特許第6983164号(P6983164)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6983164水系ゲル化剤組成物及びそれを用いた化粧料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6983164
(24)【登録日】2021年11月25日
(45)【発行日】2021年12月17日
(54)【発明の名称】水系ゲル化剤組成物及びそれを用いた化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/87 20060101AFI20211206BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20211206BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20211206BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20211206BHJP
【FI】
   A61K8/87
   A61K8/02
   A61Q19/00
   C09K3/00 103L
【請求項の数】6
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-537241(P2018-537241)
(86)(22)【出願日】2017年8月28日
(86)【国際出願番号】JP2017030671
(87)【国際公開番号】WO2018043374
(87)【国際公開日】20180308
【審査請求日】2020年8月13日
(31)【優先権主張番号】特願2016-168932(P2016-168932)
(32)【優先日】2016年8月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(72)【発明者】
【氏名】坂本 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】津島 康宏
(72)【発明者】
【氏名】竹石 友紀
【審査官】 松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−237613(JP,A)
【文献】 特開2016−069340(JP,A)
【文献】 特開2009−280656(JP,A)
【文献】 特開2014−040385(JP,A)
【文献】 特開2005−289935(JP,A)
【文献】 特表2004−534747(JP,A)
【文献】 特開2005−232457(JP,A)
【文献】 特表2009−513763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/87
A61K 8/02
A61Q 19/00
C09K 3/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(1)で表される化合物(A)と、下記の一般式(2)で表される化合物(B)とを含有し、化合物(A)と化合物(B)との質量比が、(A):(B)=95:5〜85:15であることを特徴とする水系ゲル化剤組成物。
【化1】
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数18飽和脂肪族炭化水素基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立して炭素数の2価の脂肪族炭化水素基を表し、a及びeはそれぞれ独立して10〜100の数を表し、dは100〜500の数を表し、gは1〜10の数を表す。)
【化2】
(式中、R10、R11、R15及びR16はそれぞれ独立して炭素数18飽和脂肪族炭化水素基を表し、R12及びR14はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、R13は炭素数の2価の脂肪族炭化水素基を表し、j及びmはそれぞれ独立して10〜100の数を表す。)
【請求項2】
一般式(1)のR、R、R及びR並びに一般式(2)のR10、R11、R15及びR16がそれぞれ独立して炭素数10〜12の飽和脂肪族炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載の水系ゲル化剤組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の水系ゲル化剤組成物、溶媒及びポリオール化合物を含有することを特徴とする水系ゲル。
【請求項4】
溶媒及びポリオール化合物の合計量100質量部に対して、水系ゲル化剤組成物を0.1〜5質量部含有することを特徴とする請求項に記載の水系ゲル。
【請求項5】
溶媒及びポリオール化合物を含有する化粧料中の溶媒及びポリオール化合物の合計量100質量部に対して、請求項1又は2に記載の水系ゲル化剤組成物を0.1〜5質量部含有することを特徴とする水系化粧料。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の水系ゲル化剤組成物を水系化粧料に添加することによって、自己平滑性を持ち且つスプレーボトルで使用可能なゲル状水系化粧料を得る方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己平滑性を持ち、且つスプレーボトルで使用可能な弾力のある柔らかいゲルを与える水系ゲル化剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水系の粘性調整剤(「増粘剤、ゲル化剤」とも称される。)は、塗料、粘接着剤、食品、化粧料等の様々な分野において一般に使用されており、各種製品に添加することにより、製品粘度を増加させて様々な機能を付加することができる。例えば、医薬品、医薬部外品又は化粧料の乳液等に用いられる水中油型乳化組成物では、粘性調整剤を用いて粘性を変化(例えば、増粘、ゲル化)させることが一般に行われており、これは、粘性を変化させることにより、肌へのノリが向上したり、独特の感触が得られたりする等の様々な効果が得られるためである。粘性を変化させる度合いは、製品ごとによって大きく異なり、クリームのように大きく増粘させる場合や、化粧水のように見かけ上の粘度はあまり変えずに粘性を変化させる場合等がある。
【0003】
近年、化粧料分野では、基礎化粧料として「オールインワン化粧料」が注目を集めている。通常、基礎化粧料の種類としては、化粧水、乳液、美容液、クリーム等が挙げられ、それぞれが違った役割を担っている。例えば、化粧水は「保湿成分を角質層に届ける」、美容液は「化粧水によって補給された水分をキープする、肌に特別な栄養を与え保湿効果を更に高める」、乳液やクリームは「肌の潤いを閉じ込め、肌のバリア機能を回復させる」等が挙げられる。「オールインワン化粧料」は、これらが一つの化粧料で賄えるという非常に高機能かつ便利な化粧料であり、需要は非常に大きく、市場の要求性能も高い。
【0004】
「オールインワン化粧料」に用いるゲル化剤に求められる性能としては、良好な使用感であり、水分を肌に与え、長時間潤いをキープするために必要な特徴的なゲルを与えるゲル化剤である。このゲルの特徴としては、ゲルを手に取った際にゲルの状態を保つ弾力性を持つこと、肌上で伸ばしやすい柔らかさを持つこと等が挙げられる。更には容器に関しても制限が少ないものが好まれ、例えば蓋付きの広口容器やスプレーボトルであっても問題なく使用できるものが求められている。特に、蓋付きの広口容器に入れる場合は、ゲルを指で取り出し手に取った際に、容器の中の残ったゲルが自然と平滑に戻る自己平滑性を持つゲルであると、次に使うときの新品感と衛生感が得られることからユーザーの評価が高い傾向がある。また、スプレーボトルに入れる場合には、スプレー操作によって剪断応力をかけることによって水のように噴出し、肌上でゲル状に戻るという特徴的なゲルであれば機能的且つ便利な化粧料としてよりユーザーからの評価は高くなる。
【0005】
化粧料に使用可能なゲル化剤としては、カルボキシメチルセルロースやヒド口キシエチルセルロース等の天然系ゲル化剤、ポリアクリル酸やポリアクリル酸含有コポリマー等のアルカリで増粘するタイプのアルカリ増粘型ゲル化剤、ウレタン変性ポリエーテル等のウレタン型ゲル化剤等が一般に知られている。これらの中でもウレタン型ゲル化剤は、他のゲル化剤と比較して様々な種類のものを自由に製造することができること、添加した製品に多様な粘性を付与できること、pHや塩の影響を受け難いこと等の理由から多くの種類が製造され多用されている(例えば、特許文献1〜7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2014−523933号公報
【特許文献2】特表2008−505232号公報
