【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る第1の位置推定方法は、所定位置に設置された無線送信機から所定の無線通信規則に従って送信される信号を受信する無線受信機の位置を推定する位置推定方法であって、前記無線受信機が移動する際に、当該無線受信機にて受信される前記無線送信機からの信号に基づいて、各時点における前記無線送信機と前記無線受信機との間の距離を算出し、各時点での距離を表す第1距離情報を生成する第1ステップと、
前記無線受信機の移動に際して当該無線受信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線受信機の相対位置を算出し、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報を生成する第2ステップと、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線受信機の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報を生成する第3ステップと、各時点での前記無線受信機の絶対位置情報及び前記無線送信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離を算出し、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での距離を表す第2距離情報を生成する第4ステップと、前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度を表す差情報を生成する第5ステップと、前記差情報が前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報を探索する第6ステップと、を有し、前記第6ステップにより得られた前記仮想位置情報を前記所定時点における前記無線受信機の推定位置として定める構成となる。
【0013】
このような構成により、以下のようにして無線受信機の位置が推定される。
【0014】
無線受信機が移動する際に、当該無線受信機にて受信される無線送信機からの信号に基づいて、各時点における前記無線送信機と前記無線受信機との間の距離が算出され、各時点での距離を表す第1距離情報が生成される。また、前記無線受信機の移動に際して当該無線受信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線受信機の相対位置が算出され、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報が生成され、更に、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線受信機の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報が生成される。そして、各時点での前記無線受信機の前記絶対位置情報及び前記無線送信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離が算出され、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での距離を表す第2距離情報が生成される。
【0015】
上述したように、2つの異なる手法により、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離を表す第1距離情報及び第2距離情報が得られると、前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度を表す差情報が生成され、その差情報が前記差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報が探索される。その探索の結果得られた前記仮想位置情報が前記所定時点における前記無線受信機の推定位置を表す情報として定められる。
【0016】
本発明に係る第2の位置推定方法は、所定位置に設置された2以上のアンテナ素子を有する無線送信機から所定の無線通信規則に従って送信される信号を受信する無線受信機の位置を推定する位置推定方法であって、前記無線受信機が移動する際に、当該無線受信機にて受信される前記無線送信機からの信号に基づいて、各時点における前記無線受信機に到来する信号の前記無線送信機での出発角を算出し、各時点での出発角を表す第1出発角情報を生成する第1ステップと、前記無線受信機の移動に際して当該無線受信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線受信機の相対位置を算出し、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報を生成する第2ステップと、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線受信機の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報を生成する第3ステップと、各時点での前記無線受信機の絶対位置情報及び前記無線送信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機に到来すべき前記無線送信機から送信される信号の出発角を算出し、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での出発角を表す第2出発角情報を生成する第4ステップと、前記第1出発角情報と前記第2出発角情報との差の程度を表す差情報を生成する第5ステップと、前記差情報が前記第1出発角情報と前記第2出発角情報との前記差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報を探索する第6ステップと、を有し、前記第6ステップにより得られた前記仮想位置情報を前記所定時点における前記無線受信機の推定位置として定める構成となる。
【0017】
このような構成により、以下のようにして無線受信機の位置が推定される。
【0018】
