(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板及び当該基板を囲むように配置されるリング部材の一方または両方を載置する載置面が設けられ、前記載置面を分割した各分割領域に温度を調整可能なヒーターがそれぞれ設けられた載置台と、
前記載置面に載置した前記基板に所定の基板処理を行った際の前記基板の所定の複数の測定点での臨界寸法を、各分割領域の前記ヒーターの温度をパラメータとして、前記測定点と当該測定点を含んだ分割領域以外の他の分割領域との距離に応じた前記他の分割領域の前記ヒーターの温度の影響を加味して予測する予測モデルを用いて、目標寸法に対する各測定点の臨界寸法の誤差の二乗和が最小となる各分割領域の前記ヒーターの温度を算出し、算出した各分割領域の温度をそれぞれ基準として各分割領域の前記ヒーターの温度を変化させて、各測定点の臨界寸法の最大値と最小値の差、又は各測定点の臨界寸法の偏差の二乗和が最も小さくなる各分割領域の前記ヒーターの目標温度を算出する算出部と、
前記載置面に載置した前記基板に対して基板処理を行う際に、各分割領域の前記ヒーターが算出部により算出された目標温度となるよう制御するヒーター制御部と、
を有することを特徴とする基板処理装置。
前記算出部は、前記測定点と当該測定点を含んだ分割領域に隣接する分割領域との距離に応じた隣接する分割領域の前記ヒーターの温度の影響を加味して予測する予測モデルを用いて、前記測定点の臨界寸法が所定条件を満たす各分割領域の前記ヒーターの目標温度を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
前記算出部は、算出した各分割領域の温度をそれぞれ基準として各分割領域の前記ヒーターの温度を変化させて、各測定点の臨界寸法の平均値が所定のスペックの範囲内で、各測定点の臨界寸法の最大値と最小値の差、又は各測定点の臨界寸法の偏差の二乗和が最も小さくなる各分割領域の前記ヒーターの目標温度を算出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の基板処理装置。
前記生成部は、前記測定点の臨界寸法を前記ヒーターの温度の一次関数でモデル化した第1の予測モデル及び前記測定点の臨界寸法を前記ヒーターの温度の二次以上の関数、又は、ヒーターの絶対温度の逆数の指数関数と定数の和でモデル化した第2の予測モデルを生成し、
前記算出部は、前記第1の予測モデルを用いて臨界寸法の誤差の二乗和が最小となる各分割領域の前記ヒーターの温度を算出し、算出した各分割領域の温度をそれぞれ基準として各分割領域の前記ヒーターの温度を変化させて、前記第2の予測モデルを用いて各測定点の臨界寸法の最大値と最小値の差が最も小さくなる各分割領域のヒーターの目標温度を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
前記基板の前記測定点の臨界寸法が最大となる最大点と臨界寸法が最小となる最小点とが同じ分割領域内に位置する場合、前記最大点と前記最小点が異なる分割領域に位置するように、前記載置面に対する前記基板の配置を制御する配置制御部
を更に有することを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載の基板処理装置。
基板及び当該基板を囲むように配置されるリング部材の一方または両方を載置する載置面が設けられ、前記載置面を分割した各分割領域に温度を調整可能なヒーターがそれぞれ設けられた載置台の前記載置面に載置した前記基板に所定の基板処理を行った際の前記基板の所定の複数の測定点での臨界寸法を、各分割領域の前記ヒーターの温度をパラメータとして、前記測定点と当該測定点を含んだ分割領域以外の他の分割領域との距離に応じた前記他の分割領域の前記ヒーターの温度の影響を加味して予測する予測モデルを用いて、目標寸法に対する各測定点の臨界寸法の誤差の二乗和が最小となる各分割領域の前記ヒーターの温度を算出し、算出した各分割領域の温度をそれぞれ基準として各分割領域の前記ヒーターの温度を変化させて、各測定点の臨界寸法の最大値と最小値の差、又は各測定点の臨界寸法の偏差の二乗和が最も小さくなる各分割領域の前記ヒーターの目標温度を算出し、
前記載置面に載置した前記基板に対して基板処理を行う際に、各分割領域の前記ヒーターが算出された目標温度となるよう制御する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする温度制御方法。
基板及び当該基板を囲むように配置されるリング部材の一方または両方を載置する載置面が設けられ、前記載置面を分割した各分割領域に温度を調整可能なヒーターがそれぞれ設けられた載置台の前記載置面に載置した前記基板に所定の基板処理を行った際の前記基板の所定の複数の測定点での臨界寸法を、各分割領域の前記ヒーターの温度をパラメータとして、前記測定点と当該測定点を含んだ分割領域以外の他の分割領域との距離に応じた前記他の分割領域の前記ヒーターの温度の影響を加味して予測する予測モデルを用いて、目標寸法に対する各測定点の臨界寸法の誤差の二乗和が最小となる各分割領域の前記ヒーターの温度を算出し、算出した各分割領域の温度をそれぞれ基準として各分割領域の前記ヒーターの温度を変化させて、各測定点の臨界寸法の最大値と最小値の差、又は各測定点の臨界寸法の偏差の二乗和が最も小さくなる各分割領域の前記ヒーターの目標温度を算出し、
前記載置面に載置した前記基板に対して基板処理を行う際に、各分割領域の前記ヒーターが算出された目標温度となるよう制御する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする温度制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本願の開示する基板処理装置、温度制御方法及び温度制御プログラムの実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付すこととする。また、本実施形態により開示する発明が限定されるものではない。各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0011】
(第1実施形態)
[基板処理システムの構成]
最初に、実施形態に係る基板処理システムの概略構成について説明する。基板処理システムは、ウエハ等の基板に対して所定の基板処理を行うシステムである。本実施形態では、基板に対して、基板処理として、プラズマエッチングを行う場合を例に説明する。
図1は、一実施形態に係る基板処理システムの概略構成図である。基板処理システム1は、基板処理装置10と、計測装置11とを有する。基板処理装置10と計測装置11との間は、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続される。ネットワークNには、有線または無線を問わず、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。
【0012】
基板処理装置10は、基板に対して所定の基板処理を行う装置である。本実施形態では、基板処理装置10は、基板として半導体ウエハ(以下、「ウエハ」と称す。)に対してプラズマエッチングを行う。
【0013】
計測装置11は、基板処理装置10により基板処理が行われた基板の所定の位置を測定点として、測定点での臨界寸法(Critical Dimension)を計測する装置である。本実施形態では、計測装置11は、臨界寸法として、測定点でのパターンの幅を計測する。以下では、臨界寸法を「CD」とも称する。CDを計測する測定点は、ウエハの異なる位置に複数設けられている。計測装置11は、各測定点でそれぞれパターンの幅を計測する。計測装置11は、基板の欠陥を検査する検査装置であってもよい。計測装置11は、計測した各測定点のCDのデータを基板処理装置10へ送信する。
【0014】
基板処理装置10は、ウエハを載置する載置面が複数の分割領域に分割されており、計測装置11から受信した各測定点のCDのデータに基づいて、ウエハの各測定点のCDが所定条件を満たすように各分割領域の温度を調整する制御を行う。
【0015】
[基板処理装置の構成]
次に、基板処理装置10の構成について説明する。
図2は、一実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。
図2には、一実施形態に係る基板処理装置10の縦断面における構造が概略的に示されている。
図2に示す基板処理装置10は、容量結合型平行平板プラズマエッチング装置である。この基板処理装置10は、略円筒状の処理容器12を備えている。処理容器12は、例えば、アルミニウムから構成されている。また、処理容器12の表面は、陽極酸化処理が施されている。
【0016】
処理容器12内には、載置台16が設けられている。載置台16は、支持部材18及び基台20を含んでいる。支持部材18の上面は、基板処理の対象となる基板が載置される載置面とされている。本実施形態では、プラズマエッチングの処理対象となるウエハWが支持部材18の上面に載置される。基台20は、略円盤形状を有しており、その主部において、例えばアルミニウムといった導電性の金属から構成されている。この基台20は、下部電極を構成している。基台20は、支持部14によって支持されている。支持部14は、処理容器12の底部から延びる円筒状の部材である。
【0017】
基台20には、整合器MU1を介して第1の高周波電源HFSが電気的に接続されている。第1の高周波電源HFSは、プラズマ生成用の高周波電力を発生する電源であり、27〜100MHzの周波数、一例においては40MHzの高周波電力を発生する。整合器MU1は、第1の高周波電源HFSの出力インピーダンスと負荷側(基台20側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。
【0018】
また、基台20には、整合器MU2を介して第2の高周波電源LFSが電気的に接続されている。第2の高周波電源LFSは、ウエハWにイオンを引き込むための高周波電力(高周波バイアス電力)を発生して、当該高周波バイアス電力を基台20に供給する。高周波バイアス電力の周波数は、400kHz〜13.56MHzの範囲内の周波数であり、一例においては3MHzである。整合器MU2は、第2の高周波電源LFSの出力インピーダンスと負荷側(基台20側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。
【0019】
基台20上には、支持部材18が設けられている。一実施形態においては、支持部材18は、静電チャックである。支持部材18は、クーロン力等の静電力によりウエハWを吸着し、当該ウエハWを保持する。支持部材18は、セラミック製の本体部内に静電吸着用の電極E1を有している。電極E1には、スイッチSW1を介して直流電源22が電気的に接続されている。
【0020】
