(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
半導体デバイスの製造工程においては、表面に複数の電子回路等のデバイスが形成された半導体基板(以下、基板という)に対し、当該基板の裏面を研削して、基板を薄化することが行われている。
【0010】
上述した特許文献1では、研削後の脆性被加工物(基板)の搬送方法を開示している。具体的には、先ず、チャックテーブルに保持された脆性被加工物の第1面を研削砥石で研削して脆性被加工物を所定の厚みへと薄化する。ここで、薄化した脆性被加工物は脆いため、チャックテーブルからの搬出時に破損するおそれがある。そこで、特許文献1に開示の方法では、上述した密着解放ステップと搬出ステップを行っている。すなわち、チャックテーブルの保持面から流体、純水とエアの混合流体を噴出するとともに、2段階の速度で脆性被加工物をチャックテーブルから離反させている。これにより、搬出時の脆性被加工物の損傷を抑制することを図っている。
【0011】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、チャックテーブルの保持面に純水とエアの混合流体を供給するため、チャックテーブルと脆性被加工物の間に純水の膜が形成される。そうすると、この水膜と脆性被加工物との界面に張力が作用するため、チャックテーブルからの搬出時、依然として脆性被加工物が損傷を被るおそれがある。また、脆性被加工物が搬送手段から剥がれるおそれもある。
【0012】
そこで、本開示にかかる技術は、基板が損傷を被るのを抑制して適切に搬送する。以下、本実施形態にかかる基板処理システム及び基板処理方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
先ず、本実施形態にかかる基板処理システムの構成について説明する。
図1は、基板処理システム1の構成の概略を模式的に示す平面図である。
【0014】
本実施形態の基板処理システム1では、基板Wを薄化する。基板Wは、例えばシリコンウェハや化合物半導体ウェハなどの半導体ウェハである。基板Wの表面(以下、非加工面Wnという)にはデバイス(図示せず)が形成されており、さらに当該表面にはデバイスを保護するための保護材、例えば保護テープ(図示せず)が貼り付けられている。そして、基板Wの裏面(以下、加工面Wgという)に対して研削などの所定の加工処理が行われ、当該基板が薄化される。
【0015】
基板処理システム1は、搬入ステーション2、搬出ステーション3、加工装置4、後処理装置5、及び搬送ステーション6を接続した構成を有している。搬入ステーション2は、処理前の基板WをカセットC内に収納し、複数の基板Wをカセット単位で外部から基板処理システム1に搬入する。搬出ステーション3は、処理後の基板WをカセットC内に収納し、複数の基板Wをカセット単位で基板処理システム1から外部に搬出する。加工装置4は、基板Wに加工処理を行って薄化する。後処理装置5は、加工処理後の基板Wの後処理を行う。搬送ステーション6は、搬入ステーション2、加工装置4及び後処理装置5の間で基板Wを搬送する。搬入ステーション2、搬送ステーション6、及び加工装置4は、X軸負方向側においてY軸方向にこの順で並べて配置されている。搬出ステーション3と後処理装置5は、X軸正方向側においてY軸方向にこの順で並べて配置されている。
【0016】
搬入ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。図示の例では、カセット載置台10には、複数、例えば2つのカセットCをX軸方向に一列に載置自在になっている。
【0017】
搬出ステーション3も、搬入ステーション2と同様の構成を有している。搬出ステーション3にはカセット載置台20が設けられ、カセット載置台20には、例えば2つのカセットCをX軸方向に一列に載置自在になっている。なお、搬入ステーション2と搬出ステーション3は1つの搬入出ステーションに統合されてもよく、かかる場合、搬入出ステーションには共通のカセット載置台が設けられる。
【0018】
加工装置4では、基板Wに対して研削や洗浄などの加工処理が行われる。この加工装置4の構成は後述する。
【0019】
後処理装置5では、加工装置4で加工処理された基板Wに対して後処理が行われる。後処理としては、例えば基板Wをダイシングテープを介してダイシングフレームに保持するマウント処理、基板Wに貼り付けられた保護テープを剥離する剥離処理などが行われる。そして、後処理装置5は、後処理が行われダイシングフレームに保持された基板Wを搬出ステーション3のカセットCに搬送する。後処理装置5で行われるマウント処理や剥離処理はそれぞれ、公知の装置が用いられる。
【0020】
