特許第6985864号(P6985864)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6985864測長装置、および、この測長装置の組み付けのための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6985864
(24)【登録日】2021年11月30日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】測長装置、および、この測長装置の組み付けのための方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20211213BHJP
   G01B 21/00 20060101ALI20211213BHJP
   G01D 5/347 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G01D5/245 110X
   G01B21/00 C
   G01D5/347 110X
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-173755(P2017-173755)
(22)【出願日】2017年9月11日
(65)【公開番号】特開2018-44953(P2018-44953A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2020年5月8日
(31)【優先権主張番号】16188328.5
(32)【優先日】2016年9月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】コンラート・シュヴァイクル
【審査官】 吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−132735(JP,A)
【文献】 特開2009−262680(JP,A)
【文献】 実開昭59−89206(JP,U)
【文献】 特表平9−502943(JP,A)
【文献】 独国特許発明第3402613(DE,C1)
【文献】 特開昭60−214213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00−5/38
G01B 21/00−21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測長装置であって、
この測長装置が中空形材(1)を備え、
この中空形材の内側空間内において、スケール(2)が設けられており、且つ、前記中空形材が、前記スケール(2)に沿って延在するスリット(11)を有しており、位置測定の際に、このスリットを通って、前記スケール(2)を走査する走査ユニットの連行体が貫通差込みし、
前記スリット(11)が、前記中空形材(1)に沿って延在する、弾性的な密閉材(3)を用いて密閉されており、
前記密閉材(3)の少なくとも1つの端部において、スリーブ(4)が、引張りに強い状態で固定され、且つ、前記スリーブ(4)が、前記中空形材(1)の長手方向(+X)に作用する、軸線方向のストッパー部(41)を有しており、
このストッパー部でもって、前記スリーブ(4)が、端部側で、前記中空形材(1)に、軸線方向に支持されており、且つ、前記スリーブ(4)が、前記密閉材(3)を、前記中空形材(1)に固定すること、および、
前記スリーブ(4)が、スリット(45)を有しており、および、前記密閉材(3)が、長手方向に延在する隆起部(31)、および、この隆起部に附設して形成されたリップ状部(32)を有する、シールリップであり、
前記スリーブ(4)が前記隆起部(31)を取り囲み、且つ、前記リップ状部(32)が前記スリーブ(4)の前記スリット(45)を通って前記中空形材(1)の前記スリット(11)内へと突出すること、
を特徴とする測長装置。
【請求項2】
測長装置であって、
この測長装置が中空形材(1)を備え、
この中空形材の内側空間内において、スケール(2)が設けられており、且つ、前記中空形材が、前記スケール(2)に沿って延在するスリット(11)を有しており、位置測定の際に、このスリットを通って、前記スケール(2)を走査する走査ユニットの連行体が貫通差込みし、
前記スリット(11)が、前記中空形材(1)に沿って延在する、弾性的な密閉材(3)を用いて密閉されており、