基台20の上面の上、且つ、支持部材18の周囲には、ウエハWを囲むようにリング部材が配置される。例えば、基台20の上面の上、且つ、支持部材18の周囲には、リング部材として、フォーカスリングFRが設けられている。フォーカスリングFRは、プラズマ処理の均一性を向上させるために設けられている。フォーカスリングFRは、実行すべきプラズマ処理に応じて適宜選択される材料から構成されており、例えば、シリコン、又は石英から構成され得る。
【0021】
基台20の内部には、冷媒流路24が形成されている。冷媒流路24には、処理容器12の外部に設けられたチラーユニットから配管26aを介して冷媒が供給される。冷媒流路24に供給された冷媒は、配管26bを介してチラーユニットに戻るようになっている。なお、この基台20及び支持部材18を含む載置台16の詳細については、後述する。
【0022】
処理容器12内には、上部電極30が設けられている。この上部電極30は、載置台16の上方において、基台20と対向配置されており、基台20と上部電極30とは、互いに略平行に設けられている。
【0023】
上部電極30は、絶縁性遮蔽部材32を介して、処理容器12の上部に支持されている。上部電極30は、電極板34及び電極支持体36を含み得る。電極板34は、処理空間Sに面しており、複数のガス吐出孔34aを提供している。この電極板34は、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体又は半導体から構成され得る。
【0024】
電極支持体36は、電極板34を着脱自在に支持するものであり、例えばアルミニウムといった導電性材料から構成され得る。この電極支持体36は、水冷構造を有し得る。電極支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。このガス拡散室36aからは、ガス吐出孔34aに連通する複数のガス通流孔36bが下方に延びている。また、電極支持体36にはガス拡散室36aに処理ガスを導くガス導入口36cが形成されており、このガス導入口36cには、ガス供給管38が接続されている。
【0025】
ガス供給管38には、バルブ群42及び流量制御器群44を介してガスソース群40が接続されている。バルブ群42は複数の開閉バルブを有しており、流量制御器群44はマスフローコントローラといった複数の流量制御器を有している。また、ガスソース群40は、プラズマ処理に必要な複数種のガス用のガスソースを有している。ガスソース群40の複数のガスソースは、対応の開閉バルブ及び対応のマスフローコントローラを介してガス供給管38に接続されている。
【0026】
基板処理装置10では、ガスソース群40の複数のガスソースのうち選択された一以上のガスソースからの一以上のガスが、ガス供給管38に供給される。ガス供給管38に供給されたガスは、ガス拡散室36aに至り、ガス通流孔36b及びガス吐出孔34aを介して処理空間Sに吐出される。
【0027】
また、
図2に示すように、基板処理装置10は、接地導体12aを更に備え得る。接地導体12aは、略円筒状の接地導体であり、処理容器12の側壁から上部電極30の高さ位置よりも上方に延びるように設けられている。
【0028】
また、基板処理装置10では、処理容器12の内壁に沿ってデポシールド46が着脱自在に設けられている。また、デポシールド46は、支持部14の外周にも設けられている。デポシールド46は、処理容器12にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止するものであり、アルミニウム材にY2O3等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。
【0029】
処理容器12の底部側においては、支持部14と処理容器12の内壁との間に排気プレート48が設けられている。排気プレート48は、例えば、アルミニウム材にY2O3等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。この排気プレート48の下方において処理容器12には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、処理容器12内を所望の真空度まで減圧することができる。また、処理容器12の側壁にはウエハWの搬入出口12gが設けられており、この搬入出口12gはゲートバルブ54により開閉可能となっている。
【0030】
上記のように構成された基板処理装置10は、制御部100によって、その動作が統括的に制御される。この制御部100は、例えば、コンピュータであり、基板処理装置10の各部を制御する。基板処理装置10は、制御部100によって、その動作が統括的に制御される。
【0031】
[載置台の構成]
次に、載置台16について詳細に説明する。
図3は、一実施形態に係る載置台を示す平面図である。上述したように載置台16は、支持部材18及び基台20を有している。支持部材18は、セラミック製の本体部18mを有している。本体部18mは、略円盤形状を有している。本体部18mは、載置領域18a及び外周領域18bを提供している。載置領域18aは、平面視において略円形の領域である。この載置領域18aの上面上には、ウエハWが載置される。また、載置領域18aの直径は、ウエハWと略同一の直径であるか、或いは、ウエハWの直径よりも若干小さくなっている。外周領域18bは、この載置領域18aを囲む領域であり、略環状に延在している。一実施形態では、外周領域18bの上面は、載置領域18aの上面より低い位置にある。
【0032】
上述したように、一実施形態では、支持部材18は、静電チャックである。この実施形態の支持部材18は、載置領域18a内に静電吸着用の電極E1を有している。この電極E1は、上述したように、スイッチSW1を介して直流電源22に接続されている。
【0033】
また、載置領域18a内、且つ、電極E1の下方には、複数のヒーターHTが設けられている。一実施形態では、載置領域18aは、複数の分割領域に分割され、それぞれの分割領域にヒーターHTが設けられている。例えば、
図3に示すように、載置領域18aの中央の円形領域内、及び、当該円形領域を囲む同心状の複数の環状領域に、複数のヒーターHTが設けられている。また、複数の環状領域のそれぞれにおいては、複数のヒーターHTが周方向に配列されている。なお、
図3に示す分割領域の分割手法は、一例であり、これに限定されるものではない。載置領域18aは、より多くの分割領域に分割してもよい。例えば、載置領域18aは、外周に近いほど、角度幅が小さく、径方向の幅が狭い分割領域に分割してもよい。ヒーターHTは、基台20の外周部分に設けられた不図示の配線を介して、
図2に示す、ヒーター電源HPに個別に接続されている。各ヒーターHTには、ヒーター電源HPから個別に調整された電力が供給される。これにより、各ヒーターHTが発する熱が個別に制御され、載置領域18a内の複数の分割領域の温度が個別に調整される。ウエハWのCDを計測する測定点は、ヒーターHTが設けられた分割領域に少なくとも1つ設けている。
【0034】
[制御部の構成]
次に、制御部100について詳細に説明する。
図4は、一実施形態に係る基板処理装置を制御する制御部の概略的な構成を示したブロック図である。制御部100は、通信インターフェース101と、プロセスコントローラ102と、ユーザインターフェース103と、記憶部104とが設けられている。
【0035】
通信インターフェース101は、ネットワークNを介して計測装置11と通信可能とされ、計測装置11と各種のデータを送受信する。例えば、通信インターフェース101は、計測装置11から送信されたCDのデータを受信する。
【0036】
プロセスコントローラ102は、CPU(Central Processing Unit)を備え基板処理装置10の各部を制御する。
【0037】
ユーザインターフェース103は、工程管理者が基板処理装置10を管理するためにコマンドの入力操作を行うキーボードや、基板処理装置10の稼動状況を可視化して表示するディスプレイ等から構成されている。
【0038】
記憶部104には、基板処理装置10で実行される各種処理をプロセスコントローラ102の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や、処理条件データ等が記憶されたレシピが格納されている。なお、制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータで読み取り可能なコンピュータ記録媒体(例えば、ハードディスク、DVDなどの光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等)などに格納された状態のものを利用したり、或いは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
【0039】
プロセスコントローラ102は、プログラムやデータを格納するための内部メモリを有し、記憶部104に記憶された制御プログラムを読み出し、読み出した制御プログラムの処理を実行する。プロセスコントローラ102は、制御プログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、プロセスコントローラ102は、生成部102aと、算出部102bと、プラズマ制御部102cと、ヒーター制御部102dの機能を有する。なお、本実施形態に係る基板処理装置10では、プロセスコントローラ102が、生成部102a、算出部102b、プラズマ制御部102c及びヒーター制御部102dの機能を有する場合を例に説明するが、生成部102a、算出部102b、プラズマ制御部102c及びヒーター制御部102dの機能を複数のコントローラで分散して実現してもよい。
【0040】
ところで、プラズマエッチングなどの基板処理では、ウエハW全面でのCDのレンジ(CDの最大値とCDの最小値の差)が小さく、かつ、CDの平均値が目標値に近いことが望まれている。一方、基板処理では、ウエハWの温度によって処理の進行が変化する。例えば、プラズマエッチングでは、ウエハWの温度によってエッチングの進行速度が変化する。そこで、本実施形態に係る基板処理装置10では、各ヒーターHTの温度をパラメータとして、ウエハWの所定の測定点での臨界寸法を予測する予測モデルを用いて、ウエハWの全面のCDのレンジがより小さく、及び、CDの平均値が目標値に近い状況を実現する。
【0041】
ここで、予測モデルについて説明する。本実施形態では、測定点の臨界寸法を各ヒーターHTの温度の一次関数でモデル化した予測モデルについて説明する。
【0042】
各分割領域の隣接する分割領域との境界付近は、隣接する分割領域の影響も受けて温度が変化する。測定点に対する隣接する分割領域のヒーターHTの温度の影響を加味した場合、各測定点の温度は、ヒーターHTの温度Tをパラメータとして以下の式(1)のように表せる。
【0044】
ここで、iは、測定点を含むヒーターHTが設けられた分割領域の番号である。jは、ヒーターHTが設けられた分割領域に含まれる測定点の番号である。T
iは、番号iの分割領域の温度を表す。δT