無線受信機が移動する際に、当該無線受信機にて受信される無線送信機からの信号に基づいて、各時点における前記無線受信機に到来する信号の前記無線送信機での出発角が算出され、各時点での出発角を表す第1出発角情報が生成される。また、前記無線受信機の移動に際して当該無線受信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線受信機の相対位置が算出され、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報が生成され、更に、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線受信機の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報が生成される。そして、各時点における前記無線受信機の絶対位置情報及び前記無線送信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機に到来すべき前記無線送信機から送信される信号の出発角が算出され、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での前記出発角を表す第2出発角情報が生成される。
【0019】
上述したように、2つの異なる方法により、前記無線受信機に到来する信号の前記無線送信機での出発角を表す第1出発角情報及び第2出発角情報が得られると、前記第1出発角情報と前記第2出発角情報の差の程度を表す差情報が生成され、その差情報が前記差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報が探索される。その探索の結果得られた前記仮想位置情報が前記所定時点における前記無線受信機の推定位置を表す情報として定められる。
【0020】
本発明に係る第1または第2の位置推定方法において、前記第2ステップにおいて前記相対位置を算出する際に用いられる前記方向に関する情報は、前記無線受信機に搭載されたジャイロセンサからの検出信号に基づいた角速度情報及び前記無線受信機に搭載された地磁気センサからの検出信号に基づいた方向情報の少なくともいずれか一方を含む構成とすることができる。
【0021】
このような構成により、ジャイロセンサからの検出信号に基づいた角速度情報から、無線受信機の相対回転角度を算出することができ、移動に関する情報とともにその相対回転角度に基づいて、無線受信機の相対位置を算出することができる。また、地磁気センサからの検出信号からの検出信号に基づいた方向情報から、無線受信機の絶対的な方向を算出することができ、移動に関する情報とともにその絶対的な方向に基づいて、無線受信機の相対位置を得ることができる。
【0022】
また、本発明に係る第1または第2の位置推定方法において、前記第2ステップにおいて前記相対位置を算出する際に用いられる前記移動に関する情報は、前記無線受信機に搭載された加速度センサからの検出信号に基づいた加速度情報を含む構成とすることができる。
【0023】
このような構成により、加速度センサからの検出信号に基づいた加速度情報から、無線受信機の移動量を得ることができ、方向に関する情報とともにその移動量に基づいて、無線受信機の相対位置を算出することができる。
【0024】
本発明に係る第3の位置推定方法は、所定位置に設置された無線受信機にて受信されるべき信号を所定の無線通信規則に従って送信する無線送信機の位置を推定する位置推定方法であって、前記無線送信機が移動する際に、当該無線送信機から送信されて前記無線受信機にて受信される信号に基づいて、各時点における前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離を算出し、各時点での距離を表す第1距離情報を生成する第1ステップと、前記無線送信機の移動に際して当該無線送信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線送信機の相対位置を算出し、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報を生成する第2ステップと、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に特定された前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線送信機の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報を生成する第3ステップと、各時点での前記無線送信機の絶対位置情報及び前記無線受信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離を算出し、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での距離を表す第2距離情報を生成する第4ステップと、前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度を表す差情報を生成する第5ステップと、前記差情報が前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報を探索する第6ステップと、を有し、前記第6ステップにより得られた前記仮想位置情報を前記所定時点における前記無線送信機の推定位置として定める構成となる。
【0025】
このような構成により、以下のようにして無線送信機の位置が推定される。
【0026】
無線送信機が移動する際に、当該無線送信機から送信されて無線受信機にて受信される信号に基づいて、各時点における前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離が算出され、各時点での距離を表す第1距離情報が生成される。また、前記無線送信機の移動に際して当該無線送信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線送信機の相対位置が算出され、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報が生成され、更に、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線送信機の各時点での絶対位置を表す絶対移動経路情報が生成される。そして、各時点での前記無線送信機の前記絶対位置情報及び前記無線受信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離が算出され、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での距離を表す第2距離情報が生成される。
【0027】
上述したように、2つの異なる手法により、前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離を表す第1距離情報及び第2距離情報が得られると、前記第1距離情報と前記第2距離情報の差の程度を表す差情報が生成され、その差情報が前記差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報が探索される。その探索の結果鰓得た前記仮想位置情報が前記所定時点における前記無線送信の推定位置を表す情報として定められる。