前記密閉材(3)の少なくとも1つの端部において、スリーブ(4)が、引張りに強い状態で固定され、且つ、前記スリーブ(4)が、前記中空形材(1)の長手方向(+X)に作用する、軸線方向のストッパー部(41)を有しており、
このストッパー部でもって、前記スリーブ(4)が、端部側で、前記中空形材(1)に、軸線方向に、
前記密閉材(3)が前記中空形材(1)に沿って緊張された状態で組み付けられ得、且つ、前記スリーブ(4)が、前記密閉材(3)を、前記中空形材(1)に固定するように支持されていること、および、
前記スリーブ(4)が、スリット(45)を有しており、および、前記密閉材(3)が、長手方向に延在する隆起部(31)、および、この隆起部に附設して形成されたリップ状部(32)を有する、シールリップであり、
前記スリーブ(4)が前記隆起部(31)を取り囲み、且つ、前記リップ状部(32)が前記スリーブ(4)の前記スリット(45)を通って前記中空形材(1)の前記スリット(11)内へと突出すること、
を特徴とする測長装置。
【請求項3】
前記密閉材(3)の両方の端部において前記スリーブ4の内のそれぞれ1つの前記スリーブ(4)が引張りに強い状態で固定され、且つ、前記スリーブ(4)の前記ストッパー部(41)がそれぞれに端部側で前記中空形材(1)に軸線方向に支持されていることによって、
前記密閉材(3)は、前記中空形材(1)に沿って伸長された状態で設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の測長装置。
【請求項4】
前記スリーブ(4)は、少なくとも1つの、内方に向いた突出部(42)を有しており、前記突出部が、前記密閉材(3)内へと食い込んでおり、且つ、従って、前記密閉材(3)との、前記スリーブ(4)の引張りに強い結合を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の測長装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記突出部(42)は、長手方向(+X)に延在する第1の形状部(421)、および、反対方向(−X)に向いた第2の形状部(422)を有しており、
前記第1の形状部(421)が、傾斜部を形成しており、この傾斜部が、前記スリーブ(4)を、前記長手方向(+X)に、前記密閉材(3)の上へ位置移動することを可能にし、且つ、
前記第2の形状部(422)が、抵抗部を形成しており、この抵抗部が、前記スリーブ(4)を、前記密閉材(3)に対して、前記反対方向(−X)に位置移動することを防止し、且つ、
前記突出部(42)が、このことによって、前記密閉材(3)と前記スリーブ(4)との間の、引張りに強い結合を形成することを特徴とする請求項4に記載の測長装置。
【請求項6】
前記スリーブ(4)は、前記長手方向(+X)に相互に離間し且つそれぞれに内方に向いた複数の突出部(42)を有し、これら突出部が、前記密閉材(3)内へと食い込むことを特徴とする請求項4または5に記載の測長装置。
【請求項7】
前記スリーブ(4)は、前記中空形材(1)の長手方向に沿って延在する溝部(12)または穿孔部内において設けられていることを特徴とする請求項1に記載の測長装置。
【請求項8】
前記シールリップの前記隆起部(31)は、前記スリーブ(4)を、
前記スリーブがこのスリーブの外周を介して、弾性的にばね作用を行うように前記溝部(12)の内側面に押し付けられる程に、
半径方向に予緊張することを特徴とする請求項7に記載の測長装置。
【請求項9】
前記スリーブ(4)の前記ストッパー部(41)は、前記スリーブ(4)の、半径方向に外方に向いたカラー部であることを特徴とする請求項7または8に記載の測長装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一つによる測長装置の組み付けのための方法であって、この方法が、以下の方法のステップ、即ち;
−中空形材(1)の提供、この中空形材が、長手方向に延在するスリット(11)を有しており、位置測定の際に、このスリットを通って、前記中空形材内において設けられたスケール(2)を走査する走査ユニットの連行体が貫通差込みする;
−弾性的な密閉材(3)の提供、この密閉材(3)でもって、前記スリット(11)が密閉される;
−前記密閉材(3)の少なくとも1つの端部における、スリーブ(4)の引張りに強い固定、このスリーブ(4)が、前記中空形材(1)の長手方向(+X)に作用する軸線方向のストッパー部(41)を有している;
