特許第6986925号(P6986925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986925
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】電解質濃度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20211213BHJP
   G01N 27/28 20060101ALI20211213BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G01N35/08 B
   G01N27/28 M
   G01N27/416 351B
   G01N27/416 351K
   G01N35/08 F
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-200952(P2017-200952)
(22)【出願日】2017年10月17日
(65)【公開番号】特開2019-74417(P2019-74417A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2020年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】渡部 祥人
(72)【発明者】
【氏名】岸岡 淳史
(72)【発明者】
【氏名】小野 哲義
(72)【発明者】
【氏名】三宅 雅文
【審査官】 山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−156089(JP,A)
【文献】 特開2014−238408(JP,A)
【文献】 実開平06−086075(JP,U)
【文献】 実開平05−084864(JP,U)
【文献】 特開平09−138237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 − 35/10
G01N 1/00 − 1/44
G01N 27/28
G01N 27/416
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン選択性電極と比較電極との間の電位を測定する電位測定部と、
前記電位測定部で測定される電解液を前記イオン選択性電極の流路に導入するための希釈槽と、
複数の試薬ボトルが接続可能とされ、前記希釈槽に試薬を供給する送液機構と、
廃液タンクとを有し、
前記送液機構は前記複数の試薬ボトルのそれぞれに対して、前記試薬の流れる方向を前記廃液タンクとする第1系統と前記試薬の流れる方向を前記希釈槽とする第2系統との間で切り換える第1の切換えバルブを備え、
前記第1の切換えバルブにより、第1の試薬ボトルが前記第2系統とされている期間に、第2の試薬ボトルが前記第1系統とされ、前記第2の試薬ボトルが前記第2系統とされている期間に、前記第1の試薬ボトルが前記第1系統とされる電解質濃度測定装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記送液機構は、前記第1の切換えバルブと前記第1の試薬ボトルとの間に第1のシリンジを含む第1の流路と、前記第1の切換えバルブと前記第2の試薬ボトルとの間に第2のシリンジを含む第2の流路とを有する電解質濃度測定装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記送液機構は前記希釈槽に電解液を供給するシリンジと、
前記第1系統とされた試薬ボトルから試薬を流出させるポンプとを有し、
前記シリンジに前記第1の切換えバルブが接続され、前記第1の切換えバルブにより前記シリンジに接続される試薬ボトルが切り換えられる電解質濃度測定装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1の切換えバルブと前記複数の試薬ボトルのそれぞれとの間に前記ポンプを有する電解質濃度測定装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記送液機構は前記希釈槽または前記廃液タンクに電解液を供給するシリンジを有し、
前記第1の切換えバルブは、前記第1系統とされる試薬ボトルの前記シリンジからの吐出先を前記廃液タンクに切換え、前記第2系統とされる試薬ボトルの前記シリンジからの吐出先を前記希釈槽に切換える電解質濃度測定装置。
【請求項6】
請求項1において、
比較電極液を前記比較電極の流路に導入する比較電極液ボトルを、第1の比較電極液ボトルと第2の比較電極液ボトルとの間で切り替える第2の切換えバルブと、
前記比較電極の流路に比較電極液を導入するシッパーシリンジと、
前記比較電極液を前記廃液タンクに流出させるポンプとを有し、
前記第2の切換えバルブは、前記第1の比較電極液ボトルが前記比較電極の流路に接続されている期間に前記第2の比較電極液ボトルを前記廃液タンクに接続し、前記第2の比較電極液ボトルが前記比較電極の流路に接続されている期間に前記第1の比較電極液ボトルを前記廃液タンクに接続する電解質濃度測定装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項において、
制御部を有し、