【0028】
本発明に係る第4の位置推定方法は、所定位置に設置された無線受信機にて受信されるべき信号を所定の無線通信規則に従って送信する2以上のアンテナ素子を有する無線送信機の位置を推定する位置推定方法であって、前記無線送信機が移動する際に、当該無線送信機から送信されて前記無線受信機にて受信される信号に基づいて、各時点における前記無線受信機に到来する信号の前記無線送信機での出発角を算出し、各時点での出発角を表す第1出発角情報を生成する第1ステップと、前記無線送信機の移動に際して当該無線送信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線送信機の相対位置を算出し、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報を生成する第2ステップと、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線送信機の各時点での絶対位置を表す絶対移動位置情報を生成する第3ステップと、各時点での前記無線送信機の絶対位置情報及び前記無線受信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機に到来すべき前記無線送信機から送信される信号の出発角を算出し、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での出発角を表す第2出発角情報を生成する第4ステップと、前記第1出発角情報と前記第2出発角情報との差の程度を表す差情報を生成する第5ステップと、前記差情報が前記第1出発角情報と前記第2出発角情報との差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報を探索する第6ステップと、を有し、前記第6ステップにより得られた前記仮想位置情報を前記所定時点における前記無線送信機の推定位置を表す情報として定める構成となる。
【0029】
このような構成により、以下のようにして無線送信機の位置が推定される。
【0030】
無線送信機が移動する際に、当該無線送信機から送信されて無線受信機にて受信される信号に基づいて、各時点における前記無線受信機に到来する信号の前記無線送信機での出発角が算出され、各時点での出発角を表す第1出発角情報が生成される。
また、前記無線送信機の移動に際して当該無線送信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線送信機の相対位置が算出され、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報が生成され、更に、所定時点に至るまでの一定起案における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められ前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線送信機の各時点での絶対位置を表す絶対移位置情報が生成される。そして、各時点での前記無線送信機の前記絶対位置情報及び前記無線受信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機に到来すべき前記無線送信機から送信される信号の出発角が算出され、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での出発角を表す第2出発角情報が生成される。
【0031】
上述したように、2つの異なる手法により、前記無線受信機に到来する信号の無線送信機での出発角を表す第1出発角情報及び第2出発角履歴情報が得られると、前記第1出発角情報と前記第2出発角情報の差の程度を表す差情報が生成され、その差情報が前記差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報が探索される。その探索の結果得られた前記仮想位置情報が前記所定時点における前記無線送信機の推定位置を表す情報として定められる。
【0032】
本発明に係る第3または第4の位置推定方法において、前記第2ステップにおいて前記相対位置を算出する際に用いられる前記方向に関する情報は、前記無線送信機に搭載されたジャイロセンサからの検出信号に基づいた角速度情報及び前記無線送信機に搭載された地磁気センサからの検出信号に基づいた方向情報の少なくともいずれかを含む構成とすることができる。
【0033】
このような構成により、ジャイロセンサからの検出信号に基づいた角速度情報から、無線送信機の相対回転角度を算出することができ、移動に関する情報とともにその相対回転角度に基づいて、無線受信機の相対位置を算出することができる。また、地磁気センサからの検出信号からの検出信号に基づいた方向情報から、無線送信機の絶対的な方向を算出することができ、移動に関する情報とともにその絶対的な方向に基づいて、無線送信機の相対位置を得ることができる。
【0034】
本発明に係る第3または第4の位置推定方法において、前記第2ステップにおいて前記相対位置を算出する際に用いられる前記移動に関する情報は、前記無線送信機に搭載された加速度センサからの検出信号に基づいた加速度情報を含む構成とすることができる。
【0035】
このような構成により、加速度センサからの検出信号に基づいた加速度情報から、無線送信機の移動量を得ることができ、方向に関する情報とともにその移動量に基づいて、無線送信機の相対位置を算出することができる。
【0036】
本発明に係る第1または第3の位置推定方法において、前記第5ステップは、前記第1距離情報が表す各時点での距離と前記第2距離情報が表す対応する時点での距離との差分を算出するステップと、前記一定期間における各時点での前記差分の総和を前記差情報として生成するステップと、を有し、前記第6ステップは、前記差情報としての前記差分の総和が最小となるような各時点での前記絶対位置を定める前記仮想位置情報を探索する構成とすることができる。
【0037】
このような構成により、前記第1距離情報が表す各時点での距離と前記第2距離情報が表す対応する時点での距離との差分が算出され、前記一定期間における各時点での前記差分の総和が差情報として算出される。そして、その差情報としての前記差分の総和が最小となるような各時点での前記絶対位置を定める前記仮想位置情報が探索される。
【0038】