−続いての、前記スリーブ(4)の前記ストッパー部(41)が端部側で前記中空形材(1)に軸線方向に支持されており且つ前記スリーブ(4)が前記密閉材(3)を前記中空形材(1)に固定する様式での、この中空形材(1)におけるこのスリーブ(4)の位置決め;
の方法のステップを備えていることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一つによる測長装置の組み付けのための方法であって、この方法が、以下の方法のステップ、即ち;
−中空形材(1)の提供、この中空形材が、長手方向に延在するスリット(11)を有しており、位置測定の際に、このスリットを通って、前記中空形材内において設けられたスケール(2)を走査する走査ユニットの連行体が貫通差込みする;
−弾性的な密閉材(3)の提供、この密閉材(3)でもって、前記スリット(11)が密閉される;
−前記密閉材(3)の少なくとも1つの端部における、スリーブ(4)の引張りに強い固定、このスリーブ(4)が、前記中空形材(1)の長手方向(+X)に作用する軸線方向のストッパー部(41)を有している;
−続いての、
前記密閉材(3)が前記中空形材(1)に沿って緊張された状態で組み付けられ得且つ前記スリーブ(4)が前記密閉材(3)を前記中空形材(1)に固定するように、
前記スリーブ(4)の前記ストッパー部(41)が端部側で前記中空形材(1)に軸線方向に支持する様式での、
この中空形材(1)におけるこのスリーブ(4)の位置決め;
の方法のステップを備えていることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記中空形材(1)における前記スリーブ(4)の位置決めは、この中空形材(1)の端部側の端面から、この中空形材(1)の長手方向に延在する溝部(12)または穿孔部内への、このスリーブ(4)の挿入によって行われることを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記スリーブ(4)は、少なくとも1つの内方に向いた突出部(42)を有しており、前記突出部が、長手方向(+X)に延在する第1の形状部(421)、および、反対方向(−X)に向いた第2の形状部(422)を有しており、
前記第1の形状部(421)が、傾斜部を形成しており、この傾斜部が、前記スリーブ(4)を、前記密閉材(3)の上へ、位置移動することを可能にし、且つ、前記第2の形状部(422)が、抵抗部を形成しており、この抵抗部が、前記スリーブ(4)を、前記密閉材(3)に対して、前記反対方向(−X)に位置移動することを防止し、
前記密閉材(3)と前記スリーブ(4)との間の、引張りに強い結合が、長手方向(+X)への前記密閉材(3)の上への前記スリーブ(4)の押し込みの方法のステップによって行なわれ、且つ、その際、前記突出部(42)が前記密閉材(3)内へと食い込むことを特徴とする請求項10から12のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1または2の上位概念の特徴に従う測長装置、および、請求項10または11に従う、この測長装置の組み付けのための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、冒頭に記載した様式の測長装置を開示している。この測長装置は、中空形材を備え、この中空形材の内側空間内において、スケールが、長手方向に延在して設けられている。このスケールは、測定作動状態において、走査ユニットによって走査され、この走査ユニットが、連行体を介して、測定されるべき対象物に固定されている。この連行体は、密閉材を通って差し込んでおり、この密閉材でもって、中空形材の、長手方向に延在する開口部が密閉されている。この密閉材は、長手方向に伸長された状態で、この中空形材に固定されている。この密閉材の固定は、ねじと締付け薄板とを用いての締付けによって行われる。
【0003】
