(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記樹脂皮膜層が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、主鎖にケイ素原子を含む樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及びポリスチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むものである請求項1〜4のいずれか1項記載のレジストフィルム積層体。
(A)架橋性基を有するベース樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、主鎖にケイ素原子を含む樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むものである請求項1〜5のいずれか1項記載のレジストフィルム積層体。
前記化学増幅ネガ型レジスト層が、(A)架橋性基を有するベース樹脂、(B)ヒドロキシ基を3個以上含む多価フェノール化合物、(C)光酸発生剤、(D)架橋剤、及び(G)溶剤を含む組成物から得られるものである請求項1〜7のいずれか1項記載のレジストフィルム積層体。
請求項1〜9のいずれか1項記載のレジストフィルム積層体の化学増幅ネガ型レジスト層に光を照射して露光する工程、露光したレジスト層を現像する工程、及び現像したレジスト層を加熱する工程を含むパターン形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[レジストフィルム積層体]
本発明のレジストフィルム積層体は、化学増幅ネガ型レジスト層と、その上に光塩基発生剤を0.001〜20質量%含む樹脂皮膜層とを備えるものである。
【0012】
[化学増幅ネガ型レジスト層]
前記化学増幅ネガ型レジスト層は、(A)架橋性基を有するベース樹脂、(B)ヒドロキシ基を3個以上含む多価フェノール化合物、(C)光酸発生剤、及び(D)架橋剤を含むものが好ましい。
【0013】
(A)成分の架橋性基を有するベース樹脂としては、化学増幅ネガ型レジスト用のものとして従来公知のものを使用することができ、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、主鎖にケイ素原子を含む樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、前記架橋性基としては、ヒドロキシ基、エポキシ基等が挙げられる。
【0014】
これらのうち、前記ベース樹脂としては、下記式(1)で表される主鎖にケイ素原子を含む樹脂が好ましい。
【化3】
【0015】
式(1)中、R
1〜R
4は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価炭化水素基である。mは、1〜100の整数である。mが2以上の整数のとき、各R
3は、互いに同一であっても異なっていてもよく、各R
4は、互いに同一であっても異なっていてもよい。シロキサン単位を含む繰り返し単位中、シロキサン単位が2以上ある場合、各シロキサン単位は、全て同一であってもよく、2種以上の異なるシロキサン単位を含んでいてもよい。2種以上の異なるシロキサン単位を含む場合(すなわち、mが2以上の整数のとき)、シロキサン単位がランダムに結合したものでも交互に結合したものでもよく、同種のシロキサン単位のブロックを複数含むものであってもよい。
【0016】
前記1価炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基等の1価脂肪族炭化水素基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数7又は8のアラルキル基等の1価芳香族炭化水素基が挙げられる。
【0017】
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。前記アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。
【0018】
前記アリール基としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基等が挙げられる。前記アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0019】
これらのうち、R
1〜R
4としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等が好ましく、メチル基又はフェニル基がより好ましい。
【0020】
式(1)中、a、b、c及びdは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c<1、0≦d<1、0<a+b≦1、及びa+b+c+d=1を満たす数であり、好ましくは0<a≦0.95、0<b≦0.95、0.1≦a+b≦0.95、0<c≦0.9、0<d≦0.9、0.05≦c+d≦0.9、及びa+b+c+d=1を満たす数であり、より好ましくは0<a≦0.93、0<b≦0.93、0.2≦a+b≦0.93、0<c≦0.8、0<d≦0.8、0.07≦c+d≦0.8、及びa+b+c+d=1を満たす数である。
【0021】
式(1)中、X
1は、下記式(2)で表される2価の有機基である。X
2は、下記式(3)で表される2価の有機基である。
【化4】
【0022】
式(2)及び(3)中、Z
1及びZ
2は、それぞれ独立に、単結合、メチレン基、2,2−プロパンジイル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−プロパンジイル基、又はフルオレン−9,9−ジイル基である。R
5〜R