i,jは、番号iの分割領域内の測定点jの温度とT
iとの温度差を表す。この温度差は隣接した分割領域からの熱の影響により生じる。δT
i,jは、測定点の隣接する分割領域からの距離によっても変化する。
【0045】
δT
i,jは、次のように求める。隣接する2つの分割領域のヒーターHTの温度を変えた状態として、赤外線サーモグラフィにより分割領域の温度分布を計測する。分割領域の温度分布は、事前に少なくとも1回求めていればよい。また、分割領域の温度分布は、基板処理装置10を用いて計測する必要は無く、載置台16と同様の構成とした計測用の載置台を用いて計測してもよい。例えば、載置台16と同様の部品よる計測用の載置台を用いて計測してもよい。
図5は、温度分布の一例を示す図である。
図5に示す載置台16は、ウエハWを載置する載置領域18aが分割領域19a、19b、19c、19dに分割されている。
図5の(A)には、内側の分割領域19aと分割領域19b、19c、19dとでヒーターHTの温度を変えた場合の赤外線サーモグラフィの画像が示されている。
図5の(B)には、分割領域19a、19bの境界をゼロとして、境界からの距離dに対する温度の変化を示したグラフが示さている。
図5の(B)の例では、分割領域19aの温度が29.5℃とされ、分割領域19b、19cの温度が34℃とされている。
図5の(B)に示すように、分割領域19bの分割領域19aとの境界付近の温度は、分割領域19aの影響を受けて34℃とならず、分割領域19aからの距離によっても温度が変化している。
【0046】
例えば、隣り合う2つの分割領域19を分割領域19−1、分割領域19−2とし、分割領域19−1の温度をT
1-1とし、分割領域19−2の温度をT
2-1とした場合、分割領域19−2の境界からの距離dの位置の温度Tは、以下の式(2)のように近似式で表せる。
【0048】
ここで、λは、温度の変化のグラフを近似するための定数である。例えば、
図5の(B)の温度の変化のグラフを近似する場合、λは、7.2mmとなる。
【0049】
式(1)は、δT
i,jを式(2)で表した場合、以下の式(3)のように表せる。
【0051】
ここで、kは、i番目の分割領域に隣接する分割領域の番号である。d
i,j,kは、i番目の分割領域のj番目の測定点に対する隣接するk番目の分割領域からの距離である。測定点の位置は、事前に定まっているので、d
i,j,kは、それぞれ事前に求めることができる。λ
i,j,kは、i番目の分割領域のj番目の測定点に対する隣接するk番目の分割領域の影響を表す定数である。隣接する分割領域の影響を同じものとする場合、λ
i,j,kは、全て同じ値としてもよい。例えば、
図5の(B)の測定結果を用いる場合、λ
i,j,kは、全て7.2mmとなる。
【0052】
図6は、分割領域の関係を説明する図である。
図6では、分割領域19l〜19tが示されている。分割領域19pは、分割領域19l〜19o、19sが隣接している。また、分割領域19pには、測定点21が含まれている。分割領域19pの番号をiとした場合、分割領域19l〜19o、19sの番号がkとなる。また、d
i,j,kは、
図6において矢印に示すような測定点21と分割領域19l〜19o、19sとの距離となる。
【0053】
次に、予測モデルの生成に用いるデータを得るため、基板処理装置10は、各ヒーターHTを制御して、各分割領域の温度を数水準振り、それぞれの温度でウエハWを交換して、各ウエハWに対して実際に実施するプラズマエッチングを個別に実施する。例えば、基板処理装置10は、各ヒーターHTを3つ以上の温度に制御して、それぞれの温度でウエハWを交換して、実際に実施するプラズマエッチングを個別に実施する。一例として、基板処理装置10は、各ヒーターHTを50℃として、ウエハWに対してプラズマエッチングを実施する。また、基板処理装置10は、各ヒーターHTを55℃として、ウエハWに対してプラズマエッチングを実施する。また、基板処理装置10は、各ヒーターHTを45℃として、ウエハWに対してプラズマエッチングを実施する。なお、予測モデルの生成に用いるデータを得る際、各分割領域の温度は、全ての分割領域で必ずしも共通しなくてもよい。すなわち、一部の分割領域は、他の分割領域と温度が異なっていてもよい。例えば、載置領域18aの中央付近の分割領域と載置領域18aの外周付近の分割領域とで温度が異なっていてもよい。
【0054】
各温度でプラズマエッチングが実施された各ウエハWは、それぞれ計測装置11へ搬送される。計測装置11は、搬送された各ウエハWについて、所定位置を測定点として、測定点のCDを計測する。例えば、計測装置11は、各ヒーターHTを45℃、50℃、55℃の3つの温度としてプラズマエッチングが実施された各ウエハWの各測定点のCDを計測する。計測装置11は、計測した各測定点のCDのデータを基板処理装置10へ送信する。
【0055】
各ヒーターHTの温度Tの一次関数で測定点のCDを予測する場合、各測定点のCDは、ヒーターHTの温度Tをパラメータとして以下の式(4−1)のように表せる。
【0057】
ここで、iは、測定点を含むヒーターHTが設けられた分割領域の番号である。例えば、ヒーターHTが設けられた分割領域には、順に番号iを付与する。jは、ヒーターHTが設けられた分割領域に含まれる測定点の番号である。例えば、ヒーターHTが設けられた分割領域毎に、測定点には、順に番号jを付与する。CD
i,jは、番号iの分割領域に含まれる番号jの測定点のCDの値を表す。T
iは、番号iの分割領域の温度を表す。T
i,jは、番号iの分割領域の番号jの測定点の温度を表す。A
11_i,jは、番号iの分割領域に含まれる番号jの測定点のCDの値を温度T
i,jから求めるための一次関数の係数である。T
i_aは、CDを計測した3つ以上の番号iの分割領域の温度の平均温度を表す。例えば、45℃、50℃、55℃の3つの温度でCDを計測した場合、T
i_aは、50℃となる。T
i,j_aは、番号iの分割領域の番号jの測定点のCDを計測した3つ以上の温度の平均温度を表す。A
10_i,jは、番号iの分割領域に含まれる番号jの測定点の3つ以上の温度でそれぞれ測定されたCDの平均値を表す。
【0058】
式(4−1)は、式(4−2)のように表せ、温度τ
lを以下の式(5−2)のように表し、a
i,j,lを以下の式(5−3)のように表した場合、以下の式(5−1)のように表せる。
【0060】
ここで、lは、ヒーターHTが設けられた分割領域の番号である。例えば、ヒーターHTが設けられた分割領域が20個ある場合、l=1〜20となる。
【0061】
予測モデルの生成を行う場合、基板処理装置10は、各ヒーターHTを制御して、各分割領域の温度を数水準振り、それぞれの温度でウエハWを交換して、実際に実施するプラズマエッチングを個別に実施する。例えば、基板処理装置10は、各ヒーターHTを3つ以上の温度に制御して、それぞれの温度でウエハWを交換して、実際に実施するプラズマエッチングを個別に実施する。一例として、基板処理装置10は、各ヒーターHTを50℃として、ウエハWに対してプラズマエッチング処理を実施する。また、基板処理装置10は、各ヒーターHTを55℃として、ウエハWに対してプラズマエッチング処理を実施する。また、基板処理装置10は、各ヒーターHTを45℃として、ウエハWに対してプラズマエッチング処理を実施する。
【0062】
そして、各温度でプラズマエッチング処理が実施された各ウエハWをそれぞれ計測装置11へ移動させ、ウエハWの所定位置を測定点として、計測装置11で測定点のCDを計測する。すなわち、各ヒーターHTを45℃、50℃、55℃の3つの温度としてプラズマエッチング処理が実施された各ウエハWの各測定点のCDを計測する。計測装置11は、計測した各測定点のCDのデータを基板処理装置10へ送信する。
【0063】
生成部102aは、受信したCDのデータから予測モデルを生成する。例えば、生成部102aは、計測装置11から受信した、各ヒーターHTを45℃、50℃、55℃の3つの温度としてプラズマエッチング処理が実施された各ウエハWの測定点のCDのデータに基づき、各測定点のCDと各ヒーターHTの温度を用いて、フィッティングを行って係数A
11_i,jの値を求める。
【0064】
係数A
11_i,jの値が求まると、上述の式(5−3)から係数a
i,j,lが求まり、上述の式(5−1)を用いて、温度τ
lからCD
i,jを算出できる。
【0065】
生成部102aは、求めた係数A
11_i,jの値を式(5−3)に代入して、係数a
i,j,lを求め、予測モデルとして、求めた係数a
i,j,lを代入した式(5−1)を生成する。
【0066】
算出部102bは、生成部102aにより生成された予測モデルを用いて、測定点のCDが所定条件を満たす各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出する。例えば、算出部102bは、予測モデルを用いて、目標値μに対する各測定点のCDの誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度を算出する。
【0067】
誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度の算出の手法を具体的に説明する。
【0068】
上述の式(5−1)は、以下の式(6)のように表せる。
【0070】
ここで、mは、測定点を識別する番号である。例えば、測定点が400個ある場合、mは、1〜400まである。式(5−1)では、測定点に対して、分割領域ごとに、順に番号を付与していたが、式(6)では、全ての分割領域の測定点に対して、順に番号mを付与している。nは、ヒーターHTが設けられた分割領域の番号である。CD
mは、CD
i,jに対応しており、番号mの測定点のCDを表す。τ
nは、τ
lに対応しており、番号nの分割領域のヒーターHTの温度を表す。a
m,nは、a
i,j,lに対応しており、係数を表す。A
10_mは、A
10_i,jに対応しており、番号mの測定点の3つ以上の温度でそれぞれ測定されたCDの平均値を表す。
【0071】
プラズマエッチングなどの基板処理では、ウエハW全面でのCDのレンジが小さく、かつ、CDの平均値が目標寸法とされた目標値に近いことが好ましい。そこで、全ての測定点に対して、CD
mがほぼ目標値μ(CD
m≒μ)となる各分割領域のヒーターHTの温度をT
*nとする。上述の式(5−2)から、τ
*nは、以下の式(7)の関係があるものとする。
【0073】
各測定点のCDには、基板処理以前での各測定点のCDのばらつきや、基板処理の影響などにより、目標値μに対して誤差がある場合がある。このため、各分割領域のヒーターHTの温度をτ
*nとした場合の各測定点のCD
mは、以下の式(8)のように表せる。
【0075】
ここで、ε
mは、番号mの測定点における目標値μに対するCDの誤差である。
【0076】
式(8)から、各測定点の誤差の二乗和は、以下の式(9)のように表せる。
【0078】