従来技術に従うこの構造において、ねじのために、中空形材内において、横方向穿孔が形成されるべきであること、および、この横方向穿孔によって、および、このねじでもって不安定に押し潰される密閉材によって、中空形材内において非密閉性が生じることの危険が存在することは、欠点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第34 02 613 C1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底をなす課題は、測長装置を提案することであり、この測長装置の場合、中空形材の密閉作用が簡略化され、且つ、改良されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明に従い、請求項1または2の特徴を有する測長装置によって解決される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に従い形成された測長装置は、中空形材を備え、この中空形材の内側空間内において、スケールが設けられており、且つ、前記中空形材が、前記スケールに沿って延在するスリットを有しており、位置測定の際に、このスリットを通って、前記スケールを走査する走査ユニットの連行体が貫通差込みする(hindurchgreift)。
このスリットは、前記中空形材に沿って延在する、弾性的な密閉材を用いて密閉されている。
前記密閉材の少なくとも1つの端部において、スリーブは、引張りに強い状態で(zugfest)固定され、且つ、前記スリーブが、前記中空形材の長手方向に作用する、軸線方向のストッパー部を有しており、
このストッパー部でもって、前記スリーブが、端部側で、前記中空形材に、軸線方向に支持されており、且つ、前記スリーブが、前記密閉材を、前記中空形材に固定すること、および、
前記スリーブが、スリットを有しており、および、前記密閉材が、長手方向に延在する隆起部、および、この隆起部に附設して形成されたリップ状部を有する、シールリップであり、
前記スリーブが前記隆起部を取り囲み、且つ、前記リップ状部が前記スリーブの前記スリットを通って前記中空形材の前記スリット内へと突出する。
また、本発明に従い形成された測長装置は、中空形材を備え、この中空形材の内側空間内において、スケールが設けられており、且つ、前記中空形材が、前記スケールに沿って延在するスリットを有しており、位置測定の際に、このスリットを通って、前記スケールを走査する走査ユニットの連行体が貫通差込みする。
このスリットは、前記中空形材に沿って延在する、弾性的な密閉材を用いて密閉されている。
前記密閉材の少なくとも1つの端部において、スリーブが、引張りに強い状態で固定され、且つ、前記スリーブが、前記中空形材の長手方向に作用する、軸線方向のストッパー部を有しており、
このストッパー部でもって、前記スリーブが、端部側で、前記中空形材に、軸線方向に、
前記密閉材が前記中空形材に沿って緊張された状態で組み付けられ得、且つ、前記スリーブが、前記密閉材を、前記中空形材に固定するように支持されていること、および、
前記スリーブが、スリットを有しており、および、前記密閉材が、長手方向に延在する隆起部、および、この隆起部に附設して形成されたリップ状部を有する、シールリップであり、
前記スリーブが前記隆起部を取り囲み、且つ、前記リップ状部が前記スリーブの前記スリットを通って前記中空形材の前記スリット内へと突出する。
【0008】
この支持は、端部側で、中空形材に、即ち、有利には、直接的に、この中空形材の端面において、または、選択的に、この中空形材の端部の領域内における長手方向位置において行われる。
【0009】
引張りに強い状態で固定されるということは、その際、スリーブが、形状的に係合して、及び/または、摩擦結合的に、長手方向の内の少なくとも1つの長手方向に位置移動不能に、密閉材と結合されていることを意味する。
【0010】
中空形材における、スリーブの端部側で支持は、密閉材が、中空形材に沿って、緊張された状態、もしくは、伸長された状態で組み付けられ得るように行われる。この目的のために、このスリーブの軸線方向のストッパー部は、中空形材の方向に向いている(weist)。このストッパー部は、従って、このスリーブの軸線方向の位置移動を防止し、且つ、このことによって、同様に、密閉材を、端部側で、この中空形材に保持する。
【0011】
密閉材の両方の端部においてスリーブの内のそれぞれ1つのスリーブが引張りに強い状態で固定され、且つ、スリーブのストッパー部がそれぞれに端部側で中空形材に支持されていることによって、この密閉材が、前記中空形材に沿って、この中空形材に設けられている場合、特に有利である。
この構成によって、密閉材は、必要のある場合には、長手方向に伸長された状態で、即ち、中空形材に沿って伸長された状態で組み付けられ得る。この伸長は、例えば、伸長されていない状態におけるこの密閉材の長さの1%から3%の値である。