前記制御部は、検体測定において電解質項目の測定依頼がないタイミングで、前記第1の切換えバルブを前記第1系統とした試薬ボトルによる試薬プライムを実行する電解質濃度測定装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記制御部は、電解質項目測定中の前記希釈槽を洗浄するタイミングで、前記第1の切換えバルブを前記第1系統とした試薬ボトルによる試薬プライムを実行する電解質濃度測定装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記制御部は、試薬プライムを複数のタイミングで実行する電解質濃度測定装置。
【請求項10】
請求項7において、
前記制御部は、前記電位測定部での測定に前記第1の試薬ボトルが使用されている間に、前記第2の試薬ボトルを前記第1系統として試薬プライムを実行し、前記電位測定部での測定を前記第1の試薬ボトルから前記第2の試薬ボトルに切換える直後に、前記第2の試薬ボトルによる試薬プライムが実行されていない残流路について試薬プライムを実行する電解質濃度測定装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記複数の試薬ボトルのそれぞれの試薬量をモニタする試薬量モニタ機構を有し、
前記制御部は、前記試薬量モニタ機構の検知結果に基づき、前記第1の試薬ボトルから前記第2の試薬ボトルに切換える電解質濃度測定装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記試薬量モニタ機構は、試薬ボトルの重量を計測する重量センサまたは流路における気泡の発生を計測する気泡センサを有する電解質濃度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
生体試料中の陽イオンまたは陰イオンを測定する電解質濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生化学自動分析装置などに搭載されるフロー型電解質濃度測定装置は、血清や尿などの検体中の電解質濃度を高精度かつ高スループットで分析する。フロー型電解質濃度測定装置は、通常、複数のイオン(ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、塩化物イオンなど)を同時に分析するため、検出するイオンに対応した複数のイオン選択性電極(ISE:Ion Selective Electrode)が搭載される。また、電解質濃度測定装置内では定常的に数種類の試薬が使用されている。使用する試薬の種類は装置構成によって異なるが、例えば、検体分析前後に流す内部標準液、検体を希釈する希釈液、比較電極液などがある。
【0003】
特許文献1には、各試薬供給装置で用いられる試薬の残量の情報を効率的に監視することが可能な集中監視システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−240430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に従来の電解質濃度測定装置の測定部のブロック図を示す。測定部180は、イオン選択性電極である塩素イオン電極101、カリウムイオン電極102及びナトリウムイオン電極103の3種類の電極と比較電極104とを備える。シッパーシリンジ135を用いて、比較電極104の流路に比較電極液ボトル161から比較電極液が導入される。一方、イオン選択性電極の流路には、内部標準液用シリンジ131を使用して内部標準液ボトル141から希釈槽110に分注された内部標準液あるいは、希釈液用シリンジ133を使用して希釈液ボトル151から希釈槽110に吐出された希釈液で希釈された検体が導入される。比較電極と各イオン選択性電極との電位差(起電力)はイオン選択性電極の流路に導入された液中の分析対象イオン濃度によって変化するため、その起電力を電位測定部171で測定し、測定された起電力に基づきイオン濃度を算出する。
【0006】
図1の装置における試薬ボトル交換時の試薬プライムについて説明する。電解質濃度測定においては同じ試薬であってもロット間の微小な濃度差が分析値に影響する。そのため、試薬ボトルを交換した際には流路を新しいボトルの試薬に入れ替えるプライム作業を行う必要がある。とりわけ、極々微小の濃度変化が分析値に大きな影響を与える内部標準液は、十分に試薬プライムを行うことが必要である。起電力は電解質濃度のみならず、例えば温度等によっても変動するため、検体での起電力に基づきイオン濃度を算出する際、電解質濃度が既知の内部標準液の起電力で補正する。したがって、内部標準液の試薬プライムが不十分であることにより内部標準液の濃度が本来の濃度と変わってしまっては、検体濃度の正確な計測も不可能になってしまう。
【0007】
内部標準液ボトル141を交換したときは、内部標準液用シリンジ131を用いて希釈槽110に内部標準液を吐出させる。その後、真空吸引ノズル106にて希釈槽110内の内部標準液を廃液タンク111へ流出させる。これを複数回繰り返すことにより、内部標準液の試薬プライムを行う。
【0008】
同様に、希釈液ボトル151を交換したときは、希釈液用シリンジ133を用いて希釈槽110に希釈液を吐出させる。その後、真空吸引ノズル106にて希釈槽110内の希釈液を廃液タンク111へ流出させる。これを複数回繰り返すことにより、希釈液の試薬プライムを行う。
【0009】
また、比較電極液ボトル161を交換したときは、ピンチ弁105を閉にし、切替え弁122を開にした後、シッパーシリンジ135を用いて比較電極液を廃液タンク111へ流出させる。これを複数回繰り返すことにより、比較電極液の試薬プライムを行う。