式(9)に示す誤差の二乗和が最小となる点は、極小値となる点である。極小値では、式(9)が以下の式(10−1)を満たし、式(10−1)から式(10−2)を満たす。
【0080】
式(10−2)は、x
l,nを式(11−2)で表し、y
lを式(11−3)で表した場合、以下の式(11−1)のように表せる。例えば、測定点が400個ある場合、式(11−2)及び式(11−3)では、mを1〜400とした総和を求める。
【0082】
ここで、lは、ヒーターHTが設けられた分割領域の番号である。例えば、ヒーターHTが設けられた分割領域が20個ある場合、l=1〜20となる。
【0083】
この式(11−1)は、以下の式(12)のように行列の計算として表せる。
【0085】
式(12)に示す行列は、逆行列を求めることで、以下の式(13)の行列に変換できる。
【0087】
行列のx
l,nは、a
m,l及び、a
m,lに対応するa
i,j,lを式(11−2)に代入することで算出できる。行列のy
lも、a
m,lに対応するa
i,j,l、A
10_mに対応するA
10_i,jを式(11−3)に代入することで算出できる。
【0088】
算出部102bは、式(13)の行列を解くことにより、誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nを算出する。
【0089】
ところで、誤差の二乗和が最小となっても、CDのレンジは、小さくない場合がある。
図7は、誤差の二乗和とレンジの関係の一例を説明する図である。
図7の横軸は、測定点の番号である。
図7の縦軸は、測定点でのCDである。各測定点での誤差は、目標値μとCDとの差である。誤差の二乗和を最小にする場合、各測定点での誤差が全体として小さくなればよい。このため、例えば、
図7の示すように、1つの測定点で目標値μに対して誤差が大きくても、他の多数の測定点で目標値μに対して誤差が小さい場合、誤差の二乗和は、小さくなる。一方、CDのレンジは、CDの最大値とCDの最小値の差である。
図7の例の場合、CDのレンジは、小さくはない。
【0090】
しかし、CDのレンジと、誤差の分散には、強い正の相関関係がある。CDのレンジが最小となる各分割領域のヒーターHTの温度は、誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nの周辺にあると考えられる。
【0091】
そこで、算出部102bは、誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nをそれぞれ基準として、各分割領域のヒーターHTの温度T
nを変化させて、各測定点のCDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出する。例えば、算出部102bは、各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nをそれぞれ基準として、ヒーターHTの温度を個別にプラスとマイナスに所定の温度だけ変化させて各測定点のCDを算出し、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの温度の組み合わせを特定する。所定の温度は、固定値でもよく、処理条件に応じて変化してもよく、外部装置から設定可能としてもよい。本実施形態では、所定の温度を1度とする。算出部102bは、特定した各分割領域のヒーターHTの温度の組み合わせについて、各分割領域のヒーターHTの温度に個別に乱数を加えた値を初期値として、例えば、GRG法(Generalized Reduced Gradient method)を用いて、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出する。なお、算出部102bは、特定した各分割領域のヒーターHTの温度の組み合わせについて、各分割領域のヒーターHTの温度を所定の温度よりも小さい温度幅でランダム、又は、所定の規則で変化させて各測定点のCDを算出することを繰り返して、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出してもよい。
【0092】
プラズマ制御部102cは、基板処理装置10の各部を制御して、プラズマ処理を制御する。例えば、プラズマ制御部102cは、実施するプラズマエッチングに応じたレシピ等を記憶部104から読み出し、読み出したレシピ等に基づいて、基板処理装置10の各部を制御する。
【0093】
ヒーター制御部102dは、プラズマ制御部102cの制御により、載置台16の載置領域18aに載置したウエハWに対してプラズマエッチングを行う際に、各分割領域のヒーターHTが算出部102bにより算出された目標温度となるよう制御する。例えば、ヒーター制御部102dは、各ヒーターHTに、それぞれの目標温度に応じた電力が供給されるようヒーター電源HPを制御する。
【0094】
プラズマエッチングが実施されたウエハWは、計測装置11へ搬送される。計測装置11は、搬送されたウエハWの測定点のCDを計測し、計測したCDのデータを基板処理装置10へ送信する。
【0095】
算出部102bは、計測装置11から受信したCDのデータからCDのレンジが許容範囲以内であるか判定し、CDのレンジが許容範囲以内ではない場合、予測モデルの補正を行う。例えば、算出部102bは、各測定点のCD−目標値μの値を、それぞれの予測モデルの各測定点の関数に加えて、再度、誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nを算出する。そして、算出部102bは、誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nをそれぞれ基準として、各分割領域のヒーターHTの温度T
nを変化させて、各測定点のCDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出する。本実施形態に係る基板処理装置10では、算出された各分割領域のヒーターHTの目標温度でウエハWに対してプラズマエッチングを実施した結果、ウエハWの測定点のCDのレンジが許容値以内では無い場合、予測モデルの再生成を行う。
【0096】
[温度制御の流れ]
次に、第1実施形態に係る基板処理装置10を用いた温度制御方法について説明する。
図8は、第1実施形態に係る温度制御方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【0097】
生成部102aは、エラーフラグEFを0に初期化する(ステップS10)。生成部102aは、各ヒーターHTの温度をパラメータとして、測定点と当該測定点を含んだ分割領域に隣接する分割領域との距離に応じた隣接する分割領域のヒーターHTの温度の影響を加味して、測定点の温度を予測する関数を求める(ステップS11)。本実施形態では、生成部102aは、各ヒーターHTの温度Tの一次関数で測定点のCDを予測する関数を求める。例えば、生成部102aは、式(5−1)、式(5−2)、式(5−3)を求める。
【0098】
生成部102aは、各分割領域のヒーターHTを数水準振ってプラズマエッチングを行ったウエハWの測定点のCDをそれぞれ測定したデータを取得する(ステップS12)。例えば、基板処理装置10は、各ヒーターHTを制御して、各分割領域の温度を数水準振り、それぞれの温度でウエハWを交換して、実際に実施するプラズマエッチングを個別に実施する。各温度でプラズマエッチング処理が実施された各ウエハWをそれぞれ計測装置11へ移動させ、ウエハWの所定位置を測定点として、計測装置11で測定点のCDを計測する。計測装置11は、計測した各測定点のCDのデータを基板処理装置10へ送信する。生成部102aは、計測装置11から計測された各測定点のCDのデータを受信することにより、各分割領域のヒーターHTを数水準振ってプラズマエッチングを行ったウエハWの測定点のCDをそれぞれ測定したデータを取得する。
【0099】
生成部102aは、取得したデータから予測モデルを生成する(ステップS13)。例えば、生成部102aは、求めた関数に対して、測定された各測定点のCDと各ヒーターHTの温度を用いてフィッティングを行い、各ヒーターHTの温度から測定点のCDを予測する関数を予測モデルとして求める。
【0100】
算出部102bは、カウンタiを1に初期化する(ステップS14)。そして、算出部102bは、生成した予測モデルを用いて、目標値μに対する各測定点のCDの誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nを算出する(ステップS15)。
【0101】
算出部102bは、各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nをそれぞれ基準として、ヒーターHTの温度を個別にプラスとマイナスに所定の温度(例えば、1度)だけ変化させて各測定点のCDを算出し、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの温度の組み合わせを特定する(ステップS16)。
【0102】
算出部102bは、特定した各分割領域のヒーターHTの温度に個別に乱数を求めて加算する(ステップS17)。算出部102bは、乱数を加算した値を初期値として、例えば、GRG法により、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの温度を算出する(ステップS18)。
【0103】
算出部102bは、各分割領域のヒーターHTを算出した温度とした場合の各測定点のCDの平均値を求め、CDの平均値が要求されるスペックの上限未満であるかを判定する(ステップS19)。CDの平均値が要求されるスペックの上限未満ではない場合(ステップS19:No)、算出部102bは、目標値μから所定の値を減算する(ステップS20)。
【0104】
一方、CDの平均値が要求されるスペックの上限未満である場合(ステップS19:Yes)、算出部102bは、CDの平均値が要求されるスペックの下限より大きいかを判定する(ステップS21)。CDの平均値が要求されるスペックの下限以下の場合(ステップS21:No)、算出部102bは、目標値μに所定の値を加算する(ステップS22)。
【0105】
一方、CDの平均値が要求されるスペックの下限より大きい場合(ステップS21:Yes)、算出部102bは、CDの平均値、CDのレンジ及び各分割領域のヒーターHTの温度のデータを保存する(ステップS23)。
【0106】
算出部102bは、カウンタiが所定の処理回数Nより小さいか否かを判定する(ステップS24)。カウンタiが所定の処理回数Nより小さい場合(ステップS24:Yes)、算出部102bは、カウンタiに1を加算し(ステップS25)、上述のステップS15へ移行する。
【0107】
カウンタiが所定の処理回数N以上の場合(ステップS24:No)、算出部102bは、保存したデータのなかから、CDのレンジが最も小さいデータの各分割領域のヒーターHTの温度を目標温度に採用する(ステップS26)。
【0108】