【0012】
密閉材が、専ら、中空形材の両方の端部、もしくは、端部領域だけにおいて、スリーブを用いて固定され、且つ、この密閉材が、これら両方の端部の間の残りの領域内において、中空形材の溝部内において延在する場合、有利である。
組み付けの際に、この密閉材は、中空形材の端面から、この溝部内へとはめ込まれる。
【0013】
スリーブと密閉材との間の形状的に係合する結合を用いての、引張りに強い結合が実現される際に、このスリーブが、少なくとも1つの、内方に向いた突出部を有しており、この突出部が、この密閉材内へと食い込んでいる場合、有利である。
【0014】
形状的に係合する結合は、少なくとも1つの突出部が、一方の長手方向(+X)に延在する第1の形状部、および、反対方向(−X)に向いた第2の形状部を有している場合、特に有利に形成され得る。
第1の形状部は、1つの様式として、傾斜部を形成しており、この傾斜部が、スリーブを、この一方の長手方向(+X)に、密閉材の上へ(auf die Dichtung)位置移動することを可能にし、且つ、第2の形状部が、抵抗部を形成しており、この抵抗部が、スリーブを、密閉材に対して、この一方の長手方向とは逆に、即ち、反対方向(−X)に位置移動することを防止し、もしくは、少なくとも困難にする。
【0015】
形状的に係合する結合の改良のために、スリーブが、長手方向に相互に離間し且つそれぞれに内方に向いた複数の突出部を有していることは可能である。
【0016】
多くの場合に、中空形材のスリットは、いわゆる屋根形状に設けられた密閉材を用いて密閉される。その際、このスリットの両側で、それぞれに、シールリップが、中空形材の溝部内において設けられている。このシールリップは、長手方向に延在する隆起部、および、この隆起部に附設して形成された(angeformte)リップ状部を有している。この隆起部は、中空形材の溝部内において収納されており、且つ、リップ状部が、中空形材のスリット内へと突出し、且つ、このスリットを少なくとも部分的に密閉する。
この様式のシールリップの形状における、密閉材の固定のために、スリーブは、スリットを有しており、その際、このスリーブが隆起部を取り囲み、且つ、リップ状部がこのスリーブのスリットを通って中空形材のスリット内へと突出する。このスリーブは、その際、端面側で、中空形材の長手方向に沿って延在する溝部内に装入される。
必要のある場合には、この溝部は、この目的のために、中空形材の端部側で、このスリーブに適合された、その領域内においてシールリップがただ隆起部だけでもって溝部内において設けられている、該領域内におけるよりも大きな断面積を有している。中空形材の端部側で、溝部の代わりに、同様に、長手方向に延在する、端面側に収納された穿孔部も、このスリーブの収容のために設けられていることは可能である。
【0017】
シールリップは、有利な方法において、弾性的な合成物質から成っている。シールリップの弾性は、このシールリップの隆起部が、スリーブを、このスリーブがこのスリーブの外周を介して、弾性的にばね作用を行うように(elastisch federnd)溝部の内側面に押し付けられる程に、半径方向に予緊張することを生じさせる。このことによって、中空形材とスリーブとの間の、良好な密閉が保証される。
【0018】
有利には、スリーブのストッパー部は、このスリーブの、半径方向に外方に向いたカラー部である。このカラー部が周囲に延在して形成されている場合、このカラー部は、スリーブと、中空形材の溝部もしくは穿孔部との間の、円周状に延在する接触領域を端部側で密閉し、且つ、従って、スリーブと中空形材との間の密閉作用を増大させる。
【0019】
スリーブにおけるストッパー部は、しかしながら、必ずしも、中空形材の外側に位置してなく、選択的に、このストッパー部が、同様に、このスリーブの他の長手方向位置においても形成され得、従って、例えば、このスリーブの内側に位置する端部にも形成され得る。
【0020】
更に、本発明の根底をなす課題は、1つの方法を提示することであり、この方法でもって、測長装置の容易な組み付けが可能とされる。
【0021】
この課題は、請求項10または11に従う方法でもって解決される。
【0022】
請求項1から9のいずれか一つによる測長装置の組み付けのための方法は、以下の方法のステップ、即ち;