【0010】
従来装置では、それぞれの試薬ボトルから廃液までの流路が1系統であること及び、測定中に試薬プライムを行うとノイズを発生し電位測定に悪影響を及ぼすため、試薬プライムは、全分析を停止して行わなければならなかった。このため、プライム作業を実行している間は装置のダウンタイムとなり、実質的な分析スループットの低下原因となっていた。
【0011】
装置で使用する内部標準液や希釈液などの試薬は、例えば2Lのボトルで供給されるのが一般的である。試薬ボトルの交換タイミングは日々の測定内容に左右され、約1〜8時間毎に交換作業が発生していた。大規模検査センタでは多数の装置を並べて運用しており、試薬ボトル交換のタイムスケジュールに縛られていた。
【0012】
このように、従来装置では試薬ボトルを交換する際に全分析を停止して試薬プライムを行わなければならない。これに対して、本発明は、全分析を停止することなく試薬プライムを実施可能とし、装置の連続的稼働時間を延長できる電解質濃度測定装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例である電解質濃度測定装置は、イオン選択性電極と比較電極との間の電位を測定する電位測定部と、電位測定部で測定される電解液をイオン選択性電極の流路に導入するための希釈槽と、複数の試薬ボトルが接続可能とされ、希釈槽に試薬を供給する送液機構と、廃液タンクとを有し、送液機構は複数の試薬ボトルのそれぞれに対して、試薬の流れる方向を廃液タンクとする第1系統と試薬の流れる方向を希釈槽とする第2系統との間で切り換える第1の切換えバルブを備え、第1の切換えバルブにより、第1の試薬ボトルが第2系統とされている期間に、第2の試薬ボトルが第1系統とされ、第2の試薬ボトルが第2系統とされている期間に、第1の試薬ボトルが第1系統とされる。
【発明の効果】
【0014】
電解質濃度測定装置内に同種試薬のボトルを複数本設置し、分析を停止せずに試薬プライムを行うことができ、装置オペレーターは比較的自由なタイミングで試薬ボトルを交換できる。その結果、装置のダウンタイム及びオペレーターの負荷を大幅に低減することができる。
【0015】
それ以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来のフロー型電解質濃度測定装置の測定部のブロック図である。
図2A】実施例1のフロー型電解質濃度測定装置のブロック図である。
図2B】実施例1のフロー型電解質濃度測定装置において、試薬ボトルAの試薬プライム時の流路を示す図である。
図2C】実施例1のフロー型電解質濃度測定装置において、試薬ボトルBの試薬プライム時の流路を示す図である。
図3】電解質濃度測定のフローチャートである。
図4】電解質濃度測定時における試薬プライム可能なタイミングを説明する図である。
図5】試薬プライムのフローチャートである。
図6A】実施例2のフロー型電解質濃度測定装置のブロック図である。
図6B】実施例2のフロー型電解質濃度測定装置において、試薬ボトルAの試薬プライム時の流路を示す図である。
図6C】実施例2のフロー型電解質濃度測定装置において、試薬ボトルBの試薬プライム時の流路を示す図である。
図7】実施例2の変形例に係るフロー型電解質濃度測定装置のブロック図である。
図8A】実施例3のフロー型電解質濃度測定装置のブロック図である。
図8B】実施例3のフロー型電解質濃度測定装置において、試薬ボトルAの試薬プライム時の流路を示す図である。
図8C】実施例3のフロー型電解質濃度測定装置において、試薬ボトルBの試薬プライム時の流路を示す図である。
図9】実施例3の変形例に係るフロー型電解質濃度測定装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図中、同じ構成要素については同じ符号を付して、詳細な説明の繰り返しは省略する。また、以下の具体的な実施例は発明の理解のためのものであり、その記載によって限定的に解釈されるべきものではない。
【実施例1】
【0018】
図2Aは、実施例1に関わるフロー型電解質濃度測定装置200のブロック図である。電解質濃度測定装置200は測定部280、記録演算部181、出力部182、制御部183、入力部184を備えている。記録演算部181は、電位測定部171で計測した起電力に基づき試薬の濃度値等の測定を行う。制御部183は装置全体の制御を実行し、例えば検体の分注処理や、測定部280におけるシリンジ動作、電位測定部171による計測等を制御する。入力部184はキーボード、バーコードリーダ等であり、装置に対する制御、分析対象に関する情報の入力がなされる。出力部182はプリンタ、モニタ等であり、分析結果の出力や制御内容の設定等に用いられる。記録演算部181や、制御部183はPC(Personal Computer)のような計算機に実装される。
【0019】
図1の測定部180が各試薬ボトルと送液機構が1系統であったのに対して、図2Aの測定部280では各試薬ボトルと送液機構を複数系統備えており、各流路には試薬を流す方向を切換える切替えバルブを具備している。
【0020】
