特許第6984484号(P6984484)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984484
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】塗布装置、液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 1/02 20060101AFI20211213BHJP
   B05C 1/08 20060101ALI20211213BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   B05C1/02 102
   B05C1/08
   B05C11/10
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-30448(P2018-30448)
(22)【出願日】2018年2月23日
(65)【公開番号】特開2019-141814(P2019-141814A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2020年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】阿地 恵太
【審査官】 磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−289528(JP,A)
【文献】 特開2006−095482(JP,A)
【文献】 特開2000−279863(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0270742(US,A1)
【文献】 特開2015−120268(JP,A)
【文献】 特開平08−257463(JP,A)
【文献】 実開平03−047065(JP,U)
【文献】 特表昭63−500707(JP,A)
【文献】 特開2007−147977(JP,A)
【文献】 特開平10−249265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/02
B05C 1/08
B05C 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗布部材に塗布液を塗布する塗布装置であって、
前記塗布液を収容する供給パンと、
前記供給パンから前記被塗布部材の塗布位置に前記塗布液を供給する第1回転部材と、
前記第1回転部材の周面の前記塗布液を薄膜化する複数の第2回転部材と、を備え、
前記複数の第2回転部材は、加圧ブラケットに保持され前記第1回転部材の周面に押し付けられており、前記第1回転部材の回転方向における前記供給パンから前記塗布位置までの間に配置されている
ことを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記第1回転部材で前記被塗布部材に前記塗布液を塗布する
ことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記第1回転部材で前記被塗布部材に前記塗布液を塗布する部材に対して前記塗布液を供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記塗布液を塗布する前記部材に対して前記被塗布部材を押し付ける加圧部材を備えている
ことを特徴とする請求項に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記第1回転部材がローラ部材である
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項6】
前記第1回転部材が回転体に掛け回されたベルト部材であり、
前記複数の第2回転部材は、前記回転体に対向する位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布装置。
【請求項7】
被塗布部材に液体を吐出する液体吐出手段と、
請求項1ないし6のいずれかに記載の塗布装置と、を備えている
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塗布装置、液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置などの液体を吐出する装置においては、被印刷部材を被塗布部材として処理液など塗布液を塗布する塗布装置を備えるものがある。
【0003】
例えば、処理液収容槽の処理液内に一部を浸漬させた汲み上げローラで処理液を汲み上げて表面に担持(保持)し、この汲み上げローラを回転させて処理液を搬送し、汲み上げローラ表面に保持された処理液を、塗布ローラへ付着する膜厚を制御する膜厚制御ローラに移送し、膜厚制御ローラに保持された処理液を塗布ローラに移送して、この塗布ローラとカウンタローラとの間に被記録媒体を搬送し、被記録媒体に塗布ローラの表面に保持された処理液を塗布するものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−183336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているように、汲み上げローラ、膜制御ローラ(絞りローラとも称される)、塗布ローラを順次直列に配置した構成にあっては、ローラ段数が増加するほど装置が一方向に大型化するという課題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、装置の小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る塗布装置は、
被塗布部材に塗布液を塗布する塗布装置であって、
前記塗布液を収容する供給パンと、
前記供給パンから前記被塗布部材の塗布位置に前記塗布液を供給する第1回転部材と、
前記第1回転部材の周面の前記塗布液を薄膜化する複数の第2回転部材と、を備え、
前記複数の第2回転部材は、加圧ブラケットに保持され前記第1回転部材の周面に押し付けられており前記第1回転部材の回転方向における前記供給パンから前記塗布位置までの間に配置されている
構成とした。
【0008】
本発明によれば、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る塗布装置の側面説明図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る塗布装置の側面説明図である。
図3】本発明の第3実施形態に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明の第1実施形態について図1を参照して説明する。図1は同実施形態に係る塗布装置の側面説明図である。
【0011】
塗布装置100は、液体吐出手段によって液体を付与する被印刷部材である被塗布部材としてのシート材110に塗布液としての処理液101を塗布する処理液塗布置である。
【0012】
処理液としては、例えば、シート材110の表面に塗布することでシート材110の表面を改質する改質材が挙げられる。具体的には、予めシート材110にムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかにシート材110に浸透させるとともに、色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)を上げることを可能にする定着剤(セット剤)が挙げられる。
【0013】