8は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。k及びhは、それぞれ独立に、0、1又は2である。
【0023】
(A)ベース樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3,000〜500,000が好ましく、5,000〜200,000がより好ましい。なお、本発明においてMwは、テトラヒドロフランを溶剤として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算測定値である。
【0024】
(A)ベース樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
(B)成分のヒドロキシ基を3個以上含む多価フェノール化合物としては、フェノールやビスフェノールA、p−tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール、p−フェニルフェノール、クレゾール等を原料として調製したレゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
また、前記多価フェノール化合物としては、下記式(4−1)〜(4−5)のいずれかで表される化合物も、好ましい例として挙げられる。
【化5】
【0027】
記式(4−1)〜(4−5)中、R
11〜R
41及びR
43〜R
77は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20の芳香族基であるが、R
11〜R
16の少なくとも3つ、R
17〜R
26の少なくとも3つ、R
27〜R
41の少なくとも3つ、R
43〜R
57の少なくとも3つ、及びR
58〜R
77の少なくとも3つは、ヒドロキシ基である。また、前記アルキル基及び芳香族基の水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0028】
式(4−2)中、W
1は、単結合、又は下記式のいずれかで表される2価の基である。
【化6】
(式中、R
78及びR
79は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20の芳香族基であり、その水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置換されていてもよい。破線は、結合手である。)
【0029】
式(4−3)中、R
42は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜20の芳香族基であり、その水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0030】
R
11〜R
79で表される炭素数1〜10のアルキル基としては、後述する式(5)の説明において述べるものと同様のものが挙げられる。R
11〜R
79で表される炭素数6〜20の芳香族基としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基等のアリール基等が挙げられる。
【0031】
式(4−4)中、W
2は、下記式のいずれかで表される3価の基である。
【化7】
(式中、破線は、結合手である。)
【0032】
式(4−5)中、W
3は、下記式のいずれかで表される4価の基である。
【化8】
(式中、破線は、結合手である。)
【0033】
式(4−1)で表されるヒドロキシ基を3個以上有する多価フェノール化合物としては、ピロガロール、フロログルシノール、1,2,4−ベンゼントリオール等が挙げられる。
【0034】
式(4−2)〜(4−5)で表されるヒドロキシ基を3個以上有する多価フェノール化合物としては、以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化9】
【0036】
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。(B)多価フェノール化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
(C)成分の光酸発生剤としては、特に限定されないが、波長190〜500nmの光照射により分解し、酸を発生するものが好ましい。このような光酸発生剤としては、オニウム塩、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、イミド−イル−スルホネート誘導体、オキシムスルホネート誘導体、イミノスルホネート誘導体、トリアジン誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
前記オニウム塩として具体的には、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、[4−(4−ビフェニリルチオ)フェニル]−4−ビフェニリルフェニルスルホニウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド等が挙げられる。
【0039】
前記ジアゾメタン誘導体として具体的には、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ペンチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロへキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ペンチルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−ペンチルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
【0040】