また、本発明に係る第2または第4の位置推定方法において、前記第5ステップは、前記第1出発角情報が表す各時点での出発角と前記第2出発角情報が表す対応する時点での出発角との差分を算出するステップと、前記一定期間における各時点での前記差分の総和を前記差情報として生成するステップと、を有し、前記第6ステップは、前記差分の総和が最小となるような各時点での前記絶対位置を定める前記仮想位置情報を探索する構成とすることができる。
【0039】
このような構成により、前記第1出発角情報が表す各時点での出発角と前記第2出発角情報が表す対応する時点での出発角との差分が算出され、前記一定期間における各時点での前記差分の総和が差情報として算出される。そして、その差情報としての前記差分の総和が最小となるような各時点での前記絶対位置を定める前記仮想位置情報が探索される。
【0040】
また、本発明に係る第1乃至第4の位置推定方法のいずれかにおいて、前記無線送信機及び前記無線受信機は、前記無線送信機は、ブルートゥース(登録商標)・ロー・エナジーの無線通信規則に従ってビーコン信号の送受を行なう構成とすることができる。
【0041】
本発明に係る第1の位置推定装置は、所定位置に設置された無線送信機から所定の無線通信規則に従って送信される信号を受信する無線受信機の位置を推定する位置推定装置であって、前記無線受信機が移動する際に、当該無線受信機にて受信される前記無線送信機からの信号に基づいて、各時点における前記無線送信機と前記無線受信機との間の距離を算出し、各時点での距離を表す第1距離情報を生成する第1処理手段と、前記無線受信機の移動に際して当該無線受信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線受信機の相対位置を算出し、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報を生成する第2処理手段と、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線受信機の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報を生成する第3処理手段と、各時点での前記無線受信機の絶対位置情報及び前記無線送信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離を算出し、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での距離を表す第2距離情報を生成する第4処理手段と、前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度を表す差情報を生成する第5処理手段と、前記差情報が前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報を探索する第6処理手段と、を有し、前記第6処理手段により得られた前記仮想位置情報を前記所定時点における前記無線受信機の推定位置として定める構成となる。
【0042】
本発明に係る第2の位置推定装置は、所定位置に設置された2以上のアンテナ素子を有する無線送信機から所定の無線通信規則に従って送信される信号を受信する無線受信機の位置を推定する位置推定装置であって、前記無線受信機が移動する際に、当該無線受信機にて受信される前記無線送信機からの信号に基づいて、各時点における前記無線受信機に到来する信号の前記無線送信機での出発角を算出し、各時点での出発角を表す第1出発角情報を生成する第1処理手段と、前記無線受信機の移動に際して当該無線受信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線受信機の相対位置を算出し、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報を生成する第2処理手段と、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線受信機の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報を生成する第3処理手段と、各時点での前記無線受信機の絶対位置情報及び前記無線送信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機に到来すべき前記無線送信機から送信される信号の出発角を算出し、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での出発角を表す第2出発角情報を生成する第4処理手段と、前記第1出発角情報と前記第2出発角情報との差の程度を表す差情報を生成する第5処理手段と、前記差情報が前記第1出発角情報と前記第2出発角情報との差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報を探索する第6処理手段と、を有し、前記第6処理手段により得られた前記仮想位置情報を前記所定時点における前記無線受信機の推定位置として定める構成となる。
【0043】
本発明に係る第1及び第2の位置推定装置において、前記第1処理手段乃至前記第5処理手段は、前記無線受信機に含まれる構成とすることができる。
【0044】
このような構成により、移動する無線受信装置において、自機の推定位置を表す情報を得ることができる。
【0045】
本発明に係る第3の位置推定装置は、所定位置に設置された無線受信機にて受信されるべき信号を所定の無線通信規則に従って送信する無線送信機の位置を推定する位置推定装置であって、前記無線送信機が移動する際に、当該無線送信機から送信されて前記無線受信機にて受信される信号に基づいて、各時点における前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離を算出し、各時点での距離を表す第1距離情報を生成する第1処理手段と、前記無線送信機の移動に際して当該無線送信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線送信機の相対位置を算出し、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報を生成する第2処理手段と、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に特定された前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線送信機の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報を生成する第3処理手段と、各時点での前記無線送信機の絶対位置情報及び前記無線受信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機と前記無線送信機との間の距離を算出し、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での距離を表す第2距離情報を生成する第4処理手段と、前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度を表す差情報を生成する第5処理手段と、前記差情報が前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報を探索する第6処理手段と、を有し、前記第6処理手段により得られた前記仮想位置情報を前記所定時点における前記無線送信機の推定位置として定める構成となる。