搬送ステーション6には、基板搬送領域30が設けられている。基板搬送領域30には、X軸方向に延伸する搬送路31上を移動自在な基板搬送装置32が設けられている。基板搬送装置32は、基板Wを保持する基板保持部として、搬送フォーク33と搬送パッド34を有している。搬送フォーク33は、その先端が2本に分岐し、基板Wを吸着保持する。搬送フォーク33は、研削処理前の基板Wを搬送する。搬送パッド34は、平面視において基板Wの径より長い径を備えた円形状を有し、基板Wを吸着保持する。搬送パッド34は、研削処理後の基板Wを搬送する。そして、これら搬送フォーク33と搬送パッド34はそれぞれ、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。
【0021】
基板処理システム1には、制御部40が設けられている。制御部40は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1における基板Wの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、基板処理システム1における後述の基板処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御部40にインストールされたものであってもよい。
【0022】
次に、上述した加工装置4の構成について説明する。加工装置4は、回転テーブル100、搬送ユニット110、アライメントユニット120、第1の洗浄ユニット130、第2の洗浄ユニット140、粗研削ユニット150、中研削ユニット160、及び仕上研削ユニット170を有している。
【0023】
回転テーブル100は、回転機構(図示せず)によって回転自在に構成されている。回転テーブル100上には、基板Wの非加工面Wnを吸着保持する加工用保持部101が4つ設けられている。加工用保持部101は、回転テーブル100と同一円周上に均等、すなわち90度毎に配置されている。4つの加工用保持部101は、回転テーブル100が回転することにより、受渡位置A0及び加工位置A1〜A3に移動可能になっている。
【0024】
本実施形態では、受渡位置A0は回転テーブル100のX軸正方向側且つY軸負方向側の位置であり、当該受渡位置A0のY軸負方向側には、第2の洗浄ユニット140、アライメントユニット120及び第1の洗浄ユニット130が並べて配置される。アライメントユニット120と第1の洗浄ユニット130は上方からこの順で積層されて配置される。第1の加工位置A1は回転テーブル100のX軸正方向側且つY軸正方向側の位置であり、粗研削ユニット150が配置される。第2の加工位置A2は回転テーブル100のX軸負方向側且つY軸正方向側の位置であり、中研削ユニット160が配置される。第3の加工位置A3は回転テーブル100のX軸負方向側且つY軸負方向側の位置であり、仕上研削ユニット170が配置される。
【0025】
図2に示すように加工用保持部101は保持部基台102に保持されている。加工用保持部101及び保持部基台102は、回転機構103によって回転可能に構成されている。回転機構103は、例えば回転テーブル100に形成された貫通孔100aを挿通して設けられる。
【0026】
加工用保持部101には、当該加工用保持部101の基板Wの保持面101aに、少なくとも液又はガスを供給する供給管104が接続されている。供給管104は、回転機構103の内部を通って加工用保持部101に接続される。また、供給管104は、4つの加工用保持部101のそれぞれに接続されている。各供給管104には、各加工用保持部101への液又はガスの供給を制御するバルブ104aが設けられている。また、供給管104は、下流側において液供給管104bとガス供給管104cに分岐している。液供給管104bには、液供給部105が接続されている。液供給部105は、液、例えば純水を貯留し、当該液を保持面101aに供給する。ガス供給管104cには、ガス供給部106が接続されている。ガス供給部106は、ガス、例えばエアや不活性ガスを貯留し、当該ガスを保持面101aに供給する。
【0027】
加工用保持部101には例えばポーラスチャックが用いられる。加工用保持部101には、保持面101aにて基板Wを吸着保持するため、当該基板Wを吸引する吸引管107が接続されている。吸引管107は、回転機構103の内部を通って加工用保持部101に接続される。また、吸引管107は、4つの加工用保持部101のそれぞれに接続されている。各吸引管107には、各加工用保持部101における吸引を制御するバルブ107aが設けられている。また、吸引管107には、基板Wを吸引する吸引装置108が接続されている。なお、このポーラスチャックを詰まらせないようにするため、加工用保持部101で基板Wを保持していない状態では、液供給部105から液が供給される。