処理液は、組成的には、例えば、界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれか、若しくはこれらを2種類以上混合させたもの)に対して、水分の浸透を促進するセルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース等)とタルク微粉体のような基剤を加えた溶液等を用いることができる。さらに、微粒子を含有することもできる。
【0014】
塗布装置100は、処理液101を収容した供給パン(処置液収容槽)102と、塗布ローラ103と、第1絞りローラ104と、第2絞りローラ105と、加圧ブラケット106と、加圧ローラ107とを備えている。
【0015】
塗布ローラ103は、本実施形態においては第1回転部材であるローラ部材であり、シート材110に処理液101を塗布する部材である。塗布ローラ103の一部は供給パン102の処理液101内に浸漬され、矢印方向に回転することで、処理液101を汲み上げて周面に担持する。
【0016】
第1絞りローラ104及び第2絞りローラ105は、本実施形態においては複数の第2回転部材であり、塗布ローラ103の周面の処理液101を扱いて薄膜化する。なお、本実施形態では、第1絞りローラ104及び第2絞りローラ105は、同径で、塗布ローラ103の中心に対して同心円上に配置されているが、第1絞りローラ104及び第2絞りローラ105は異なる径であってもよい。
【0017】
ここで、第1絞りローラ104及び第2絞りローラ105は、加圧ブラケット106に保持され、塗布ローラ103の周面に沿って配置されている。加圧ブラケット106は、塗布ローラ103の周面に向けて矢印方向に付勢され、第1絞りローラ104及び第2絞りローラ105は塗布ローラ103の周面に押し付けられている。
【0018】
加圧ローラ107は、本実施形態において加圧部材であり、塗布ローラ103の周面に向けて矢印方向に付勢されて、一定の加圧力で押し付けられている。なお、例えばシート材110がロール紙などの連続体である場合には、連続体の張力によって塗布ローラ103の周面に押し付けることができるので、加圧ローラ107を設けない構成とすることもできる。
【0019】
この塗布装置100においては、供給パン102から塗布ローラ103の回転で処理液101が汲み上げられて、塗布ローラ103の周面に液膜状態で担持される。
【0020】
そして、塗布ローラ103と第1絞りローラ104とのニップ部、塗布ローラ103の第2絞りローラ105とのニップ部で、それぞれ均一に延ばされて薄膜化される。
【0021】
その後、塗布ローラ103上で薄膜化された処理液101は、塗布ローラ103と加圧ローラ107とのニップ部でシート材110に塗布される。
【0022】
このように、塗布ローラ103の周面に沿って複数の第2回転部材としての第1絞りローラ104及び第2絞りローラ105を配置しているので、複数の第2回転部材を備える場合に装置を小型化することができる。
【0023】
次に、本発明の第2実施形態について図2を参照して説明する。図2は同実施形態に係る塗布装置の側面説明図である。
【0024】
本実施形態では、回転体としてのローラ121と搬送方向下流側に配置した第1コロ122との間に第1搬送ベルト123を掛け回している。また、加圧ローラ107と搬送方向下流側に配置した第2コロ125との間に第2搬送ベルト127を配置している。
【0025】
ここでは、第1搬送ベルト123は、本実施形態では第1回転部材であるベルト部材であり、ローラ121の周面に掛け回された部分で、供給パン102の処理液101内に浸漬し、ローラ121の回転によって第1搬送ベルト123の周面に処理液101を汲み上げて担持する。
【0026】
そして、第1搬送ベルト123を掛け回したローラ121の周面に対向して、第1搬送ベルト123の周面に沿って複数の第2回転部材である第1絞りローラ104及び第2絞りローラ105を配置している。
【0027】
この塗布装置100においては、供給パン102から第1搬送ベルト123の周回移動で処理液101が汲み上げられて、第1搬送ベルト101の周面に液膜状態で担持される。
【0028】
そして、第1搬送ベルト123のローラ121に掛け回されている部分と第1絞りローラ104とのニップ部、第1搬送ベルト123のローラ121に掛け回されている部分の第2絞りローラ105とのニップ部で、それぞれ均一に延ばされて薄膜化される。
【0029】
その後、第1搬送ベルト123上で薄膜化された処理液101は、第1搬送ベルト123と第2搬送ベルト127の加圧ローラ107に掛け回された部分とのニップ部でシート材110に塗布される。
【0030】
このように、第1搬送ベルト123の周面に沿って複数の第2回転部材としての第1絞りローラ104及び第2絞りローラ105を配置しているので、複数の第2回転部材を備える場合に装置を小型化することができる。
【0031】
次に、本発明の第3実施形態について図3を参照して説明する。図3は同実施形態に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の説明図である。
【0032】
この印刷装置1は、連帳紙などのシート材110を搬入する搬入手段11と、シート材110の一面に前処理液を塗布する本発明に係る塗布装置100を含む前処理手段12と、前処理液が塗布されたシート材110の一面に印刷を行う印刷手段13と、シート材110を巻き取る排出手段14とを備えている。
【0033】
この印刷装置1においては、搬入手段11の元巻きロール体110Aからシート材110が繰り出され、前処理手段12で前処理液を塗布され、印刷手段13によってシート材110の一面に対して液体が付与されて画像が形成される。その後、シート材110は排出手段14の巻取りロール110Bに巻き取られる。
【0034】
ここで、印刷手段13には、シート材110の搬送方向(矢印方向)に沿って液体吐出手段21a、21b、21c、21dが配置されている。これらの液体吐出手段21a〜21dから所要の液体を吐出して、搬送されるシート材110に画像を形成する。
【0035】
各液体吐出手段21a、21b、21c、21dは、それぞれ、搬送されるシート材110に対して、例えば、ブラックK,シアンC、マゼンタM、イエローYの液体を吐出する。なお、色の種類及び数はこれに限るものではない。
【0036】
なお、上記各実施形態においては、被塗布部材がカットされたシート材又は連続体であるシート材である例で説明しているがこれに限るものではない。例えば、連続用紙、ロール紙、ウェブなどの連続体、カットされたシート材、その他、壁紙、プリプレグ等の電子回路基板用シートなどでも良い。
【0037】
また、被塗布部材には、インク等の液体で文字や図形等の画像を記録する以外にも、加飾・装飾などを目的として、パターン等の意味を持たない画像をインク等の液体で付与してよい。
【0038】
本願において、付与される液体は、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0039】
液体付与手段として液体吐出ヘッドを使用するとき、液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
【0040】
なお、本願における印刷は、画像形成、記録、印字、印写等とも同じ意味である。
【符号の説明】
【0041】
1 印刷装置(液体を吐出する装置)
11 搬入手段
12 前処理手段
13 印刷手段
14 排出手段
100 塗布装置
101 処理液
102 供給パン
103 塗布ローラ(第1回転部材)
104 第1絞りローラ(第2回転部材)
105 第2絞りローラ(第2回転部材)
107 加圧ローラ(加圧部材)
123 第1搬送ベルト(第1回転部材)
図1
図2
図3