【特許文献3】特開2007−217700号公報
【特許文献4】特表2004−525995号公報
【特許文献5】特開2000−239649号公報
【特許文献6】特開平11−199854号公報
【特許文献7】国際公開第2014/084174号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これら特許文献の中でも、特許文献5及び6に記載のウレタン型ゲル化剤は、「オールインワン化粧料」用ゲルとして使用しやすい「弾力のある柔らかいゲル」を与える。しかしながら、これら添加剤は、「弾力のある柔らかいゲル」を与えても、自己平滑性やスプレーボトルで使用する際の使用感に関しては性能として不十分と言える。市場では、十分な自己平滑性を持ち且つスプレーボトルで使用可能な弾力のある柔らかいゲルを与えるゲル化剤の開発が求められている。
【0008】
従って、本発明が解決しようとする課題は、良好な自己平滑性を持ち且つスプレーボトルで使用可能な弾力のある柔らかいゲルを与える水系ゲル化剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者等は鋭意検討し、良好な自己平滑性を持ち、且つスプレーボトルで使用可能な弾力のある柔らかいゲルを与える水系ゲル化剤組成物を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、下記の一般式(1)で表される化合物(A)と、下記の一般式(2)で表される化合物(B)とを含有し、化合物(A)と化合物(B)との質量比が、(A):(B)=95:5〜85:15であることを特徴とする水系ゲル化剤組成物である。
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、R1、R2、R8及びR9はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表し、R3、R5及びR7はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、R4及びR6はそれぞれ独立して炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表し、a及びeはそれぞれ独立して10〜100の数を表し、dは100〜500の数を表し、gは1〜10の数を表す。)
【0012】
【化2】
【0013】
(式中、R10、R11、R15及びR16はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表し、R12及びR14はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、R13は炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表し、j及びmはそれぞれ独立して10〜100の数を表す。)
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果は、良好な自己平滑性を持ち且つスプレーボトルで使用可能な弾力のある柔らかいゲルを与える水系ゲル化剤組成物を提供したことにある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本明細書内で使用する用語の定義をする。本明細書内で使用する「自己平滑性」とは、ゲルに物理的刺激(例えばゲルをすくい取る、ゲルを掻き回す等)を与えた際に、自然と元の平滑な表面に戻る性質をいう。また、「スプレーボトルで使用可能」とは、スプレーボトルに入れる際は弾力のある柔らかいゲルの性状をしており、スプレーボトルから噴霧する際(ゲルに剪断応力をかけた際)に水のように容易に噴霧される性質をいう。
【0016】
本発明の水系ゲル化剤組成物は、上記に示した「自己平滑性」と、「スプレーボトルで使用可能」という二つの性能を兼ね備えた弾力のある柔らかいゲルを与える水系ゲル化剤組成物であり、本発明の水系ゲル化剤組成物を使用することで、自己平滑性を持ち、且つスプレーボトルで使用可能なゲル状水系化粧料を得ることができる。
【0017】
本発明に使用する化合物(A)は、下記の一般式(1)で表される化合物である。
【0018】
【化3】
【0019】
(式中、R1、R2、R8及びR9はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表し、R3、R5及びR7はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、R4及びR6はそれぞれ独立して炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表し、a及びeはそれぞれ独立して10〜100の数を表し、dは100〜500の数を表し、gは1〜10の数を表す。)
【0020】
一般式(1)において、R1、R2、R8及びR9はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n−ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n−ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n−デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n−ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n−ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n−トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n−テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n−ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基、n−ノナデシル基、分岐鎖ノナデシル基、第2級ノナデシル基、第3級ノナデシル基、n−イコシル基、分岐鎖イコシル基、第2級イコシル基、第3級イコシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、4−ドデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、17−オクタデセニル基、1−ノナデセニル基、1−イコセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基が挙げられる。R1、R2、R8及びR9は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られ、原料の調達及び製造が容易であることから、R1、R2、R8及びR9は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数8〜15の飽和脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、炭素数10〜12の飽和脂肪族炭化水素基であることが最も好ましい。
【0021】
一般式(1)において、R3、R5及びR7はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、エチレン基;プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐鎖プロピレン基;ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基等の直鎖ブチレン基;2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐鎖ブチレン基等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、R3、R5及びR7は、炭素数2〜4の2価の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。なお、R3は、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよく、R5もまた、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよく、R7もまた、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0022】