ヒーター制御部102dは、載置台16の載置領域18aに載置したウエハWに対してプラズマエッチングを行う際に、各分割領域のヒーターHTが採用した目標温度となるよう制御する(ステップS27)。
【0109】
プラズマエッチングが実施されたウエハWは、計測装置11へ搬送される。計測装置11は、搬送されたウエハWの測定点のCDを計測し、計測したCDのデータを基板処理装置10へ送信する。
【0110】
算出部102bは、計測装置11から受信したCDのデータからCDのレンジが許容範囲以内であるか判定する(ステップS28)。CDのレンジが許容範囲以内ではない場合(ステップS28:No)、算出部102bは、エラーフラグEFが0であるか判定する(ステップS29)。エラーフラグEFが0である場合(ステップS29:Yes)、生成部102aは、予測モデル生成用のデータとして、測定されたCDとヒーターHTの温度のデータを追加し(ステップS30)、再度ステップS13へ移行して、測定されたCDとヒーターHTの温度のデータと、ステップS12で取得したデータから予測モデルを再生成する。
【0111】
一方、CDのレンジが許容範囲以内である場合(ステップS28:Yes)、算出部102bは、エラーフラグEFを0に初期化する(ステップS31)。そして、算出部102bは、所定期間の処理待ちを行う(ステップS32)。所定期間は、例えば、所定枚数のウエハWのプラズマエッチングが行われる期間としてもよく、一定時間経過する期間としてもよい。
【0112】
基板処理装置10は、所定期間の間、各分割領域のヒーターHTが採用した目標温度となるよう制御してウエハWのプラズマエッチングを行う。
【0113】
算出部102bは、所定期間後に、計測装置11から受信したCDのデータからCDのレンジが許容範囲以内であるか判定する(ステップS33)。CDのレンジが許容範囲以内である場合(ステップS33:Yes)、再度ステップS32へ移行して所定期間の処理待ちを行う。
【0114】
一方、CDのレンジが許容範囲以内ではない場合(ステップS33:No)、算出部102bは、エラーフラグEFに1をセットする(ステップS34)。算出部102bは、予測モデルの補正を行う(ステップS35)。例えば、算出部102bは、各測定点のCD−目標値μの値を、それぞれの予測モデルの各測定点の関数に加える補正を行う。そして、算出部102bは、再度ステップS14へ移行して、再度、目標温度の算出を行う。
【0115】
一方、エラーフラグEFが0ではない場合は(ステップS29:No)、補正した予測モデルでもCDのレンジが許容範囲とならない場合である。この場合、生成部102aは、取得したデータから適切な予測モデルを生成できないため、エラーを出力(ステップS36)し、処理を終了する。例えば、生成部102aは、各分割領域のヒーターHTを数水準振ってプラズマエッチングを行ったウエハWの測定点のデータを取得し直して下さいとのメッセージをユーザインターフェース103に出力し、処理を終了する。
【0116】
エラーが出力された場合、工程管理者は、基板処理装置10の各ヒーターHTを制御して、各分割領域の温度を数水準振り、それぞれの温度でウエハWを交換して、実際に実施するプラズマエッチングを個別に実施して、予測モデル生成用のデータの取得を再度行った後、本実施形態に係る温度制御方法を実施する。
【0117】
このように、第1実施形態に係る基板処理装置10は、載置台16の載置面に載置したウエハWにプラズマエッチングを行った際のウエハWの所定の測定点でのCDを、各分割領域のヒーターHTの温度をパラメータとして、測定点と当該測定点を含んだ分割領域に隣接する分割領域との距離に応じた隣接する分割領域のヒーターHTの温度の影響を加味して予測する予測モデルを用いて、測定点のCDが所定条件を満たす各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出する。基板処理装置10は、載置面に載置したウエハWに対してプラズマエッチングを行う際に、各分割領域のヒーターHTが目標温度となるよう制御する。これにより、基板処理装置10は、ウエハWの測定点のCDが所定条件を満たすように各分割領域のヒーターHTの温度を制御できる。
【0118】
また、第1実施形態に係る基板処理装置10は、予測モデルを用いて、目標寸法に対する各測定点のCDの誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターの温度HTを算出する。基板処理装置10は、算出した各分割領域の温度をそれぞれ基準として各分割領域のヒーターHTの温度を変化させて、各測定点のCDの最大値と最小値の差が最も小さくなる各分割領域のヒーターの目標温度を算出する。これにより、基板処理装置10は、ウエハWのCDの均一性が高くなるヒーターHTの温度を精度良く算出できる。
【0119】
また、第1実施形態に係る基板処理装置10は、各分割領域のヒーターHTを3つ以上の温度に制御してウエハWにプラズマエッチングを行った際の測定点のCDをそれぞれ測定したデータから予測モデルを生成する。基板処理装置10は、生成された予測モデルを用いて、測定点のCDが所定条件を満たす各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出する。これにより、基板処理装置10は、測定点でのCDを精度良く予測可能な予測モデルを生成できる。
【0120】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る基板処理システム1及び基板処理装置10は、
図1から
図4に示す第1実施形態に係る基板処理システム1及び基板処理装置10の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0121】
次に、第2実施形態に係る予測モデルについて説明する。各ヒーターHTの温度Tと測定点のCDには、以下の式(14)の関係がある。
【0123】
ここで、A´は、ヒーターの絶対温度の逆数の指数関数の係数である。B´は活性化エネルギーであり、CDの場合は物理吸着エネルギー程度の大きさである。具体的にはB´≒0.25[eV]×1.7E4[K/eV]=4.3E3K程度となる。
【0124】
CDは、式(14)から式(15)のように表せる。
【0126】
ここで、CD
0は、CDの定数項である。
【0127】
式(15)のexp(B´/T)は、以下の式(16−1)のようにCDを計測した3つ以上の温度の平均温度T
aとの差分τで温度Tを表した場合、以下の式(16−2)のように表せる。
【0129】
式(16−2)は、以下の式(17−2)のようにxを表した場合、以下の式(17−1)のように表せる。
【0131】
式(17−1)は、以下の式(18−1)のように近似でき、式(18−2)のように表せる。
【0133】
例えば、平均温度T
a=300[K]であり、τ=10[K]である場合、例えば、式(18−2)のxの1次の項は、0.47となり、xの2次の項は、0.11となり、3次の項は、0.02となり、xの次数が大きいほど値が小さくなる。
【0134】
例えば、式(18−2)は、xの二次の項までで近似した場合、以下の式(19)のように表せる。
【0136】
よって、式(15)は、exp(B´/T)に式(19)を用いた場合、以下の式(20)のように表せる。
【0138】
なお、より精度を求める場合は、exp(B´/T)に式(18−2)の二次より大きい項まで用いて近似してもよい。また、exp(B´/T)として指数関数をそのまま用いてもよい。
【0139】
式(20)は、A
20を以下の式(21−2)のように表し、A
21を以下の式(21−3)のように表し、A
22を以下の式(21−4)のように表した場合、以下の式(21−1)のように表せる。
【0141】
式(21−1)に示すように、CDは、平均温度T
aの近くでは、τの2次関数で近似できる。
【0142】
式(21−1)は、ヒーターHTが設けられた各分割領域の各測定点のCD
i,jの式として表す場合、以下の式(22)のように表せる。
【0144】
ここで、iは、測定点を含むヒーターHTが設けられた分割領域の番号である。jは、ヒーターHTが設けられた分割領域に含まれる測定点の番号である。
【0145】
生成部102aは、受信したCDのデータから、測定点のCDをヒーターHTの温度の一次関数でモデル化した第1の予測モデルを生成する。例えば、生成部102aは、第1実施形態と同様に、計測装置11から受信した、各ヒーターHTを45℃、50℃、55℃の3つの温度としてプラズマエッチング処理が実施された各ウエハWの測定点のCDのデータに基づき、各測定点のCDと各ヒーターHTの温度を用いて、フィッティングを行って、第1の予測モデルとして、各ヒーターHTの温度Tの一次関数で測定点のCDを予測する関数を求める。例えば、生成部102aは、第1の予測モデルとして、式(5−1)、式(5−2)、式(5−3)を求める。
【0146】
また、生成部102aは、受信したCDのデータから、測定点のCDをヒーターHTの温度の二次以上の関数、又は、ヒーターの絶対温度の逆数の指数関数と定数の和でモデル化した第2の予測モデルを生成する。例えば、生成部102aは、計測装置11から受信した、各ヒーターHTを45℃、50℃、55℃の3つの温度としてプラズマエッチング処理が実施された各ウエハWの測定点のCDのデータに基づき、各測定点のCDと各ヒーターHTの温度を用いて、フィッティングを行って係数A
20_i,j、A
21_i,j、A
22_i,jの値を求める。
【0147】
係数A
20_i,j、A
21_i,j、A
22_i,jが求まると、上述の式(16−1)と上述の式(22)から、温度T
lでのCD
i,jを算出できる。
【0148】
なお、生成部102aは、より精度を求める場合は、exp(B´/T)に式(18−2)の二次より大きい項まで用いて近似した式を用いて、フィッティングを行って第2の予測モデルを生成してもよい。また、生成部102aは、exp(B´/T)として指数関数をそのまま用いて、フィッティングを行って第2の予測モデルを生成してもよい。
【0149】
算出部102bは、生成部102aにより生成された第1の予測モデル及び第2の予測モデルを用いて、測定点のCDが所定条件を満たす各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出する。例えば、算出部102bは、第1実施形態と同様に、第1の予測モデルを用いて、目標値μに対する各測定点のCDの誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nを算出する。
【0150】
そして、算出部102bは、算出した各分割領域のヒーターHTの温度をそれぞれ基準として各分割領域のヒーターHTの温度を変化させて、第2の予測モデルを用いて各測定点の臨界寸法の最大値と最小値の差が最も小さくなる各分割領域のヒーターの目標温度を算出する。例えば、算出部102bは、誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nをそれぞれ基準として、各分割領域のヒーターHTの温度T
