(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0013】
図1及び
図2は、本実施の形態に係るコネクタを用いたワイヤハーネスの斜視図である。
図3は、ワイヤハーネスの破断面図である。
図4は、ケーブル、接続端子、及び保持部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。ワイヤハーネス1は、例えば、電気自動車やハイブリッド車において、インバータとバッテリとを接続するために用いられるものである。
【0014】
図1〜4に示すように、ワイヤハーネス1は、ケーブル2と、ケーブル2の端部に設けられたコネクタ3と、を備えている。コネクタ3は、ケーブル2の端部に設けられた接続端子31と、ケーブル2の端部、及び接続端子31の一部を覆うように設けられたハウジング32と、を備えている。
【0015】
(ケーブル2)
図3,4に示されるように、ケーブル2は、導体21の周囲に、絶縁体22、編組シールド23、及びジャケット24を順次設けて構成されている。詳細は後述するが、ケーブル2は、ハウジング32内に配置される部分が導体21のみとされ、その部分で曲げが加えられる。この際の曲げを容易とするため、導体21としは、金属素線を撚り合わせた撚線導体を用いるとよい。ここでは、2本のケーブル2を用いる場合を説明するが、ケーブル2の本数はこれに限定されない。
【0016】
(保持部材4)
両ケーブル2の外周には、保持部材4がそれぞれ取り付けられている。保持部材4は、ケーブル2とハウジング32間の防水性を確保する役割と、ケーブル2の編組シールド23をハウジング32(アウターハウジング321)に電気的に接続する役割とを果たすものである。
【0017】
保持部材4は、ケーブル2の外周にかしめ固定された筒状の固定部41と、板状のフランジ部42と、を一体に有している。固定部41は、フランジ部42よりも前方(接続端子31側)に設けられたシール部41aと、フランジ部42よりも後方(接続端子31と反対側)に設けられたかしめ部41bと、を有している。
【0018】
シール部41aは、ハウジング32(アウターハウジング321)に形成されたケーブル挿通穴321a(
図6参照)に挿入される。シール部41aの外周には、Oリング43が配置されている。Oリング43は、ケーブル挿通穴321aの内周面とシール部41a間を水密にシールする。
【0019】
かしめ部41bは、円筒体を専用の器具でかしめることでケーブル2の外周にかしめ固定され、これにより、ケーブル2の外周に保持部材4を保持する。本実施の形態では、かしめ部41bは、八方かしめ(八方締め)を行うことにより、かしめ部41bにおいてケーブル2の外周と固定部41の内周との間の防水性を確保している。これにより、インバータ等の取付対象部材内のオイル等がケーブル2を伝って漏れ出すことを抑制可能になる。
【0020】
なお、大電流用途においては耐熱性が要求されるため、例えば収縮チューブを用いて防水性を確保することは困難である。また、例えばワイヤシールを用いた場合には、保持部材が大型化してしまう。本実施の形態に係るワイヤハーネス1では、かしめ部41bで八方かしめを行うことで、大電流に対応可能でかつコンパクトな防水構造を実現している。
【0021】
ケーブル2に保持部材4を取り付ける際には、ケーブル2の端部において所定長さのジャケット24を除去して編組シールド23を露出させ、露出させた編組シールド23をジャケット24の外周へと折り返す。編組シールド23の折り返し部分を挟み込むようにかしめを行うことで、編組シールド23と保持部材4の電気的な接続、及び編組シールド23の折り返し部分の固定が行われる。本実施の形態では、編組シールド23の折り返し部分と、ジャケット24の外周との間に、円筒状の金属製のリング5を挿入することで、かしめの際の力を編組シールド23に伝わりやすくし、編組シールド23と保持部材4の電気的な接続と、編組シールド23の固定とが、より確実に行われるように工夫している。
【0022】
リング5を設けた位置では、ジャケット24に対するかしめが十分に行えない場合がある。そのため、本実施の形態では、かしめ部41bにおいて、リング5及び編組シールド23の折り返し部分を挟み込む位置、及びリング5や編組シールド23の折り返し部分がなくジャケット24を直接挟み込む位置の2箇所で、かしめを行っている。
【0023】