一般式(1)において、R4及びR6はそれぞれ独立して炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、炭素数3〜16の2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は脂環式炭化水素基が挙げられる。これらの炭化水素基は、炭素数3〜16の範囲内であればいずれでもよいが、後に記載する一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましい。これについては、後に記載するジイソシアネート化合物の記載において詳しく説明する。
【0023】
一般式(1)において、a及びeはそれぞれ独立して10〜100の数を表し、中でも、原料の製造又は入手が容易であることから、12〜50であることが好ましく、15〜30であることがより好ましい。
【0024】
一般式(1)において、dは、100〜500の数を表し、中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、120〜450であることが好ましく、150〜400であることがより好ましく、180〜350であることが更に好ましく、200〜300であることが最も好ましい。
【0025】
一般式(1)において、gは、1〜10の数を表し、中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、1〜8であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、gが1〜6である化合物の混合物であることが更に好ましい。
【0026】
本発明に使用する化合物(B)は、下記の一般式(2)で表される化合物である。当該化合物(B)は、ゲル化促進剤のような働きをすることで、一般式(1)で表される化合物(A)と相乗効果を示し、本発明の効果である特徴的なゲルを与えるため、化合物(B)がなければ本発明の効果は得られない。
【0027】
【化4】
【0028】
(式中、R10、R11、R15及びR16はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表し、R12及びR14はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、R13は炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表し、j及びmはそれぞれ独立して10〜100の数を表す。)
【0029】
一般式(2)において、R10、R11、R15及びR16はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n−ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n−ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n−デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n−ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n−ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n−トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n−テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n−ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基、n−ノナデシル基、分岐鎖ノナデシル基、第2級ノナデシル基、第3級ノナデシル基、n−イコシル基、分岐鎖イコシル基、第2級イコシル基、第3級イコシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、4−ドデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、17−オクタデセニル基、1−ノナデセニル基、1−イコセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基が挙げられる。R10、R11、R15及びR16は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られ、原料の調達及び製造が容易であることから、R10、R11、R15及びR16は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数8〜15の飽和脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、炭素数10〜12の飽和脂肪族炭化水素基であることが最も好ましい。
【0030】
一般式(2)において、R12及びR14はそれぞれ独立して炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、エチレン基;プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐鎖プロピレン基;ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基等の直鎖ブチレン基;2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐鎖ブチレン基等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、R12及びR14は、炭素数2〜4の2価の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。なお、R12は、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよく、R14もまた、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0031】
一般式(2)において、R13は炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、炭素数3〜16の2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は脂環式炭化水素基が挙げられる。これらの炭化水素基は、炭素数3〜16の範囲内であればいずれでもよいが、後に記載する一般式(7)で表されるジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましい。これについては、後に記載するジイソシアネート化合物の記載において詳しく説明する。
【0032】
一般式(2)において、j及びmはそれぞれ独立して10〜100の数を表し、中でも、原料の製造又は入手が容易であることから、12〜50であることが好ましく、15〜30であることがより好ましい。
【0033】
一般式(1)で表される化合物の製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法であればどのような方法を用いて製造しても問題ないが、下記の一般式(3)〜(5)で表される化合物を原料として合成することが、簡便かつ安価であり、好ましい。
【0034】
【化5】
【0035】
(式中、R17及びR18は、それぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表し、R19は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、rは10〜100の数を表す。)
【0036】
【化6】
【0037】
(式中、R20は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、tは100〜500の数を表す。)
【0038】
【化7】
【0039】
(式中、Qは、炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表わす。)
【0040】