−中空形材の提供(zur Verfuegung stellen)、この中空形材が、長手方向に延在するスリットを有しており、位置測定の際に、このスリットを通って、前記中空形材内において設けられたスケールを走査する走査ユニットの連行体が貫通差込みする;
−弾性的な密閉材の提供、この密閉材でもって、前記スリットが密閉される;
−前記密閉材(3)の少なくとも1つの端部における、スリーブ(4)の引張りに強い固定、このスリーブ(4)が、前記中空形材(1)の長手方向(+X)に作用する軸線方向のストッパー部(41)を有している;
−続いての(nachfolgendes)、前記スリーブの前記ストッパー部が端部側で前記中空形材に軸線方向に支持されており且つ前記スリーブが前記密閉材を前記中空形材に固定する様式での、この中空形材におけるこのスリーブの位置決め;
の方法のステップを備えている。
また、請求項1から9のいずれか一つによる測長装置の組み付けのための方法は、以下の方法のステップ、即ち;
−中空形材の提供、この中空形材が、長手方向に延在するスリットを有しており、位置測定の際に、このスリットを通って、前記中空形材内において設けられたスケールを走査する走査ユニットの連行体が貫通差込みする;
−弾性的な密閉材の提供、この密閉材でもって、前記スリットが密閉される;
−前記密閉材の少なくとも1つの端部における、スリーブの引張りに強い固定、このスリーブが、前記中空形材の長手方向に作用する軸線方向のストッパー部を有している;
−続いての、
前記密閉材が前記中空形材に沿って緊張された状態で組み付けられ得且つ前記スリーブが前記密閉材を前記中空形材に固定するように、
前記スリーブの前記ストッパー部が端部側で前記中空形材に軸線方向に支持する様式での、
この中空形材におけるこのスリーブの位置決め;
の方法のステップを備えている。
【0023】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項内において記載されている構成から与えられる。
【0024】
本発明の更なる詳細および利点を、実施例の以下の説明に基づいて、図との関連において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】測長装置の透視図である。
図2図1に従う測長装置の長手方向断面図である。
図3】中空形材における密閉材の固定の領域内における、図1および図2に従う測長装置の長手方向断面図である。
図4】中空形材における密閉材の固定のためのスリーブの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図を参照して本発明の実施例を説明する。
【0027】
この測長装置は、中空形材1を備えており、この中空形材が、密閉されたスリット11を有している。位置測定の際に、この中空形材1の内側において、走査ユニットが設けられており、この走査ユニットは、弾性的な密閉材3とスリット11とを通って貫通案内された(hindurchgefuehrten)連行体を介して、測定されるべき対象物と固定されている。位置測定のために、この走査ユニットの連行体は、第1の測定されるべき対象物に取り付けられ、且つ、中空形材1が、長手方向Xにこの第1の測定されるべき対象物に対して移動可能な第2の測定されるべき対象物に取り付けられる。この長手方向Xは、測定方向に相応する。見通しの理由から、図内において、走査ユニットは図示されていない。
【0028】
中空形材1の内側空間内において、スケール2が、長手方向Xに延在して設けられている。このスケール2は、例えば、ガラス、ガラスセラミック、または、鋼である。このスケール2は、同様に、鋼ストリップであることも可能である。このスケール2は、このスケール2の表側に、即ち、走査ユニットへと向いて、且つ、この走査ユニットに向き合って、測定目盛を担持している。この測定目盛は、測定作動状態において、この走査ユニットによって、有利には光電子的に走査され、その際、この走査ユニットから、位置に依存する走査信号が発生される。この測定目盛は、同様に、磁気的、誘導的、または、容量的に走査可能にも構成され得、その際、ここで扱われているのは、インクリメンタルな、または、アブソリュートな測定目盛である。
【0029】
