層との間で食感の違和感が少なく、シームレスな食感を与えることができる。
【0012】
本発明の糖衣食品において、前記糖衣層は、グリセリンを1.4〜5質量%の濃度で含むものであることが好ましい。これによれば、糖衣層として柔らかい素材のものを用いた場合に、食感の違和感がより少ない糖衣層が得られる。
【0013】
本発明の糖衣食品において、前記糖衣用シラップは、油脂を含むものであることが好ましい。これによれば、糖衣層の柔軟性が増大し、糖衣層として柔らかい素材のものを用いた場合に、食感の違和感がより少ない糖衣層が得られる。
【0014】
本発明の糖衣食品において、前記糖衣用シラップは、ゼラチンを含むものであることが好ましい。これによれば、糖衣層の結着性が良好となる。
【0015】
本発明の糖衣食品において、前記被糖衣物は、ソフトキャンディ、グミキャンディ、チューインガム、チョコレート、キャラメルから選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。本発明の糖衣食品は、これらを被糖衣物としたとき、糖衣層の違和感をより少なくすることができる。
【0016】
本発明の糖衣食品において、前記糖衣層は、テクスチャーアナライザーを用い、20℃の温度下で、直径10mmの円柱を0.1mm/秒の速度で押し込んだときに、ピーク後1mm貫入後の値がピーク値に対して90%以上であることが好ましく、かつ、破断点がないことがより好ましい。
【0017】
一方、本発明の糖衣食品の製造方法は、被糖衣物を回転釜に入れて回転させながら、糖衣用シラップと糖衣用粉末とを交互に付与して、前記被糖衣物を覆う糖衣層を形成する糖衣食品の製造方法であって、前記糖衣用シラップとして、グリセリン及び/又はソルビトールを7〜25質量%含有するものを用い、前記糖衣層中のグリセリン及び/又はソルビトールの含量が1.4〜5質量%となるように前記シラップを付与することを特徴とする。
【0018】
本発明の糖衣食品の製造方法によれば、糖衣層として柔らかい素材のものを用いた場合にも、食感の違和感が少なく、シームレスな食感の糖衣層を形成できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、被糖衣層として柔らかい素材のものを用いた場合にも、糖衣層と被糖衣層との間で食感の違和感が少なく、シームレスな食感を与えることができる糖衣食品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の糖衣食品の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。
【
図2】実施例1のテクスチャーアナライザーによる測定結果を示す図表である。
【
図3】実施例2のテクスチャーアナライザーによる測定結果を示す図表である。
【
図4】実施例3のテクスチャーアナライザーによる測定結果を示す図表である。
【
図5】実施例4のテクスチャーアナライザーによる測定結果を示す図表である。
【
図6】実施例5のテクスチャーアナライザーによる測定結果を示す図表である。
【
図7】実施例6のテクスチャーアナライザーによる測定結果を示す図表である。
【
図8】比較例2のテクスチャーアナライザーによる測定結果を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明において、糖衣食品とは、被糖衣物と、前記被糖衣物を覆う糖衣層を備えた食品を意味する。
図1には、その一実施形態が示されている。すなわち、糖衣食品10は、センター材をなす被糖衣物11と、この被糖衣物11の外周を覆うシェル材をなす糖衣層12とで構成されている。
【0022】
センター材をなす被糖衣物11としては、例えばソフトキャンディ(水分含有量が6質量%以上のキャンディ)、グミキャンディ、チューインガム、チョコレート、キャラメルなどの柔らかい素材のものが好ましく用いられる。ただし、ハードキャンディ(水分含有量が6質量%未満のキャンディ)、ナッツ類、錠菓などの硬い素材を用いてもよい。
【0023】
本発明の糖衣食品の被糖衣物11としては、特に、ソフトキャンディ、グミキャンディが好ましく用いられる。ソフトキャンディや、グミキャンディは、例えば、砂糖、水飴等の糖類と、所望により油脂、乳化剤等とを水に溶解及び混合し、煮詰めて得られる糖液に、ゼラチン溶液と、所望によりフォンダント、果汁、香料等とを添加し、ニーダーで混合し、エージングさせることにより得ることができる。