【0046】
本発明に係る第4の位置推定装置は、所定位置に設置された無線受信機にて受信されるべき信号を所定の無線通信規則に従って送信する2以上のアンテナ素子を有する無線送信機の位置を推定する位置推定装置であって、前記無線送信機が移動する際に、当該無線送信機から送信されて前記無線受信機にて受信される信号に基づいて、各時点における前記無線受信機に到来する信号の前記無線送信機での出発角を算出し、各時点での出発角を表す第1出発角情報を生成する第1処理手段と、前記無線送信機の移動に際して当該無線送信機において自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における前記無線送信機の相対位置を算出し、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報を生成する第2処理手段と、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における前記無線送信機の各時点での絶対位置を表す絶対移動位置情報を生成する第3処理手段と、各時点での前記無線送信機の絶対位置情報及び前記無線受信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線受信機に到来すべき前記無線送信機から送信される信号の出発角を算出し、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での出発角を表す第2出発角情報を生成する第4処理手段と、前記第1出発角情報と前記第2出発角情報との差の程度を表す差情報を生成する第5処理手段と、前記差情報が前記第1出発角情報と前記第2出発角情報との差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想処理情報を探索する第6処理手段と、を有し、前記第6処理手段により得られた前記仮想位置情報を前記所定時点における前記無線送信機の推定位置を表す情報として定める構成となる。
【0047】
本発明に係る第1の携帯通信装置は、所定位置に設置された無線送信機から所定の無線通信規則に従って送信される信号を受信可能な携帯通信装置であって、自律的に当該携帯通信装置の方向に関する情報を取得する方向情報取得手段と、自律的に当該携帯通信装置の移動に関する情報を取得する移動情報取得手段と、当該携帯通信装置が移動する際に、受信される前記無線送信機からの信号に基づいて、各時点における前記無線送信機との間の距離を算出し、各時点での距離を表す第1距離情報を生成する第1処理手段と、前記移動に際して前記方向情報取得手段にて取得される方向に関する情報及び前記移動情報取得手段にて取得される移動に関する情報に基づいて、各時点における当該携帯通信装置の相対位置を算出し、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報を生成する第2処理手段と、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における当該携帯通信装置の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報を生成する第3処理手段と、各時点での当該携帯通信装置の前記絶対位置情報及び前記無線送信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線送信機との間の距離を算出し、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での距離を表す第2距離情報を生成する第4処理手段と、前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度を表す差情報を生成する第5処理手段と、前記差情報が前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報を探索する第6処理手段と、を有し、前記第6処理手段により得られた前記仮想位置情報を前記所定時点における当該携帯通信装置の推定位置を表す情報として定める構成となる。
【0048】
このような構成によれば、当該携帯通信装置が移動する際に、受信される無線送信機からの信号に基づいて、各時点における前記無線送信機との間の距離が算出され、各時点での距離を表す第1距離情報が生成される。また、前記移動に際して自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における当該携帯通信装置の相対位置が算出され、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報が生成され、更に、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での絶対位置を表す絶対位置情報が生成される。そして、各時点での当該携帯通信装置の前記絶対位置情報及び前記無線送信機の設置位置の情報を用いて、各時点での前記無線送信機との間の距離が算出され、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での距離を表す第2距離情報が生成される。
【0049】
このように、携帯通信装置において、2つの異なる手法により、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での前記無線送信機との間の距離を表す第1距離情報及び第2距離情報が得られると、前記第1距離情報と前記第2距離情報との差の程度を表す差情報が生成され、その差情報が前記差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報が探索される。その探索の結果得られた前記仮想位置情報が前記所定時点における当該携帯通信
装置の推定位置を表す情報として定められる。
【0050】