nを変化させて、上述の式(3)と式(22)を用いて、各測定点のCDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出する。例えば、算出部102bは、各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nをそれぞれ基準として、ヒーターHTの温度を個別にプラスとマイナスに所定の温度だけ変化させて各測定点のCDを算出し、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの温度の組み合わせを特定する。そして、算出部102bは、特定した各分割領域のヒーターHTの温度の組み合わせについて、各分割領域のヒーターHTの温度に個別に乱数を加えた値を初期値として、例えば、GRG法を用いて、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出する。なお、算出部102bは、特定した各分割領域のヒーターHTの温度の組み合わせについて、各分割領域のヒーターHTの温度を所定の温度よりも小さい温度幅でランダム、又は、所定の規則で変化させて各測定点のCDを算出することを繰り返して、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出してもよい。
【0151】
[温度制御の流れ]
次に、第2実施形態に係る基板処理装置10を用いた温度制御方法について説明する。
図9は、第2実施形態に係る温度制御方法の流れの一例を示すフローチャートである。第2実施形態に係る温度制御方法は、
図8に示した第1実施形態に係る温度制御方法と一部の処理が同一であるため、同一の処理については同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる処理の部分について説明する。
【0152】
生成部102aは、取得したデータから測定点のCDをヒーターHTの温度の一次関数でモデル化した第1の予測モデル、及び、測定点のCDをヒーターHTの温度の二次以上の関数、又は、ヒーターの絶対温度の逆数の指数関数と定数の和でモデル化した第2の予測モデルを生成する(ステップS13a)。例えば、生成部102aは、求めた関数に対して、測定された各測定点のCDと各ヒーターHTの温度を用いてフィッティングを行い、各ヒーターHTの温度Tの一次関数で測定点のCDを予測する関数と、各ヒーターHTの温度Tの二次関数で測定点のCDを予測する関数とをそれぞれ求める。
【0153】
算出部102bは、生成した第1の予測モデルを用いて、目標値μに対する各測定点のCDの誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nを算出する(ステップS15a)。
【0154】
算出部102bは、算出した各分割領域のヒーターHTの温度τ
*nをそれぞれ基準として、第2の予測モデルを用いて、ヒーターHTの温度を個別にプラスとマイナスに所定の温度(例えば、1度)だけ変化させて各測定点のCDを算出し、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの温度の組み合わせを特定する(ステップS16a)。
【0155】
算出部102bは、乱数を加算した値を初期値として、第2の予測モデルを用いて、例えば、GRG法により、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの温度を算出する(ステップS18a)。
【0156】
このように、第2実施形態に係る基板処理装置10は、測定点のCDをヒーターHTの温度の一次関数でモデル化した第1の予測モデルを生成する。また、基板処理装置10は、測定点のCDをヒーターHTの温度の二次の関数でモデル化した第2の予測モデルを生成する。第2の予測モデルは、2次の関数でモデル化したため、第1の予測モデルよりも精度良くCDを予測できる。基板処理装置10は、第1の予測モデルを用いてCDの誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度を算出する。第2の予測モデルでは誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度を算出できない場合がある。このため、基板処理装置10は、第1の予測モデルを用いて誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHTの温度を算出する。基板処理装置10は、算出した各分割領域の温度をそれぞれ基準として各分割領域のヒーターの温度HTを変化させて、第2の予測モデルを用いて各測定点のCDの最大値と最小値の差が最も小さくなる各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出する。これにより、基板処理装置10は、第1の予測モデルを用いてヒーターHTの目標温度を算出した場合よりも、ウエハWのCDの均一性が高くなるヒーターHTの温度を精度良く算出できる。
【0157】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る基板処理システム1は、
図1に示す第1実施形態および第2実施形態に係る基板処理システム1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0158】
第3実施形態に係る基板処理装置10の構成について説明する。
図10は、第3実施形態に係る基板処理装置を概略的に示す図である。第3実施形態に係る基板処理装置は、
図2に示した第1実施形態および第2実施形態に係る基板処理装置10と一部が同様の構成であるため、同一の部分については同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0159】
基板処理装置10は、処理容器12内に、第1の載置台116が設けられている。第1の載置台116は、上面がウエハWと同程度のサイズの略円盤形状に形成されている。第1の載置台116は、
図2に示した載置台16に対応しており、支持部材18及び基台20を含んでいる。
【0160】
また、基板処理装置10は、第1の載置台116の外周面に沿って周囲に第2の載置台120が設けられている。第2の載置台120は、内径が第1の載置台116の外径よりも所定サイズ大きい円筒状に形成され、第1の載置台116と軸を同じとして配置されている。第2の載置台120は、上側の面がウエハWを囲むように配置されるリング部材の載置される載置面120aとされている。本実施形態では、リング部材として、環状のフォーカスリングFRが載置面120aに載置される。
【0161】
第2の載置台120は、基台121と、フォーカスリングヒーター122とを含んでいる。基台121は、例えば表面に陽極酸化被膜が形成されたアルミニウム等で構成されている。基台121は、
支持部14に支持されている。フォーカスリングヒーター122は、基台121に支持されている。フォーカスリングヒーター122は、上面が平坦な環状の形状とされ、当該上面がフォーカスリングFRの載置される載置面120aとされている。フォーカスリングヒーター122は、ヒーターHT2及び絶縁体123を有している。ヒーターHT2は、絶縁体123の内部に設けられ、絶縁体123に内包されている。
【0162】
図11は、第3実施形態に係る第1の載置台および第2の載置台を示す平面図である。上述したように第1の載置台116は、上面がウエハWと同程度のサイズの略円盤形状に形成されており、載置領域18aを提供している。載置領域18aは、平面視において略円形の領域である。この載置領域18aの上面上には、ウエハWが載置される。第2の載置台120は、第1の載置台116を囲むように、略円筒形状に形成されており、外周領域18bを提供している。外周領域18bは、平面視において円環状の領域である。この外周領域18bの上面上には、フォーカスリングFRが載置される。
【0163】
載置領域18aは、第1実施形態および第2実施形態と同様に、複数の分割領域に分割され、それぞれの分割領域にヒーターHT1が設けられている。ヒーターHT1は、
図2に示したヒーターHTに対応している。
【0164】
外周領域18bも、複数の分割領域に分割され、それぞれの分割領域にヒーターHT2が設けられている。例えば、
図11に示すように、外周領域18bは、周方向に、複数の分割領域に分割され、それぞれの分割領域にヒーターHT2が設けられている。なお、図
11に示す分割領域の分割手法は、一例であり、これに限定されるものではない。外周領域18bは、より多くの分割領域に分割してもよい。例えば、外周領域18bは、外周に近いほど、角度幅が小さく、径方向の幅が狭い分割領域に分割してもよい。
【0165】
ヒーターHT1およびヒーターHT2は、不図示の配線を介して、図
10に示す、ヒーター電源HPに個別に接続されている。各ヒーターHT1および各ヒーターHT2には、ヒーター電源HPから個別に調整された電力が供給される。
【0166】
上記のように構成された基板処理装置10は、制御部100によって、その動作が統括的に制御される。制御部100は、
図4に示した第1実施形態および第2実施形態に係る制御部100と同様の構成とされており、通信インターフェース101と、プロセスコントローラ102と、ユーザインターフェース103と、記憶部104とが設けられている。
【0167】
プロセスコントローラ102は、制御プログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、プロセスコントローラ102は、生成部102aと、算出部102bと、プラズマ制御部102cと、ヒーター制御部102dの機能を有する。
【0168】
ところで、プラズマエッチングなどの基板処理では、本実施形態に係る基板処理装置10のように第2の載置台120にヒーターHT2を設けてフォーカスリングFRの温度を制御した場合、ヒーターHT2の温度によってもウエハWの外周付近の処理の進行が変化する。例えば、プラズマエッチングでは、ヒーターHT2の温度を高くした場合、フォーカスリングFRの温度が上昇する。そして、プラズマエッチングでは、フォーカスリングFRの温度が上昇すると、フォーカスリングFRの上部付近でプラズマが消費されてウエハWの外周付近のプラズマの濃度が低下し、ウエハWの外周付近のエッチングの進行が低下する現象が発生する。
【0169】
このように、プラズマエッチングでは、ウエハWの温度が高くなるとエッチングの進行が速くなるが、フォーカスリングFRの温度を高くなると、逆に、ウエハWの外周付近のエッチングの進行が低下する。
【0170】
そこで、本実施形態に係る基板処理装置10では、各ヒーターHT1及び各ヒーターHT2の温度をパラメータとして、ウエハWの全面のCDのレンジがより小さく、及び、CDの平均値が目標値に近い状況を実現する。
【0171】