【0028】
なお、本実施形態では、液供給部105とガス供給部106に共通した供給管104を用いたが、液供給管104bとガス供給管104cをそれぞれ直接、加工用保持部101に接続してもよい。かかる場合、液供給管104bとガス供給管104cのそれぞれに、バルブ(図示せず)が設けられる。また、本実施形態では、4つの加工用保持部101に共通の液供給部105とガス供給部106を設けたが、加工用保持部101毎に個別に液供給部105とガス供給部106をそれぞれ設けてもよい。
【0029】
図1に示すように搬送ユニット110は、複数、例えば3つのアーム111〜113を備えた多関節型のロボットである。3つのアーム111〜113は関節部(図示せず)によって接続されている。これら関節部によって、3つのアーム111〜113のうち、先端の第1のアーム111と中間の第2のアーム112は、それぞれ基端部を中心に旋回自在に構成されている。また、基端の第3のアーム113は、アーム111〜113を鉛直方向に移動させる移動機構114に取り付けられている。かかる構成により、後述の基板Wを吸着保持する搬送用保持部115は、水平方向及び鉛直方向に移動自在になっている。
【0030】
第1のアーム111には、基板Wを吸着保持する搬送用保持部115が取り付けられている。搬送用保持部115には、例えばポーラスチャックが用いられる。
図3に示すように搬送用保持部115は、平面視において基板Wの径より長い径を備えた円形状を有している。そして搬送用保持部115は、その保持面115aにおいて、基板Wの加工面Wg全面を吸着保持する。また、搬送用保持部115は、第1のアーム111に設けられた回転機構111aによって、回転自在に構成されている。
【0031】
第1のアーム111と搬送用保持部115の間には、傾動機構116と弾性部材117が支持板118を介して設けられている。傾動機構116は、第1のアーム111と支持板118の間に設けられている。弾性部材117は、搬送用保持部115と支持板118の間に設けられている。
【0032】
傾動機構116は、搬送用保持部115を側面視において傾動自在にする。傾動機構116の構成は任意であるが、例えば第1のアーム111に対して支持板118(搬送用保持部115)を離間方向に付勢する付勢部材(図示せず)を有する。かかる傾動機構116により、例えば搬送用保持部115が基板Wを受け取る際に、当該基板Wが平坦(水平)でなくても、その傾きにそって搬送用保持部115を傾動させることができる。また、例えば搬送用保持部115が基板Wを受け渡す際に、受け渡し先が平坦(水平)でなくても、その傾きにそって搬送用保持部115を傾動させることができる。このように搬送用保持部115を傾動させることで、基板Wを適切に受け取る(受け渡す)ことができる。なお、傾動機構116は、搬送用保持部115を固定する機構をさらに有していてもよい。かかる場合、基板Wの搬送中には、搬送用保持部115を固定することができる。その結果、基板Wの受け取り(受け渡し)と搬送を適切に行うことができる。
【0033】
弾性部材117は、例えば搬送用保持部115の外周部において、当該搬送用保持部115の同心円上に複数設けられている。弾性部材117は弾性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばばねが用いられる。そして、かかる弾性部材117によって、例えば搬送用保持部115が基板Wを受け取る又は受け渡す際に、その衝撃を吸収することができる。その結果、搬送用保持部115に保持された基板Wに強い押圧力が作用するのを回避することができる。
【0034】
以上の構成を備えた搬送ユニット110は、受渡位置A0、アライメントユニット120、第1の洗浄ユニット130、及び第2の洗浄ユニット140に対して、基板Wを搬送することができる。
【0035】
図1に示すようにアライメントユニット120では、研削処理前の基板Wの水平方向の向きを調節する。例えばスピンチャック(図示せず)に保持された基板Wを回転させながら、検出部(図示せず)で基板Wのノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節して基板Wの水平方向の向きを調節する。
【0036】
第1の洗浄ユニット130では、研削処理後の基板Wの加工面Wgを洗浄し、より具体的にはスピン洗浄する。例えばスピンチャック(図示せず)に保持された基板Wを回転させながら、洗浄液ノズル(図示せず)から基板Wの加工面Wgに洗浄液を供給する。そうすると、供給された洗浄液は加工面Wg上を拡散し、当該加工面Wgが洗浄される。
【0037】