【0024】
糖衣層12は、被糖衣物11に、糖衣用シラップと糖衣用粉末とを交互に掛けて、乾燥させることにより、形成することができる。具体的には、被糖衣物11を回転釜に入れて回転させながら、糖衣用シラップと糖衣用粉末とを交互に付与して、乾燥させることにより、前記被糖衣物を覆う糖衣層12を形成することができる。回転釜としては、レボルパンと呼ばれる回転式コーティング装置が好ましく用いられる。
【0025】
糖衣用シラップとしては、例えば、ぶどう糖、砂糖、水飴等の糖類、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、還元みずあめなどの糖アルコール類、ゼラチン、油脂、酸味料、乳化剤、香料などを含むものを好ましく用いることができる。
【0026】
本発明においては、糖衣用シラップとして、グリセリン及び/又はソルビトールを含有するものが用いられる。糖衣用シラップ中のグリセリン及び/又はソルビトールの含有量は、7〜25質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましく、13〜22質量%が更に好ましい。糖衣用シラップ中のグリセリン及び/又はソルビトールの含有量が7質量%未満では、糖衣層12の食感を柔軟にする効果が乏しくなり、25質量%を超えると、糖衣層12がべたつきやすくなる。糖衣用シラップとしては、特にグリセリンを含有するものが本発明の効果の面から好ましい。
【0027】
また、本発明においては、糖衣用シラップとして、油脂を含有するものが好ましく用いられる。油脂を含有することにより、糖衣層の柔軟性が増大し、糖衣層として柔らかい素材のものを用いた場合に、食感の違和感がより少ない糖衣層が得られる。油脂としては、例えば、ひまわり油、菜種油又は菜種硬化油などの植物油脂が好ましく用いられる。糖衣用シラップ中の油脂の含有量は、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましく、7〜13質量%が更に好ましい。
【0028】
本発明においては、糖衣用シラップとして、更に、ゼラチンを含有するものが好ましく用いられる。ゼラチンを含有することにより、糖衣層の結着性が良好となる。糖衣用シラップ中のゼラチンの含有量は、0.5〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、2.5〜6質量%が更に好ましい。なお、ゼラチンとしては、例えば、牛由来ゼラチン及び豚由来ゼラチン等の獣由来ゼラチン;鳥由来ゼラチン;並びに魚由来ゼラチン等の水生生物由来ゼラチン等が挙げられる。
【0029】
糖衣用粉末としては、特に限定されないが、例えば、ぶどう糖、砂糖、デキストリンなどの糖類や、マルチトール、エリスリトール、キシリトールなどの糖アルコール類、アラビアガムなどのガム類や、乳化剤や、粉末果汁、粉末香料などが用いられる。
【0030】
糖衣用シラップと、糖衣用粉末との配合割合は、両者の合計質量を100質量部としたとき、糖衣用シラップ10〜30質量部に対し、糖衣用粉末70〜90質量部とすることが好ましい。
【0031】
被糖衣物11を回転釜に入れて回転させながら、糖衣用シラップと糖衣用粉末とを交互に付与して、乾燥させることにより糖衣層12を形成できる。乾燥は、自然乾燥、温風乾燥、冷風乾燥により乾燥できるが、自然乾燥が好ましい。また、乾燥によって、糖衣層12の水分含量が7〜11質量%とすることがより好ましい。
【0032】
本発明では、乾燥させて得られる糖衣層12中のグリセリン及び/又はソルビトールの含有量が、1.4〜5質量%となるように、前記糖衣用シラップの添加量を調整する。糖衣層12中のグリセリン及び/又はソルビトールの含有量は、2.0〜4.4質量%が好ましく、2.6〜3.2質量%がより好ましい。糖衣層12のグリセリン及び/又はソルビトールの含有量が、1.4質量%未満では、糖衣層12の食感を柔軟にする効果が乏しくなり、5質量%を超えると、糖衣層12がべたつき、食感が低下してくる傾向がある。
【0033】
また、乾燥させて得られる糖衣層12中の油脂の含有量は、0.6〜4質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
【0034】