本発明に係る第1の携帯通信装置において、前記第5処理手段は、前記第1距離情報が表す各時点での距離と前記第2距離情報が表す対応する時点での距離との差分を算出する手段と、前記一定期間における各時点での前記差分の総和を前記差情報として生成する手段と、を有し、前記第6処理手段は、前記差情報としての前記差分の総和が最小となるような各時点での前記絶対位置を定める前記仮想位置情報を探索する構成とすることができる。
【0051】
このような構成により、前記第1距離情報が表す各時点での距離と前記第2距離情報が表す対応する時点での距離との差分が算出され、前記一定期間における各時点での前記差分の総和が差情報として算出される。そして、前記差情報としての前記差分の総和が最小となるような各時点での前記絶対位置を定める前記仮想位置情報が探索され、その探索の結果得れた仮想位置情報が当該携帯通信装置の推定位置を表す情報として定められる。
【0052】
本発明に係る第2の携帯通信装置は、所定位置に設置された2以上のアンテナ素子を有する無線送信機から所定の無線通信規則に従って送信される信号を受信可能な携帯通信装置であって、自律的に当該携帯通信装置の方向に関する情報を取得する方向情報取得手段と、自律的に当該携帯通信
装置の移動に関する情報を取得する移動情報取得手段と、当該携帯通信装置が移動する際に、受信される前記無線送信機からの信号に基づいて、各時点における当該携帯通信
装置に到来する信号の前記無線送信機での出発角を算出し、各時点での出発角を表す第1出発角情報を生成する第1処理手段と、前記移動に際して前記方向情報取得手段にて取得される方向に関する情報及び前記移動情報取得手段にて取得される移動に関する情報に基づいて、各時点における当該携帯通信装置の相対位置を算出し、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報を生成する第2処理手段と、所定時点に至るまでの一定期間における前記相対移動経路情報から、仮想的に定められた前記所定時点での位置を表す仮想位置情報を用いて、前記所定時点に至るまでの一定期間における当該携帯通信装置の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報を生成する第3処理手段と、各時点での当該携帯通信装置の前記絶対位置情報及び前記無線送信機の設置位置の情報を用いて、各時点での当該携帯通信装置に到来すべき前記無線送信機から送信される信号の出発角を算出し、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での出発角を表す第2出発角情報を生成する第4処理手段と、前記第1出発角情報と前記第2出発角情報との差の程度を表す差情報を生成する第5処理手段と、前記差情報が前記第1出発角情報と前記第2出発角情報との差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定める仮想位置情報を探索する第6処理手段と、を有し、前記第6処理手段により得られた前記仮想位置情報を前記所定時点における当該携帯通信装置の推定位置を表す情報として定める構成となる。
【0053】
このような構成により、当該携帯通信装置が移動する際に、当該携帯通信装置にて受信される無線送信機からの信号に基づいて、各時点における当該携帯通信装置に到来する信号の前記無線送信機での出発角が算出され、各時点での出発角を表す第1出発角情報が生成される。また、前記移動に際して自律的に得られる方向に関する情報及び移動に関する情報に基づいて、各時点における当該携帯通信装置の相対位置が算出され、その相対位置の時系列的な履歴を表す相対移動経路情報が生成され、更に、所定時点に至るまでの一定期間における当該携帯通信装置の各時点での絶対位置を表す絶対位置情報が生成される。そして、各時点での各時点での当該携帯通信装置の前記絶対位置情報及び前記無線送信機の設置位置の情報を用いて、各時点での当該携帯通信装置に到来すべき前記無線送信機から送信される信号の出発角が算出され、前記所定時点に至るまでの一定期間における各時点での出発角を表す第2出発角情報が生成される。
【0054】
上述したように、2つの異なる方法により、当該携帯通信装置に到来する信号の前記無線送信機での出発角を表す前記第1出発角情報及び前記第2出発角情報が得られると、前記第1出発角情報と前記第2出発角情報の差の程度を表す差情報が生成され、その差情報が前記差の程度が最小であることを表すような各時点での前記絶対位置を定めた仮想位置が探索される。その探索の結果得られた前記仮想位置情報が前記所定時点における当該携帯通信装置の推定位置を表す情報として定められる。
【0055】
また、本発明の第2の携帯通信装置において、前記第5処理手段は、前記第1出発角情報が表す各時点での出発角と前記第2出発角情報が表す対応する時点での出発角との差分を算出する手段と、前記一定期間における各時点での前記差分の総和を前記差情報として生成する手段と、を有し、前記第6処理手段は、前記差分の総和が最小となるような各時点での前記絶対位置を定める前記仮想位置情報を探索する構成とすることができる。
【0056】
このような構成により、前記第1出発角情報が表す各時点での出発角と前記第2出発角情報が表す対応する時点での出発角の差分が算出され、前記一定期間における各時点での前記差分の総和が差情報として算出される。そして、その差情報としての前記差分の総和が最小となるような各時点での前記絶対位置を定める前記仮想位置情報が探索され、その探索の結果得られた仮想位置情報が当該携帯通信装置の推定位置を表す情報として定められる。
【0057】
本発明に係る第1または第2の携帯通信装置において、前記方向情報取得手段は、ジャイロセンサ及び地磁気センサの少なくともいずれかを含む構成とすることができる。
【0058】
このような構成によれば、ジャイロセンサからの検出信号に基づいた角速度情報から、携帯通信装置の相対回転角度を算出することができ、移動に関する情報とともにその相対回転角度に基づいて、当該携帯通信装置の相対位置を算出することができる。また、地磁気センサからの検出信号からの検出信号に基づいた方向情報から、携帯通信装置の絶対的な方向を算出することができ、移動に関する情報とともにその絶対的な方向に基づいて、当該携帯通信装置の相対位置を得ることができる。
【0059】
本発明に係る第1または第2の携帯通信装置において、前記移動情報取得手段は、加速度センサを含む構成とすることができる。
【0060】
このような構成によれば、加速度センサからの検出信号に基づいた加速度情報から、携帯通信装置の移動量を得ることができ、方向に関する情報とともにその移動量に基づいて、当該携帯通信装置の相対位置を算出することができる。