前記グリオキシム誘導体として具体的には、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロへキシルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロへキシルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等が挙げられる。
【0041】
前記β−ケトスルホン誘導体として具体的には、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等が挙げられる。
【0042】
前記ジスルホン誘導体として具体的には、ジフェニルジスルホン、ジシクロへキシルジスルホン等が挙げられる。
【0043】
前記ニトロベンジルスルホネート誘導体として具体的には、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等が挙げられる。
【0044】
前記スルホン酸エステル誘導体として具体的には、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等が挙げられる。
【0045】
前記イミド−イル−スルホネート誘導体として具体的には、フタルイミド−イル−トリフレート、フタルイミド−イル−トシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−トリフレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−トシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−n−ブチルスルホネート、n−トリフルオロメチルスルホニルオキシナフチルイミド、N−(ボルナン−10−イルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等が挙げられる。
【0046】
前記オキシムスルホネート誘導体として具体的には、α−(4−メチルフェニルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル等が挙げられる。
【0047】
前記イミノスルホネート誘導体として具体的には、(5−(4−メチルフェニル)スルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル等が挙げられる。
【0048】
また、2−メチル−2−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1−[(4−メチルチオ)フェニル]−1−プロパン等も好適に使用できる。
【0049】
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.05〜20質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。(C)光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
(D)成分の架橋剤は、特に限定されないが、ホルムアルデヒド又はホルムアルデヒド−アルコールにより変性されたアミノ縮合物、1分子中に平均して2個以上のメチロール基及び/又はアルコキシメチル基を含む、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物、ウレア化合物等の含窒素化合物及びこれらの縮合物、1分子中に平均して2個以上のメチロール基及び/又はアルコキシメチル基を含むフェノール化合物、多価フェノールのヒドロキシ基をグリシドキシ基に置換した化合物等が好ましい。
【0051】
前記メラミン化合物としては、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、トリメトキシメチルモノメチロールメラミン、ジメトキシメチルモノメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、ヘキサメトキシエチルメラミン等が挙げられる。前記グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメトキシエチルグアナミン等が挙げられる。
【0052】
前記グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル等が挙げられる。前記ウレア化合物としては、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメトキシエチルウレア等が挙げられる。
【0053】
前記1分子中に平均して2個以上のメチロール基又はアルコキシメチル基を有するフェノール化合物としては、例えば、(2−ヒドロキシ−5−メチル)−1,3−ベンゼンジメタノール、2,2',6,6'−テトラメトキシメチルビスフェノールA等が挙げられる。
【0054】
前記多価フェノールのヒドロキシ基をグリシドキシ基に置換した化合物としては、ビスフェノールA、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのヒドロキシ基を塩基存在下エピクロロヒドリンと反応させることで得られる、1,1'−ジグリシドキシビスフェノールA、トリス(4−グリシドキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−グリシドキシフェニル)エタン等が挙げられる。
【0055】
これらのうち、(D)成分としては、メラミン化合物が好ましい。
【0056】
(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0〜50質量部が好ましく、配合する場合は特に1〜30質量部が好ましい。(D)架橋剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