一般式(3)において、R17及びR18はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n−ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n−ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n−デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n−ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n−ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n−トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n−テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n−ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基、n−ノナデシル基、分岐鎖ノナデシル基、第2級ノナデシル基、第3級ノナデシル基、n−イコシル基、分岐鎖イコシル基、第2級イコシル基、第3級イコシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、4−ドデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、17−オクタデセニル基、1−ノナデセニル基、1−イコセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基が挙げられる。R17及びR18は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られ、調達及び製造が容易であることから、R17及びR18は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数8〜15の飽和脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、炭素数10〜12の飽和脂肪族炭化水素基であることが最も好ましい。
【0041】
一般式(3)において、R19は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、エチレン基;プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐鎖プロピレン基;ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基等の直鎖ブチレン基;2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐鎖ブチレン基等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、R19は、炭素数2〜4の2価の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。なお、R19は、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0042】
一般式(3)において、rは、10〜100の数を表し、中でも、製造又は入手が容易であることから、12〜50であることが好ましく、15〜30であることがより好ましい。
【0043】
一般式(4)において、R20は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、エチレン基;プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐鎖プロピレン基;ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基等の直鎖ブチレン基;2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐鎖ブチレン基等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、R20は、炭素数2〜4の2価の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。なお、R20は、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0044】
一般式(4)において、tは、100〜500の数を表し、中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、120〜450であることが好ましく、150〜400であることがより好ましく、180〜350であることが更に好ましく、200〜300であることが最も好ましい。
【0045】
一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(または2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)及びナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。一般式(5)のQは、炭素数3〜16の2価の炭化水素基であればいずれでもよいが、上記に例示したジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましい。ジイソシアネートの中でも、脂肪族ジイソシアネートが好ましく、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(または2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)がより好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)が更に好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びオクタメチレンジイソシアネートが最も好ましい。
【0046】
なお、前述した一般式(1)のR4及びR6はそれぞれ独立して炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表し、より具体的には、上記に例示したジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましく、脂肪族ジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた基であることがより好ましく、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(または2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)から2つのイソシアネート基を除いた基であることが更に好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)から2つのイソシアネート基を除いた基であることが更により好ましい。本発明の効果がより向上することから、一般式(1)のR4及びR6は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びオクタメチレンジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた基(炭素数4〜8の2価の脂肪族炭化水素基)であることが最も好ましい。
【0047】
製造方法としては例えば、一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物2モルに対して、一般式(4)で表されるポリエチレングリコールを0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.1モル反応させプレポリマーを合成した後、系中に一般式(3)で表されるアルコール化合物を1.8〜2.2モル、好ましくは1.9〜2.1モルを加え反応させればよく、一般的には一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物2モルに対して一般式(4)で表されるポリエチレングリコールを1モル、一般式(3)で表されるアルコール化合物を2モル反応させればよい。具体的な反応条件は、一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物と一般式(4)で表されるポリエチレングリコールを系中に添加して、60〜100℃で1〜10時間反応させた後、一般式(4)で表されるポリエチレングリコールの消失を確認した後に、一般式(3)で表されるアルコール化合物を後添加して更に同温度で1〜8時間反応する方法が挙げられる。反応は無触媒でも進むが、触媒を使用してもよい。触媒としては、例えば、四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素等の金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソヂウムメチラート、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラート物、炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム等の金属酸化物;テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)等の有機金属化合物;オクチル酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム等の石鹸が挙げられる。これら触媒のいずれか一つを全体の系に対して0.01〜1質量%程度使用すればよい。