図1内において図示されているように、密閉材3は、この実施例において、屋根形状に設けられた、2つのシールリップから成っており、これらシールリップのそれぞれが、本発明に従い、中空形材1に固定され、且つ、これらシールリップが、この中空形材1のスリット11の中心で互いに当接し(aneinanderstossen)、且つ、このスリット11を密閉している。図示されていない方法において、この密閉材3は、同様に、ただ1つの密閉要素だけで形成され得、従って、例えば、このスリット11が、ただ1つのシールリップの様式の1つの密閉材によって密閉され得る。
【0030】
密閉材3は、スリーブ4を用いて中空形材1に固定されている。この目的のために、このスリーブ4は、密閉材3と引張りに強い状態で結合されており、且つ、このスリーブが、ストッパー部41を有している。組み付けられた状態において、このスリーブ4は、長手方向Xにおいて端部側でこの中空形材1に支持されており、このことによって、この密閉材3が、スリーブ4を用いてこの中空形材1に固定されている。
【0031】
密閉材3は、この密閉材3の両方の端部においてこれらスリーブ4の内のそれぞれ1つのスリーブが引張りに強い状態で設けられ且つこれらスリーブ4のストッパー部41がそれぞれに端部側で密閉材3の緊張のもとで中空形材1に支持されていることによって、長手方向Xにおいて、同様に、緊張された状態(gespannt)、もしくは、伸長された状態で(gedehnt)、中空形材1に固定されていることも可能である。
【0032】
スリーブ4の詳細は、図3および4内において図示されている。このスリーブ4は、少なくとも1つの、内方に向いた突出部42を有しており、前記突出部が、密閉材3の材料内へと食い込んでいる。この突出部42が密閉材3内へと食い込まれていることによって、この密閉材3は、弾性的に変形し、且つ、このことによって、密閉材3との、スリーブ4の引張りに強い結合を形成する。密閉材3の材料として、特に、弾性的な合成物質が適している。スリーブ4の材料として、特に、合成物質、または、同様に、金属も適している。
【0033】
スリーブ4の突出部42は、有利には、長手方向Xに延在する、第1の形状部421を有しており、この第1の形状部が、傾斜部を形成しており、この傾斜部が、このスリーブ4を密閉材3に対して長手方向+Xに位置移動することを可能にする。この構成によって、スリーブ4を、密閉材3の上に、所望された位置に至るまで押し込むことが可能にされる。第1の形状部421の傾斜角度αは、例えば、約20°の値である。
【0034】
スリーブの突出部42は、有利には、更に、反対の方向に向いた第2の形状部422を有しており、この第2の形状部が、抵抗部を形成しており、この抵抗部が、このスリーブ4を密閉材3において(an der Dichtung)反対の方向−Xに位置移動することを防止する。この抵抗部は、この密閉材3を、容易な方法で、このスリーブ4において位置決め、および、固定することを可能にする。この第2の形状部422の傾斜角度は、この目的のために、第1の形状部421よりも大きく、且つ、例えば、約90°の値である。この密閉材3は、このスリーブ4がこのスリーブ4のストッパー部41でもって中空形材1に支持することによって、中空形材1に固定される。
【0035】
スリーブ4が、長手方向Xに相互に離間し且つそれぞれに内方に向いた複数の突出部42を有し、これら突出部が、密閉材3内へと食い込み、且つ、従って、密閉材3との、スリーブ4の引張りに強い結合が形成する場合、有利である。
【0036】
図3内において図示されているように、スリーブ4は、その内において保持されている密閉材3と共に、中空形材1の、長手方向Xに延在する溝部12内において設けられている。
【0037】
密閉材3が、長手方向Xに延在する隆起部31、および、この隆起部において突出するリップ状部32を有する、シールリップである場合、本発明は、特に有利に使用可能である。この場合に、スリーブ4がスリット45を有する場合、更に有利である。
このスリーブ4、および、スリット45は、このスリーブ4が隆起部31を取り囲み且つ密閉材3のリップ状部32がスリーブ4のスリット45を通って中空形材1のスリット11内へと突出するように、寸法を設定されている。このスリットを付けられたスリーブ4は、更に、このスリットを付けられたスリーブが、このスリットを付けられたスリーブの外周面でもって、緊張のもとで溝部12に適合し、且つ、このことによって、この溝部を、確実に外側に向かって密閉することの、利点を有している。