第2の洗浄ユニット140では、研削処理後の基板Wであって搬送ユニット110の搬送用保持部115に保持された基板Wの非加工面Wnを洗浄すると共に、搬送用保持部115の保持面115aを洗浄する。これら非加工面Wnと保持面115aが、第2の洗浄ユニット140で洗浄される洗浄面である。
図4に示すように第2の洗浄ユニット140は、処理容器141を有している。処理容器141の内部には、洗浄液ノズルを有するスポンジ洗浄具142、エアノズル143、ストーン洗浄具144(砥石)、及びブラシ洗浄具145が設けられている。スポンジ洗浄具142、エアノズル143、ストーン洗浄具144、及びブラシ洗浄具145はそれぞれ、昇降機構(図示せず)によって鉛直方向に移動自在に構成されている。
【0038】
スポンジ洗浄具142は、例えば基板Wの径より長く延伸するスポンジを有し、スポンジには洗浄液、例えば純水を供給可能であり、当該非加工面Wnを洗浄する。エアノズル143は、基板Wの非加工面Wnにエアを噴射して、当該非加工面Wnを乾燥させる。これらスポンジ及び洗浄液による非加工面Wnの洗浄と、エアによる非加工面Wnの乾燥はそれぞれ、搬送用保持部115で基板Wを保持した状態、且つ回転機構111aによって搬送用保持部115(基板W)を回転させながら行われる。これにより、基板Wの非加工面Wn全面が洗浄される。
【0039】
ストーン洗浄具144とブラシ洗浄具145はそれぞれ、例えば搬送ユニット110の搬送用保持部115の保持面115aの径より長く延伸し、当該保持面115aに当接して洗浄する。そして、ストーン洗浄具144とブラシ洗浄具145による搬送用保持部115の洗浄は、回転機構111aによって搬送用保持部115を回転させながら行われる。これにより搬送用保持部115の保持面115a全面が洗浄される。
【0040】
図1に示すように粗研削ユニット150では、基板Wの加工面Wgを粗研削する。粗研削ユニット150は、環状形状で回転自在な粗研削砥石(図示せず)を備えた粗研削部151を有している。また、粗研削部151は、支柱152に沿って鉛直方向及び水平方向に移動可能に構成されている。そして、加工用保持部101に保持された基板Wの加工面Wgを粗研削砥石に当接させた状態で、加工用保持部101と粗研削砥石をそれぞれ回転させることによって、基板Wの加工面Wgを粗研削する。
【0041】
中研削ユニット160では、基板Wの加工面Wgを中研削する。中研削ユニット160は、環状形状で回転自在な中研削砥石(図示せず)を備えた中研削部161を有している。また、中研削部161は、支柱162に沿って鉛直方向及び水平方向に移動可能に構成されている。なお、中研削砥石の砥粒の粒度は、粗研削砥石の砥粒の粒度より小さい。そして、加工用保持部101に保持された基板Wの加工面Wgを中研削砥石に当接させた状態で、加工用保持部101と中研削砥石をそれぞれ回転させることによって、加工面Wgを中研削する。
【0042】
仕上研削ユニット170では、基板Wの加工面Wgを仕上研削する。仕上研削ユニット170は、環状形状で回転自在な仕上研削砥石(図示せず)を備えた仕上研削部171を有している。また、仕上研削部171は、支柱172に沿って鉛直方向及び水平方向に移動可能に構成されている。なお、仕上研削砥石の砥粒の粒度は、中研削砥石の砥粒の粒度より小さい。そして、加工用保持部101に保持された基板Wの加工面Wgを仕上研削砥石に当接させた状態で、加工用保持部101と仕上研削砥石をそれぞれ回転させることによって、加工面Wgを仕上研削する。
【0043】
次に、以上のように構成された基板処理システム1を用いて行われる基板処理について説明する。
【0044】
先ず、複数の基板Wを収納したカセットCが、搬入ステーション2のカセット載置台10に載置される。カセットC内には、保護テープが変形するのを抑制するため、当該保護テープが貼り付けられた基板Wの非加工面Wnが上側を向くように基板Wが収納されている。
【0045】
次に、基板搬送装置32の搬送フォーク33によりカセットC内の基板Wが取り出され、加工装置4に搬送される。この際、搬送フォーク33により基板Wの加工面Wgが上側に向くように、表裏面が反転される。
【0046】
加工装置4に搬送された基板Wは、アライメントユニット120に受け渡される。そして、アライメントユニット120において、基板Wの水平方向の向きが調節される(
図5のステップS1)。
【0047】
次に、基板Wは搬送ユニット110により、アライメントユニット120から受渡位置A0に搬送され、当該受渡位置A0の加工用保持部101に受け渡される。加工用保持部101では、基板Wの非加工面Wnが保持される。また搬送用保持部115がアライメントユニット120から基板Wを受け取る際と、加工用保持部101に基板Wを受け渡す際には、傾動機構116によって搬送用保持部115を傾動自在にさせる。また、基板Wの受け取り及び受け渡し時には、弾性部材117によって衝撃が吸収される。これにより、基板Wの受け取り及び受け渡しを適切に行うことができる。