【0048】
一般式(2)で表される化合物の製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法であればどのような方法を用いて製造しても問題ないが、下記の一般式(6)及び(7)で表される化合物を原料として合成することが、簡便かつ安価であり、好ましい。
【0049】
【化8】
【0050】
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表し、R23は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表し、fは10〜100の数を表す。)
【0051】
【化9】
【0052】
(式中、Tは、炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表わす。)
【0053】
一般式(6)において、R21及びR22はそれぞれ独立して炭素数4〜20の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n−ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n−ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n−ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n−デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n−ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n−ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n−トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n−テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n−ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基、n−ノナデシル基、分岐鎖ノナデシル基、第2級ノナデシル基、第3級ノナデシル基、n−イコシル基、分岐鎖イコシル基、第2級イコシル基、第3級イコシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、1−デセニル基、9−デセニル基、10−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、4−ドデセニル基、11−ドデセニル基、12−トリデセニル基、13−テトラデセニル基、14−ペンタデセニル基、15−ヘキサデセニル基、16−ヘプタデセニル基、1−オクタデセニル基、17−オクタデセニル基、1−ノナデセニル基、1−イコセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等の脂環式炭化水素基が挙げられる。R21及びR22は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られ、調達及び製造が容易であることから、R21及びR22は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数5〜18の飽和脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数8〜15の飽和脂肪族炭化水素基であることが更により好ましく、炭素数10〜12の飽和脂肪族炭化水素基であることが最も好ましい。
【0054】
一般式(6)において、R23は炭素数2〜4の2価の炭化水素基を表す。こうした基としては、例えば、エチレン基;プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐鎖プロピレン基;ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基等の直鎖ブチレン基;2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐鎖ブチレン基等が挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、R23は、炭素数2〜4の2価の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル(直鎖プロピレン)基であることがより好ましく、エチレン基であることが更に好ましい。なお、R23は、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0055】
一般式(6)において、fは、10〜100の数を表し、中でも、製造又は入手が容易であることから、12〜50であることが好ましく、15〜30であることがより好ましい。
【0056】
一般式(7)で表されるジイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(または2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)及びナフタレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。一般式(7)のTは、炭素数3〜16の2価の炭化水素基であればいずれでもよいが、上記に例示したジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましい。ジイソシアネートの中でも、脂肪族ジイソシアネートが好ましく、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(または2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)がより好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)が更に好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びオクタメチレンジイソシアネートが最も好ましい。
【0057】
なお、前述した一般式(2)のR13は炭素数3〜16の2価の炭化水素基を表し、より具体的には、上記に例示したジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましく、脂肪族ジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた基であることがより好ましく、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(または2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)から2つのイソシアネート基を除いた基であることが更に好ましく、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)から2つのイソシアネート基を除いた基であることが更により好ましい。本発明の効果がより向上することから、一般式(2)のR13は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びオクタメチレンジイソシアネートから2つのイソシアネート基(炭素数4〜8の2価の脂肪族炭化水素基)を除いた基であることが最も好ましい。
【0058】
製造方法としては例えば、一般式(7)で表されるジイソシアネート化合物1モルに対して、一般式(6)で表されるアルコール化合物を1.8〜2.2モル、好ましくは1.9〜2.1モル反応させればよく、一般的には一般式(7)で表されるジイソシアネート化合物1モルに対して一般式(6)で表されるアルコール化合物を2モル反応させればよい。具体的な反応条件は、一般式(7)で表されるジイソシアネート化合物と一般式(6)で表されるアルコール化合物を系中に添加して、60〜100℃で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。反応は無触媒でも進むが、触媒を使用してもよい。触媒としては、例えば、四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素等の金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソヂウムメチラート、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラート物、炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム等の金属酸化物;テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)等の有機金属化合物;オクチル酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム等の石鹸が挙げられる。これら触媒のいずれか一つを全体の系に対して0.01〜1質量%程度使用すればよい。