具体的には、内部標準液の系統として、内部標準液ボトルA141及びそれに接続される内部標準液用シリンジA131、内部標準液用ボトルB142及びそれに接続される内部標準液用シリンジB132、そして内部標準液の流れる方向を切換える切換えバルブ201、202、203、204を備えている。同様に、希釈液の系統として、希釈液ボトルA151及びそれに接続される希釈液用シリンジA133、希釈液用ボトルB152及びそれに接続される希釈液用シリンジB134、そして希釈液の流れる方向を切換える切換えバルブ205、206、207、208を備えている。同様に、比較電極液の系統として、比較電極液ボトルA161及びそれに接続される比較電極液用送液ポンプA221、比較電極液用ボトルB162及びそれに接続される比較電極液用ポンプB222、そして比較電極液の流れる方向を切換える切換えバルブ209、210、211、212を備えている。
【0021】
各試薬ボトルに対する試薬プライムについて図2B及び図2Cを用いて説明する。いずれの場合においても、試薬プライムの流れを太線で、測定用試薬の流れを破線で示すものとする。図2Bは、各試薬ボトルAの試薬プライム時の流路を纏めて示す図であり、図2Cは、各試薬ボトルBの試薬プライム時の流路を纏めて示す図である。いうまでもなく、図2B図2Cは各試薬の流路を纏めて示したに過ぎず、異なる試薬の流路が同時に用いられることを意味しない。具体的には、図2Bに示された1つの希釈槽110に対して、内部標準液と希釈液とを同時に吐出するような動作は現実的には行われない。
【0022】
まず、内部標準液ボトルA141の内部標準液をプライムし、内部標準液ボトルB142の内部標準液を測定に用いる場合を図2Bに示す。内部標準液ボトルA141の試薬プライムを行う場合、切替え弁204及び202を作動させ、内部標準液用シリンジA131から廃液タンク111への流路を開通し、内部標準液用シリンジA131を用いて内部標準液ボトルA141の内部標準液を通導させる。このとき、切替え弁201及び203を作動させ、内部標準液用シリンジB132から内部標準液供給ノズル109への流路を開通し、内部標準液用シリンジB132を用いて内部標準液ボトルB142の内部標準液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。
【0023】
これに対して、内部標準液ボトルB142の内部標準液をプライムし、内部標準液ボトルA141の内部標準液を測定に用いる場合を図2Cに示す。内部標準液ボトルB142の試薬プライムを行う場合、切替え弁201及び202を作動させ、内部標準液用シリンジB132から廃液タンク111への流路を開通し、内部標準液用シリンジB132を用いて内部標準液ボトルB142の内部標準液を通導させる。このとき、切替え弁203及び204を作動させ、内部標準液用シリンジA131から内部標準液供給ノズル109への流路を開通し、内部標準液用シリンジA131を用いて内部標準液ボトルA141の内部標準液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。
【0024】
続いて、希釈液の試薬プライムについて説明する。同様に、試薬プライムの流れを太線で、測定用試薬の流れを破線で示す。
【0025】
希釈液ボトルA151の希釈液をプライムし、希釈液ボトルB152の希釈液を測定に用いる場合を、図2Bに示す。希釈液ボトルA151の試薬プライムを行う場合、切替え弁207及び208を作動させ、希釈液用シリンジA133から廃液タンク111への流路を開通し、希釈液用シリンジA133を用いて希釈液ボトルA151の希釈液を通導させる。このとき、切替え弁205及び206を作動させ、希釈液用シリンジB134から希釈液供給ノズル108への流路を開通し、希釈液用シリンジB134を用いて希釈液ボトルB152の希釈液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。
【0026】
これに対して、希釈液ボトルB152の希釈液をプライムし、希釈液ボトルA151の希釈液を測定に用いる場合を図2Cに示す。希釈液ボトルB152の試薬プライムを行う場合、切替え弁206及び208を作動させ、希釈液用シリンジB134から廃液タンク111への流路を開通し、希釈液用シリンジB134を用いて希釈液ボトルB152の希釈液を通導させる。このとき、切替え弁205及び207を作動させ、希釈液用シリンジA133から希釈液供給ノズル108への流路を開通し、希釈液用シリンジA133を用いて希釈液ボトルA151の希釈液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。
【0027】
続いて、比較電極液の試薬プライムについて説明する。同様に、試薬プライムの流れを太線で、測定用試薬の流れを破線で示す。
【0028】
比較電極液ボトルA161の比較電極液をプライムし、比較電極液ボトルB162の比較電極液を測定に用いる場合を図2Bに示す。比較電極液ボトルA161の試薬プライムを行う場合、切替え弁212及び210を作動させ、比較電極液用送液ポンプA221から廃液タンク111への流路を開通し、比較電極液用送液ポンプA221を用いて比較電極液ボトルA161の比較電極液を通導させる。このとき、切替え弁209及び211を作動させ、比較電極液用送液ポンプB222から比較電極104への流路を開通し、シッパーシリンジ135を用いて比較電極液ボトルB162の比較電極液を比較電極104へ通導させて測定に用いる。
【0029】