フランジ部42は、ケーブル長手方向に対して垂直な板状に形成されており、固定部41から径方向外方に突出するように形成されている。フランジ部42には、フランジ部42を厚さ方向に貫通するボルト穴42aが形成されている。このボルト穴42aにボルト6を通し、ボルト6をハウジング32(アウターハウジング321)のねじ穴321bに螺合させることで、フランジ部42がコネクタ3に固定される。これにより、保持部材4がコネクタ3に固定され、保持部材4に保持されたケーブル2がコネクタ3に固定される。
【0024】
(コネクタ3)
次に、本実施の形態に係るコネクタ3について説明する。コネクタ3は、2本のケーブル2の端部にそれぞれ設けられた2つの接続端子31と、2本のケーブル2の端部、及び2つの接続端子31の一部を一括して覆うように設けられたハウジング32と、を備えている。以下、各部について詳細に説明する。
【0025】
(接続端子31)
接続端子31は、その先端側から基端側(ケーブル2側)にかけて、機器側接続部311、傾斜部312、ケーブル側接続部313を順次設けてなる。接続端子31は、銅等の電気良導体から構成される。
【0026】
機器側接続部311は、取付対象部材の筐体内の電極に締結固定され電気的に接続される部分である。機器側接続部311は、ケーブル2のハウジング32からの延出方向と平行な方向に対して交差する方向に延びる。本実施の形態では、機器側接続部311の一部(先端部)がハウジング32から延出されている。本実施の形態では、機器側接続部311は、ケーブル2の延出方向と平行な方向に対して略直交する方向に延びている。すなわち、ケーブル2の延出方向と機器側接続部311が延びる方向(延在する方向)とのなす角度θ
1は、略90°である。
【0027】
機器側接続部311は、板状に形成されており、その表面とケーブル2の延出方向とのなす角度θ
1が、略90°となっている。機器側接続部311の先端部には、機器側接続部311を板厚方向に貫通するボルト穴311aが形成されている。このボルト穴311aにボルトを通し、当該ボルトを取付対象部材の筐体内の電極に締結固定することで、接続端子31(機器側接続部311)と取付対象部材の電極とが電気的に接続される。ワイヤハーネス1では、振動の影響が大きい車両に適用することを考慮し、接続信頼性の高いボルト固定により、接続端子31を接続するように構成している。
【0028】
ケーブル側接続部313は、ケーブル2の導体21を接続する部分である。ケーブル側接続部313は、筒状に形成されており、その中空部にケーブル2の導体21の先端部を挿入した状態でかしめを行うことで、導体21の端部に圧着固定されている。
【0029】
傾斜部312は、機器側接続部311とケーブル側接続部313とを連結する部分である。機器側接続部311、傾斜部312、及びケーブル側接続部313は、一体に形成されており、傾斜部312と機器側接続部311とは連続する板状(つまり同じ幅、厚さの板状)に形成されている。
【0030】
本実施の形態に係るコネクタ3では、傾斜部312は、機器側接続部311が延びる方向に対して傾斜した方向に延びるように形成されている。つまり、接続端子31の板状の部分を折り曲げることで、折り曲げ部分よりも先端側が機器側接続部311となり、折り曲げ部分よりも基端側が傾斜部312となっている。
【0031】
傾斜部312は、機器側接続部311の基端部からケーブル2の延出側に傾斜するように延びている。つまり、ケーブル2の延出方向と傾斜部312が延びる方向とのなす角度θ
2は、ケーブル2の延出方向と機器側接続部311の延出方向とのなす角度θ
1よりも大きい(
図4(b)参照)。
【0032】
傾斜部312は、機器側接続部311が延びる方向に対して90°よりも大きく、180°未満傾斜した方向に延びる。つまり、傾斜部312と機器側接続部311とのなす角度θ
3が、90°よりも大きく、180°未満である。また、傾斜部312は、機器側接続部311が延びる方向に対して120°以上150°以下傾斜した方向に延びることがより好ましい。つまり、傾斜部312と機器側接続部311とのなす角度θ
3が、120°以上150°以下であることがより好ましい。これは、傾斜部312と機器側接続部311とのなす角度θ
3が120°未満であると(90°に近付くと)、機器側接続部311を柔軟に保持することが困難となり、公差の影響で取付対象部材の電極との接続時に不都合が生じる場合があるためである。また、傾斜部312と機器側接続部311とのなす角度θ