【0048】
次に、加工用保持部101を第1の加工位置A1に移動させる。そして、粗研削ユニット150によって、基板Wの加工面Wgが粗研削される(
図5のステップS2)。
【0049】
次に、加工用保持部101を第2の加工位置A2に移動させる。そして、中研削ユニット160によって、基板Wの加工面Wgが中研削される(
図5のステップS3)。
【0050】
次に、加工用保持部101を第3の加工位置A3に移動させる。そして、仕上研削ユニット170によって、基板Wの加工面Wgが仕上研削される(
図5のステップS4)。
【0051】
次に、加工用保持部101を受渡位置A0に移動させる。ここでは、洗浄液ノズル(図示せず)を用いて、基板Wの加工面Wgが洗浄液によって粗洗浄される(
図5のステップS5)。このステップS5では、加工面Wgの汚れをある程度まで落とす洗浄が行われる。
【0052】
次に、基板Wは搬送ユニット110により、受渡位置A0から第2の洗浄ユニット140に搬送される(
図5のステップS6)。ここで、ステップS6において、搬送ユニット110が受渡位置A0から基板Wを受け取る方法について説明する。
【0053】
先ず、
図6(a)に示すように加工用保持部101に吸着保持された基板Wの上方に、搬送ユニット110の搬送用保持部115を移動させ、当該基板Wに対向して配置する。
【0054】
その後、
図6(b)に示すように搬送用保持部115を下降させ、当該搬送用保持部115で基板Wの加工面Wgを全面で吸着保持する。この際、傾動機構116によって搬送用保持部115を傾動自在にさせる。またさらに、弾性部材117によって基板Wの吸着保持時の衝撃が吸収される。これにより、基板Wの吸着保持を適切に行うことができる。なお、この
図6(b)に示す工程を、保持工程という場合がある。また、この保持工程において、搬送用保持部115で基板Wを吸着保持すると、後述するガス供給部106からガスを供給する前の任意のタイミングで、加工用保持部101による基板Wの吸着保持を解除する。
【0055】
その後、
図6(c)に示すようにガス供給部106から、加工用保持部101の保持面101aと基板Wの非加工面Wnとの間にガスを供給する。このガスにより、加工用保持部101から基板Wを剥離させる。ここで、上述したように加工用保持部101で基板Wを保持していない状態では、液供給部105から液が供給されている。そうすると、供給管104には液が残存した状態になっており、ガスの供給とともに液も供給される。そして、加工用保持部101の保持面101aと基板Wの非加工面Wnとの間には、液Lの膜が形成される。なお、この
図6(c)に示す工程を、液供給工程という場合がある。また、本実施形態では、ガス供給部106からガスを供給することで、加工用保持部101の保持面101aと基板Wの非加工面Wnとの間に液Lを供給したが、液供給部105から液を供給してもよい。
【0056】
その後、
図6(c)に示すように液Lが基板Wから離れない高さまで、搬送用保持部115に保持された基板Wを上昇させる。なお、この
図6(c)に示す工程を、上昇工程という場合がある。
【0057】
その後、
図6(d)に示すように液Lが基板Wに接した状態で、搬送用保持部115に保持された基板Wを水平方向に移動させる。そうすると、基板Wと液Lとの接触面積が小さくなる。また、基板Wの水平移動によって、基板Wと液Lとの間に微小な空気の空間が形成される場合もある。さらに、基板Wの外周部が平面視で加工用保持部101の外側に位置した際、液Lが加工用保持部101の外側から排出される場合もある。このような種々の要因により、基板Wと液Lとの界面に生じる張力を小さくすることができる。なお、この
図6(d)に示す工程を、移動工程という場合がある。
【0058】
その後、
図6(e)に示すように基板Wの外周部が平面視で加工用保持部101の外側に位置した際、搬送用保持部115に保持された基板Wを上昇させる。そうすると、基板Wが液Lから離れる。この際、上述したように界面の張力が小さくなっているので、従来のように基板Wが損傷を被るのを抑制することができる。また、従来のように搬送用保持部115から基板Wが剥がれるのを抑制することもできる。
【0059】
なお、基板Wを上昇させるタイミングは、本実施形態に限定されない。例えば基板Wが水平方向に移動し、当該基板W全体が平面視で加工用保持部101の外側に位置した際に、基板Wを上昇させてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、基板Wを水平方向に移動させた後、上昇させたが、基板Wを斜め上方に移動させてもよい。すなわち、