【0059】
本発明の水系ゲル化剤組成物は、一般式(1)で表される化合物(A)と一般式(2)で表される化合物(B)とを含有し、化合物(A)と化合物(B)との質量比が、(A):(B)=95:5〜85:15でなければ、本発明の効果を奏する水系ゲル化剤組成物は得られない。中でも本発明の効果が顕著に現れることから、化合物(A)と化合物(B)との質量比が、(A):(B)=94:6〜87:13であることが好ましく、(A):(B)=93:7〜89:11であることがより好ましく、(A):(B)=92:8〜90:10であることが更に好ましい。(B)の質量比が、(A):(B)=95:5より少ないと、水に水系ゲル化剤組成物を添加した際、多量の水系ゲル化剤を使用しないと弾力ある柔らかいゲルを得ることが困難となり、十分な自己平滑性も得られなくなる。また、(B)の質量比が、(A):(B)=85:15より多いと、水に水系ゲル化剤組成物を添加した際、白濁ゾル状となり、ゲルが得られない。
【0060】
なお、本発明の水系ゲル化剤組成物は、一般式(1)で表される化合物(A)と、一般式(2)で表される化合物(B)とをそれぞれ合成し、化合物(A)と化合物(B)との質量比が、(A):(B)=95:5〜85:15となるように混合し、水系ゲル化剤組成物を製造することが好ましい。ここで、一般式(1)で表される化合物(A)を製造する原料と一般式(2)で表される化合物(B)を製造する原料とを同じ系中で反応させた場合、一般式(1)で表される化合物(A)と一般式(2)で表される化合物(B)とが混在する生成物が得られる。しかしながら、当該方法では、化合物(A)と化合物(B)との質量比が(A):(B)=95:5〜85:15となるように製造することは極めて困難であり、反応条件の設定が非常に難しい。通常、当該方法で水系ゲル化剤組成物を製造した場合、化合物(B)が水系ゲル化剤組成物全体に対して5質量%未満若しくは15質量%を超える量で生成される。そのため、当該方法で得られた水系ゲル化剤組成物は化合物(A)と化合物(B)との質量比が(A):(B)=95:5〜85:15の範囲にならないため、本発明の効果を奏する水系ゲル化剤を得ることはできない。これらを本発明の効果を奏する水系ゲル化剤組成物にするためには、得られた生成物中の化合物(A)と化合物(B)との生成量を分析し、化合物(A)と化合物(B)との質量比が(A):(B)=95:5〜85:15となるように化合物(A)又は化合物(B)を当該生成物に後添加しなければならないため手間と時間がかかることから好ましくない。なお、製造後の水系ゲル化剤組成物中の化合物(A)と化合物(B)との質量比に関しては、ゲル浸透クロマトグラフィーによって分析することができる。
【0061】
本発明の水系ゲル化剤組成物を構成する化合物(A)及び化合物(B)は、いずれも室温で固体あるいは粘稠物である。本発明の水系ゲル化剤組成物は、化合物(A)及び化合物(B)の混合物であるから、均一な製品状態にするために、水等の溶媒にあらかじめ溶解させて液状にしておくことが好ましい。溶媒の量は特に規定されないが、取扱いが容易であることから、本発明の水系ゲル化剤組成物が10〜50質量%になるように調整することが好ましく、15〜40質量%になるように調整することがより好ましい。
【0062】
使用できる溶媒としては、例えば、水若しくは、メタノール、エタノール、プロパノール等の揮発性一級アルコール化合物が挙げられるが、使用現場によっては揮発性溶媒が規制される場合があるため、これらの中でも水が最も好ましい。
【0063】
また、本発明の水系ゲル化剤組成物は、得られる水系ゲルの自己平滑性が高まることから、水と共にポリオール化合物を併用して使用することが好ましい。こうしたポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングルコール、糖アルコール等が挙げられ、自己平滑性が顕著に現れることから、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましく、ブチレングリコール、ジエチレングリコールがより好ましく、ブチレングリコールが更に好ましい。これらのポリオール化合物を併用する場合は、水100質量部に対して5〜250質量部添加することが好ましい。
【0064】
本発明の水系ゲル化剤組成物は、溶媒(水等)及びポリオール化合物の合計量100質量部に対して、0.1〜5質量部配合することで、本発明の効果を奏する水系ゲルを形成しやすいことから好ましい。また、より本発明の効果を奏する水系ゲルを形成しやすいことから、溶媒(水等)及びポリオール化合物の合計量100質量部に対して、本発明の水系ゲル化剤組成物を0.2〜3質量部配合することがより好ましく、0.5〜1質量部配合することが更に好ましい。本発明の水系ゲル化剤組成物の配合量が0.1質量部未満ではゲルが形成できない場合や本発明の効果が得られない場合があり、5質量部を超えた場合もゲルが形成できない場合や本発明の効果が得られない場合がある。なお、以下に詳細に記載するが、本発明の水系ゲル化剤組成物は、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲内で、水系化粧料で一般に使用されるその他の添加剤と共に使用することができる。それら添加剤を使用した水系化粧料に本発明の水系ゲル化剤組成物を添加する場合であっても、水系化粧料中の溶媒(水等)及びポリオール化合物の合計量100質量部に対して、0.1〜5質量部配合することが好ましく、より本発明の効果を奏する水系化粧料が得られることから、0.2〜3質量部配合することがより好ましく、0.5〜1質量部配合することが更に好ましい。
【0065】
本発明の水系ゲル化剤組成物は、水溶液の粘性を調整する用途であれば、いずれの製品にも使用することができる。こうした製品の例としては、水系塗料、水系接着剤、水系洗浄剤、水系化粧料等が挙げられる。その中でも、本発明の効果である自己平滑性と、スプレーボトルで使用可能というゲルの性質が強く求められることから、水系化粧料用途で使用することが好ましく、水系化粧料の中でも、化粧水、乳液、美容液、クリームといった基礎化粧料用途で使用することがより好ましく、「ツーインワン化粧料」や「オールインワン化粧料」用途で使用することが更に好ましい。なお、「オールインワン化粧料」とは、通常、基礎化粧料の種類としては、化粧水、乳液、美容液、クリームな等が挙げられ、それぞれが違った役割を担っているが、「オールインワン化粧料」は、これらが一つの化粧料で賄えるというとても高機能かつ便利な化粧料のことを指す。また、化粧水と乳液等の二つの役割を兼ね備えた化粧料に関しては、特に「ツーインワン化粧料」と呼ぶ場合がある。
【0066】
本発明の水系ゲル剤組成物を含有する水系化粧料には、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲内であれば、適宜様々な特性を付与する目的で、化粧料組成物で一般に使用されるその他の添加剤を使用することができる。例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子化合物、金属イオン封鎖剤、糖、アミノ酸及びその誘導体、有機アミン、pH調整剤、ビタミン、酸化防止剤、防腐剤、血行促進剤、消炎剤、賦活剤、美白剤、抗脂漏剤、抗炎症及び各種抽出物等が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を任意に配合することができる。
【0067】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0068】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0069】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0070】