3が150°以上であると(180°に近付くと)、ハウジング32内でケーブル2を曲げる角度が大きくなってしまうためである。特に、大電流用途においては導体21の断面積が大きくなるので、ケーブル2の曲げ半径が特に大きくなりやすく、コネクタ3の大型化をまねいてしまうおそれがある。角度θ
3を120°以上150°以下、さらに好ましくは略135°とすることで、機器側接続部311を柔軟に保持しつつも、ハウジング32内でケーブル2を曲げる角度を小さくしてコネクタ3の大型化を抑制することが可能になる。本実施の形態では、角度θ
3を135°とした。この場合、傾斜部312と機器側接続部311とのなす角度θ
3と、ケーブル2の延出方向と傾斜部312が延びる方向とのなす角度θ
2とは、等しくなる。
【0033】
本実施の形態では、ケーブル2の曲げ半径をより小さくするために、ハウジング32に収容されているケーブル2の端部において、絶縁体22を除去して、導体21が露出された導体露出部25を形成し、この導体露出部25にて、ケーブル2に曲げを加えている。導体露出部25で曲げることにより、絶縁体22を有する部分で曲げた場合と比較して外径が小さくなるため、曲げ半径を小さくすることができる。また、ケーブル2をハウジング32内で曲げることで、接続端子31の機器側接続部311に力(特に機器側接続部311の表面に対して垂直な方向の力)がかかった場合であっても、ケーブル2の曲げ部分(ここでは導体露出部25)でケーブル2が伸び出し、負荷が分散される。
【0034】
(ハウジング32)
ハウジング32は、金属製のアウターハウジング321と、アウターハウジング321の内周面を覆うように設けられる樹脂製のインナーハウジング322と、インナーハウジング322の開口を塞ぐように設けられる樹脂製の蓋部材323と、を有している。
【0035】
(アウターハウジング321)
図5(a),(b)は、アウターハウジング321の斜視図である。アウターハウジング321は、1面が開口された箱状(略直方体状)に形成されている。開口の周縁には、取付対象部材の筐体とアウターハウジング321間を水密にシールするパッキン321cが設けられている。また、開口の周囲にはフランジ状の固定片321dが形成されている。ここでは、開口を挟んで対向する位置に外方に延びるように一対の固定片321dを形成する場合を示しているが、固定片321dの数や位置はこれに限定されるものではない。固定片321dには図示しないボルトを通すためのボルト穴321eが形成されている。このボルト穴321eにボルトを通し、当該ボルトを取付対象部材の筐体に螺合することで、ハウジング32が取付対象部材に固定される。
【0036】
また、アウターハウジング321には、2本のケーブル2及び保持部材4のシール部41aを挿通する2つのケーブル挿通穴321aが形成されている。両ケーブル挿通穴321aは、開口と対向する面以外の面に形成されており、開口が臨む方向とケーブル挿通穴321aの軸方向とは直交している。アウターハウジング321の外周面で、かつケーブル挿通穴321aの近傍には、保持部材4のフランジ部42を固定するためのボルト6を螺合するねじ穴321bが形成されている。
【0037】
アウターハウジング321は、ケーブル2の編組シールド23を取付対象部材の筐体に電気的に接続する役割を果たすものであり、電気良導体から構成される。ケーブル2の編組シールド23は、保持部材4のかしめ部41b、フランジ部42、及びアウターハウジング321を介して、取付対象部材の筐体に電気的に接続される。
【0038】
(インナーハウジング322)
図6は、インナーハウジング322を挿入したアウターハウジング321の斜視図である。インナーハウジング322は、ケーブル2の導体露出部25とアウターハウジング321間、及び、2本のケーブル2の導体露出部25間を電気的に絶縁するためのものである。大電流用途では発熱の影響を受けるため、インナーハウジング322は、耐熱性を有する絶縁性の樹脂で構成されるとよい。このような樹脂としては、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等が挙げられる。
【0039】
インナーハウジング322は、アウターハウジング321の内周面に沿うように形成されている。インナーハウジング322は、例えば、圧入によってアウターハウジング321内に固定される。ただし、これに限らず、例えば、アウターハウジング321の内周面に係止用の突起を設ける等して、インナーハウジング322をアウターハウジング321に係止するよう構成してもよい。