前記化学増幅ネガ型レジスト層は、更に(E)成分として硬化促進剤を含んでいてもよい。(E)硬化促進剤は、(A)ベース樹脂がエポキシ基を有する場合、この化合物が硬化する際に、硬化速度を促進する機能を有する化合物である。硬化促進剤としては、3級アミン類及びその塩、イミダゾール類、有機ホスフィン類、テトラ置換ホスホニウム、テトラ置換ボレート等が挙げられる。
【0058】
(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0〜3質量部が好ましく、0〜1質量部がより好ましい。(E)硬化促進剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0059】
更に、前記化学増幅ネガ型レジスト層は、(F)成分として塩基性化合物を含んでいてもよい。(F)塩基性化合物としては、第1級、第2級又は第3級脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
【0060】
(F)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。(F)塩基性化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0061】
前記化学増幅ネガ型レジスト層は、(A)〜(D)成分及び必要に応じて(E)〜(F)成分を含むドライフィルムをウエハに貼り合わせることで形成してもよく、(A)〜(D)成分及び必要に応じて(E)〜(F)成分と(G)溶剤とを含む化学増幅ネガ型レジスト組成物を用いて形成してもよい。
【0062】
(G)成分の溶剤としては、(A)〜(D)成分が溶解可能であれば特に限定されない。このような溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類等が挙げられる。
【0063】
前記化学増幅ネガ型レジスト組成物中、(G)溶剤の配合量は、レジスト組成物の相溶性、粘度及び塗布性の観点から、前述した(A)〜(D)成分の合計100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。(G)溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0064】
前記化学増幅ネガ型レジスト層の膜厚は、0.5〜1,000μmが好ましく、1〜500μmがより好ましく、5〜300μmが更に好ましい。
【0065】
[光塩基発生剤含有樹脂皮膜層]
前記樹脂皮膜層に含まれる光塩基発生剤は、特に限定されないが、波長190〜500nmの光によって分解し、塩基を発生させるものが好ましい。前記光塩基発生剤としては、例えば、カルバメート系(ウレタン系)、α−アミノケトン系、4級アンモニウム系の光塩基発生剤、O−アシルオキシム系、シクロプロペノン環を有するアミンからなる光塩基発生剤、[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]アルキルアミンからなる光塩基発生剤等が挙げられる。
【0066】
前記光塩基発生剤としては、下記式(5)で表される化合物も好ましく使用できる。
【化11】
【0067】
式(5)中、R
101及びR
102は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基である。また、R
101及びR
102が互いに結合して、これらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香族環を形成してもよい。
【0068】
式(5)中、R
101及びR
102で表される炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、ネオオクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
【0069】
これらのうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、ネオオクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル基等の炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、シクロオクチル基等の炭素数1〜8の直鎖状又は環状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は環状のアルキル基が更に好ましい。
【0070】
式(5)中、R
101及びR
102は、互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に、置換基を有していてもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3〜8の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香族環を形成してもよい。前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0071】