これに対して、比較電極液ボトルB162の比較電極液をプライムし、比較電極液ボトルA161の比較電極液を測定に用いる場合を図2Cに示す。比較電極液ボトルB162の試薬プライムを行う場合、切替え弁209及び210を作動させ、比較電極用送液ポンプB222から廃液タンク111への流路を開通し、比較電極液用送液ポンプB222を用いて比較電極液ボトルB162の比較電極液を通導させる。このとき、切替え弁211及び212を作動させ、比較電極液用送液ポンプA221から比較電極104への流路を開通し、シッパーシリンジ135を用いて比較電極液ボトルA161の比較電極液を比較電極104へ通導させて測定に用いる。
【0030】
次に、試薬プライムのタイミングについて説明する。一般的な検体測定装置では、電解質濃度測定部、生化学的測定部および/または免疫学的測定部を備えている。検体測定に際しては、どの項目を測定するかを診断目的に応じて検体毎に選択し、装置へ検査依頼登録を行っている。したがって、一日の検体測定において、全ての検体で電解質濃度測定を行っているのではなく、生化学的測定および/または免疫学的検査を行っているが電解質濃度測定を行わない検体もある。
【0031】
そこで、試薬プライムを実行する第1のタイミングとして、上述のような検体測定の電解質項目の測定依頼が無い時期に試薬プライムを行う。そのようなタイミングでは電位測定を行っていないため、ノイズが発生しても測定に悪影響を及ぼさない。
【0032】
次に、電解質濃度測定のフローを図3に示す。電解質濃度測定時は、まず内部標準液で希釈槽の洗浄(S301)を行い、次に内部標準液の測定(S302)を行う。最後に希釈液で検体を希釈し、検体測定(S303)を行う。S301からS303を1検体測定サイクルとし、各検体において電解質項目の測定依頼がある毎に、本サイクルを繰り返すことで、電解質濃度測定を行っている。
【0033】
図4に、表401として図3の電解質濃度測定フローをもとに電解質濃度測定中に試薬プライム可能なタイミングを示す。希釈槽の洗浄時(S301)では電位測定を行わないため、ノイズが発生しても測定に悪影響を及ぼさず、内部標準液、希釈液、比較電極液のいずれについても試薬プライムが可能である。そこで、試薬プライムを実行する第2のタイミングとして、電解質項目の測定中において、希釈槽洗浄の時期に試薬プライムを行えるものとする。
【0034】
試薬プライム全体の流れについて、図5を用いて説明する。試薬プライムは制御部183により制御される。また、試薬プライムの開始は、操作者によって指示されてもよいが、各試薬ボトル内の試薬量をモニタする試薬量モニタ機構(図示せず)を設け、試薬ボトル切替えのタイミングを管理することが望ましい。試薬量をモニタするには、試薬ボトルの重量を計測する重量センサや、流路において気泡の発生を計測する気泡センサを用いることができる。制御部は、試薬量モニタ機構の検知結果に基づき、新しい試薬ボトルがセットされたことを認識でき、また試薬ボトル交換のタイミングを判断する。なお、試薬量モニタ機構を備えずとも分析回数やシリンジの動作履歴などから試薬の消費量を管理しても良い。
【0035】
まず、次試薬ボトルがあらかじめセットされる(S501)。制御部が新しい試薬ボトルがセットされたことを認識すると、次試薬ボトルの試薬プライムをタイミング1または/およびタイミング2にて行う。ここで、先に述べたように、タイミング1は検体測定において電解質項目の測定依頼が無いときであり、タイミング2は電解質項目の測定を行っているが、1検体測定サイクルの中で、内部標準液の測定及び検体測定を行っていないときである(S502)。一般に、流路が新しいボトルの試薬に適切に入れ替えられたことを保証するため、装置毎にシリンジまたはポンプの大きさや流路の容量に基づき、プライムを完了させるために必要なシリンジまたはポンプの動作回数(「プライム回数」という)が定められている。そのため、1回のタイミングでプライム回数が足りない場合は、複数タイミングに分けて試薬プライムを実施する(S503)。続いて、現在使用中の試薬ボトル中の試薬残量が少量になった場合、試薬プライム済みの次試薬ボトルに切り替える(S504)。次試薬ボトル切替え直後に、残流路分のプライムを行う(S505)。残流路分のプライムの方法は、図1に関連して説明したプライム方法と同じである。その後、空ボトルの廃棄(S506)を行い、最後に新ボトルのセット(S507)を行う。
【0036】
ボトル切替え直後に残流路分の試薬プライムを行うS505の動作を実施することで、試薬供給ノズルの先端まで、試薬プライムを行うことが可能である。本動作は、特に極々微小の濃度変化が分析値に大きな影響を与える内部標準液において、非常に有効な動作である。
【0037】
本実施例では各試薬流路に切替え弁を4つ備えた例を示したが、切替え弁の数及び設置位置は図示した例に限定されるものではない。
【実施例2】
【0038】
図6Aは、実施例2に関わるフロー型電解質濃度測定装置300のブロック図である。実施例1では内部標準液用シリンジ及び希釈液用シリンジを各2個ずつ備えていたが、実施例2の装置300は内部標準液用シリンジ及び希釈液用シリンジともに各1個を備えるものとし、各試薬流路を切換える切換えバルブはシリンジの手前に備えており、各試薬ボトルには送液ポンプを接続している。電解質濃度測定にあたっては流路に流す試薬の流量を精度よく制御するためシリンジを用いるが、試薬プライムの場合は測定時ほど厳密な流量制御は必要ない。このため、実施例2ではシリンジよりも安価なポンプを用いて試薬プライムを実行可能とするものである。
【0039】