【0040】
インナーハウジング322のケーブル延出側の面は開放されており、アウターハウジング321の2つのケーブル挿通穴321aからインナーハウジング322の内部空間へとケーブル2がそれぞれ挿入される。本実施の形態では、インナーハウジング322は、その内部空間を2つに区画する隔壁322aを有しており、隔壁322aにより区画されたそれぞれの内部空間に、2本のケーブル2の導体露出部25がそれぞれ配置されるようになっている。隔壁322aには、蓋部材323を固定するボルト7を螺合するねじ穴322bが形成されている。
【0041】
また、インナーハウジング322の内周面(アウターハウジング322の開口と対向する内周面)には、内方に突出し、ケーブル2(導体露出部25)の曲げをガイドするケーブルガイド322cが設けられている。ケーブルガイド322cは、ケーブル2の延出方向に対して傾斜した押さえ面322dを有しており、この押さえ面322dをケーブル2の導体露出部25に干渉させることにより、導体露出部25の曲げが維持される。
【0042】
(蓋部材323)
図7(a),(b)は、蓋部材323の斜視図である。蓋部材323は、アウターハウジング321及びインナーハウジング322の開口を塞ぐように設けられる。蓋部材323には、2つの接続端子31をそれぞれ挿通する2つの端子挿通穴323aが形成されている。
【0043】
また、蓋部材323は、接続端子31の一部を収容する端子収容部323bを有している。端子収容部323bの内部空間は、端子挿通穴323aに連通されている。端子収容部323bには、端子収容部323bの内部空間を2つに区画する隔壁323cが形成されており、隔壁323cにより区画されたそれぞれの内部空間に、2つの接続端子31がそれぞれ配置されるようになっている。
【0044】
蓋部材323には、蓋部材323をインナーハウジング322に固定するためのボルト7を通すボルト穴323dが形成されている。蓋部材323は、インナーハウジング322と同様に、PPS、PBT等の耐熱性を有する絶縁性の樹脂で構成されるとよい。
【0045】
図8に示すように、端子挿通穴323aは、接続端子31(機器側接続部311)よりも若干大きく形成されており、端子挿通穴323aの内周面と、端子挿通穴323aに挿通された接続端子31(機器側接続部311)との間に、隙間(クリアランス)8が形成されている。これにより、公差等の影響で、接続端子31(機器側接続部311)をボルト固定する際に接続端子31が変位したとしても、接続端子31が柔軟に移動し、接触不良等の不具合を抑制できる。なお、接続端子31及びケーブル2の導体露出部25は、インナーハウジング322や蓋部材323に対して固定されておらず、インナーハウジング322や蓋部材323に対してある程度自由に動くことが可能である。
【0046】
(コネクタ3の組み立て)
コネクタ3を組み立てる際には、まず、
図4(a)に示されるように、ケーブル2に接続端子31と保持部材4を取り付ける。この際、接続端子31から所定の長さの範囲において絶縁体22を除去し、導体露出部25を形成しておく。他方で、
図6に示すように、アウターハウジング321内にインナーハウジング322を挿入し、互いに固定する。
【0047】
その後、接続端子31側からケーブル2をケーブル挿通穴321aに通し、保持部材4のフランジ部42をボルト6によりアウターハウジング321に固定する。その後、接続端子31の機器側接続部311を端子挿通穴323aに通しつつ、アウターハウジング321及びインナーハウジング322の開口を塞ぐように蓋部材323を配置し、蓋部材323をボルト7によりインナーハウジング322に固定する。以上により、
図1,2のコネクタ3が得られる。
【0048】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係るコネクタ3では、接続端子31は、ケーブル2のハウジング32からの延出方向と平行な方向に対して交差する方向に延びる機器側接続部311と、ケーブル2の導体21が接続されるケーブル側接続部313と、機器側接続部311とケーブル側接続部313とを連結し、機器側接続部311が延びる方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜部312と、を一体に有している。