ここで、予測モデルについて説明する。ヒーターHT1、ヒーターHT2の温度の影響を加味した場合、測定点のCDは、以下の式(23)の関係がある。
【0173】
ここで、CD
0は、ヒーターHT1の温度Tから測定点のCDを予測する項(モデル部分)である。CD
0の予測に用いる式としては、上述の式(5−1)が対応する。T
FRは、フォーカスリングFR部分のヒーターHT2の温度である。∂CD/∂T
FR・△T
FRは、CDに対するフォーカスリングFR部分のヒーターHT2の温度の影響を予測する項(モデル部分)である。
【0174】
他の分割領域のヒーターHT1の温度の影響を加味すると、CDは、測定点の温度TがCDを計測した3つ以上の温度の平均温度T
aの近くである場合、上述のように、式(21−1)に示したように、τの2次関数で近似できる。そこで、さらにヒーターHT2の温度の影響を加味すると、CDは、測定点の温度TがCDを計測した3つ以上の温度の平均温度T
aの近くであり、ヒーターHT2の温度T
FRがCDを計測したヒーターHT2の平均温度T
FR_aの近くである場合、以下の式(24−1)のように、τおよびξを用いて1次関数で近似できる。また、CDは、以下の式(24−2)のように、τおよびξを用いて2次関数で近似できる。
【0176】
ここで、τは、上述した式(16−1)に示すように、測定点の温度Tの平均温度T
aとの差分である。ξは、CDを計測した際のヒーターHT2の温度T
FRを平均温度T
FR_aとの差分で示した温度であり、ξ=T
FR−T
FR_aである。
【0177】
式(24−1)は、1次関数で近似したモデルである。式(24−1)の右辺の一項および二項は、上述した式(4−1)の右辺の式であり、ヒーターHT1の温度τから測定点のCDを予測する項である。A
10、A
11は、係数である。式(24−1)の右辺の三項は、ヒーターHT2の温度ξからCDへの影響を予測する項である。F
11は、係数である。
【0178】
式(24−2)は、2次関数で近似したモデルである。式(24−2)の右辺の一項から三項は、上述した式(21−1)の右辺の式であり、ヒーターHT1の温度τから測定点のCDを予測する項である。式(24−2)の右辺の四項から五項は、ヒーターHT2の温度ξからCDへの影響を予測する項である。F
21、F
22は、係数である。
【0179】
式(24−2)は、各分割領域の各測定点のCDを求める式としてそれぞれ個別に得られる。
【0180】
本実施形態に係る基板処理装置10では、予測モデルの生成に用いるデータを得るため、各ヒーターHT1、ヒーターHT2を制御して、各分割領域の温度を数水準振り、それぞれの温度でウエハWを交換して、各ウエハWに対して実際に実施するプラズマエッチングを個別に実施する。例えば、基板処理装置10は、各ヒーターHT2の温度を一定とし、各ヒーターHT1を3つ以上の温度に制御して、それぞれの温度でウエハWを交換して、実際に実施するプラズマエッチングを個別に実施する。一例として、基板処理装置10は、各ヒーターHT1を50℃として、ウエハWに対してプラズマエッチングを実施する。また、基板処理装置10は、各ヒーターHT1を55℃として、ウエハWに対してプラズマエッチングを実施する。また、基板処理装置10は、各ヒーターHT1を45℃として、ウエハWに対してプラズマエッチングを実施する。また、基板処理装置10は、各ヒーターHT1の温度を一定とし、各ヒーターHT2を2つ以上の温度に制御して、それぞれの温度でウエハWを交換して、実際に実施するプラズマエッチングを個別に実施する。
【0181】
各温度でプラズマエッチングが実施された各ウエハWは、それぞれ計測装置11へ搬送される。計測装置11は、搬送された各ウエハWについて、所定位置を測定点として、測定点のCDを計測する。計測装置11は、計測した各測定点のCDのデータを基板処理装置10へ送信する。
【0182】
これにより、測定点ごとに、以下の式(25)に示すように、τ、τ
2、ξ、ξ
2、測定点のCDの値を対応させたデータを得ることができる。
【0184】
ここで、nは、予測モデルの生成に用いるデータを得るために、プラズマエッチングを行ったウエハWの枚数である。τ
nは、n枚目のウエハWに対してプラズマエッチングを行った際の測定点が設けられた分割領域のヒーターHT1の温度τである。ξ
nは、n枚目のウエハWに対してプラズマエッチングを行った際のヒーターHT2の温度ξである。CD
nは、n枚目のウエハWに対してプラズマエッチングを行った際の測定点のCDの値である。
【0185】
生成部102aは、受信したCDのデータから、測定点のCDをヒーターHT1、ヒーターHT2の温度の一次関数でモデル化した第1の予測モデルを生成する。例えば、生成部102aは、各測定点のCDと各ヒーターHT1、ヒーターHT2の温度を用いて、式(24−1)に対してフィッティングを行って係数A
10、A
11、F
11の値を求め、求めた係数A
10、A
11、F
11を式(24−1)に代入して、第1の予測モデルとして、ヒーターHT1の温度τおよびヒーターHT2の温度ξの一次関数で測定点のCDを予測する関数を求める。例えば、生成部102aは、第1の予測モデルとして、式(24−1)を求める。
【0186】
また、生成部102aは、受信したCDのデータから、測定点のCDをヒーターHT1、ヒーターHT2の二次の関数でモデル化した第2の予測モデルを生成する。例えば、生成部102aは、測定点ごとに、式(25)に示した各ウエハWの測定点のCDのデータに基づき、測定点のCDと各ヒーターHT1、ヒーターHT2の温度を用いて、上述した式(24−2)に対してフィッティングを行って係数A
20、A
21、A
22、F
21、F
22の値を求める。例えば、生成部102aは、フィッティングを行い、残差平方和が最小なる係数A
20、A
21、A
22、F
21、F
22の値を求める。
【0187】
例えば、S
jk、S
kjを以下の式(26−1)のように定義し、S
jCDを以下の式(26−2)のように定義し、
xi1を以下の式(26−3)のように表し、x
i2を以下の式(26−4)とし、x
i3を以下の式(26−5)とし、x
i4を以下の式(26−6)とする。
【0189】
ここで、x ̄
jは、x
jの平均値である。x ̄
Kは、x
Kの平均値である。CD ̄は、CDの平均値である。
【0190】
残差平方和が最小なるときは、以下の式(27−1)〜(27−5)の関係を満たす。
【0192】
この式(27−2)〜(27−5)は、行列を用いた場合、式(28)のように変換できる。
【0194】
生成部102aは、上述の式(25)を用いて、式(26−1)−(26−6)から、j=1〜4、k=1〜4について、S
jk、S
jCDをそれぞれ求め、式(28)に代入して係数A
21、A
22、F
21、F
22の値を求める。
【0195】
生成部102aは、求めた係数A
21、A
22、F
21、F
22と、τの平均値τ ̄、τ
2の平均値τ ̄
2、ξの平均値ξ ̄、ξ
2の平均値ξ ̄
2を式(27−1)に代入して、係数A
20の値を求める。
【0196】
そして、生成部102aは、求めた係数A
20、A
21、A
22、F
21、F
22を式(24−2)に代入することにより、第2の予測モデルを生成する。
【0197】
算出部102bは、生成部102aにより生成された第1の予測モデル及び第2の予測モデルを用いて、測定点のCDが所定条件を満たす各分割領域のヒーターHT1、ヒーターHT2の目標温度を算出する。
【0198】
例えば、算出部102bは、第2実施形態と同様に、第1の予測モデルを用いて、目標値μに対する各測定点のCDの誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHT1の温度τ
*n、及びヒーターHT2の温度ξ
*nを算出する。
【0199】
そして、算出部102bは、算出した各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の温度をそれぞれ基準として各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の温度を変化させて、第2の予測モデルを用いて各測定点の臨界寸法の最大値と最小値の差が最も小さくなる各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の目標温度を算出する。例えば、算出部102bは、誤差の二乗和が最小となる各分割領域のヒーターHT1の温度τ
*n及びヒーターHT2の温度ξ
*nをそれぞれ基準として、各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の温度を変化させて、上述の式(24−2)を用いて、各測定点のCDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の目標温度を算出する。例えば、算出部102bは、各分割領域のヒーターHT1の温度τ
*nをそれぞれ基準として、ヒーターHT1の温度を個別にプラスとマイナスに所定の温度だけ変化させ、さらに、ヒーターHT2の温度ξを、ξ
*nを基準としてプラスとマイナスに所定の温度だけ変化させて各測定点のCDを算出し、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の温度の組み合わせを特定する。そして、算出部102bは、特定した各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の温度の組み合わせについて、各分割領域のヒーターHT1の温度に個別に乱数を加えた値を初期値として、例えば、GRG法を用いて、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の目標温度を算出する。なお、算出部102bは、特定した各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の温度の組み合わせについて、各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の温度を所定の温度よりも小さい温度幅でランダム、又は、所定の規則で変化させて各測定点のCDを算出することを繰り返して、CDのレンジが最も小さくなる各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の目標温度を算出してもよい。
【0200】
ヒーター制御部102dは、プラズマ制御部102cの制御により、ウエハWに対してプラズマエッチングを行う際に、ヒーターHT1及びヒーターHT2が算出部102bにより算出された目標温度となるよう制御する。例えば、ヒーター制御部102dは、各ヒーターHT1及び各ヒーターHT2に、それぞれの目標温度に応じた電力が供給されるようヒーター電源HPを制御する。
【0201】