図6(d)に示した移動工程と
図6(e)に示した上昇工程を同時に行ってもよい。
【0061】
さらに、例えば水平方向に十分なスペースがある場合には、基板Wを上昇させずに、水平方向の移動のみによって基板Wを液Lから離れさせてもよい。
【0062】
以上のようにステップS6において、搬送ユニット110が受渡位置A0から基板Wを受け取り、当該基板が受渡位置A0から第2の洗浄ユニット140に搬送される。
【0063】
そして、第2の洗浄ユニット140では、
図7に示すように回転機構111aによって基板Wが搬送用保持部115に回転保持された状態で、スポンジ洗浄具142によって基板Wの非加工面Wnが洗浄される(
図5のステップS7)。その後さらに、基板Wが搬送用保持部115に回転保持された状態で、エアノズル143から非加工面Wnにエアが噴射され、当該非加工面Wnが乾燥される。
【0064】
これらステップS6、S7において基板Wが搬送用保持部115に保持される前に、搬送用保持部115は、第2の洗浄ユニット140のストーン洗浄具144とブラシ洗浄具145を用いて洗浄される。(
図5のステップT1)。ストーン洗浄具144とブラシ洗浄具145による搬送用保持部115の洗浄は、回転機構111aによって搬送用保持部115を回転させながら行われる。なお、搬送用保持部115の洗浄は、ストーン洗浄具144とブラシ洗浄具145のいずれか一方で行われてもよいし、あるいは両方で行われてもよい。また、搬送用保持部115の洗浄は、ステップS6までの任意のタイミングで行われる。
【0065】
次に、基板Wは搬送ユニット110により、第2の洗浄ユニット140から第1の洗浄ユニット130に搬送される。基板Wを搬送用保持部115から第1の洗浄ユニット130のスピンチャック(図示せず)に受け渡す際、傾動機構116によって搬送用保持部115を傾動自在にさせる。また、弾性部材117によって基板Wの受け渡し時の衝撃が吸収される。これにより、基板Wの受け渡しを適切に行うことができる。そして、第1の洗浄ユニット130では、洗浄液ノズル(図示せず)を用いて、基板Wの加工面Wgが洗浄液によって仕上洗浄される(
図5のステップS8)。このステップS8では、加工面Wgが所望の清浄度まで洗浄し乾燥される。
【0066】
その後、基板Wは基板搬送装置32によって、第1の洗浄ユニット130から後処理装置5に搬送される。そして、後処理装置5では、基板Wをダイシングフレームに保持するマウント処理や、基板Wに貼り付けられた保護テープを剥離する剥離処理などの後処理が行われる(
図5のステップS9)。
【0067】
その後、すべての処理が施された基板Wは、搬出ステーション3のカセット載置台20のカセットCに搬送される。こうして、基板処理システム1における一連の基板処理が終了する。
【0068】
以上、本実施形態によれば、基板Wを処理する基板処理システム1は、基板Wの加工面Wgを加工する際に、当該基板Wの加工面Wgと反対側の非加工面Wnを保持する加工用保持部101と、加工用保持部101の保持面101aに液を供給する液供給部105と、基板Wを搬送する際に、当該基板Wの加工面Wgを保持する搬送用保持部115と、搬送用保持部115を水平方向及び鉛直方向に移動させる移動機構114(111〜113)と、加工用保持部101、液供給部105、搬送用保持部115及び移動機構114(111〜113)を制御する制御部40と、を有する。また、基板処理システム1における基板処理方法は、加工用保持部101で非加工面Wnが保持された基板Wに対し、搬送用保持部115で加工面Wgを保持する保持工程と(
図6(b))、その後、液供給部105から加工用保持部101の保持面101aと基板Wの非加工面Wnとの間に液Lを供給する液供給工程と(
図6(c))、その後、液Lが基板Wから離れない高さまで、移動機構114によって搬送用保持部115に保持された基板Wを上昇させる上昇工程と(
図6(c))、その後、液Lが基板Wに接した状態で、移動機構によって搬送用保持部115に保持された基板Wを水平方向に移動させる移動工程と(
図6(d))と、を有する。これにより、基板Wと液Lとの界面に生じる張力を小さくすることができ、基板Wが損傷を被るのを抑制することができる。しかも、本実施形態では、特殊な構造や機構を設ける必要がなく、動作経路の変更のみで、上述した効果を享受することができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、
図6(d)に示した移動工程において、基板Wの外周部が平面視で加工用保持部101の外側に位置した際、