前記含窒素脂肪族環としては、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ヘキサメチレンイミン環(アゼパン環)、ヘプタメチレンイミン環(アゾカン環)、オクタメチレンイミン環(アゾナン環)、2,5−ジメチルピロリジン環、2,6−ジメチルピペリジン環、2,4,6−トリメチルピペリジン環、4−ヒドロキシピペリジン環(6員環)、4−メルカプトピペリジン環、4−シアノピペリジン環、4−ニトロピペリジン環、4−クロロピペリジン環、4−ブロモピペリジン環、オキサゾリジン環、チアゾリジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、2,3,5,6−テトラメチルモルホリン、2,3,5,6−テトラメチルチオモルホリン環等が挙げられる。前記含窒素芳香族環としては、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、2,5−ジメチルピロール環、2,5−ジエチルピロール環、2,5−ジメチルイミダゾール環、2,5−ジエチルイミダゾール環、3,5−ジメチルピラゾール環、3,5−ジエチルピラゾール環等が挙げられる。
【0072】
式(5)中、R
103及びR
104は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基である。前記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、R
101及びR
102の説明において述べたものと同様のものが挙げられる。これらのうち、炭素数1〜3の直鎖状アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
【0073】
前記置換基を有していてもよいフェニル基における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキル基等が挙げられる。前記置換基を有していてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基等が挙げられる。
【0074】
式(5)中、Zは、下記式(Z−1)〜(Z−5)のいずれかで表される1価の基である。
【化12】
【0075】
式(Z−1)〜(Z−5)中、R
105〜R
137は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜6のアルキニル基、又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基である。
【0076】
R
105〜R
137で表される炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、R
101及びR
102の説明において述べたものと同様のものが挙げられる。これらのうち、炭素数1〜3の直鎖状アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
【0077】
R
105〜R
137で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらのうち、塩素原子又は臭素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。
【0078】
R
105〜R
137で表されるアルコキシ基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
【0079】
R
105〜R
137で表されるアルケニル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。
【0080】
R
105〜R
137で表されるアルキニル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等が挙げられる。
【0081】
R
105〜R
137で表されるアリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
【0082】
なお、式(Z−4)で表される基において、チオキサントン環と結合するエチニル基は、チオキサントン環の1〜4位の炭素原子のいずれかに結合するが、中でも2位又は3位に結合しているものが好ましく、その中でも2位に結合しているものがより好ましい。
【0083】
式(5)で表される化合物としては、下記一般式(5−1)〜(5−3)のいずれかで表されるものが好ましい。
【化13】
(式中、Zは、前記と同じ。)
【0084】
式(5−1)〜(5−3)におけるR
11は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基であるが、水素原子又はメチル基が好ましい。
【0085】
また、式(5−1)〜(5−3)中のZは、下記式(Z−2−1)又は(Z−5−1)で表されるものが好ましい。
【化14】
【0086】
式(5)で示される光塩基発生剤として、具体的には、下記式で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化15】
【0087】
前記光塩基発生剤の含有量は、感度の観点から、樹脂層中0.001〜20質量%であり、0.1〜10質量%が好ましい。光塩基発生剤の含有量が多すぎると、透過性が悪くなり、露光部表面のパターン劣化が起こることがある。また、光塩基発生剤が少なすぎると、パターン形状がTトップ形状となることがある。前記光塩基発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0088】
前記光塩基発生剤含有樹脂皮膜層に含まれる樹脂としては、前記光塩基発生剤に対して相溶性を有するものであれば特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、主鎖にケイ素原子を含む樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等が好ましい。これらのうち、主鎖にケイ素原子を含む樹脂が好ましく、特に前述した式(1)で表される樹脂が好ましい。
【0089】