更に、乾燥させて得られる糖衣層12中のゼラチンの含有量は、0.1〜2質量%が好ましく、0.4〜1.6質量%がより好ましい。
【0035】
本発明の糖衣食品10は、糖衣層12の食感が柔らかで、被糖衣物11として、例えばソフトキャンディ、グミキャンディなどの柔らかい素材のものを用いた場合に、被糖衣物11の食感との違和感が少なくなり、被糖衣物11と糖衣層12とが一体化したシームレスな食感を得ることができる。
【実施例】
【0036】
以下試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの試験例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0037】
[試験例1]
水あめ、砂糖、ぶどう糖、植物油脂、果汁、ゼラチン、還元水あめ、増粘多糖類、酸味料、香料、乳化剤、色素を原料として、常法に従って製造したソフトキャンディを、被糖衣物(センター材)として使用した。ソフトキャンディの大きさは、1.3cm×1.4cm×1.4cmであり、1個当たりの重さは2gである。
【0038】
また、糖衣層の原料のうち、糖衣用粉体としては、ぶどう糖90質量部、アラビアガム10質量部で配合したものを用いた。
【0039】
また、糖衣層の原料のうち、糖衣用シラップとしては、下記ベース原料に、それぞれの糖アルコール類を、それぞれの含有量となるように添加したものを用いた。
【0040】
(糖衣用シラップのベース原料)
ぶどう糖90質量部、乳化剤1質量部、植物油脂50質量部、ゼラチン22質量部、グレープ果汁30質量部、酸味料4質量部、水飴160質量部、着色料2質量部、香料3質量部を配合したもの
【0041】
(糖アルコール類の種類と糖衣用シラップ中の含有量(固形分換算値にて表示))
比較例1(コントロール)…還元水飴13質量%
実施例1…グリセリン13質量%
実施例2…グリセリン19質量%
実施例3…グリセリン22質量%
実施例4…グリセリン25質量%
実施例5…ソルビトール13質量%
実施例6…ソルビトール16質量%
比較例2…マンニトール16質量%
【0042】
上記ソフトキャンディを被糖衣物(センター材)とし、上記糖衣用粉体と、上記糖衣用シラップを用いて、回転式コーティング装置によって、糖衣層を形成した。
【0043】
すなわち、ソフトキャンディを回転式コーティング装置に投入し、同装置の回転釜を斜めにして回転させながら、上記糖衣用シラップと、上記糖衣用粉体とを交互に掛けて、乾燥させて、糖衣層を形成した。
【0044】
ソフトキャンディ1粒当たりの糖衣用シラップの添加量は0.1g、糖衣用粉体の添加量は0.4gである。
【0045】
得られたそれぞれの糖衣食品(糖衣層を有するソフトキャンディ)について、糖衣層の食感を3名のパネラーで評価した。評価は、〇…センター材と糖衣層との違和感をほとんど感じない、△…センター材と糖衣層との違和感をやや感じる、×…センター材と糖衣層との違和感を強く感じる、の基準で行い、その平均で示した。その結果を下記表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
また、実施例1〜6及び比較例2の試料について、テクスチャーアナライザー(商品名TA.XT21、栄弘精機株式会社製)を用い、20℃の温度下で、直径10mmの円柱を0.1mm/秒の速度で押し込んだときの荷重測定結果を
図2〜8に示した。なお、図中の各糖アルコールの含有量は、糖衣用シラップ中の含量である。また、図中の縦軸の単位は「g」、横軸の単位は「mm」である。
【0048】
実施例1〜6の糖衣食品においては、円柱に押込みに応じて荷重が増大し、ピークを越えると、緩やかに下がるか、横ばいになる傾向となり、明瞭な破断点を有しないのに対して、比較例2の糖衣食品においては、ピークを越えた後に急激に荷重が低下して、破断点が存在する点で相違している。なお、実施例1〜6の糖衣食品においては、ピーク後1mm貫入後の値がピーク値に対して90%以上であるのに対し、比較例2の糖衣食品においては、ピーク後1mm貫入後の値がピーク値に対して90%未満となっている。
【0049】
したがって、実施例1〜6の糖衣食品においては、糖衣層が柔軟にへこんで、被糖衣物との食感上の違和感が少なくなることがわかる。
【符号の説明】
【0050】
10 糖衣食品
11 被糖衣物
12 糖衣層