このように、第3実施形態に係る基板処理装置10は、ウエハW及び当該ウエハWを囲むように配置されるフォーカスリングFRを載置する載置面が設けられ、載置面を分割した各分割領域に温度を調整可能なヒーターHT1、HT2がそれぞれ設けられた載置台(第1の載置台116、第2の載置台120)を有する。基板処理装置10は、載置面に載置したウエハWに所定の基板処理を行った際のウエハWの所定の測定点での臨界寸法を、各分割領域のヒーターHT1、HT2の温度をパラメータとして、測定点と当該測定点を含んだ分割領域以外の他の分割領域との距離に応じた他の分割領域のヒーターHT1、HT2の温度の影響を加味して予測する予測モデルを用いて、測定点の臨界寸法が所定条件を満たす各分割領域のヒーターHT1、HT2の目標温度を算出する。基板処理装置10は、載置面に載置したウエハWに対して基板処理を行う際に、各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2が、算出された目標温度となるよう制御する。これにより、基板処理装置10は、ウエハWの測定点のCDが所定条件を満たすように各分割領域のヒーターHT1及びヒーターHT2の温度を制御できる。
【0202】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る基板処理システム1及び基板処理装置10は、
図1から
図3、
図10、
図11に示した第1実施形態から第3実施形態に係る基板処理システム1及び基板処理装置10の構成と同様であるため、説明を省略する。なお、以下では、
図1から
図3に示した第1実施形態および第2実施形態に係る基板処理装置10の構成を用いて第4実施形態を説明するが、
図10、
図11に示した第3実施形態に係る基板処理装置10の構成に第4実施形態を適用してもよい。
【0203】
図12は、第4実施形態に係る基板処理装置を制御する制御部の概略的な構成を示したブロック図である。第4実施形態に係る基板処理装置を制御する制御部100は、
図4に示した第1実施形態から第3実施形態に係る制御部100と一部が同様の構成であるため、同一の部分については同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0204】
第4実施形態に係る基板処理装置を制御する制御部100のプロセスコントローラ102は、配置制御部102eの機能をさらに有する。
【0205】
ここで、上述のように、プラズマエッチングなどの基板処理では、ウエハW全面でのCDのレンジが小さいことが望まれている。CDのレンジは、CDの最大値とCDの最小値の差である。
【0206】
基板処理装置10では、各分割領域のヒーターHTの温度を、算出部102bにより算出された目標温度として、ウエハWに対してプラズマエッチングを行う。これにより、ウエハWの各測定点のCDのレンジが最も小さくなる。
【0207】
ところで、ウエハWの測定点のCDが最大となる最大点とCDが最小となる最小点が同じ分割領域内に位置する場合がある。
【0208】
図13は、ウエハ上のCDの最大点と最小点を模式的に示す図である。
図13(A)には、ウエハW上で測定点のCDが最大となる最大点P1とCDが最小となる最小点P2が示されている。また、
図13(A)には、載置台16のウエハWが載置される載置領域18aが模式的に示されている。載置領域18aは、複数の分割領域に分割され、それぞれの分割領域にヒーターHTが設けられている。本実施形態では、載置領域18aは、中央の円形領域150、及び、当該円形領域を囲む4つの環状領域151の5つの分割領域に分割されている。すなわち、載置台16は、載置領域18aを分割した各分割領域のうちの少なくとも一部(環状領域151)がウエハWの周方向に沿って設けられている。各分割領域(円形領域150および環状領域151)は、それぞれにヒーターHTが設けられている。
【0209】
図13(A)に示すウエハWを載置領域18aに配置した場合、
図13(B)に示すように、最大点P1と最小点P2は、同じ分割領域内に位置する。
図13(B)の例では、最大点P1と最小点P2は、同じ環状領域151内に位置する。測定点のCDは、ヒーターHTの温度によって変化する。しかし、最大点P1と最小点P2が同じ分割領域内に位置する場合、最大点P1および最小点P2のCDは、同じヒーターHTによって温度制御されるため、ヒーターHTの温度を変化に応じて同様に変化する。このため、CDのレンジをより小さくすることが難しい状態となる。
【0210】
このような場合、
図13(C)に示すように、ウエハWを回転させて載置領域18aに載置すれば、最大点P1と最小点P2を別の分割領域に配置できる。
図13(C)の例では、最大点P1と最小点P2を別の環状領域151に配置できる。このように最大点P1と最小点P2が別の分割領域に配置した場合、別のヒーターHTによって温度制御できるため、CDのレンジをより小さくすることが可能となる。
【0211】
そこで、配置制御部102eは、生成部102aにより生成された予測モデルを用いて、各ヒーターHTの目標温度とした場合の各測定点のCDを算出する。なお、測定点のCDは、実際にプラズマエッチングを行って計測装置11により計測された値を用いてもよい。
【0212】
配置制御部102eは、各測定点のCDのうち、CDが最大となる最大点とCDが最小となる最小点を特定する。配置制御部102eは、最大点と最小点とが同じ分割領域内に位置するかを判定する。例えば、配置制御部102eは、最大点と最小点とが、ウエハWの周方向に沿って設けられた同じ分割領域内に位置するかを判定する。配置制御部102eは、判定の結果、最大点と最小点とが同じ分割領域内に位置する場合、最大点と最小点が異なる分割領域に位置するように、載置面に対するウエハWの配置を制御する。例えば、配置制御部102eは、最大点と最小点とが、ウエハWの周方向に沿って設けられた同じ分割領域内に位置する場合、最大点と最小点が異なる分割領域に位置するように、ウエハWを周方向に回転させる制御を行う。例えば、配置制御部102eは、最大点と最小点の中間位置が分割領域の境界に位置するように、ウエハWを周方向に回転させる制御を行う。例えば、配置制御部102eは、ウエハWを基板処理装置10へ搬送する搬送系において、ウエハWを周方向に回転させるように制御する。搬送系には、基板処理装置10よりも前に、アライメント装置やロボットアームが設けられている。アライメント装置は、水平な回転ステージが設けられ、ウエハW等の回転位置の調整など各種のアライメントの調整が可能とされている。ロボットアームは、ウエハWを保持して搬送系の各装置にウエハWを搬送する。例えば、配置制御部102eは、アライメント装置やロボットアームに対してウエハWを周方向に回転させる制御情報を送信して、最大点と最小点の中間位置が分割領域の境界に位置するように、ウエハWを周方向に回転させる制御を行う。
【0213】
基板処理装置10は、このように載置面に対するウエハWの配置を変更した場合、予測モデルを再生成してもよい。例えば、基板処理装置10は、各ヒーターHTを制御して、各分割領域の温度を数水準振り、それぞれの温度でウエハWを交換して、実際に実施するプラズマエッチングを個別に実施する。各温度でプラズマエッチング処理が実施された各ウエハWをそれぞれ計測装置11へ移動させ、ウエハWの所定位置を測定点として、計測装置11で測定点のCDを計測する。計測装置11は、計測した各測定点のCDのデータを基板処理装置10へ送信する。生成部102aは、受信したCDのデータから予測モデルを再生成する。算出部102bは、生成部102aにより生成された予測モデルを用いて、測定点のCDが所定条件を満たす各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出してもよい。
【0214】
また、温度変化に対するCDの変化を示す変化特性データが得られている場合、基板処理装置10は、載置面に対するウエハWの配置を変更する前の予測モデルを用いて、各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出してもよい。例えば、算出部102bは、ウエハWを回転させた回転角度に基づいて、各測定点にそれぞれ対応するヒーターHTを特定する。算出部102bは、測定点ごとに、変化特性データに基づいて、ウエハWの配置を変更する前のヒーターHTの温度と変更後のヒーターHTの温度の差に応じてCDの値を補正するように予測モデルを補正する。算出部102bは、補正した予測モデルを用いて、測定点のCDが所定条件を満たす各分割領域のヒーターHTの目標温度を算出してもよい。
【0215】
このように、第4実施形態に係る基板処理装置10は、ウエハWの測定点のCDが最大となる最大点とCDが最小となる最小点とが同じ分割領域内に位置する場合、最大点と前記最小点が異なる分割領域に位置するように、載置面に対するウエハWの配置を制御する。これにより、基板処理装置10は、CDが最大となった最大点とCDが最小となった最小点を別のヒーターHTによって温度制御できるため、CDのレンジをより小さくすることが可能となる。
【0216】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0217】
例えば、上記の実施形態では、基板として半導体ウエハに基板処理を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。基板は、温度によって基板処理の進行に影響があるものであれば何れであってもよい。
【0218】
また、上記の実施形態では、基板処理としてプラズマエッチングを行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。基板処理は、温度によって処理の進行に影響があるものであれば何れであってもよい。
【0219】
また、上記の第3実施形態では、載置台を、ウエハWを載置する第1の載置台116とフォーカスリングFRを載置する第2の載置台120に分けた場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。載置台を1つで構成し、ウエハWとフォーカスリングFRを同一平面とされた載置面に載置してもよい。
【0220】
また、上記の第3実施形態では、リング部材として、フォーカスリングFRを配置した場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。リング部材は、例えば、石英などの絶縁性材料で構成され、絶縁や載置面の保護のために設けられたインシュレータリングであってもよい。また、リング部材は、フォーカスリングFRおよびインシュレータリングであってもよい。この場合、例えば、インシュレータリングは、フォーカスリングFRを囲むように配置される。
【0221】
また、上記の第1実施形態から第4実施形態では、算出部102bが、各測定点の臨界寸法の最大値と最小値の差が最も小さくなる各分割領域のヒーターの目標温度を算出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。算出部102bは、各測定点の臨界寸法の偏差の二乗和が最も小さくなる各分割領域のヒーターの目標温度を算出してもよい。