図6(e)に示したように移動機構114によって搬送用保持部115に保持された基板Wを上昇させる。あるいは、
図6(d)に示した移動工程において、基板Wの全体が平面視で加工用保持部101の外側に位置した際、
図6(e)に示したように移動機構114によって搬送用保持部115に保持された基板Wを上昇させる。いずれの場合においても、基板Wと液Lとの界面に生じる張力を小さくすることができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、
図6(d)に示した移動工程において、基板Wの外周部が平面視で加工用保持部101の外側に位置した際、液Lが加工用保持部101の外側から排出される。これにより、基板Wと液Lとの界面に生じる張力をさらに小さくすることができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、基板処理システム1は、加工用保持部101の保持面101aにガスを供給するガス供給部106を有する。そして、
図6(c)に示した液供給工程において、ガス供給部106から加工用保持部101の保持面101aと基板Wの非加工面Wnとの間にガスを供給する。これにより、加工用保持部101から基板Wを適切に剥離させることができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、基板処理システム1は、搬送用保持部115を側面視において傾動自在にする傾動機構116と、搬送用保持部115に設けられた弾性部材117と、を有する。傾動機構116によって、搬送用保持部115が基板Wを受け取る際又は受け渡す際、搬送用保持部115を傾動させることができる。また、弾性部材117によって、搬送用保持部115が基板Wを受け取る際又は受け渡す際、その衝撃を吸収することができる。その結果、基板Wを適切に受け取り(受け渡し)することができる。
【0073】
なお、本実施形態のステップS6の、
図6(d)に示した移動工程において、回転機構(図示せず)によって加工用保持部101を回転させ、かつ回転機構111aによって搬送用保持部115を回転させながら、移動機構によって搬送用保持部115に保持された基板Wを水平方向に移動させてもよい。このように加工用保持部101と搬送用保持部115を回転させることによって、基板Wと液Lとの界面に生じる張力をさらに小さくすることができる。なお、加工用保持部101と搬送用保持部115は、いずれか一方を回転させればよく、すなわち加工用保持部101と搬送用保持部115を相対的に回転させればよい。
【0074】
以上の実施形態の第2の洗浄ユニット140では、ステップS7において、スポンジ洗浄具142を基板Wの非加工面Wnに当接させた状態で、移動機構によって搬送用保持部115を水平方向に往復移動させて、非加工面Wnを洗浄してもよい。また、ステップT1においても同様に、ストーン洗浄具144又はブラシ洗浄具145を保持面115aに当接させた状態で、移動機構によって搬送用保持部115を水平方向に往復移動させて、保持面115aを洗浄してもよい。
【0075】
ここで、例えば特開2003−45841号公報は、被加工物を吸着搬送するための吸着パッドの吸着面を洗浄する洗浄装置を開示している。洗浄装置は、吸着面を研削するための研削面を有した研削板と、研削板を研削面の延在する方向に揺動させる揺動駆動手段とを備える。そして、揺動駆動手段によって揺動する研削板の研削面に吸着面を当接させながら、研削板の延在方向と略直交する方向に移動させることで、当該吸着面が洗浄される。
【0076】
しかしながら、特開2003−45841号公報に開示された洗浄装置では、研削板が搖動する際、その搖動が一定でないと、研削板によって吸着パッドにかかる圧力が吸着面内で不均一になる場合がある。特に吸着パッドには、被加工物を吸着する際の衝撃を吸収するため、弾性部材が設けられている場合がある。この弾性部材の配置によっては、吸着パッドにかかる圧力がより不均一になる。
【0077】
そこで、本実施形態では、ステップS7又はステップT1において、搬送用保持部115を往復移動させて非加工面Wn又は保持面115aを洗浄するにあたり、当該非加工面Wn又は保持面115aにかかる圧力を一定にする。
【0078】
ステップS7では、第2の洗浄ユニット140において、
図8に示すようにスポンジ洗浄具142を基板Wの非加工面Wnに当接させた状態で、移動機構によって搬送用保持部115を水平方向に往復移動させて、非加工面Wnを洗浄する。
図8において、(a)ではスポンジ洗浄具142が基板Wの中心部に当接する様子を示す。この際の基板Wの中心部の位置を中心位置Aという。(b)、(c)ではそれぞれ、スポンジ洗浄具142が基板Wの外周部に当接する様子を示す。この際の基板Wの中心部の位置を中心位置B、Cという。(d)では、基板Wの非加工面Wnの中心部の動きを、その高さ位置とともに模式的に示す。