前記光塩基発生剤含有樹脂皮膜層は、波長190〜500nmの光に対する透過性を有することが好ましい。具体的には、波長190〜500nmの光透過率が60%以上であることが好ましい。光透過率が前記範囲であれば、良好なパターン形成が可能である。なお、光透過率は、ヘイズメーターで測定することができる。
【0090】
前記光塩基発生剤を含有する樹脂皮膜層は、必要によって有機溶剤を含んでもよい。有機溶剤としては、公知の溶剤で構わないが、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。有機溶剤の含有量は、塩基性化合物及び樹脂の合計100質量部に対し、0〜30質量部が好ましく、0〜15質量部がより好ましい。
【0091】
前記光塩基発生剤を含有する樹脂皮膜層の膜厚は、1〜50μmが好ましく、3〜50μmがより好ましく、5〜30μmが更に好ましい。膜厚が前記範囲であれば、良好なレジストパターン形成が可能である。
【0092】
本発明のレジストフィルム積層体は、化学増幅ネガ型レジスト層上に、前記光塩基発生剤、樹脂及び有機溶剤を含む樹脂皮膜層形成用組成物を塗布して皮膜を形成させる方法や、化学増幅ネガ型レジスト層に、前記光塩基発生剤及び樹脂を含む樹脂皮膜を貼り合わせる方法によって製造することができる。なお、前記樹脂皮膜層形成用組成物は、光塩基発生剤及び樹脂の合計100質量部に対し、有機溶剤を0.1〜1,000質量部含むことが好ましく、0.1〜30質量部含むことがより好ましい。なお、前記有機溶剤としては、樹脂皮膜層に含まれ得る有機溶剤として前述したものと同様のものが挙げられる。
【0093】
前者の製造方法としては、例えば、支持フィルムをフィルムコーターの巻出軸から巻き出し、フィルムコーターのコーターヘッドを通過させるとき、支持フィルム上に化学増幅ネガ型レジスト組成物を所定の厚みで塗布し、所定の温度と所定の時間で熱風循環オーブンを通過させ、前記支持フィルム上で乾燥させた後、更に樹脂皮膜層形成用組成物を所定の厚みで塗布して、所定の温度と所定の時間で熱風循環オーブンを通過させ、前記支持フィルム上で乾燥させた前記レジストフィルム積層体をフィルムコーターの別の巻出軸から巻き出された保護フィルムと共に、所定の圧力でラミネートロールを通過させて支持フィルム上の前記樹脂層と貼り合わせた後、フィルムコーターの巻取軸に巻き取る方法が挙げられる。なお、塗布の順序は逆でも構わない。
【0094】
この場合、熱風循環オーブンの温度としては25〜150℃が好ましく、通過時間としては1〜100分間が好ましく、ラミネートロールの圧力としては0.01〜5MPaが好ましい。
【0095】
前記支持フィルムは、単一層からなるものであっても、複数のフィルムを積層した多層からなるものであってもよい。前記支持フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。これらのうち、光透過性、適度の可撓性、機械的強度及び耐熱性を有するポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、これらのフィルムについては、コロナ処理や剥離剤塗布等の各種処理が行われたものでもよい。これらは市販品を使用することができ、例えば、セラピールWZ(RX)、セラピールBX8(R)(以上、東レフィルム加工(株)製)、E7302、E7304(以上、東洋紡(株)製)、ピューレックスG31、ピューレックスG71T1(以上、帝人デュポンフィルム(株)製)、PET38×1-A3、PET38×1-V8、PET38×1-X08(以上、ニッパ(株)製)等が挙げられる。なお、支持フィルムの厚さは、5〜150μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
【0096】
後者の製造方法としては、例えば、支持フィルム上に化学増幅ネガ型レジスト層及び保護フィルムを形成したレジストフィルム材料と、支持フィルム上に塩基性樹脂皮膜層及び保護フィルムを形成したフィルム材料とを、それぞれ前記と同様の方法で製造した後、保護フィルムを剥がしてロールtoロールフィルムラミネーターによって圧着する方法が挙げられる。この際のロール温度は10〜120℃が好ましく、貼り付けロールの圧力としては0〜5.0MPaが好ましい。
【0097】
前記レジストフィルム積層体を基板上に貼り付け、後述するパターン形成方法によってパターンを形成することができる。このとき、前記レジストフィルム積層体を基板上に貼り付ける装置としては、真空ラミネーターが好ましい。前記レジストフィルム積層体をフィルム貼り付け装置に取り付け、保護フィルムを剥離し、露出した化学増幅ネガ型レジスト層を、所定真空度の真空チャンバー内において、所定の圧力の貼り付けロールを用いて、所定の温度のテーブル上で基板に密着させる。なお、テーブルの温度としては60〜120℃が好ましく、貼り付けロールの圧力としては0〜5.0MPaが好ましく、真空チャンバーの真空度としては50〜500Paが好ましい。このように真空ラミネートを行うことで、レジストフィルム積層体と基板に空隙を発生させることがないため、好ましい。
【0098】
[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、レジストフィルム積層体のレジスト層に光を照射して露光する工程、露光したレジスト層を現像する工程、及び現像したレジスト層を加熱する工程を含むものである。
【0099】
前記化学増幅ネガ型レジスト層上に光塩基発生剤を含む樹脂皮膜層が形成されたレジストフィルム積層体に対し、リソグラフィーによってパターニングを行う。このパターニングでは、露光し、必要に応じて露光後加熱処理(PEB)を行い、現像し、更に、必要に応じて後硬化してパターンを形成する。すなわち、公知のリソグラフィー技術を用いてパターンの形成を行うことができる。
【0100】
露光をする前に、レジストフィルム積層体の平坦性を向上させる目的で、必要に応じて予備加熱(プリベーク)を行ってもよい。プリベークは、例えば40〜140℃で1分間〜1時間程度行うことができる。