具体的には、内部標準液の系統として、内部標準液ボトルA141および内部標準液送液ポンプA311、内部標準液ボトルB142および内部標準液送液ポンプB312、内部標準液の流れる方向を切換える切換えバルブ303、304、305、306および、内部標準液用シリンジ301を備えている。希釈液の系統としては、希釈液ボトルA151および希釈液送液ポンプA313、希釈液ボトルB152および希釈液送液ポンプ314、希釈液の流れる方向を切換える切換えバルブ307、308、309、310および、希釈液用シリンジ302を備えている。比較電極液の系統は、実施例1と同じである。
【0040】
各試薬ボトルに対する試薬プライムについて図6B及び図6Cを用いて説明する。いずれの場合においても、試薬プライムの流れを太線で、測定用試薬の流れを破線で示すものとする。図2B図2Cと同様に、図6Bは各試薬ボトルAの試薬プライム時の流路を纏めて示す図であり、図6Cは、各試薬ボトルBの試薬プライム時の流路を纏めて示す図である。なお、比較電極液の系統については実施例1と同じであるため、説明を省略する。
【0041】
まず、内部標準液ボトルA141の内部標準液をプライムし、内部標準液ボトルB142の内部標準液を測定に用いる場合を図6Bに示す。内部標準液ボトルA141の試薬プライムを行う場合、切替え弁306及び304を作動させ、内部標準液送液ポンプA311から廃液タンク111への流路を開通し、内部標準液送液ポンプA311を用いて内部標準液ボトルA141の内部標準液を通導させる。このとき、切替え弁303及び305を作動させ、内部標準液送液ポンプB312から内部標準液用シリンジ301を経て内部標準液供給ノズル109へ至る流路を開通し、内部標準液用シリンジ301を用いて内部標準液ボトルB142の内部標準液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。
【0042】
これに対して、内部標準液ボトルB142の内部標準液をプライムし、内部標準液ボトルA141の内部標準液を測定に用いる場合を図6Cに示す。内部標準液ボトルB142の試薬プライムを行う場合、切替え弁303及び304を作動させ、内部標準液送液ポンプB312から廃液タンク111への流路を開通し、内部標準液送液ポンプB312を用いて内部標準液ボトルB142の内部標準液を通導させる。このとき、切替え弁305及び306を作動させ、内部標準液送液ポンプA311から内部標準液用シリンジ301を経て内部標準液供給ノズル109へ至る流路を開通し、内部標準液用シリンジ301を用いて内部標準液ボトルA141の内部標準液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。
【0043】
続いて、希釈液の試薬プライムについて説明する。同様に、試薬プライムの流れを太線で、測定用試薬の流れを破線で示す。
【0044】
希釈液ボトルA151の希釈液をプライムし、希釈液ボトルB152の希釈液を測定に用いる場合を図6Bに示す。希釈液ボトルA151の試薬プライムを行う場合、切替え弁310及び308を作動させ、希釈液送液ポンプA313から廃液タンク111への流路を開通し、希釈液送液ポンプA313を用いて希釈液ボトルA151の希釈液を通導させる。このとき、切替え弁307及び309を作動させ、希釈液送液ポンプB314から希釈液用シリンジ302を経て希釈液供給ノズル108へ至る流路を開通し、希釈液用シリンジ302を用いて希釈液ボトルB152の希釈液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。
【0045】
これに対して、希釈液ボトルB152の希釈液をプライムし、希釈液ボトルA151の希釈液を測定に用いる場合を図6Cに示す。希釈液ボトルB152の試薬プライムを行う場合、切替え弁307及び308を作動させ、希釈液送液ポンプB314から廃液タンク111への流路を開通し、希釈液送液ポンプB314を用いて希釈液ボトルB152の希釈液を通導させる。このとき、切替え弁310及び309を作動させ、希釈液送液ポンプA313から希釈液用シリンジ302を経て希釈液供給ノズル108へ至る流路を開通し、希釈液用シリンジ302を用いて希釈液ボトルA151の希釈液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。
【0046】
試薬プライムのタイミング及び試薬プライムの全体の流れについては、実施例1と同じである。また、実施例1と同じく、ボトル切替え直後に残流路分の試薬プライムを行うという動作を実施することで、試薬供給ノズルの先端まで、試薬プライムを行うことができ、これは、極々微小の濃度変化が分析値に大きな影響を与える内部標準液において、非常に有効である。本実施例においても各試薬流路に切替え弁を4つ備えた例を示したが、切替え弁の数及び設置位置は問わない。
【0047】
本実施例の場合、内部標準液用シリンジおよび希釈液用シリンジが各1つでよいため、実施例1と比較して装置構造の単純化、低コスト化が可能となる。一方で、残流路分にシリンジが含まれる。このため、特に分析値に大きな影響を与える内部標準液においては、次試薬ボトル切り替え直後の残流路分のプライムにおいて、シリンジ内の試薬プライムを十分に行う必要がある。
【0048】
また、本実施例は各試薬流路に送液ポンプを備えているため、試薬を加圧して送液することができる。そのため、例えば高標高地で低圧環境下にさらされる場合においても、安定した送液が可能となる利点もある。
【0049】
変形例として、送液ポンプを1つとした構成を図7に示す。本変形例は、試薬ボトル毎に送液ポンプを設置するのではなく、廃液タンク111の直前に送液ポンプ315を設置するものである。本構成により、装置構造をより単純化することが可能となる。