この密閉材3、および、従って、シールリップが、弾性的な材料から成っているので、このシールリップの隆起部31は、このスリットを付けられたスリーブを、このスリットを付けられたスリーブが溝部12内へと挿入された状態においてこのスリットを付けられたスリーブの外周を介して弾性的にばね作用を行うようにこの溝部12の内側面に押し付けられる程に、半径方向に予緊張する。
【0038】
密閉材3の、中空形材1内へと整向された更なる延在において、この密閉材は、溝部12内へとはめ込まれており、従って、隆起部31が、密閉材3と中空形材1の内側空間との間の密閉部を形成している。
【0039】
密閉材3と中空形材1との間の密閉部は、スリーブ4のストッパー部41が、このスリーブ4の、半径方向に外方に向いた、且つ、周囲に延在するカラー部もしくは段差部として形成されていることによって、更に改良され得る。
周囲に延在するこのカラー部は、スリーブ4と中空形材1との間の円周状に延在する接触領域を、端部側で密閉する。この端部側の密閉部は、更に、この中空形材1の両方の端部において、それぞれ1つの、この様式のスリーブ4が設けられており、且つ、密閉材3がこれら両方のスリーブ4を用いて、伸長された状態で、中空形材1に固定されていることによって、改良される。このことによって、軸線方向のストッパー部41を形成し周囲に延在する、スリーブ4のカラー部は、それぞれに、ばね弾性的に(federnd)中空形材1に押し付けられる。
【0040】
以下で、上記された測長装置に基づいて、更により詳細に、この測長装置の組み付けのための方法を説明する。
【0041】
この方法は、以下の方法のステップ、即ち;
中空形材1の提供、この中空形材が、長手方向に延在するスリット11を有しており、位置測定の際に、このスリットを通って、この中空形材内において設けられたスケール2を走査する走査ユニットの連行体が貫通差込みする;
弾性的な密閉材3の提供、この密閉材3でもって、このスリット11が密閉される;
この密閉材3におけるスリーブ4の引張りに強い固定、その際、このスリーブ4が軸線方向のストッパー部41を有している;
このスリーブ4のストッパー部41が、端部側で、この中空形材1に軸線方向に支持する様式での、この中空形材1におけるこのスリーブ4の後に続く位置決め;
の方法のステップを備えている。
【0042】
中空形材1におけるスリーブ4の位置決めは、この中空形材1の端面から、この中空形材1の長手方向に延在する溝部12内への、このスリーブ4の挿入によって、もしくは、押し込みによって行われる。この中空形材1における、密閉材3の端部側の固定は、このことによって、特に容易に可能である。何故ならば、専ら、端面側のアクセス可能性だけが必要であるからである。
【0043】
スリーブ4が、図4に従う実施例に相応して形成されている場合、密閉材3とスリーブ4との間の引張りに強い結合は、以下の方法のステップ、即ち;
長手方向+Xへの、即ち、−傾斜部として形成された−第1の形状部421に抗しての(gegen)、密閉材3の上へのスリーブ4の押し込み、
の方法のステップによって実施される。
【0044】
スケール2は、その際、密閉材3の組み付けの以前に、または、この密閉材3の組み付けの後に初めて、スケール2内において設けられ得る。このスケール2が、測定帯状体(Massband)である場合、この測定帯状体は、密閉材3の装着の後に初めて、例えば、中空形材1内において設けられた溝部内へのはめ込みによって、中空形材1内へと収納される場合に、有利である。
【0045】
本発明は、同様に、中空形材1が互いに当接された複数の部分部片から成る測長装置においても、有利に使用可能である。その際、同様に、スケール2が部分部片から成ることも可能である。
その際、しかも、スケール2として、測定帯状体が使用され、この測定帯状体が、中空形材1の全ての部分部片を越えて延在すること、特に、緊張されることは、特別に有利である。この場合には、密閉材3は、これら複数の部分部片を越えて延在し、−例えば、同様に緊張され−、且つ、スリーブ4が、それぞれに、ただ全配設の両方の端部だけにおいて設けられていることは可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 中空形材
2 スケール
3 密閉材
4 スリーブ
11 スリット
12 溝部
31 隆起部
32 リップ状部
41 ストッパー部
42 突出部
421 第1の形状部
422 第2の形状部
45 スリット
+X 長手方向
−X 反対方向
図1
図2
図3
図4