ロウとしては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0071】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0072】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール油脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0073】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0074】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0075】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0076】
非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル;POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0077】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0078】
水溶性高分子化合物としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等);ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0079】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0080】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0081】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0082】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0083】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0084】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0085】
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0086】
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0087】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0088】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【実施例】
【0089】
以下、本発明を実施例により、具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。なお、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。
【0090】
本発明の水系ゲル化剤組成物を製造する際に使用した原料を以下に示す。
<一般式(1)で表される化合物(A)を製造する際に使用する原料>
化合物(3)−1:一般式(3)において、R17=デシル基、R18=ドデシル基、R19=エチレン基、r=20である化合物
化合物(3)−2:一般式(3)において、R17=ヘキシル基、R18=オクチル基、R19=エチレン基、r=20である化合物
化合物(3)−3:一般式(3)において、R17=オクチル基、R18=デシル基、R19=エチレン基、r=20である化合物
化合物(3)−4:一般式(3)において、R17=ドデシル基、R18=テトラデシル基、R19=エチレン基、r=20である化合物
化合物(3)−5:一般式(3)において、R17=テトラデシル基、R18=ヘキサデシル基、R19=エチレン基、r=20である化合物
化合物(3)−6:一般式(3)において、R17=デシル基、R18=ドデシル基、R19=エチレン基、r=100である化合物
化合物(4)−1:一般式(4)において、R20=エチレン基、t=240である化合物
化合物(4)−2:一般式(4)において、R20=エチレン基、t=450である化合物
化合物(5)−1:ヘキサメチレンジイソシアネート
化合物(5)−2:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)
化合物(5)−3:イソホロンジイソシアネート(IPDI)
【0091】
<一般式(2)で表される化合物(B)を製造する際に使用する原料>
化合物(6)−1:一般式(6)において、R21=デシル基、R22=ドデシル基、R23=エチレン基、f=20である化合物
化合物(6)−2:一般式(6)において、R21=ヘキシル基、R22=オクチル基、R23=エチレン基、f=20である化合物
化合物(6)−3:一般式(6)において、R21=オクチル基、R22=デシル基、R23=エチレン基、f=20である化合物
化合物(6)−4:一般式(6)において、R21=ドデシル基、R22=テトラデシル基、R23=エチレン基、f=20である化合物
化合物(6)−5:一般式(6)において、R21=テトラデシル基、R22=ヘキサデシル基、R23=エチレン基、f=20である化合物
化合物(6)−6:一般式(6)において、R21=デシル基、R22=ドデシル基、R23=エチレン基、f=100である化合物
化合物(7)−1:ヘキサメチレンジイソシアネート
化合物(7)−2:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)
化合物(7)−3:イソホロンジイソシアネート(IPDI)
【0092】
上記原料を用いて、一般式(1)で表される化合物(A)及び一般式(2)で表される化合物(B)を製造した。
【0093】
<一般式(1)で表される化合物(A)の製造>
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容量1000mlの4つ口フラスコに、化合物(4)−1を402.2g(0.0348mol)仕込み、50〜60℃に昇温し、化合物(4)−1を溶融させた。その後、化合物(5)−1を11.7g(0.0697mol)仕込み、系内を窒素置換した。各成分が均一になるまで撹拌し、各成分が均一に混合されたことを確認した後、更に70〜80℃まで昇温し、同温度で3時間反応させた。その後、化合物(3)−1を86.1g(0.0697mol)系中に加え、更に70〜80℃にて6時間反応させ、化合物(A)−1を得た。
【0094】
更に、表1に記載の原料を用いて、同様の方法にて、化合物(A)−2〜(A)−9を製造した。
【0095】
【表1】
【0096】
<一般式(2)で表される化合物(B)の製造>
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容量1000mlの4つ口フラスコに、化合物(6)−1を468.1g(0.38mol)仕込み、50〜60℃に昇温し、化合物(6)−1を溶融させた。その後、化合物(7)−1を39.1g(0.19mol)仕込み、系内を窒素置換した。各成分が均一になるまで撹拌し、各成分が均一に混合されたことを確認した後、更に70〜80℃まで昇温し、同温度で6時間反応させ、化合物(B)−1を得た。
【0097】
更に、表2に記載の原料を用いて、同様の方法にて、化合物(B)−2〜(B)−8を製造した。
【0098】
【表2】
【0099】
製造した化合物(A)と化合物(B)とを混合し、表3に示す水系ゲル化剤組成物を調製した。なお、これら水系ゲル化剤組成物は、化合物(A)と化合物(B)とを均一に混合するために、水及びブチレングリコール(BG)にて希釈した固形分30%の溶液である。なお、表3に示す水系ゲル化剤組成物中の化合物(A)と化合物(B)との質量比の確認は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography(GPC))を用いて測定し、得られたチャートの面積比をみることで行った。詳細な測定条件は以下の通りである。
GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgel guardcolumn SuperMP(HZ)−N(1本)、TSKgel SuperMultiporeHZ−N(4本)の5本のカラムを直列に接続して使用。
検出器:RI
サンプル濃度:5mg/ml(テトラヒドロフラン溶液)
カラム温度:40℃
標準サンプル:ポリスチレン
【0100】
【表3】
【0101】
<ゲル形成評価(I)>