【0049】
換言すれば、コネクタ3では、接続端子31とケーブル2とを中間部材を介さずに直接接続しており、ハウジング32内で接続端子31の板状の部分をケーブル2の延出側に折り曲げている。これにより、従来のような中間部材を用いる必要がなくなり、部品点数を少なくしつつも、接続端子31を柔軟に保持すること(端子可とう性を向上すること)が可能なコネクタ3を実現できる。部品点数を少なくすることにより、コストの低減、及び加工工数の低減が可能になる。本発明は、公差の影響を受け易いボルト固定方式の接続端子31を用いる場合に、特に有効である。また、コネクタ3によれば、ハウジング32内でのケーブル2の曲げ角度を小さくできるため、導体径が大きく曲げにくいケーブル2を用いる必要がある大電流用途においても、コネクタ3の大型化を抑制し、コンパクトなコネクタ3を実現できる。
【0050】
また、本実施の形態では、ハウジング32に収容されているケーブル2の端部は、導体21が露出された導体露出部25を有し、導体露出部25にて、ケーブル2が曲げられている。導体露出部25で曲げることで、絶縁体22を有する箇所で曲げた場合と比較して曲げ半径を小さくすることが可能となり、コネクタ3のさらなる小型化に寄与する。また、導体露出部25で曲げることで、接続端子31に加わる力(特に機器側接続部31の表面に垂直な方向の力)を分散させることができ、接続端子31をより柔軟に保持すること(端子可とう性をより向上すること)が可能になる。
【0051】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0052】
[1]ケーブル(2)の端部に設けられた接続端子(31)と、前記ケーブル(2)の端部、及び前記接続端子(31)の少なくとも一部を覆うように設けられたハウジング(32)と、を備え、前記接続端子(31)は、前記ケーブル(2)の前記ハウジング(32)からの延出方向と平行な方向に対して交差する方向に延びる機器側接続部(311)と、前記ケーブル(2)の導体(21)が接続されるケーブル側接続部(313)と、前記機器側接続部(311)と前記ケーブル側接続部(313)とを連結し、前記機器側接続部(311)が延びる方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜部(312)と、を一体に有する、コネクタ(3)。
【0053】
[2]前記機器側接続部(311)は、前記ケーブル(2)の延出方向と平行な方向に対して直交する方向に延び、前記傾斜部(312)は、前記機器側接続部(311)が延びる方向に対して120°以上150°以下傾斜した方向に延びる、[1]に記載のコネクタ(3)。
【0054】
[3]前記ケーブル(2)は、前記ハウジング(32)に収容されているその端部に、前記導体(21)が露出された導体露出部(25)を有し、前記導体露出部(25)にて、前記ケーブル(2)が曲げられている、[1]または[2]に記載のコネクタ(3)。
【0055】
[4]前記ハウジング(32)は、前記接続端子(31)を挿通する端子挿通穴(323a)を有し、前記端子挿通穴(323a)の内周面と、前記端子挿通穴(323a)に挿通された前記接続端子(31)との間に、隙間(8)が形成されている、[1]乃至[3]の何れか1項に記載のコネクタ(3)。
【0056】
[5]ケーブル(2)と、[1]乃至[4]の何れか1項に記載のコネクタ(3)と、を備えた、ワイヤハーネス(1)。
【0057】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0058】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、ボルト固定方式の接続端子31を用いる場合について説明したが、振動の影響の小さい用途(車両以外の用途)に適用する場合、接続端子31として、取付対象部材に設けられたレセプタクルに嵌合される嵌合方式のものを用いてもよい。
【0059】
また、上記実施の形態では、傾斜部312が延びる方向が、ケーブル2の延出方向と平行な方向に対して傾斜している場合について説明したが、これに限らず、例えば
図9に示すように、ケーブル2の延出方向と機器側接続部311の延出方向とが直交していない場合には、傾斜部312がケーブル2の延出方向と平行な方向に沿って延びていてもよい。