【実施例3】
【0050】
図8Aは、実施例3に関わるフロー型電解質濃度測定装置400のブロック図である。実施例2では内部標準液及び希釈液ともに試薬ボトルに送液ポンプを接続していたのに対し、実施例3の装置400では送液ポンプを接続していない。さらに、各試薬流路を切換える切換えバルブがシリンジの手前に1系統およびシリンジの後に1系統備えている。
【0051】
具体的には、内部標準液の系統として、内部標準液ボトルA141、内部標準液用ボトルB142および内部標準液の流れる方向を切換える切換えバルブ401、402および、内部標準液用シリンジ301を備えている。希釈液の系統としては、希釈液ボトルA151、希釈液ボトルB152、希釈液の流れる方向を切換える切換えバルブ403、404および、希釈液用シリンジ302を備えている。比較電極液の系統は、実施例1および実施例2と同じである。
【0052】
各試薬ボトルに対する試薬プライムについて図8B及び図8Cを用いて説明する。いずれの場合においても、試薬プライムの流れを太線で、測定用試薬の流れを破線で、タイミングにより試薬プライムまたは測定用試薬両方の流れが生じる共用部を点線で示すものとする。図2B図2Cと同様に、図8Bは各試薬ボトルAの試薬プライム時の流路を纏めて示す図であり、図8Cは、各試薬ボトルBの試薬プライム時の流路を纏めて示す図である。なお、比較電極液の系統については実施例1及び実施例2と同じであるため、説明を省略する。
【0053】
まず、内部標準液ボトルA141の内部標準液をプライムし、内部標準液ボトルB142の内部標準液を測定に用いる場合を図8Bに示す。内部標準液ボトルA141の試薬プライムを行う場合、切替え弁401及び402を作動させ、内部標準液ボトルA141から内部標準液用シリンジ301を経て廃液タンク111へ至る流路を開通し、内部標準液用シリンジ301を用いて内部標準液ボトルA141の内部標準液を通導させる。このとき、測定に用いる内部標準液は、内部標準液Aの試薬プライムと全く同じタイミングでは通導できない。しかし、時間差で切替え弁401及び402を作動させ、内部標準液ボトルB142から内部標準液用シリンジ301を経て内部標準液供給ノズル109へ至る流路を開通し、内部標準液用シリンジ301を用いて内部標準液ボトルB142の内部標準液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。なお、測定を行う前に、切替え弁401及び402を作動させ、内部標準液ボトルB142から内部標準液用シリンジ301を経て廃液タンク111へ至る流路を開通し、内部標準液用シリンジ301を用いて内部標準液ボトルB142の内部標準液を通導させ、共用部について内部標準液ボトルB142による試薬プライムを行うことが望ましい。
【0054】
これに対して、内部標準液ボトルB142の内部標準液をプライムし、内部標準液ボトルA141の内部標準液を測定に用いる場合を図8Cに示す。内部標準液ボトルB142の試薬プライムを行う場合、切替え弁401及び402を作動させ、内部標準液ボトルB142から内部標準液用シリンジ301を経て廃液タンク111へ至る流路を開通し、内部標準液用シリンジ301を用いて内部標準液ボトルB142の内部標準液を通導させる。このとき、測定に用いる内部標準液は、内部標準液Bの試薬プライムと全く同じタイミングでは通導できない。しかし、時間差で切替え弁401及び402を作動させ、内部標準液ボトルA141から内部標準液用シリンジ301を経て内部標準液供給ノズル109へ至る流路を開通し、内部標準液用シリンジ301を用いて内部標準液ボトルA141の内部標準液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。なお、測定を行う前に、切替え弁401及び402を作動させ、内部標準液ボトルA141から内部標準液用シリンジ301を経て廃液タンク111へ至る流路を開通し、内部標準液用シリンジ301を用いて内部標準液ボトルA141の内部標準液を通導させ、共用部について内部標準液ボトルA141による試薬プライムを行うことが望ましい。
【0055】
続いて、希釈液の試薬プライムについて説明する。同様に、試薬プライムの流れを太線で、測定用試薬の流れを破線で、タイミングにより試薬プライムまたは測定用試薬両方の流れが生じる共用部を点線で示す。
【0056】
希釈液ボトルA151の希釈液をプライムし、希釈液ボトルB152の希釈液を測定に用いる場合を図8Bに示す。希釈液ボトルA151の試薬プライムを行う場合、切替え弁403及び404を作動させ、希釈液ボトルA151から希釈液用シリンジ302を経て廃液タンク111へ至る流路を開通し、希釈液用シリンジ302を用いて希釈液ボトルA151の希釈液を通導させる。このとき、測定に用いる希釈液は、希釈液Aの試薬プライムと全く同じタイミングでは通導できない。しかし、時間差で切替え弁403及び404を作動させ、希釈液ボトルB152から希釈液用シリンジ302を経て希釈液供給ノズル108へ至る流路を開通し、希釈液用シリンジ302を用いて希釈液ボトルB152の希釈液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。
【0057】