【0101】
次いで、必要によりフォトマスクを介して波長190〜500nmの光で露光して、硬化させる。フォトマスクは、例えば所望のパターンをくり貫いたものであってもよい。なお、フォトマスクの材質は波長190〜500nmの光を遮蔽するものが好ましく、例えばクロム等が好適に用いられるが、これに限定されない。
【0102】
波長190〜500nmの光としては、例えば放射線発生装置により発生させた種々の波長の光、例えば、g線、i線等の紫外線、遠紫外線(248nm、193nm)等が挙げられる。波長は、好ましくは300〜450nmである。露光量は、10〜3,000mJ/cm
2が好ましい。このように露光することで、露光部分が架橋して後述の現像液に不溶なパターンが形成される。
【0103】
更に、現像感度を高めるために、必要に応じてPEBを行う。PEBは、例えば40〜140℃で0.5〜10分間とすることができる。
【0104】
その後、現像液にて現像する。好ましい現像液としては、2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等の有機溶剤や、2.38質量%テトラメチルヒドロキシアンモニウム水溶液等のアルカリ現像液が挙げられる。本発明のパターン形成方法では、現像液としては有機溶剤が好ましく用いられる。この際にパターン形状を補正するための光塩基発生剤を含む樹脂皮膜層は硬化しないため除去される。
【0105】
現像は、通常の方法、例えばパターンが形成された基板を現像液に浸漬すること等により行うことができる。その後、必要に応じて、洗浄、リンス、乾燥等を行い、所望のパターンを有する化学増幅ネガ型レジスト層が得られる。
【0106】
更に、現像後にベークすることで化学増幅ネガ型レジスト層のパターニングによって得られたパターンを硬化させる。前述の化学増幅ネガ型レジスト層のパターニングによって得られたパターンをオーブンやホットプレートを用いて、好ましくは温度100〜250℃、より好ましくは150〜220℃、更に好ましくは170〜190℃でベークし、硬化させる(後硬化)。後硬化温度が前記範囲であれば、化学増幅ネガ型レジスト層の架橋密度を上げ、残存する揮発成分を除去でき、基板に対する密着力、耐熱性や強度、更に電気特性の観点から好ましい。そして、後硬化時間は10分間〜10時間とすることができる。
【実施例】
【0107】
以下、合成例、調製例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。なお、下記例において、重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶剤として用いたGPCによるポリスチレン換算測定値である。また、下記合成例において使用した化合物(M−1)〜(M−7)の構造式を以下に示す。
【0108】
【化16】
【0109】
[1]樹脂の合成
[合成例1]
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備した5Lフラスコに、トルエン1,875gを入れ、そこへ化合物(M−1)405.0g及び化合物(M−4)40.0gを加え、溶解した後、更に化合物(M−6)949.6g及び化合物(M−7)6.1gを加え、60℃に加熱した。その後、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、内部反応温度が65〜67℃に昇温したのを確認した後、更に、3時間かけて90℃で熟成し、次いで60℃まで冷却して、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、化合物(M−5)107.5gを1時間かけてフラスコ内に滴下した。このとき、フラスコ内温度は78℃まで上昇した。滴下終了後、更に、90℃で1.5時間熟成した後、室温まで冷却し、メチルイソブチルケトン1,700gを加え、本反応溶液を加圧濾過して白金触媒を取り除いた。更に、得られた溶液に純水760gを加え、攪拌、静置分液を行い、下層の水層を除去した。この分液水洗操作を6回繰り返し、溶液中の微量酸成分を取り除いた。この溶液中の溶剤を減圧留去し、シクロペンタノンを950g添加して、シクロペンタノンを主溶剤とする固形分濃度60質量%の樹脂(A−1)の溶液を得た。樹脂(A−1)の構造は下記式のとおりであり、そのMwは31,000であった。なお、各繰り返し単位の組成比は、原料化合物の物質量により算出した。また、下記式中、mは、1又は40である。
【0110】
【化17】
【0111】
[合成例2]
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備した5Lフラスコに、トルエン2,000gを入れ、そこへ化合物(M−1)325.0g及び化合物(M−2)150.0gを加え、溶解した後、更に化合物(M−6)949.6g及び化合物(M−7)6.1gを加え、60℃に加熱した。その後、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、内部反応温度が65〜67℃に昇温したのを確認した後、更に、3時間かけて90℃で熟成し、次いで60℃まで冷却して、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、化合物(M−5)107.5gを1時間かけてフラスコ内に滴下した。このとき、フラスコ内温度は80℃まで上昇した。滴下終了後、更に、90℃で3時間熟成した後、室温まで冷却し、メチルイソブチルケトン1,800gを加え、本反応溶液を加圧濾過して白金触媒を取り除いた。更に、得られた溶液に純水760gを加え、攪拌、静置分液を行い、下層の水層を除去した。この分液水洗操作を6回繰り返し、溶液中の微量酸成分を取り除いた。この溶液中の溶剤を減圧留去し、シクロペンタノンを900g添加して、シクロペンタノンを主溶剤とする固形分濃度60質量%の樹脂(A−2)の溶液を得た。樹脂(A−2)の構造は下記式のとおりであり、そのMwは55,000であった。なお、各繰り返し単位の組成比は、原料化合物の物質量により算出した。また、下記式中、mは、1又は40である。