表3に記載の水系ゲル化剤組成物1〜16、以下に示す市販の粘性調整剤(比較例4〜6)、及びその他のウレタンポリマー型水系ゲル化剤組成物(比較例7)について、表4に記載の配合量(0.5〜10質量部)になるよう水若しくはブチレングリコール(BG)に配合し、水系ゲル1〜20を製造した。ゲル化できたものは「ゲル化」、ゲル化できなかったものは「ゲル化しない」と示した。なお、表4に記載の配合量は、水及びブチレングリコールの合計量100質量部に対するゲル化剤(水及びブチレングリコールを除く有効成分)の配合量であり、水系ゲル化剤組成物16は、使用した水とブチレングリコールとの質量比が水:ブチレングリコール=2:5である。
比較例4:ヒドロキシメチルセルロース(商品名:HEC、住友精化株式会社製)
比較例5:メチルセルロース(商品名:メセロースMC、巴工業株式会社製)
比較例6:カルボキシビニルポリマー(商品名:カーボポール980、日本ルブリゾール株式会社製)
比較例7:下記の一般式(8)で表される化合物(A)と、下記の一般式(9)で表される化合物(B)との質量比が、(A):(B)=90:10であるその他のウレタンポリマー型水系ゲル化剤組成物
【0102】
【化10】
【0103】
【表4】
【0104】
<ゲルの性状評価(I)>
表4に記載の水系ゲル1〜20の性状評価を行なった。評価項目はゲルの弾力性(プルプル感)とゲルの柔らかさ(肌への伸びやすさ)であり、試験方法及び評価方法は以下の通りである。
【0105】
(試験方法)
まず、表4で得られた水系ゲルを手に取り、ゲルに弾力性(プルプル感)があるかないか評価した。次にそのゲルを手の甲にて伸ばし、ゲルの柔らかさ(肌への伸びやすさ)を評価した。
【0106】
(評価方法:弾力性に関する評価)
弾力性あり:ゲルに弾力性(プルプル感)がある
弾力性なし:ゲルに弾力性(プルプル感)がない
【0107】
(評価方法:柔らかさに関する評価)
評価a:ゲルが良好な柔らかさを持ち、肌への伸びも良好である
評価b:ゲルは柔らかさを持つが、肌への伸びが良好とはいえない
評価c:ゲルに柔らかさがない
【0108】
評価結果を表5に示す。なお、表4にてゲル化しなかったサンプルに関しては未評価である。
【0109】
【表5】
【0110】
<自己平滑性試験(I)>
表4で得られた水系ゲル1〜20の自己平滑性の評価を行なった。試験方法は以下の通りである。
【0111】
(試験方法)
まず、表4で得られた水系ゲルを直径5センチメートル、深さ3センチメートルの円形容器に入れ、スパチュラにて右回りに大きく三回掻き回し、水系ゲルに刺激を与えた。その後、どのくらいの時間をかけて水系ゲルの表面が平滑に戻るか測定し、評価を行なった。
【0112】
(評価方法)
評価A:ゲルに刺激を与えた後、10秒以内にゲルの表面が平滑に戻った
評価B:ゲルに刺激を与えた後、30秒以内にゲルの表面が平滑に戻った
評価C:ゲルに刺激を与えた後、60秒以内にゲルの表面が平滑に戻った
評価D:ゲルに刺激を与えた後、1時間以内にゲルの表面が平滑に戻った
評価E:ゲルに刺激を与えた後、1時間を超えてもゲルの表面が平滑に戻らなかった
【0113】
評価結果を表6に示す。なお、表4にてゲル化しなかったサンプルに関しては未評価である。
【0114】
【表6】
【0115】
<スプレーボトルでの使用に関する評価(I)>
表4に記載の水系ゲル1〜20のスプレーボトルでの使用可非に関する評価を行なった。試験方法は以下の通りである。
【0116】
(試験方法)
まず、表4で得られた水系ゲルを直径2.5センチメートル、深さ6センチメートルの円柱型スプレーボトルに入れ、スプレー操作によってゲルに剪断応力をかけ、スプレーボトルから噴霧可能か評価を行なった。
【0117】
(評価方法:噴霧に関する評価)
評価4:スプレーボトルから容易に噴霧される
評価3:スプレーボトルから噴霧される
評価2:スプレーボトルから噴霧はされないが、噴射はされる
評価1:スプレーボトルから噴射されない
【0118】
評価結果を表7に示す。なお、表4にてゲル化しなかったサンプルに関しては未評価である。
【0119】
【表7】
【0120】
以上の結果より、本発明の水系ゲル化剤組成物を使用して得られた水系ゲルは、弾力のある柔らかいゲルであり、良好な自己平滑性能とスプレーボトルで使用可能な特徴的な性質を持つ水系ゲルであることがわかった。
【0121】
次に、ゲル形成評価(I)で使用した表3に記載の水系ゲル化剤組成物4、5、10、12、13及び14(実施例品)をゲル化剤として乳化組成物に配合し、化粧料の配合でのゲル化剤の効果を確認した。
【0122】
<ゲル形成評価(II)>
ゲル化剤を配合する乳化組成物の配合を表8に示す。なお、表8に記載の乳化組成物中の成分(水以外)の配合量は、水100質量部に対する配合量(質量部)を表す。
【0123】
【表8】
【0124】
表3に記載の水系ゲル化剤組成物4、5、10、12、13及び14(実施例品)を表8に記載の乳化組成物に、各配合量(0.5〜5質量部)添加し、ゲル状の乳化組成物1〜6の製造を試みた。なお、表9に記載のゲル化剤の配合量は、水及びBGの合計量100質量部に対する水系ゲル化剤(有効成分)の配合量である。
【0125】
【表9】
【0126】
<ゲルの性状評価(II)>
表9に記載の乳化組成物1〜6の性状評価を行なった。評価項目はゲルの性状評価(I)同様、乳化組成物の弾力性(プルプル感)と乳化組成物の柔らかさ(肌への伸びやすさ)であり、試験方法及び評価方法も、以下の通りゲルの性状評価(I)と同様である。評価結果は表10に示す。
【0127】
(試験方法)
まず、表9で得られた乳化組成物を手に取り、乳化組成物に弾力性(プルプル感)があるかないか評価した。次にその乳化組成物を手の甲にて伸ばし、乳化組成物の柔らかさ(肌への伸びやすさ)を評価した。
【0128】
(評価方法:弾力性に関する評価)
弾力性あり:乳化組成物に弾力性(プルプル感)がある
弾力性なし:乳化組成物に弾力性(プルプル感)がない
【0129】
(評価方法:柔らかさに関する評価)
評価a:乳化組成物が良好な柔らかさを持ち、肌への伸びも良好である
評価b:乳化組成物は柔らかさを持つが、肌への伸びが良好とはいえない
評価c:乳化組成物に柔らかさがない
【0130】
【表10】
【0131】
<自己平滑性試験(II)>
表9で得られた乳化組成物1〜6の自己平滑性の評価を行なった。試験方法は以下の通りである。評価結果は表11に示す。
【0132】
(試験方法)
まず、表9で得られた乳化組成物を直径5センチメートル、深さ3センチメートルの円形容器に入れ、スパチュラにて右回りに大きく三回掻き回し、乳化組成物に刺激を与えた。その後、どのくらいの時間をかけて乳化組成物の表面が平滑に戻るか測定し、評価を行なった。
【0133】
(評価方法)
評価A:乳化組成物に刺激を与えた後、10秒以内に乳化組成物の表面が平滑に戻った
評価B:乳化組成物に刺激を与えた後、30秒以内に乳化組成物の表面が平滑に戻った
評価C:乳化組成物に刺激を与えた後、60秒以内に乳化組成物の表面が平滑に戻った
評価D:乳化組成物に刺激を与えた後、1時間以内に乳化組成物の表面が平滑に戻った
評価E:乳化組成物に刺激を与えた後、1時間を超えても乳化組成物の表面が平滑に戻らなかった
【0134】
【表11】
【0135】
<スプレーボトルでの使用に関する評価(I)>
表9に記載の乳化組成物1〜6のスプレーボトルでの使用可非に関する評価を行なった。試験方法は以下の通りである。評価結果は表12に示す。
【0136】
(試験方法)
まず、表9で得られた乳化組成物を直径2.5センチメートル、深さ6センチメートルの円柱型スプレーボトルに入れ、スプレー操作によって乳化組成物に剪断応力をかけ、スプレーボトルから噴霧可能か評価を行なった。
【0137】
(評価方法:噴霧に関する評価)
評価4:スプレーボトルから容易に噴霧される
評価3:スプレーボトルから噴霧される
評価2:スプレーボトルから噴霧はされないが、噴射はされる
評価1:スプレーボトルから噴射されない
【0138】
【表12】
【0139】
以上の結果より、本発明の水系ゲル化剤組成物を配合した乳化組成物(化粧料)は、弾力のある柔らかいゲル状の乳化組成物となり、良好な自己平滑性能とスプレーボトルで使用可能な特徴的な性質を持つゲル状の乳化組成物となることがわかった。
【0140】
なお、本国際出願は、2016年8月31日に出願した日本国特許出願第2016−168932号に基づく優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を本国際出願に援用する。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明の水系ゲル化剤組成物は、自己平滑性を持ち且つスプレーボトルで使用可能という特徴的な弾力と柔らかさを持ち合わせた水系ゲルを与える添加剤である。当該水系ゲルはあらゆる用途での使用が可能であり、特に化粧料分野においては、これまでのゲル化剤では得られなかった性状のゲルを与えることから、その有用性は非常に高い。