【0079】
本実施形態のように弾性部材117が搬送用保持部115の外周部に設けられる場合、スポンジ洗浄具142が基板Wの外周部に当接する際に基板Wにかかる圧力は、基板Wの中央部にかかる圧力に比べて大きくなる。そこで、
図8に示すように中心位置B、Cにおける基板Wの非加工面Wnの高さ位置を、中心位置Aにおける基板Wの非加工面Wnの高さ位置より、高くする。この高さ位置の調整は、例えば移動機構114によって搬送用保持部115を鉛直方向に移動させて行われる。
【0080】
かかる場合、スポンジ洗浄具142が基板Wの外周部に当接する際に基板Wの非加工面Wnにかかる圧力を小さくすることができる。その結果、非加工面Wnにかかる圧力を面内で一定にすることができ、圧力不均一に起因する基板Wの損傷を抑制することができる。また、このように基板Wの外周部にかかる圧力を小さくすることで、当該基板Wの外周部が損傷を被るのをさらに抑制することも可能となる。しかも、本実施形態では、特殊な構造や機構を設ける必要がなく、動作経路の変更のみで、上述した効果を享受することができる。
【0081】
ステップT1において、第2の洗浄ユニット140で搬送用保持部115の保持面115aを洗浄する際も同様である。ステップT1では、ストーン洗浄具144又はブラシ洗浄具145を保持面115aに当接させた状態で、移動機構によって搬送用保持部115を水平方向に往復移動させて、保持面115aを洗浄する。そして、
図8に示したように中心位置B、Cにおける保持面115aの高さ位置を、中心位置Aにおける保持面115aの高さ位置より、高くする。そうすると、保持面115aにかかる圧力を面内で一定にすることができ、当該保持面115aを適切に洗浄することができる。
【0082】
以上の実施形態では、弾性部材117が搬送用保持部115の外周部に設けられていたが、当該弾性部材117の配置は任意である。例えば
図9に示すように弾性部材117は、搬送用保持部115の中央部に設けられていてもよい。そしてステップS7では、
図10に示すようにスポンジ洗浄具142を基板Wの非加工面Wnに当接させた状態で、移動機構によって搬送用保持部115を水平方向に往復移動させて、非加工面Wnを洗浄してもよい。
図10において、(a)ではスポンジ洗浄具142が基板Wの中心部に当接する様子を示す。この際の基板Wの中心部の位置を中心位置Aという。(b)、(c)ではそれぞれ、スポンジ洗浄具142が基板Wの外周部に当接する様子を示す。この際の基板Wの中心部の位置を中心位置B、Cという。(d)では、基板Wの非加工面Wnの中心部の動きを、その高さ位置とともに模式的に示す。
【0083】
本実施形態のように弾性部材117が搬送用保持部115の中央部に設けられる場合、スポンジ洗浄具142が基板Wの外周部に当接する際に基板Wにかかる圧力は、基板Wの中央部にかかる圧力に比べて小さくなる。そこで、
図10に示すように中心位置Aにおける基板Wの非加工面Wnの高さ位置を、中心位置B、Cにおける基板Wの非加工面Wnの高さ位置より、高くする。
【0084】
かかる場合、スポンジ洗浄具142が基板Wの外周部に当接する際に基板Wの非加工面Wnにかかる圧力を大きくすることができる。その結果、非加工面Wnにかかる圧力を面内で一定にすることができ、圧力不均一に起因する基板Wの損傷を抑制することができる。また、このように基板Wの外周部にかかる圧力を大きくすることで、基板Wの高さを調整しない場合に比べて、洗浄にかかる時間を短縮することも可能となる。
【0085】
ステップT1において、第2の洗浄ユニット140で搬送用保持部115の保持面115aを洗浄する際も同様である。ステップT1では、ストーン洗浄具144又はブラシ洗浄具145を保持面115aに当接させた状態で、移動機構によって搬送用保持部115を水平方向に往復移動させて、保持面115aを洗浄する。そして、
図10に示したように中心位置Aにおける保持面115aの高さ位置を、中心位置B、Cにおける保持面115aの高さ位置より、高くする。そうすると、保持面115aにかかる圧力を面内で一定にすることができ、さらに洗浄時間を短縮することもできる。
【0086】
以上の実施形態では、基板Wの非加工面Wnにはデバイスを保護するために保護テープが貼り付けられていたが、デバイスの保護材はこれに限定されない。例えば基板Wの非加工面Wnには、支持ウェハやガラス基板などの支持基板が貼り合せられていてもよく、かかる場合でも本実施形態を適用することができる。
【0087】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。