【0112】
【化18】
【0113】
[合成例3]
攪拌機、温度計、窒素置換装置及び還流冷却器を具備した5Lフラスコに、トルエン1,875gを入れ、そこへ化合物(M−2)405.0g及び化合物(M−3)80.0gを加え、溶解した後、更に化合物(M−6)949.6g及び化合物(M−7)6.1gを加え、60℃に加熱した。その後、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、内部反応温度が65〜67℃に昇温したのを確認した後、更に、3時間かけて90℃で熟成し、次いで60℃まで冷却して、カーボン担持白金触媒(5質量%)2.2gを投入し、化合物(M−5)107.5gを1時間かけてフラスコ内に滴下した。このとき、フラスコ内温度は80℃まで上昇した。滴下終了後、更に、90℃で8時間熟成した後、室温まで冷却し、メチルイソブチルケトン1,700gを加え、本反応溶液を加圧濾過して白金触媒を取り除いた。更に、得られた溶液に純水760gを加え、攪拌、静置分液を行い、下層の水層を除去した。この分液水洗操作を6回繰り返し、溶液中の微量酸成分を取り除いた。この溶液中の溶剤を減圧留去し、シクロペンタノンを950g添加して、シクロペンタノンを主溶剤とする固形分濃度60質量%の樹脂(A−3)の溶液を得た。樹脂(A−3)の構造は下記式のとおりであり、そのMwは73,000であった。なお、各繰り返し単位の組成比は、原料化合物の物質量により算出した。また、下記式中、mは、1又は40である。
【0114】
【化19】
【0115】
[2]レジスト組成物の調製
[調製例1〜4]
下記表1に記載した組成に従って、樹脂、多価フェノール化合物、光酸発生剤、架橋剤、硬化促進剤及び溶剤を配合し、その後、常温にて攪拌、混合、溶解させ、テフロン(登録商標)製0.2μmフィルターで精密濾過を行い、レジスト組成物R1〜R4を得た。
【0116】
【表1】
【0117】
表1中、光酸発生剤PAG−1及びPAG−2、架橋剤XL−1、並びに多価フェノール化合物PH−1〜PH−3は、以下のとおりである。
【化20】
【0118】
【化21】
【0119】
【化22】
【0120】
また、表1中、硬化促進剤は、以下のとおりである。
・U-CAT5002(商品名、サンアプロ(株)製DBU系テトラフェニルボレート塩)
【0121】
[3]光塩基発生剤含有樹脂皮膜層形成用組成物の調製
[調製例5〜11]
下記表2に記載した組成に従って、樹脂、光塩基発生剤及び溶剤を配合し、その後、常温にて攪拌、混合、溶解させ、テフロン(登録商標)製0.2μmフィルターで精密濾過を行い、樹脂皮膜層形成用組成物B1〜B7を得た。
【0122】
【表2】
【0123】
表2に記載された光塩基発生剤(PBG−1〜PBG−3)は、以下のとおりである。
【化23】
【0124】
[4]フィルムの作製
支持フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)上に、樹脂皮膜層形成用組成物B1〜B7を、それぞれダイコーターを用いて塗布した。次いで、100℃に設定された熱風循環オーブン(長さ4m)に5分間でこれらを通過させることにより、支持フィルム上に樹脂皮膜層を形成した。前記樹脂皮膜層と、保護フィルムとしてポリエチレンフィルム(厚さ50μm)とを、圧力1MPaにて貼り合わせ、光塩基発生剤を含む樹脂皮膜層を備えるフィルム1〜7を作製した。
なお、樹脂皮膜層の膜厚は光干渉式厚膜測定機により測定した(以下同じ)。また、樹脂皮膜層の光透過率は、分光光度計U-3000((株)日立製作所製)により15点測定し、その平均値を算出した。結果を下記表3に示す。
【0125】
【表3】
【0126】
また、樹脂皮膜層形成用組成物B1〜B5のかわりにレジスト組成物R1〜R4を用いた以外は前記方法と同じ方法で、化学増幅ネガ型レジスト層を備えるフィルム1〜4を作製した。レジスト層の膜厚を下記表4に示す。
【0127】
【表4】
【0128】
[5]レジストフィルム積層体の作製及びその評価
[実施例1〜5、比較例1〜2]
光塩基発生剤含有樹脂皮膜層を備えるフィルム及び化学増幅ネガ型レジスト層を備えるフィルムの保護フィルムを剥がし、ロールtoロールフィルムラミネーターを用いて表5に示した組み合わせの積層体1〜7を作製した。得られた積層体のレジスト層側の支持フィルムを剥離し、真空ラミネーターTEAM-100RF((株)タカトリ製)を用いて、真空チャンバー内の真空度80Paに設定し、支持フィルム上のレジスト層をSi基板に密着させた。温度条件は110℃とした。常圧に戻した後、光塩基発生剤含有樹脂皮膜層側の支持フィルムは剥離せずに、100μmφのホールパターンを形成するためにマスクを介し、405nmの露光条件でコンタクトアライナ型露光装置を使用して1,000mJ/cm
2で前記レジスト層を露光した。
【0129】
光照射後、支持フィルムを剥離し、ホットプレートにより120℃で5分間PEBを行った後冷却し、前記レジスト層をPGMEAにて300秒スプレーして現像を行った。パターンを形成したレジスト層を、オーブンを用いて180℃で2時間、窒素パージしながら後硬化した。パターン形成を行った際の、開口部パターン形状をSEMにより観察した。
25℃での経時安定性は、レジストフィルム積層体製造後1か月経過したとき、前記と同じパターンを得るために必要な露光量を測定し、初期評価の1,000mJ/cm
2に対して10%以上感度変化がみられなかったものを良とした。結果を表5に示す。
【0130】
【表5】