これに対して、希釈液ボトルB152の希釈液をプライムし、希釈液ボトルA151の希釈液を測定に用いる場合を図8Cに示す。希釈液ボトルB152の試薬プライムを行う場合、切替え弁403及び404を作動させ、希釈液ボトルB152から希釈液用シリンジ302を経て廃液タンク111へ至る流路を開通し、希釈液用シリンジ302を用いて希釈液ボトルB152の希釈液を通導させる。このとき、測定に用いる希釈液は、希釈液Bの試薬プライムと全く同じタイミングでは通導できない。しかし、時間差で切替え弁403及び404を作動させ、希釈液ボトルA151から希釈液用シリンジ302を経て希釈液供給ノズル108へ至る流路を開通し、希釈液用シリンジ302を用いて希釈液ボトルA151の希釈液を希釈槽110へ吐出して測定に用いる。
【0058】
希釈液の場合も測定を開始する前に、測定に用いる希釈液により共用部について試薬プライムを行うようにしてもよい。
【0059】
試薬プライムのタイミング及び試薬プライムの全体の流れについては、実施例1および実施例2と同じである。また、実施例1および実施例2と同じく、ボトル切替え直後に残流路分の試薬プライムを行うという動作を実施することで、試薬供給ノズルの先端まで、試薬プライムを行うことができ、これは、極々微小の濃度変化が分析値に大きな影響を与える内部標準液において、非常に有効である。本実施例では各試薬流路に切替え弁を2つ備えた例を示したが、切替え弁の数及び設置位置は問わない。
【0060】
本実施例では内部標準液用シリンジおよび希釈液用シリンジが各1つでよいため、実施例1と比較して装置構造を単純化することが可能となる。一方で、1つのシリンジを試薬プライム用と測定用とで共用使用するため、内部標準液においてはシリンジ内試薬の濃度変化が分析値に影響を与えてしまうというおそれがある。このため、次試薬ボトルの試薬プライムを行った後、測定を開始する前に、測定に用いる内部標準液により共用部(シリンジ含む)の試薬プライムを行うことが望ましい。
【0061】
次に、変形例として、内部標準液用シリンジを2つとした構成を図9に示す。これは、内部標準液の系統については実施例1を採用し、それ以外は実施例3を採用した変形例である。本変形例では、極々微小の濃度変化が測定値に大きな影響を与える内部標準液については、シリンジを2つ備えている。したがって、上述のようなシリンジ内試薬の濃度変化が分析値に影響を与えてしまうというおそれを大幅に解消でき、実施例1に比べて装置構成も単純化することができる。
【0062】
以上の実施例1、実施例2、実施例3では、同種の試薬ボトルは2本設置しているが、2本以上であってもよい。また、装置内で使う全種類の試薬でなく、一部の試薬のみに本発明を適用することもできる。
【0063】
各試薬流路のプライムに必要な試薬量については、例えば一律流路体積の3倍量としてもよい。あるいは、電解質濃度測定の特性を鑑み、極々微小の濃度変化が測定値に大きな影響を与える内部標準液は、流路体積の3倍量以上の試薬量で試薬プライムを行い、一方、極々微小な濃度変化は、測定値に大きな影響を与えない希釈液及び比較電極液は、内部標準液よりは少ない試薬量、例えば流路体積の3倍量未満の試薬量で試薬プライムを行う、というように定めてもよい。
【0064】
シリンジの駆動方法については、モーターによるものでもアクチュエータによるものでもよく、さらには1つの駆動原で複数のシリンジを動かしてもよい。
【0065】
試薬ボトルの交換については、オペレーターが手作業で交換してもよく、例えば回転テーブル方式などの空になった試薬ボトルを新たな試薬ボトルに交換可能な自動試薬ボトル交換機構を備えてもよい。
【0066】
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、本発明は全てのイオン種に適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
101・・・塩素イオン電極、102・・・カリウムイオン電極、103・・・ナトリウムイオン電極、104・・・比較電極、105・・・ピンチ弁、106・・・真空吸引ノズル、107・・・シッパーノズル、108・・・希釈液供給ノズル、109・・・内部標準液供給ノズル、110・・・希釈槽、111・・・廃液タンク、112・・・真空ポンプ、122、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、303、304、305、306、307、308、309、310、401、402、403、404・・・切替え弁、131・・・内部標準液用シリンジA、132・・・内部標準液用シリンジB、133・・・希釈液用シリンジA、134・・・希釈液用シリンジB、135・・・シッパーシリンジ、141・・・内部標準液ボトルA、142・・・内部標準液ボトルB、151・・・希釈液ボトルA、152・・・希釈液ボトルB、161・・・比較電極液ボトルA、162・・・比較電極液ボトルB、171・・・電位測定部、180、280、380、480・・・測定部、181・・・記録演算部、182・・・出力部、183・・・制御部、184・・・入力部、221・・・比較電極液送液ポンプA、222・・・比較電極液送液ポンプB、301・・・内部標準液用シリンジ、302・・・希釈液用シリンジ、311・・・内部標準液送液ポンプA、312・・・内部標準液送液ポンプB、313・・・希釈液送液ポンプA、314・・・希釈液送液ポンプB、315・・・ポンプ、200、300、400・・・電解質濃度測定装置。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9